(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
内部に二輪用品を収納するスペースを有する本体と前記本体の下に接続され前記本体を支える脚部とを備えた高床式のロッカーと、一端が前記本体に固定され他端が係止部を有する自由端であって二輪車を前記ロッカーに繋ぎ止めるための線条体とを有するロッカー付き二輪駐車装置であり、前記脚部が、二輪車の前輪を前方から挿入するスペースと、車輪止とを有し、前記ロッカーが、本体前側に備え上下に開閉自在な扉部と、前記扉部内側に接するように本体内部に設けられたロックユニットとを有し、前記扉部が、前記線条体の前記係止部を表面側から差し込み前記係止部の先端を扉部内側へ貫通させる、係止部差込口を有し、前記ロックユニットが前記扉部を貫通した前記係止部の先端を着脱可能に嵌合する手段と、前記係止部が嵌合されると前記係止部を係合して保持する施錠杆とを有し、前記係止部が、前記施錠杆に係合する手段を有し、前記係止部を前記扉部の係止部差込口に挿入して前記ロックユニット内に嵌合することにより、前記扉部の開閉及び前記二輪車の出入りの両方の施錠を同時に行うことを特徴とするロッカー付き二輪駐車装置。
前記ロックユニットが、精算機からの信号により解錠するソレノイドを有し、信号により前記ソレノイドが前記施錠杆と前記係止部との係合を解き、前記扉部の開閉及び前記二輪車の出入りの両方の解錠を同時に行うことを特徴とする請求項1から請求項2の、いずれかに記載のロッカー付き二輪駐車装置。
さらに、前記本体内に充電用のAC100Vコンセント差込口を有し、前記本体内や精算機本体内、あるいは専用の箱内に漏電用のブレーカーを有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のロッカー付き二輪駐車装置。
請求項1から請求項4のいずれかに記載の複数のロッカー付き二輪駐車装置と前記ロッカー付き二輪駐車装置の制御機構を有する集中精算機とを有し、各ロッカー付き二輪駐車装置の前記ロックユニットの配線がロッカー付き二輪駐車装置間をつなぐ配管内を通して接続され、前記制御機構が前記ロックユニットによる施錠・解錠を制御することを特徴とするロッカー付き二輪駐車装置システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の駐車装置では、コンパクトに収納でき、車体もロッカーも一緒に施錠・解錠できるため便利であるが、コインパーキングの場合不特定多数の利用者がロッカーの鍵を持ち歩かなければいけないという問題がある。鍵の紛失は時々生じうる事態であり、これに備えて、駐車場又はその近辺に、スペアキーを持つ監視員を配置しなければならないので、人件費がかかるという問題がある。さらに、鍵を掛けず、料金を払わずに不正利用するユーザーがいた場合、監視員が施錠することになるが、
ユーザーが戻ってきて料金を払って解錠しようとしても、監視員がすでに帰ってしまってていると、鍵がないため解錠出来ないという問題が有る。
さらに、ユーザーが料金を払い解錠後、ロッカーの中の収納物を出し終えて帰る際、ロッカーの扉を閉め忘れて開いた状態のまま放置されてしまうと、雨などでロッカー内部が濡れる可能性があるため、使用後は自然と扉が閉まる工夫が必要である(この際、閉まる扉で、指を挟んでも怪我しない程度の、ゆっくりとした速度でなければならない)。
【0005】
また、電動バイクが多くなってきた昨今では、駐車中に充電したいという要望があるが、従来の駐車装置ではこれを実現できなった。電動アシスト自転車や全電動自転車(以下、総称して「電動自転車」という)においても同様の問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、鍵も持ち歩きが不要で、ユーザーフレンドリーであるロッカー付き二輪駐車装置及びロッカー付き二輪車駐車システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、内部に二輪用品を収納するスペースを有する本体と前記本体の下に接続され前記本体を支える脚部とを備えた高床式のロッカーと、一端が前記本体に固定され他端が係止部を有する自由端であって二輪車を前記ロッカーに繋ぎ止めるための線条体とを有するロッカー付き二輪駐車装置であり、
前記脚部が、二輪車の前輪を前方から挿入するスペースと、車輪止とを有し、
前記ロッカーが、本体前側に備え上下に開閉自在な扉と、前記扉部内側に接するように本体内部に設けられたロックユニットとを有し、
