(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記トレッドプロファイルとタイヤ赤道面との交点であるトレッド頂点を中心として、前記トレッドプロファイルに沿って、前記トレッド展開幅TDWの50%に相当する長さを有する前記トレッド部の長さ領域をセンター領域とし、
前記センター領域の接地領域における接地面積に対する溝面積比率GCRが20%以下であることを特徴とする、
請求項1から3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
前記第二の基準点から、前記トレッドプロファイルに沿ってタイヤ幅方向内側に向かって、前記トレッド展開幅TDWの10%に相当する長さをそれぞれ有するトレッド部の長さ領域をショルダー端領域としたときに、
前記ショルダー端領域の少なくとも一方に周方向細溝が設けられていることを特徴とする、
請求項1から4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
これより、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤ1について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤ1全体の子午断面形状を示す概略図である。ここで、空気入りタイヤ1の子午断面形状とは、タイヤ赤道面CLと垂直な平面上に現れる空気入りタイヤ1の断面形状をいう。なお、
図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1の子午断面形状の概略を示す図であって、後述するベルト層等の構成要素が省略されており、かつ記載されている構成要素に関してもごく概略的に示されている点に留意されたい。
【0011】
また、本実施形態において、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤ1の回転軸AXと直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側をいい、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸AXから離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、前記回転軸AXを中心として回転する方向をいう。また、タイヤ幅方向とは、前記回転軸AXと平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLに向かう方向の側をいい、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから離れる方向の側をいう。タイヤ赤道面CLとは、空気入りタイヤ1の回転軸AXに直交するとともに、空気入りタイヤ1のタイヤ幅の中心を通る平面である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、一対のビード部Aと、ビード部Aに連なる一対のサイドウォール部Bと、前記サイドウォール部Bに連なる一対のショルダー部Cと、前記ショルダー部Cに連なるトレッド部Dとを備える。
【0013】
また、
図1に示すように、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、ビードコア10と、ビードフィラー12と、カーカス層14と、トレッドゴム16と、サイドウォールゴム18とを備える。そして、これらの部材10から18がそれぞれタイヤ周方向に連続的に延在し、空気入りタイヤ1は全体としてトロイダル形状をなしている。
【0014】
ビードコア10は、一般的にはスチール製のビードワイヤを複数本束ねた部材であって、空気入りタイヤをリム(図示しない)に固定するための、ビード部Aに含まれる部材である。ビードフィラー12は、ビードコア10のタイヤ径方向外側に位置し、ビードコア10のタイヤ径方向外側の隙間を埋めると共に、隣接する他のゴム層よりも高硬度の部材であって、空気入りタイヤ全体のケーシング剛性を高める部材である。
【0015】
カーカス層14は、ビード部A同士の間において、サイドウォール部B、ショルダー部C及びトレッド部Dを介して架け渡されて、タイヤの骨格を形成する部材である。
【0016】
トレッドゴム16は、トレッド部Dにおいて、カーカス層14のタイヤ径方向外側に位置して路面と接する部材であり、カーカス層14を保護し、かつその摩耗や外傷を防止する空気入りタイヤの外皮部材である。
【0017】
サイドウォールゴム18は、主にサイドウォール部Bにおいて、カーカス層14のタイヤ幅方向外側に位置するタイヤの外皮部材である。サイドウォールゴム18は、タイヤ転動時の繰り返しの屈曲変形に耐え、カーカス層14を外力から保護することにより、その外傷を防止する部材である。
【0018】
図2は、
図1の空気入りタイヤのトレッド部D及びショルダー部Cの部分拡大図である。
