特許第6330888号(P6330888)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6330888
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】ヘッドアップディスプレイの取付構造
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/00 20060101AFI20180521BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20180521BHJP
   G02B 27/01 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   B60K35/00 A
   B60R11/02 C
   G02B27/01
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-220555(P2016-220555)
(22)【出願日】2016年11月11日
(65)【公開番号】特開2018-76021(P2018-76021A)
(43)【公開日】2018年5月17日
【審査請求日】2017年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
【住所又は居所】広島県安芸郡府中町新地3番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100157808
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 耕平
(72)【発明者】
【氏名】佐谷 憲司
【住所又は居所】広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】松永 正広
【住所又は居所】広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】藤井 裕大
【住所又は居所】広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】島田 一成
【住所又は居所】広島県広島市南区仁保2丁目1番26号 株式会社マツダE&T内
(72)【発明者】
【氏名】古庄 孝行
【住所又は居所】広島県広島市南区仁保2丁目1番26号 株式会社マツダE&T内
【審査官】 櫻田 正紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−037216(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/146261(WO,A1)
【文献】 特開平09−039606(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 35/00,
B60R 11/02,
G01C 21/34−21/36,
G02B 27/01,
G09G 5/02−5/06,5/36−5/38,
B62D 25/08−25/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に取り付けられた反射面上に画像を表示するための投影光を生成する光学機器が収容された筐体を有するヘッドアップディスプレイユニットと、
クロスカービームとダッシュパネルとに固定された第1ブラケットと、
前記第1ブラケットと前記筐体との間に配置され、前記第1ブラケットに固定される第1固定部を有する取付部材と、を備え、
前記取付部材は、前記クロスカービームに固定される第2固定部を含み、
前記ヘッドアップディスプレイユニットは、インストルメントパネルと前記取付部材との間に形成された空間に配置され、前記取付部材に固定され、
前記取付部材は、前記ヘッドアップディスプレイユニットの前記筐体と前記車体の居住空間との間に立設されることなく前記クロスカービームよりも全体的に前方に位置し、
前記ヘッドアップディスプレイユニットの前記筐体は、前記クロスカービームよりも後方に位置する後端面を含む
ヘッドアップディスプレイの取付構造。
【請求項2】
前記取付部材は、前記インストルメントパネルの上面を形成するパネル部材に、前記第2固定部よりも前方で固定されるパネル固定部を含み、
前記第1固定部は、前記パネル固定部よりも後方且つ前記第2固定部よりも前方に位置する
請求項1に記載の取付構造。
【請求項3】
前記取付部材は、前記第2固定部を有する第1板部と、前記パネル固定部を含む第2板部と、を含み、
