(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一方の面が粘着面であり、他方の面が筆記具で書き込み可能な書き込み面である修正テープを巻き出し可能に保持する巻出部と、前記修正テープの粘着面を被貼付面に貼り付ける貼付部を少なくとも筐体に保持する修正テープ貼付具において、前記貼付部の先端がヘラ状であり、外部からの押圧によって移動可能なボタンを有し、前記ボタンの外部からの押圧による移動に連動して前記修正テープを切断する刃物を前記筐体の内部に有し、前記貼付部先端の近傍には前記刃物の先端に設けられた刃が挿入される凹部が設けられ、前記外部からの押圧の反対方向へ前記ボタンを押圧する弾性部材を有し、前記外部からの押圧の反対方向への前記ボタンの移動に連動する繰出部を有し、前記繰出部の前記連動により前記刃物で切断された前記修正テープの先端を前記貼付部で被貼付面に貼付け可能な位置まで繰出すことを特徴とする修正テープ貼付具。
前記貼付部で前記修正テープを被貼付面に押圧しつつ修正テープ貼付具を被貼付面上で移動することにより、前記修正テープを前記被貼付面に貼り付けた後、前記ボタンを外部から押圧して、前記刃物の先端に設けられた刃を前記貼付部先端の近傍に設けられた前記凹部に挿入して前記修正テープを切断し、前記修正テープの被貼付面への貼付けを終了した後に、前記貼付部を前記被貼付面から離し、さらに前記ボタンの外部からの押圧を解除して前記弾性部材の弾性力によって前記ボタン及び前記刃物を前記ボタンの外部からの押圧の反対方向へ移動するとともに、前記ボタンの外部からの押圧の反対方向への移動に連動して前記修正テープを前記貼付部方向へ繰出す繰出部によって、前記刃物で切断された前記修正テープの先端を前記貼付部で前記被貼付面に貼付け可能な位置まで繰出すことを特徴とする請求項1に記載の修正テープ貼付具による修正テープの貼付方法。
前記巻出部が前記筐体に設けられた軸部と、前記軸部に回転可能かつ着脱可能に係合するコアに前記修正テープを巻き回した修正テープパンケーキからなり、前記コアを前記軸部に係合するとともに前記修正テープパンケーキの外周から巻出した前記修正テープの先端を前記繰出部に挟持することによって、前記修正テープパンケーキから巻き出された前記修正テープの先端が前記繰出部によって繰出し可能となることを特徴とする請求項1に記載の修正テープ貼付具。
【背景技術】
【0002】
従来から、誤記を修正するためや、複写時に一部の文字等を隠して書類を複写するために、修正テープと呼ばれるテープを巻出部から巻き出して、被貼付面に必要な分だけを貼り付け、貼り付け終了位置でテープを切断して貼付けを終了する修正テープ貼付具が使用されている。このような修正テープ貼付具としては、特許文献1や特許文献2のようなものが、提案されている。しかしながら、特許文献1の粘着テープホルダー(本発明の修正テープ貼付具に相当)では、修正テープを切断する刃物の刃先が外部に露出しており、この刃によって使用者の指先や被貼付面を傷付けるおそれがあった。
【0003】
一方、特許文献2では、修正テープを被貼付面に貼り付ける貼付ロールの外周上で修正テープを切断する手持ち型装置(本発明の修正テープ貼付具に相当)が開示されている。特許文献2の手持ち型装置は貼付ロール上に刃物の刃を押し当て修正テープを切断するので、特許文献1の粘着テープホルダーのように、刃物の刃によって使用者の指先や被貼付面を傷付けるおそれはない。しかしながら、特許文献2の手持ち型装置では、刃物の刃によって修正テープが切断される切断領域は、貼付ロールがテープを被貼付面に貼り付ける接触領域の後方にあるため、使用者が修正テープを被貼付面に貼付けようとしても、すぐには修正テープが被貼付面に貼り付けられず、使用者が貼付けを開始しようとした位置から修正テープの貼り付けを開始することは困難であった。また、特許文献2の手持ち型装置では、修正テープを被貼付面に押圧して貼り付けるために貼付ローラを用いるので、貼付ローラの半径分だけテープの貼付け位置が貼付ローラ外周よりも内側となり、修正テープの貼付けが開始される箇所が見難いという問題があった。
【0004】
