(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
スレッド、コード、フィルムまたはプレートの形であり、その表面の少なくとも1部が黄銅コーティング鋼製であり、該黄銅コーティング鋼が請求項1〜7のいずれか1項記載のポリ尿素によってコーティングされていることを特徴とする金属補強材。
【発明を実施するための形態】
【0020】
4. 発明の詳細な説明
先ずは最初に、ポリ尿素は、知られている通り、少なくとも2個の第1級アミン官能基を有するポリアミンと、ポリイソシアネート(少なくとも2個のイソシアネート −NCO官能基を担持する化合物)、特に、線状タイプのポリ尿素の場合のジイソシアネートとの付加反応から得られる複数の尿素(−NH−CO−NH−)結合を含むポリマーであることを思い起こすべきである。
【0021】
従って、定義によれば、尿素(−NH−CO−NH−)基本単位を含む本発明のポリ尿素ポリマーは、一方の少なくとも1個(即ち、1個以上)の第2級アルコール官能基と、他方の該第2級アルコール官能基に対してα(アルファ)位置においての(即ち、注釈すれば、また、既知の慣例によれば、上記第2級アルコール官能基を担持する炭素に隣接する炭素が担持している)少なくとも1個(即ち、1個以上)のエーテル、チオエーテルまたは第2級アミン官能基とを含む追加単位をさらに含むという本質的な特徴を有する。
【0022】
換言すれば、本発明のポリ尿素の本質的特徴は、そのように、その追加単位が少なくとも1個のα−ヒドロキシ−エーテル、α−ヒドロキシ−チオエーテルまたはα−ヒドロキシ−アミン(第2級アミン)副単位を含むことである。
ポリ尿素は、本明細書においては、上記追加単位と尿素基本単位を含む任意のホモポリマーまたはコポリマー、特に、ブロックコポリマーを意味するものと理解すべきである。
これらの基本単位および追加単位を、以下で詳細に説明する。
【0023】
好ましい実施態様によれば、上記追加単位は、下記の式から選ばれる式(A)の“M”で示す少なくとも1個の副単位を含む:
(A−1): - F
n - (CH
2) - CH (OH) -
(A−2): - F
n - (CHR
1) - CH (OH) -
(A−3): - F
n - (C=R
2) - CH (OH) -
上記式において、F
nは、O (エーテル官能基の場合)、S (チオエーテル官能基の場合)またはNH(第2級アミン官能基の場合)を示し;R
1およびR
2は、S,OまたはNのようなヘテロ原子を含み得且つ好ましくは1〜12個の炭素原子を含む脂肪族、脂環式または芳香族炭化水素基を示す。
【0024】
さらに好ましくは、R
1は、脂肪族基、さらにより好ましくはアルキル基である。さらに具体的には、R
1は、1〜5個の炭素原子を有するアルキルであり、このアルキルは置換されていてもまたは置換されてなくてもよい;さらにより具体的には、R
1は、メチルまたはエチル、特に、メチルを示す。
【0025】
さらに好ましくは、R
2は、脂肪族基、さらにより好ましくはアルキリデン基である。さら具体的には、R
2は、1〜5個の炭素原子を有するアルキリデンであり、このアルキリデンは置換されていてもまたは置換されてなくてもよい;さらにより具体的には、R
2は、メチリデンを示す。
【0026】
好ましくは、F
nは、NHを示す、即ち、上記追加単位は、この場合、互いに対してアルファ位置にある少なくとも1個の第2級アルコール官能基と少なくとも1個の第2級アミン官能基を含む。相応する式(A−1)、(A−2)および(A−3)を、拡大形で下記に示す:
【化1】
【0027】
上記3つの“M”副単位においては、第2級アルコール官能基に対してα位置において第2級アミン官能基が実際に存在していることに留意されたい。
勿論、これらの表示物は、NH官能基が上記第2アルコール官能基に対してα’位置に(即ち、反対側上に)ある3つの表示物と等価である。
【0028】
例えば(A−1')、(A−2')および(A−3')で下記に示す3つの式によって例示する本発明のもう1つの実施可能な実施態様によれば、F
n (エーテル、チオエーテルまたは第2級アミン官能基)の両側に位置する2個の第2級アルコール官能基(1個のみではない)が存在する:
(A−1’): - CH (OH) - (CH
2) - F
n - (CH
2) - CH (OH) -
(A−2’): - CH (OH) - (CHR
1) - F
n - (CHR
1) - CH (OH) -
(A−3’): - CH (OH) - (C=R
2) - F
n - (C=R
2) - CH (OH) -
【0029】
“M”で示す上記副単位は、それぞれ、F
n (それぞれ、O、SまたはNH)の性質に応じて、α,α’−ジヒドロキシ−エーテル、α,α’−ジヒドロキシ−チオエーテルおよびα,α’−ジヒドロキシ−アミン(第2級アミン)として説明し得る。
