(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記上端部は、前記ドア本体の下端の延在方向と直交する方向において、前記溝の幅よりも幅広形状とされるとともに、前記上端部の下端から上端に向かうにつれて幅が狭くなる形状とされ、かつ前記溝を通過可能な弾性体であることを特徴とする請求項4記載のドア隙間遮音機構。
少なくとも前記床側遮蔽部に乗り上げる側の前記下端部の形状、及び少なくとも前記下端部が乗り上げる側の前記床側遮蔽部の形状が、丸みを帯びた形状であることを特徴とする請求項1ないし5のうち、いずれか1項記載のドア隙間遮音機構。
前記ドア側遮蔽部、及び前記床側遮蔽部のうち、少なくとも前記ドア側遮蔽部と前記床側遮蔽部とが接触する部分は、コーティング層で構成されていることを特徴とする請求項1ないし6のうち、いずれか1項記載のドア隙間遮音機構。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に開示されたドアの遮音構造は、タンク内の不活性ガスを吸い出して閉塞部材内に圧送するポンプや、ポンプと閉塞部材内とを連通接続する配管中に設けられた電磁弁等を有するため、電力を使用しないと遮音できないという問題があった。
【0011】
また、特許文献2に開示された装置では、長期間使用すると、板ばねが疲労して、板ばねが初期の性能を発揮できない恐れや、板ばねが破損する恐れがある。このため、特許文献2に開示された装置では、長期間遮音効果を維持することが困難であった。
【0012】
そこで、本発明は、電力を使用することなく、長期間遮音効果を維持することの可能なドア隙間遮音機構、及びドアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係るドア隙間遮音機構は、ドア枠に対して開閉可能なドア本体の下端部内に設けられた空間の両側から突出することで、前記空間の幅を狭くする一対のストッパ部と、前記一対のストッパ部を構成する第1及び第2のストッパ部間に形成される溝よりも幅広形状とされ、前記一対のストッパ部の上方に位置する前記空間に配置された上端部、前記ドア本体の下端から下方に突出可能な構成とされ、床面から離間可能な構成とされた下端部、及び前記空間に配置され、鉛直方向に延在し、かつ前記上端部と前記下端部とを連結する連結部を有するとともに、前記鉛直方向に対して上下動可能な構成とされたドア側遮蔽部と、前記ドア本体の閉位置に対応する前記床面に設けられ、前記ドア本体が開位置から前記閉位置となる際に前記下端部を押し上げ、前記ドア本体の位置が閉位置において、前記ドア本体の下端から前記下端部の一部が突出した状態で、該下端部と接触する床側遮蔽部と、
前記空間のうち、前記一対のストッパ部よりも下方に位置する部分に配置され、前記下端部が上下方向に移動させられた際、前記連結部を前記鉛直方向に案内する一対のガイド部と、を有することを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、ドア本体の下端部内に設けられた一対のストッパ部と、一対のストッパ部を構成する第1及び第2のストッパ部間に形成された溝よりも幅広形状とされ、一対のストッパ部の上方に位置する空間に配置された上端部(ドア側遮蔽部の構成要素の一部)と、を有することで、鉛直方向に対して、ドア側遮蔽部が上下動可能な状態で、ドア側遮蔽部が落下しないように、一対のストッパ部でドア側遮蔽部を支持することができる。
また、床面から離間可能な構成とされた下端部を有することで、ドア枠に対してドア本体を開閉させた際、床面と下端部とが接触することがなくなるため、ドア本体の開閉をスムーズに行うことができる。
【0015】
また、鉛直方向に対して上下動可能な構成とされたドア側遮蔽部と、ドア本体の閉位置に対応する床面に設けられ、ドア本体が開位置から閉位置となる際に下端部を押し上げ、ドア本体が閉位置において、ドア本体の下端から下端部の一部が突出した状態で、下端部と接触する床側遮蔽部と、を有することで、ドア枠に対してドア本体が閉じた状態において、電力を使用することなく、ドア本体の下端と床面との隙間を閉塞させることが可能となる。これにより、電力を使用することなく、該隙間を介して伝わる音を遮音することができる。
【0016】
さらに、鉛直方向に上下動可能な状態で一対のストッパ部上に載置されたドア側遮蔽部の下端部を床側遮蔽部が押し上げることで、ドア本体の下端と床面との隙間を閉塞させる構成とされているため、長期間使用することで性能が劣化する部材(例えば、従来技術で使用されていた板ばね)を用いる必要がない。これにより、長期間遮音効果を維持するができる。
また、ドア本体の下端部内に設けられた空間のうち、一対のストッパ部よりも下方に位置する部分に配置され、下端部が上下方向に移動させられた際、連結部を鉛直方向に案内する一対のガイド部を有することで、鉛直方向に対して傾斜した方向にドア側遮蔽部が移動することがなくなるため、鉛直方向に対して確実にドア側遮蔽部を移動させることができる。
これにより、ドア枠に対してドア本体が閉じた際、ドア側遮蔽部の下端部と床側遮蔽部との間に隙間が介在されることなく、ドア本体の下端と床面との隙間を確実に閉塞させることができるとともに、鉛直方向に対して傾斜した方向にドア側遮蔽部が移動することに起因するドア側遮蔽部の破損を抑制できる。
【0020】
また、上記本発明の一態様に係るドア隙間遮音機構において、前記一対のガイド部は、スライドレールであってもよい。
【0021】
このように、一対のガイド部としてスライドレールを用いることで、床側遮蔽部によりドア側遮蔽部が上下方向に移動させられた際、鉛直方向に対してドア側遮蔽部を確実に案内することができる。
【0022】
また、上記本発明の一態様に係るドア隙間遮音機構において、前記ドア側遮蔽部は、前記ドア本体の下端の延在方向において分割された複数の分割体で構成されており、前記複数の分割体に、それぞれ前記一対のガイド部を設けてもよい。
【0023】
このように、ドア本体の下端の延在方向に配置された複数の分割体で構成されたドア側遮蔽部を有することにより、例えば、ドア枠に対してドア本体が開いた状態から閉じた状態になる際、ドア枠とドア本体とを固定する蝶番がある側に配置された分割体から順次押し上げることが可能となる。
【0024】
また、ドア枠に対してドア本体が閉じた状態から開いた状態になる際、ドア枠とドア本体とを固定する蝶番がある側から最も離間した位置に配置された分割体から順次下方に移動させることが可能となる。
したがって、鉛直方向に対して傾斜した状態で、複数の分割体が上下動(昇降)することを抑制できる。
【0025】
また、上記本発明の一態様に係るドア隙間遮音機構において、前記ストッパ部の下端と前記下端部の上端とを接続する一対のばね部材を有してもよい。
【0026】
このように、ストッパ部の下端と下端部の上端とを接続する一対のばね部材を有することにより、閉位置において該下端が接触する床側遮蔽部の上面と下端部の下端との高さの差が小さい場合でも、一対のばね部材の弾性力により、ドア側遮蔽部の下端部を床側遮蔽部の上面に確実に接触させることができる。
【0027】
