特許第6331182号(P6331182)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6331182
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】環状重合L−乳酸。
(51)【国際特許分類】
   C08G 63/08 20060101AFI20180521BHJP
   A61K 31/765 20060101ALI20180521BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20180521BHJP
   C07D 323/00 20060101ALN20180521BHJP
   A61K 31/365 20060101ALN20180521BHJP
【FI】
   C08G63/08
   A61K31/765
   A61P35/00
   !C07D323/00
   !A61K31/365
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-216782(P2017-216782)
(22)【出願日】2017年10月24日
【審査請求日】2017年10月24日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513294080
【氏名又は名称】有限会社スクラム
(72)【発明者】
【氏名】中村 等
(72)【発明者】
【氏名】杉木 進
【審査官】 吉海 周
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5966230(JP,B2)
【文献】 特開2013−039117(JP,A)
【文献】 特開2006−232909(JP,A)
【文献】 特開2007−112751(JP,A)
【文献】 特開2004−307561(JP,A)
【文献】 特開2004−155670(JP,A)
【文献】 特開2001−139476(JP,A)
【文献】 特開2000−239171(JP,A)
【文献】 国際公開第2002/055090(WO,A1)
【文献】 国際公開第00/018757(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 319/00−323/00
C08G 63/08
C08L 67/04
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合体単独でpHが6〜7であり、重合度nが5〜10である分子がイオン強度50%以上含有し、重合度nが11〜30である分子をさらに含む環状重合L−乳酸組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の環状重合L−乳酸組成物を配合した医薬品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重合体単独で特定のpHを有する環状重合L−乳酸、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
L−乳酸は生体内の解糖系の生成物のひとつである、急激な運動を行うと筋肉の細胞内でエネルギー源として糖が分解されピルビン酸を経て乳酸が生成される。または炭水化物を分解して乳酸を合成(乳酸発酵)する微生物を総称して乳酸菌と呼ぶ、乳酸はヨーグルトやチーズ、バター、漬物、日本酒などさまざまな加工食品に含まれており、乳酸菌は食品工業に応用されている。食品添加物として乳酸による酸性化、pH調整剤、防腐作用を利用して雑菌の繁殖を防止する食品に使用されている。
【0003】
L−乳酸は、天然原料となる糖類はジャガイモ、トウモロコシ、サトウダイコン、サトウキビなどから得られるデンプンや糖に乳酸菌の発酵作用によりL−乳酸が得られる、植物由来、分子式C3H6O3、分子量90.08、pH1以下、L体は融点53℃の無色個体、常温で粘りのある液体として存在する、いずれの型も吸湿性が強く、水・アルコール・エーテルによく溶け、水溶液は酸性を示す。
【0004】
ラクチド(Lactide)またジラクチド(Dilactide)は、乳酸2分子量のエステル縮合、分子式C6H8O4、分子量144.13の環状化合物、ラクチドの合成は乳酸を加熱することで生成する、乳酸のラクチドは開環重合することでポリ乳酸になる。ポリ乳酸は環境中の水分により加水分解を受け低分子化され、微生物などにより最終的には二酸化炭素と水にまで分解される。ラクチドは工業製品用ポリ乳酸の原料である。
【0005】