【0030】
さらに好ましくは、F
nはNHを示し、上記追加単位は少なくとも1つの式(A−1)の副単位を含む;換言すれば、そのような場合、一般副単位“M”は、下記の式の“M1”で示す特定の副単位である:
- NH - (CH
2) - CH (OH) -
【0031】
さらに一層好ましい実施態様によれば、上記追加単位は、上記“M1”副単位以外に、少なくとも1個(即ち、1個以上)のイオウ原子を含む;複数のイオウ原子が存在する場合、これらのイオウ原子は、隔離されていてもよく或いはポリスルフィドの形であり得る。
特に好ましい実施態様によれば、各イオウ原子は、式−S
x−Rの基 (式中、“x”は、好ましくは、1〜8の整数であり、Rは、水素、またはヘテロ原子を含み得且つ好ましくは1〜10個の炭素原子を含む炭化水素基である)の形で存在する。
【0032】
このイオウ原子またはこのイオウ含有基(−S
x−R)は、例えば1〜30個、より好ましくは1〜20個の炭素原子を含む脂肪族基中に或いは例えば3〜30個、より好ましくは3〜20個の炭素原子を含む脂環式基中に組込み得る。
さらに好ましくは、このイオウ原子は、上記の式−S
x−Rの基の形において、芳香族基上に存在する;芳香族基は、好ましくは6〜30個、より好ましくは6〜20個の炭素原子を含む。
【0033】
上記追加単位が、少なくとも1個(即ち、1個以上)の上述したような“M1”副単位と、少なくとも1個(即ち、1個以上)の芳香族基上に存在する少なくとも1個(即ち、1個以上)のイオウ原子とを含むところの特に好ましい本発明に従うポリ尿素の例は、各々が下記の式(I)に相応する少なくとも1個の副単位を含むイオウ含有多環芳香族ポリアミンタイプの繰返し構造単位を少なくとも含むポリ尿素である:
(I)
-HN-Ar
1-NH-CH
2-CH(OH)-(CH
2)
m-O-Z
1-O-(CH
2)
m-CH(OH)-CH
2-[X]
n-HN-Ar
2-NH-
[式中、Xは、下記の式に相応する:
-HN-Ar
3-NH-CH
2-CH(OH)-(CH
2)
m-O-Z
2-O-(CH
2)
m-CH(OH)-CH
2-
(式中、・“n”は、ゼロに等しいまたはゼロとは異なる整数であり;
・“m”符号は、同一または異なるものであって、1〜10の範囲内の整数を示し;
・Z
1およびZ
2符号は、同一または異なるものであって、1〜30個の炭素原子を含む2価の結合基を示し;
・Ar
1、Ar
2およびAr
3は、同一または異なるものであって、フェニレン基を示し、これらのフェニレン基の少なくとも1つは、1個、2個、3個または4個の式−S
x−Rの基 (式中、“x”は、好ましくは1〜8の整数であり、Rは、水素、またはヘテロ原子を含み得且つ好ましくは1〜10個の炭素原子を含む炭化水素基である)を担持する)]。
【0034】
従って、特に好ましい本発明に従うポリ尿素は、この場合、上記式(I)の副単位と尿素(−NH−CO−NH−)単位とを有する構造単位を含む任意のホモポリマーまたはコポリマー、特に、ブロックコポリマーを意味するものと理解すべきである。
【0035】
上記式(I)において、“x”は、1〜8の、好ましくは1〜4の、より好ましくは1または2に等しい、特に1に等しい整数である。
Rは、水素、または1〜10個の炭素原子を含み且つS、OまたはNのようなヘテロ原子を含み得る置換または非置換の炭化水素基である。好ましくは、Rは、脂肪族基、より好ましくはアルキル基である。さらにより好ましくは、Rは、1〜5個の炭素原子を有するアルキルであり、このアルキルは置換されていてもまたは置換されてなくてもよい;さらに具体的には、Rは、メチルまたはエチル、さらにより具体的にはメチルである。
【0036】
上記副単位(I)の−S
x−R基において、Rが水素を示す特定の場合、当業者であれば、出発ジアミン(例えば、後記のモノマーA)とジエポキシ化合物(例えば、後記のモノマーB)との反応による相応するプレポリマーの合成中、上記チオール即ち−SH基は、このジエポキシとのあらゆる副反応から、知られている通り、当業者にとって既知の、例えば、下記の式で示すような適切な封鎖基によって保護し得ることを理解されたい:
【化2】
【0037】
本発明の好ましい形態によれば、Ar
1、Ar
2およびAr
3基の各々は、同一または異なるものであって、1個、2個、3個または4個の式−S
x−R基、特に、2個の−SR基(xは1に等しい)を担持する;上記式中、Rは、1〜5個の炭素原子を有するアルキルであって、Rは、さらに具体的にはメチルまたはエチル、さらにより具体的にはメチルである。
【0038】
さらに好ましい実施態様によれば、Ar
1、Ar
2およびAr
3は、同一または異なるものであって、各々、2個の−S
