特許第6331208号(P6331208)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6331208
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】アイマスク型水素供給器
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/04 20060101AFI20180521BHJP
   C01B 3/02 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   A61F9/04 300
   C01B3/02 F
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-560827(P2017-560827)
(86)(22)【出願日】2016年12月9日
(86)【国際出願番号】JP2016086768
(87)【国際公開番号】WO2017122476
(87)【国際公開日】20170720
【審査請求日】2017年11月21日
(31)【優先権主張番号】特願2016-3477(P2016-3477)
(32)【優先日】2016年1月12日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513189959
【氏名又は名称】竹原 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100115200
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修之
(72)【発明者】
【氏名】竹原 隆
【審査官】 宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−019635(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/156415(WO,A1)
【文献】 特開2002−065714(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第19730735(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/02 − A61F 9/04
A61F 7/08
A61H 33/14
C01B 3/06 − C01B 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素ガス及び前記水素ガスの生成時に発生する反応熱を両眼周辺に供給するためのアイマスク型水素供給器であって、
アイマスクとしてユーザの眉間及び両眼周囲に当接するアイマスク本体部と、ユーザの顔面に前記アイマスク本体部を固定する装着用ベルトと、内部に水素化アルミニウム粉末及び反応用水が封入され、該水素化アルミニウム粉末及び反応用水を反応させることで水素ガス及び反応熱を発生可能な水素ガス供給パックと、前記水素ガス供給パックを前記アイマスク本体部に固定するための収納ポケットと、を具備し、
前記水素ガス供給パックを交換することで、継続的に使用可能であることを特徴とするアイマスク型水素供給器。
【請求項2】
前記水素ガス供給パックは、
両眼に対応する位置に配置される水素化アルミニウム粉末を封入したアルミ粉末袋を2つと、反応用水を封入した反応用水袋を1つと、を内部に具備して外袋で包み、
厚み方向に2つの前記アルミ粉末袋の間に前記反応用水袋が挟まれた内部構成であることを特徴とする請求項1に記載のアイマスク型水素供給器。
【請求項3】
前記アルミ粉末袋と、反応用水袋とは、
アルミをラミネートした素材で構成されていることを特徴とする請求項2に記載のアイマスク型水素供給器。
【請求項4】
前記外袋は、
防水透湿性素材で構成されていることを特徴とする請求項2又は3のいずれか1項に記載のアイマスク型水素供給器。
【請求項5】
前記アルミ粉末袋に、不織布が挿入されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項記載のアイマスク型水素供給器。
【請求項6】
前記装着用ベルトはベルト調節部を具備し、
ユーザが前記ベルト調節部を操作することで自身の頭囲に合わせて前記装着用ベルトの長さを調節可能となる特徴を有する請求項2〜5のいずれか1項記載のアイマスク型水素供給器。
【請求項7】
前記外袋の内部には窒素ガスが充填される、ことを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載のアイマスク型水素供給器。
【請求項8】