前記ヘッドアップディスプレイユニットは、前記第1板部と前記第2板部との間で形成されるコーナ部よりも後方で前記第1板部に固定される第1ユニット固定部と、前記コーナ部よりも上方で前記第2板部に固定される第2ユニット固定部と、を含む
請求項2に記載の取付構造。
【請求項4】
前記第1ブラケットは、前記クロスカービームから前方に延びる第1部分と、前記第1部分から下方に屈曲した第2部分と、前記第2部分から前方に屈曲する第3部分と、を含み、
前記第1固定部は、前記第1部分に固定され、
前記第3部分は、前記ダッシュパネルに固定される
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の取付構造。
【請求項5】
前記第1ブラケットの側方で前記クロスカービームから前方に延びる第2ブラケットを更に備え、
前記取付部材は、前記第2ブラケットに固定される第3固定部を含み、
前記第3固定部は、前記第1固定部よりも前方に位置する
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の取付構造。
【請求項6】
前記第1ブラケットの側方で前記クロスカービームから前方に延びる第3ブラケットを更に備え、
前記第1ブラケットは、前記第2ブラケットと前記第3ブラケットとの間に位置し、
前記取付部材は、前記第3ブラケットに固定される第4固定部を含み、
前記第4固定部は、前記第1固定部よりも前方且つ前記第3固定部よりも後方に位置する
請求項5に記載の取付構造。
【請求項7】
前記第1部分は、前記第2部分に向けて狭まる
請求項4に記載の取付構造。
【請求項8】
前記第1部分は、前記第3部分よりも広い側方幅を有する
請求項4又は7に記載の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドアップディスプレイを車両に取り付けるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッドアップディスプレイは、多くの場合、インストルメントパネル内で固定される。特許文献1は、クロスカービームによって支持されたヘッドアップディスプレイを開示する。
【0003】
特許文献1の技術によれば、ヘッドアップディスプレイは、ウィンドシールドへ画像を投射する。ヘッドアップディスプレイ及びウィンドシールドはともに、車体に取り付けられているので、ヘッドアップディスプレイの揺れは、ウィンドシールドの揺れに略一致する。したがって、特許文献1の技術は、運転者がウィンドシールド上の画像を快適に観察することを可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−37216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ヘッドアップディスプレイが、故障すると、多くの場合、故障したヘッドアップディスプレイは、新たなヘッドアップディスプレイと交換される。特許文献1の技術によれば、ヘッドアップディスプレイの固定に用いられるブラケットは、ヘッドアップディスプレイと車両の居住空間との間で立設されるので、ヘッドアップディスプレイの交換作業は、ブラケットに阻害される。
【0006】
本発明は、ヘッドアップディスプレイの容易な交換を可能にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面に係るヘッドアップディスプレイの取付構造は、車体に取り付けられた反射面上に画像を表示するための投影光を生成する光学機器が収容された筐体を有するヘッドアップディスプレイユニットと、クロスカービームとダッシュパネルとに固定された第1ブラケットと、前記第1ブラケットと前記筐体との間に配置され、前記第1ブラケットに固定される第1固定部を有する取付部材と、を備える。前記取付部材は、前記クロスカービームに固定される第2固定部を含む。前記ヘッドアップディスプレイユニットは、インストルメントパネルと前記取付部材との間に形成された空間に配置され、前記取付部材に固定される。
【0008】
上記の構成によれば、取付部材は、クロスカービームとダッシュパネルとに固定された第1ブラケットとヘッドアップディスプレイユニットの筐体との間の第1固定部において、第1ブラケットに固定され、且つ、第2固定部において、クロスカービームに固定されるので、取付部材は、車体に安定的に支持される。ヘッドアップディスプレイユニットは、取付部材に取り付けられるので、車体の揺れは、車体に取り付けられた反射面及びヘッドアップディスプレイの略一致した揺れになり、ウィンドシールド上での画像位置はほとんど変動しない。したがって、運転者は、画像を快適に観察することができる。
【0009】