ポリ乳酸は、乳酸がエステル結合によって重合し、長くつながった高分子である、分子量90.000〜280.000のポリエステル類に分類されている。高分子ポリ乳酸は生体内分解性・生体吸収性物質は生体内でエステル結合の加水分解によって化合物に分解される、生物医学用器具・外科縫合や吸収性インプラント製品の材料として利用。
【0006】
高分子ポリ乳酸は生分解性プラスチックでもある、生分解性プラスチックとは微生物により分解されやすいプラスチック、生分解性プラスチックはフィルム、シート、繊維製品、食品容器、OA機器に用いられている。
【0007】
環状重合L−乳酸は、L−乳酸を環状につなぎあわせた構造の重合物質である、環状構造をしたL−乳酸はもともと人の細胞が生産しているものと生物活性が同じ重合物であり、細胞から分泌される一種の調整物質であって体内に取り入れることによって低下した細胞機能の改善、生体内分解性・生体吸収性物質、生体内に存在し細胞内エネルギー生成に関与している。環状重合L−乳酸の分子量は2,000以下の低分子であり、医薬品、食品、飲料水、健康食品として利用されている。
【0008】
特許文献1の製造例1で得られたポリL−乳酸の質量スペクトルを示す。
(ユニットをm/z72)イオン強度:M/Z145はn=2、M/Z217はn=3
単純な加熱・常圧または減圧下で窒素ガス等の不活性ガスの雰囲気中で加熱し脱水重合しての製造方法にはL−乳酸分子の重合度n=2〜n=3分子イオン強度が60%〜70%以下である、L−乳酸の重合度n=2ラクチドとn=3にはL−乳酸モノマーの性質が強く残り、分子量が少ないので開環状重合で発生するエネルギーが少量であり、また
M/Z289はn=4のイオン強度が約30%、
M/Z361はn=5〜M/Z833はn=12のイオン強度が15%以下、
M/Z977はn=14〜M/Z1337はn=19のイオン強度が10%以下
であり、物質自体の重合度M/Z617はn=9〜M/Z1337はn=19分子量のイオン強度が足りない。
【0009】
特許文献2の請求項1、L(十)一乳酸を窒素ガス雰囲気中で段階的減圧および昇温により脱水縮合し、得られた反応液のエタノールおよびメタノール可溶成分を減圧乾燥した後、逆相ODSカラムクロマトグラフィーを行い、pH2.0の25〜50%アセトニトリル水溶液で溶離後、pH2.0の100%アセトニトリルで溶離した画分である縮合度9〜19の環状型および縮合度5〜23の直鎖型のオリゴマー物質である混合ポリL一乳酸からなる、L一乳酸オリゴマーを分離精製して(水酸化ナトリウムNaOH)アルカリで中和した後、減圧乾燥したものを原粉末とし、これを所定の濃度となるように適切な溶媒に無菌的に溶解または懸濁して注射用製剤とすることが記載されている。経口剤として使用する場合は、前記同様に処理した原粉末をそのままの状態でも使用可能であるが、通常は安定化剤、たとえば乳酸カルシウム、炭酸カルシウム、マンニトール、ソルビトール等が添加される。通常環状重合L−乳酸は溶解した溶液のpH2.0酸性度はレモンの果汁pH2.5と同じく酸性度が高いので摂取しにくい物質であり、また酸味を軽減するためにマンニトール、ソルビトール等の甘味料を使用することで酸味を一時的軽減するが、日時が経つにつれ酸味が再度発生する。水酸化ナトリウム(NaOH)アルカリ中和剤を使用してpHを上げるのは可能であるが本物質に変化を与え安全性にも問題が発生し、またL一乳酸オリゴマー(CPL)を1mol/m水酸化ナトリウム(NaOH)で中和処理し減圧乾燥したもの1800gに、甘味料ソルビトール500g(28%)および炭酸カルシウム200g(11%)を含有する物質ではアルカリ中和処理後酸味が残り添加物を多量(39%)に使用する事は物質自体に変化を及ぼし更に効果が低減する又日時が経ちにつれ酸味が増し水分が発生しべたつきが発生する。
【0010】
特許文献3には環状重合L−乳酸は生体内の状態に応じて細胞から分泌される一種の生体防御反応、細胞機能を改善し正常な細胞ではその機能を高め細胞の活性化を促し、異常な細胞に対してはその代謝過程を阻害し細胞を変性に陥らせ、環状重合L−乳酸は粗面小胞体・滑面小胞体・リボゾーム・ゴルジ装置などの細胞内小器官の代謝に働きかけ、ひいては細胞の代謝の抑制に働き、蛋白・糖蛋白の合成や細胞内の脂質代謝、イオンの移動、輸送などに影響を及ぼし、ATP合成はもちろんmRNA、RNAやDNAの合成、細胞内エネルギー生成にも関与し嫌気的解糖系への作用に加えてNK(ナチュラルキラー)細胞の活性化に影響を与えることが記載されている。
【0011】
そして特許文献3には環状重合L−乳酸の作用機序の一つとしては、がん細胞のエネルギー供給を担う嫌気的解糖系の酵素であるピルビン酸キナーゼや乳酸脱水素酵素(LDH)の活性を阻害し、特にがん細胞のLDH活性を阻害する働きが強く、形態学的にはがん細胞の細胞質の空胞化・膨化、核の崩壊・凝集化を起こし、さらには細胞膜を含む細胞全体の変性・脆弱化を来す結果、がん細胞の増殖を抑制し、消滅に導くものである。環状重合L−乳酸はガン細胞の核濃縮・崩壊・溶解などが細胞質の退行変性と相前後してみられ、細胞内小器官の働きを強く阻害し、細胞全体の増殖機構に影響を及ぼす物質であること、環状重合L−乳酸はL−乳酸を常圧または減圧下で窒素ガス等の不活性ガスの雰囲気中で加熱し脱水重合して得られたL一乳酸直鎖状縮合物とL一乳酸環状縮合物の混合物質であることが記載されている。