前記外袋と前記アルミ粉末袋との隙間には高分子吸収剤が充填される、ことを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載のアイマスク型水素供給器。
【請求項9】
前記水素ガス供給パックは、
両眼に対応する位置に配置される水素化アルミニウム粉末を封入したアルミ粉末袋と、これと厚み方向に重ねて配置される反応用水を封入した反応用水袋とを、を内部に具備して外袋で包み、
前記外袋と、前記アルミ粉末袋及び前記反応用水袋と、の隙間には高分子吸収剤が充填される、ことを特徴とする請求項1に記載のアイマスク型水素供給器。
【請求項10】
前記高分子吸収剤は、シート状に形成されて前記外袋とアルミ粉末袋との隙間に介挿される、ことを特徴とする請求項9に記載のアイマスク型水素供給器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、瞼を温めつつ両眼周辺に水素を供給可能なアイマスク型水素供給器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、老化の促進や動脈硬化及び癌等種々の疾患を引き起こす原因となっている悪玉活性酸素(=ヒドロキシルラジカル)が問題視されている。悪玉活性酸素は、非常に強い酸化力で細胞に損傷を与え、身体を酸化(換言すると老化)させて、種々の疾患や老化を促進させるものである。
【0003】
当該悪玉活性酸素を体内から除去する手段として水素が注目されており、種々の動物疾患実験や、人間の臨床実験で水素の有効性が示され、医療応用における研究が盛んに行われている。水素は、老化の促進や動脈硬化及び癌等種々の疾患を引き起こす原因となっている悪玉活性酸素(=ヒドロキシルラジカル)のみを体内から除去し、体の組織や細胞に悪影響を及ぼさないことから、幅広い手法で体内に取り込む試みがなさ、種々の治験も発表されている。このうち水素分子を飽和させた生理食塩水を点眼投与した場合に、網膜虚血−再灌流傷害から網膜を保護する効果を有することがわかってきた。
【0004】
一方、一般にこれまで水素ガスを体内に取り込む手法は、水素水の摂取、部分的な水素ガスの吹付け等が多く用いられている。しかしながら、簡単な水素摂取の方法でユーザの自身の眼元にも水素を直接供給する方法はこれまで提供されておらず、今後のニーズが高まってくることが予想される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特願2012−289290号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Invest Ophthalmol Vis Sci 51:487-492,2010(網膜虚血−再灌流傷害における水素点眼の投与は、水素分子の急速拡散により網膜を保護する)小原澤秀彰ら
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上の事情に鑑みて創作されたものであり、ユーザが携帯して自由に持ち運べ、瞼を温めつつ両眼周辺及び眼球に水素を供給可能なアイマスク型水素供給器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決すべく、本発明のアイマスク型水素供給器は、
水素ガス及び前記水素ガスの生成時に発生する反応熱を両眼周辺に供給するためのアイマスク型水素供給器であって、
アイマスクとしてユーザの眉間及び両眼周囲に当接するアイマスク本体部と、ユーザの顔面に前記アイマスク本体部を固定する装着用ベルトと、内部に水素化アルミニウム粉末及び反応用水が封入され、該水素化アルミニウム粉末及び反応用水を反応させることで水素ガス及び反応熱を発生可能な水素ガス供給パックと、前記水素ガス供給パックを前記アイマスク本体部に固定するための収納ポケットと、を具備し、
前記水素ガス供給パックを交換することで、継続的に使用可能であることを特徴とする。
【0009】
前記水素ガス供給パックは、
両眼に対応する位置に配置される水素化アルミニウム粉末を封入したアルミ粉末袋を2つと、反応用水を封入した反応用水袋を1つと、を内部に具備して外袋で包み、
厚み方向に2つの前記アルミ粉末袋の間に前記反応用水袋が挟まれた内部構成であることを特徴とする。
【0010】
上記のような構成を有する本発明のアイマスク型水素供給器を使用することにより、具備した水素ガス供給パック内部に備えられた水素化アルミニウム粉末及び反応用水を接触させ、水素ガス発生反応を起こさせることで、水素ガス及び反応熱を発生させることができる。また、本発明のアイマスク型水素供給器はユーザの眉間及び両眼周囲に直接当接することから、水素ガス供給パックで発生させた水素ガス及び反応熱を、直接ユーザの両眼周辺及び眼球に供給することが可能となる。水素ガスは両眼の眼球表面を覆う涙に到達し、徐々に涙に侵入して飽和することで、当該涙が水素濃度の高い略水素水に変化し、水素分子を飽和する生理食塩水を点眼投与する場合と同様であると考えられる。これにより硝子体の水素分子濃度が上昇し、網膜近傍に存在していた悪玉活性酸素をキャッチして体外に排出し、上記網膜の保護の効果を奏する。