図2に示すように、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、カーカス層14のタイヤ径方向外側に2つのベルト層20と、ベルトカバー層22とをさらに備える。なお、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、2つのベルト層20を備えるが、3つ以上のベルト層を備えてもよい。
【0019】
ベルト層20は、カーカス層14を強く締め付け、トレッド部Dの剛性を高める部材である。ベルト層20は、一般的な乗用車用の空気入りタイヤでは、タイヤ周方向に対して例えば20度から30度の角度で延在する、通常はスチールから形成される複数のコードを含む。
【0020】
ベルトカバー層22は、ベルト層20のタイヤ径方向外側に位置し、高速走行時のベルト層20のタイヤ幅方向両端部の遠心力による浮き上がりを抑制することにより、主にベルト層20端部の剥離故障を防止して高速耐久性を向上させるための構成部材である。
【0021】
本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、部材10から18と同様に、部材20及び22に関しても、タイヤ周方向に連続的に延在している。
【0022】
なお、
図2に示すように、本実施形態の空気入りタイヤ1のカーカス層14は、2つのカーカスプライ14A、14Bを含む。
【0023】
そして、
図2に示すように、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、タイヤ幅方向の中央に位置する中央部円弧Dcと、タイヤ幅方向最外側に位置するサイド部円弧Dsiと、前記サイド部円弧Dsiよりもタイヤ幅方向内側に位置するショルダー側円弧Dshとを含む、トレッド部Dの外表面に形成されるトレッドプロファイルDpを有する。
【0024】
以上に示す前提の下、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、その総幅をSWとし、その外径をODとしたときに、
SW/OD ≦ 0.3 ・・・<1>
を満たすように形成されている。
【0025】
図3は、
図2のショルダー側円弧Dsh及びサイド部円弧Dsiの境界部分の拡大図である。
図3(a)はタイヤ幅方向の一方側(
図2の紙面右側をいう)についての拡大図であり、
図3(b)はタイヤ幅方向の他方側(
図2の紙面左側をいう)の拡大図である。
図3では、トレッド部Dのタイヤ幅方向中央部が省略されている。
【0026】
本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、
図3(a)に示すように、タイヤ幅方向の一方側において、ショルダー側円弧Dsh及びサイド部円弧Dsiが、例えば別の円弧である湾曲した線分Djを介して滑らかに接続されている。このとき、これらショルダー側円弧Dsh及びサイド部円弧Dsiのそれぞれの延長線Dshex、Dsiex(
図3(a)では点線で示されている)は、図に示されているように交わる。本実施形態では、このように形成された交点を一方の第一の基準点P1とし、さらに、一方の第一の基準点P1からトレッドプロファイルDpに垂線PLを下ろした箇所を一方の第二の基準点Q1とする。
【0027】
次いで、本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、
図3(b)に示すように、タイヤ幅方向の他方側において、ショルダー側円弧Dsh及びサイド部円弧Dsiが、例えば別の円弧である湾曲した線分Djを介して滑らかに接続されている。このとき、これらショルダー側円弧Dsh及びサイド部円弧Dsiのそれぞれの延長線Dshex、Dsiex(
図3(b)では点線で示されている)は、図に示されているように交わる。本実施形態では、このように形成された交点を他方の第一の基準点P2とし、さらに、他方の第一の基準点P2からトレッドプロファイルDpに垂線PLを下ろした箇所を他方の第二の基準点Q2とする。
【0028】
なお、特に図示しないが、別の実施形態に係る空気入りタイヤ1では、ショルダー側円弧Dsh及びサイド部円弧Dsiが上記線分Djを介して滑らかに接続されておらず、これらの端部同士が直接に接続されている。このとき、タイヤ幅方向のそれぞれの側における、ショルダー側円弧Dsh及びサイド部円弧Dsiの交点を第二の基準点Q1、Q2とする。言い換えれば、この場合では、タイヤ幅方向のそれぞれの側において、第一の基準点P1、P2と第二の基準点Q1、Q2とがそれぞれ重なり、このような構成も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0029】
そして、一方の第二の基準点Q1から他方の第二の基準点Q2までの前記トレッドプロファイルDpに沿った長さをトレッド展開幅TDWとする。
【0030】
このとき、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、
0.5 ≦ TDW/SW ≦ 0.7 ・・・<2>