また、上記本発明の一態様に係るドア隙間遮音機構において、前記上端部は、前記ドア本体の下端の延在方向と直交する方向において、前記溝の幅よりも幅広形状とされるとともに、前記上端部の下端から上端に向かうにつれて幅が狭くなる形状とされ、かつ前記溝を通過可能な弾性体であってもよい。
【0028】
このように、上端部として、ドア本体の下端の延在方向と直交する方向において、溝の幅よりも幅広形状とされるとともに、上端部の下端から上端に向かうにつれて幅が狭くなる形状とされ、かつ一対のストッパ部間に形成された溝を通過可能な弾性体を用いることで、一対のストッパ部へのドア側遮蔽部の装着を容易に行うことができる。
【0029】
また、上記本発明の一態様に係るドア隙間遮音機構において、少なくとも前記床側遮蔽部に乗り上げる側の前記下端部の形状、及び少なくとも前記下端部が乗り上げる側の前記床側遮蔽部の形状が、丸みを帯びた形状であってもよい。
【0030】
このように、少なくとも床側遮蔽部に乗り上げる側のドア側遮蔽部の下端部の形状、及び少なくとも下端部が乗り上げる側の床側遮蔽部の形状を、丸みを帯びた形状とすることで、床側遮蔽部とドア側遮蔽部の下端部とが接触した際、下端部が床側遮蔽部に引っ掛かることを抑制可能となる。したがって、床側遮蔽部により、ドア側遮蔽部をスムーズに上下動(昇降動作)させることができる。
【0031】
また、上記本発明の一態様に係るドア隙間遮音機構において、前記ドア側遮蔽部、及び前記床側遮蔽部のうち、少なくとも前記ドア側遮蔽部と前記床側遮蔽部とが接触する部分は、コーティング層で構成されていてもよい。
【0032】
このように、ドア側遮蔽部、及び床側遮蔽部のうち、少なくともドア側遮蔽部と床側遮蔽部とが接触する部分を、コーティング層で構成することで、床側遮蔽部とドア側遮蔽部の下端とが接触した際、ドア側遮蔽部の下端が床側遮蔽部に引っ掛かることをさらに抑制可能となるため、床側遮蔽部によりドア側遮蔽部をさらにスムーズに押し上げることができる。
また、閉位置からドア本体を開いた場合においても、ドア側遮蔽部の下端が床側遮蔽部に引っ掛かることをさらに抑制可能となるため、ドア側遮蔽部をさらにスムーズに押し下げることができる。つまり、ドア側遮蔽部の上下動(昇降動作)をスムーズに行うことができる。
【0033】
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係るドアは、前記ドア本体と、
上記ドア隙間遮音機構と、を有することを特徴とする。
【0034】
本発明によれば、電力を使用することなく、長期間遮音効果を維持することができる。
【0035】
上記課題を解決するため、本発明の他の態様に係るドア隙間遮音機構は、ドア枠に対して開閉可能なドア本体を構成し、かつ部屋側に位置する一方の壁を貫通するように設けられ、鉛直方向に延在する貫通溝と、前記ドア本体内に設けられた空間内に一部が収容されることで、床面から離間可能な構成とされ、前記ドア本体の下端から下方に突出可能な遮音部材と、前記一方の壁から突出し、かつ該一方の壁に対して直交した状態で、手動により前記貫通溝を移動するレバー部材と、前記空間内に配置され、前記遮音部材と前記レバー部材とを連結する連結部材と、前記部屋側に位置する前記一方の壁に設けられ、前記貫通溝の上端部と一体とされ、前記鉛直方向と直交する方向に延在し、前記レバー部材を収容する第1のレバー収容溝と、前記部屋側に位置する前記一方の壁に設けられ、前記貫通溝の下端部と一体とされ、前記鉛直方向と直交する方向に延在し、前記レバー部材を収容する第2のレバー収容溝と、を有し、前記レバー部材は、前記一方の壁に対して平行となるように倒すことの可能な構成とされており、前記第1のレバー収容溝内に前記レバー部材を倒して収容させた際、前記遮音部材の下端が前記床面の上方に離間し、前記第2のレバー収容溝内に前記レバー部材を倒して収容させた際、前記遮音部材の下端が前記床面と接触することを特徴とする。
【0036】
本発明によれば、ドア枠に対して開閉可能なドア本体の部屋側に位置する一方の壁を貫通するように設けられ、鉛直方向に延在する貫通溝と、ドア本体内に設けられた空間内に一部が収容されることで、床面から離間可能な構成とされ、ドア本体の下端から下方に突出可能な遮音部材と、一方の壁から突出し、かつ一方の壁に対して直交した状態で、手動により貫通溝を移動するレバー部材と、空間内に配置され、遮音部材とレバー部材とを連結する連結部材と、を有することで、長期間使用することで性能が劣化する部材(例えば、従来技術で使用されていた板バネ)を用いることなく、手動で貫通溝の上端部にレバー部材を移動させて、遮音部材の下端を床面の上方に離間させることが可能になるとともに、手動で貫通溝の下端部にレバー部材を移動させて、遮音部材の下端を床面と接触させることが可能となる。
【0037】
また、部屋側に位置する一方の壁に設けられ、貫通溝の上端部と一体とされ、鉛直方向と直交する方向に延在し、レバー部材を収容する第1のレバー収容溝と、部屋側に位置する一方の壁に設けられ、貫通溝の下端部と一体とされ、鉛直方向と直交する方向に延在し、レバー部材を収容する第2のレバー収容溝と、を有することで、ドア枠に対してドア本体が開いた状態において、遮音部材が床面の上方に離間するように遮音部材の位置を規制することが可能になるとともに、ドア枠に対してドア本体が閉じた状態において、遮音部材の下端部が床面と接触するように遮音部材の位置を規制することが可能になる。つまり、電力を使用することなく、長期間遮音効果を維持することができる。
【0038】
さらに、レバー部材を収容する第1及び第2のレバー収容溝を有することで、部屋側に位置する一方の壁からレバー部材が突出することがなくなる。これにより、使用者がレバー部材に体をぶつけて怪我をすることを抑制可能となるので、ドア隙間遮音機構の安全性を高めることができる。
【0039】
上記課題を解決するため、本発明の他の態様に係るドアは、前記ドア本体と、
上記ドア隙間遮音機構と、を有することを特徴とする。
【0040】
本発明によれば、電力を使用することなく、長期間遮音効果を維持することができる。
【発明の効果】
【0041】
本発明のドア隙間遮音機構、及びドアによれば、電力を使用することなく、長期間遮音効果を維持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、図面を参照して本発明を適用した実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の実施形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際のドア隙間遮音機構、及びドアの寸法関係とは異なる場合がある。
【0044】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るドアを客室(部屋)側から正面視した図であり、ドア枠に対してドア本体が閉じた状態(ドア本体が閉位置にある状態)を模式的に示す図である。
なお、
図1では、閉位置にあるドア本体21のX方向の幅と、ドア側遮蔽部32のX方向の幅と、を同じ幅にして図示しているが、実際には、ドア本体21のX方向に配置された一対の壁の厚さ分、ドア側遮蔽部32のX方向の幅は短くなる。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るドアを客室側から正面視した図であり、ドア枠に対してドア本体が開かれた状態(ドア本体が開位置にある状態)を模式的に示す図である。
