特許第6330131号(P6330131)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6330131
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】画像中継装置及び画像中継方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20180521BHJP
【FI】
   A63F7/02 328
   A63F7/02 334
【請求項の数】2
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2014-44784(P2014-44784)
(22)【出願日】2014年3月7日
(65)【公開番号】特開2015-167712(P2015-167712A)
(43)【公開日】2015年9月28日
【審査請求日】2016年12月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】特許業務法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】月東 康慶
(72)【発明者】
【氏名】小田島 満
【審査官】 尾崎 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−018394(JP,A)
【文献】 特開2008−067790(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機で遊技を行う遊技者を撮像手段が撮像することにより得られる撮像データを受信可能な撮像データ受信手段と、
前記撮像データ受信手段により受信された撮像データの中から、認証処理の対象となる認証対象データを抽出可能な認証対象データ抽出手段と、
前記認証対象データ抽出手段により抽出された認証対象データを、前記認証処理を実行するために画像処理手段に対して出力可能な認証対象データ出力手段と、
前記遊技機から出力される遊技信号を受信可能な遊技信号受信手段と、
前記遊技信号受信手段により受信される前記遊技機が遊技者に有利な特別遊技状態であることを示す遊技信号に基づいて、前記遊技機において前記特別遊技状態が終了したかを判定可能な遊技状態判定手段と、
前記遊技信号受信手段により受信される前記遊技機への遊技媒体の投入数を示す遊技信号に基づいて、前記遊技機が非稼動状態であるかを判定可能な稼動状態判定手段と、を有し、
前記撮像データ受信手段は、
前記特別遊技状態である前記遊技機で遊技を行う遊技者を前記撮像手段が撮像することにより得られる撮像データを、所定期間経過する毎に受信可能であり、
前記認証対象データ抽出手段は、
前記遊技状態判定手段により前記遊技機において前記特別遊技状態が終了したと判定された後に、前記稼動状態判定手段により前記遊技機が非稼動状態であると判定された場合、前記撮像データ受信手段により受信された撮像データの中から、認証対象データを抽出可能であり、
前記認証対象データ出力手段は、
前記認証対象データ抽出手段により認証対象データが抽出された後に、当該認証対象データを前記画像処理手段に出力可能である
ことを特徴とする画像中継装置。
【請求項2】
遊技場に設置される遊技機で遊技を行う遊技者の撮像データを受信して、受信した撮像データの中から、認証処理の対象となる認証対象データを抽出して出力する画像中継方法であって、
前記遊技機で遊技を行う遊技者を撮像手段が撮像することにより得られる撮像データを受信可能な撮像データ受信工程と、
前記撮像データ受信工程により受信された撮像データの中から、認証処理の対象となる認証対象データを抽出可能な認証対象データ抽出工程と、
前記認証対象データ抽出工程により抽出された認証対象データを、前記認証処理を実行するために画像処理手段に対して出力可能な認証対象データ出力工程と、
前記遊技機から出力される遊技信号を受信可能な遊技信号受信工程と、
前記遊技信号受信工程により受信される前記遊技機が遊技者に有利な特別遊技状態であることを示す遊技信号に基づいて、前記遊技機において前記特別遊技状態が終了したかを判定可能な遊技状態判定工程と、
前記遊技信号受信工程により受信される前記遊技機への遊技媒体の投入数を示す遊技信号に基づいて、前記遊技機が非稼動状態であるかを判定可能な稼動状態判定工程と、を有し、
前記撮像データ受信工程は、
前記特別遊技状態である前記遊技機で遊技を行う遊技者を前記撮像手段が撮像することにより得られる撮像データを、所定期間経過する毎に受信可能であり、
前記認証対象データ抽出工程は、
前記遊技状態判定工程により前記遊技機において前記特別遊技状態が終了したと判定された後に、前記稼動状態判定工程により前記遊技機が非稼動状態であると判定された場合、前記撮像データ受信工程により受信された撮像データの中から、認証対象データを抽出可能であり、
前記認証対象データ出力工程は、
前記認証対象データ抽出工程により認証対象データが抽出された後に、当該認証対象データを前記画像処理手段に出力可能である
ことを特徴とする画像中継方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場に多数設置されるパチンコ機やスロットマシン(パチスロ機)等の遊技機で遊技を行う遊技者について、カメラの撮像データに基づいて遊技者の認証処理を行うための遊技者認証システムと、遊技者認証システムに備えられる画像中継装置及び画像中継方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パチンコ機やパチスロ機(スロットマシン)等に代表される遊技機が多数設置された遊技場(遊技店・ホール)では、来店して遊技を行う顧客である遊技者のニーズや動向等を把握して、適切・的確な顧客サービスを提供するために、遊技者に関する各種情報が収集される。
この種の遊技者情報の収集は、通常は、遊技者に対して会員カードを発行することで行われる。
【0003】
遊技場が遊技者に対して会員カードを発行することで、遊技場側では、遊技者の属性情報(例えば性別・年齢・職業等)を把握できるとともに、遊技に際して会員カードを読み取らせて遊技を行わせることで、その遊技者の遊技時間や遊技した遊技台(機種),消費した金額,獲得した遊技媒体,スタート回数,大当たり回数等の遊技情報が収集できるようになる。
そして、収集された遊技者の属性情報・遊技情報を蓄積・解析することで、遊技者の行動パターンや遊技傾向などを分析することができ、遊技者に対するサービス提供に資する有用な情報として利用できるようになる。
【0004】
ただ、会員カードを用いた遊技者情報の収集は、遊技者に対して会員カードを発行し、かつ、遊技者が会員カードを使用して遊技を行うことを前提としているところ、遊技場を訪れる全ての遊技者に対して会員カードを発行し、その全ての遊技者に対して遊技に際して会員カードの使用を義務付けることは、実際には困難乃至不可能であった。
また、遊技者に会員カードを発行したとしても、その遊技者が次回以降の来店の際に常に会員カードを携行・所持して来るとは限らず、また、遊技者としては、遊技場に対して属性情報等を開示する必要のある会員カードの発行自体を敬遠乃至拒否する場合もある。
従って、会員カードを使用した遊技者の情報収集は、一定の限られた遊技者についての限られた情報とならざるを得なかった。
【0005】
そこで、最近では、このような会員カードによる遊技者情報の収集を補完し、あるいは会員カードに代わって遊技者情報を収集する手段として、遊技機で遊技を行っている遊技者の顔などを撮像して、その撮像データに基づいて遊技者の認証処理を行って遊技者の属性等を特定して遊技者情報を収集する遊技者認証が提案されている。
この種の遊技者の撮像データを用いた遊技者認証は、遊技機に対応して設置される呼出ランプなどの遊技装置にカメラを設置して、遊技を行っている遊技者の顔などを撮像し、その撮像データを遊技場の管理装置などに蓄積・登録することで、その撮像データに基づいて各遊技者を特定・認証し、遊技者の属性や遊技動向などの情報を収集するものである。このようなカメラの撮像データによる遊技者認証は、遊技者に対して会員カードを発行する必要もなく、遊技者も会員カードを携行・使用することなく自由に遊技が行え、不正行為に対する監視や抑止にも有効であることから、会員カードの補完・代替手段として期待されている。
この種の遊技者認証技術としては、例えば特許文献1,2に記載されているようなものが提案されている。
【0006】
【特許文献1】特開2009−261783号公報