【0011】
さらに同時に、水素ガス発生反応により発生した反応熱は、徐々に本発明のアイマスク型水素供給器からユーザの両瞼に伝達され、両眼の周囲及び眼球を温める。これによってユーザの両眼における周囲及び眼球において血行促進が作用し、良好な血流の循環と、適度な加熱と、から、ユーザが非常に高いリラックス効果を得ることができる。したがって、本発明のアイマスク型水素供給器では、従来、水素発生反応時の発熱の抑制と水素発生量の確保という背反する課題を克服する必要がなく、むしろ水素発生量の増加と発熱反応とをそのまま両者とも活用していることとなる。
【0012】
さらに上記のような構成を有する本発明においては、前記アルミ粉末袋と、反応用水袋とは、アルミをラミネートした素材で構成されていることが好ましい。また、外袋は、ゴアテックス(登録商標)のごとき防水透湿性素材で構成されていることが好ましい。
【0013】
上記のような構成を有する本発明の水素ガス吸引具を使用することにより、アルミ粉末袋と、反応用水袋とは、液体と、気体と、水蒸気と、のバリヤ性に優れ、反応用水袋及びアルミ粉末袋内部の充填物が外部に漏れだすことを防止するだけでなく、外部から各袋内部に液体と、気体と、水蒸気と、が侵入することも防止可能である。とりわけ、アルミ粉末袋内部に納められた水素化アルミニウム粉末は、水及び水蒸気と接触することで水素ガス発生反応を起こしてしまうため、意図しない水素ガス発生反応を防止するためには、アルミをラミネートした素材で各袋を構成することが望ましい。さらに、外袋が防水透湿性素材で構成されていると外部にアルミニウムや水が漏出することはなく、反応時に水素や水蒸気だけを外部に放出することができる。
【0014】
さらに上記のような構成を有する本発明においては、前記アルミ粉末袋に、不織布が挿入されていることことが望ましい。
【0015】
上記のような構成を有する本発明の水素ガス吸引具を使用することにより、アルミ粉末袋内部に侵入した反応用水が不織布全体に吸収される。アルミ粉末袋内部で水素化アルミニウム粉末及び反応用水が偏ることを抑制して水素ガス発生反応を効果的に促進させることができる。
【0016】
さらに上記のような構成を有する本発明においては、前記装着用ベルトはベルト調節部を具備し、
ユーザが前記ベルト調節部を操作することで自身の頭囲に合わせて前記装着用ベルトの長さを調節可能となる特徴を有することが望ましい。
【0017】
上記のような構成を有する本発明の水素ガス吸引具を使用することにより、本アイマスク型水素供給器がユーザの顔面からずれ落ちる、又は本発明のアイマスク型水素供給器を装着することによってユーザが頭部に窮屈さを感じる等の不具合なく適度なテンションで固定することができる。
【0018】
さらに、前記外袋の内部には窒素ガスが充填されることが好ましい。
外袋の内部に窒素ガスを充填させることで倉庫等で保管中に環境雰囲気内の水分が外袋内部に侵入することを防ぐことができ、長期間の保存することができる。
【0019】
また、前記外袋と前記アルミ粉末袋との隙間には高分子吸収剤が充填されても良い。例えば、シリカゲルなどの高分子吸収剤(高分子吸収性ポリマー)で構成された高分子吸収剤が充填される。この高分子吸収剤は表面上に微細なポーラスを有しており、常温ではそのポーラス内で水を吸収するが水素発生反応によりアルミ粉末袋の温度が上昇するとポーラスから水分(水蒸気)を放出する機能を有している。したがって、常温時には反応用水を吸収して外に漏れ出すことを防止しつつ、反応時には水蒸気を放出して外袋から水蒸気と水素とを放出することとなる。この水蒸気は水素水化して眼球に到達し、水素水の点眼と同等の効果を促進することができる。
【0020】
また、本アイマスク型水素供給器の水素ガス供給パックは、
両眼に対応する位置に配置される水素化アルミニウム粉末を封入したアルミ粉末袋と、これと厚み方向に重ねて配置される反応用水を封入した反応用水袋とを、を内部に具備して外袋で包み、
前記外袋と、前記アルミ封末袋及び前記反応用水袋と、の隙間には高分子吸収剤が充填されるものであっても良い。
【0021】
このアイマスク型水素供給器では、アルミ粉末袋と反応用水袋とを重ねて配置するだけで足りる。上述したように高分子吸収剤により水分の漏出が防止されているため両眼側にアルミ粉末袋を配置しておけば足りるからである。