図3は、
図1に示すドア枠に対して閉じたドア、ドア枠を構成する第1及び第2の枠部、床側遮蔽部、及び蝶番をA視した図である。
図4は、
図2に示すドア枠に対して開いたドア、ドア枠を構成する第1及び第2の枠部、床側遮蔽部、及び蝶番をB視した図である。
図5は、
図3に示すドア枠に対して閉じたドアの下端部、及び床側遮蔽部のC−C線方向の断面図である。
図6は、
図1及び
図2に示すドア側遮蔽部を構成する上端部及び連結部、並びにドア側遮蔽部に設けられた複数の一対のガイド部を模式的に示す斜視図である。
図7は、
図4に示すドア枠に対して開いたドアの下端部のD−D線方向の断面図である。
【0045】
なお、
図1〜
図7において、同一構成部分には、同一符号を付す。
図1、
図3、
図4、及び
図6に示すX方向は、各図におけるドア本体21の下端の延在方向(言い換えれば、ドア側遮蔽部33の延在方向)を示している。また、
図3〜
図7に示すY方向は、各図におけるドア本体21の厚さ方向(X方向に対して直交する方向)を示している。また、
図1、
図2、及び
図5〜
図7に示すZ方向は、X方向及びY方向と直交する鉛直方向(言い換えれば、ドア側遮蔽部32が移動する上下方向)を示している。
【0046】
また、
図4に示すE方向は、閉位置からドア本体21を開ける際にドア本体21を移動させる方向を示している。また、
図4、
図5、及び
図7に示すF方向は、開位置からドア本体21を閉じる際にドア本体21を移動させる方向を示している。
また、
図5〜
図7では、一対のガイド部35を構成するガイド部35−1,35−2の一例として、スライドレールを図示する。
【0047】
図1〜
図7を参照するに、第1の実施の形態のドア10は、ドア本体21と、ドアレバー23,24と、ドア隙間遮音機構26と、を有する。
【0048】
ここで、ドア本体21、ドアレバー23,24、及びドア隙間遮音機構26を説明する前に、閉位置においてドア本体21を収容するドア枠11について説明する。
ドア枠11は、壁13に形成された矩形の貫通部13A内に固定されている。ドア枠11は、コの字を左に90度回転させた形状とされており、第1〜第3の枠部11−1〜11−3を有する。
【0049】
第1及び第2の枠部11−1,11−2は、床面15からZ方向に延在する外形が四角柱状の部材である。第1及び第2の枠部11−1,11−2は、対向するように配置されている。第1及び第2の枠部11−1,11−2の高さは、等しくなるように構成されている。
第3の枠部11−3は、第1及び第2の枠部11−1,11−2の配列方向に延在する部材であり、外形が四角柱状とされている。第3の枠部11−3は、その一端が第1の枠部11−1の上端部と一体とされており、他端が第2の枠部11−2の上端部と一体とされている。
【0050】
上記構成とされたドア枠11と第3の枠部11−3の下方に位置する床面15とは、ドア10がドア枠11に対して閉じた際、ドア本体21、ドア側遮蔽部32、及び床側遮蔽部33が収容されるドア収容部11Aを区画している。
【0051】
ドア本体21は、その一方の側壁部が、複数の蝶番12を介して、ドア枠11の第1の枠部11−1に固定されている。これにより、ドア本体21は、E方向及びF方向に開閉可能な構成とされている。
ドア枠11に対してドア本体21が閉じた状態において、ドア本体21の下端21Aと床面15との間には、隙間が形成されている。この隙間は、ドア側遮蔽部32と床側遮蔽部33とで閉塞されている。
【0052】
ドア本体21は、矩形とされ、かつY方向において、対向配置された第1及び第2の壁21−1,21−2を有する。第1の壁21−1(一方の壁)は、ドア枠11に対してドア10が閉じた状態で客室側に配置される壁である。第2の壁21−2は、ドア枠11に対してドア10が閉じた状態で通路側に配置される壁である。
第1及び第2の壁21−1,21−2で区画されたドア本体21の下端部には、少なくともドア側遮蔽部32を収容可能な空間21Bが形成されている。
【0053】
ドアレバー23は、第1の壁21−1に設けられている。ドアレバー23は、客室の内側からドア本体21を開閉する際に使用するレーバーである。
ドアレバー24は、ドア本体21を介して、ドアレバー23と対向するように、第2の壁21−2に設けられている。ドアレバー24は、ドア本体21内において、ドアレバー23と接続されている。ドアレバー24は、通路側からドア本体21を開閉する際に使用するレーバーである。
上記ドアレバー23,24としては、例えば、ロゼット付きレバーを用いることができる。
【0054】
なお、
図1〜
図4では、ドア本体21を開閉するための手段の一例として、ドアレバー23,24を有する場合を例に挙げて説明したが、ドアレバー23,24に替えて、例えば、ドアノブを用いてもよい。
【0055】
ドア隙間遮音機構26は、一対のストッパ部31と、ドア側遮蔽部32と、床側遮蔽部33と、一対のガイド部35と、を有する。
一対のストッパ部31は、第1のストッパ部31−1と、第2のストッパ部31−2と、を有する。第1のストッパ部31−1は、第1の壁21−1の下端部の内側からY方向(具体的には、第1の壁21−1から第2の壁21−2に向かうY方向)に突出するように設けられている。
【0056】
第2のストッパ部31−2は、第2の壁21−2の下端部の内側からY方向(具体的には、第2の壁21−2から第1の壁21−1に向かうY方向)に突出するように設けられている。
つまり、第1及び第2のストッパ部31−1,31−2は、空間21Bの両側から突出することで、第1のストッパ部31−1と第2のストッパ部31−2との間に位置する空間21Bの幅を狭くしている。これにより、第1のストッパ部31−1と第2のストッパ部31−2との間には、溝37が形成されている。
【0057】
第1及び第2のストッパ部31−1,31−2は、ドア側遮蔽部32の連結部32−3を通過させることの可能な溝37を介在させた状態で対向配置されている。
溝37のY方向の幅は、鉛直方向に対して、連結部32−3をスムーズに上下動させることの可能な大きさとされている。
第1及び第2のストッパ部31−1,31−2は、ドア側遮蔽部32の上端部32−1が第1及び第2のストッパ部31−1,31−2の下方に落下することを防止するための支持部として機能する。
【0058】
上記構成とされた第1及び第2のストッパ部31−1,31−2は、ドア本体21と一体構成してもよいし、ドア本体21とは別体としてもよい。
また、第1及び第2のストッパ部31−1,31−2は、それぞれX方向に連続して延在する1つの突出部で構成してもよいし、X方向に配置された複数の突出部で構成してもよい。
【0059】
ドア側遮蔽部32は、上端部32−1と、連結部32−2と、下端部32−3と、を有する。上端部32−1は、Y方向における溝37の幅よりも幅広形状とされている。上端部32−1は、X方向に延在する板状の部材である。
上端部32−1は、ドア枠11に対してドア本体21が閉じた状態(
図5に示す状態)において、一対のストッパ部31からその上方に離間した空間21Bに配置される。また、上端部32−1は、ドア枠11に対してドア本体21が開いた状態(
図7に示す状態)において、一対のストッパ部31上(第1及び第2のストッパ部31−1,31−2上)に配置される。
