(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る管理装置の実施形態について、
図1〜
図12を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る遊技場システムのシステム構成図である。
図1に示すように、本実施形態の遊技場システム1は、遊技機10と、台間機20と、これらに接続される台コンピュータ30と、島コンピュータ40と、親島コンピュータ50と、管理装置70と、で構成され、これらの各遊技場装置が所定のネットワーク(例えば、LAN:ローカル・エリア・ネットワーク)を介して接続されている。
【0014】
遊技機10には、パチンコ機10a,スロットマシン10b,アレンジボール機,雀球機等、遊技球やメダル等の遊技媒体を使用して遊技を行う各種遊技機が含まれる。また、遊技媒体を封入した封入式遊技機も含まれる。以下、パチンコ機10aを例に挙げて説明する。
遊技機10は、遊技場において、所定の台数ごとに並べて配置されている。各遊技機10には台番号が付され、片島ごとにコーナー番号が付されている。また、島や機種ごとに、遊技機島や機種の識別が可能な番号等の識別情報が付されているものとする。
各遊技機10からは、遊技媒体の投入数を示すアウト信号、遊技媒体の払出数を示すセーフ信号、一ゲームごとに出力されるスタート信号、大当り時に出力される大当り信号等の各種遊技信号が出力される。
【0015】
台間機20は、遊技媒体を貸し出す装置であり、通常、各遊技機10に一台ずつ備えられており、現金やプリペイドカードの投入に応じて、所定数の遊技媒体を貸し出す。台間機20は、投入金額に応じた遊技媒体の貸出数を示す売上信号を台コンピュータ30へ出力するとともに、対応する遊技機10へ貸出数分の遊技媒体を貸し出すように構成されている。
台コンピュータ30は、遊技機10と台間機20とに接続され、遊技機10と台間機20とから出力された各種信号を受信し、通信回線を介して島コンピュータ40へ信号を送信する。
島コンピュータ40は、台コンピュータ30から送信されてきた各種信号を受信し、適宜蓄積又は集計して親島コンピュータ50へ送信する。
親島コンピュータ50は、各島コンピュータ40から送信されてきた信号を受信し、適宜蓄積又は集計して管理装置70へ送信する。
【0016】
管理装置70は、プログラム制御により動作する情報処理装置であって、遊技場に備えられる全遊技機10に関する遊技情報を記憶・管理するようになっている。
また、パチンコ機10aの遊技盤に植設され、入賞口の幅を特定可能な調整値(以下、釘幅という)等、遊技機10に関する調整情報を、記憶・管理・出力するようになっている。
管理装置70は、
図2に示すように、記憶部71と、操作部72と、表示部73と、通信部74と、制御部75と、を備えている。
【0017】
記憶部71は、図示しないROM,RAM,ハードディスク等の記憶媒体で構成され、管理装置70が備える各種機能に関するプログラム、遊技機10に関する遊技情報や調整情報等を記憶する。遊技情報や調整情報には、記憶(入力)日時、台番号等の属性データが紐付けられて記憶される。
【0018】
操作部72は、例えば、図示しないキーボード、マウス等の入力デバイスで構成された入力手段であり、入力デバイスから入力されたデータが、図示しないIOポートを介して制御部75(CPU)に入力される。
操作部72の操作を介して入力される情報には、調整情報がある。
表示部73は、例えば、液晶ディスプレイなどで構成された出力手段であり、本実施形態においては、調整情報の入力画面や遊技情報の集計画面を表示する。
【0019】
通信部74は、他の装置との間で所定の信号の送受信を行う。
例えば、親島コンピュータ50から通信回線を介して送信される各種遊技信号(アウト信号、セーフ信号、スタート信号、大当り信号、売上信号等)を受信する。
【0020】
制御部75は、図示しないCPUなどで構成されており、記憶部71に記憶されているプログラムを読み込んで実行することにより、例えば、遊技情報の集計処理を行う。