このように、従来の修正テープ貼付具では、それぞれに異なった課題を有しており、修正テープの貼付け開始位置及び終了位置が確認し易く、修正テープを切断する刃物によって使用者の指先や被貼付面を傷つけることがなく、かつ、使用者が修正テープの貼付けを開始しようとした箇所で、修正テープの貼付けを容易に開始することができるという3つの課題を同時に解決したものが無かった。また、これら3つの課題を同時に解決するには、修正テープ貼付具の内部構造が複雑になるため、片手で使用することができる小型の修正テープ貼付具を提供することが困難であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記のような問題点に鑑みてなされたものであって、本発明が解決しようとする課題は、修正テープ貼付具において、修正テープの貼付け開始位置及び終了位置が確認し易く、修正テープを切断する刃物によって使用者の指先や被貼付面を傷つけることがなく、かつ、使用者が修正テープの貼付けを開始しようとした箇所で、修正テープの貼付けを容易に開始することができる小型の修正テープ貼付具の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明は、一方の面が粘着面であり、他方の面が筆記具で書き込み可能な書き込み面である修正テープを巻き出し可能に保持する巻出部と、前記修正テープの粘着面を被貼付面に貼り付ける貼付部を少なくとも筐体に保持する修正テープ貼付具において、前記貼付部の先端がヘラ状であり、外部からの押圧によって移動可能なボタンを有し、前記ボタンの外部からの押圧による移動に連動して前記修正テープを切断する刃物を前記筐体の内部に有し、前記貼付部先端の近傍には前記刃物の先端に設けられた刃が挿入される凹部が設けられ、前記外部からの押圧の反対方向へ前記ボタンを押圧する弾性部材を有し、前記外部からの押圧の反対方向への前記ボタンの移動に連動する繰出部を有し、前記繰出部の前記連動により前記刃物で切断された前記修正テープの先端を前記貼付部で被貼付面に貼付け可能な位置まで繰出すことを特徴とする修正テープ貼付具である。
【0008】
第2発明は、前記貼付部で前記修正テープを被貼付面に押圧しつつ修正テープ貼付具を被貼付面上で移動することにより、前記修正テープを前記被貼付面に貼り付けた後、前記ボタンを外部から押圧して、前記刃物の先端に設けられた刃を前記貼付部先端の近傍に設けられた前記凹部に挿入して前記修正テープを切断し、前記修正テープの被貼付面への貼付けを終了した後に、前記貼付部を前記被貼付面から離し、さらに前記ボタンの外部からの押圧を解除して前記弾性部材の弾性力によって前記ボタン及び前記刃物を前記ボタンの外部からの押圧の反対方向へ移動するとともに、前記ボタンの外部からの押圧の反対方向への移動に連動して前記修正テープを前記貼付部方向へ繰出す繰出部によって、前記刃物で切断された前記修正テープの先端を前記貼付部で前記被貼付面に貼付け可能な位置まで繰出すことを特徴とする第1発明に記載の修正テープ貼付具による修正テープの貼付方法である。
【0009】
第3発明は、前記巻出部が前記筐体に設けられた軸部と、前記軸部に回転可能かつ着脱可能に係合するコアに前記修正テープを巻き回した修正テープパンケーキからなり、前記コアを前記軸部に係合するとともに前記修正テープパンケーキの外周から巻出した前記修正テープの先端を前記繰出部に
挟持することによって、前記修正テープパンケーキから巻き出された前記修正テープの先端が前記繰出部によって繰出し可能となることを特徴とする第1発明に記載の修正テープ貼付具である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の発明者が鋭意検討した結果、被貼付面へ修正テープを貼り付ける貼付ロールよりも後方の修正テープ貼付具の内部に修正テープを切断する刃物を設けるとともに、修正テープを切断する刃物が切断位置から戻る動作に連動して、切断された修正テープの先端を貼付ロールの貼付位置まで繰り出す繰出部を設けることにより、修正テープを切断する刃物によって使用者の指先や被貼付面を傷つけることがなく、かつ、使用者が修正テープの貼付けを開始しようとした箇所で、修正テープの貼付けを容易に開始することができることを見出した。
【0011】
