(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6331180
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】制御装置、撮像装置、撮像システム、飛行体、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G03B 5/00 20060101AFI20180521BHJP
G03B 15/00 20060101ALI20180521BHJP
B64D 47/08 20060101ALI20180521BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20180521BHJP
B64C 27/08 20060101ALI20180521BHJP
B64D 27/24 20060101ALI20180521BHJP
H04N 5/232 20060101ALI20180521BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20180521BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G03B15/00 U
B64D47/08
B64C39/02
B64C27/08
B64D27/24
H04N5/232 480
H04N5/225 700
H04N5/222 100
【請求項の数】15
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-117627(P2017-117627)
(22)【出願日】2017年6月15日
【審査請求日】2017年6月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】513068816
【氏名又は名称】エスゼット ディージェイアイ テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SZ DJI TECHNOLOGY CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】本庄 謙一
【審査官】
井亀 諭
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−233947(JP,A)
【文献】
特開2017−22574(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 5/00
G03B 15/00
H04N 5/222
H04N 5/225
H04N 5/232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転翼と前記回転翼を回転させる電動機とを備える飛行体に搭載された撮像装置の振れ補正を制御する制御装置であって、
前記撮像装置の動きを検出する第1センサから、前記撮像装置の動き情報を取得する第1取得部と、
前記動き情報、及び前記電動機の回転速度または前記電動機に入力される電流の電流値に基づいて、前記撮像装置の振れ補正を制御する第1制御部と
を備える、制御装置。
【請求項2】
前記第1制御部は、前記飛行体の飛行を制御する制御情報に基づいて前記回転速度または前記電流値を特定する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記第1制御部は、前記電動機のロータの位置情報に基づいて前記回転速度を特定する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記飛行体は、複数の前記回転翼と、前記複数の回転翼をそれぞれ回転させる複数の前記電動機とを備え、
前記第1制御部は、前記動き情報、及び前記複数の電動機のそれぞれの回転速度または前記複数の電動機に入力される電流のそれぞれの電流値に基づいて、前記撮像装置の振れ補正を制御する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
前記第1制御部は、前記撮像装置の動き情報、及び前記電動機の回転速度または前記電動機に入力される電流値に基づいて、前記撮像装置が備えるレンズ及びイメージセンサの少なくとも一方を駆動させることで、前記撮像装置の振れ補正を制御する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項6】
前記第1制御部は、
前記レンズ及び前記イメージセンサの少なくとも一方の駆動を制御する駆動情報を前記動き情報に基づいて導出する導出部と、
前記電動機の回転速度または前記電動機に入力される電流値に基づいて補正値を生成する生成部と、
前記駆動情報を前記補正値に基づいて補正する補正部と
を有し、
前記第1制御部は、前記補正部により補正された前記駆動情報に基づいて前記レンズ及び前記イメージセンサの少なくとも一方を駆動させることで、前記撮像装置の振れ補正を制御する、請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記電動機の回転速度または前記電動機に入力される電流値と、前記レンズ及び前記イメージセンサの少なくとも一方の駆動を制御する駆動情報を補正するための補正情報とを対応付けて格納する格納部をさらに備え、