【0060】
上記構成とされた上端部32−1を有することで、ドア本体21の下端部に位置する空間21Bに、一対のストッパ部31からその下方に落下しない状態で、かつZ方向(上下方向)に移動可能な状態でドア側遮蔽部32を配置することができる。
【0061】
また、Y方向における上端部32−1の幅は、Y方向における空間21Bの幅よりも僅かに狭くなるような大きさにするとよい。これにより、ドア側遮蔽部32が上下方向に移動した際、鉛直方向に対して傾斜した状態で、ドア側遮蔽部32が上下動することを抑制可能となる。
これにより、ドア本体21の下端部内においてドア側遮蔽部32をスムーズに上下動させることができるとともに、ドア本体21が閉じられた状態において、ドア側遮蔽部32の下端部32−3と床側遮蔽部33とを確実に接触させることができる。
【0062】
連結部32−2は、その上端が上端部32−1の下端と一体に構成されている。連結部32−2は、溝37を通過し、溝の下方(鉛直方向)に延在するとともに、X方向にも延在している。連結部32−2の下端は、下端部32−2の上端と一体に構成されている。連結部32−2は、上端部32−1と下端部32−3とを連結するための部材である。
【0063】
なお、本実施の形態では、一例として、上端部32−1、連結部32−2、及び下端部32−3を一体に構成した場合を例に挙げて説明したが、上端部32−1、連結部32−2、及び下端部32−3は、それぞれ別体としてもよい。このように、別体とすることで、各部の材料を異ならせることができる。
【0064】
下端部32−3は、ドア本体21が開かれた状態(上端部32−1が一対のストッパ部31上に支持された状態(
図7参照))において、下端部32−3の下端と床面15と間に隙間が形成されるような高さに設定されている。
このように、ドア本体21が開かれた状態において、下端部32−3の下端と床面15と間に隙間を介在させることにより、ドア本体21を開閉させる際に、下端部32−3と床面15とが接触することがなくなるため、ドア本体21の開閉をスムーズに行うことができる。
上記隙間の高さH
2の大きさは、例えば、1〜10mmとすることができる。
【0065】
下端部32−3は、ドア本体21を開いた状態から閉じることで、第1の枠部11−1と第2の枠部11−2との間に位置する床面15に固定された床側遮蔽部33に乗り上げる。
このとき、床側遮蔽部33により、下端部32−3を介して、ドア側遮蔽部32が押し上げられることで、上端部32−1が一対のストッパ部31の上方に離間するため、ドア側遮蔽部32の自重により、ドア側遮蔽部32の下端部32−3と床側遮蔽部33とが接触する。これにより、ドア本体21の下端21Aと床面15との間に配置された隙間が閉塞され、遮音することができる。
【0066】
少なくとも床側遮蔽部33に乗り上げる側の下端部32−3の形状は、丸みを帯びた形状にするとよい。
このような形状とすることで、ドア本体21を開閉させた際、床側遮蔽部33上を下端部32−3が移動しやすくなるため、ドア本体21の開閉をスムーズに行うことができる。また、ドア本体21を開閉させた際、床側遮蔽部33に下端部32−3が引っ掛かることを抑制可能となるので、ドア側遮蔽部32の破損を抑制できる。
【0067】
図8〜
図10は、ドア側遮蔽部の下端部の他の断面形状を示す断面図である。
図8〜
図10において、
図5に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。また、
図8〜
図10では、下端部32−3A〜32−3Cと床側遮蔽部33との位置関係を明確にするため、下端部32−3A〜32−3C以外の構成である床側遮蔽部33及び床面15を図示する。
【0068】
なお、
図5及び
図6では、の断面形状の一例として、円を均等に4分割させた形状を例に挙げて説明したが、下端部32−3の断面形状は、これに限定されない。
例えば、
図8に示すように、床側遮蔽部33と対向する側の下端部32−3Aと、床側遮蔽部33と対向しない側の下端部32−3Aと、を丸くした半円形状の下端部32−3Aを用いてもよい。
【0069】
また、
図9に示すように、二等辺三角形の頂角付近(下端)を丸くした下端部32−3Bを用いてもよい。或いは、
図10に示すように、床側遮蔽部33側の辺がZ方向に対して傾斜し、該辺の反対側に位置する辺がZ方向に対して平行となり、かつ下端を丸くした下端部32−3Cを用いてもよい。
図5及び
図7に示す下端部32−3に替えて、
図8〜
図10に示す形状とされた下端部32−3A〜32−3Cを用いた場合も下端部32−3を用いた場合と同様な効果を得ることができる。
【0070】
図5、
図7、及び
図8〜
図10では、床側遮蔽部33に乗り上げる部分が丸みを帯びた形状とされた下端部32−3,32−3A〜32−3Cを例に挙げて説明したが、床側遮蔽部33に乗り上げる部分の形状を、丸みを帯びた形状にすることは必修の構成ではない。
【0071】
例えば、床側遮蔽部33の上面のうち、下端部32−3,32−3A〜32−3Cと接触する面の形状が丸みを帯びた形状である場合には、
図5、
図7、及び
図8〜
図10に示す下端部32−3,32−3A〜32−3Cのように、丸みを帯びた形状にしなくてもよい。
【0072】
図1〜
図4を参照するに、床側遮蔽部33は、第1の枠部11−1と第2の枠部11−2との間に位置する床面15に固定されている。床側遮蔽部33は、第1及び第2の枠部11−1,11−2の配列方向に延在している。
床側遮蔽部33は、その中央部が平坦な面とされており、その両側(下端部32−3が乗り上げる側を含む)が丸みを帯びた形状とされている。
このように、下端部32−3が乗り上げる側の床側遮蔽部33の形状を、丸みを帯びた形状とすることにより、ドア本体21を開閉させた際、下端部32−3が床側遮蔽部33上をスムーズに移動することが可能となるので、ドア側遮蔽部32が破損することを抑制できる。
【0073】
図5及び
図7を参照するに、床側遮蔽部33の高さH
1は、下端部32−3の下端と床面15との間に形成された隙間の高さH
2よりも高くなるように構成されている。
このように、床側遮蔽部33の高さH
1を、下端部32−3と床面15との間に形成された隙間の高さH
2よりも高くすることで、ドア本体21を閉じた際、床側遮蔽部33と接触した状態で下端部32−3が鉛直方向に押し上げられることが可能となる。これにより、ドア本体21と床面15との隙間をドア側遮蔽部32と床側遮蔽部33とで閉塞させて、遮音することができる。
【0074】
隙間の高さH
2が3mmの場合、床側遮蔽部33の高さH
1は、例えば、5mmとすることができる。また、床側遮蔽部33の高さH
1と隙間の高さH
2との差は、例えば、1〜5mmの範囲内とすることができる。
【0075】
図5〜
図7を参照するに、一対のガイド部35は、一対のストッパ部31の下方に位置する第1及び第2の壁21−1,21−2と連結部32−2との間に配置されている。一対のガイド部35は、X方向に対して複数配置されている。
【0076】
一対のガイド部35は、スライドレールであり、ガイド部35−1,35−2を有する。ガイド部35−1は、アウターチャネル41−1と、インナーチャネル42−1と、を有する。