を満たすように形成されている。
【0031】
なお、総幅SWは、空気入りタイヤ1をリム組みしたときの、サイドウォール上のデザインを含んだサイドウォール同士の間の間隔である。そして、外径OD、トレッド展開幅TDWは、リム組みした状態で測定される。
【0032】
ここで、本実施形態において使用されるリムは、空気入りタイヤ1の内径に適合したリム径を有する。そして、当該リムは、ISO4000−1:2001に準拠して、タイヤ断面幅の呼びSnと、リム組みされるタイヤの偏平比により表1の対応表によって定められる係数K1との積で求められた値(Rm=K1×Sn)に最も近い、表2に示されている規定リム幅Rm(mm)に対応するリム幅の呼びを有する。
【0035】
また、本実施形態では、空気入りタイヤ1の寸法は、通常に使用される範囲の内圧(例えば、正規内圧)を充填したときの無負荷状態で測定される。その具体例として、
図1では、230kPaの内圧で充填された空気入りタイヤが示されている。しかしながら、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、通常に使用される範囲の内圧が充填されていれば、その効果を発揮する。よって、空気入りタイヤ1に230kPaの内圧が充填されていることが本発明の実施上、必須でないことに留意されたい。なお、正規内圧とは、JATMAで規定する「最高空気圧」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「INFLATION PRESSURES」である。
【0036】
上述のように、本実施形態に係る空気入りタイヤ1はベルト層20を含む。本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、ベルト層20は、タイヤ周方向に対して0度以上10度以下の角度で延在するコードを含む低角度ベルト層20Aと、タイヤ周方向に対して20度以上70度以下の角度で延在するコードを含む高角度ベルト層20Bとを含む。
【0037】
なお、本実施形態では、低角度ベルト層20Aは高角度ベルト層20Bよりもタイヤ径方向外側に位置する。つまり、高角度ベルト層20Bは低角度ベルト層20Aよりもタイヤ径方向内側に位置する。しかしながら、低角度ベルト層20Aが高角度ベルト層20Bよりもタイヤ径方向内側に位置してもよく、つまり、高角度ベルト層20Bが低角度ベルト層20Aよりもタイヤ径方向外側に位置してもよい。
【0038】
これより、本実施形態に係る空気入りタイヤ1の作用について説明する。
【0039】
(1) 本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、上述の式<1>を満たすように形成されている。それにより、一般的な乗用自動車用タイヤのサイズ(例えば205/55R16(SW/OD=0.32))の空気入りタイヤと比較すると、外径ODに対して総幅SWが小さい。その結果、空気入りタイヤ1の前面投影面積が小さく、タイヤの空気抵抗が低減され、ひいては空気入りタイヤ1の転がり抵抗を低減することができる。その一方で、単に総幅SWを狭くすると空気入りタイヤ1の負荷能力が低下するが、式<1>を満たすことにより、外径ODが総幅SWに対して十分に大きいので、負荷能力の低下を抑制することができる。また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、上記式<1>を満たすことにより、一般的な乗用自動車用タイヤのサイズの空気入りタイヤと比較すると接地形状が細長くなる。その結果、耐ハイドロプレーニング性能が向上する。
【0040】
(2) 本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、上述の式<2>を満たすように形成されている。本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、式<2>の関係を満たすことにより、総幅SWに対してトレッド展開幅TDWが、一般的な空気入りタイヤよりも狭くなるように設定されている。これにより、トレッド部10におけるゴムボリュームを小さくすることができるので、転がり抵抗が低減される。「TDW/SW」が0.5よりも小さいと、接地幅が狭くなりすぎることにより、コーナリングフォース(CF)を充分に発生させることが困難となり、ひいては操縦安定性の悪化を制御することが困難となるおそれがある。「TDW/SW」が0.7よりも大きいと、転がり抵抗の低減効果が小さくなるおそれがある。また、本発明の目的は、操縦安定性能の低下を最小限にとどめつつ、転がり抵抗を低減させることであるところ、本実施形態に係る空気入りタイヤ1が、
0.53 ≦ TDW/SW < 0.65