前記扉部が、前記線条体の前記係止部を表面側から差し込み前記係止部の先端を扉部内側へ貫通させる係止部差し込口を有し、前記ロックユニットが、前記扉部を貫通した前記係止部の先端を着脱可能に嵌合する手段と、前記係止部が嵌合されると前記係止部を係合して保持する施錠杆とを有し、前記係止部が前記施錠杆に係合する手段を有し、前記係止部を前記扉部の係止部差込口に挿入して前記ロックユニット内に嵌合することにより、前記扉部の開閉及び前記二輪車の出入りの両方の施錠を同時に行うことを特徴とするロッカー付き二輪駐車装置を提供する。本願において、「二輪車」には、エンジン付き二輪車、電動二輪車や電動自転車を含み、一般的に二輪自動車、自動二輪あるいはオートバイと総称されるもの(例えば、ガソリンタイプのバイクや電動バイクやスクーターや原動機付自転車等)のほか、電動自転車等の充電が必要な自転車を含み、三輪であっても一般に二輪自動車や電動自転車として総称されるものを含むものとする。本発明の第一の態様によれば、係止部が鍵の役割を果たし、線条体の係止部を扉部の係止部差込口に差し込むだけで、扉部の開閉も二輪車の出入りもロックされ、しかも係止部は施錠状態でロックユニット内に保持されるので、鍵の持ち歩きが不要で、ユーザーフレンドリーである。
【0008】
前記扉部は、取手に指を差し込み上下に開閉が可能で指を取手から外すと自然と扉が下がり閉の状態になる。前記車輪止で駐車した二輪車に扉が接触することなくロッカー内部に収納する手段を有するものであって、狭いスペースでも収納時に扉がバイクに当たることなく扉部の開閉ができ線条体の係止部を係止部差込口に差し込むだけでロックユニットへの施錠だけでなく、扉のロックも同時にワンタッチで行えるので利便性がよい。
【0009】
また、前記ロックユニットが、精算機からの信号により解錠するソレノイドを有し、精算機からの信号により前記ソレノイドが前記施錠杆と前記係止部との係合を解き、前記扉部の開閉及び前記二輪車の出入りの両方の解錠を同時に行うことが好ましい。線条体の係止部をロックユニットから引き抜くことの可否を精算機からの信号によってコントロールでき、したがって、精算機からの信号により施錠開錠を制御できる。
【0010】
前記本体内に充電用のAC100Vの差し込み口を設けることもできる(ロッカー内部に100V差し込み口があれば、電源利用時に差し込み口を雨から守ることができる)。二輪車の駐車及びロッカーでのヘルメット等の保管のみならず、ナビゲーションシステムや電動タイプの自動二輪や電気自転車についても駐車中の充電が可能となり、さらなるユーザーフレンドリーを実現できる。かかる態様によれば、使用中はロッカーに鍵がかかった状態であるので、第三者に充電中のコンセントを抜かれる心配もなく、また、コンセント部分やバッテリーチャージャー部が雨に濡れる心配もない。充電用のバッテリーチャージャーは雨に濡れると壊れる恐れがある。しかし、本実施例によれば、雨に当たらないので、バッテリーチャージャーの故障や損壊を防止できる。
上記充電用のAC100Vの差し込み口を設ける場合、精算機内部や前記本体内にブレーカーを設けることがのぞましい。
【0011】
本発明の第2の態様は、上述した第1の様態の複数のロッカー付き二輪駐車装置と前記ロッカー付き二輪駐車装置の制御機構を有する集中精算機とを有し、各ロッカー付き二輪駐車装置の前記ロックユニットの配線がロッカー付き二輪駐車装置間をつなぐ配管内を通して接続され、前記制御機構が前記ロックユニットによる施錠・解錠を制御することが好ましい。精算を集中精算機で行うことができるため、本体側に精算機能を設ける必要がなく、精算処理の負担も軽減される。多数の駐車装置の施錠・解錠を一括して管理するのに便利である。多数の駐車装置を備える駐車システムでは、使用時間による課金を集中制御することで個別精算よりコストダウンが可能となる。
【0012】
さらに、各ロッカー付き自動二輪車装置の前記ブレーカーの配線、前記AC100Vのコンセントの差し込み口の配線もロッカー付き二輪駐車装置間をつなぐ配管内を通して接続され、前記制御機構が前記本体内での充電も前記ロックユニットによる施錠・解錠と連動して制御することが好ましい。充電機能が精算機能に連動して使用可能となるため、電気の不正使用を防止できる。精算機能に充電用の機能が連動することにより、個別の充電用の制御装置を要せず、コストの削減が可能となる。またユーザーは、二輪の駐車とロッカーへのヘルメット等の保管とナビゲーションシステムや電動自動二輪や電動自転車の充電とを同時に行うことができ、大変便利である。