【特許文献2】特開2010−039597号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は撮像データのデータ量を抑制可能とする画像中継装置及び画像中継方法提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の画像中継装置は、遊技機で遊技を行う遊技者を撮像手段が撮像することにより得られる撮像データを受信可能な撮像データ受信手段と、前記撮像データ受信手段により受信された撮像データの中から、認証処理の対象となる認証対象データを抽出可能な認証対象データ抽出手段と、前記認証対象データ抽出手段により抽出された認証対象データを、前記認証処理を実行するために画像処理手段に対して出力可能な認証対象データ出力手段と、前記遊技機から出力される遊技信号を受信可能な遊技信号受信手段と、前記遊技信号受信手段により受信される前記遊技機が遊技者に有利な特別遊技状態であることを示す遊技信号に基づいて、前記遊技機において前記特別遊技状態が終了したかを判定可能な遊技状態判定手段と、前記遊技信号受信手段により受信される前記遊技機への遊技媒体の投入数を示す遊技信号に基づいて、前記遊技機が非稼動状態であるかを判定可能な稼動状態判定手段と、を有し、前記撮像データ受信手段は、前記特別遊技状態である前記遊技機で遊技を行う遊技者を前記撮像手段が撮像することにより得られる撮像データを、所定期間経過する毎に受信可能であり、前記認証対象データ抽出手段は、前記遊技状態判定手段により前記遊技機において前記特別遊技状態が終了したと判定された後に、前記稼動状態判定手段により前記遊技機が非稼動状態であると判定された場合、前記撮像データ受信手段により受信された撮像データの中から、認証対象データを抽出可能であり、前記認証対象データ出力手段は、前記認証対象データ抽出手段により認証対象データが抽出された後に、当該認証対象データを前記画像処理手段に出力可能である構成としてある。
【0013】
また、本発明の画像中継方法は、遊技場に設置される遊技機で遊技を行う遊技者の撮像データを受信して、受信した撮像データの中から、認証処理の対象となる認証対象データを抽出して出力する画像中継方法であって、遊技機で遊技を行う遊技者を撮像手段が撮像することにより得られる撮像データを受信可能な撮像データ受信工程と、前記撮像データ受信工程により受信された撮像データの中から、認証処理の対象となる認証対象データを抽出可能な認証対象データ抽出工程と、前記認証対象データ抽出工程により抽出された認証対象データを、前記認証処理を実行するために画像処理手段に対して出力可能な認証対象データ出力工程と、前記遊技機から出力される遊技信号を受信可能な遊技信号受信工程と、前記遊技信号受信工程により受信される前記遊技機が遊技者に有利な特別遊技状態であることを示す遊技信号に基づいて、前記遊技機において前記特別遊技状態が終了したかを判定可能な遊技状態判定工程と、前記遊技信号受信工程により受信される前記遊技機への遊技媒体の投入数を示す遊技信号に基づいて、前記遊技機が非稼動状態であるかを判定可能な稼動状態判定工程と、を有し、前記撮像データ受信工程は、前記特別遊技状態である前記遊技機で遊技を行う遊技者を前記撮像手段が撮像することにより得られる撮像データを、所定期間経過する毎に受信可能であり、前記認証対象データ抽出工程は、前記遊技状態判定工程により前記遊技機において前記特別遊技状態が終了したと判定された後に、前記稼動状態判定工程により前記遊技機が非稼動状態であると判定された場合、前記撮像データ受信工程により受信された撮像データの中から、認証対象データを抽出可能であり、前記認証対象データ出力工程は、前記認証対象データ抽出工程により認証対象データが抽出された後に、当該認証対象データを前記画像処理手段に出力可能である構成としてある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る遊技者認証システムを構成する遊技場システムの構成を示す概略図である。
図2図1に示す遊技場システムの各装置間で送受されるデータ・信号の流れを示すブロック図である。
図3図1に示す遊技場システムの呼出ランプの構成を示すブロック図である。
図4図1に示す遊技場システムの呼出ランプに備えられる撮像装置を示す図であり、(a)は撮像装置の撮像領域を模式的に示す遊技者の側面からみた説明図であり、(b)は撮像装置の構成を示すブロック図である。
図5図1に示す遊技場システムの島コンピュータに備えられる画像島コンの構成を示すブロック図である。
図6図1に示す遊技場システムに備えられる顔認証装置の構成を示すブロック図である。
図7図1に示す遊技場システムで生成・表示される遊技者情報の表示例を示す表であり、(a)は「顔ID履歴情報」を、(b)は「遊技台履歴情報」を示している。
図8図1に示す遊技場システムに備えられるホールコンピュータの構成を示すブロック図である。
図9図1に示す遊技場システムに備えられる撮像装置で行われる処理手順を示すフローチャートである。
図10図1に示す遊技場システムに備えられる画像島コンで行われる処理手順を示すフローチャートである。
図11図1に示す遊技場システムに備えられる画像処理装置で行われる処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る画像中継装置、画像中継方法及び画像中継装置を備えた遊技者認証システムの好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
まず、本発明の一実施形態に係る遊技者認証システムを構成する遊技場システム1の構成について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る遊技者認証システムを構成する遊技場システム1の構成を示す概略図である。
【0018】
[遊技場システム]
同図に示すように、本実施形態の遊技場システム1は、複数の遊技機10と、台間機20,呼出ランプ30,台コンピュータ40,島コンピュータ50,画像処理装置60,ホールコンピュータ70,モニタ90などの複数の装置・機器によって構成されている。
これらの各装置は、それぞれ通信手段を備え、有線/無線で接続された所定のネットワーク(例えば、ローカル・エリア・ネットワーク)を介してデータ通信可能に接続されている。
【0019】
そして、このような本実施形態に係る遊技場システム1では、遊技機10に対応して設けられる呼出ランプ30に、遊技機10の前方に着座して遊技を行う遊技者を撮像する撮像装置(顔用カメラ)34が備えられ、撮像装置34によって撮像された遊技者の撮像データ(顔画像データ)に基づいて認証処理が実行されるようになっている。
特に、本実施形態では、撮像装置34で撮像・取得される撮像データを、島コンピュータ50の画像島コン51を経由して画像処理装置60に送信するようになっており、最終的に画像処理装置60に送信される撮像データを、画像中継装置となる画像島コン51(島コンピュータ50)において選別して振るい落としを行うことを特徴とするものである。
【0020】
これによって、撮像データの認証処理を実行する画像処理装置60で処理される撮像データのデータ量を可能な限り低減・抑制しつつ、不必要に多数の撮像データによる誤照合・誤認証の発生を抑制して認証精度を向上させることが可能となり、画像処理装置60に対する負荷を大幅に軽減するとともに、高精度な認証処理を実現するものである。
以下、本実施形態に係る遊技場システム1の各装置の構成について詳細に説明する。
【0021】
[遊技機・台間機]
遊技機10は、パチンコ機,スロットマシン等、遊技球やメダル等の遊技媒体を使用して遊技を行う各種の遊技機である。このような遊技機10が複数列設されて、遊技場内において複数の遊技機単位で一又は二以上の遊技機島が構成されるように配置されるようになっている。
台間機20は、遊技機10に対応して設けられ、紙幣等の現金などが投入されることによって、投入金額に応じた所定数の遊技媒体を遊技機10へ貸し出す遊技媒体貸出装置である。
また、各遊技機10に対応して呼出ランプ30と台コンピュータ40が備えられている。
そして、対応する台間機20・呼出ランプ30・台コンピュータ40が備えられた遊技機10は、複数台が島状に列設されて遊技機島を構成し、各遊技機島に、対応する島コンピュータ50が備えられるようになっている。
【0022】
図2に示すように、遊技機10及び台間機20からは、所定の遊技信号(遊技データ)が出力されるようになっている。
遊技機10から出力される遊技信号としては、例えば、遊技機10への遊技媒体の投入数を示すアウト信号、遊技機10から遊技媒体の払出数を示すセーフ信号、遊技機10の大当り状態を示す大当り信号、図柄変動がスタートするごとに出力されるスタート信号、遊技機に何らかの異常が発生したことを示す異常信号(例えば扉開放信号)などがある。
また、台間機20から出力される遊技信号には、例えば、遊技媒体の貸出数を示す売上信号、台間機に何らかの異常が発生したことを示す異常信号などがある。
これらの信号が、呼出ランプ30に入力され、台コンピュータ40,島コンピュータ50などの中継情報処理装置を介してホールコンピュータ70に伝送され、ホールコンピュータ70において、遊技機10ごとに遊技データが集計、管理され、また、遊技機10や台間機20の異常発生が検知されるようになっている。