を満たすと、転がり抵抗及び操縦安定性をより高次元で両立することができるのでさらに好ましい。つまり、「TDW/SW」が0.53以上であることにより、一般的なサイズの空気入りタイヤ(例えば205/55R16(TDW/SW=0.80))と比較しても、接地幅を十分に確保することができるので、操縦安定性を維持又は改善することができる。その一方で、「TDW/SW」が0.65よりも小さいことにより、一般的なサイズの空気入りタイヤと比較しても、トレッド部Dにおけるゴムボリュームを十分に小さくすることができるので、転がり抵抗を十分に低減することができる。さらに操縦安定性を改善するという観点から、総幅SWとトレッド展開幅TDWとの比が、
0.55 ≦ TDW/SW < 0.65
を満たすと、接地幅をさらに多く確保することができ、転がり抵抗及び操縦安定性をさらに高次元で両立することができるのでさらに好ましい。
【0041】
(3) 本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、上述のように、低角度ベルト層20A及び高角度ベルト層20Bを含む。本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、タイヤ周方向に対して、通常使用される角度範囲(例えば20度以上30度以下)よりも十分に低い角度である10度以下の角度で延在するコードを含む低角度ベルト層20Aを含む。それにより、トレッド部Dのタイヤ周方向剛性を十分に向上させることができる。その一方で、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、タイヤ周方向に対して、通常使用される角度から通常使用されることのない高い角度までを包含する角度範囲である20度から70度で延びるコードを含む高角度ベルト層20Bをさらに含む。高角度ベルト層20Bに含まれるコードの延在角度が20度以上であることから、低角度ベルト層20Aと協働して、トレッド部Dのタイヤ周方向剛性が過剰に高くなることを抑制する。また、高角度ベルト層20Bに含まれるコードの延在角度が70度以下であることから、トレッド部Dのタイヤ幅方向剛性が過剰に高くなることを抑制することができる。それにより、トレッド部Dのタイヤ周方向剛性及びタイヤ幅方向剛性を適度にバランスさせることができる。よって、トレッド部Dのタイヤ周方向剛性が過剰に高い場合に接地面で発生するおそれのある、トレッド部Dのバックリング(座屈)を抑制する。それにより、接地面圧分布が不均一になることを、極端な場合には、トレッド部Dの表面が路面から浮き上がることを、抑制することができる。以上により、本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、高角度ベルト層20Bの作用により、低角度ベルト層20Aによるトレッド部Dのタイヤ周方向剛性の向上効果を十分に奏することができる。その結果、本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、操縦安定性能を向上させることができる。
【0042】
また、ベルト層20のうち、最も幅の狭いベルト層のタイヤ幅方向の長さを有効ベルト幅BWとしたときに、本実施形態に係る空気入りタイヤ1が、
0.97 ≦ BW/TDW ≦ 1.1 ・・・<3>
を満たすように形成されると好ましい。「BW/TDW」が0.97以上であることにより、有効ベルト幅BWが十分に大きく、ベルト剛性を十分に確保することができる。その結果、操縦安定性能の悪化を抑制することができる。また、「BW/TDW」が1.1以下であることにより、ベルト層20のタイヤ幅方向両端部とトレッドプロファイルDpとの距離を十分に確保することができる。その結果、耐久性の悪化を抑制することができる。
【0043】
また、低角度ベルト層20Aが、ベルト層20のうちタイヤ径方向最外側に位置すると好ましい。低角度ベルト層20Aが接地面の近くに位置することにより、低角度ベルト層20Aによるトレッド部Dのタイヤ周方向剛性の向上効果を、効果的に発揮させることができる。その結果、操縦安定性能を向上させることができる。
【0044】
また、低角度ベルト層20Aが複数のスチールコードを含み、上記スチールコードの弾性率(kN/mm
2)と、上記スチールコードの断面積(mm
2)と、低角度ベルト層20Aにおける50mm幅あたりの上記スチールコードの打込み本数(本/50mm)と、の積をY(kN/50mm)としたときに、
−SW/OD+1.2 ≦ Y/1000 ≦ −5.0(SW/OD)+3.0 ・・・<4>
を満たすとさらに好ましい。なお、Yは空気入りタイヤ1のベルト剛性に相当する数値である。「Y/1000」が「−SW/OD+1.2」以上であることにより、ベルト剛性を十分に確保することができる。その結果、操縦安定性能の悪化を抑制することができる。また、「Y/1000」が「−5.0(SW/OD)+3.0」以下であることにより、トレッド部Dのタイヤ周方向剛性が過剰に高くなり、ひいては接地長が小さくなることを抑制する。その結果、耐ハイドロプレーニング性能の悪化を抑制することができる。以上により、タイヤサイズによって、具体的には「SW/OD」の値に基づいてベルト剛性を適正化することができ、ひいては操縦安定性能及び耐ハイドロプレーニング性能を高次元でバランスさせることができる。