x−R基、特に、2個の−SR基(xは1に等しい)を担持する;上記式中、Rは、1〜5個の炭素原子を有するアルキルであって、Rは、さらに具体的にはメチルまたはエチル、さらにより具体的にはメチルである。さらにより好ましくは、そのような場合、2個の−SR、特に、−SCH
3基は、各フェニレン基Ar上で互いに対してメタ位置(即ち、1,3−位置)にある。
【0039】
数“m”は、(CH
2)
m基毎に同一または異なるものであり得る;好ましくは、各々の数“m”は、1または2に等しく、より好ましくは1に等しい。
【0040】
Z
1およびZ
2符号は、同一または異なるものであって、好ましくは炭化水素基であるがS、OまたはNのようなヘテロ原子も含み得る2価の結合基を示す;Z
1およびZ
2は、置換または非置換、さらに、飽和または不飽和であり得る;Z
1およびZ
2は、1〜30個の炭素原子、好ましくは2〜20個の炭素原子、より好ましくは2〜10個の炭素原子を含む。
【0041】
さらに好ましくは、Z
1およびZ
2は、2〜20個の炭素原子を含む脂肪族基または3〜20個の炭素原子を含む脂環式基、さらにより好ましくは3〜10個の炭素原子を含む脂肪族または脂環式基を示す。これらのさらに好ましい基のうちでは、下記の式のシクロヘキサン−1,4−ジメチレンが挙げられる:
【化3】
【0042】
もう1つの好ましい実施態様によれば、“n”は、ゼロに等しい。従って、そのような場合、式(I)の副単位は、下記の簡単な式を有する:
-HN-Ar
1-NH-CH
2-CH(OH)-(CH
2)
m-O-Z
1-O-(CH
2)
m-CH(OH)-CH
2-HN-Ar
2-NH-
【0043】
特に、"n"がゼロに等しく、"m"が各(CH
2)
m基において1に等しい場合、式(I)の副単位は、下記の簡単な式を有する:
-HN-Ar
1-NH-CH
2-CH(OH)-CH
2-O-Z
1-O-CH
2-CH(OH)-CH
2-HN-Ar
2-NH-
【0044】
もう1つの好ましい実施態様によれば、“n”は、1に等しいかまたは1よりも大きい;“n”が1よりの大きい場合、“n”は、特に、2〜20、特に2〜10、特に2〜5の範囲内である。
【0045】
2価のフェニレンジアミノ(-HN-Ar
1-NH-、-HN-Ar
2-NH-および-HN-Ar
3-NH-)基は、同一または異なるものであり得る。
各フェニレン基Arにおいては、2個のアミノ(NH)基は、互いに対してメタ、オルソまたはパラ位置にあり得る。
【0046】
好ましい実施態様によれば、各フェニレン基Arにおいては、2個のアミノ(NH)基は、互いに対してメタ位置(即ち1,3−位置)にある。換言すれば、そのような場合、一般式(I)の副単位は、そのように、拡大式(II)として、
図1に示した式を有する。
【0047】
さらに、2個のアミノ(NH)基が、各フェニレン基において、互いに対してメタ位置にあり、そして、もう1つのより好ましい実施態様によれば、"m"が各(CH
2)
m基において1に等しく、“n”が0に等しく、Z
1が、例えば、シクロヘキサン−1,4−ジメチレンである場合、上記の式(II)は、さらに特定の式として、
図2Aに示しているような拡大式(II−A)を有する。
【0048】
さらに、2個のアミノ(NH)基が、各フェニレン基において、互いに対してメタ位置にあり、そして、より好ましい実施態様によれば、"m"が各(CH
2)
m基において1に等しく、“n”が1に等しく、Z
1およびZ
2が、例えば、シクロヘキサン−1,4−ジメチレンである場合、上記の式(II)は、さらに特定の式として、
図2Bに示しているような拡大式(II−B)を有する。
【0049】
本発明のもう1つの好ましい実施態様によれば、2価のフェニレンジアミド(−HN-Ar
1-NH-、-HN-Ar
2-NH-および-HN-Ar
3-NH-)基は、同一または異なるものであって、それぞれ下記の式 (III-a)および(III-b)に相応する化合物 3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジメチルチオ−2,6−トルエンジアミンおよびこれらの化合物の混合物から選ばれる:
【化4】
【0050】
換言すれば、そのような場合、各フェニレンジアミノ基が、例えば、特定の式として、上記の式(III−a)を有するならば、その場合、上記式(II−A)および(II−B)は、それぞれの特定の式として、それぞれ
図3Aおよび3Bに例示している式(II−C)および(II−D)を有する。
【0051】
好ましい実施態様によれば、本発明のポリ尿素ポリマーにおいては、上記で説明した式(I)の副単位を有する上記イオウ含有多環芳香族ポリアミン構造単位と尿素(-NH-CO-NH-)単位を有する基本構造単位とは、互いに、下記の式(IV)に相応する副単位に従って結合させる:
(IV)
-HN-Ar