【0023】
[呼出ランプ]
呼出ランプ30は、例えば遊技機10の上方に設置されており、電球やLEDなどを点灯又は点滅させることで、遊技場の従業員等を呼び出すための報知手段として機能する装置である。
具体的には、呼出ランプ30は、図3に示すように、遊技機10や台間機20等の他の装置・機器との通信処理を行う通信部31、呼出ランプ30が備える各種機能を実行するためのプログラム等を記憶する記憶部32、電球やLEDなどからなるランプ33、遊技者の顔画像を撮像する撮像装置(顔用カメラ)34、呼出ランプ30が備える各種機能を制御するCPU等で構成された制御部35等を備えている。
そして、本実施形態では、制御部35が各部を制御することにより、呼出ランプ30が以下のように動作する。
【0024】
まず、呼出ランプ30は、制御部35の制御により、通信部31を介して、遊技機10から送信される遊技信号(遊技データ)や、台間機20から送信される売上信号(売上データ)を受信し、受信したデータを記憶部32に記憶するとともに、受信したそれら各信号・データを台コンピュータ40へ送信する。
また、呼出ランプ30は、制御部35の制御により、遊技機10からの遊技信号や遊技者の呼出操作等に応じて、ランプ33を点灯・点滅させ、遊技場の従業員等に呼出や異常等を報知する。
そして、本実施形態では、呼出ランプ30に備えられた撮像装置34が、対応する遊技機10の前方領域を撮影する撮像手段となって、遊技機10の前方の着座した遊技者の顔画像を撮像するようになっている。この撮像装置34が、本発明に係る撮像装置を構成している。
【0025】
[撮像装置]
撮像装置34は、例えばCCDカメラやデジタルビデオカメラ等の動画像や静止画像を撮像可能な撮像手段により構成され、遊技機10ごとに特定の領域を撮像範囲として撮像できるようになっている。
具体的には、撮像装置34は、図4(a)に示すように、遊技機10の前方の座席(椅子)に着座している遊技者の顔を撮像して、その撮像データを生成・出力する顔用の撮像手段である。
そして、この撮像装置34は、図4(b)に示すように、CCDカメラ等で構成された撮像手段(カメラ)34aと、遊技機10からの遊技信号を受信・入力する遊技情報入力手段34bと、撮像データを所定のタイミングで出力・送信する送信制御手段34cを備えている。
【0026】
撮像手段34aは、遊技機10の前方の所定領域に設定された撮像領域を所定のタイミングで撮像し、その撮像データを生成・出力する。
具体的には、本実施形態では、撮像手段34aが静止画像を撮影するスチルカメラの場合には、遊技機10が稼動状態であるときには、所定間隔(例えば10秒毎)に撮像し、遊技機10が稼動状態でないときには、稼動状態のときよりも長い所定間隔(例えば30秒毎)に撮像を行い、撮像データを順次出力することができる。
また、撮影手段34aが動画映像を撮影するビデオカメラの場合には、連続撮影された動画映像に対して画面キャプチャー処理等を行い、遊技機10が稼動状態であるときには、所定間隔(例えば10秒毎)に静止画像を切り出し、遊技機10が稼動状態でないときには、稼動状態のときよりも長い所定間隔(例えば30秒毎)に静止画像を切り出して、撮像データとして順次出力することができる。
【0027】
ここで、遊技機10が稼動状態であるか否か、稼動状態/非稼動状態の別は、遊技情報入力手段34bに入力・受信される遊技機10からのアウト信号等の有無によって検出・判定することができる。
例えば、遊技機10がパチンコ機の場合には、通常、1分間で約100発の遊技球が発射可能となっているため、アウト信号は約6秒に1回出力されることになる。
従って、例えば10秒以内など、一定時間内に継続してアウト信号が遊技機10から遊技情報入力手段34bに入力される場合には、遊技機10が稼動状態であるとして、撮像手段34aは、一定時間間隔(例えば10秒毎)にシャッターを切って撮像を行うようにする。
【0028】
一方、例えば数10秒以上や1分以上など、一定時間以上継続して遊技機10から遊技情報入力手段34bへのアウト信号の入力がない場合には、遊技機10が非稼動状態であるとして、撮像手段34aは、稼動状態のときよりも長い一定時間間隔(例えば30秒毎)にシャッターを切って撮像を行うようにする。
なお、非稼動状態であると判定されている場合にも撮像手段34aによる撮像を行うのは、遊技機10の前に着席しつつ遊技を行わない客もおり、また、遊技機10に対して不正行為を行おうとする不審者は、遊技機10の前に着席しつつ遊技を行わないことがあり、そのような人間についても、顔や容姿の撮像や顔認証処理を実行することで、稼動率の低い遊技者や不審者・不正行為者を認証・特定して、稼動率向上や不正行為の発見・防止等を図ることができるためである。
【0029】
遊技情報入力手段34bは、遊技機10(又は台コンピュータ20)からアウト信号,セーフ信号,スタート信号,大当たり信号,異常信号等の遊技信号(遊技データ)を受信・入力する。
この遊技情報入力手段34bで受信された遊技信号に基づいて、遊技機10の稼動/非稼動状態が検出され、上述した撮像手段34aの撮像タイミングを制御することができる。
また、遊技情報入力手段34bで受信された遊技データは、撮像データとともに、送信制御手段34cによって島コンピュータ50に送信される。これによって、島コンピュータ50の画像島コン51において、送信された撮像データとそのときの遊技機10の遊技状態が判定され、撮像データの選別処理が行われるようになる。
【0030】
送信制御手段34cは、撮像データを所定のタイミングで出力・送信する制御手段である。
具体的には、送信制御手段34cは、遊技情報入力手段34bで受信された遊技機10のアウト信号に基づいて遊技機10の稼動/非稼動状態を判定し、遊技機10が稼動状態であると判定された場合には、撮像データを一定時間間隔(例えば10秒毎)で順次出力して、島コンピュータ50の画像島コン51に送信する。
一方、遊技機10が非稼動状態であると判定された場合には、撮像データを、稼動状態のときよりも長い一定時間間隔(例えば30秒毎)で順次出力して、島コンピュータ50の画像島コンに送信するようにする。
このような送信タイミングの制御は、例えば送信タイマー機能を使用することで実現できる。
【0031】
また、送信制御手段34cは、撮像データを島コンピュータ50に送信する場合に、撮像データと対応する遊技機10の台番号や撮像装置34の識別番号(カメラ番号),撮像時刻,遊技機10からの遊技信号(アウト信号・セーフ信号・スタート信号・大当たり信号等)を、撮像データと対応付けて島コンピュータ50の画像島コン51に送信することができる。
これによって、島コンピュータ50の画像島コン51では、受信した撮像データを遊技機10と対応付けて特定・管理できるとともに、各撮像データが、いずれの遊技機10のどのような遊技状態のときに撮像されたものであるかを把握でき、遊技状態に応じた撮像データの選別処理を行うことができるようになる。
【0032】
なお、遊技機10からの遊技信号(アウト信号・セーフ信号・スタート信号・大当たり信号等)は、台コンピュータ40を経由して島コンピュータ50に送信・入力されるようになっており、上述した撮像データと対応付けられる遊技信号を、台コンピュータ40・島コンピュータ50を介して画像島コン51に入力して登録・管理させることもできる。
その際には、呼出ランプ30(送信制御手段34c)から送信される撮像データと、台コンピュータ40・島コンピュータ50から送信される遊技信号とを対応付けて登録・管理できるように、例えば遊技機10の識別情報や時刻情報に基づいてデータの同期・対応付けを取ることができる。
【0033】
[台コンピュータ]
台コンピュータ40は、一台(又は複数台)の遊技機10に対応して設けられた情報中継処理装置である。
具体的には、台コンピュータ40は、呼出ランプ30を介して受信した各種信号(遊技信号や売上信号)を島コンピュータ50に送信する。
この台コンピュータ40を介して信号を中継・送信することで、遊技機10や台間機20から出力される信号を、上位の情報処理装置(島コンピュータ50,ホールコンピュータ70等)の処理に適した信号・データに加工・変換することができ、円滑な情報処理が行えるようになっている。
【0034】
[島コンピュータ]
島コンピュータ50は、複数台の遊技機10によって構成される遊技機島に対応して備えられる情報中継処理装置である。
具体的には、島コンピュータ50は、対応する遊技機島の台コンピュータ40から送信されてくる各種信号を受信し、ホールコンピュータ70へ送信する。
この島コンピュータ50を介して信号を中継・送信することで、遊技機10や台コンピュータ40から出力される信号を、上位の情報処理装置(ホールコンピュータ70)の処理に適した信号・データに加工・変換することができ、円滑な情報処理が行えるようになっている。
【0035】