【発明の効果】
【0013】
本発明のロッカー付き二輪駐車装置は上述したように構成されており、本発明のロッカー付き二輪駐車装置によれば、鍵の持ち歩きが不要で、ロッカーの扉を閉め忘れた状態でも、扉は自然とゆっくり閉まり、駐車中にAC100Vの充電が可能なユーザーフレンドリーな装置である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施例1のロッカー付き二輪駐車装置の全体構成を示す図である。
【
図2】本発明の実施例1のロッカー付き二輪駐車装置の扉を閉めた状態の外観図である。
【
図3】本発明の実施例1のロッカー付き二輪駐車装置の扉を開けた状態の外観図である。
【
図4】本発明の実施例1のロッカー付き二輪駐車装置の扉を開けた状態の正面概略図である。
【
図5】本発明の実施例1のロッカー付き二輪駐車装置のE−E線断面概略図である。
【
図6】本発明の実施例1のロッカー付き二輪駐車装置の扉を閉めた状態における断面概略図である。
【
図7】本発明の実施例1のロッカー付き二輪駐車装置のD−D線断面概略図である。
【
図8】本発明の実施例1のロッカー付き二輪駐車装置のD−D線断面概略図の一部拡大図である。
【
図9】本発明の実施例1のロッカー付き二輪駐車装置の扉部裏面の本体内部構成を示す図である。
【
図10】本発明の実施例1のロッカー付き二輪駐車装置の扉部裏面の本体内部構成を示す図の一部拡大図である。
【
図11】本発明の実施例1のロッカー付き二輪駐車装置の係止部の構成図である。
【
図12】本発明の実施例1のロッカー付き二輪駐車装置システムの構成図である。
【
図13】本発明の実施例1のロッカー付き二輪駐車装置の斜め下方向からの外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明のロッカー付き二輪駐車装置及びロッカー付き二輪駐車装置システムの一実施形態について、図面を参照し実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の実施例においては、駐車車両を自動二輪とした例で説明をするが、駐車車両は電動自転車など他の二輪車でもよい。なお、各図面において、主要は要素以外は図示を省略している部分がある。
【0016】
図1は、本発明の実施例1のロッカー付き二輪駐車装置の全体構成を示す図である。本実施例の駐車装置1は内部に二輪車用品を収納するスペースを有する本体28と本体28の下に接続され本体28を支える脚部とを備えた高床式のロッカー2と、一端が本体28に固定され他端が係部33を有する自由端であって自動二輪6をロッカー2に繋ぎ止めるための線条体とを有するロッカー付き二輪駐車装置である。脚部は、4本の脚柱26と自動二輪の前輪を前方から挿入するスペースと車輪止4とを有する。前記スペースは、幅方向が左右の脚柱26の間であって高さ方向が脚柱26のたかさである。
図1では、実施例1のロッカー付き二輪駐車装置1に自動二輪6を駐車してロッカー2に施錠された状態を示す。
【0017】
線条体は、自動二輪に傷がつくことを防止するために被覆したチェーンやワイヤー等が好ましい。本実施例では、線条体は、ロッカー2に取り付いて一体となっているチェーン3である。チェーン3の係止部33は、差し込みやすい形状、例えば、断面が長方形や丸形などのスティックタイプが好ましい。シリンダー鍵形状でもよい。自動二輪用品としては、ヘルメットやナビゲーションシステム、上着、雨合羽、バック、バイクカバー、充電器、充電用コード、又はバッテリーチャージャーなどが挙げられる。
【0018】
車輪止4は、ロッカー2の下部で床面に平行して設けられている。ロッカー2の下部の車輪止4からロッカー2正面側の床面に描いた駐車位置ライン51までが駐車スペース5となっており、自動二輪6の前輪64を車輪止4で止めて駐車する。車輪止4は、ロッカー2の正面の扉部22側から約20cm奥に設けられており、駐車した自動二輪6の前輪64の半分程度がロッカー下に入る。自動二輪では、駐車時に左にハンドルを切って、ハンドルロックをかけるのが通常である。車輪止め4は、ハンドルロックをかける場合でも、ハンドル61等が扉部22に当たらない位置に設けてある。車輪止4があるので、車体がロッカー本体にぶつからない。本実施例では、自動二輪の前輪の上方の未利用空間を利用してロッカー機能を備える。
【0019】
ロッカー2は高床式で、下に前輪64が入る程度に高く、かつ、女性でもロッカー2内の物の出し入れがしやすい程度に低いところに本体28があるように構成されている。