前記生成部は、前記電動機の回転速度または前記電動機に入力される電流値に対応する補正情報に基づいて、前記補正値を生成する、請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記生成部は、前記飛行体の姿勢を示す姿勢情報にさらに基づいて前記補正値を生成する、請求項6に記載の制御装置。
【請求項9】
前記電動機のロータの位置を検出する第2センサから、前記電動機のロータの位置情報を取得する第2取得部をさらに備え、
前記生成部は、前記位置情報にさらに基づいて前記補正値を生成する、請求項6に記載の制御装置。
【請求項10】
前記レンズ及び前記イメージセンサの少なくとも一方の動きを検出する第3センサから、前記レンズ及び前記イメージセンサの少なくとも一方の動き情報を取得する第3取得部と、
前記導出部により導出された前記駆動情報と、前記第3取得部により取得された前記動き情報との比較に基づいて、前記イメージセンサにより撮像された画像の補正を制御することで、前記撮像装置の振れ補正を制御する第2制御部と
をさらに備える、請求項6に記載の制御装置。
【請求項11】
請求項1から10の何れか1つに記載の制御装置と、
レンズと、
前記レンズにより結像された像を撮像するイメージセンサと
前記レンズ及び前記イメージセンサの少なくとも一方を駆動させる駆動部と
を備える撮像装置。
【請求項12】
請求項11に記載の撮像装置と、
前記撮像装置の姿勢を変更可能に、前記撮像装置を支持する支持機構と
を備える撮像システム。
【請求項13】
請求項12に記載の撮像システムと、
前記回転翼と、
前記電動機と
を備える飛行体。
【請求項14】
回転翼と前記回転翼を回転させる電動機とを備える飛行体に搭載された撮像装置の振れ補正を制御する制御方法であって、
前記撮像装置の動きを検出する第1センサから、前記撮像装置の動き情報を取得する段階と、
前記動き情報、及び前記電動機の回転速度または前記電動機に入力される電流の電流値に基づいて、前記撮像装置の振れ補正を制御する段階と
を備える、制御方法。
【請求項15】
回転翼と前記回転翼を回転させる電動機とを備える飛行体に搭載された撮像装置の振れ補正をコンピュータに制御させるためのプログラムであって、
前記撮像装置の動きを検出する第1センサから、前記撮像装置の動き情報を取得する段階と、
前記動き情報、及び前記電動機の回転速度または前記電動機に入力される電流の電流値に基づいて、前記撮像装置の振れ補正を制御する段階と
を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、撮像装置、撮像システム、飛行体、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置は、いわゆる手振れなどで画像にブレが生じることを防止すべく、振れ補正機能を有する場合がある。特許文献1には、Gyro値からのブレ角情報をもちいて、画像のブレ位置を特定し、その位置における映像データをもとの位置に戻すことによって、映像のブレを補正することが記載されている。特許文献2には、ミラーユニット及びシャッタユニットが駆動されたときの使用状況が特定の使用状況と一致あるいは類似する場合に、通常とは異なるブレ補正制御を実行することが記載されている。
特許文献1 特開2016−208483号公報
特許文献2 特開2015−34904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
振れ補正機能を有する撮像装置は、無人航空機(UAV)などの回転翼を備える飛行体に搭載される場合がある。このような飛行体に搭載された撮像装置は、回転翼の駆動に伴い振動することがある。ところが、撮像装置が、回転翼の駆動に伴う振れの補正を適切に実行できない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様に係る制御装置は、回転翼と回転翼を回転させる電動機とを備える飛行体に搭載された撮像装置の振れ補正を制御する。制御装置は、撮像装置の動きを検出する第1センサから、撮像装置の動き情報を取得する第1取得部を備えてよい。制御装置は、動き情報、及び電動機の回転速度または電動機に入力される電流の電流値に基づいて、撮像装置の振れ補正を制御する第1制御部を備えてよい。
【0005】
第1制御部は、飛行体の飛行を制御する制御情報に基づいて回転速度または電流値を特定してよい。
【0006】
第1制御部は、電動機のロータの位置情報に基づいて回転速度を特定してよい。
【0007】
飛行体は、複数の回転翼と、複数の回転翼をそれぞれ回転させる複数の電動機とを備えてよい。第1制御部は、動き情報、及び複数の電動機のそれぞれの回転速度または複数の電動機に入力される電流のそれぞれの電流値に基づいて、撮像装置の振れ補正を制御してよい。
【0008】
第1制御部は、撮像装置の動き情報、及び電動機の回転速度または電動機に入力される電流値に基づいて、撮像装置が備えるレンズ及びイメージセンサの少なくとも一方を駆動させることで、撮像装置の振れ補正を制御してよい。
【0009】
第1制御部は、レンズ及びイメージセンサの少なくとも一方の駆動を制御する駆動情報を動き情報に基づいて導出する導出部を有してよい。第1制御部は、電動機の回転速度または電動機に入力される電流値に基づいて補正値を生成する生成部を有してよい。第1制御部は、駆動情報を補正値に基づいて補正する補正部を有してよい。第1制御部は、補正部により補正された駆動情報に基づいてレンズ及びイメージセンサの少なくとも一方を駆動させることで、撮像装置の振れ補正を制御してよい。