また、島コンピュータ50において、遊技機島単位でのデータの集計・管理が行え、ホールコンピュータ70で行わせる情報処理の一部を島コンピュータ50に分散させることができ、遊技場全体の情報を集計・管理するホールコンピュータ70の負荷軽減することができる。
そして、本実施形態では、島コンピュータ50に画像島コン51が備えられるようになっている。
【0036】
[画像島コン]
画像島コン51は、撮像装置34から出力される撮像データを受信して、認証対象データとして出力する画像中継装置(画像中継手段)となる情報処理装置である。この画像島コン51が、本発明に係る画像中継装置を構成している。
そして、本実施形態では、この画像中継手段となる画像島コン51が、遊技機10における遊技状態に応じて、認証対象データを所定のタイミングで出力するようになっており、画像島コン51から出力された認証対象データが、画像処理装置60に受信されて所定の認証処理が実行されるようになっている。
【0037】
具体的には、本実施形態に係る画像島コン51は、図5に示すように、撮像データ受信手段51aと、遊技状態保持手段51bと、遊技状態判定手段51cと、遊技者画像検出手段51dと、特徴点抽出手段51eと、特徴点判定手段51fと、送信制御手段51gの各部を備えて構成されている。
このような各部を備えてなる画像島コン51は、まず、撮像データ受信手段51aにより、撮像装置34から出力される撮像データを受信する。これにより、本発明に係る撮像データ受信手段が構成される。
【0038】
その後、画像島コン51は、遊技者画像検出手段51dにより、受信した撮像データに遊技者の画像(遊技者の顔や容姿の画像)が含まれているか否かが検出される。
さらに、撮像データに遊技者の画像が含まれている場合には、特徴点抽出手段51e・特徴点判定手段51fの処理により、遊技者の顔画像中の特徴点の抽出/判定を行い、受信された撮像データの中から所定条件を満たす撮像データを抽出する。これにより、本発明に係る認証対象データ抽出手段が構成される。
そして、抽出された撮像データは、認証対象データとして、遊技状態保持手段51b・遊技状態判定手段51cの判定処理の結果に応じて、送信制御手段51gの制御より、所定のタイミングで画像処理装置60に対して送信・出力される。これにより、本発明に係る認証対象データ出力手段が構成される。
【0039】
より具体的には、画像島コン51は、まず、遊技者画像検出手段51dにより、受信された撮像データ中の遊技者の画像が検出されると、その撮像データを認証対象データとすべきか否かを検定するための特徴点の抽出/判定処理が行われる。
撮像データ中に遊技者の画像が含まれていない場合には、当該撮像データは消去される。
また、後述するように、遊技機10が非稼動状態のときに撮像・受信された撮像データ中に遊技者(人間)の画像が検出された場合には、特徴点抽出/判定処理を行わず、当該撮像データをそのまま出力して、画像処理装置60に送信するようになっている。これによって、非稼動中の遊技機10に着座する遊技者(人間)を検知して、所定の不審者対応を取ることができるようになる。
【0040】
遊技者画像が含まれる撮像データは、特徴点抽出手段51e・特徴点判定手段51fによる特徴点の抽出/判定処理が行われる。
この特徴点抽出/判定処理により、遊技者の顔画像中に一定数以上の特徴点が抽出・判定できた撮像データ、すなわち、特徴点抽出値が所定の閾値以上の撮像データのみを、画像処理装置60での認証処理の対象となり得る認証対象データとして抽出する。
従って、遊技者の顔画像を含む撮像データのうち、認証対象データとして抽出された撮像データが画像処理装置60に出力・送信され、遊技者の顔画像を含む撮像データであっても、特徴点抽出値が閾値以下の撮像データは画像処理装置60には送信されず消去されることになる。
これによって、一定数以上の特徴点が抽出できない撮像データは不良画像として振るい落とすことができ、認証処理における誤認識・誤照合の原因となる不良画像・ノイズ画像を予め除去することができるようになる。
【0041】
ここで、撮像データの顔画像からの特徴点抽出処理は、公知の顔認証技術を用いることができ、例えば次のような方法で行なうことができる。
まず、撮像データとして受信した画像の中から、遊技者の顔が表わされた顔領域を検出する。ここで、顔領域が検出されなかった撮像データは、対象データから削除される。
次に、検出された領域内で目、鼻、口等の部位において、目頭、目尻、鼻頭、口角、上唇、下唇等に対応する特徴点を抽出する。さらに、抽出した各特徴点間を結んだ線分の長さや角度等を、遊技者の顔の特徴点として取得する。
そして、取得された特徴点が、認証処理において顔として認識するのに必要な特徴点の数(所定数)の閾値以上あるか否かを判断し、特徴点が所定数以上あると判断された場合には、認証対象データとして特定・保存する。一方、特徴点が所定数以下であると判断された場合には、認証処理に適さない不鮮明画像・不良画像であるとして、消去・削除する。
【0042】
顔認証処理においては、以上のような特徴点抽出処理に最も時間がかかり、処理装置に対する負荷も最も大きくなる。
本実施形態では、この特徴点抽出処理を、遊技機10の島単位で設けられる島コンピュータ50(画像島コン51)で行わせることにより、最終的な認証処理を実行する画像処理装置60に対する負荷を可能な限り低減乃至抑制できるようにするものである。
【0043】
また、画像島コン51は、認証対象データ出力手段となる遊技状態保持手段51b・遊技状態判定手段51cによる遊技状態の判定処理によって、遊技機10の遊技状態に応じて、上記のようにして抽出された認証対象データを、所定のタイミングで出力して画像処理装置60に対して送信する。
まず、画像島コン51は、呼出ランプ30や台コンピュータ40を経て撮像データとともに、あるいは撮像データと並行して入力される遊技機10からの遊技データ(遊技信号)に基づいて、遊技状態保持手段51bが、各遊技機10の遊技状態を示す情報を保持・記憶する。
【0044】
そして、この遊技状態保持手段51bが保持する各遊技機10の遊技状態情報に基づいて、各遊技機10が、稼働中であるか非稼動中であるか、また、稼働中の遊技機10については、稼働中の遊技状態が所定の「通常遊技状態」であるか「継続遊技状態」であるかが判定され、その判定結果に基づいて、認証対象データとして抽出された撮像データが、送信制御手段51gの制御により、遊技機10の遊技状態に応じた所定のタイミングで出力され、画像処理装置60に送出されることになる。
まず、遊技機10における遊技状態が、所定の継続遊技状態ではなく、通常の遊技状態(通常遊技状態)であると判定された場合には、その通常遊技状態の間、すなわち、通常遊技状態で遊技機10が稼動中の間に撮像装置34手段から受信した撮像データのうち、所定条件を満たす一の撮像データが、認証対象データとして、その通常遊技状態の終了後、すなわち、通常遊技状態で遊技機10が稼動状態から非稼動状態になったタイミングで出力される。
一方、遊技機10における遊技状態が、所定の継続遊技状態であると判定された場合には、その継続遊技状態の間に撮像装置34手段から受信した撮像データのうち、所定条件を満たす一の撮像データが、認証対象データとして継続遊技状態の終了後に、その遊技機10が非稼動状態となったタイミングで出力される。なお、この場合は、通常遊技状態の場合と異なり、遊技機10が継続遊技状態であれば、その遊技機10が稼動状態であっても非稼動状態であっても、撮像データの蓄積・抽出処理が行われ、継続遊技状態が終了すると一の撮像データが認証対象データとして出力される。これによって、例えば変動図柄のリーチ中における所謂「止打ち」のように、遊技機10が非稼動状態になるような場合にも、適切な撮像データの蓄積・抽出が行えるようになる。
なお、継続遊技状態の終了後、当該遊技機10が非稼動状態となったタイミングで撮像データを送出するのは、遊技機10の稼動状態が継続している場合には、継続遊技状態が終了した後も、同一の遊技者によって遊技が継続して行われていると考えられるためである。従って、継続遊技状態の終了後の稼動状態において撮像・取得された撮像データを、認証対象データの候補に含めて所定条件(特徴点)の抽出・判定を行うようにしても良い。
【0045】
このように、本実施形態では、まず、遊技機10が稼働中であって、通常遊技状態の場合には、遊技機10が稼動状態のときに受信した撮像データに基づいて、認証対象データを抽出し、その抽出された認証対象データのうち、所定条件を満たす一の認証対象データ、具体的には後述するハイスコアの認証データを、稼動状態の終了後に出力するようになっている。
遊技機10が通常遊技状態で稼働中であれば、継続してアウト信号が出力されている状態であり、その場合には、継続して同一の遊技者が遊技を行っていると考えられる。
そこで、本実施形態では、このような遊技機10が通常遊技状態で稼働中の場合には、同一の遊技者が遊技を行っているものとして、画像島コン51における動作を制御するようにしている。