ヘッドアップディスプレイユニットは、インストルメントパネルと取付部材との間に形成された空間に配置され、取付部材に固定されるので、作業者は、インストルメントパネルの外面を形成する化粧板を取り外し、ヘッドアップディスプレイユニットに容易にアクセスすることができる。したがって、上述の取付構造は、ヘッドアップディスプレイの容易な交換を可能にする。
【0010】
上記の構成に関して、前記取付部材は、前記インストルメントパネルの上面を形成するパネル部材に、前記第2固定部よりも前方で固定されるパネル固定部を含んでもよい。前記第1固定部は、前記パネル固定部よりも後方且つ前記第2固定部よりも前方に位置してもよい。
【0011】
上記の構成によれば、第1固定部は、パネル固定部よりも後方且つ第2固定部よりも前方に位置するので、取付部材の固定位置は、横方向に並ばない。したがって、取付部材は、横方向に延びる軸周りに揺振しにくくなり、車体に安定的に支持される。ヘッドアップディスプレイユニットは、取付部材に取り付けられるので、車体の揺れは、車体に取り付けられた反射面及びヘッドアップディスプレイの略一致した揺れになり、ウィンドシールド上での画像位置はほとんど変動しない。したがって、運転者は、画像を快適に観察することができる。
【0012】
上記の構成に関して、前記取付部材は、前記第2固定部を有する第1板部と、前記パネル固定部を含む第2板部と、を含んでもよい。前記ヘッドアップディスプレイユニットは、前記第1板部と前記第2板部との間で形成されるコーナ部よりも後方で前記第1板部に固定される第1ユニット固定部と、前記コーナ部よりも上方で前記第2板部に固定される第2ユニット固定部と、を含んでもよい。
【0013】
上記の構成によれば、第1ユニット固定部は、第1板部と第2板部との間で形成されるコーナ部よりも後方で第1板部に固定されるので、作業者は、第1ユニット固定部に容易にアクセスすることができる。第2固定部は、コーナ部よりも上方で第2板部に固定されるので、作業者は、第2ユニット固定部にも容易にアクセスすることができる。したがって、作業者は、ヘッドアップディスプレイユニットを取付部材から容易に取り外すことができる。加えて、作業者は、他のもう1つのヘッドアップディスプレイユニットを取付部材に容易に取り付けることができる。すなわち、作業者は、ヘッドアップディスプレイユニットを容易に交換することができる。
【0014】
上記の構成に関して、前記第1固定部は、前記クロスカービームよりも前方に位置してもよい。前記ヘッドアップディスプレイユニットは、前記クロスカービームよりも後方に位置する後端面を含んでもよい。
【0015】
上記の構成によれば、第1固定部は、クロスカービームよりも前方に位置するので、取付部材の第1固定部及び第2固定部は、前後に並ぶ。したがって、取付部材は、車体に安定的に支持される。この結果、車体の揺れは、車体に取り付けられた反射面及びヘッドアップディスプレイの略一致した揺れになり、ウィンドシールド上での画像位置はほとんど変動しない。したがって、運転者は、画像を快適に観察することができる。ヘッドアップディスプレイユニットの後端面は、クロスカービームの後方に位置するので、作業者は、ヘッドアップディスプレイユニットに容易にアクセスすることができる。したがって、作業者は、ヘッドアップディスプレイユニットを容易に交換することができる。
【0016】
上記の構成に関して、取付構造は、前記第1ブラケットの側方で前記クロスカービームから前方に延びる第2ブラケットを更に備えてもよい。前記取付部材は、前記第2ブラケットに固定される第3固定部を含んでもよい。前記第3固定部は、前記第1固定部よりも前方に位置してもよい。
【0017】
上記の構成によれば、取付部材は、第3固定部において、第1ブラケットの側方でクロスカービームから前方に延びる第2ブラケットに取り付けられるので、第3固定部は、第1固定部及び第2固定部の側方に位置することになる。加えて、第3固定部は、第3固定部は、第1固定部よりも前方に位置するので、第1固定部、第2固定部及び第3固定部は、前後方向に並ぶことになる。したがって、取付部材は、車体に安定的に支持される。この結果、車体の揺れは、車体に取り付けられた反射面及びヘッドアップディスプレイの略一致した揺れになり、ウィンドシールド上での画像位置はほとんど変動しない。したがって、運転者は、画像を快適に観察することができる。
【0018】
上記の構成に関して、取付構造は、前記第1ブラケットの側方で前記クロスカービームから前方に延びる第3ブラケットを更に備えてもよい。前記第1ブラケットは、前記第2ブラケットと前記第3ブラケットとの間に位置してもよい。前記取付部材は、前記第3ブラケットに固定される第4固定部を含んでもよい。前記第4固定部は、前記第1固定部よりも前方且つ前記第3固定部よりも後方に位置してもよい。