【0045】
なお、スチールコードの弾性率E(kN/mm
2)は、タイヤから採取したコードの250(N)から500(N)負荷時の伸びから算出されるものであり、無負荷時に対する250(N)負荷時のコードの伸びをe1(%)、500(N)負荷時のコードの伸びをe2(%)、コードの断面積をS(mm
2)として、以下の式より算出する。
E=(500―250)/{S×(e1―e2)/100}/1000
=25×S×(e1―e2)
【0046】
これより、
図4を参照しつつ、本実施形態に係る空気入りタイヤ1のトレッドパターンについて説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤ1のトレッド部Dの一部を示す平面展開図である。
【0047】
本実施形態の空気入りタイヤ1のトレッド部Dには、タイヤ周方向に延在する4つの周方向溝26が設けられており、かつ、タイヤ周方向に対して傾斜する方向に延在する複数の横溝28がさらに設けられている。また、各周方向溝26によって、又は各周方向溝26及び横溝28によって、陸部30が区画形成されている。なお、以下では、周方向溝26及び横溝28を単に溝26、28と呼ぶ。
【0048】
ここで、
図2に戻って、トレッド部Dのセンター領域Acを定義する。
図2に示すように、トレッドプロファイルDpとタイヤ赤道面CLとの交点であるトレッド頂点ccを中心として、トレッドプロファイルDpに沿って、トレッド展開幅TDWの50%に相当する長さを有するトレッド部Dの長さ領域をセンター領域Acとする。ここで
図4を再び参照すると、
図4では、同様にタイヤ赤道線CLを中心としてトレッド展開幅TDWの50%に相当するタイヤ幅方向寸法を有するセンター領域Acが示されている。
【0049】
このとき、本実施形態の空気入りタイヤ1では、センター領域Acの接地領域Gにおける接地面積に対する溝面積比率GCRが、20%以下であると好ましい。これにより、センター領域Acにおいて、溝面積比率が十分に小さくなり、すなわち陸部面積が大きくなる。その結果、トレッド部Dのセンター領域Acにおいてトレッド剛性を向上させることができ、ひいては操縦安定性能を向上させることができる。
【0050】
なお、センター領域Acの接地領域Gにおける接地面積に対する溝面積比率GCRとは、センター領域Ac内の接地領域Gにおける、陸部面積と溝面積との総和(すなわち接地面積)に対する溝面積の比率である。
【0051】
さらに、本発明の実施形態では、接地領域Gとは、空気入りタイヤ1を上述のリムにリム組みし、230kPaで内圧を充填し、かつ負荷能力の80%に相当する荷重をかけて平面に接地させたときの接地面の領域である。また、本発明の実施形態では、負荷能力は、ISO4000−1:1994に基づいて決定される。しかしながら、当該ISO規格において負荷能力指数(ロードインデックス)が設定されていないサイズについては、個別に算出して諸外国の規格との整合を考慮して決定するとの記載があり、この場合は、負荷能力については各国の規格に基づいて算出される。したがって、本発明の実施形態では、JIS規格で採用している負荷能力算出式を利用したJIS D4202−1994解説の「負荷能力の算定」に記載されている、算定式(c)(下記式)から各タイヤサイズの負荷能力を算出するものとする。
X=K×2.735×10−5×P
0.585×Sd
1.39×(D
R−12.7+Sd)
但し、X=負荷能力(kg)
K=1.36
P=230(=空気圧(kPa))
Sd=0.93×S
.75−0.637d
S
.75=S×((180°−Sin
−1((Rm/S))/131.4°)
S=設計断面幅(mm)
R
m=設計断面幅に対応したリム幅(mm)
d=(0.9−偏平比(−))×S
.75−6.35
D
R=リム径の基準値(mm)
【0052】
ここで再び
図2に戻って、トレッド部Dのショルダー端領域Asheを定義する。
図2に示すように、第二の基準点Q1、Q2から、トレッドプロファイルDpに沿ってタイヤ幅方向内側に向かって、トレッド展開幅TDWの10%に相当する長さをそれぞれ有するトレッド部Dの長さ領域をショルダー端領域Asheとする。ここで
図4を再び参照すると、
図4では、第二の基準点Q1、Q2に対応するタイヤ幅方向位置Q1’、Q2’から、タイヤ幅方向内側に向かって、トレッド展開幅TDWの10%に相当する長さタイヤ幅方向寸法を有するショルダー端領域Asheが示されている。
【0053】
このとき、本実施形態の空気入りタイヤ1では、タイヤ幅方向の一方の側及び他方の側の両方のショルダー端領域Asheに、周方向細溝26nが設けられている。本発明では、ショルダー端領域Asheの少なくとも一方に周方向細溝26nが設けられていると好ましい。接地領域Gの接地端GEに近いタイヤ幅方向領域に集中する傾向のある内部応力が、周方向細溝26nが設けられていることで分散される。その結果、空気入りタイヤ1の転動によるヒステリシスロスを減少させ、ひいては転がり抵抗を低減できる。なお、周方向細溝26nとは、周方向溝26のうち、開口部における溝幅が2mm以上4mm以下の溝をいう。