1-NH-Y-[X]
n-HN-Ar
2-NH-CO-NH-Z
3-NH-CO-
(式中、・Ar
1、Ar
2、X、"n"、"m"およびZ
1は、上記で示した意味を有し;
・Yは、下記の線状物:
-CH
2-CH(OH)-(CH
2)
m-O-Z
1-O-(CH
2)
m-CH(OH)-CH
2-
を示し;そして、
・Z
3は、脂肪族、脂環式または芳香族の2価結合基を示し;上記脂肪族基は、好ましくは1〜30個(より好ましくは1〜20個)の炭素原子を含み;上記脂環式基は、好ましくは3〜30個(より好ましくは3〜20個)の炭素原子を含み;そして、上記芳香族基は、好ましくは6〜30個(より好ましくは6〜20個)の炭素原子を含む)。
【0052】
本発明のポリ尿素ポリマーは、好ましくは、線状タイプのポリマーであり、従って、2個の第1級アミン官能基のみを有するポリアミンとジイソシアネートとの付加から本質的に得られる。使用するジイソシアネートは、芳香族または脂肪族であり得る;該ジイソシアネートは、モノマー、プレポリマーまたは擬似(quasi)プレポリマーであり得、実際にはポリマーでさえあり得る。
【0053】
好ましい実施態様によれば、本発明のポリマーが得られるジイソシアネートは、以下の芳香族化合物からなる群から選ばれる:ジフェニルメタンジイソシアネート(“MDI”と略記する)、トルエンジイソシアネート(“TDI”)、ナフタレンジイソシアネート(“NDI”)、3,3’−ビトルエンジイソシアネート(“TODI”)、パラ−フェニレンジイソシアネート(“PPDI”)、これらの各種異性体並びにこれらの化合物および/または異性体の混合物。
さらに好ましくは、MDIまたはTDIを、さらにより好ましくはMDIを使用する。
【0054】
MDIの異性体の全て(特に、2,2'−MDI、2,4'−MDIおよび4,4'−MDI)およびこれらの混合物、並びに下記の式を有するオリゴマー(pは1以上)を含む“重合体”MDI (即ち“PMDI) 類を使用し得る:
【化5】
【0055】
また、例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート ("HDI")、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアネートメチル)ベンゼン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)ベンゼン、イソホロンジイソシアネート("IPDI")、ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタンジイソシアネート ("H12MDI")または4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート("H13MDI")のような脂肪族タイプのジイソシアネート化合物も使用し得る。
【0056】
特に好ましい実施態様によれば、使用するジイソシアネートは、下記の式:
【化6】
を有する4,4’−MDI (4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)であって、或いは、数種のジイソシアネートを使用する場合、質量による主要ジイソシアネートを構成し、この場合、好ましくは、ジイソシアネート化合物の総質量の50%よりも多くを示す。
【0057】
また、有利には、下記に式を有するカプロラクタムブロックト4,4'−MDI (例えば、EMS社からの固体形の製品“Grilbond IL−6”)を使用し得る:
【化7】
【0058】
本発明は線状タイプのポリ尿素(注記すれば、ジイソシアネートの場合)に限定されないので、特に本発明のポリマーのTgを三次元ネットワークの形成によって高めることを目的として、例えば、下記の式のトリアジン核を有するMDIトリマーのようなトリイソシアネート化合物を使用することも可能である:
【化8】
【0059】
図4〜9は、本発明に従うポリ尿素の好ましい例と、さらにまた、これらのポリマーの各種実施可能な合成スキームとを示している。
先ずは最初に、
図4は、モノマーMDIと下記の一般式の出発ジアミン(以下、“プレポリマー1”)との反応から得られる本発明に従う線状のポリマー例(以下、“ポリ尿素1”)を示している:
H
2N-Ar
1-NH-CH
2-CH(OH)-(CH
2)
m-O-Z
1-O-(CH
2)
m-CH(OH)-CH
2-HN-Ar
2-NH
2
上記式中、Ar
1、Ar
2およびZ
1は、式(I)の副単位に関して上記で提示した一般的定義、特に、式(II−A)の最終副単位に相応する特徴を有する、即ち、2個のアミノ(H
2N-および-NH)基は各フェニレン(Ar
1およびAr
2)基上で互いに対してメタ位置にあり、"m" は各(CH
2)