アウターチャネル41−1は、Z方向に延在するように、第1の壁21−1の内面に固定されている。インナーチャネル42−1は、第1の壁21−1の内面と対向する連結部32−2の面に固定されている。インナーチャネル42−1は、Z方向に延在しており、Z方向に対してスライド可能な状態で、その一部がアウターチャネル41−1内に収容されている。
【0077】
ガイド部35−2は、アウターチャネル41−2と、インナーチャネル42−2と、を有する。
アウターチャネル41−2は、Z方向に延在するように、第2の壁21−2の内面に固定されている。インナーチャネル42−2は、第2の壁21−2の内面と対向する連結部32−2の面に固定されている。インナーチャネル42−2は、Z方向に延在しており、Z方向に対してスライド可能な状態で、その一部がアウターチャネル41−2内に収容されている。
【0078】
このように、第1及び第2の壁21−1,21−2と連結部32−2との間に配置され、床側遮蔽部33により下端部32−3が押し上げられた際、連結部32−2を鉛直方向(Z方向)に案内する一対のガイド部35としてスライドレールを設けることで、鉛直方向に対して傾斜した方向にドア側遮蔽部32が移動することがなくなるため、鉛直方向に対してドア側遮蔽部32を確実に上下動させることが可能となる。
【0079】
これにより、ドア枠11に対してドア本体21が閉じた際、ドア側遮蔽部32の下端部32−3と床側遮蔽部33との間に隙間が介在されることなく、ドア本体21の下端21Aと床面15との隙間を確実に閉塞させることができるとともに、鉛直方向に対して傾斜した方向にドア側遮蔽部32が移動することに起因するドア側遮蔽部32の破損を抑制することができる。
【0080】
なお、ドア枠11に対して閉じた状態のドア本体21を開く場合においても、ドア側遮蔽部32を鉛直方向(具体的には、下方)に確実に移動させることが可能となるので、ドア側遮蔽部32が下方に移動させられることに起因するドア側遮蔽部32の破損も抑制できる。
【0081】
上記構成とされたドア10において、ドア枠11に対してドア本体21が開位置(
図4及び
図7に示す状態)にある場合、ドア本体21の下端21Aから下方に突出する下端部32−3の下端は、床面15の上方に離間した位置に存在する。
よって、この状態からドア本体21をF方向に移動させても、ドア側遮蔽部32と床側遮蔽部33とが接触する前の段階では、ドア側遮蔽部32の下端部32−3が床面15と接触することはない(
図4参照)。
【0082】
その後、ドア本体21がさらにF方向に移動すると、ドア側遮蔽部32の下端部32−3が床側遮蔽部33に到達する。そして、ドア側遮蔽部32の下端部32−3は、床側遮蔽部33と接触した状態で、床側遮蔽部33の丸みを帯びた側面部の上面に沿って、床側遮蔽部33上を移動する。
その後、ドア10がドア枠11内に収容され、ドア本体21の位置が規制されると、ドア側遮蔽部32の下端部32−3は、床側遮蔽部33の中央部の平坦な上面と接触した状態で停止する。この状態になると、ドア側遮蔽部32及び床側遮蔽部33により、ドア本体21の下端21Aと床面15との間の隙間が閉塞され、該隙間を介して伝わる音を遮音することができる。
【0083】
第1の実施の形態のドア隙間遮音機構によれば、ドア本体21の下端部内に設けられた一対のストッパ部31と、一対のストッパ部31を構成する第1及び第2のストッパ部31−1,31−2の間隔よりも幅広形状とされ、一対のストッパ部31の上方に位置するドア本体21内の空間21Bに配置された上端部32−1(ドア側遮蔽部32の構成要素の一部)と、を有することで、ドア側遮蔽部32が鉛直方向に移動可能な状態で、ドア側遮蔽部32が落下しないように、一対のストッパ部31でドア側遮蔽部32を支持することができる。
【0084】
また、床面15から離間可能な構成とされた下端部32−3を有することで、ドア枠11に対してドア本体2を開閉させた際、床面15と下端部32−3とが接触することがなくなるため、ドア本体21の開閉をスムーズに行うことができる。
【0085】
また、鉛直方向(Z方向)に対して上下動可能な構成とされたドア側遮蔽部32と、ドア本体21の閉位置に対応する床面15に設けられ、ドア本体21が開位置から閉位置となる際に下端部32−3を押し上げ、ドア本体21が閉位置において、ドア本体21の下端21Aから下端部32−3の一部が突出した状態で、下端部32−3と接触する床側遮蔽部33と、を有することで、ドア枠11に対してドア本体21が閉じた状態において、電力を使用することなく、ドア本体21の下端21Aと床面15との隙間を閉塞させることが可能となる。これにより、電力を使用することなく、該隙間を介して伝わる音を遮音することができる。
【0086】
さらに、鉛直方向に上下動可能な状態で一対のストッパ部31上に載置されたドア側遮蔽部32の下端部32−3を床側遮蔽部33が押し上げることで、ドア本体21の下端21Aと床面15との隙間を閉塞させる構成とされているため、長期間使用することで性能が劣化する部材(例えば、従来技術で使用されていた板ばね)を用いる必要がない。これにより、長期間遮音効果を維持するができる。
【0087】
また、床側遮蔽部33の高さH
1と、下端部32−3と床面15との隙間の高さH
2と、の差を大きめに設定することで、ドア側遮蔽部32の下端部32−3とドア側遮蔽部33とが接触する部分が摩耗した場合でも、長期間遮音効果を維持するができる。
【0088】
図11及び
図12は、床側遮蔽部の他の断面形状を示す断面図である。
図11及び
図12において、
図5に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。また、
図11及び
図12では、下端部32−3と床側遮蔽部33との位置関係を明確にするため、床側遮蔽部33以外の構成である下端部32−3及び床面15を図示する。
【0089】
なお、第1の実施の形態では、床側遮蔽部の一例として、中央部の上面が平坦な面とされた床側遮蔽部33を用いた場合を例に挙げて説明したが、床側遮蔽部は、
図5に示す床側遮蔽部33の断面形状に限定されない。
例えば、
図11に示すように、床側遮蔽部33に替えて、断面全体が円弧状とされた床側遮蔽部46を用いてもよい。或いは、
図12に示すように、床側遮蔽部33に替えて、下端部32−3が乗り上げる側のみが丸みを帯びた形状とされた床側遮蔽部48を用いてもよい。
上記床側遮蔽部46,48を用いた場合、床側遮蔽部33を用いた場合と同様な効果を得ることができる。
【0090】
(第2の実施の形態)
図13は、本発明の第2の実施の形態に係るドア隙間遮音機構の概略構成を示す断面図であり、ドア本体が閉位置にあるときを模式的に示す図である。
図13において、
図5に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
【0091】
図13を参照するに、第2の実施の形態のドア隙間遮音機構50は、第1の実施の形態で説明したドア隙間遮音機構26を構成する一対のガイド部35を構成要素から除くとともに、ドア隙間遮音機構26を構成するドア側遮蔽部32に替えて、ドア側遮蔽部53を有すること以外は、ドア隙間遮音機構26と同様に構成される。
【0092】