【0010】
制御装置は、電動機の回転速度または電動機に入力される電流値と、レンズ及びイメージセンサの少なくとも一方の駆動を制御する駆動情報を補正するための補正情報とを対応付けて格納する格納部を備えてよい。生成部は、電動機の回転速度または電動機に入力される電流値に対応する補正情報に基づいて、補正値を生成してよい。
【0011】
生成部は、飛行体の姿勢を示す姿勢情報にさらに基づいて補正値を生成してよい。
【0012】
制御装置は、電動機のロータの位置を検出する第2センサから、電動機のロータの位置情報を取得する第2取得部を備えてよい。生成部は、位置情報にさらに基づいて補正値を生成してよい。
【0013】
制御装置は、レンズ及びイメージセンサの少なくとも一方の動きを検出する第3センサから、レンズ及びイメージセンサの少なくとも一方の動き情報を取得する第3取得部を備えてよい。制御装置は、導出部により導出された駆動情報と、第3取得部により取得された動き情報との比較に基づいて、イメージセンサにより撮像された画像の補正を制御することで、撮像装置の振れ補正を制御する第2制御部を備えてよい。
【0014】
本発明の一態様に係る撮像装置は、上記制御装置を備えてよい。撮像装置は、レンズを備えてよい。撮像装置は、イメージセンサを備えてよい。撮像装置は、レンズ及びイメージセンサの少なくとも一方を駆動させる駆動部を備えてよい。
【0015】
本発明の一態様に係る撮像システムは、上記撮像装置を備えてよい。撮像システムは、撮像装置の姿勢を変更可能に、撮像装置を支持する支持機構を備えてよい。
【0016】
本発明の一態様に係る飛行体は、上記撮像システムを備えてよい。飛行体は、回転翼を備えてよい。飛行体は、電動機を備えてよい。
【0017】
本発明の一態様に係る制御方法は、回転翼と回転翼を回転させる電動機とを備える飛行体に搭載された撮像装置の振れ補正を制御する。制御方法は、撮像装置の動きを検出する第1センサから、撮像装置の動き情報を取得する段階を備えてよい。制御方法は、動き情報、及び電動機の回転速度または電動機に入力される電流の電流値に基づいて、撮像装置の振れ補正を制御する段階を備えてよい。
【0018】
本発明の一態様に係るプログラムは、回転翼と回転翼を回転させる電動機とを備える飛行体に搭載された撮像装置の振れ補正をコンピュータに制御させる。プログラムは、撮像装置の動きを検出する第1センサから、撮像装置の動き情報を取得する段階をコンピュータに実行させてよい。プログラムは、動き情報、及び電動機の回転速度または電動機に入力される電流の電流値に基づいて、撮像装置の振れ補正を制御する段階をコンピュータに実行させてよい。
【0019】
本発明の一態様によれば、回転翼の駆動に伴う振れの補正をより適切に実行できる。
【0020】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】無人航空機及び遠隔操作装置の外観の一例を示す図である。
【
図2】無人航空機の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図3】振動周波数と追従率との関係の一例を示す図である。
【
図4】目標値と検出値との間の誤差について説明するための図である。
【
図6】光学式振れ補正に関する機能ブロックの一例を示す図である。
【
図7】画像の水平方向の振れについて説明するための図である。
【
図8】画像の水平方向の振れについて説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0023】
特許請求の範囲、明細書、図面、及び要約書には、著作権による保護の対象となる事項が含まれる。著作権者は、これらの書類の何人による複製に対しても、特許庁のファイルまたはレコードに表示される通りであれば異議を唱えない。ただし、それ以外の場合、一切の著作権を留保する。
【0024】
本発明の様々な実施形態は、フローチャート及びブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、プログラマブル回路、及び/またはプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/またはアナログハードウェア回路を含んでよい。集積回路(IC)及び/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。再構成可能なハードウェア回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、及び他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含んでよい。
【0025】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよい。その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0026】