【0054】
あるいは、本発明の別の実施形態では、ショルダー端領域Asheに周方向細溝が設けられていない。
【実施例】
【0055】
本実施例では、様々な条件が設定されたテストタイヤについて、燃費指数、操縦安定性能及び耐ハイドロプレーニング性能に関するタイヤ性能試験が行われた。
【0056】
これらの性能試験では、上述のようにISO4000−1:2001に準拠した、各テストタイヤに適合するサイズのリムを組付け、各々に230kPaの内圧を充填して行われた。
【0057】
これより、各テストタイヤについて行われた性能試験の試験方法について説明する。
【0058】
(燃費性能)
テストタイヤを排気量1800ccの前輪駆動車に装着し、全長2kmのテストコースを時速100km/hにて50周走行したときの燃料消費率を計測した。従来例の計測結果を100としたときの各テストタイヤの燃費改善率を指数にて示した。この指数値は、大きいほど燃費性能に優れていることを示す。
【0059】
(操縦安定性能)
テストタイヤを乗用車(排気量1800cc)に装着し、1周2kmのテストコースをレーンチェンジしながら3周走行したときのフィーリングを3人の専門ドライバーにより評価した。評価結果は、従来例のフィーリング評価値の平均値を100としたときの、各テストタイヤのフィーリング評価値の平均値を指数にて示した。この指数値は、大きいほど操縦安定性能が優れていることを示す。
【0060】
(耐ハイドロプレーニング性能)
テストタイヤを乗用車(排気量1800cc)に装着し、直線ハイドロプレーニング試験を行い、ハイドロプレーニングが発生した速度を計測して評価した。この直線ハイドロプレーニング試験は、水深10mmのプールを、速度を上げながら進入し、そのときのテストタイヤのスリップ率を計測した。このときのスリップ率が10%となったときをハイドロプレーニング発生速度とする。計測結果は、従来例での計測結果を100としたときの各テストタイヤの計測結果を指数にて示した。この指数値は、大きいほど耐ハイドロプレーニング性能が優れていることを示す。
【0061】
これより、各テストに関する、各テストタイヤ及びその性能試験結果について説明する。
【0062】
[テスト1]
(従来例)
従来例に係る空気入りタイヤは、タイヤサイズが205/55R16であり、その「SW/OD」の値が0.32であり、すなわち式<1>を満たさず、「TDW/SW」の値が0.80であり、すなわち式<2>を満たさないテストタイヤである。また、従来例に係る空気入りタイヤは、高角度ベルト層を含むものの、低角度ベルト層を含まない。
【0063】
(実施例1から11)
実施例1から11に係る空気入りタイヤは、タイヤサイズがそれぞれ異なり、式<1>の「SW/OD」の値が0.30から0.21の範囲で振り分けられており、すなわち式<1>を満たし、式<2>の「TDW/SW」の値が0.60であり、すなわち式<2>を満たすテストタイヤである。また、実施例1から11に係る空気入りタイヤは、タイヤ周方向に対して0度の角度で(つまり、タイヤ周方向と平行に)延在するコードを含む低角度ベルト層と、タイヤ周方向に対して30度の角度で延在するコードを含む高角度ベルト層とを含む。
【0064】
テスト1では、従来例及び実施例1から11に係る空気入りタイヤについて、燃費指数及び操縦安定性能に関する性能試験が行われた。表3には、各テストタイヤの寸法等に関する数値と、性能試験結果とが示されている。
【0065】
なお、表3において「外側ベルト層コード角度」とは、各テストタイヤに含まれる2つのベルト層のうち、タイヤ径方向外側に位置するベルト層に含まれるコードのタイヤ周方向に対する延在角度を示す。また、表3において、「内側ベルト層コード角度」とは、各テストタイヤに含まれる2つのベルト層のうち、タイヤ径方向内側に位置するベルト層に含まれるコードのタイヤ周方向に対する延在角度を示す。なお、以降のテストに関する、表3以降の表においても同じものとする。
【0066】
【表3】
【0067】
表3の性能試験結果によれば、式<1>及び式<2>を満たしかつ低角度ベルト層及び高角度ベルト層を含む実施例1から11に係る空気入りタイヤは、燃費指数及び操縦安定性能において、従来例を上回っている。
【0068】
[テスト2]
テスト1の性能試験結果により、試験されたタイヤサイズのうちでは、タイヤサイズ165/55R20(実施例9)であれば、タイヤサイズ205/55R16(従来例)に対して燃費指数及び操縦安定性能が有意に改善されることが確認された。したがって、テスト2以降のテストタイヤについては、このタイヤサイズが使用される。
【0069】
(実施例12から16、比較例1、2)
実施例12から16及び比較例1、2に係る空気入りタイヤは、式<1>を満たし、低角度ベルト層及び高角度ベルト層を含み、かつ式<2>の「TDW/SW」の値が0.40から0.75の範囲で振り分けられたテストタイヤである。実施例12から16に係る空気入りタイヤは式<2>を満たすが、比較例1、2に係る空気入りタイヤは式<2>を満たさない。