具体的には、親島コンピュータ50から受信した遊技信号に基づき、各種遊技情報(アウト玉数、セーフ玉数、スタート回数、大当り回数、売上等)を、遊技機10ごと、島ごと、コーナーごと、機種ごとに集計する。
集計される遊技情報には、この他、アウト玉数に対するセーフ玉数の割合である「出玉率」、大当たり中以外の遊技状態における出玉率である「ベース」、スタート信号に基づいた役物の作動回数である「スタート」、確率変動中の遊技状態における出玉率である「確ベース」、大当たり中の平均出玉数である「T1Y」等がある。
【0021】
また、制御部75は、所定の入力操作により入力された調整情報を記憶部71に記憶する動作を行う。
図3は、調整情報入力画面を示す図である。
例えば、「機種別」のラジオボタンを選択することで、釘幅や釘マークといった調整情報の台番号ごとの設定欄が、同一機種ごとに区分けされて表示されるため、ユーザは、任意の台番号の設定欄を選択して個別に調整情報を入力することができる。なお、「コーナー別」や「島別」を選択すると、コーナーごと又は島ごとに区分けされた調整情報の設定欄が表示される。
また、「一括設定」欄における入力操作により、調整情報をまとめて入力することもできる。この場合、「台番号」の範囲を指定し、「釘幅」や「釘マーク」をチェックして任意の釘幅又は釘マークを入力し、「反映」ボタンを選択することで、複数の遊技機10に関する調整情報をまとめて設定することができる(「使用方法」参照)。
「釘幅」欄は、釘幅の数値を直接入力する際に用い、「釘マーク」欄は、釘幅を増減して入力する際に用いる(「釘マーク一覧」参照)。
このようにして入力された調整情報は、「登録」ボタンを選択することで、台番号、入力(記憶)日時等が識別可能な情報とともに記憶部71に記憶される。
【0022】
また、制御部75は、調整情報に関する以下の各手段(出力制御手段、調整情報出力手段、調整情報権限判別手段、表示制御手段)の動作制御を行う。
【0023】
制御部75は、出力制御手段として動作することで、調整情報が入力されたタイミング以後から調整情報に基づいて営業を行う営業日の終了に係る所定のタイミングまでの期間において、調整情報を視認可能に出力させないようにしている。
ここで、「営業終了に係る所定のタイミング」は、例えば、営業終了時、閉店間際(例えば、閉店時刻の1時間前や1時間後を含む)など、種々のタイミングを含む。
例えば、本実施形態では、前日に入力した当日分の調整情報を、その入力時から当日の営業が終了するまでの期間は、視認できないようにし、当日の営業終了後は、視認できるようにしている。
以下、このような調整情報の出力制御について、
図4〜
図6を参照して詳細に説明する。
【0024】
図4は、調整情報の出力制御を説明するためのタイムチャート図である。
なお、遊技場の営業時間は、10:00〜23:00とする。
図4の例において、1月1日の営業終了後に入力された調整情報は、その調整情報に基づいて営業が行われる1月2日分として記憶部71に記憶され、出力(表示)可能な状態で管理される。
ただし、1月2日分の調整情報は、出力要求が、調整情報を入力したときから当日(1月2日)の営業終了前までの期間(視認不能期間)にあった場合、視認できないように出力を制限し、出力要求が、当日の営業終了後(視認可能期間)にあった場合、視認できるようにしている。
具体的には、1月2日分(1月1日入力)の調整情報について出力要求があった場合、図示しないタイマー等によりその要求日時を特定し、その要求日時が、1月2日の23:00(営業終了時)を経過しているか否かを判別する。要求日時が1月2日の23:00前である場合、視認不能期間内の出力要求として、1月2日分の調整情報の表示を制限し、要求日時が1月2日の23:00以後である場合、視認可能期間内の出力要求として、1月2日分の調整情報の表示を許容するようにしている。
【0025】
本実施形態では、調整情報を視認不能にする出力制御として、調整情報の表示領域を、その上位層に不透明の画像(黒塗り画像、網掛け画像等)を重ねて隠蔽するいわゆるマスク処理を施すようにしている。