コンピュータ可読命令は、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードの何れかを含んでよい。ソースコードまたはオブジェクトコードは、従来の手続型プログラミング言語を含む。従来の手続型プログラミング言語は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語でよい。コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供されてよい。プロセッサまたはプログラマブル回路は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0027】
図1は、無人航空機(UAV)10及び遠隔操作装置300の外観の一例を示す。UAV10は、UAV本体20、ジンバル50、複数の撮像装置60、及び撮像装置100を備える。ジンバル50、及び撮像装置100は、撮像システムの一例である。UAV10は、回転翼により飛行する飛行体の一例である。飛行体とは、UAVの他、空中を移動する他の航空機等を含む概念である。
【0028】
UAV本体20は、複数の回転翼を備える。UAV本体20は、複数の回転翼の回転を制御することでUAV10を飛行させる。UAV本体20は、例えば、4つの回転翼を用いてUAV10を飛行させる。回転翼の数は、4つには限定されない。
【0029】
撮像装置100は、所望の撮像範囲に含まれる被写体を撮像する撮像用のカメラである。ジンバル50は、撮像装置100の姿勢を変更可能に、撮像装置100を支持する。ジンバル50は、撮像装置100を回転可能に支持する。ジンバル50は、支持機構の一例である。例えば、ジンバル50は、撮像装置100を、アクチュエータを用いてピッチ軸で回転可能に支持する。ジンバル50は、撮像装置100を、アクチュエータを用いてさらにロール軸及びヨー軸のそれぞれを中心に回転可能に支持する。ジンバル50は、ヨー軸、ピッチ軸、及びロール軸の少なくとも1つを中心に撮像装置100を回転させることで、撮像装置100の姿勢を変更してよい。
【0030】
複数の撮像装置60は、UAV10の飛行を制御するためにUAV10の周囲を撮像するセンシング用のカメラである。2つの撮像装置60が、UAV10の機首である正面に設けられてよい。さらに他の2つの撮像装置60が、UAV10の底面に設けられてよい。正面側の2つの撮像装置60はペアとなり、いわゆるステレオカメラとして機能してよい。底面側の2つの撮像装置60もペアとなり、ステレオカメラとして機能してよい。複数の撮像装置60により撮像された画像に基づいて、UAV10の周囲の3次元空間データが生成されてよい。UAV10が備える撮像装置60の数は4つには限定されない。UAV10は、少なくとも1つの撮像装置60を備えていればよい。UAV10は、UAV10の機首、機尾、側面、底面、及び天井面のそれぞれに少なくとも1つの撮像装置60を備えてもよい。撮像装置60で設定できる画角は、撮像装置100で設定できる画角より広くてよい。すなわち、撮像装置60の撮像範囲は、撮像装置100の撮像範囲より広くてよい。撮像装置60は、単焦点レンズまたは魚眼レンズを有してもよい。
【0031】
遠隔操作装置300は、UAV10と通信して、UAV10を遠隔操作する。遠隔操作装置300は、UAV10と無線で通信してよい。遠隔操作装置300は、UAV10に上昇、下降、加速、減速、前進、後進、回転などのUAV10の移動に関する各種駆動命令を送信する。
【0032】
図2は、UAV10の機能ブロックの一例を示す。UAV10は、UAV制御部30、メモリ32、通信インタフェース34、電動機36、ホールセンサ38、回転翼40、GPS受信機41、慣性計測装置42、磁気コンパス43、気圧高度計44、ジンバル50、撮像装置60及び撮像装置100を備える。
【0033】
通信インタフェース34は、遠隔操作装置300などの他の装置と通信する。通信インタフェース34は、遠隔操作装置300からUAV制御部30に対する各種の命令を含む指示情報を受信してよい。メモリ32は、UAV制御部30が、電動機36、GPS受信機41、慣性計測装置(IMU)42、磁気コンパス43、気圧高度計44、ジンバル50、撮像装置60、及び撮像装置100などを制御するのに必要なプログラム等を格納する。メモリ32は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体でよく、SRAM、DRAM、EPROM、EEPROM、及びUSBメモリ等のフラッシュメモリの少なくとも1つを含んでよい。メモリ32は、UAV本体20の内部に設けられてよい。UAV本体20から取り外し可能に設けられてよい。
【0034】
UAV制御部30は、メモリ32に格納されたプログラムに従ってUAV10の飛行及び撮像を制御する。UAV制御部30は、CPUまたはMPU等のマイクロプロセッサ、MCU等のマイクロコントローラ等により構成されてよい。UAV制御部30は、通信インタフェース34を介して遠隔操作装置300から受信した命令に従って、UAV10の飛行及び撮像を制御する。電動機36は、UAV制御部30からの制御情報に従って駆動し、回転翼40を回転させて、UAV10を飛行させる。電動機36は、例えば、3相のステータと、ロータとを有するブラシレスモータである。
【0035】
UAV制御部30は、センシング用の複数の撮像装置60により撮像された複数の画像を解析することで、UAV10の周囲の環境を特定してよい。UAV制御部30は、UAV10の周囲の環境に基づいて、例えば、障害物を回避して飛行を制御する。UAV制御部30は、複数の撮像装置60により撮像された複数の画像に基づいてUAV10の周囲の3次元空間データを生成し、3次元空間データに基づいて飛行を制御してよい。