【0022】
さらに、上述してきた高分子吸収剤は、シート状に形成されて前記外袋とアルミ粉末袋との隙間に介挿されることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明におけるアイマスク型水素供給器の概要を示す模式図である。
図2】(a)、(b)は図1に示すアイマスク本体部の構成を説明するための図であり、図2(a)はアイマスク本体部の全体を示す模式図、図2(b)はアイマスク本体部の内部を示した部分断面図である。
図3】(a)、(b)は図1に示す水素ガス供給パック11の構成を説明するための図であり、図3(a)は水素ガス供給パック11の全体を示す正面図、図3(b)は水素ガス供給パック11の内部を示した断面図である。
図4】(a)、(b)、(c)は本アイマスク型水素供給器の使用方法を説明するための図であり、図4(a)は水素ガス供給パック11の使用準備方法を示す断面図、図4(b)は水素ガス供給パック11をアイマスク本体部1に備えられた収納ポケット7に収納する方法を示した断面図であり、図4(c)は本アイマスク型水素供給器をユーザが装着する方法を示した模式図である。
図5図3図4に示す水素ガス供給パックの変形例として高分子吸収剤を介挿させた例の断面図であり、(a)は外袋とアルミ粉末袋との間で両眼側及びその裏面とも高分子吸収シートを介挿させており、(b)は両眼側の外袋とアルミ粉末袋との間のみに高分子吸収シートを介挿させている様子を示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明のアイマスク型水素供給器に係る代表的な実施形態を、図1図4を参照しながら詳細に説明するが、本発明は図示されるものに限られないことはいうまでもない。また、各図面は本発明を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために、必要に応じて寸法、比又は数を誇張又は簡略化して表している場合もある。更に、以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略することもある。
【0025】
まず、本発明のアイマスク型水素供給器における概要について、図1を参照しつつ説明する。図1は、本発明におけるアイマスク型水素供給器の概要を示す模式図である。図1に示す様に、本発明のアイマスク型水素供給器は、ユーザの顔面に装着して使用するものであって、本アイマスク型水素供給器内部に備えた水素ガス供給パック11より水素ガスを発生させる。
【0026】
また、水素ガスの発生を終えた水素ガス供給パック11は、本アイマスク型水素供給器より取り出して新しい水素ガス供給パック11と交換することが可能であり、これによってユーザは本アイマスク型水素供給器を継続的に使用することができる。
【0027】
本アイマスク型水素供給器は、概ねアイマスク本体部1と、ユーザの顔面にアイマスク本体部1を装着するための装着用ベルト3と、装着用ベルト3の長さを調整するためのベルト調整部5と、水素ガス供給パック11をアイマスク本体1に収納するための収納ポケット7と、水素ガスを発生する水素ガス供給パック11と、から構成されている。
【0028】
次に、図2(a)、(b)を用いてアイマスク本体部1の詳細について説明する。図2(a)、(b)は図1に示すアイマスク本体部1の構成を説明するための図であり、図2(a)はアイマスク本体部1の全体を示す模式図、図2(b)はアイマスク本体部1の内部を示した部分断面図である。
【0029】
図2(a)に示すように、アイマスク本体部1は、ユーザの顔面における眉間及び両眼の周囲(頬骨上部から眼窩上隆起)に当接されるアイマスクであって、肌に刺激を与えない布繊維等(例えば綿やテンピュール等)で構成されている。また、アイマスク本体部1の顔面当接側縁部にはユーザの装着感向上及び瞼への直接的な接触を防止するためのウレタンフォーム等で構成されたクッション(図示せず)が備えられることも想定される。
【0030】
アイマスク本体部1には、ユーザの顔面に本アイマスク型水素供給器を固定するための装着用ベルト3が備わっており、当該装着用ベルト3の両端がアイマスク本体部1の左右最端部に固定されている。装着用ベルト3は、ポリウレタン弾性繊維が含まれたパワーネットやサテンネット等のストレッチ素材を用いて構成されたもの、又は衣類用に用いられる天然ゴム等により構成されたものである。
【0031】
また、装着用ベルト3には面ファスナー又はバックル等のベルト調整部5が備わっており、ユーザが自身の頭囲に合わせて装着用ベルト3の全長を調節することができる。
【0032】