たとえば、床面から1m程度の高さの脚柱26の上に本体28があることが望ましい。本体28はヘルメット等が収納できるように高さ、び奥行き、がそれぞれ46、42cm程度あることが好ましい。ロッカー2の幅は自動二輪6が一台おける程度あればよく、1台1台の駐車スペースはできるだけ小さい方が、同じ広さの場所に設置できる駐車場の数を増やすことができるので、たとえば、80cm程度が望ましい。
電動自転車の場合は30cm〜40cm程度が望ましい。
ロッカー2の背面から2.5m程度前方の床面に駐車位置ライン51が駐車の目安として描いてある。
図1では自動二輪6は、750ccの想定で、日本で走っている大型自動二輪の平均的サイズであるが、後輪65の最後尾から約40cm程度のゆとりがある。
すなわち、既存の自動二輪用駐車スペースと同程度のスペースで、自動二輪の駐車だけでなくヘルメットやナビゲーションシステム、上着、雨合羽、バック等の収納も行うことができる。したがって、従来の駐車スペースを拡張することなく、後付けのリニューアルで設置が可能である。
【0020】
自動二輪6を本実施例のロッカー付き二輪駐車装置内に駐車した後、チェーン3の係止部33を持って自動二輪の前輪64にチェーン3を通す。チューブ(図示省略)で包んであるので、チェーン3が自動二輪6に接触しても自動二輪6に傷が付きにくい。前輪64に通す代わりにハンドルやミラーに巻き付けてもよい。巻き付ける部分は、施錠中にチェーンが抜け落ちない部分であれば二輪車のどの部分でも良い。自動二輪にチェーン3を通したり巻きつけたりした後、扉部22を開けて、本体28の内部にヘルメットやナビゲーションシステム、上着、雨合羽、バック、充電器、充電用コード等を収納し、扉部22を閉める。扉部22を閉めて係止部33を係止部差込口(扉側)222に差し込むことによって、自動二輪6をロッカー2に繋ぎ止める。本実施例では、差し込むと同時に係止部33は抜き差しできなくなり、ロックされる。すなわち、係止部33を差し込むだけで、扉部の開閉及び自動二輪の出入の両方の施錠が実現される。本実施例では施錠・解錠用及び充電用の配線を有するが、
図1では図示を省略している。
【0021】
図2は本発明の実施例1のロッカー付き二輪駐車装置の扉を閉めた状態の外観図である。
図2以降ではチェーン3及び配線コードは図示を省略してある。扉部22は中央に取手225,端側に係止部差込口(扉側)222が設けられている。扉部22は取手225に指を差込み、上げたり、下げたりして開閉する。脚部が有する4本の脚柱26のうち前側の脚柱26の片方に係止部フック24が設けられている。係止部フック24は、使用していないときにチェーン3の係止部33又は鎖部分を懸架するなどして保持するフックである。駐車した後、チェーン3を係止部フック24から外して使用する。脚柱26は隣接する脚柱26同士、すなわち、左側及び右側の脚柱26同士を連結する上部支柱271及び下部支柱273、後方の脚柱同士を連結する中間部支柱272によって、固定されている。したがって、安定性に優れる。下部支柱273には地面に本体28を固定するアンカー用固定穴276が設けられている。車止部4は両端部を左側と右側の下部支柱273に接続して設けてある。
また、脚柱26の内部は空洞で配線を通すことができ、脚柱26内を通った配線は、地中の配管の中を通り
図12のように隣り合うロッカー同士を結んでいき最終的には精算機とも配管を通して接続される。
【0022】
図3は、本発明の実施例1のロッカー付き二輪駐車装置の扉を開けた状態の外観図である。ロッカー2は、本体28前側に備え前方に開閉自在な扉部22と扉部22内側に接するように本体28内部に設けられたロックユニット21とを有する。ロックユニット21は、全体がロックユニットカバー210で覆われている。ロックユニットカバー210には、係止部差込口(ロックユニット側)216が設けられており、係止部差込口(ロックユニット側)216は、扉部22を閉めた状態で係止部差込口(扉側)222と対応する部分に設けられている。
【0023】
図4は、本発明の実施例1のロッカー付き二輪駐車装置の扉を開けた状態の正面概略図である。後方の隣接する2本の脚柱26を結ぶ配線カバー275が背面側に設けてある。配線カバー275は、ロッカー2内で使用するロックユニット21等に電気供給及び電気通信を行うための配線を通すこともできる。配線工事の中には、このカバー275内に配線を通さずに済む場合もある。本体28の背面側上部には