【0036】
ホールセンサ38は、電動機36が有するロータの位置を検出する。ホールセンサ38は、第2センサの一例である。GPS受信機41は、複数のGPS衛星から発信された時刻を示す複数の信号を受信する。GPS受信機41は、受信された複数の信号に基づいてGPS受信機41の位置、つまりUAV10の位置を算出する。IMU42は、UAV10の姿勢を検出する。IMU42は、UAV10の姿勢として、UAV10の前後、左右、及び上下の3軸方向の加速度と、ピッチ、ロール、及びヨーの3軸方向の角速度とを検出する。磁気コンパス43は、UAV10の機首の方位を検出する。気圧高度計44は、UAV10が飛行する高度を検出する。気圧高度計44は、UAV10の周囲の気圧を検出し、検出された気圧を高度に換算して、高度を検出する。
【0037】
撮像装置100は、撮像部102及びレンズ部200を備える。レンズ部200は、レンズ装置の一例である。撮像部102は、イメージセンサ120、撮像制御部110、ジャイロセンサ116、及びメモリ130を有する。イメージセンサ120は、CCDまたはCMOSにより構成されてよい。イメージセンサ120は、複数のレンズ210を介して結像された光学像の画像データを撮像制御部110に出力する。ジャイロセンサ116は、撮像装置100の動きを検出する。ジャイロセンサ116は、撮像装置100のピッチ方向及びヨー方向の動き(振れ)を検出する。ジャイロセンサ116は、ロール方向の動きを検出してもよい。ジャイロセンサ116は、撮像装置100の光軸が水平方向を向いている通常の姿勢での撮像装置100の垂直方向(ピッチ方向)及び水平方向(ヨー方向)の動き(振れ)を検出してよい。ジャイロセンサ116は、第1センサの一例である。撮像制御部110は、CPUまたはMPUなどのマイクロプロセッサ、MCUなどのマイクロコントローラなどにより構成されてよい。撮像制御部110は、UAV制御部30からの撮像装置100の動作命令に応じて、撮像装置100を制御してよい。撮像制御部110は、光学式振れ補正及び電子式振れ補正の少なくとも一方を実行する。
【0038】
メモリ130は、コンピュータ可読可能な記録媒体でよく、SRAM、DRAM、EPROM、EEPROM、及びUSBメモリなどのフラッシュメモリの少なくとも1つを含んでよい。メモリ130は、撮像制御部110がイメージセンサ120などを制御するのに必要なプログラム等を格納する。メモリ130は、撮像装置100の筐体の内部に設けられてよい。メモリ130は、撮像装置100の筐体から取り外し可能に設けられてよい。
【0039】
レンズ部200は、複数のレンズ210、レンズ駆動部212、位置センサ214、及びレンズ制御部220を有する。複数のレンズ210は、ズームレンズ、バリフォーカルレンズ、及びフォーカスレンズとして機能してよい。複数のレンズ210の少なくとも1つは、光学式振れ補正用のレンズである。複数のレンズ210の少なくとも一部または全部は、光軸に沿って移動可能に配置される。レンズ部200は、撮像部102に対して着脱可能に設けられる交換レンズでよい。レンズ駆動部212は、レンズ210を光軸に沿って移動させる。複数のレンズ駆動部212のうちの少なくとも1つのレンズ駆動部212は、光学式振れ補正を実現すべく、レンズ210を光軸に垂直な方向に移動させてよい。少なくとも1つのレンズ駆動部212は、光学式振れ補正を実現すべく、レンズ210をピット方向及びヨー方向の少なくとも一方に移動させてよい。レンズ駆動部212は、駆動部の一例である。位置センサ214は、レンズ210の位置を検出する。位置センサ214は、レンズ210の動きを検出する第3センサの一例である。レンズ制御部220は、撮像部102からのレンズの駆動情報に従って、少なくとも1つのレンズ駆動部212を駆動して、少なくとも1つのレンズ210を光軸方向または光軸に垂直な方向に沿って移動させる。駆動情報は、例えば、ズーム制御命令、フォーカス制御命令、振れ補正制御命令を含む。なお、本実施形態では、光学式振れ補正として、レンズ210を駆動させる例について説明する。しかし、撮像装置100は、光学式振れ補正として、イメージセンサ120を駆動させてもよい。または、撮像装置100は、光学式振れ補正として、レンズ210及びイメージセンサ120を駆動させてもよい。
【0040】
撮像制御部110は、光学式振れ補正制御部140及び電子式振れ補正制御部150を備える。光学式振れ補正制御部140は、光学式振れ補正を制御する。電子式振れ補正制御部150は、電子式振れ補正を制御する。光学式振れ補正制御部140は、第1制御部の一例である。電子式振れ補正制御部150は、第2制御部の一例である。
【0041】
光学式振れ補正制御部140は、ジャイロセンサ116からの撮像装置100の動き情報に基づいて、振れ補正を実行する。光学式振れ補正制御部140は、ジャイロセンサ116からの撮像装置100の動き情報に基づいて、撮像装置100のピッチ方向及びヨー方向の振れ量を導出する。光学式振れ補正制御部140は、導出された振れ量をキャンセルする方向にレンズ210を駆動させるための駆動情報を生成する。光学式振れ補正制御部140は、駆動情報に基づいてレンズ駆動部212を制御して、振れ量をキャンセルする方向にレンズ210を駆動させる。光学式振れ補正制御部140は、位置センサ214からのレンズ210の動き情報と、レンズ210の駆動情報とに基づいてレンズ210の動きをフィードバック制御してよい。