しかしながら、これらの構成だけでは、修正テープの貼付け開始位置及び終了位置が確認し易いという点では不十分であった。また、刃物の動作が貼付ロールと干渉しないように、刃物と貼付ロールは離して設ける必要があるため、修正テープを切断した後に修正テープ先端を繰りだす距離が長くなって、テープを繰出す繰出部が大きくなり、この結果、修正テープ貼付具全体が大きくなるという問題があった。
【0012】
これらの問題を解決するために、本発明の発明者がさらに鋭意検討した結果、修正テープを被転写面に貼り付ける手段をヘラ状の貼付部とし、ヘラ状の貼付部の先端付近に修正テープを切断する刃物の刃の受け部を設け、この受け部にて修正テープを切断することによって、修正テープ切断位置から修正テープの貼付け位置までの距離を短くすることができるので、修正テープを切断位置から貼付け位置まで繰出す繰出部を小さくすることができ、この結果、繰出部を追加しても修正テープ貼付具全体が極端に大きくなることがなく、同時に、修正テープの貼付け開始位置及び終了位置が確認し易い修正テープ貼付具を提供できることを見出し、本発明をするに至った。
【0013】
すなわち、本発明では、次に示す(ア)〜(エ)の構成を合わせ持つことにより、修正テープの貼付け開始位置及び終了位置が確認し易く、修正テープを切断する刃物によって使用者の指先や被貼付面を傷つけることがなく、使用者が修正テープの貼付けを開始しようとした箇所で、修正テープの貼付けを容易に開始することができる小型の修正テープ貼付具を提供することができた。
(ア) 修正テープを切断する刃物を被貼付面へ修正テープを貼り付ける貼付部よりも後方の修正テープ貼付具の内部に設ける。
(イ) 修正テープを切断する刃物が切断位置から戻る動作に連動して、切断された修正テープの先端を貼付部の貼付位置まで繰り出す修正テープの繰出部を設ける。
(ウ) 修正テープを被貼付面に貼り付ける貼付部の先端形状を、ヘラ状にする。
(エ) ヘラ状の貼付部の先端付近に、修正テープを切断する刃物の刃が挿入がされる凹部を設ける。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の第1実施形態の修正テープ貼付具Aを
図1に示す。
図1(a)はカバーを除去した状態の修正テープ貼付具Aの正面図であり、
図1(b)は修正テープ貼付具Aのカバーをセットした状態の正面図、底面図、及び左側面図であり、
図1(c)は修正テープ貼付具Aのロールカバー9を開いた状態の貼付部付近の詳細を示す図であり、
図1(d)は
図1(a)のM−M断面を示す図であり、
図1(e)は
図1(a)のN−N断面を示す図である。
【0016】
修正テープ貼付具Aは、
図1に示すようにケ−ス1とカバー2からなる筐体、片面が粘着面でありもう一方の面が筆記具で書き込み可能な書き込み面である修正テ−プTを巻き出し可能に巻き回した巻出部3、修正テープTを紙などの被貼付面に貼り付けるヘラ状の貼付部4、筐体から突出した位置に設けられ外部からの押圧によって筐体の内部方向に移動するボタン5、ボタン5に連結されボタン5とともに移動し修正テープTを切断する刃物6、ボタン5を前記外部からの押圧の反対の方向に押圧する弾性部材7、及びボタン5の前記外部からの押圧の反対方向への移動に連動して修正テープTを貼付部4方向へ繰出す繰出部8から構成されるものであるが、必要により他の機構を追加可能であり、これに限定されるものではない。
【0017】
修正テープ貼付具Aのヘラ状の貼付部4の先端を紙など被貼付面に押圧すると、貼付部4によって修正テープTの粘着面が被貼付面に押圧され、この状態で修正テープ貼付具A全体を移動させると、修正テープTが巻出部3から巻き出され、
図3(a)に示すように修正テープTが被貼付面に順次貼り付けられる。
【0018】
巻出部3は、巻き出される修正テープTが蛇行したり弛んだりしないように、修正テープTに張力を付与するブレーキ機構が設けられる。修正テープ貼付具Aではケース1に一体に形成された軸3Cに押圧片3Dが設けられ、軸3Cに修正テープTを巻き回した巻出コア3Eが装着されると、押圧片3Dが巻出コア3Eの内周を押圧する力によってブレーキ力を発生させているが、ブレーキ力を発生させる機構はこれに限定されるものではない。修正テープ貼付具Aでは、押圧片3Dにより適度なブレーキ力が巻出コア3Eに負荷されることにより、巻出コア3Eから巻き出される修正テープTに適度な張力が加えられ、修正テープTは蛇行したり弛んだりせずに巻出コア3Eから巻き出される。