図4では確認出来ないが換気用のスリットが設けられている。
【0024】
図5は、本発明の実施例1のロッカー付き二輪駐車装置のE−E線断面概略図である。
図5では、ロックユニット21のロックロックユニットカバー210は取り外した状態で図示してある。ロックユニット21は扉部22内側に接するように本体28内部に設けられている。精算機を用いて複数のロックロックユニットを制御する場合ロックロックユニット数台に一枚の割合で制御基板が必要であり、制御基板取付台座281に4点でネジ止めされる。図示はしていないが、充電用のAC100Vの差し込み口の取り付け場所であるが、
図7の充電コード挿入口231(集)の穴を利用し外部から挿入されるため、充電コード挿入口231(集)から、7〜8cm離れた場所(充電コード挿入口231(集)から指を入れても100Vの差し込み口に届かない程度の場所)のロックロックユニットカバー210の表面に取り付けることが好ましい。充電用のAC100Vの差し込み口を設けるに際し、ブレーカーを設置する必要性がある。ブレーカーの取り付け位置は特に図示しないが、ロックユニット21の収まるロックユニットカバー210内で囲まれた内部の空いたスペースでも良く、また、精算機内部でも良く、ブレーカーだけを収納したボックスに集約してもよく、ブレーカーと接続するコンセントが一体となった一体型のものを使用してもよい。
ロッカーの扉を閉め忘れて開いた状態のまま放置された場合でも扉部22が滑らかに下方向にスムーズに動くようにレール282(左)、(右)を本体の左右に設けて有り、かつ扉が勢い良く下がり指挟みなどの事故を防止するために、レール282の上部に定荷重バネ283を設けて有り、下方向に動く際に落下スピードが増さない様に調整が出来る仕組みを設けてある。
【0025】
ロックユニット21側で後方側の脚柱26は、内部が空洞で上部が斜めに切断されている。配線カバー275は断面がコの字型の筒状で、内部に配線を通しこれをカバーすることができる。
【0026】
本体28内部の前面側、左右側面には、レール28が、扉部22をスムーズに本体28全面の上下に動く役割を果たす。かつ、扉が勢い良く下がり指挟みなどの事故を防止するために、レール282の上部に定荷重バネ283を設けて有り、下方向に扉が動く際に落下スピードが増さない様に調整ができる仕組みが設けてある。
【0027】
図6は、本発明の実施例1のロッカー付き二輪駐車装置の扉部を閉めた状態における断面概略図である。
図6は
図5と同じ断面から見た図であり、ただし扉を閉めた状態の図である。
図6はロックユニット21、レール282、定荷重バネ283は省いている。
【0028】
図7は、本発明の実施例1のロッカー付き二輪駐車装置のD−D線断面概略図である。ロックロックユニットカバー210で囲まれた内部には、基盤取付台座281とロックユニット21があり、基盤取付台座281付近の本体28底面に配線用穴232が設けられている。基盤取付台座281で使用する配線及びロックユニット21で使用する配線は、配線用穴232を通って本体282内に出入りさせてある。電動自動二輪の充電等のために、充電コード挿入口231(集)が本体28底面に設けられている。充電コード挿入口231(集)から充電用差し込みプラグを入れて図示していないがロックユニットカバー210の表面等に取り付けられている、充電用のAC100Vコンセントの差し込み口に繋いで充電を行う事ができる。また、精算機を用いた二輪車駐車場内で、時間貸精算機を使用せずに、月単位の契約をする、月極ユーザー向けの対応策は、まず、本体28内部のロックユニット21及びロックユニットカバー210を取り外しロックユニット21の配線工事は行わない。チェーン固定金具233(左)に固定してあるチェーンの端はチェーン取出穴234(出)から本体28の外部に取りだし、月極用チェーン取出穴234(入)を通して月極用チェーン取付金具233(右)に取り付ける。扉22の施錠は
図13の月極施錠用穴235と水抜き用穴239の二つの穴を利用して南京錠等で個人的に施錠する。さらに、月極ユーザー向けの充電対応策として、月極ユーザーが充電用のAC100V差し込み口が必要な場合は配線用穴232からAC100V差し込み口の配線工事のみ行う。ブレーカーの取り付け場所は基盤取り付け台座281を代用しても良いし、ブレーカーと接続するコンセントが一体となった一体型のものを使用してもよい。その際、充電コード挿入口231(集)はキャップで塞ぎ新たな挿入口として、充電コード挿入口231(個)を使用する。
【0029】