【0046】
また、遊技機10が所定の継続遊技状態の場合には、その遊技機10が稼動状態であるか否かを問わず、その継続遊技状態の間に受信した撮像データに基づいて、認証対象データを抽出し、その抽出された認証対象データのうち、所定条件を満たす一の認証対象データ(後述するハイスコアの認証データ)を、その継続遊技状態の終了後に(遊技機10が非稼動状態となったタイミングで)出力する。
ここで、所定の継続遊技状態とは、遊技機10における遊技状態のうち、通常の遊技状態(通常遊技状態)以外の遊技状態であって、遊技を行う遊技者が、遊技を止めることなく継続して遊技を続ける可能性が高い状態を指す。
【0047】
具体的には、所定の継続遊技状態とは、遊技機10において発生・実行される遊技者にとって有利となる特別遊技状態である。
これは、遊技機10がパチンコ機であれば、例えば大当たり状態・確変(確率変動)状態・止打ち(リーチ)状態などがある。
また、遊技機10がパチスロ機(スロットマシン)であれば、例えばボーナスゲーム状態・RT状態・AT状態・ART状態などが該当する。
そして、このような遊技機10の特別遊技状態は、遊技機10から出力される遊技状態を示す状態信号に基づいて判定・検知することができる。
【0048】
このような特別遊技状態は、通常遊技状態と比較して、遊技者に有利な遊技状態、すなわち、遊技者が獲得できる遊技媒体数が増加するか、増加する可能性がきわめて高い遊技状態であり、この特別遊技状態中は、遊技者は遊技を止めることなく、少なくともその特別遊技状態が終了するまでは、同一の遊技者が継続して遊技を行うと考えられる。
そこで、本実施形態では、このように遊技者が遊技を継続して行う可能性が非常に高い特別遊技状態を、所定の「継続遊技状態」として、遊技機10が稼動状態であるか非稼動状態であるかに関わらず、同一の遊技者が遊技を行っているものとして、画像島コン51における動作を制御するようにしている。
【0049】
すなわち、画像島コン51では、まず、遊技機10から送信されてくる遊技信号に基づいて、その遊技機10の現在の遊技状態が、稼動状態であるか非稼動状態であるか、また、稼動状態である場合には、遊技状態が通常遊技状態であるか所定の継続遊技状態であるかを判定する。
そして、まず、その遊技機10が稼動状態であって、遊技状態が通常遊技状態である場合には、稼動状態が継続している間は同一の遊技者が継続して遊技を行っており、従って、遊技者が入れ替わる可能性は低いと考えられることから、その間は、遊技者の撮像データは画像島コン51で蓄積し、特徴点抽出手段51e・特徴点判定手段51fによる特徴点の抽出/判定処理しておき、撮像データを画像処理装置60には送信しないようにする。そして、その通常遊技状態が終了したとき、すなわち、遊技機10が稼動状態から非稼動状態になったタイミングで、上述した特徴点抽出手段51e・特徴点判定手段51fによる特徴点の抽出/判定処理において、一定数以上の特徴点が抽出・判定できた撮像データのうち、最も多数の特徴点が抽出された撮像データを、最もスコアの高い認証対象データ(ハイスコアデータ)として抽出し、その一つの認証対データのみを画像処理装置60に出力・送信するようにする。
【0050】
また、その遊技機10の遊技状態が継続遊技状態である場合には、遊技機10が稼働中であっても非稼働中であっても、その継続遊技状態の間は同一の遊技者が継続して遊技を行い、従って、遊技者が入れ替わる可能性は低いと考えられることから、その間は、遊技者の撮像データは画像島コン51で蓄積して、特徴点抽出手段51e・特徴点判定手段51fによる特徴点の抽出/判定処理しておき、撮像データを画像処理装置60には送信しないようにする。そして、その継続遊技状態が終了し、当該遊技機10が非稼動状態になったタイミングで、上述した特徴点抽出手段51e・特徴点判定手段51fによる特徴点の抽出/判定処理において、一定数以上の特徴点が抽出・判定できた撮像データのうち、最も多数の特徴点が抽出された撮像データを、最もスコアの高い認証対象データとして抽出し、その一つの認証対データのみを画像処理装置60に出力・送信するようにする。
【0051】
さらに、画像島コン51は、遊技機10が稼動状態でなく、かつ、継続遊技状態中でもない場合、具体的には遊技機10からのアウト信号の入力が一定時間以上ない場合で、上述した所定の継続遊技状態でもない場合には、遊技を行っている遊技者はいないと考えられるため、遊技者の撮像データを取得する必要性は低いものの、不審者発見や不正行為抑止の観点から、撮像データを画像処理装置60に送信する。
具体的には、遊技機10が非稼動状態であって、継続遊技状態でもないときに、撮像装置34から撮像データを受信すると、まず、遊技者画像検出手段51dにより、撮像データ中に遊技者(人間)の画像が含まれるか否かが判定・検出される。撮像データ中に、少なくとも人間の画像が検出された場合には、その撮像データをそのまま出力し、画像処理装置60に当該撮像データを送信する。
この場合は、遊技機10が稼動しておらず、継続遊技状態でもないのに、その遊技機10の前に遊技者(人間)が着席していることになるので、撮像データを直ちに出力することで、早急な不審者対応を取ることができるようにするものである。
【0052】
ここで、撮像データに基づく不審者対応としては、例えば送信された撮像データを画像処理装置60において解析・認証して、登録されている顔画像(後述する顔画像(ID)データベース63参照)との認証処理を行ったり、登録された不審者対象リスト等との照合を行うことができる。
また、画像処理装置60に撮像データが送信されたことを、画像島コン51や画像処理装置60からホールコンピュータ70や他の装置に送信・通知することもでき、それに基づいて、所定の警告音や警告表示などを出力して、遊技場の管理者・従業員等に対して不審者対応の報知を行うこともできる。
【0053】
なお、認証対象データは、呼出ランプ30から所定間隔で順次送信・入力される撮像データのうち、所定の閾値以上の特徴点抽出値を有する撮像データのみが認証対象データとして抽出され、画像処理装置60に送信可能となる。
従って、遊技機10が通常遊技状態の場合や非稼動状態の場合に、認証対象データが画像処理装置60に送信されるのは、全ての撮像データが閾値以上の特徴点抽出値を有する理想的な場合には、所定間隔(10秒毎・30秒毎)となり、閾値以上の特徴点抽出値を有する撮像データが間欠的に撮像・抽出される場合には、その所定間隔以上の時間で、順次、画像処理装置60に出力・送信されることになる。
また、このような認証対象データの送信タイミングの制御は、送信制御手段51gに備えられる例えば送信タイマー機能によって制御・実行することができる。
【0054】
以上のようにして、本実施形態では、画像島コン51が撮像データの中継手段となって、撮像装置34から送信されて来る撮像データを、全て無条件に認証対象データとして画像処理装置60に送出するのではなく、画像島コン51において、一定の条件を満たす撮像データであるか否かを判定し、所定条件を満たす撮像データのみを認証対象データとして送るようにしている。
これによって、画像処理装置60における認証処理対象となる撮像データをふるい分けすることができ、画像処理装置60で認証処理すべきデータを厳選して、処理対象となるデータ容量を可能な限り削減することができる。
【0055】
従って、画像処理装置60の負荷を大幅に軽減することができるとともに、画像処理装置60及び画像島コン51のデータ記憶領域が大量の撮像データによって占有・圧迫されることも有効に防止することができ、効率の良い円滑なシステム運用が実現できるようになる。
また、画像処理装置60で認証処理を行う撮像データを、一定の条件を満たす撮像データのみに選別し絞込みをかけることにより、認証処理における誤認識・誤照合の発生を抑制することができ、高精度な認証処理を行って、信頼性の高い遊技者認証システムを提供できるようになる。
【0056】
[NVR]
画像島コン51に送信された撮像データは、本実施形態ではNVR80に格納・保存されるようになっている。
NVR(ネットワーク・ビデオ・レコーダ)80は、画像島コン51に送信されてきた撮像データ(顔画像)を録画するための録画装置である。
このNVRに撮像データを記録・録画することで、撮像装置34や画像島コン51では、認証対象データの抽出・出力処理が終了した撮像データは、保持しておく必要がなく消去できることになり、撮像装置34や画像島コン51のデータの記憶領域を効率よく使用・解放することができる。
但し、撮像データは、NVR80に格納せず、画像島コン51や、あるいは呼出ランプ30や台コンピュータ40などに記録・録画しておくことも可能である。その場合には、NVR80を設ける必要はなく省略が可能である。
【0057】
[画像処理装置]
画像処理装置60は、画像中継装置となる画像島コン51から出力された認証対象データを受信して、認証処理を実行する画像処理手段である。