m基において1に等しく、"n"は0に等しく、そして、Z
1はシクロヘキサン−1,4−ジメチレンである。
【0060】
続く
図5および6は、それぞれ、プレポリマー1とポリ尿素1の合成において使用し得る方法の例を示している;これらの方法は、後で詳細に説明する。
【0061】
図7は、モノマーMDIと下記の一般式のもう1つの出発ジアミン(以下、“プレポリマー2”)との反応から得られる本発明に従う線状のポリマー例(以下、“ポリ尿素2”)を示している:
H
2N-Ar
1-NH-(CH
2)-CH(OH)-(CH
2)
m-O-Z
1-O-(CH
2)
m-CH(OH)-(CH
2)-[X]
n-HN-Ar
2-NH
2
上記式中、X は、下記の式:
-HN-Ar
3-NH-(CH
2)-CH(OH)-(CH
2)-O-Z
2-O-(CH
2)-CH(OH)-(CH
2)-
に相応し;
Ar
1、Ar
2、Ar
3、Z
1およびZ
2は、式(I)の副単位に関して上記で提示した一般的定義、特に、式(II−B)の最終副単位に相応する特徴を有する、即ち、2個のアミノ基は各フェニレン(Ar
1、Ar
2およびAr
3)基上で互いに対してメタ位置にあり、"m" は各(CH
2)
m基において1に等しく、"n"は1に等しく、そして、Z
1およびZ
2はシクロヘキサン−1,4−ジメチレンを示す。
【0062】
続く
図8および9は、それぞれ、プレポリマー2とポリ尿素2の合成において使用し得る方法の例を示している;これらの方法は、後で詳細に説明する。
【0063】
典型的には、本発明のポリマーは、10〜数百個、好ましくは20〜200個の、式(I)の副単位を有する構造単位、特に、
図7および9に例として示しているような構造単位を含み得る。例えばASTM D3418に従い、DSC (示差走査熱量測定法)によって測定したそのガラス転移温度Tgは、好ましくは50℃よりも高く、より好ましくは100℃よりも高く、特に130℃と250℃の間の範囲である。
【0064】
上述したように、本発明のこのポリマーは、特に金属またはガラス製の任意のタイプの基体上の疎水性コーティングとして、或いは、天然ゴムのような不飽和ゴムマトリックスを補強することを特に意図する、例えば、黄銅でコーティングされたまたはコーティングされていない炭素鋼製のスレッド、フィルム、プレートまたはコードのような任意のタイプの金属補強材上の接着プライマーとして有利に使用することができる。
【実施例】
【0065】
5. 本発明の実施例
本特許出願においては、他で明確に断らない限り、示す百分率(%)は、全て、質量による百分率である。
以下の各試験は、先ずは最初に、それぞれモノマーC1およびC2とも称するプレポリマー1および2のモノマーAおよびモノマーBからの合成を、そして、その後、ポリ尿素1および2のそれぞれプレポリマー1および2 (モノマーC1およびC2)とモノマーD (カプロラクタムブロックトMDI)とからの合成を説明する。その後、本発明に従う2通りの他のポリマー(ポリ尿素3および4)の合成を説明する。
これらの試驗中、本発明のポリマーの優れた接着性能を例証するために、各種接着試験を異なる基体(ガラスまたは金属)上で実施する。
【0066】
5. 1. 試験1:プレポリマー1および2の調製
それぞれの式が
図5および8に示されているプレポリマー1および2 (モノマーC1およびC2とも称する)を、2通りのモノマーAおよびBから、
図5および8に図式的に示している手順に従い、以下で詳細に説明しているようにして調製した。
【0067】
モノマーAは、茶色の比較的粘稠な液体の形で入手し得る製品Ethacure 300 (供給元:ベルギーのAlbemarle社)である;この製品は、ほぼ96%までの3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミンと3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミンの異性体混合物(クロマトグラフィー分析によればほぼ4/1の質量比)からなる。
【0068】
モノマーBは、工業銘柄(ほぼ61%のシス/トランスジエポキシド混合物)の形で入手し得る1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル(“CHXDE”と略記する) (供給元:スイスのAldrich社)である。入手し得る技術データによれば(例えば、文献US 2011/0039982号参照)、CHXDEは、上記ジエポキシド(約61%)、残留シクロヘキサンジメタノール(約2%)、モノエポキシド(約8%)および最後の高分子エポキシド存在物(約29%)を含む複合化学混合物である。NMR分析によれば、使用する化合物のエポキシド当量(EEW)は、この場合、ほぼ159に等しい(純粋化合物の場合、理論EEWは128に等しい)。