図8は、本発明の実施例1のロッカー付き二輪駐車装置のD−D線断面概略図の一部拡大図である。扉部22は、線条体であるチェーン3の係止部33を差し込んで係止部の先端を扉側裏面部側(内側すなわち本体内部側)に貫通させる係止部差込口(扉側)222を有する。ロックユニット21は、通電時に解錠するソレノイド211を有し、精算機からの信号によりソレノイド211が施錠杆213と係止部33との係合を解く。
図8は、
図7の一部を拡大した図で、ロックユニット21の内部構造とロックユニット21に接する扉部22の内部構造を上から見た状態で示すものである。係止部差込口(扉側)222は貫通穴である。係止部差込口(扉側)222の本体側にはロックユニット21の係止部差込口(ロックユニット側)216が位置している。係止部33の先端は、係止部差込口(扉側)222に差し込んで係止部差込口(ロックユニット側)216まで挿入する。係止部差込口(ロックユニット側)216の内部には、両側面に板バネ219が設けてある。板バネ219は、差し込んだ係止部33をロック位置で挟み込むので、係止部33は、手で引き抜いても簡単には脱落しない。施錠杆213は先端部が角(つの)状になっている差込式の施錠杆で、ロックユニット21内のロック位置に係止部33が挿入されると後術する機構により下から上へ上昇して係止部33のロック穴部331に先端部を引っ掛けてロックする。係止部33は、施錠杆213に係合する手段としてロッカー穴部331を有する。ソレノイド211に精算機からの信号があると施錠杆213は下降して係止部33は解放され、ロックユニット21から抜くことができるようになる。
【0030】
扉部22では、係止部差込口(扉側)222は係止部33が係止部差込口(扉側)222に挿入されると扉22は上下動ができなくなる。よって扉部の開閉及び自動二輪の出入の両方の施錠が実現される。
【0031】
図9は、本発明の実施例1のロッカー付き二輪駐車装置の本体の内部構造を示す図である。本体のロックユニット21側の側面から見た内部構造を示した図である。
【0032】
図10は、本発明の実施例1のロッカー付き二輪駐車装置の本体の内部構造を示す図の一部拡大図である。ロックユニット21は、扉部22を貫通した係止部33を着脱可能に嵌合する手段の例として係止部差込口(ロックユニット側)216を有し、
図10は、
図9の一部を拡大した図で、ロックユニット21の内部構造とロックユニット21に接する扉部22の内部構造を側面から見た状態で示すものである。扉部22に設けた係止部差込口(扉側)222の裏側、すなわち本体に接したロックユニット21は、係止部33の挿入により係止部33をロックする施錠杆213を有する。施錠杆213は、
図10において、係止部33(
図10において図示省略)が挿入された状態で、上方に押し上げられて係合して保持し、ロックしている状態を示す。係止部33の差し込みによりロック状態となるための過程を説明する。係止部33が差し込まれると板バネ219で保持され、その上部にあって上下移動可能な接触部材214を押し上げ、接触部材214がバネ状の接続部215に接触して、接続部215に接続してあるスイッチ212をONの状態にする。スイッチ212がONの状態になると、施錠時間がカウントスウタートされる。スイッチ212がONの状態になると、ソレノイド211が前方(
図8において紙面の下方向。
図10において紙面の左方向。)に押し出され、接触部材214を押し上げる。接触部材214には、角(つの)部分があり、係止部33のロック穴部331に角部分が挿入され、これにより、係止部33と接触部材214は係止される。
かかる1回のロックで、自動二輪6のロックと、ヘルメット等を収納したロッカー2の扉部のロックを一度に行うことができる。すなわち、本実施例は係止部33を扉部22の係止部差込口(扉側)222に挿入してロックユニット21内に嵌合することにより、扉部22の開閉及び自動二輪6の出入りの両方の施錠を同時に行う。使用終了時にソレノイド211に精算機からの信号が送られると、ソレノイド211は後方に移動し、施錠杆213が下方に下がり、施錠杆213の角部分がロック穴部311より外れ、係止部33のロックは解除される。
【0033】
図11は、本発明の実施例1のロッカー付き二輪駐車装置の係止部の構造である。