マスク処理は、例えば、調整情報に所定のマスク制御信号を付して出力することで実施することができる。
このようにすると、USBメモリなどの外部の記憶装置に一旦出力(記憶)した調整情報を、再度取り出して出力する場合にも視認できないようにすることができる。
また、出力制御は、このようなマスク処理に限定するものではなく、例えば、モザイク処理、暗号処理、画像合成などのほか、調整情報のデータ出力の制限、印刷処理の制限等、調整情報を視認不能とするあらゆる制御手段を適用することができる。
【0026】
図5は、遊技情報の集計画面であって、当日分の調整情報(釘幅値)が当日の営業終了前は表示されない様子を示す図である。
図6は、遊技情報の集計画面であって、当日分の調整情報が当日の営業終了後は表示される様子を示す図である。
集計画面101の表示に関し、制御部75は、表示制御手段として動作することにより、調整情報と遊技情報をともに表示するようにしている。
すなわち、
図5,6に示すように、集計画面101に調整情報表示領域P1と遊技情報表示領域P2とが設けることで、調整情報と遊技情報を同時に表示できるようにしている。
【0027】
ここで、制御部75は、表示制御手段として動作することで、視認不能期間は、調整情報を視認可能に表示させないようにしている。
つまり、視認不能期間内(
図4参照)に、集計画面101の出力要求(表示要求)があった場合、
図5に示すように、集計画面101において、調整情報表示領域P1がマスクされ、遊技情報だけが表示される。
このようにすると、1月2日分の調整情報を、当日の営業開始前や営業中は閲覧できなくなるため、調整情報の流出や流出による遊技場の損失を未然に防ぐことができる。
【0028】
一方、視認可能期間(
図4参照)に、調整情報の出力要求があった場合、
図6に示すように、集計画面101において、調整情報表示領域P1のマスクが解除され、調整情報と遊技情報がともに表示される。
これは、1月2日分の調整情報は、当日の営業開始前や営業中に不正に利用されるおそれがあり、その日の営業終了後までは機密性を維持する必要があるものの、1月2日の営業終了後は、悪用されることがなく、流出による遊技場の損失が想定されないからである。
すなわち、調整情報については、不正な利用が想定される期間内において視認できないよう制限を課す一方で、不正利用が想定されない場合には、出来るだけ視認できるようにして、適正に調整情報を閲覧する店員の利便が損なわれないようにしている。
【0029】
ところで、調整情報に対するアクセス権限は、機密性の観点から、一般に、店長等、所定の権限を有する管理者にのみ認められている。
このような調整情報に関する権限につき、制御部75は、調整情報権限判別手段として動作することで、所定の操作により入力された情報に基づいて、その入力者が調整情報に関する所定の権限を有するか否かを判別する。
例えば、操作部72の操作により入力された暗唱番号と、予め登録された暗唱番号との照合を行い、照合が一致したユーザID(ログインID)に基づき、ログインしたユーザが、調整情報に関する権限を有するか否かを判別する。
【0030】
そして、制御部75は、出力制御手段として動作することで、調整情報に関する所定の権限が有ると判別された場合に、視認不能期間にかかわらず、調整情報を視認可能に出力させる。
つまり、店長等、調整情報に関する権限を有する者は、集計画面101を介し、いつでも遊技情報と調整情報を閲覧できるようになっている。
また、上記権限を有する者は、所定の表示要求に対し、調整情報入力画面100を表示させることができる。
このため、店長等は、調整情報入力画面100を介して調整情報を入力し、入力後の調整情報を閲覧し、又は、変更することができる。
つまり、調整情報に関する権限を有する店長等は、いつでも調整情報にアクセスすることができるようになっている。
【0031】
ここで、制御部75は、表示制御手段として動作することで、調整情報に関する権限がないと判別された場合、視認不能期間は、調整情報を視認可能に表示させず、遊技情報を視認可能に表示させるようにしている。