ドア側遮蔽部53は、第1の実施の形態で説明したドア側遮蔽部32を構成する連結部32−2(Y方向の幅が空間21Bの幅よりも狭い連結部)に替えて、連結部54を有すること以外は、ドア側遮蔽部32と同様な構成とされている。
【0093】
連結部54は、第1の部分54−1と、第2の部分54−2と、を有する。第1の部分54−1は、その上端が上端部32−1と一体とされている。第1の部分54−1は、溝37を通過し、溝37の下方に延在している。第1の部分54−1は、Y方向の幅が
図5に示す連結部32−2の幅と同じ大きさとされており、溝37を上下方向(鉛直方向)に移動可能な構成とされている。
【0094】
第2の部分54−2は、その上端が第1の部分54−1の下端と一体とされており、下端が下端部32−3の上端と一体とされている。第2の部分54−2は、Y方向の幅が第1の部分54−1の幅よりも広くなるように構成されている。
Y方向における第2の部分54−2の幅は、例えば、第1及び第2の壁21−1,21−2と第2の部分54−2との間に僅かな隙間(例えば、0.5〜2mm程度)が形成されるような大きさにするとよい。
【0095】
このように、第2の部分54のうち、少なくとも第1及び第2の壁21−1,21−2と対向する部分を摩擦力の小さい材料で構成することで、第1及び第2の壁21−1,21−2と第2の部分54との間の摩擦力を小さくすることが可能となるので、ドア側遮蔽部53を上下方向(鉛直方向)にスムーズに移動させることができる。
【0096】
なお、第1及び第2の壁21−1,21−2のうち、第2の部分54と接触する部分に上記摩擦力の小さい材料を配置(例えば、コーティング層を配置)させてもよい。この場合、上下方向(鉛直方向)に対して、ドア側遮蔽部53をさらにスムーズに移動させることができる。
【0097】
第2の実施の形態のドア隙間遮音機構によれば、上端が上端部32−1と一体とされ、溝37を通過し、溝37の下方に延在する第1の部分54−1と、上端が第1の部分54−1の下端と一体とされ、下端が下端部32−3の上端と一体とされ、Y方向の幅が第1の部分54−1の幅よりも広い第2の部分54−2と、を含む連結部54を有することで、ドア側遮蔽部53が上下方向(鉛直方向)に移動した際、第2の部分54−2により、ドア側遮蔽部53が鉛直方向に移動するように案内することが可能となる。
これにより、鉛直方向に対して傾斜した方向にドア側遮蔽部53が移動することがなくなるため、鉛直方向に対してドア側遮蔽部53を確実に上下動させることができる。
【0098】
なお、第2の実施の形態のドア隙間遮音機構50は、第1の実施の形態のドア隙間遮音機構26と同様な効果を得ることができる。
【0099】
(第3の実施の形態)
図14は、本発明の第3の実施の形態のドア隙間遮音機構を構成するドア側遮蔽部の概略構成を示す断面図であり、ドア本体が閉位置にあるときを模式的に示す図である。
図14において、
図5に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
図15は、第3の実施の形態のドア隙間遮音機構を構成する一対のガイド部の配設位置を説明するための斜視図である。
図15において、
図6及び
図14に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
【0100】
図14及び
図15を参照するに、第3の実施の形態のドア隙間遮音機構60は、第1の実施の形態のドア隙間遮音機構26を構成するドア側遮蔽部32に替えて、ドア側遮蔽部61を有すること以外は、ドア隙間遮音機構26と同様に構成されている。
ドア側遮蔽部61は、Y方向(ドア本体21の下端21Aの延在方向)において、
図6に示すドア側遮蔽部32を分割することで得られる複数の分割体62で構成されている。
Y方向に配置された複数の分割体62間には、僅かな隙間(図示せず)が設けられており、各分割体62が独立して上下動可能な構成とされている。
【0101】
分割体62間の隙間(図示せず)は、例えば、0.1〜1.5mmの範囲内で設定することができる。また、Y方向における分割体62の幅は、例えば、5〜200mmの範囲内で適宜設定することができる。
【0102】
第3の実施の形態のドア隙間遮音機構によれば、ドア本体21の下端21Aの延在方向において分割された複数の分割体62で構成されたドア側遮蔽部61を有することにより、ドア枠11に対してドア本体21が開いた状態から閉じた状態になる際、ドア枠11とドア本体21とを固定する蝶番12がある側に配置された分割体62から順次押し上げることが可能となる(
図2及び
図4参照)。これにより、鉛直方向に対して傾斜した状態で、複数の分割体が上下動(昇降)することを抑制できる。
【0103】
なお、第3の実施の形態のドア隙間遮音機構60は、先に説明した第1の実施の形態のドア隙間遮音機構26と同様な効果を得ることができる。
また、第3の実施の形態において、
図6に示すドア側遮蔽部32に替えて、X方向において
図13に示すドア側遮蔽部53を複数に分割したものを複数の分割体として用いてもよい。この場合、各分割体に一対のガイド部35を設けることなく、鉛直方向に各分割体を案内することができる。
さらに、第3の実施の形態において、複数の分割体62の下端部の形状は、
図14及び
図15に示す形状に限定されない。複数の分割体62の下端部の断面形状として、例えば、
図8〜
図10に示す下端部32−3A〜32−3Cのような断面形状を用いてもよい。
【0104】
なお、第3の実施の形態のドア隙間遮音機構60は、先に説明した第1の実施の形態のドア隙間遮音機構26と同様な効果を得ることができる。
【0105】
(第4の実施の形態)
図16は、本発明の第4の実施の形態に係るドア隙間遮音機構の概略構成を示す断面図であり、ドア本体が閉位置にあるときを模式的に示す図である。
図16において、
図5に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
図17は、第4の実施の形態に係るドア隙間遮音機構を構成するドア側遮蔽部の概略構成を示す断面図であり、ドア本体が開位置にあるときを模式的に示す図である。
図17において、
図16に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
【0106】
図16及び
図17を参照するに、第4の実施の形態のドア隙間遮音機構65は、第1の実施の形態のドア隙間遮音機構26を構成するドア側遮蔽部32及び一対のガイド部35に替えて、ドア側遮蔽部68及び一対のばね部71を有すること以外は、ドア隙間遮音機構26と同様に構成されている。
【0107】
ドア側遮蔽部68は、ドア側遮蔽部32を構成する上端部32−1に替えて、上端部69を有すること以外は、ドア側遮蔽部32と同様に構成されている。
上端部69は、一対のストッパ部31の上方に位置する空間21Bに配置されている。上端部69は、連結部32−2の上端と接続されている。上端部69のX方向の幅は、一対のストッパ部31間に形成された溝37のX方向の幅よりも幅広形状とされている。
【0108】
上端部69は、上端部69の下端から上端部69の上端に向かうにつれて幅が狭くなるような形状とされている。また、上端部69は、溝37を通過する際に縮径し、溝37を通過後に元の形状に戻ることの可能な弾性体で構成されている。上記弾性体の材料としては、例えば、ゴム(例えば、ゴムスポンジ)を用いることができる。