【0019】
修正テープ貼付具Aでは、ボタン5に設けられた長孔内を、刃物6に設けられた突起が移動可能となっており、ボタン5の移動に連動して刃物6が移動する。このため、修正テープ貼付具Aでは、貼付部4を被貼付面に押圧した状態で、ボタン5を押圧して筐体内部に押し込むと、
図3(b)に示すようにボタン5に連結された刃物6が貼付部4方向へ移動し、貼付部4の先端付近で修正テープTを切断する。貼付部4には凹部4Cが設けられており、刃物6で修正テープTを切断すると刃物6の先端の刃がこの凹部4Cに挿入される。凹部4Cが設けられていることにより、修正テープが切断し易くなるとともに、刃の先端が修正テープT以外とは接触しないので、刃を損傷しない。
【0020】
ボタン5には弾性部材7が連結されている。弾性部材7の弾性力は、外部からのボタン5への押圧とは反対方向に、すなわち、ボタン5が筐体から外部に突出する方向へボタン5に作用する。修正テープTの切断後に修正テープ貼付具Aを被貼付面から持ち上げて、ボタン5への外部からの押圧を解除すると、
図3(c)に示すように弾性部材7の弾性力によりボタン5は筐体から外部に突出する方向へ押し戻される。
【0021】
ボタン5には直線状に3角歯5Cが多数連続して設けられており、ボタン5が筐体から外部に突出する方向へ移動するときに、繰出部8の繰出ロール8Cの端部外周に設けられた3角歯8CCと噛み合って繰出ロール8Cを回転させる。繰出ロール8Cは従動ロール8Dとの間に修正テープTを挟んでおり、繰出ロール8Cが
図1(a)において左回転に回転すると、切断された修正テープTの先端が、貼付部4で被貼付面に貼付け可能な位置まで繰り出される。3角歯5Cと8CCは、ボタン5が筐体から突出する方向へ移動するときには、互いに強く係合し、反対にボタン5が筐体内部方向へ移動するときには、互いに係合し難く、且つ滑りやすいように歯面が傾斜している。また、繰出ロール8Cとカバー2には、修正テープTを貼付部4方向に繰出す方向の反対方向への繰出ロール8Cの回転を防止する回転防止機構12が設けられている。このため、ボタン5が筐体から突出する方向へ移動するときには、ボタン5の移動に連動して繰出ロール8Cも回転するが、ボタン5が筐体内部に押し込まれるときには、繰出ロール8Cは回転しない。
【0022】
繰出ロール8Cは、修正テープTの粘着面と接して、修正テープを繰出すので、修正テープTが繰出ロール8Cに貼りつくおそれがある。このため、修正テープTと接する繰出ロール8Cの外周部に、非粘着性を付与するプラズマコーティングやシリコンコーティング等の表面処理や塗装処理を施すか、或いは、外周部の素材自体に非粘着性を有したフッ素樹脂等の素材を使用することが好ましい。
【0023】
ボタン5が筐体内に最も押し込まれた位置にあるときに、3角歯8CCと噛み合うボタン5の3角歯5Cは設けられていない。ボタン5が筐体内に最も押し込まれた位置から一定距離押し出された位置で、はじめて3角歯8CCと3角歯5Cが噛み合うように、3角歯5Cは設けられている。したがって、弾性部材7の弾性力によって刃物6が一定距離押し戻された後に、繰出部8の繰出ロール8Cが回転を開始する。刃物6が筐体内の最も押し込まれた位置にある状態で、繰出ロール8Cが回転を開始し、修正テープTの先端が繰出されると、修正テープTの先端と刃物6が干渉するので、刃物6が修正テープTと干渉しない位置まで押し戻された後に、繰出ロール8Cが回転を開始するようになっている。
【0024】
ボタン5が筐体から最も突出した位置あるときにも、3角歯8CCと噛み合うボタン5の3角歯5Cは設けられていない。ボタン5が筐体から最も突出した位置から一定距離押し込まれた位置で、はじめて3角歯8CCと3角歯5Cが噛み合うように、3角歯5Cは設けられている。したがって、ボタン5が筐体から最も突出した位置あるときには、3角歯5Cが繰出ロール8Cの回転を阻害することがなく、繰出ロール8Cは小さな力で回転することができる。よって、ボタン5が筐体から最も突出した位置にあれば、繰出ロール8Cが修正テープTと接触していても、修正テープTを貼付部4で貼り付けるときに、修正テープTの巻出し力が重くなって、筐体内から修正テープTが巻出し困難となることはない。