すなわち、遊技情報の閲覧権限を有する店員からのアクセスにより集計画面101を表示する場合であっても、出力要求が視認不能期間内にあった場合は、
図5と同様、調整情報表示領域P1をマスクして調整情報を表示させないようにし、遊技情報だけを表示するようにしている。
このようにすると、遊技情報の閲覧権限を有するも、調整情報について権限のない店員が、当日の営業開始前や営業中に調整情報を閲覧できなくなるため、調整情報の流出を効果的に防ぐことができる。
【0032】
また、制御部75は、調整情報出力手段として動作することで、所定の営業期間に亘る調整情報を出力させることができるようになっている。
ここで、「所定の営業期間に亘る調整情報」とは、当日分を含み、連続する過去の営業日に亘る各調整情報をいう。
例えば、集計画面101において、「個別データ」に特定の台番号を入力し、「対象期間」を指定することによって、特定の遊技機10の過去一定期間における遊技情報と調整情報を表示させることができる(
図8,9参照)。
【0033】
ただし、制御部75は、出力制御手段として動作することで、所定の営業期間に係る各調整情報に基づいて営業を行う営業日の次の営業日における所定のタイミング以後の期間において、各調整情報を視認可能に出力させないようにしている。
「次の営業日における所定のタイミング」は、例えば、調整情報を入力した日の翌々営業日における営業開始時や日替処理時(管理装置70における管理上、当日処理したデータを前日の処理データとする情報処理等をいう。)など、種々のタイミングを含み、本実施形態では、「営業開始のとき」とする。
すなわち、本実施形態では、当日分の調整情報を、当日の営業終了まで視認できなくすることに加え、次の営業日の営業開始後も視認できないようにしている。
このような所定の営業期間に亘る各調整情報の出力制御について、
図7〜
図9を参照して説明する。
【0034】
図7は、所定の営業期間に亘る各調整情報の出力制御を説明するためのタイムチャート図である。
図8は、遊技情報の集計画面であって、当日分を含む各調整情報が当日の営業終了前は表示されない様子を示す図である。
図9は、遊技情報の集計画面であって、各調整情報のうち当日分の調整情報が当日の営業終了後は表示される様子を示す図である。
以下、1月1日〜1月12日にそれぞれ入力した1月2日〜1月13日分の各調整情報の出力要求を行う場合について説明する。なお、
図7において、例えば、1月1日の営業終了後に入力した1月2日分の調整情報は、「調整情報(1)」として説明する。
【0035】
図7の例において、1月2日分の調整情報(1)は、1月1日における入力後から当日(1月2日)の営業終了前までに加え、当日の翌日の営業開始後は、視認不能期間として、マスク処理により視認が制限される。
このような出力制御は、調整情報(2)〜(12)についても同様に行われる。
このため、1月13日分の調整情報(12)を含む各調整情報(1)〜(12)については、当日(1月13日)の営業終了までの期間は、出力要求があっても、すべてマスク処理が施されて表示されない(
図7,8参照)。
また、各調整情報(1)〜(12)については、当日の翌日(1月13日)の営業開始後は、調整情報(1)〜(11)はマスク処理が施されたままで表示されず、調整情報(12)だけがマスク処理が解除されて表示される。
【0036】
このように、所定の営業期間に亘る各調整情報を表示できる機能を有しながらも、表示制限を加えたのは、次の理由からである。
すなわち、所定期間に亘る調整情報は、それぞれが過去の営業日におけるデータであるため単体として悪用される可能性は低いが、過去の営業に係る調整情報であっても、所定期間に亘る各調整情報から遊技機10に対する調整の傾向を推定できる場合があり、何ら閲覧制限を加えなければ、調整情報は流出し、不正利用されるおそれがある。
このため、本実施形態の管理装置70では、所定の営業期間に亘る遊技情報を表示するに際し、このような制限を行うようにしている。
【0037】
次に、調整情報の入力処理及び出力処理の手順について、
図10及び
図11を参照して説明する。
図10は、調整情報の入力手順を示すフローチャートである。