【0069】
第1段階において、2つのモノマーAおよびBを、先ずは最初に、以下のようにして精製した。
製品Ethacure 300 (約40g)を、クロマトグラフィーカラム(700gのシリカ)内に沈着させる。ヘキサン/ジクロロメタン/酢酸エチル溶媒(比率10:8:2)混合物を移動相として使用する。2,4−トルエンジアミン異性体を先ず溶出させ、次いで、第2の2,6−トルエンジアミン異性体を溶出させる。これらの条件下では、不純物(青緑色)は溶出されず、目標成分から容易に分離し得る。
【0070】
2,4および2,6異性体の同定を、溶媒d
6−DMSO中での
1H NMR (500 MHz)分析によって確認する;この分析は、下記の結果を示す:
−3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン:6.96 (s、1H)、5.21〜5.23 (d、4H)、2.16 (s、3H)、2.10 (s、3H)、1.97 (s、3H)。
−3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミン:7.22 (s、1H)、5.09 (s、4H)、2.15 (s、6H), 1.92 (s、3H)。
【0071】
一方、製品“CHXDE”は、上記文献US 2011/0039982号の実施例3に記載されている実験条件に従う真空蒸留によって単離する。上記ジエポキシドのシス/トランス構造は、d
6−DMSO中での
1H NMR分析によって確認する。
これらの精製段階の後、プレポリマー1および2をそれぞれ
図5および8に図式的に示しているようにして、以下のさらに詳細な情報に従って調製した。
【0072】
180mgのモノマーB (0.702ミリモル)、次いで、3mlのテトラヒドロフラン(THF)を、事前乾燥(真空下100℃)させた25mlの三口丸底フラスコ(電磁棒と、窒素用の循環を備えた還流コンデンサーとを装着)内に入れる。次いで、150mgのモノマーA (即ち、0.702ミリモル)を撹拌しながら添加する。得られた混合物を70℃の還流下1時間加熱し、その後、THFを蒸留により除去する。そのようにして得られた透明液体(プレポリマー1即ちモノマーC1)を、DSCにより、−80℃から200℃まで分析した:測定したTg (2回目の通過)は、およそ−40℃に等しい。
【0073】
プレポリマー2 (モノマーC2)は、同じ2つの化合物(150mgのモノマーAと180mgのモノマーB)から出発して、同様な方法で調製した;混合物を、還流コンデンサーを装着した25mlの丸底フラスコ内で170℃にて1時間半加熱し(THF溶媒無しで)、反応は空気下で実施した。そのようにして得られた反応生成物(プレポリマー2即ちモノマーC2)は、およそ+31℃のTg (DSCの2回目の通過)を示していた。
【0074】
5. 2. 試験2:ポリ尿素1および2の合成
それぞれ
図6および9に図式的に示すような最終段階において、ポリ尿素1および2を、この場合、下記で説明するように、プレポリマー1および2のモノマーD (カプロラクタムブロックトMDI)との反応によって合成した。
【0075】
330.5mgのモノマーC1 (プレポリマー1)、次いで、336mgのモノマーD (Grilbond IL6)を、ガラス容器内の8mlのDTP (1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン; CAS 7226−23−5)溶媒中に入れる。懸濁液を、モノマーDが完全に溶解するまでの数秒間機械的振動(渦流装置)下に置く。その後、1.5mlのこの溶液を、ガラスシート(10×10cm)上に均一に付着させる;引続き、ガラスシートを、170℃のオーブン(空気下に換気)内に15分間置き、この段階の後、痕跡量の溶媒を除去するための真空下190℃での15分間が続く。
【0076】
そのようにして得られたポリ尿素1の薄層は、ガラスに対して優れた接着性を示していた(ポリマーをガラスから引っ張ることによって引離すことは不可能)。このポリ尿素1は、DSCにより分析して、およそ190℃のTg (2回目の通過)を示していた。
【0077】
ポリ尿素2の合成においては、プレポリマー2 (モノマーC2、0.702ミリモル)を約110℃に2分間の最初の段階で加熱した12mlのDTP中に部分的に溶解し、その後、媒体を170℃に30分間加熱することによって、高可溶性生成物を得た。引続き、336mgのモノマーD (0.702ミリモル)を添加し、全てを、撹拌機(渦流装置)内で、モノマーDが完全に溶解するまで混合した。
【0078】
その後、そのようにして得られた4mlの上記溶液を、亜鉛コーティング鋼製のシート(100m