【0019】
上記構成によれば、第1ブラケットは、第2ブラケットと第3ブラケットとの間に位置するので、第3固定部及び第4固定部それぞれは、第1固定部及び第2固定部の側方に位置することになる。したがって、取付部材は、車体に安定的に支持される。この結果、車体の揺れは、車体に取り付けられた反射面及びヘッドアップディスプレイの略一致した揺れになり、ウィンドシールド上での画像位置はほとんど変動しない。したがって、運転者は、画像を快適に観察することができる。
【0020】
上記の構成に関して、前記第1ブラケットは、前記クロスカービームから前方に延びる第1部分と、前記第1部分から下方に屈曲した第2部分と、前記第2部分から前方に屈曲する第3部分と、を含んでもよい。前記第1固定部は、前記第1部分に固定されてもよい。前記第3部分は、前記ダッシュパネルに固定されてもよい。
【0021】
上記の構成によれば、車両の衝突時においてダッシュパネルに作用する後向きの衝撃力は、ダッシュパネルに固定された第3部分に伝達される。第3部分は、第1部分から下方に屈曲した第2部分に連なるので、第2部分及び第3部分は、衝撃力に応じて変形し、衝撃力を吸収することができる。取付部材は、第1固定部において、第1部分に固定されるので、第1ブラケットに対する取付部材の連結は、第1ブラケットの衝撃吸収性能にほとんど影響しない。
【0022】
上記の構成に関して、前記第1部分は、前記第3部分よりも広い側方幅を有してもよい。
【0023】
上記の構成によれば、第1部分は、第3部分よりも広い側方幅を有するので、取付部材は、第1ブラケット上で安定的に支持される。
【0024】
上記の構成に関して、前記第1部分は、前記第2部分に向けて狭まってもよい。
【0025】
上記の構成によれば、第1部分は、第2部分に向けて狭まるので、設計者は、第2部分及び第3部分に細い形状を与えることができる。第2部分及び第3部分は、変形しやすくなるので、第1ブラケットは、衝撃力を効果的に吸収することができる。
【発明の効果】
【0026】
上述の技術は、ヘッドアップディスプレイの容易な交換を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】分解された例示的な取付構造の概略的な斜視図である。
図2図1に示される取付構造の概略的な斜視図である。
図3図1に示される取付構造の概略的な縦断面図である。
図4A図1に示される取付構造の概略的な平面図である。
図4B図1に示される取付構造の概略的な底面図である。
図5図1に示される取付構造の取付部材の概略的な斜視図である。
図6図1に示される取付構造の概略的な斜視図である。
図7図1に示される取付構造の概略的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、分解された例示的な取付構造100の概略的な斜視図である。図1を参照して、取付構造100が説明される。「左」、「右」、「前」、「後」、「上」や「下」といった方向を表す用語、説明の明瞭化のみを目的とする。したがって、これらの用語は、本実施形態の原理を限定的に解釈するために用いられるべきではない。
【0029】
取付構造100は、ヘッドアップディスプレイユニット(以下、「HUDユニット110」と称される)と、第1ブラケット120と、取付部材130と、を備える。HUDユニット110は、筐体111を有する。筐体111は、HUDユニット110の外面を形成する。HUDユニット110は、筐体111内に配置された様々な光学機器(図示せず:たとえば、レンズ、ミラーや光源)を更に含む。これらの光学機器は、画像信号に応じて投影光を生成する。投影光は、車体(図示せず)に取り付けられた反射面(たとえば、ウィンドシールド(図示せず)、ホログラム素子(図示せず)や反射鏡(図示せず))へ、筐体111の上面に形成された透明領域112を通じて投影される。投影光は、反射面によって反射され、運転者の眼に入射する。この結果、運転者は、投影光によって表される画像から様々な情報を受け取ることができる。HUDユニット110は、市販される様々なヘッドアップディスプレイ装置であってもよい。したがって、本実施形態の原理は、HUDユニット110として用いられる特定の装置に限定されない。
【0030】
取付部材130は、左側壁131と、右側壁132と、主板133と、を含む。主板133は、左側壁131と右側壁132との間に位置する。左側壁131、右側壁132及び主板133は、樹脂成型技術によって、一体的に形成される。HUDユニット110は、主板133上で固定される。
【0031】
第1ブラケット120は、クロスカービームCCBから前方に延びる。取付部材130の主板133は、第1ブラケット120及びクロスカービームCCBに固定される。