(a)は背面図すなわち先端側から見た図、(b)は平面図、(c)は右側面図である。係止部33は、先端側に、厚みにあるプレートのロックバー331を有し、根元側に握り部334を有する。ロックバー332にはロック穴部311が設けられており、かかる穴はロックユニット21への施錠に利用されるとともに、係止部33を係止部フック24に懸架する際にロック穴部311へ係止部フック24を通して吊るすことができる。ロックバー332の側面には、くぼみ部333が設けられており、かかるくぼみに対応した凸部を有する板バネ219による保持をより確実なものとする。
【0034】
図12は、本発明に実施例1のロッカー付き二輪駐車装置システムの構成図である。本発明の実施例1のロッカー付き二輪駐車装置システム8は、実施例1のロッカー付き二輪駐車装置1を複数接続して、集中精算機7と接続させてある。接続は、配線を通した配管によって行う。集中精算機7は、ロッカー付き二輪駐車装置の制御機構及び充電機能及びアース、制御基板を有する。係止部33がロックユニット21内に挿入されてスイッチ212がONになると電気信号が集中精算機7に流れ、制御機構により使用時間のカウントが開始されるとともに集中精算機7の充電機能への通電が可能となり、使用者は充電用に電気を使用することができる。使用者は使用完了後、集中精算機7で使用時間に応じた使用料を支払う。使用料の表示や支払機構は従来の集中精算機と同様である。使用料の支払いが完了すると、ソレノイド211に精算機からの信号が送られると、使用者は係止部33を係止差込口(扉側)222から抜いてロック解除が可能で、かつ充電用の通電が遮断される。本実施例においては、扉部22の開閉及び自動二輪6の出入りのほか、充電への通電の可否も係止部33の着脱により同時に制御できる。各ロッカー付き二輪駐車装置1のロックユニット21の配線及び充電用AC100Vコンセント差し込み口の配線が隣接するロッカー付き二輪駐車装置1同士の間をつなぐ配管内を通して接続され、制御機構がロックユニット21による施錠・解錠を制御する。本実施例においては、制御機構が本体28内での充電もロックユニット21による施錠・解錠と連動して制御する。
【0035】
図13は、本発明の実施例1のロッカー付き二輪駐車装置の斜め下方向からの外観図である。本体28の底板の下側には配線カバー275が設けてある。
図13においては、配線カバー275は説明のため開いた状態であるが、使用時には閉めてある。外部からの配線は、配線出入口264(左)から挿入され、配線カバー275内を通って、配線用穴232から本体28内部に入り、ロックユニット21や充電用AC100Vコンセント差し込み口に接続されて配線用穴232から本体28外部に出て、脚部26の内部を通って配線出口264から出して、配管と通して隣接する次ロッカーに接続する。。通常、配管は埋設されている。
【0036】
扉部22の大きさは、中にヘルメット等を収納することを考えると46cm程度の高さになる(開口部は30cm位)。コインロッカーの様に、扉の蝶番がロッカーの左側に有り、使用者側方向(自動二輪6方向)に開閉される横扉の場合、ハンドルロックした自動二輪のハンドルから扉部までの距離が80cm位ないと、扉を開いたとき、扉部が自動二輪のハンドルやミラーにあたってしまうため、駐車スペース全体の長さをその分長くする必要があり、コンパクト性に欠ける。横扉では、扉の前面から自動二輪のハンドル部まで80cm以上の長いスペースをとる必要があるため、駐車スペース全体の長さが3.3m以上となり、軽自動車の駐車場並みのサイズとなる。しかし、本実施例1の駐車装置1では、車輪止4で前輪64を止めてハンドル61をハンドルロック掛けた状態でも、扉部22からハンドル61のブレーキレバーまでわずかの隙間(扉の取手225に指が一本入る程度、4〜5cm)があれば、扉部22がハンドル61や計器63、ミラー62等にぶつかることなく扉部22を収納できる。駐車した自動二輪の部品のうち、扉部22に近いのは、ハンドルやライト、バックミラー等であるが、本実施例によれば、これらいずれの部品にも接触しない。
【0037】
図1に示した本体28では、高さが約46cm奥行き約42cm、幅約80cm程度である。電動自転車の場合は、高さ奥行きは同じであるが、幅は約30cm〜40cm程度である。脚部を含めたロッカー2の高さは高さが約144cmである。本体28は正面側以外を壁で囲まれている。
【0038】
チェーン3は、一部の外側を、自動二輪の車体に傷を付けない為の、チューブ32で包んだ鎖部31を有する。鎖部31の一端は、ロッカー2のチェーン取り出し穴234(出)から入りチェーン止め金具233(左)に固定してあり、もう一端には係止部33が取り付けてある。
【0039】