【0070】
(比較例3)
比較例3に係る空気入りタイヤは、低角度ベルト層を含まない点のみにおいて比較例9に係る空気入りタイヤと異なるテストタイヤである。
【0071】
テスト2では、従来例、実施例12から16及び比較例1から3に係る空気入りタイヤについて、燃費指数及び操縦安定性能に係るタイヤ性能試験が行われた。表4には、各テストタイヤの寸法等に関する数値と、性能試験結果とが示されている。なお、実施例9に関しては、表3に記載の数値を再掲している。
【0072】
【表4】
【0073】
表4の性能試験結果によれば、式<2>を満たす実施例12から16に係る空気入りタイヤは、式<2>を満たさない比較例1、2と比較して、燃費指数及び操縦安定性能が高度に両立されている。そして、実施例12から16に係る空気入りタイヤは、燃費指数及び操縦安定性能において従来例を上回っている。
【0074】
また、低角度ベルト層及び高角度ベルト層を含む実施例9に係る空気入りタイヤは、低角度ベルト層を含むが高角度ベルト層を含まない比較例3に係る空気入りタイヤよりも、操縦安定性において優れている。
【0075】
[テスト3]
テスト3では、テスト2と同様にタイヤサイズ165/55R20が使用される。
【0076】
(実施例17から20)
実施例17から20に係る空気入りタイヤは、式<1>及び<2>を満たし、低角度ベルト層及び高角度ベルト層を含み、かつ式<3>の「BW/TDW」の値が0.95から1.15の範囲で振り分けられたテストタイヤである。実施例18、19に係る空気入りタイヤは式<3>を満たすが、実施例17、20に係る空気入りタイヤは式<3>を満たさない。
【0077】
(実施例21、22)
実施例21、22に係る空気入りタイヤは、式<1>から<3>を満たし、低角度ベルト層及び高角度ベルト層を含むが、低角度ベルト層及び高角度ベルト層のタイヤ径方向位置が互いに異なるテストタイヤである。
【0078】
テスト3では、従来例、実施例17から22に係る空気入りタイヤについて、燃費指数及び操縦安定性能に係るタイヤ性能試験が行われた。表5には、各テストタイヤの寸法等に関する数値と、性能試験結果とが示されている。
【0079】
【表5】
【0080】
表5の性能試験結果によれば、式<3>を満たす実施例18、19に係る空気入りタイヤは、式<3>を満たさない実施例17、20に係る空気入りタイヤと比較して、燃費指数及び操縦安定性能が高度に両立されている。また、実施例18、19に係る空気入りタイヤは、燃費指数及び操縦安定性能に関して、従来例を上回っている。
【0081】
さらに、低角度ベルト層が、高角度ベルト層よりもタイヤ径方向外側に位置しており、すなわちベルト層のうちタイヤ径方向最外側に位置する実施例22に係る空気入りタイヤは、低角度ベルト層が高角度ベルト層よりもタイヤ径方向内側に位置する実施例21と比較して、操縦安定性に優れる。
【0082】
[テスト4]
テスト4では、テスト2及びテスト3と同様にタイヤサイズ165/55R20が使用される。さらに、テスト4では、式<4>を用いることにより、タイヤサイズによって、具体的には「SW/OD」の値に基づいて、ベルト剛性を適正化できることを示すために、他のタイヤサイズ195/45R19(SW/OD=0.29)及び135/75R22(SW/OD=0.21)も使用される。
【0083】
(実施例23から31)
実施例23から25に係る空気入りタイヤは、タイヤサイズが195/45R19であって、式<1>から<3>を満たし、低角度ベルト層及び高角度ベルト層を含み、かつ式<4>の「Y」の値が800から1600の範囲で振り分けられたテストタイヤである。
【0084】
実施例26から28に係る空気入りタイヤは、タイヤサイズが165/55R20であって、式<1>から<3>を満たし、低角度ベルト層及び高角度ベルト層を含み、かつ式<4>の「Y」の値が900から1900の範囲で振り分けられたテストタイヤである。
【0085】
実施例29から31に係る空気入りタイヤは、タイヤサイズが135/75R22であって、式<1>から<3>を満たし、低角度ベルト層及び高角度ベルト層を含み、かつ式<4>の「Y」の値が950から2000の範囲で振り分けられたテストタイヤである。
【0086】
実施例23から31のうち実施例24、27、30に係る空気入りタイヤは式<4>を満たし、その他の実施例に係る空気入りタイヤは式<4>を満たさない。
【0087】
テスト4では、従来例、実施例23から31に係る空気入りタイヤについて、燃費指数、操縦安定性能及び耐ハイドロプレーニング性能に係るタイヤ性能試験が行われた。表6には、各テストタイヤの寸法等に関する数値と、性能試験結果とが示されている。
【0088】
【表6】
【0089】
表6の性能試験結果によれば、式<4>を満たす実施例24、27、30に係る空気入りタイヤはそれぞれ、実施例23、25、実施例26、28及び実施例29、31に係る空気入りタイヤと比較して、操縦安定性能及び耐ハイドロプレーニング性能が高度に両立されている。また、実施例24、27、30に係る空気入りタイヤは、燃費指数、操縦安定性能及び耐ハイドロプレーニング性能に関して、従来例を上回っている。