図10に示すように、管理装置70では、制御部75が、暗証番号の入力の有無を監視している(S1)。
暗証番号の入力を検知すると(S1−Yes)、制御部75は、暗証番号を含む入力情報に基づいて、入力者が調整情報の入力権限を有するか否かを判別する(S2)。具体的には、入力した暗証番号とユーザIDによるログイン処理に基づき、ログインしたユーザが調整情報の入力権限を有する(店長等)か否かを判別する。
【0038】
調整情報の入力権限が有ると判別された場合(S2−Yes)、所定の要求に応じ、又は、自動的に、調整情報入力画面100を表示部73に表示する(S3)。これにより、権限を有すると判別された店長等は、調整情報入力画面100を介して調整情報の入力が可能となる。
なお、暗証番号の入力がない場合(S1−No)、又は、調整情報の入力権限が有ると判別されなかった場合(S2−No)、S1に戻り、引き続き暗証番号の入力を監視する。
調整情報の入力が終了すると(S4−Yes)、一連の入力処理は終了する。これにより、管理装置70では、調整情報が記憶部71に記憶され、出力(表示)可能状態となる。
【0039】
図11は、調整情報の出力手順を示すフローチャートである。
なお、ここでは、店員(すなわち、遊技情報の出力権限を有するが、調整情報の出力権限を有しない者)からのアクセスに基づいて調整情報を出力する場合の処理について説明する。
【0040】
図11に示すように、管理装置70では、制御部75が、暗証番号の入力の有無を監視している(S11)。
暗証番号の入力を検知すると(S11−Yes)、制御部75は、暗証番号を含む入力情報に基づいて、入力者が遊技情報の出力権限を有するか否かを判別する(S12)。具体的には、入力した暗証番号とユーザIDによるログイン処理に基づき、ログインしたユーザが遊技情報の出力権限を有するか否かを判別する。
店員は、遊技情報の出力権限を有するため(S12−Yes)、次に、制御部75は、調整情報の出力要求の有無を監視する(S13)。具体的には、集計画面101の表示要求があったかどうかを監視する。
【0041】
調整情報の出力要求が有った場合(S13−Yes)、制御部75は、出力要求の対象が、当日分の調整情報か、所定の営業期間に亘る複数日の調整情報かを判別する(S14)。なお、調整情報の出力要求が無かった場合(S13−No)、調整情報を出力せずに終了する。
調整情報の出力要求が、当日分の調整情報を対象とする場合(S14−当日)、制御部75は、当日の営業が終了しているか否かを判別する(S15)。
調整情報の出力要求が、当日の営業終了後にあった場合(S15−YES)、制御部75は、当日分の調整情報と遊技情報を合わせて表示する(S16)(
図6参照)。
他方、調整情報の出力要求が、当日の営業終了前にあった場合(S15−No)、制御部75は、当日分の調整情報をマスクして遊技情報を表示する(S17)(
図5参照)。
【0042】
S14において、出力要求の対象が、複数日における調整情報の場合(S14−複数)、制御部75は、当日の営業が終了しているか否かを判別する(S18)。
調整情報の出力要求が、当日の営業終了後にあった場合(S18−Yes)、制御部75は、当日分の調整情報を除く各調整情報をマスクして遊技情報を表示する(S19)(
図9参照)。
他方、調整情報の出力要求が、当日の営業終了前にあった場合(S18−No)、制御部75は、当日分の調整情報を含む各調整情報をマスクして遊技情報を表示する(S20)(
図8参照)。
【0043】
このような調整情報の管理方法によれば、調整情報にアクセスする権限のない店員が、遊技情報の集計画面101を介して調整情報を取得したり、所定の営業期間に亘る調整情報を取得して、これらの情報が流出して悪用されることを防ぐことができる。
【0044】
以上のように、本発明の一実施形態に係る管理装置70によれば、所定の条件のもと、所定期間、調整情報を視認できないように出力制御を行うようにしている。
このため、調整情報の流出や流出による遊技場の損失を未然に防ぐことができる。
【0045】
(他の実施形態)