【0032】
図2は、取付構造100の概略的な斜視図である。図3は、取付構造100の概略的な縦断面図である。図1乃至図3を参照して、取付構造100が更に説明される。
【0033】
第1ブラケット120は、第1部分121と、第2部分122と、第3部分123と、を含む。第1部分121は、クロスカービームCCBから前方に延びる。第1部分121の基端部は、クロスカービームCCBに固定される(図2を参照)。第2部分122は、第1部分121の先端から下方に湾曲する。第3部分123は、水平板部124と、先端板部125と、を含む。水平板部124は、第2部分122の下端から前方に湾曲し、略水平に延びる。先端板部125は、水平板部124の先端部から下方に湾曲する。先端板部125は、ダッシュパネルDSPに固定される(図3を参照)。
【0034】
図4Aは、取付構造100の概略的な平面図である。図4Bは、取付構造100の概略的な底面図である。図3乃至図4Bを参照して、取付構造100が更に説明される。
【0035】
取付部材130の主板133は、第1板部134と、第2板部135と、を含む。第1板部134は、HUDユニット110の筐体111の底面と第1ブラケット120の第1部分121との間に配置される(図3を参照)。第2板部135は、第1板部134の前端から上方に湾曲する。この結果、湾曲したコーナ部136が、第1板部134と第2板部135との間に形成される。
【0036】
図3乃至図4Bは、ネジSCWを示す。ネジSCWは、クロスカービームCCBよりも前方で、第1ブラケット120の第1部分121と主板133の第1板部134とを貫通する。したがって、ネジSCWの周囲において、取付部材130は、第1ブラケット120の第1部分121に固定される。本実施形態に関して、第1固定部は、ネジSCWの周囲における第1板部134の領域によって例示される。
【0037】
車両(図示せず)の衝突時において、ダッシュパネルDSP(図3を参照)には後向きの衝撃力が加わる。衝撃力は、第1ブラケット120の先端板部125、水平板部124及び第2部分122へ順に伝達される。この結果、第1ブラケット120の第2部分122及び第3部分123は、衝撃力に応じて変形することができる。したがって、第2部分122及び第3部分123は、衝撃力を効果的に吸収することができる。上述の如く、取付部材130は、ネジSCWによって第1ブラケット120の第1部分121に固定されるので、取付部材130及び第1ブラケット120の連結部位は、第1ブラケット120の変形部位(すなわち、第2部分122及び第3部分123)とは位置的に異なる。したがって、取付部材130及び第1ブラケット120の連結構造は、第2部分122及び第3部分123の変形をほとんど阻害しない。すなわち、取付部材130及び第1ブラケット120の連結構造は、第1ブラケット120の衝撃吸収能力に悪影響を与えにくい。
【0038】
図5は、クロスカービームCCBに取り付けられた取付部材130の概略的な斜視図である。図1図3及び図5を参照して、取付部材130が説明される。
【0039】
取付部材130の第1板部134は、横方向に延びる横梁部137を含む。横梁部137は、第1板部134の後端縁の一部を形成する。横梁部137は、クロスカービームCCBに沿って配置される(図5を参照)。横梁部137には、2つの貫通孔138が形成される(図1を参照)。
【0040】
図1は、2つの固定片FPCを示す。貫通孔TRHは、これらの固定片FPCそれぞれに形成される。2つの貫通孔138が、2つの固定片FPCの貫通孔TRHにそれぞれ重なるように、取付部材130は、クロスカービームCCB上に設置される。図5は、2つのネジSCXを示す。2つのネジSCXそれぞれは、貫通孔138,TRHを貫通する。この結果、取付部材130は、第1ブラケット120だけでなく、クロスカービームCCBにも固定される。本実施形態に関して、第2固定部は、横梁部137によって例示される。第2固定部は、クロスカービームCCBの形状や構造に適合する他の構造を有してもよい。したがって、本実施形態の原理は、第2固定部の特定の構造に限定されない。
【0041】
図3は、インストルメントパネルISPの上面を形成するパネル部材PNMを示す。HUDユニット110は、インストルメントパネルISPと取付部材130との間に形成された空間に配置される。HUDユニット110の筐体111は、後端面113を含む。後端面113は、クロスカービームCCBよりも後方に位置するので(図3を参照)、インストルメントパネルISPの外面を形成する化粧板が取り外されると、作業者は、後端面113に容易にアクセスすることができる。取付部材130は、全体的に、クロスカービームCCBよりも前方に位置するので、作業者が後端面113を保持し、HUDユニット110を後方に引き出そうとする作業は、取付部材130によって邪魔されない。
