特許第6331252号(P6331252)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6331252
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】車両用灯具点灯回路
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/04 20060101AFI20180521BHJP
   F21V 25/04 20060101ALI20180521BHJP
   H05B 37/02 20060101ALI20180521BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20180521BHJP
【FI】
   B60Q1/04 E
   F21V25/04
   H05B37/02 J
   F21Y115:10
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-28128(P2013-28128)
(22)【出願日】2013年2月15日
(65)【公開番号】特開2014-156195(P2014-156195A)
(43)【公開日】2014年8月28日
【審査請求日】2016年2月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 智弘
(72)【発明者】
【氏名】若森 猛幸
(72)【発明者】
【氏名】岩下 浩昭
(72)【発明者】
【氏名】柳田 俊一
【審査官】 津田 真吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−168696(JP,A)
【文献】 特開2004−235498(JP,A)
【文献】 特開2009−262850(JP,A)
【文献】 特開2012−204809(JP,A)
【文献】 特開2006−221886(JP,A)
【文献】 特開2007−258185(JP,A)
【文献】 特開2004−039288(JP,A)
【文献】 特開2003−237460(JP,A)
【文献】 特開2006−103477(JP,A)
【文献】 特開2012−071712(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/04
F21V 25/04
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源電位と、
接地電位と、
前記電源電位に一端が接続され前記接地電位に他端が接続される半導体型光源と、
前記電源電位が第1電位を超えたことを検知すると、前記電源電位から前記接地電位へのバイパス経路を形成することにより、前記半導体型光源へ流れる電流量を抑制する抑制手段と、を具備し、
前記抑制手段は、前記電源電位に一端が接続され、前記半導体型光源と並列に接続されたツェナーダイオードと、
前記ツェナーダイオードの他端がベースに接続され、電流路の一端が前記電源電位に接続され、電流路の他端が前記接地電位に接続されるトランジスタとを備え、
前記電源電位が前記第1電位より高い第2電位を超えたことを検知すると、前記接地電位から前記半導体型光源の前記他端へ流れる電流を遮断する遮断手段を更に有することを特徴とする車両用灯具点灯回路。
【請求項2】
前記遮断手段は、前記電源電位がゲートに接続され、前記接地電位が電流路の一端に接続され、前記半導体型光源の前記他端が電流路の他端に接続されるFETを有していることを特徴とする請求項記載の車両用灯具点灯回路。
【請求項3】
点灯時および消灯時に、前記半導体型光源へ流れる電流量の変化を抑制するPWM信号発生回路を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用灯具点灯回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード等の半導体型光源を発光素子とする車両用灯具点灯回路に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両は、夜間における前方の視認性を上げるために車体前面左右にヘッドランプを備えている。このようなヘッドランプは、従来、主にハロゲンランプが使用されていたが、近年、当該技術の進歩により、LED(light emitting diode;発光ダイオード)やEL(electro luminescence:エレクトロルミネセンス)等の半導体型光源によるヘッドランプが開発・製造され使用されている。
【0003】
ここで、LEDを用いた一般的な車両用灯具点灯回路が図9に示されている。図9において、車両用灯具点灯回路10は、電源電位Vccに接続されるダイオードD1と、抵抗Rと、LEDLD1〜LD3を有している(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−143802号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、車両用灯具点灯回路10は、図10のグラフに示すように、LEDLD1〜LD3に定格電圧13.5Vが印加されている場合は、設定電流450mAが流れるが、定格電圧13.5Vを超える電圧、例えば16Vが点灯回路に印加された場合は、最大定格電流である700mAを超える電流が流れることになり、LEDは破損してしまうことが知られている。
【0006】
また、LED等の半導体型光源を車両用の照明素子として使用した場合、従来のハロゲンランプ等と比較して過電流への耐性が低く、何らかの方法で過電流に対するLEDの保護が要望されている。
【0007】
本発明は、過電流から半導体型光源を確実に保護することができる車両用灯具点灯回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の車両用灯具点灯回路は、電源電位と、接地電位と、前記電源電位に一端が接続され前記接地電位に他端が接続される半導体型光源と、前記電源電位が第1電位を超えたことを検知すると、前記電源電位から前記接地電位へのバイパス経路を形成することにより、前記半導体型光源へ流れる電流量を抑制する抑制手段と、を具備する。
【0009】