図12は、通信端末を含む遊技場システムのシステム構成図である。
図12に示すように、本実施形態の遊技場システム1は、前述の実施形態とは異なり、携帯端末(通信端末)90が構成要素として含まれる。
携帯端末90は、各遊技場装置が接続されたLAN及びアクセスポイント80からなるWi−Fi回線を介して管理装置70と無線通信可能に接続される。
また、携帯端末90は、Wi−Fi回線に代えて、図示しない3G回線やLTE回線などの移動体通信網を介して無線通信可能に接続される。
【0046】
ここで、携帯端末90には、予め調整情報の入力を行うためのアプリケーションプログラムがインストールされており、このプログラムを起動することにより、所定のキー操作に応じ、調整情報の入力が可能となっている。
携帯端末90は、アプリケーションプログラムの機能により、入力された調整情報を、通信ネットワークを介して管理装置70に出力する(出力手段)。
【0047】
管理装置70は、LANインターフェース等、携帯端末90から出力された調整情報を、LANを介して入力する入力手段を備える。
そして、管理装置70は、制御部75が、出力制御手段として動作することで、調整情報が入力されたタイミング以後であって、調整情報に対応した営業日の終了に係る所定のタイミングまでの期間は、調整情報を、視認可能に出力させないようにしている。
管理装置70及び遊技場システム1における他の構成は、前述の実施形態と同様である。
【0048】
このような構成からなる遊技場システム1によれば、携帯端末90から調整情報を入力することができ、管理装置70では、このようにして入力された調整情報について、所定の条件のもと所定期間視認できないようにすることができる。
すなわち、調整情報の入力を、管理装置70の操作部72を介して行うだけでなく、管理装置70と通信可能に接続された携帯端末90から遠隔入力することが可能となる。
このため、前述の実施形態に比べ、高い利便性を有する遊技場システム1を提供することができる。
【0049】
これに対し、従来の管理装置は以下の問題があった。
調整情報は、万一外部に流出すると、これを知得した遊技者により不正に遊技が行われ、遊技場が不利益を受け得ることから、その管理方法が問題となる。
この点、管理装置においては、一般に、暗証番号の認証等を介して、店長やマネージャー等、所定の権限を与えられた者以外は、調整情報に直接アクセスできないようになっている。
しかしながら、管理装置に入力された調整情報は、遊技情報とともに管理されることから、所定の画面を介して、遊技情報とともに表示されることがある。このため、調整情報に直接アクセスする権限が無い店員であっても、遊技情報の閲覧権限を有すれば、その画面を介して調整情報を閲覧できるようになっていた。
具体的な問題として、遊技機の調整は、通常、遊技場の営業終了後(例えば23:00以後)に行われるため、調整の後に続けて調整情報の入力を行うと、翌日の営業開始(例えば10:00)前や営業時間中に、店員が調整情報を取得することができ、流出を助長することになっていた。
また、このような問題に対し、遊技場によっては、店長が、遊技機の調整情報を一旦メモしておき、翌日の営業が終了した後に管理装置に入力する等、調整情報の取扱いに関し無駄な運用が行われていた。
以上、本発明の管理装置70について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係る管理装置は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述の実施形態においては、パチンコ機10aを例に挙げて説明したが、スロットマシン10bに対しても適用することができ、この場合、出玉率を左右する設定値(6段階の確率設定値)を調整情報として出力制御を行うことで、同様の作用効果を奏することができる。
また、他の実施形態に係る遊技場システム1において、通信端末は、携帯端末90に限るものでなく、遊技場内のLANに接続されたパーソナルコンピュータ等、管理装置70と通信可能に接続された通信端末であれば特に制限無く適用することができる。