【0042】
レンズ駆動部212は、駆動情報に基づいてレンズ210を駆動する。しかし、レンズ210が駆動情報に従って移動すべき目標の移動量と、実際の移動量との間に誤差が生じることがある。
図3は、撮像装置100に生じる振動の振動周波数と、レンズ210の追従率(検出値d/目標値c)との関係の一例を示す。目標値cは、レンズ210の目標の移動量を示す。検出値dは、位置センサ214により検出されるレンズ210の実際の移動量を示す。追従率が1に近いほど、レンズ210が理想的な位置に移動していることを意味する。つまり、追従率が1に近いほど、振れ補正が的確に行われていることを意味する。
【0043】
回転翼40の回転に伴う撮像装置100の振動の振動周波数は、電動機36及び回転翼40などの特性に依存するが、例えば、50Hz〜70Hz付近にある。
図3に示すように、撮像装置100の振動周波数が、10Hz付近であれば、追従率は1に近い。一方、撮像装置100の振動周波数が、50Hz〜70Hz付近にある場合、レンズ駆動部212の特性などの影響で、追従率は、1から離れる。つまり、撮像装置100の振動周波数が、50Hzから70Hz付近では、駆動情報に基づくレンズ210の移動に誤差が生じ、振れ補正が的確に行われていない。例えば、UAV10に搭載されずに、ユーザが撮像装置100を手に持って撮影する場合などで生じる可能性が高い通常の振れ補正の振動周波数は、10Hz付近である。このような振動周波数では、追従率が1に近いので問題にならない。しかし、撮像装置100がUAV10に搭載されている場合、回転翼40の回転に伴い、50Hzから70Hz付近の振動周波数を有する振動が撮像装置100に生じている場合がある。この場合、目標値cと実際のレンズ210の検出値dとの間に誤差が生じ、振れ補正が的確に行われない場合がある。
【0044】
そこで、本実施形態に係る撮像装置100は、特定の振動周波数で振動している場合に、駆動情報に基づくレンズ210の移動の誤差をキャンセルすべく、駆動情報を補正する。これにより、撮像装置100の振動周波数が、50Hzから70Hz付近にある場合でも、追従率を1に近づける。特定の振動周波数は、追従率が予め定められた閾値より低い振動周波数でよい。
【0045】
図4に示すように、レンズ210が移動すべき移動量を示す(1)目標値cと、位置センサ214により検出されたレンズ210の実際の移動量を示す(2)検出値dとの間には、(3)誤差(c−d)が生じる。光学式振れ補正制御部140は、その誤差をキャンセルすべく、レンズ210の駆動情報を(4)補正値Δで補正する。これにより、(5)誤差(c−d)がキャンセルされる。
【0046】
撮像制御部110は、取得部112を備える。取得部112は、ジャイロセンサ116から撮像装置100の動き情報を取得する。取得部112は、ジャイロセンサ116から、撮像装置100のピッチ方向の角速度及びヨー方向の角速度を撮像装置100の動き情報として取得してよい。取得部112は、ホールセンサ38からUAV制御部30を介して電動機36のロータの位置情報を取得してよい。取得部112は、位置センサ214から振れ補正レンズとして機能するレンズ210の動き情報を取得してよい。取得部112は、第1取得部、第2取得部、及び第3取得部の一例である。
【0047】
光学式振れ補正制御部140は、導出部142、生成部144、及び補正部146を有する。導出部142は、レンズ210の駆動を制御する駆動情報を、撮像装置100の動き情報に基づいて導出する。導出部142は、撮像装置100のピッチ方向の角速度及びヨー方向の角速度をそれぞれ積分することで、撮像装置100のピット方向及びヨー方向の振れ量を導出してよい。導出部142は、振れ量をキャンセルする方向にレンズ210を駆動させる駆動情報を導出してよい。
【0048】
生成部144は、電動機36の回転速度または電動機36に入力される電流値に基づいて補正値Δを生成する。生成部144は、UAV制御部30からUAV10の飛行を制御する制御情報を取得して、その制御情報に基づいて電動機36の回転速度または電動機36に入力される電流値を特定してよい。生成部144は、UAV制御部30から電動機36を駆動する駆動命令を示す制御情報を取得して、その制御情報に基づいて、電動機36の回転速度または電動機36に入力される電流値を特定してよい。生成部144は、UAV制御部30を介してホールセンサ38から電動機36のロータの位置情報を取得して、そのロータの位置情報に基づいて、電動機36の回転速度を特定してよい。生成部144は、電動機36に入力される電流を検知する電流センサからの信号に基づいて、電動機36に入力される電流の電流値を特定してよい。
【0049】
メモリ130は、電動機36の回転速度または電動機36に入力される電流値と、レンズ210の駆動情報を補正するための補正情報とを対応付けて格納してよい。メモリ130は、格納部の一例である。メモリ130は、例えば、
図5に示すように、補正情報として、周波数と振幅とで定義された補正パターンと、電動機36の回転速度(rad/s)とを対応付けて格納してよい。電動機36の回転速度ごとに、目標値cと検出値dとの差分を実際に測定して、その差分から補正情報を予め生成して、メモリ130に格納しておけばよい。
【0050】