【0012】
特許文献4には製造方法(1)〜(3)の工程による環状重合L−乳酸の製造方法では温度130℃から160℃まで上昇させながら気圧を上下数回繰り返しL−乳酸の重合反応を行う工程が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2000−239171号
【特許文献2】特開2001−139476号
【特許文献3】特開2004−155670号
【特許文献4】特許第5966230号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従来物質のpHは2.0であり、水酸化ナトリウム(NaOH)アルカリ剤で中和後でも酸味が残り多量の添加物が必要であり、又は物質の環状型はオリゴマー物質であり混合ポリL一乳酸の重合度9〜19、イオン強度が15%以下であり物質自体を濃縮しイオン強度を上げる必要がある、添加物を配合することなくpH6〜7の環状重合L−乳酸を得る必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
当該課題を解決するために種々検討した結果、加熱中に特定の温度で減圧力を上下させ多量の蒸気を発生させ特定の温度も上下を行いながら脱水縮合繰り返し行い重合度の濃縮を高め、圧力−600mmHg・温度170℃〜177℃の間に圧力(−600mmHg〜−225mmHg)数回上下行い蒸気を大量に発生させ、温度193℃を保ちながら減圧と窒素ガス噴射を停止、酸素を取り入れ・圧力760mmHgに切り替え蒸気を発生させ数時間加熱処理後取り出し冷却し60℃で個体化、この工程で酸味がない物質を得た。
また物質のpHを測定した結果pH6.2の中性を示した、得た環状重合L−乳酸を分析した結果、図4の分子重合度(m/z361)n=5〜(m/z721)n=10イオン群のイオン強度が50%以上に生成された物質である。
【本発明の効果】
【0016】
環状重合L−乳酸の製造方法で得た物質を分析した結果、図4の分子重合度n=5〜10イオン群の強度が50%以上で生成された物質であると確認された、また物質のpHを測定した結果pH6.2の中性を示し中和剤又は甘味料が不要であり加工しやすく酸味もない摂取しやすい物質である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】試料のマススペクトル(MALDI)を示す。
図2】試料のマススペクトル(MALDI、拡大)を示す。
図3】polytoolsによる解析結果を示す。
図4】試料のマススペクトル(ESI+)を示す。
図5】試料のマススペクトル(ESI+、拡大)を示す。
【発明の実施するための形態】
【0018】
環状重合L−乳酸の製造方法は製造機械タンク内50L量マントルヒーターにL−乳酸液を入れ、温度100℃で数時間加熱処理後から真空ポンプで段階的に減圧を始め、窒素ガスをタンク側面部に直接噴射を始め内部の撹拌、圧力のコントロールと出てくる蒸気を排出させる、温度100℃から加熱中の温度を上昇させ7時間後圧力−525mmHg・温度170℃である、引き続き減圧行い圧力−600mmHg・温度170℃〜177℃の間に圧力(−600mmHg〜−225mmHg)数回上下行い蒸気を大量に発生させる、数時間後に温度が上昇し減圧を行い圧力−975mmHg・温度193℃とまで行う、その後温度193℃を保ちながら減圧を停止、圧力760mmHgに切り替え数時間加熱処理を行いその後機械内から取り出し冷却し60℃で個体化、酸味なし、無色、透明、環状重合L−乳酸高純度物質を得ることが出来る。
【0019】
環状重合L−乳酸の重合度を調べるため、マトリックス支援レーザー脱離イオン化/質量分析(MALDI/MS)およびエレクトロスプレーイオン化/質量分析(ESI/MS)を行った。結果、L−乳酸(C3H4O2)のモノマーユニットであるm/z72差の分子量分布が確認されたが、環状重合L−乳酸(重合度:5〜30)と鎖状重合L−乳酸(重合度:2〜30)も共存している。
【化1】
【0020】
本発明の環状重合L−乳酸の分析方法
分析装置
マトリックス支援レーザー脱離イオン化/質量分析(MALDI/MS)
装置:Bruker Daltonics製rapi fleX TOF/TOF型
測定モード:Reflector/Positiveモード
測定質量範囲:m/z100〜4000
エレクトロスプレーイオン化/質量分析(ESI/MS)
<液体クロマトグラフ部>