【0025】
刃物6が修正テープTを切断する位置である凹部4Cは、貼付部4の先端近傍に設けられているので、修正テープTの切断位置から、修正テープTが貼付部4で被貼付面に貼付け可能となる位置までの距離が短い。このため、繰出ロール8Cが1回の動作で繰出す修正テープの長さを短くすることができる。この長さは、好ましくは2〜8mmであり、より好ましくは2〜5mmである。修正テープTを繰出す長さが短いので、繰出部8やボタン5の押し込み量を小さくすることができる。この結果、修正テープ貼付具A全体を小型にすることができる。
【0026】
修正テープTの切断時に、刃物6の先端の刃は貼付部4の凹部4C内に挿入され外部に露出しない。また貼付部4の先端方向への修正テープTを出す修正テープ貼付具Aの出口は狭くなっており、ここから使用者の指が修正テープ貼付具A内に入り込むことがないので、修正テープを切断する刃物6によって使用者の指先や被貼付面を傷つけることがない。
【0027】
また、修正テープ貼付具Aは、貼付部4をヘラ状としているので、テープの貼付け開始位置及び終了位置が確認し易く、かつ、修正テープTを切断するための刃物6が切断位置から戻る動作に連動して、切断された修正テープTの先端を貼付部4の貼付位置まで繰り出す繰出部8が設けられているので、使用者が修正テープTの貼付けを開始しようとした箇所で、修正テープTの貼付けを容易に開始することができる。
【0028】
修正テープ貼付具Aでは、修正テープTの終端が巻出コア3Eに剥離可能に接着されている。修正テープTの終端の接着面が巻出コア3Eから剥離する剥離力は、貼付部4によって修正テープTを被貼付面に貼付けながら修正テープTを巻出す力よりも小さい。したがって、修正テープ貼付具Aの修正テープTをすべて被貼付面に貼り付け終わると、修正テープ貼付具Aの内部には修正テープTが巻き付けられていない巻出コア3Eだけが残る。
【0029】
修正テープ貼付具Aでは、カバー2がケース1に対して、開閉可能に係合されている。またケース1には、従動ロール8Dを回転可能に保持したロールカバー9も開閉可能に係合されている。ロールカバー9は、カバー2がケース1に対して係合しカバーが閉じた状態では、ケース1との係合を解除して、ケース1から開くことができないようになっている。
【0030】
このように、修正テープ貼付具Aでは、ケース1に対して、カバー2とロールカバー9が開閉可能となっていることにより、これらを開けて、修正テープを使用し終えた巻出コア3Eを取り外し、新たに修正テープTが巻き回された巻出コア3E(以後、巻出コア3Eに修正テープTが巻き回されて一体となったものを修正テープパンケーキ10と呼ぶ。)を装着することが出来るようになっている。
【0031】
修正テープTを使い終えた巻出コア3Eの新たな修正テープパンケーキ10への交換は、次の手順で行うことができる。まず、ケース1とカバー2の係合を解除して、カバー2を開ける。カバー2が開くと、巻出コア3Eが軸3Cから取り外し可能となるので、巻出コア3Eを取り外す。次にケース1とロールカバー9の係合を解除して、ロールカバー9を開ける。ロールカバー9を開けると、繰出ロール8Cと従動ロール8Dの間に隙間ができる。次に新しい修正テープパンケーキ10を準備する。修正テープパンケーキ10の外周部分から修正テープTを巻き出し、巻き出した修正テープTの先端が繰出ロール8Cと従動ロール8Dの間の隙間に入るようにしつつ、巻出コア3Eを軸3Cに装着する。次にロールカバー9を閉じて、修正テープTの先端を繰出ロール8Cと従動ロール8Dの間に挟みこむ。最後にカバー2を閉じ、ボタン5を押圧して最も奥まで押し込んだ後、ボタン5の押圧を解除すると、修正テープTが繰り出され、修正テープTの先端が貼付部4で被貼付面に貼付け可能な位置まで繰り出される。
【0032】
本発明の第2実施形態の修正テープ貼付具Bを
図2に示す。修正テープ貼付具Bは、交換ユニット11と本体部14で構成されている。
図2(a)は交換ユニット11を除去した状態の修正テープ貼付具Bの正面図であり、
図2(b)は修正テープ貼付具Bの交換ユニット11をセットした状態の正面図であり、