生成部144は、電動機36の回転速度または電動機36に入力される電流値に対応する補正情報に基づいて、補正値Δを生成してよい。生成部144は、電動機36の回転速度に対応する補正パターンをメモリ130から読み出し、補正パターンに基づいて補正値Δを生成してよい。生成部144は、ホールセンサ38から電動機36のロータの位置情報を取得して、ロータの位置情報に基づいて、レンズ210の駆動情報と補正パターンとを同期させて、目標値cの位相と補正値Δの位相とが合うように、補正値Δを生成してよい。
【0051】
撮像装置100の姿勢によって電動機36の回転に伴う撮像装置100の振動の方向は異なる。そこで、生成部144は、撮像装置100の姿勢を考慮して、補正値Δを生成してよい。メモリ130は、撮像装置100の姿勢ごとに、補正パターンを格納してよい。メモリ130は、撮像装置100の姿勢を示す角度範囲ごとに、補正パターンを格納してよい。角度範囲は、例えば、撮像装置100が水平方向に向いているときの角度を0度として定義してよい。
【0052】
補正部146は、生成部144により生成された補正値Δに基づいて、導出部142により導出された駆動情報を補正する。光学式振れ補正制御部140は、補正部146により補正された駆動情報に基づいてレンズ駆動部212を介してレンズ210を駆動させて、撮像装置100の振れ補正を実行する。補正部146は、導出部142により導出される駆動情報に示される目標値cに、生成部144により生成される補正値Δを順次加算することで、駆動情報を順次補正してよい。
【0053】
UAV10は、複数の回転翼40と、複数の回転翼40をそれぞれ回転させる複数の電動機36を備える。複数の電動機36ごとに撮像装置100の振動に与える影響は異なる。そこで、生成部144は、複数の電動機36ごとに補正値Δを生成してよい。補正部146は、複数の電動機36に対応する複数の補正値Δに基づいて、駆動情報を補正してよい。補正部146は、複数の電動機36のそれぞれの補正値Δをマージして、マージされた補正値を駆動情報に示される目標値に加算することで、駆動情報を補正してよい。メモリ130は、
図5に示すようなテーブルを複数の回転翼40ごとに格納してよい。
【0054】
図6は、光学式振れ補正に関する機能ブロックの一例を示す。取得部112が、ジャイロセンサ116から撮像装置100の動き情報を取得する。導出部142は、取得部112から提供される撮像装置100の動き情報に基づいて、撮像装置100の振れ量を導出する。導出部142は、振れ量をキャンセルするようにレンズ210を駆動させるべく、レンズ210の駆動情報を導出する。一方、生成部144は、UAV制御部30を介して電動機36の回転速度を取得する。生成部144は、メモリ130から電動機36の回転速度に対応する補正情報を取得する。生成部144は、ジャイロセンサ116から撮像装置100の姿勢情報を取得して、撮像装置100の姿勢及び電動機36の回転速度に対応する補正情報をメモリ130から取得してよい。さらに、生成部144は、ホールセンサ38から電動機36のロータの位置情報を取得する。そして、生成部144は、補正情報に基づいて、電動機36のロータの位置に応じた補正値Δを生成する。生成部144は、電動機36の回転周期に同期させた補正値Δを生成する。補正部146は、導出部142から提供される駆動情報と、生成部144から提供される補正値Δとに基づいて、駆動情報を補正する。補正部146は、補正された駆動情報をレンズ駆動部212に提供する。レンズ駆動部212は、補正された駆動情報に基づいてレンズ210を撮像装置100の振れ量をキャンセルする方向に駆動する。導出部142は、位置センサ214からレンズ210の動き情報を取得して、レンズ210の動き情報に基づいて駆動情報のフィードバック処理を実行してよい。
【0055】
ここで、補正値Δに基づいて駆動情報が補正されたとしても、撮像装置100の周囲環境の違いなどの外的要因により、レンズ210が目標値cに移動しない可能性がある。すなわち、補正値Δに基づいて駆動情報が補正されたとしても、目標値cと検出値dとの間に誤差が生じる可能性がある。そこで、そのような誤差をさらに解消すべく、電子式振れ補正制御部150が、電子式振れ補正を制御してよい。
【0056】
例えば、イメージセンサ120がCMOSセンサで構成されている場合、イメージセンサ120から取得される画像は、水平ラインごとに取り込まれる。例えば、イメージセンサ120から取得される画像は、
図7に示すように、水平ラインL1〜L6ごとに取り込まれる。なお、画像の水平ライン数は、
図7に示す数には限定されない。そして、例えば、撮像装置100の振れ方向が水平方向の場合、
図8に示すように水平ライン単位で画像がぶれる。補正値Δにより駆動情報が補正されたとしても、水平方向の振れが
図8に示すように残る可能性がある。このような場合には、電子式振れ補正制御部150が、その残った水平方向の振れを画像処理により補正してよい。
【0057】
電子式振れ補正制御部150は、導出部142により導出された駆動情報と、取得部112により取得された振れ補正レンズとして機能するレンズ210の動き情報との比較に基づいて、イメージセンサ120により撮像された画像の補正を制御することで、撮像装置100の振れ補正を制御してよい。電子式振れ補正制御部150は、水平ライン単位で画像が取り込まれるタイミングごとに、そのタイミングに対応するレンズ210の駆動情報が示す水平方向の目標値cと、そのタイミングに対応する位置センサ214から取得される水平方向の検出値dとの差分を取得する。電子式振れ補正制御部150は、水平ラインごとにその差分をメモリ130に記憶する。そして、電子式振れ補正制御部150は、水平ラインごとの差分をキャンセルすべく、イメージセンサ120から取得された画像を差分に基づいて水平ラインごとに補正する。これにより、電子式振れ補正制御部150は、例えば、