装置:Waters製ACQUITY UPLC型
移動相:0.1%ギ酸水溶液/アセトニトリル=1/1
流速:0.2ml/min
<質量分析部>
装置:Waters製SynaptG2−S型
測定モード:Positiveモード
測定質量範囲:m/z50〜2000
分析方法
MALDI/MS:試料をテトラヒドロフランにて溶解後、マトリックス(DHB)溶液と混合し、分析に供した。
ESI/MS:試料をテトラヒドロフランにて溶解し、分析に供した。
【実施例】
【0021】
製造機械タンク内50L量マントルヒーターに純度90%L−乳酸液を40kg入れ、温度100℃で数時間加熱処理後から真空ポンプで段階的に減圧を始め、窒素ガス1.3L/min量をタンク側面部に直接噴射を始め内部の撹拌、圧力のコントロールと出てくる蒸気を排出させ、蒸気と窒素ガスを冷却装置に通し冷却しながら蒸気を液体として取り出しタンク内20L量に保管し窒素ガスと分離させ排出、温度100℃から加熱中の温度を上昇させ60分毎に段階的−75mmHg量減圧行い、7時間後圧力−525mmHg・温度170℃である、引き続き30分毎に−75mmHg量減圧行い圧力−600mmHg・温度170℃〜177℃の間に圧力(−600mmHg〜−225mmHg)数回上下行い蒸気を大量に発生させる、さらに10分毎に−75mmHg量減圧行い温度が上昇し圧力−975mmHg・温度193℃とまで行う、その後温度193℃を保ちながら減圧と窒素ガス噴射を停止、酸素を取り入れ・圧力760mmHgに切り替え蒸気を発生させ数時間加熱処理後に機械内から取り出し冷却し60℃で個体化、酸味がない物質になり、無色、透明、25kg量の環状重合L−乳酸高純度物質を得た。
【0022】
【0023】
本発明の環状重合L−乳酸の分析結果・考察
MALDI/MS
環状重合L−乳酸の重合度を調べるため、MALDI/MSを行った。図1図2に試料のマススペクトル(MALDI)を示した。L−乳酸のモノマーユニットであるm/z72差の分布をもつイオン群が確認された。図3にポリマー解析ソフトウェア(polytools;Bruker Daltonics製)による解析結果を示す。繰り返しユニットをm/z72のポリ乳酸(PLA)に設定したとき、高強度で検出された1番目(赤色)および5番目(緑色)のイオン群(それぞれナトリウムイオン付加分子(M+Na)+、カリウムイオン付加分子(M+K)+と推定)の末端基はOHおよびHと推定され、鎖状であることが示唆された。また、8番目(青色)、13番目(青緑色)のイオン群はそれぞれ環状重合L−乳酸のプロトン付加分子(M+H)+、(M+Na)+であると推定され、検出された重合度:5〜30のイオンについて、図2中に記載した。なお、その他のイオン群については、末端基の同定には至らなかった。
【表1】
ESI/MS
重合L−乳酸の末端構造を明らかにするため、ESI/MS(高分解能)による組成推定を行った。図4図5に試料のマススペクトル(ESI+)を、表1に精密質量による組成推定結果をそれぞれ示した。マススペクトルより繰り返しユニットm/z72のイオン群が検出され、その精密質量から乳酸ユニット(C3H4O2)であることが推定された。また、青、橙色、赤、緑丸で示したイオン群の代表的なイオン(m/z505、522、523および540)について組成推定を行ったところ、青および橙色丸はそれぞれ環状重合L−乳酸の(M+H)+およびアンモニウムイオン付加分子(M+NH4)+、赤および緑色丸はそれぞれ鎖状重合L−乳酸の(M+H)+および(M+NH4)+と推定された。また、環状重合L−乳酸について、重合度:2(m/z145)以上のイオン群が検出された。
【0024】
本発明の環状重合L−乳酸の分析結果:まとめ
環状重合L−乳酸の重合度を調べるため、マトリックス支援レーザー脱離イオン化/質量分析(MALDI/MS)を行った。結果、L−乳酸のモノマーユニットであるm/z72差の分布をもつイオン群が検出された。ソフトウェアによる解析の結果、環状重合L−乳酸(重合度:5〜30)だけでなく鎖状重合L−乳酸の存在も示唆された。そこで重合L−乳酸の末端についてより詳細に調べるため、ESI/MSによる高分解能測定を行った。結果、ESI/MSにおいても環状(重合度:2以上)、鎖状と推定されるイオン群が検出された。
【要約】
【課題】 重合体単独としてpHが6〜7である環状重合L−乳酸の提供。
【解決手段】 環状重合L−乳酸の製造方法では温度193℃を保ちながら減圧と窒素ガス噴射を停止、酸素を取り入れ・圧力760mmHgに切り替え蒸気を発生させ数時間加熱処理後取り出し冷却し60℃で個体化、この工程で酸味がない物質を得た、また物質のpHを測定した結果pH6.2の中性を示した。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5