【0042】
クロスカービームCCB及び第1ブラケット120は、車体の一部を形成する。HUDユニット110は、取付部材130を介して、クロスカービームCCBと第1ブラケット120とに固定されるので、車体の揺れは、HUDユニット110に直接的に伝達される。このとき、HUDユニット110の揺れは、車体の揺れに略一致する。HUDユニット110と同様に、ウィンドシールド(図示せず)も車体に取り付けられる。したがって、ウィンドシールドの揺れも、車体の揺れに略一致する。HUDユニット110の揺れは、ウィンドシールドの揺れに略一致することになるので、HUDユニット110がウィンドシールドに投影光を投影するならば、ウィンドシールド上における画像の位置は、ほとんど変動しない。したがって、運転者は、投影光によって表される画像を快適に観察することができる。
【0043】
<他の特徴>
設計者は、上述の取付構造に様々な特徴を与えることができる。以下に説明される特徴は、上述の実施形態に関連して説明された設計原理を何ら限定しない。
【0044】
(インストルメントパネルと取付部材との間の連結構造)
図6は、取付構造100の概略的な斜視図である。図1図3及び図6を参照して、インストルメントパネルISPと取付部材130との間の例示的な連結構造が説明される。
【0045】
主板133の第2板部135は、横方向に延びるフラップ部139を含む。第2板部135のフラップ部139は、第1板部134の横梁部137(図1を参照)よりも前方に位置する。フラップ部139は、第2板部135の上縁の一部を形成する。
【0046】
フラップ部139には、3つの貫通孔231が形成される(図1を参照)。これらの貫通孔231に重なる3つの貫通孔(図示せず)は、パネル部材PNMに形成される。図6は、3つのネジSCYを示す。3つのネジSCYそれぞれは、フラップ部139の貫通孔231及びパネル部材PNMの貫通孔を貫通する。この結果、取付部材130は、第1ブラケット120及びクロスカービームCCBだけでなく、インストルメントパネルISPにも固定される。本実施形態に関して、パネル固定部は、フラップ部139によって例示される。パネル固定部は、パネル部材PNMの形状及び構造に適合する他の構造を有してもよい。したがって、本実施形態の原理は、パネル固定部の特定の構造に限定されない。
【0047】
第1板部134の横梁部137は、クロスカービームCCBに固定される。第2板部135のフラップ部139は、パネル部材PNMに固定される。取付部材130は、横梁部137とフラップ部139との間で第1ブラケット120に固定される。車両に対する取付部材130の固定位置は、車両の前後方向に並ぶので、取付部材130は、車両内で安定的に支持される。
【0048】
(ヘッドアップディスプレイユニットと取付部材との間の連結構造)
図7は、取付構造100の概略的な斜視図である。図5及び図7を参照して、HUDユニット110と取付部材130との間の連結構造が説明される。
【0049】
取付部材130の第1板部134は、左柱部232と、右脚部233と、右柱部234と、を含む(図5を参照)。左柱部232は、横梁部137の左端において後方に突出する。右脚部233は、横梁部137の右端から下方に湾曲し、クロスカービームCCBの外周面に当接される。右柱部234は、右脚部233から後方に突出する。
【0050】
第2板部135は、左柱部235と、右柱部236と、を含む。左柱部235及び右柱部236は、フラップ部139の若干下方で、後方に突出する。第2板部135の左柱部235は、第1板部134の左柱部232の右側且つ上方に位置する。第2板部135の右柱部236は、第1板部134の右柱部234の左側且つ上方に位置する。第2板部135の右柱部236は、第2板部135の左柱部235の左方に位置する。
【0051】
第1板部134の左柱部232及び右柱部234は、第1板部134と第2板部135との間のコーナ部136よりも後方に位置する。第2板部135の左柱部235及び右柱部236は、コーナ部136よりも上方に位置する。
【0052】