具体的には、本実施形態の画像処理装置60は、図6に示すように、認証対象データ受信手段61、顔認証手段62、顔画像(ID)データベース63、遊技台履歴記憶手段64、遊技台履歴データベース65等を備えており、これら各部が制御されることにより以下のような動作が行われる。
【0058】
画像処理装置60は、まず、認証対象データ受信手段61により、画像島コン51から送信される認証対象データを受信する。
また、遊技機10が非稼動で継続遊技状態でもない場合に画像島コン51から直ちに送信される撮像データについても、認証対象データ受信手段61により受信される。
認証対象データは、画像島コン51において、所定条件(特徴点抽出値が閾値以上)を満たす撮像データであり、この認証対象データが遊技機10の遊技状態に応じた所定のタイミングで画像処理装置60に送信され、認証対象データ受信手段61により受信される。
受信された認証対象データは、顔認証手段62において認証処理が行われる。
【0059】
また、遊技機10が非稼動で継続遊技状態でもない場合に送信される撮像データは、画像島コン51における特徴点抽出/判定処理が行われていない撮像データであり、この場合には、受信した撮像データについて、画像処理装置60において、顔画像領域の特定・特徴点の抽出・特徴点の判定の各処理が行われ、その後、顔認証手段62による認証処理が行われる。
また、この場合には、撮像データに写っている人間が不審者・不正行為者である可能性があるので、当該撮像データが受信されたことを、画像処理装置60において報知し、また、他の装置(ホールコンピュータ70等)に出力・通知することができる。
また、当該撮像データについては、認証対象データとは別に、不審者データとして、そのまま記憶・蓄積しておくこともできる。
【0060】
また、認証対象データ受信手段61は、画像島コン51又は島コンピュータ50から、認証対象データ・撮像データとともに、あるいは認証対象データ・撮像データと並行して入力される遊技機10からの遊技データ(遊技信号)を受信する。
受信された遊技データは、各遊技機10の遊技状態を示す情報として遊技台履歴記憶手段64において保持・記憶される。
【0061】
顔認証手段62は、所謂「顔認識エンジン」を構成する装置等からなり、本実施形態では、認証対象データ受信手段61で受信された認証対象データ・撮像データに基づいて顔認証処理を行う顔ID照合手段62aと、顔ID照合手段62aの認証処理の結果に応じて顔IDの登録を行う顔ID登録手段62bを備えている。
ここで、「顔ID」とは、認証処理を経て顔画像に対して付与される識別情報であり、認証処理で一致乃至近似すると判定された顔画像には同一の顔IDが付与される。
これによって、顔IDが、その顔画像の人物を特定するための識別情報となり、会員番号と同様の識別情報として機能させることができるものである。
【0062】
顔ID照合手段62aによる顔認証処理は、画像島コン51から送られてきた認証対象データ・撮像データの顔画像中に、遊技者の顔の特徴部分を抽出することにより顔認証を行なう。
この顔認証の方法については、公知の顔認証技術を用いることができるが、例えば、次のような方法で行なうことができる。
まず、認証対象データとして受信した顔画像中に含まれる、上述した画像島コン51における特徴点抽出処理で抽出された特徴点に基づいて、既に登録・記録されている顔画像と一致又は近似しているものがあるか否かを照合・判断する。
なお、上述の通り、遊技機10が非稼動で継続遊技状態でもない場合に送信される撮像データについては、画像島コン51における特徴点抽出/判定処理が行われていないため、画像処理装置60において特徴点の抽出・判定を行った上で、既登録の顔画像との照合・判定を行う。
【0063】
具体的には、顔画像中の特徴点が、記憶手段(顔画像(ID)データベース63)に登録されている顔画像中に一致又は近似するものがあるか否かを検索し、一致又は近似する特徴点を有する顔画像が存在する場合には、その一致・近似する顔画像の顔IDを抽出し、顔ID登録手段62bが、認証対象データの顔IDとして関連付けて、顔画像(ID)データベース63に記憶・登録する。
このとき、認証対象データの顔画像を、その顔IDの最新の顔画像データとして登録しそれ以前の顔画像データを更新することができ、また、認証対象データの顔画像を、それ以前の顔画像データととともに、同一の顔IDを付与して登録することもできる。
一方、認証対象データの顔画像と特徴点が一致乃至近似する顔画像が存在しないばあいには、顔ID登録手段62bが、その認証対象データの顔画像に新たな顔IDを付与して、顔画像とともに顔画像(ID)データベース63に登録する。
【0064】
以上のようにして認証・照合処理が行われた顔画像と顔IDが、顔画像(ID)データベース63に登録・記憶される。
顔画像(ID)データベース63には、顔IDと対応する顔画像、特徴点情報、顔IDに関連する遊技者の属性情報(例えば性別・年齢等)、顔画像が取得された遊技機10に関する遊技情報(例えば撮像/遊技日時,カメラ番号,機種,遊技台番号,売上金額,出玉数,スタート回数,大当たり回数,異常発生の有無等)が関連付けて記憶されている。
【0065】
そして、この顔画像(ID)データベース63に格納されている情報が、顔IDに基づいて抽出・収集できるようになっており、「顔ID履歴情報」として、ホールコンピュータ70やモニタ90等において出力・表示できるようになっている。
この「顔ID履歴情報」の一例を図7(a)に示す。
同図に示す例では、顔IDに基づいて、各顔IDで特定される遊技者についての、遊技の開始日時・終了日時・機種・台番号・異常の有無・売上・出玉の各情報が、遊技者単位で集計されて出力されている。
なお、図7(a)に示す「顔ID履歴情報」は一例であり、他の項目や属性等を収集・出力できることは言うまでもない。
【0066】
遊技台履歴記憶手段64は、島コンピュータ50(画像島コン51)を経て認証対象データとともに、あるいは認証対象データと並行して入力される遊技機10の遊技データに基づいて、各遊技機10の遊技情報を遊技履歴情報として遊技台履歴データベース65に登録・記憶させる。
この遊技台履歴データベース65に登録される情報としては、遊技機10毎の遊技台番号と、その遊技機10に関連付けられた顔ID、顔ID毎の属性情報(例えば性別・年齢等)や遊技情報(例えば遊技日時,売上金額,出玉数,スタート回数,大当たり回数,異常発生の有無等)が関連付けて記憶されている。
【0067】
そして、この遊技台履歴データベース65に格納されている情報が、遊技台(遊技台番号)に基づいて抽出・収集できるようになっており、「遊技台履歴情報」として、ホールコンピュータ70やモニタ90等において出力・表示できるようになっている。
この「遊技台履歴情報」の一例を図7(b)に示す。
同図に示す例では、遊技台番号に基づいて、当該遊技機で遊技を行った遊技者についての、遊技の開始日時・終了日時・顔ID・異常の有無・性別・年齢の各情報が、遊技台単位で集計されて出力されている。
なお、図7(b)に示す「遊技台履歴情報」についても一例であり、他の項目や属性等を収集・出力することできるのは、図7(a)に示した「顔ID履歴情報」の場合と同様である。
【0068】
このようにして、画像処理装置60では、顔ID毎に、遊技者の遊技データを遊技履歴に応じて収集・管理することができる。すなわち、顔IDを生成・管理することにより、会員カード等に基づく会員登録(会員ID)に代わる代替手段として活用することができるようになる。
これによって、会員カードの申込・登録・発行等を行わなくても、遊技者を顔画像・顔IDによって特定することができ、遊技者の遊技状況や動向・行動パターンなどの貴重な情報を収集・管理することができるようになり、また、不正行為の未然防止や早期発見に役立てることができるようになる。
【0069】
一般に、遊技場で不正行為を行おうとする者は、初めて来店する遊技場において会員カードの登録等を一切行わずに不正行為を行うことが多く、これまでの会員カードシステムでは、このような不正行為者・不審者を特定することは困難であった。
本実施形態では、会員カード・会員登録を必要とすることなく、顔画像・顔IDによって遊技者を特定することができ、しかも、各遊技者の顔画像が情報として登録されるので、不正行為が行われた場合にも、不正行為者の特定が容易となり、不正行為が行われる前に不審者等を特定することもできるようになる。
【0070】
[ホールコンピュータ]
ホールコンピュータ70は、島コンピュータ50を介して送信される遊技信号に基づき、遊技機10ごとに遊技データを収集、管理する情報処理装置である。
具体的には、ホールコンピュータ70は、図8に示すように、各装置と通信処理を行う通信部71、ホールコンピュータ70が備える各種機能を実行するためのプログラムを記憶するとともに、遊技データ等を記憶する記憶部72、CPUにより構成されホールコンピュータ70が備える各種機能を制御する制御部73等を備えており、制御部73が、これら各部を制御することにより、ホールコンピュータ70が以下のように動作する。