2の表面積)上に均一に付着させた;全てを170℃のオーブン(空気下に換気)内に15分間置いた。透明黄色フィルムを真空下に190℃で15分間引続き処理して痕跡量の溶媒を除去した。
【0079】
薄膜の形でそのようにして得られた最終ポリ尿素2は、上記鋼シートに対して優れた接着性を示していた(ポリマーを金属から引っ張ることによって引離すことは不可能)。このポリ尿素2は、DSCにより−80℃と+200℃の間で分析して(10℃/分の勾配に従い)、約160℃のTg (2回目の通過)を示していた。
【0080】
5. 3. 試験3:金属/ゴム複合体における接着試験
もう1つの試験においては、上記で説明し且つ
図4に例示しているようなポリ尿素1を、今度は、モノマーA (150.5mg)、B (180mg)およびD (336mg)の同時反応により、上記3つの化合物を8mlのDPT中に溶解することによって、THF溶媒を使用することも無く、また、プレポリマー1の段階に通すこともなく調製した。
【0081】
これらの化合物をDPTに溶解させた時点で、0.1mlの上記溶液を、寸法10cm×0.5cm×0.2mmの黄銅コーティング鋼(約1%に等しい炭素含有量を有する鋼)製のストリップ上に均一に付着させ、その後、全てを、175℃のオーブン(空気下に換気)内に15分間置き、次いで、真空下に175℃にさらに15分間置いた。
【0082】
その後、上記ストリップを周囲温度に冷却し、その後、エポキシ化天然ゴム(ENR,25%のエポキシ化度を有する;供給元:Aldrich社)とジイソシアネート(Huntsman社からのSuprasec 2020液体MDI)の溶液の0.75mlを、上記のようにして形成したポリ尿素フィルムの薄層上に付着させた;この溶液は、次のようにして調製した:150mgのENRを、前以って、5mlのトルエン中に、23℃で30分間撹拌(電磁棒)しながら溶解した;引続き、100mgのジイソシアネートを窒素流下に添加した。そのようにして製造したストリップを、100℃のオーブン内で、真空下に15分間最終処理した。
【0083】
ポリ尿素1のフィルム(このフィルム自体ENRの薄層で被覆されている)で上記のようにしてコーティングした黄銅コーティング鋼製の上記ストリップを、その後、天然ゴム、充填剤としてのカーボンブラックとシリカ、および加硫系(イオウとスルフェンアミド促進剤)をベースとする乗用車タイヤのベルト補強材用の通常のゴム組成物中に配置した;この組成物は、コバルト塩を含んでいない。
その後、そのようにして作成した金属/ゴム複合体試験標本を、プレスの下に置き、全てを、165℃で30分間20バールの圧力下に硬化(加硫)させた。
【0084】
ゴムの加硫後、上記ゴムマトリックスと金属ストリップ間の優れた接着結合が、ゴムマトリックス中でのコバルト塩の不存在にもかかわらず得られていた;このことが、周囲温度(23℃)と高温(100℃)の双方で実施した剥離試験において、破損がゴムマトリックス自体中で全体的に生じ、金属とゴム間の界面では生じていないことが判明した理由である。
【0085】
今度は亜鉛メッキにより亜鉛でコーティングした鋼製のシートにおいて、3〜10μmの範囲にある本発明に従うポリ尿素の層厚でもって実施した他の接着結合試験も、それ自体、ゴムに対する優れた接着性(ゴムマトリックス内での全体的破損)を示していた。
【0086】
5. 4. 試験4:ポリ尿素3の合成
さらなる試験において、本発明に従う新たなポリマー(ポリ尿素3)を、モノマーC (プレポリマー1;共にこの試験においては精製形で使用したモノマーAとBの付加生成物)と固形MDI (この場合、非ブロックト形;Sigma−Aldrich社)との溶液(DTP溶媒)中での反応によって、下記の手順に従い合成した。
【0087】
1.5gの精製モノマーB (4回目留分)、次いで、20mlのDTP溶媒を、250mlの三口丸底フラスコ、還流コンデンサー、電磁棒および窒素循環を装着した乾燥装置に加える。同時に、30mlのDTP中1.5gの3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン(製品Ethacure 300から分離)の第1溶液を調製し、滴下漏斗に入れ、30mlのDTP中に溶解した1.75gのジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の第2溶液を調製し、第2の滴下漏斗に入れて、全てを窒素下に置いた。
【0088】
上記芳香族アミンとMDIの各溶液を、撹拌しながら、100℃(丸底フラスコの内部温度)で滴下により添加した。重合反応を100℃で4時間実施し、次いで、160℃で1時間の段階を実施した。そのようにして得られた透明黄色溶液(1.5ml)をガラスシート(10cm×10cm)上に均一に付着させ、次いで、170℃のオーブン(空気下で換気)内に15分間入れた;この段階の後、真空下190℃での処理を15分間続け、あり得る痕跡量の溶媒を除去する。