図2(b)に示すように、アイマスク本体部1における顔面当接側には水素ガス供給パック11を収納するための収納ポケット7が備わっている。当該収納ポケット7は、2つの水素ガス供給パック11がユーザにおける左右の瞼直上にそれぞれ配置されるよう構成されており、1つの収納ポケット7を眉間直上周辺で仕切って2つの収納部を形成させる、又は2つの収納ポケット7をユーザの左右における瞼直上にそれぞれ備えた構成となっている。
【0033】
アイマスク本体部1と、収納ポケット7と、により構成された開口部には、封止部9が備わっており、収納ポケット7内部に収納された水素ガス供給パック11が外部に脱落しないよう封止することが可能である。封止部9は、面ファスナー又は衣類用チャック等で構成され、ユーザは容易にアイマスク本体部1と、収納ポケット7と、により構成された開口部の開閉ができる。
【0034】
次に、図3(a)、(b)を用いて水素ガス供給パック11の詳細について説明する。図3(a)、(b)は図1に示す水素ガス供給パック11の構成を説明するための図であり、図3(a)は水素ガス供給パック11の全体を示す正面図、図3(b)は水素ガス供給パック11の内部を示した断面図である。
【0035】
図3(a)に示すように、水素ガス供給パック11は、外袋13により覆われたパックである。図3(a)では、水素ガス供給パック11の形状を略三角形で示しているが、その他多角形や略円形で形成されることも容易に想定される。水素ガス供給パック11内部には、後述する水素化アルミニウム粉末21(AlH)と、反応用水17と、がそれぞれ隔離された状態で挿入されており、この水素化アルミニウム粉末21と、反応用水17と、を反応させることで水素ガス及び反応熱を発生させることができる(2AlH+3HO→Al+6H)。
【0036】
次に、図3(b)に示すように、水素ガス供給パック11には、反応用水17が充填された反応用水袋15と、水素化アルミニウム粉末21及び不織布23が納められた2つのアルミ粉末袋19と、空気中の水分の侵入を防止する窒素ガス25と、が挿入(封入)されている。また、反応用水袋15は、2つのアルミ粉末袋19に挟まれた配置となっている。
【0037】
外袋13と、反応用水袋15と、アルミ粉末袋19と、はアルミをラミネートしたハイバリヤラミネート袋であって、液体及び気体、そして水蒸気のバリヤ性に極めて優れた特性を有している。このため、反応用水袋15及びアルミ粉末袋19内部の充填物が外部に漏れだすことを防止するだけでなく、外部から内部に液体、気体、水蒸気が侵入することも同時に防止している。
【0038】
アルミ粉末袋19内部に納められた水素化アルミニウム粉末21は、水及び水蒸気と接触することで水素ガス発生反応を起こしてしまうため、意図しない水素ガス発生反応を防止するためには、バリヤ性に優れたハイバリヤラミネート袋を用いることが非常に有効となる。
【0039】
ユーザは使用時に、水素ガス供給パック11の外袋13と、内部の反応用水袋15と、アルミ粉末袋19と、にニードル31等を用いて孔を設け、水素化アルミニウム粉末21と、反応用水17と、が接触可能な状態とする。
【0040】
反応用水袋15内部の反応用水17がニードル31等によって設けられた孔からアルミ粉末袋19内部に到達し、当該アルミ粉末袋19内部の水素化アルミニウム粉末21と接触する。アルミ粉末袋19内部で発生した水素ガスは、当該アルミ粉末袋19及び外袋13に設けられた孔を移動し、外袋13外部に排出されることとなる。また、水素ガスの発生反応によって発生した反応熱は、アルミ粉末袋19から外袋13を伝達して外部に放熱される。
【0041】
アルミ粉末袋19内部に納められた水素化アルミニウム粉末21は、同封されている不織布23に略均等に振りかけられている。このため、アルミ粉末袋19内部に侵入した反応用水17が不織布23全体に吸収されることにより、アルミ粉末袋19内部で水素化アルミニウム粉末21及び反応用水17の配置が偏ることなく水素ガス発生反応を効果的に促進させることが可能である。
【0042】
次に、図4(a)、(b)、(c)を用いて本アイマスク型水素供給器の使用方法について詳細に説明する。図4(a)、(b)、(c)は本アイマスク型水素供給器の使用方法を説明するための図であり、図4(a)は水素ガス供給パック11の使用準備方法を示す断面図、図4(b)は水素ガス供給パック11をアイマスク本体部1に備えられた収納ポケット7に収納する方法を示した断面図であり、図4(c)は本アイマスク型水素供給器をユーザが装着する方法を示した模式図である。
【0043】
図4(a)に示す様に、まずユーザはニードル31等を用いて水素ガス供給パック11の外袋13と、アルミ粉末袋19と、反応用水袋15と、に複数個の孔を設ける。図4(a)ではニードル31を一般的な針として示しているが、各袋内部に孔を設けるための専用部品(図示せず)を備えて、ユーザが水素ガス供給パック11を折り曲げる又は押圧する等の動作で勘弁に孔を各袋に設けることが可能に構成されることも想定される。