図2(c)は修正テープ貼付具Bの交換ユニット11を示す図であり、
図2(d)は
図2(a)のM−M断面を示す図であり、
図2(e)は交換ユニット11の本体部14への装着を開始した状態を示す図であり、
図2(f)は
図2(c)のN−N断面を示す図である。
【0033】
修正テープ貼付具Aでは修正テープパンケーキ10の交換を修正テープパンケーキ10単体で実施していたのに対して、修正テープ貼付具Bでは、交換ユニットベース11Dに修正テープパンケーキ10と従動ロール8Dがセットされた状態の交換ユニット11を交換するようになっている。修正テープ貼付具Bは、修正テープパンケーキ10の交換方法が異なる以外は、修正テープ貼付具Aと同様である。
【0034】
修正テープ貼付具Bでは、交換ユニットベース11Dに軸3Cが設けられる。修正テープ貼付具Aと同様に、軸3Cには押圧片3Dが設けられ、押圧片3Dが巻出コア3Eの内周を押圧する力によってブレーキ力を発生させているが、ブレーキ力を発生させる機構はこれに限定されるものではない。
【0035】
交換ユニット11に装着された状態で、修正テープパンケーキ10の外周部から巻き出された修正テープTの先端は、交換ユニット11に回転可能に設けられた従動ロール8Dと面する位置まで巻出された状態で保持されている。修正テープTは交換ユニットベース11Dに設けられた4箇所のツメ11Cと係合することによって、修正テープTの先端が従動ロール8Dと面するように交換ユニット11に保持されている。巻出コア3Eが装着される本体部14の中心部には先端が左右に広がった係合突起13Cが設けられている。また、交換ユニットベース11Dの巻出コア3Eの装着部分には、係合角穴13Dが設けられている。
図2(e)の状態で本体部14に交換ユニット11を被せると、係合突起13Cを係合角穴13D内に挿入することができる。この状態で、交換ユニット11を左回りで回転させて、
図2(e)の状態から
図2(b)の状態にすると、係合突起13C先端の左右に広がった部分が、交換ユニット11の抜け止めとなり、交換ユニット11が本体部14に係合固定される。
図2では省略するが、交換ユニット11と本体部14の係合固定手段は、係合突起13Cと係合角穴13Dとは別に、貼付部4付近に少なくとももう1箇所設けることが好ましい。貼付部4付近に係合固定手段を設けることにより、貼付部4を被貼付面に強く押し当てても、本体部14と交換ユニット11間に隙間が発生し難くなり、修正テープの走行が安定する。
【0036】
前記のように、交換ユニット11を左回りに回転させて本体部14に固定することにより、交換ユニット11に保持された修正テープTの先端が、繰出ロール8Cと従動ロール8D間に
挟持される。交換ユニット11を本体部14に装着した直後は、
図2(c)に示すように、修正テープTはツメ11Cと係合した状態となっている。ツメ11Cと修正テープTの係合は、修正テープに張力が掛かると外れる程度に設定されるので、修正テープTの先端を繰出部8で繰り出すことにより、修正テープTはツメ11Cから外れるようになっている。
【0037】
修正テープ貼付具Bの交換ユニット11を除く本体部14は、
図2(a)に示すようにケ−ス1、貼付部4付近のみを覆うカバー2、修正テープTを紙などの被貼付面に貼り付けるヘラ状の貼付部4、ケース1から突出した位置に設けられ外部からの押圧によってケース1の内部方向に移動するボタン5、ボタン5に連結されボタン5とともに移動し修正テープTを切断する刃物6、ボタン5を前記外部からの押圧の反対方向に押圧する弾性部材7、及びボタン5の前記外部からの押圧の反対方向への移動に連動して修正テープTを貼付部4方向へ繰出す繰出ロール8Cから構成されるものであるが、必要により他の機構を追加可能であり、これに限定されるものではない。
【0038】
修正テープ貼付具Bでは、修正テープTを使い終えた交換ユニット11を新しい交換ユニット11と交換した後に、ボタン5を押圧して最も奥まで押し込み、ボタン5の押圧を解除するだけで修正テープパンケーキ10を新しいものと交換することができる。以上の操作が完了すると、修正テープTの先端が貼付部4で被貼付面に貼付け可能な位置まで繰り出されている。このように、修正テープ貼付具Bでは、修正テープパンケーキ10の交換を簡単に行うことができる。