【0071】
ホールコンピュータ70は、通信部71を介して、島コンピュータ50から受信した遊技信号に基づき、遊技機10ごとに集計した遊技データを、遊技台履歴データベースとして記憶部72に記憶する。
また、ホールコンピュータ70は、上述した画像処理装置60で生成される遊技履歴データや顔IDデータを所定のタイミングや入力操作に応じて受信し、必要な情報を記憶部72の遊技台履歴データベースに記憶することができる。
【0072】
ホールコンピュータ70の遊技台履歴データベース(記憶部72)には、遊技機10の遊技台番号と、遊技データ(遊技日時、アウト数(投入数),セーフ数(払出数),スタート回数(遊技数),投入金額、大当り回数(特賞回数))と、画像処理装置60で生成・登録された遊技者の顔ID・属性情報等が関連付けて記憶される。
ここで、「顔ID」は、上述の通り、画像処理装置60の認証処理によって認証・特定された遊技者の顔画像に基づいて、遊技者ごとに付与される、遊技者を一意に識別可能な識別情報である。この顔IDは、遊技者識別情報として有用であり、画像処理装置60から受信してホールコンピュータ70においても登録・管理できるようになっている。
そして、ホールコンピュータ70は、入力操作に応じて、任意の遊技情報を抽出・集計・出力し、モニタ90に表示させたり、帳票として印字出力させることができるようになっている。
【0073】
また、ホールコンピュータ70では、上述した遊技機10が非稼動状態であって、継続遊技状態でもないときに、撮像データが直ちに画像処理装置60に送信された場合には、その旨が画像島コン51又は画像処理装置60から通知されて、ホールコンピュータ70側で、所定の不審者対応措置を取ることができるようにすることができる。
ここで、不審者対応措置としては、ホールコンピュータ70における警告音やモニタ90における警告表示の出力や、従業員のインカム等への報知、呼出ランプ30の点灯制御などがあり得る。
【0074】
[モニタ]
モニタ90は、液晶ディスプレイなどで構成されており、画像処理装置60に記憶される撮像画像や、ホールコンピュータ70で管理される各種情報(各遊技機10の稼動状況、営業管理情報等)の表示を行う表示出力手段である。
また、モニタ90には、遊技場内に設置された遊技島と遊技機10の配置レイアウトが表示され、配置レイアウト上に、稼動中の遊技機10や非稼動の遊技機10、大当り中の遊技機10等が随時表示されるようになる。
そして、本実施形態では、ホールコンピュータ70の入力手段(非図示)から遊技場の従業員によって、所定の検索条件(遊技日時、機種名、遊技台番号等)が入力されることにより、この条件に該当する顔ID履歴情報や遊技台履歴情報(図7参照)が、画像処理装置60から抽出・生成されて、モニタ90に表示されるようになる。
【0075】
[遊技者認証方法]
次に、以上のような構成からなる本実施形態の遊技場システム1における遊技者認証方法(画像中継方法)の処理手順について、図9〜11を参照しつつ説明する。
[撮像装置での処理]
図9は、本実施形態の撮像装置34で行われる処理手順を示すフローチャートである。
撮像装置34では、まず、遊技情報入力手段34bにより、遊技機10(又は台コンピュータ20)からアウト信号,セーフ信号,スタート信号,大当たり信号,異常信号等の遊技信号(遊技状態信号)が受信・取得される(ステップ101)。これによって、遊技機10が稼動状態か非稼動状態であるのかが検出・判別される。
【0076】
そして、遊技機10の稼動/非稼動状態に応じて、撮像手段34aにより、所定のタイミングで撮像処理が実行される(ステップ102)。
すなわち、遊技機10が稼動状態の場合には、撮像手段34aは、一定時間間隔(本実施形態では10秒毎)でシャッターを切って撮像処理を行う(ステップ103)。
一方、遊技機10が非稼動状態の場合には、撮像手段34aは、稼動状態のときよりも長い一定時間間隔(本実施形態では30秒毎)でシャッターを切って撮像処理を行う(ステップ104)。
【0077】
撮像された撮像データは、遊技機10の遊技状態を示す遊技データとともに、送信制御手段34cの制御により、所定のタイミング(10秒毎・30秒毎)に順次出力され、画像島コン51に送信される(ステップ105)。
これにより、画像島コン51における、撮像データからの認証対象データの抽出・選別処理が実行されることになる。
【0078】
[画像島コンでの処理]
図10は、本実施形態の遊技場システム1の画像島コン51で行われる処理手順を示すフローチャートである。
画像島コン51では、まず、撮像データ受信手段51aにより、撮像装置344から出力された撮像データ・遊技状態データが受信される(ステップ201)。
撮像/遊技状態データが受信されると、遊技状態保持手段51bによって、撮像データが撮像されたときの遊技機10の遊技状態が検出される(S202)。
【0079】
これによって、遊技機10が稼動状態なのか非稼動状態なのか、稼動状態の場合に、遊技状態は通常遊技状態なのか所定の継続遊技状態(大当たり状態・確変(確率変動)状態・止打ち(リーチ)状態等)なのかが検出・判別される。
検出された遊技状態は、遊技状態保持手段51bによって保持・記憶される(ステップ203)。
【0080】
次いで、画像島コン51では、遊技者画像検出手段51dにより、受信された撮像データに遊技者の画像(遊技者の顔や容姿の画像)が含まれているか否かが検出される(ステップ204)。
撮像データに遊技者画像が含まれていないと判定された場合には、その遊技機10には現在のところ遊技者が着席していないことになり、その無人画像の撮像データは消去・破棄される(ステップ205)。
一方、撮像データに遊技者画像が含まれていると判定された場合には、次に、その遊技機10が稼働中か、又は所定の継続遊技状態中であるかが判定される(ステップ206)。
【0081】
遊技機10が非稼動状態であって、継続遊技状態でもない場合には(ステップ206:No)、撮像データに映っている遊技者は不審者・不正行為者である可能性があり、その遊技者画像は、直ちに画像処理装置60に送信され、対応する遊技状態(非稼動・非継続遊技状態)を示す所定情報も送信される(ステップ207)。
これによって、画像処理装置60やホールコンピュータ70において、所定の不審者対応を取ることができるようになる。
【0082】
遊技機10が稼動状態であるか、所定の継続遊技状態である場合には(ステップ206:No)、画像島コン51の特徴点抽出手段51e・特徴点判定手段51fにより、撮像データの顔画像についての特徴点の抽出/判定処理が行われる(ステップ208)。
この特徴点抽出/判定処理の結果、一定数以上の特徴点が抽出・判定できた撮像データは、画像処理装置60において照合処理が可能な適切な画像・画質と判断され(ステップ209:Yes)、認証対象データとして抽出される。
特徴点抽出/判定処理の結果、一定数以上の特徴点が抽出されなかった撮像データは、画像処理装置60における照合処理に適さない不良・不適切な画像として(ステップ209:No)、認証対象データとはならず、削除・消去される。
【0083】
認証対象データが抽出されると、当該データが撮像されたときの遊技機10の遊技状態が所定の継続遊技状態であるか否かが判定される(ステップ210)。
遊技機10の遊技状態が継続遊技状態ではなく通常遊技状態である場合には(ステップ210:No)、その通常遊技状態が終了するまで、すなわち、その遊技機10の稼動が終了するまでは認証対象データの送信は行われず(ステップ211:No)、S201〜S209の処理が繰り返され、複数の認証対象データが生成される。
そして、その通常遊技状態における稼動状態が終了したタイミングで(ステップ211:Yes)、その通常遊技状態の稼働中に行われた撮像データに対する特徴点抽出/判定処理において、最も多数の特徴点が抽出された最もスコアの高い認証対象データを抽出し(ステップ212)、その認証対データを画像処理装置60に送信する(ステップ216)。
【0084】
また、遊技機10の遊技状態が継続遊技状態である場合には(ステップ210:Yes)、遊技の稼動・非稼動に関わらず、その継続遊技状態が終了するまでは認証対象データの送信は行われず(ステップ213:No)、S201〜S209の処理が繰り返され、複数の認証対象データが生成される。
そして、その継続遊技状態が終了し(ステップ213:Yes)、その後、その遊技機10が非稼動になったタイミングで(ステップ214:Yes)、継続遊技状態中に行われた特徴点抽出/判定処理において、最も多数の特徴点が抽出された最もスコアの高い認証対象データを抽出し(ステップ215)、その認証対データを画像処理装置60に送信する(ステップ216)。
以上により、画像処理装置60において、認証対象データの認証処理が実行されることになる。
【0085】
[画像処理装置での処理]