図7に示される如く、HUDユニット110は、筐体111と第2板部135とによって挟まれる前板114を含む。筐体111は、上筐体115と、下筐体116と、を含む。上筐体115は、下筐体116に重ねられ、下筐体116と協働して、様々な光学機器が収容される内部空間を形成する。前板114は、上筐体115の前面に固定される。前板114は、左耳部117と、右耳部118と、を含む。左耳部117及び右耳部118は、上筐体115の上面から上方に突出し、左柱部235及び右柱部236の後端面にそれぞれ重なる。図5に示される如く、貫通孔237は、左柱部235の後端面に形成される。図5に示される如く、貫通孔238は、右柱部236の後端面に形成される。図7は、ネジSC1,SC2を示す。ネジSC1は、左耳部117に形成された貫通孔(図示せず)及び左柱部235の貫通孔237を貫通する。ネジSC2は、右耳部118に形成された貫通孔(図示せず)及び右柱部236の貫通孔238を貫通する。この結果、筐体111は、前板114を介して、取付部材130の第2板部135に固定される。本実施形態に関して、第2ユニット固定部は、左耳部117と右耳部118とによって例示される。第2ユニット固定部は、取付部材130の第2板部135の形状に適合する他の構造を有してもよい。したがって、本実施形態の原理は、第2ユニット固定部の特定の構造に限定されない。
【0053】
下筐体116は、主部211と、突出板212と、を含む。主部211は、上筐体115の下方に位置し、上筐体115と協働して、様々な光学機器が収容される内部空間を形成する。主部211の左下に位置する角隅部は、左柱部232の後端面に重なる。突出板212は、主部211の下縁の右端から下方に突出し、右柱部234の後端面に重なる。図5に示される如く、貫通孔241は、左柱部232の後端面に形成される。貫通孔242は、右柱部234の後端面に形成される。図7は、ネジSC3,SC4を示す。ネジSC3は、主部211の左下の角隅部に形成された貫通孔(図示せず)及び左柱部232の後端面に形成された貫通孔241を貫通する。ネジSC4は、突出板212に形成された貫通孔(図示せず)と右柱部234の後端面に形成された貫通孔242を貫通する。この結果、筐体111は、取付部材130の第1板部134に固定される。本実施形態に関して、第1ユニット固定部は、主部211の左下の角隅部と突出板212とによって例示される。第1ユニット固定部は、取付部材130の第1板部134の形状に適合する他の構造を有してもよい。したがって、本実施形態の原理は、第1ユニット固定部の特定の構造に限定されない。
【0054】
(追加的なブラケット)
取付部材は、第1ブラケットに加えて、追加的なブラケットを用いて支持されてもよい。以下に、追加的なブラケットが説明される。
【0055】
図4Bに示される如く、取付構造100は、第2ブラケット140と、第3ブラケット150と、を更に備える。第2ブラケット140は、第1ブラケット120の右方で、クロスカービームCCBから前方に延びる。第3ブラケット150は、第1ブラケット120の左方で、クロスカービームCCBから前方に延びる。したがって、第1ブラケット120は、第2ブラケット140と第3ブラケット150との間に位置することになる。
【0056】
第2ブラケット140及び第3ブラケット150は、全体的に、J字形状をなす。すなわち、第2ブラケット140及び第3ブラケット150は、第1板部134の下面に沿って延び、コーナ部136に沿って湾曲する。第2ブラケット140及び第3ブラケット150それぞれの先端は、第2板部135の前面に当接される。
【0057】
図4B及び図5は、ネジSC5,SC6を示す。ネジSC5は、第2ブラケット140に形成された貫通孔(図示せず)及び第1板部134に形成された貫通孔を貫通する。この結果、第2ブラケット140は、クロスカービームCCBと取付部材130とに接続される。ネジSC6は、第3ブラケット150に形成された貫通孔(図示せず)及び第1板部134に形成された貫通孔を貫通する。この結果、第3ブラケット150は、クロスカービームCCBと取付部材130とに接続される。したがって、取付部材130は、第1ブラケット120だけでなく、第2ブラケット140と第3ブラケット150とによっても支持される。本実施形態において、第3固定部は、ネジSC5の周囲における第2板部135の領域によって例示される。第4固定部は、ネジSC6の周囲における第2板部135の領域によって例示される。
【0058】
ネジSCWの右方のネジSC5は、ネジSCWの前方に位置する。ネジSCWの左方のネジSC6は、ネジSCWの前方且つネジSC5の後方に位置する。ネジSCW,SC5,SC6は、横方向及び前後方向において一線状に整列しないので、取付部材130は、方向において異なる様々な力を受けても、第1ブラケット120、第2ブラケット140及び第3ブラケット150によって安定的に支持されることになる。
【0059】
(第1ブラケットの形状)
設計者は、第1ブラケットに様々な形状を与えることができる。以下、第1ブラケットの例示的な形状が説明される。
【0060】