【0089】
薄膜形のそのようにして得られた最終ポリ尿素3は、一方では、ガラスに対して(ポリマーをガラスから引っ張ることによって引離すことは不可能)、さらに、他方では、上記で説明したような金属(黄銅コーティング鋼のシート)/ゴム複合体の試験標本内で(ゴムマトリックス内での全体的破損)、優れた接着性を示していた。このポリ尿素3は、DSCにより−80℃と+200℃の間で分析して(10℃/分の勾配に従い)、約150℃のTg (2回目の通過)を示していた。
【0090】
さらにまた、20mlの上記黄色ポリマー溶液を、ヘキサン/2−プロパノール(比1/1)溶媒混合物(800ml)中に、撹拌しながら注入し、その後、全てを0℃と+5℃の間の温度に1時間冷却することによって沈降させた。その後、粉末形の白色沈降物を、濾過によって分離し、次いで、60℃のオーブン内で真空下に2時間乾燥させた。5mlのアセトンを上記白色固形物に加え、そのようにして、可溶性残留物を、上記ポリマーから、40℃で15分間抽出した。この操作を2回繰返した。そのようにして精製したポリ尿素3は、もはや、3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン残留物を示さなかった。
【0091】
その後、そのTgを高める目的で、そのようにして精製したポリ尿素3 (330mg)とジイソシアネート(336mgのGrilbond IL6粉末)を混合し、8mlのDTP中に完全に溶解させた。そのようにして得られた透明黄色溶液(1.5ml)をガラスシート(10cm×10cm)上に均一に付着させ、次いで、170℃のオーブン(空気下で換気)内に15分間入れた;この段階の後、真空下190℃での15分間が続け、痕跡量の溶媒を除去する。そのようにして得られた薄膜は、ガラスに対して優れた接着性を示していた(ポリマーをガラスから引っ張ることによって引離すことは不可能)。DSC分析により、約188℃に等しいTgが判明した(3回目の通過において)。
【0092】
5. 5. 試験5:ポリ尿素4の合成
最後に、新たで最後の試験においては、本発明のポリマーのTg並びにその熱および化学安定性の双方を高める目的でもって、新規なポリ尿素(ポリ尿素4)を、今度は、モノマーA (1当量)、モノマーB (1当量)およびモノマーD (3当量のMDI)間のN,N’−ジメチルベンジルアミン(DBA)のMDI三量体化触媒としての存在下での直接反応によって合成した;この合成は、下記の詳細な手順に従って実施した。
【0093】
2.56gの精製モノマーB (4回目留分)、16μlのDBA (即ち、約0.25%)および3.75gの液体MDI (Huntsman社からのSuprasec 2020)を、250mlの丸底フラスコ、電磁棒および窒素流を備えた乾燥装置に加えた。40mlのトルエンを添加し、溶液を周囲温度で5分間撹拌した(明白な反応は観察されなかった)。そのようにして得られた溶液の10容量%を214.3mgの精製3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミンと急速混合した;この液体混合物を、170℃のオーブン内で予備加熱したガラスシート上に付着させ(1.5ml)、真空下170℃で15分間放置した。透明フィルムがガラスシート上に急速に生じた。加熱処理を250℃で5分間続行した(空気下での換気);フィルムの黄色化は無かった。
【0094】
さらなるポリオキサゾリジン副単位を含む上記のようにして変性したポリ尿素(ポリ尿素4)を、引続き、DSCにより、80℃と330℃の間で分析した;ポリ尿素4は、2回目の通過において約233℃の、さらに、3回目通過のDSCにおいて約244℃のTgを示した。ポリ尿素4は、280℃まで安定であることが判明した;部分的分解が、300℃よりも上で観察された(吸熱性)。
【0095】
結論として、上記各試験は、高ガラス転移温度並びに高熱および化学安定性に特に特徴を有する本発明のポリ尿素ポリマーがガラスまたは金属に対して優れた接着性を示すことを実証している。
【0096】
特に、金属/ゴム複合体における金属上の接着プライマーとして使用した場合、このポリマーは、極めて有利なことに、金属を、不飽和ゴムマトリックスに、“RFL”(レゾルシノール/ホルムアルデヒドラテックス)接着剤のような単純な繊維接着剤または他の等価の接着組成物を使用して、或いは、直接(即ち、そのような接着剤を使用しないで)、ゴム組成物マトリックスが、例えば、エポキシ化エラストマーのような適切な官能化不飽和エラストマーを含む場合のこれらの不飽和ゴムマトリックスに接着結合させることを可能にする。
【0097】
従って、コバルト塩(または他の金属塩)は、特に、黄銅コーティング金属補強材に結合させることを意図するゴム組成物において排除することができる。