図11は、本実施形態の遊技場システム1の画像処理装置60で行われる処理手順を示すフローチャートである。
画像処理装置60では、まず、認証対象データ受信手段61により、画像島コン51から出力された認証対象データ(撮像データ)・遊技状態データが受信される(ステップ301)。
データが受信されると、受信された撮像データが、遊技機10が非稼動でかつ継続遊技状態でない場合に送信された撮像データ(非認証対象データ)か否かが判定される(ステップ302)。
【0086】
そして、受信されたのが、遊技機10が非稼動でかつ継続遊技状態でない場合に送信された撮像データ(非認証対象データ)であった場合には(ステップ302:Yes)、上述のような所定の不審者対応処理が実行される。
また、その場合に、撮像データが認証対象データに相当する画質(特徴点)を備える場合には、以下に示す認証対象データと同様の認証・照合処理(ステップ304〜308)を行うこともできる。
【0087】
受信されたデータが認証対象データである場合、すなわち、遊技機10が稼動状態の場合か所定の継続遊技状態の場合に撮像されたデータである場合には、顔認識エンジンを構成する顔認証手段62により認証・照合処理が行われる、顔画像(ID)データベースに登録されている顔IDとの照合が行われる(ステップ3024)。
【0088】
照合の結果、認証対象データの顔画像と一致乃至近似する顔画像が既登録の顔IDとして存在していない場合には(ステップ305:No)、その認証対象データの顔画像に新規の顔IDが付与されてID登録処理が行われる(ステップ306)、顔画像(ID)データベース63の顔ID履歴情報(ステップ307)及び遊技台履歴データベース64の遊技台履歴情報(ステップ308)について、それぞれ更新が行われる。
【0089】
また、照合の結果、認証対象データの顔画像と一致乃至近似する顔画像が既登録の顔IDとして存在している場合には(ステップ305:No)、その認証対象データの顔画像に既登録の顔IDを関連付けて、顔画像(ID)データベース63の顔ID履歴情報(ステップ307)及び遊技台履歴データベース64の遊技台履歴情報(ステップ308)について、それぞれ更新が行われる。
更新された顔ID履歴情報及び遊技台履歴情報は、ホールコンピュータ70等から随時抽出することができ、図7(a),(b)で示したように、所定の項目やフォーマットで集計された出力情報として、表示・印刷等することできるようになる。
【0090】
以上説明したように、本実施形態の画像中継装置、画像中継方法及び画像中継装置を備えた遊技者認証システムを実施するための遊技場システム1によれば、遊技者の撮像データの中継装置となる画像島コン51が、撮像装置34で撮像される撮像データのうち、一定の条件を満たす撮像データのみを認証対象データとして送ることにより、画像処理装置60で認証処理すべきデータを選別・抑制して、処理対象となるデータ容量を可能な限り削減することができる。
【0091】
これによって、画像処理装置60の負荷を軽減することができ、画像処理装置60及び画像島コン51のデータ記憶領域も解放でき、円滑なシステム運用が実現できるようになる。
また、画像処理装置60で認証処理を行う撮像データを厳選することで、誤認識・誤照合の発生を低減でき、高精度な認証処理を行うことが可能となる。
これに対して、カメラの撮像データを使用した従来の遊技者認証には、撮像した遊技者の撮像データが、システムに対する負荷となるという問題があり、また、認証処理の照合精度の限界、誤照合・誤認識という問題もあった。
カメラの撮像データは、画像データであるため、本来的に個々のデータ量が大きくなりがちであるところ、来店する全ての遊技者についての撮像データが継続的に撮像・蓄積されることになると、そのデータ処理に過大な負荷が係ることになり、データの格納領域も大幅に占有・圧迫されることになる。その結果、遊技者認証のための撮像データによって、遊技場の本来の管理システムの処理・運用に影響が出たり、障害発生の原因になる等のおそれがあった。
なお、この点を考慮して、上述した特許文献1では、遊技者が遊技媒体の貸出操作を行ったときのみに遊技者の顔画像を撮像することで、蓄積される撮像データのデータ容量を抑制できる旨が示唆されている。
しかしながら、遊技者が遊技媒体の貸出操作を行うときのみ顔画像を撮像するのでは、遊技が行われている間の遊技者の特定が実質的には行われないことになる。このため、例えば遊技媒体の貸出を伴わずに遊技者の入れ替わりがあったり、獲得された遊技媒体を持って遊技者が別の遊技機を移動した場合には、そのような遊技者の動向がまったく把握できなくなってしまい、遊技者情報の収集手段として不十分・不徹底なものとならざるを得ないという新たな問題が発生した。
一方、遊技者情報の収集に正確さを期すべく、遊技者の撮像データをできるだけ撮像・収集しようとすると、撮像データのデータ容量の問題に加えて、認証処理の照合精度の問題、誤認証・誤認識の問題が発生することになった。
遊技中の遊技者は、絶えず身体を動かしながら遊技を行っており、顔の向きを変えることも頻繁に行われる。このような遊技者について、できるだけ多く撮像して遊技者情報を正しく収集しようとすれば、顔や身体の向きの異なる多数の撮像データが集められた結果、同一の遊技者について、認証処理では不一致、すなわち別人物と判定されるケースが増加してしまい、却って正確な情報収集が行えなくなるという問題が発生する。
この点については、上述した特許文献2では、顔認証の照合精度を上げるために、遊技者の顔向きに対応して設定された複数の補正係数を備えた閾値補正テーブルを記憶しておき、その補正テーブルに基づいて、類似度に応じた認証・照合処理を行うべきことが提案されている。
しかしながら、想定される遊技者の顔向きに対応した補正係数を備えることは、その分だけ、記憶すべきデータ容量も増大し、認証処理自体も複雑化することになり、元々の撮像データによる容量圧迫と相俟って、遊技場システムの処理やデータ記憶領域の更なる圧迫等を招くおそれがあった。
本発明は、以上のような問題等を解決することができるものであり、撮像データのデータ量を抑制しつつ、精度の高い認証処理を可能とする画像中継装置、画像中継方法及び画像中継装置を備えた遊技者認証システムを提供することができる。
【0092】
以上、本発明の画像中継装置、画像中継方法及び遊技者認証システムについて、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係る画像中継装置、画像中継方法及び遊技者認証システムは、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、本発明に係る遊技者認証システムを構成する各部のうち、撮像装置を呼出ランプ30に、画像中継装置を島コンピュータ50(画像島コン51)に、画像処理装置を画像処理装置60に、それぞれ分散して配置していたが、これらの一部又は全部を、一つの装置として集中して配置することもできる。
【0093】
具体的には、例えば撮像装置と画像中継装置を、一体的に呼出ランプ30や遊技機近傍の台間機20などの遊技装置に備えることもでき、また、画像中継装置と画像処理装置を、一体的に島コンピュータ50(画像島コン51)によって構成したり、あるいは、画像処理装置60やホールコンピュータ70によって構成することも可能である。
また、撮像装置,画像中継装置,画像処理装置の全てを、例えば呼出ランプ30や遊技機近傍の台間機20などの遊技装置に配置・構成することもできる。
このように、本発明は、複数の機器・装置で構成される遊技者認証システムとしても、また、単一の機器・装置によって構成される遊技者認証装置としても実施できるものであり、システム・装置のいずれであっても、本発明を好適に実施することができる。
【0094】
また、上述した実施形態では、遊技者の顔画像の撮像手段となるカメラを呼出ランプ30に備える構成としたが、これに限らず、遊技者の顔を撮像可能な位置であれば、他の装置、例えば台間機20や台コンピュータ40等に備えてもよい。
また、上述した実施形態では、遊技者の顔画像を撮像・認証の対象としていたが、顔画像以外を遊技者認証の対象画像とすることもできる。顔画像以外の対象画像としては、遊技者の虹彩画像や顔を含む身体全体の画像などがある。
【0095】
さらに、上記実施形態では、遊技場の管理装置となる機能を全てホールコンピュータ70に集約して備えるようになっていたが、ホールコンピュータ70が備える機能の全部又は一部を、他のコンピュータ装置、例えば台コンピュータ40や島コンピュータ50,呼出ランプ30あるいは画像処理装置60に備えるようにすることもできる。
【符号の説明】
【0097】
1 遊技場システム
10 遊技機
30 呼出ランプ
34 撮像装置
50 島コンピュータ
51 画像島コン
60 画像処理装置
70 ホールコンピュータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11