図8に示すような水平方向にぶれた画像を、
図7に示すような水平方向のぶれが少ない画像に補正する。
【0058】
以上、本実施形態に係る撮像装置100によれば、UAV10が飛行中に撮像装置100が撮像した場合に、振れ補正が的確に行われないことを防止できる。例えば、撮像装置100がUAV10に搭載されて使用される場合に加えて、撮像装置100がユーザに手で持たれて使用されるなどUAV10に搭載されずに使用される場合でも、振れ補正を的確に行うことができる。
【0059】
図9は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ1200の一例を示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーションまたは当該装置の1または複数の「部」として機能させることができる。または、当該プログラムは、コンピュータ1200に当該オペレーションまたは当該1または複数の「部」を実行させることができる。当該プログラムは、コンピュータ1200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0060】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、及びRAM1214を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、入力/出力ユニットを含み、それらは入力/出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。コンピュータ1200はまた、ROM1230を含む。CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。
【0061】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブが、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納してよい。ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/またはコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。プログラムが、CR−ROM、USBメモリまたはICカードのようなコンピュータ可読記録媒体またはネットワークを介して提供される。プログラムは、コンピュータ可読記録媒体の例でもあるRAM1214、またはROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーションまたは処理を実現することによって構成されてよい。
【0062】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、またはUSBメモリのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0063】
また、CPU1212は、USBメモリ等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0064】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0065】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ1200上またはコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0066】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0067】
10 UAV
20 UAV本体
30 UAV制御部
32 メモリ
34 通信インタフェース
36 電動機
38 ホールセンサ
40 回転翼
41 GPS受信機
42 慣性計測装置
43 磁気コンパス
44 気圧高度計
50 ジンバル
60 撮像装置
100 撮像装置
102 撮像部
110 撮像制御部
112 取得部
116 ジャイロセンサ
120 イメージセンサ
130 メモリ
140 光学式振れ補正制御部
142 導出部
144 生成部
146 補正部
150 電子式振れ補正制御部
200 レンズ部
210 レンズ
212 レンズ駆動部
214 位置センサ
220 レンズ制御部
300 遠隔操作装置
1200 コンピュータ
1210 ホストコントローラ
1212 CPU
1214 RAM
1220 入力/出力コントローラ
1222 通信インタフェース
1230 ROM
【要約】
【課題】撮像装置が回転翼の駆動に伴う振れの補正を適切に実行できない場合がある。
【解決手段】制御装置は、回転翼と回転翼を回転させる電動機とを備える飛行体に搭載された撮像装置の振れ補正を制御する。制御装置は、撮像装置の動きを検出する第1センサから、撮像装置の動き情報を取得する第1取得部を備えてよい。制御装置は、動き情報、及び電動機の回転速度または電動機に入力される電流の電流値に基づいて、撮像装置の振れ補正を制御する第1制御部を備えてよい。
【選択図】
図6