【0044】
続いて、図4(b)に示す様に、水素ガス供給パック11をアイマスク本体部1に備えられた収納ポケット7に収納する。ユーザは、アイマスク本体部1と、収納ポケット7と、に設けられた封止部9を開き、収納ポケット7に水素ガス供給パック11を収納する。収納ポケット7に水素ガス供給パック11を収納した後、封止部9を閉じて水素ガス供給パック11を収納ポケット7に固定する。
【0045】
次に、図4(c)に示す様に、本アイマスク型水素供給器をユーザの顔面に装着する。まず、ユーザはアイマスク本体部1の方向を確認し、眉間及び両眼の周囲をアイマスク本体部1に当接させる。次に、装着用ベルト3を頭頂部から通し、ベルト調節部5を操作して装着用ベルト3の長さを頭囲に合わせて調整する。本アイマスク型水素供給器がユーザの顔面からずれ落ちる、又は本アイマスク型水素供給器を装着することによってユーザが窮屈に感じる等の不具合なく適度なテンションで固定されることで正常な装着が完了することとなる。
【0046】
本アイマスク型水素供給器内で発生した水素ガスは、ユーザの両眼近傍に供給され、両眼の眼球表面を覆う涙に到達する。水素ガスが徐々に涙に侵入して飽和することで、当該涙が水素濃度の高い略水素水に変化する。これによって眼球は略水素水に覆われることとなり、当該略水素水が硝子体の水素分子濃度を上昇させ、網膜近傍に存在していた活性酸素をキャッチして体外に排出する。
【0047】
また、略水素水化した涙は、網膜神経細胞の酸化ストレスやアポトーシスの抑制、そして網膜厚の減少及びグリア細胞の活性化をも効果的に抑制可能である等、非常に優れた効果が期待できる。
【0048】
さらに水素ガス発生反応により発生した反応熱は、徐々に本アイマスク型水素供給器からユーザの両瞼に伝達され、両眼の周囲及び眼球を温める。これによってユーザの両眼における周囲及び眼球において血行促進が作用し、良好な血流の循環と、適度な加熱と、から、ユーザが非常に高いリラックス効果を得ることができるものである。
【0049】
以上、本発明のアイマスク型水素供給器についてその実施形態を例示説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲および明細書等の記載の精神や教示を逸脱しない範囲で他の変形例や改良例が得られることが当業者は理解できるであろう。
【0050】
例えば、上述のアイマスク型水素供給器では、外袋13内に窒素ガス25を充填させていただけであるが、これに加えて外袋13とアルミ粉末袋19との隙間に高分子吸収剤が充填されても良い。図5では、図3図4に示す水素ガス供給パック11の変形例として高分子吸収剤を介挿させた例を示しており、(a)は外袋13とアルミ粉末袋19との間で両眼側(紙面上側)及びその裏面とも高分子吸収シート40を介挿させており、(b)は両眼側の外袋13とアルミ粉末袋19との間のみに高分子吸収シート40を介挿させている。
【0051】
高分子吸収シート13は、シリカゲルなどの高分子吸収性ポリマーを内部に含んだ袋部材であり、その外袋はゴアテックス(登録商標)のごとき防水性透湿素材で形成されている。この防水性透湿素材は、外袋13、アルミ粉末袋19、反応用水袋15に使用しても良い。なお、図5の例では高分子吸収シート40を外袋13とアルミ粉末袋19との間に介挿しているが、外袋13の内部に高分子吸収性ポリマーを直接充填しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明のアイマスク型水素供給器は、ユーザの眉間及び両眼周囲に直接当接することから、具備した水素ガス供給パック内部に備えられた水素化アルミニウム粉末及び反応用水を接触させ、水素ガス発生反応を起こさせることで、水素ガス及び反応熱を発生させ、直接ユーザの両眼周辺及び眼球に供給することが可能となる。これにより、ユーザの両眼の周囲及び眼球近傍の悪玉活性酸素をキャッチして体外に排出する。さらに水素ガス発生反応により発生した反応熱は両瞼に伝達され、両眼の周囲及び眼球を温める。これにより、ユーザの両眼における周囲及び眼球において血行促進が作用し、良好な血流の循環と、適度な加熱と、から、ユーザが非常に高いリラックス効果を得ることができるものである。
【符号の説明】
【0053】
1 アイマスク本体部
3 装着用ベルト
5 ベルト調節部
7 収納ポケット
9 封止部
11 水素ガス供給パック
13 外袋
15 反応用水袋
17 反応用水
19 アルミ粉末袋
21 水素化アルミニウム粉末
23 不織布
25 窒素ガス
31 ニードル
図1
図2
図3
図4
図5