【0090】
[テスト5]
テスト5では、テスト2から4と同様にタイヤサイズ165/55R20が使用される。
【0091】
(実施例32、33)
実施例32、33に係る空気入りタイヤは、式<1>から<3>を満たし、低角度ベルト層及び高角度ベルト層を含むテストタイヤである。なお、実施例32、33に係る空気入りタイヤには、
図4に示されているトレッドパターンを基礎としたトレッドパターンが設けられている。実施例32、33に係る空気入りタイヤのトレッドパターンは、センター領域ACの接地領域Gにおける接地面積に対する溝面積比率GCRがそれぞれ25%及び19%になるように各溝の幅が調整されている。
【0092】
テスト5では、従来例、実施例32、33に係る空気入りタイヤについて、燃費指数及び操縦安定性能に係るタイヤ性能試験が行われた。表7には、各テストタイヤの寸法等に関する数値と、性能試験結果とが示されている。
【0093】
【表7】
【0094】
表7の性能試験結果によれば、GCRが20%以下のトレッドパターンが設けられている実施例33に係る空気入りタイヤは、GCRが20%よりも大きいトレッドパターンが設けられている実施例32と比較して、操縦安定性能において優れている。
【0095】
本発明は、以下のように規定される。
【0096】
(1) 一対のビード部と、前記ビード部に連なる一対のサイドウォール部と、前記サイドウォール部に連なるトレッド部とを備え、タイヤ子午線断面視で、前記ビード部同士の間において、前記サイドウォール部及び前記トレッド部を介して架け渡されているカーカス層と、前記カーカス層のタイヤ径方向外側に位置する少なくとも2つのベルト層と、を備え、かつ、タイヤ幅方向の中央に位置する中央部円弧と、タイヤ幅方向最外側に位置するサイド部円弧と、前記サイド部円弧よりもタイヤ幅方向内側に位置するショルダー側円弧とを含むトレッドプロファイルを有する、空気入りタイヤであって、前記空気入りタイヤの総幅をSWと、前記空気入りタイヤの外径をODとしたときに、「SW/OD ≦ 0.3」を満たし、タイヤ幅方向の一方の側における、前記ショルダー側円弧の仮想の延長線と前記サイド部円弧の仮想の延長線との交点を一方の第一の基準点とし、前記一方の第一の基準点から前記トレッドプロファイルに垂線を下ろした箇所を一方の第二の基準点とし、タイヤ幅方向の他方の側における、前記ショルダー側円弧の仮想の延長線と前記サイド部円弧の仮想の延長線との交点を他方の第一の基準点とし、前記他方の第一の基準点から前記トレッドプロファイルに垂線を下ろした箇所を他方の第二の基準点とし、一方の第二の基準点から他方の第二の基準点までの前記トレッドプロファイルに沿った長さをトレッド展開幅TDWとしたときに、「0.5 ≦ TDW/SW ≦ 0.7」を満たし、かつ、前記ベルト層は、タイヤ周方向に対して0度以上10度以下の角度で延在するコードを含む低角度ベルト層と、タイヤ周方向に対して20度以上70度以下の角度で延在するコードを含む高角度ベルト層とを含むことを特徴とする、空気入りタイヤ。
【0097】
(2) 前記ベルト層のうち、最も幅の狭いベルト層のタイヤ幅方向の長さを有効ベルト幅BWとしたときに、「0.97 ≦ BW/TDW ≦ 1.1」を満たすことを特徴とする、(1)に記載の空気入りタイヤ。
【0098】
(3) 前記低角度ベルト層が、前記ベルト層のうちタイヤ径方向最外側に位置することを特徴とする、(1)又は(2)に記載の空気入りタイヤ。
【0099】
(4) 前記低角度ベルト層が複数のスチールコードを含み、前記スチールコードの弾性率と、前記スチールコードの断面積と、前記低角度ベルト層における50mm幅あたりの前記スチールコードの打込み本数と、の積をYとしたときに、「−SW/OD+1.2 ≦ Y/1000 ≦ −5.0(SW/OD)+3.0」を満たすことを特徴とする、(1)から(3)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
【0100】
(5) 前記トレッドプロファイルとタイヤ赤道面との交点であるトレッド頂点を中心として、前記トレッドプロファイルに沿って、前記トレッド展開幅TDWの50%に相当する長さを有する前記トレッド部の長さ領域をセンター領域とし、前記センター領域の接地領域における接地面積に対する溝面積比率GCRが20%以下であることを特徴とする、(1)から(4)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
【0101】
(6) 前記第二の基準点から、前記トレッドプロファイルに沿ってタイヤ幅方向内側に向かって、前記トレッド展開幅TDWの10%に相当する長さをそれぞれ有するトレッド部の長さ領域をショルダー端領域としたときに、前記ショルダー端領域の少なくとも一方に周方向細溝が設けられていることを特徴とする、(1)から(5)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。