【0109】
一対のばね部71は、ばね部71−1,71−2で構成されている。ばね部71−1は、第1のストッパ部31−1と下端部32−3との間に位置する空間21Bに配置されている。ばね部71−1は、その上端が第1のストッパ部31−1の下端と接続されており、下端が下端部32−3の上端と接続されている。
【0110】
ばね部71−2は、第2のストッパ部31−2と下端部32−3との間に位置する空間21Bに配置されている。ばね部71−2は、その上端が第2のストッパ部31−2の下端と接続されており、下端が下端部32−3の上端と接続されている。
つまり、ドア側遮蔽部68は、一対のストッパ部31と上端部69とが接触することで下方に落下しないように支持されるとともに、一対のばね部71の弾性力により支持されている。
ばね部71−1,71−2としては、例えば、コイルばね、ゴム等を用いることができる。
【0111】
第4の実施の形態の場合、床面15からドア側遮蔽部68の下端までの高さH
4を2mmとした場合、床側遮蔽部33の高さH
3は、例えば、5mmとすることができる。
【0112】
第4の実施の形態のドア隙間遮音機構によれば、ドア側遮蔽部68の上端部69として、Y方向において、溝37の幅よりも幅広形状とされるとともに、上端部69の下端から上端に向かうにつれて幅が狭くなるような形状とされ、かつ溝37を通過可能な弾性体を用いることで、一対のストッパ部31へのドア側遮蔽部68の装着を容易に行うことができる。
【0113】
また、ストッパ部31−1,31−2の下端とドア側遮蔽部68の下端部32−3の上端とを接続する一対のばね部71を有することにより、ドア側遮蔽部68の下端部32−3の下端と閉位置において該下端が接触する床側遮蔽部33の上面との高さの差が小さい場合でも、一対のばね部71の弾性力により、ドア側遮蔽部68の下端部32−3を床側遮蔽部33の上面に確実に接触させることができる。
さらに、第4の実施の形態のドア隙間遮音機構65は、第1の実施の形態のドア隙間遮音機構26と同様な効果を得ることができる。
【0114】
(第5の実施の形態)
図18は、本発明の第5の実施の形態に係るドア隙間遮音機構の概略構成を示す断面図であり、ドア本体が閉位置にあるときを模式的に示す図である。
図18において、
図5に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
【0115】
図18を参照するに、第5の実施の形態のドア隙間遮音機構75は、第5の実施の形態のドア隙間遮音機構26を構成するドア側遮蔽部32及び床側遮蔽部33に替えて、ドア側遮蔽部77及び床側遮蔽部78を有すること以外は、ドア隙間遮音機構26と同様に構成されている。
【0116】
ドア側遮蔽部77は、上端部32−1と、連結部32−2と、下端部32−3と、コーティング層79と、を有する。コーティング層79は、下端部32−3の丸みを帯びた部分を覆うように設けられている。これにより、下端部32−3は、床側遮蔽部78と接触する部分がコーティング層79で覆われた構成とされている。
コーティング層79としては、例えば、樹脂層(例えば、アクリル樹脂層)を用いることができる。
【0117】
床側遮蔽部78は、遮蔽部本体81と、コーティング層82と、を有する。遮蔽部本体81は、第1の実施の形態で説明した床側遮蔽部33と同様な構成とされている。
コーティング層82は、遮蔽部本体81の上面を覆うように設けられている。これにより、床側遮蔽部78は、ドア側遮蔽部77と接触する部分がコーティング層82で覆われた構成とされている。
コーティング層82としては、樹脂層(例えば、アクリル樹脂層)を用いることができる。
【0118】
なお、コーティング層79は、下端部32−3のうち、少なくとも床側遮蔽部78と接触する部分に設ければよく、コーティング層82は、遮蔽部本体81のうち、少なくとも下端部32−3と接触する部分に設ければよい。
【0119】
第5の実施の形態のドア隙間遮音機構によれば、ドア側遮蔽部77、及び床側遮蔽部78のうち、少なくともドア側遮蔽部77と床側遮蔽部78とが接触する部分を、コーティング層79,82で構成することで、床側遮蔽部78とドア側遮蔽部77の下端とが接触した際、ドア側遮蔽部77の下端が床側遮蔽部78に引っ掛かることをさらに抑制可能となるため、床側遮蔽部78によりドア側遮蔽部77をさらにスムーズに押し上げることができる。
また、閉位置からドア本体21を開いた場合においても、ドア側遮蔽部77の下端が床側遮蔽部78に引っ掛かることをさらに抑制可能となるため、ドア側遮蔽部77をさらにスムーズに下方に移動させることができる。つまり、ドア側遮蔽部79の上下動(昇降動作)をスムーズに行うことができる。
【0120】
さらに、第5の実施の形態のドア隙間遮音機構75は、第1の実施の形態のドア隙間遮音機構26と同様な効果を得ることができる。
【0121】
なお、第5の実施の形態では、
図18に示す下端部32−3に、コーティング層79を設けた場合を例に挙げて説明したが、下端部32−3に替えて、
図8〜
図10に示す下端部32−3A〜32−3Cにコーティング層79を設けてもよい。
また、第5の実施の形態では、遮蔽部本体81として、
図5に示す床側遮蔽部33と同様な構成とされた部材を用いた場合を例に挙げて説明したが、これに替えて、
図11及び
図12に示す床側遮蔽部46,48と同様な構成とされた部材を用いるとともに、床側遮蔽部46,48にコーティング層82を設けてもよい。
これらの場合、第5の実施の形態のドア隙間遮音機構75と同様な効果を得ることができる。
【0122】
また、第5の実施の形態では、コーティング層79,82を用いた場合を例に挙げて説明したが、ドア側遮蔽部77の下端部32−3全体を樹脂材料で構成してもよいし、床側遮蔽部78全体を樹脂材料で構成してもよい。
この場合、第5の実施の形態のドア側遮蔽部77及び床側遮蔽部78と同様な効果を得るこる
ることができる。
【0123】
(第6の実施の形態)
図19は、本発明の第6の実施の形態に係るドアを客室側から正面視した図であり、ドア枠に対してドア本体が閉じた状態(ドア本体が閉位置にある状態)で、かつ第1のレバー収容溝内にレバー部材を倒して収容させた状態を模式的に示す図である。
図19において、
図1に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
図20は、
図19に示すドア本体を開いた状態で、ドア本体を正面視した図であり、かつ第2のレバー収容溝内にレバー部材を倒して収容させた状態を模式的に示す図である。
図19に示すドア本体を開いた状態で、ドア本体を正面視した図であり、かつ第2のレバー収容溝内にレバー部材を倒して収容させた状態を模式的に示す図である。
図21は、
図19に示す構造体のレバー部材を第1の壁に対して立てた状態を模式的に示す正面図である。
図22は、
図21に示すレバー部材を側面視した図である。
図20〜
図22において、
図19に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
なお、
図19〜