図4Bに示される如く、第1ブラケット120の第1部分121は、第2部分122及び第3部分123よりも広い側方幅を有する。上述の如く、取付部材130は、第1ブラケット120の中で最も広い第1部分121に固定されるので、取付部材130は、第1ブラケット120によって安定的に支持される。
【0061】
図4Bに示される如く、第1ブラケット120の第1部分121は、第2部分122に向けて狭まる。この結果、第2部分122は、第1部分121となだらかに連続する。第1部分121と第2部分122との間の境界において断面差は生じないので、車両(図示せず)の衝突時の第2部分122及び第3部分123の変形の間、過度に大きな負荷は、第1部分121と第2部分122との間の境界に生じにくい。したがって、第1部分121から破断されることなく、第2部分122及び第3部分123は変形することができる。この結果、第1ブラケット120は、車両の衝突によって生じた衝撃を効果的に吸収することができる。
【0062】
上述の様々な特徴は、様々な車両の全体的な設計に適合するように、組み合わされてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
上述の実施形態の原理は、ヘッドアップディスプレイを取り付けるための様々な取付構造に好適に利用される。
【符号の説明】
【0064】
100・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・取付構造
110・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・HUDユニット
111・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・筐体
113・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・後端面
117・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・左耳部(第2ユニット固定部)
118・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・右耳部(第2ユニット固定部)
120・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第1ブラケット
121・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第1部分
122・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第2部分
123・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第3部分
130・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・取付部材
134・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第1板部
135・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第2板部
136・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・コーナ部
137・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・横梁部(第2固定部)
139・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・フラップ部(パネル固定部)
140・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第2ブラケット
150・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第3ブラケット
CCB・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クロスカービーム
DSP・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ダッシュパネル
ISP・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・インストルメントパネル
PNM・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・パネル部材
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7