本実施例のロッカー付き二輪駐車装置によれば、鍵の持ち歩きが不要で、ユーザーフレンドリーである。本実施例のロッカー付き二輪駐車装置は、ユーザーが鍵を持ち歩く必要がないので、鍵の紛失によるトラブルやロッカーの錠前交換等が必要なくなる。また、不正に駐車していて施錠していない自動二輪があった場合、従来は、監視員が鍵を差し込んで鍵を抜いてロックすると、不正使用しているユーザーが戻って来た際に監視員がいないと、鍵がないので扉を開けられない事態が生じたが、本実施例によれば、施錠時に鍵を抜いたり解錠時に鍵を差しいれたりする必要がなく、不正使用に気付いた監視員は係止部を係止部差込口に差し込むだけで済む。不正使用したユーザーは係止部を引き抜くのに監視員がいなくても使用料を払うことで、ロックを解除できる。さらに本実施例によれば、駐車中、ヘルメット等を盗難や水濡れ等の心配なく保管できるだけではなく、ナビゲーションシステムや電動自動二輪の充電も、水濡れや悪意のある者によるプラグ引き抜き等の心配なく行うことが可能となる。したがって、ユーザーは駐車時間を有効に利用できる。また、全てのユーザーがロッカーを駐車中に使用するわけではないが、ロッカーにヘルメット等を保管したユーザーは施錠しないと、盗難の恐れがあるため、施錠する確率が高くなくなることが予想される。その結果、不正駐車する確率は低くなることが、予想できる。また、扉部の開閉も自動二輪の出入りも充電も係止部の着脱で、ワンタッチでできるので、利便性に富む。充電用AC100Vコンセントが内部にあり、施錠とともに利用可能となり電気の不正利用を防止できる。本実施例では、集中精算機で施錠の制御及び使用時間のカウントや精算、充電の制御をおこなうことができるので、精算処理の負担が軽減され、一括管理するのに便利であり、個別制御よりコストダウンが可能となるまた、配管を通して駐車装置間を接続出来るので、敷地内のレイアウトが自由で、不定形なスペースでも有効利用が可能となる。本実施例によれば、集中精算機で充電機能制御も行えるため、利便性に富む。
【0040】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、その発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々と変形実施が可能である。また、上記各実施の形態の構成要素を発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に組み合わせることができる。例えば、上述した実施例においては、先端に穴を有するスティック型の係止部であるが、穴の代わりにロックユニットに係止可能な溝を設けてもよく、スティック型の代わりにシリンダー錠タイプでもよく、シリンダー錠タイプを挿入して捻ることで扉部の爪部を押しこんで扉部がロックされるものでもよい。車輪止はバーでも板状でも車輪をとめるストッパーであれば形状及び大きさは問わない。また、集中精算機ではなく、個別の駐車装置ごとに精算・施錠や充電の制御機能を備えてもよい。さらに、ロッカーの機能を有していれば、充電機能が無くても構わない。
【0041】
ソレノイドへの精算機からの信号は、上記した実施例では、個別の駐車装置あるいは集中精算機における使用料の支払いの完了により行われる仕組みであるが、個別の駐車装置あるいは集中精算機が、さらに、使用開始時から一定時間内に駐車装置番号と暗証番号を入力する手段及び番号記憶手段及び番号判別手段を備えて、使用開始時から一定時間内に入力された駐車装置番号と暗証番号を毎回記憶できるようにし、使用開始時に暗証番号が入力された場合には、支払時に入力された駐車番号と暗証番号との組み合わせが記憶されている組み合わせと一致するかを判別し、一致する場合のみ精算機からの信号送りを開始するものが望ましい。使用者が盗難を防止したいときには、使用開始時から一定時間内に暗証何号を入力して、第三者が使用料を勝手に支払っても正しい暗証番号を入力しないと解錠できないようにすることができ、よってロッカー内の荷物や二輪車を盗むことを防止できる。なお、記憶した組み合わせは精算機からの信号を送った後または、管理者モードによる操作により消去されることが望ましい。
【0042】
駐車車両は自動二輪に限らず、他のエンジン付き二輪車、電動二輪車や電動自転車でもよく、一般的に二輪自動車、自動二輪あるいはオートバイと総称されるもの(例えば、ガソリンタイプのバイクや電動バイクやスクーターや原動機付自転車等)のほか、電動自転車等の充電が必要な自転車でもよく、また、三輪であっても一般に二輪自動車や電動自転車で総称されるものであればよい。