図21では、ドア本体21の下端21Aの延在方向におけるドア本体21の幅と、ドア本体21の下端21Aの延在方向におけるドア側遮蔽部32の幅と、を同じ幅にして図示しているが、実際には、ドア本体21の下端21Aの延在方向に対向配置されたドア本体21の一対の壁の厚さ分、ドア側遮蔽部32の幅は短くなる。
【0124】
図19〜
図22を参照するに、第6の実施の形態のドア90は、第1の実施の形態のドア10を構成するドア隙間遮音機構26に替えて、ドア隙間遮音機構91を有するとともに、第1の壁21−1に設けられた貫通溝93と、第1のレバー収容溝94と、第2のレバー収容溝95と、をさらに有すること以外は、ドア10と同様に構成されている。
【0125】
ここで、ドア隙間遮音機構91を説明する前に、貫通溝93について説明する。貫通溝93は、ドア本体21が閉位置において客室(部屋)側に位置する第1の壁21−1の下部を貫通するように設けられている。
貫通溝93は、Z方向に延在する溝である。貫通溝93は、後述するレバー部材102を第1の壁21−1に対して立てた状態で、レバー部材102の一部が配置された状態で、レバー部材102を上下方向に移動可能な形状とされている。
貫通溝93は、レバー部材102を上下に移動させることで、後述する遮音部材101を上下方向に移動させるための溝である。
【0126】
ドア隙間遮音機構91は、遮音部材101と、レバー部材102と、連結部材103と、を有する。
遮音部材101は、下端が丸みを帯びた形状とされた板状の部材であり、少なくともその一部がドア本体21の下端部内に形成された遮音部材収容部(図示せず)に収容されている。ドア本体21の開閉時において、遮音部材101は、少なくともその上部が収容されている。
【0127】
遮音部材101は、連結部材103を介して、レバー部材102と接続されている。レバー部材102を貫通溝93の下端まで移動させると、遮音部材101の下端と床面15とが接触する。そして、この状態から、貫通溝93の上方にレバー部材102を移動させると、遮音部材101が上方に移動し、遮音部材101が床面15から離間する。
【0128】
遮音部材101は、ドア枠11に対してドア本体21が閉じた状態において、床面15と接触することで、ドア本体21の下端21Aと床面15との間に形成される隙間を閉塞させる。これにより、遮音部材101は、該隙間を介して伝わる音を遮音する。
そして、ドア本体21を開ける際には、貫通溝93の下端から上方にレバー部材102を移動させることで、遮音部材101と床面15とが接触することなく、スムーズにドア本体21を開けることができる。
【0129】
なお、
図22に示す遮音部材101の下端部の形状は、一例であり、遮音部材101の下端部の形状は、
図22に示す形状に限定されない。
【0130】
レバー部材102は、その一端が連結部材103と接続されており、第1の壁21−1に対して平行となるように倒すことの可能な構成とされている。
レバー部材102は、立てられた状態(第1の壁21−1に対して直交する状態)で、第1の壁21−1(一方の壁)から突出し、この状態で貫通溝93内を上下方向に移動する。レバー部材102は、遮音部材101を上下方向に移動させる際に、人が手で上げ下げするレバーである。
【0131】
連結部材103は、X方向において遮音部材101の上端と複数箇所接続されている。連結部材103は、遮音部材101とレバー部材102とを連結するための部材である。
ドア本体21内には、連結部材103を上下方向に移動させるための空間が設けられている。また、図示してはいないが、ドア本体21内に、連結部材103を鉛直方向(上下方向)に案内するガイド溝を設けてもよい。
【0132】
第1のレバー収容溝94は、第1の壁21−1に設けられており、貫通溝93の上端部と一体とされている。第1のレバー収容溝94は、X方向(鉛直方向と直交する方向)に延在しており、第1の壁21−1に対して平行となるように倒されたレバー部材102を収容可能な形状とされている。
【0133】
第2のレバー収容溝95は、第1の壁21−1に設けられており、貫通溝93の下端部と一体とされている。第2のレバー収容溝95は、X方向(鉛直方向と直交する方向)に延在しており、第1の壁21−1に対して平行となるように倒されたレバー部材102を収容可能な形状とされている。
上記第1及び第2のレバー収容溝94,95は、レバー部材102を収容することで、鉛直方向における遮音部材101の位置を固定するための溝である。
【0134】
第6の実施の形態のドア隙間遮音機構によれば、ドア枠11に対して開閉可能なドア本体21の客室(部屋)側に位置する第1の壁21−1を貫通するように設けられ、鉛直方向に延在する貫通溝93と、ドア本体21内に設けられた空間内に一部が収容されることで、床面15から離間可能な構成とされ、ドア本体21の下端21Aから下方に突出可能な遮音部材101と、第1の壁21から突出し、かつ第1の壁21に対して直交した状態で、手動により貫通溝93を移動するレバー部材102と、空間内に配置され、遮音部材101とレバー部材102とを連結する連結部材103と、を有することで、長期間使用することで性能が劣化する部材(例えば、従来技術で使用されていた板バネ)を用いることなく、手動で貫通溝93の上端部にレバー部材102を移動させて、遮音部材101の下端を床面15の上方に離間させることが可能になるとともに、手動で貫通溝93の下端部にレバー部材102を移動させて、遮音部材101の下端を床面15と接触させることが可能となる。
【0135】
また、第1の壁21−1に設けられ、貫通溝93の上端部と一体とされ、鉛直方向と直交する方向に延在し、レバー部材102を収容する第1のレバー収容溝94と、第1の壁21−1に設けられ、貫通溝93の下端部と一体とされ、鉛直方向と直交する方向に延在し、レバー部材102を収容する第2のレバー収容溝95と、を有することで、ドア枠11に対してドア本体21が開いた状態において、遮音部材101が床面15の上方に離間するように遮音部材101の位置を規制することが可能になるとともに、ドア枠11に対してドア本体21が閉じた状態において、遮音部材101の下端部が床面15と接触するように遮音部材101の位置を規制することが可能になる。つまり、電力を使用することなく、長期間遮音効果を維持することができる。
【0136】
さらに、レバー部材102を収容する第1及び第2のレバー収容溝94,95を有することで、第1の壁21−1からレバー部材102が突出することがなくなる。これにより、使用者がレバー部材102に体をぶつけて怪我をすることを抑制可能となるので、ドア隙間遮音機構91の安全性を高めることができる。
【0137】
なお、上記ドア隙間遮音機構91を有する第6の実施の形態のドアによれば、電力を使用することなく、長期間遮音効果を維持することができる。
【0138】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0139】
例えば、上記第1ないし第6の実施の形態では、旅客用船舶やホテルの客室のドアに、ドア隙間遮音機構26,50,60,65,75,91を適用させた場合を例に挙げて説明したが、ドア隙間遮音機構26,50,60,65,75,91は、旅客用船舶やホテル以外のドアに対しても適用可能である。
また、
図13では、ドア遮蔽部53を1つの部材で構成した場合を例に挙げて説明したが、
図14に示すように、X方向に複数に分割された分割体でドア遮蔽部53を構成してもよい。