上記発明において、前記抑制手段は、前記電源電位に一端が接続されたツェナーダイオードと、前記ツェナーダイオードの他端がベースに接続され、電流路の一端が前記電源電位に接続され、電流路の他端が前記接地電位に接続されるトランジスタを有している。
【0010】
上記発明は、前記電源電位が前記第1電位より高い第2電位を超えたことを検知すると、前記接地電位から前記半導体型光源の前記他端へ流れる電流を遮断する遮断手段を更に有する。
【0011】
上記発明において、前記遮断手段は、前記電源電位がゲートに接続され、前記接地電位が電流路の一端に接続され、前記半導体型光源の前記他端が電流路の他端に接続されるFETを有している。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、過電流から半導体型光源を確実に保護することができる車両用灯具点灯回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る車両用灯具点灯回路の構成を示す回路図。
図2】同じく車両用灯具点灯回路の電圧−電流特性の一例を示すグラフ。
図3】同じく車両用灯具点灯回路の他の構成を示す回路図。
図4】同じく車両用灯具点灯回路の電圧−電流特性の他の一例を示すグラフ。
図5】同じく車両用灯具点灯回路の他の構成を示す回路図。
図6】同じく車両用灯具点灯回路の電圧−電流特性の他の一例を示すグラフ。
図7】同じく車両用灯具点灯回路の他の構成を示す回路図。
図8】同じく車両用灯具点灯回路に供給されるPWM信号発生回路の回路図。
図9】一般的な車両用灯具点灯回路の構成を示す回路図。
図10】一般的な車両用灯具点灯回路の電圧−電流特性の一例を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用灯具点灯回路の構成を示す回路図、図2は、同じく車両用灯具点灯回路の電圧−電流特性の一例を示すグラフ、図3は、同じく車両用灯具点灯回路の他の構成を示す回路図、図4は、同じく車両用灯具点灯回路の電圧−電流特性の他の一例を示すグラフ、図5は、同じく車両用灯具点灯回路の他の構成を示す回路図、図6は、同じく車両用灯具点灯回路の電圧−電流特性の他の一例を示すグラフ、図7は、同じく車両用灯具点灯回路の他の構成を示す回路図、図8は、同じく車両用灯具点灯回路の電圧−電流特性の他の一例を示すグラフである。
【0015】
はじめに、図1および図2を用いて、本発明の一実施形態に係る車両用灯具点灯回路を詳細に説明する。図1において、車両用灯具点灯回路1は、電源電位Vccにアノードが接続されるダイオードD1と、ダイオードD1のカソードにカソードが接続される降伏電圧(13.5V〜16V)をもつツェナーダイオードZD1と、ツェナーダイオードZD1のカドードに一端が接続される抵抗R3と、ツェナーダイオードZD1のアノードに一端が接続され他端に接地電位GNDが接続される抵抗R1と、同じくツェナーダイオードZD1のアノードに一端が接続される抵抗R2と、抵抗R3の他端に一端が接続される抵抗R4と、抵抗R2の他端にベースが接続され、コレクタに抵抗R4の他端が接続され、接地電位GNDにエミッタが接続されるトランジスタQ1と、抵抗R3の他端にアノードが接続され接地電位GNDにカソードが接続される3つのLEDLD1〜LD3を有している。
【0016】
このような車両用灯具点灯回路1の動作を説明する。この車両用灯具点灯回路1は、定格よりも高い異常電圧をツェナーダイオードZD1で検出し、検出に応じてトランジスタQ1をオンすることでバイパス経路を形成して、この異常電圧によるLEDへの過電流を解消するものである。
【0017】
すなわち、車両用灯具点灯回路1は、図2のグラフに示すように、LEDLD1〜LD3に定格電圧13.5Vが印加されている場合は、設定電流450mAが流れる。しかし、ツェナーダイオードZD1の降伏電圧(13.5V〜16V)を超える電圧、例えば16Vの電圧をツェナーダイオードZD1に印加した場合は、トランジスタQ1のベースに電流が供給され、トランジスタQ1の電流路に電流バイパス経路を形成して電流I2が流れることになる。この結果、トランジスタQ1のコレクタ電流が飽和するまでの電圧領域では、LED電流をなだらかに減少させ、コレクタ電流が飽和したタイミングでLED電流が抵抗の特性を持って上昇していくことになる。
【0018】
従って、LEDLD1〜LD3には、最大定格電流である700mAを超える電流が流れるのではなく、図2に示されるように、たかだか設定電流450mAをわずかに超える電流I1が流れることになる。このように、この車両用灯具点灯回路1においては、定格電圧13.5Vを超える電圧(例えば16V)が印加されても、LEDは破損を免れることができる。
【0019】
次に、図3および図4を用いて、本発明の一実施形態に係る車両用灯具点灯回路を詳細に説明する。図3に示される車両用灯具点灯回路2は、図1に示される車両用灯具点灯回路1に保護抵抗R5を追加することで、図4に示すようにさらに高い電圧に対してもLEDを保護することを可能としている。すなわち、図3において、車両用灯具点灯回路2は、電源電位Vccにアノードが接続されるダイオードD1と、ダイオードD1のカソードにカソードが接続される降伏電圧(13.5V〜16V)をもつツェナーダイオードZD1と、ツェナーダイオードZD1のカソードに一端が接続される抵抗R3と、ツェナーダイオードZD1のアノードに一端が接続され他端に接地電位GNDが接続される抵抗R1と、同じくツェナーダイオードZD1のアノードに一端が接続される抵抗R2と、抵抗R3の他端に一端が接続される抵抗R4と、抵抗R2の他端にベースが接続され、コレクタに抵抗R4の他端が接続され、接地電位GNDにエミッタが接続されるトランジスタQ1を有する。
【0020】
さらに、車両用灯具点灯回路2は、抵抗R3の他端に一端が接続される抵抗R5と、抵抗R5の他端にアノードが接続され接地電位GNDにカソードが接続される3つのLEDLD1〜LD3を有している。
【0021】
このような車両用灯具点灯回路2の動作を説明する。すなわち、このような車両用灯具点灯回路2においては、ツェナーダイオードZD1の降伏電圧は13.5〜16V程度であり、抵抗R0、抵抗R3、抵抗R5が電流制限抵抗を構成し、抵抗R4がバイパス抵抗を構成する。
【0022】
これにより、入力電圧が上昇し、ツェナーダイオードZD1が動作すると、ツェナーダイオードZD1のカソードの電圧は、VZD+Vbe(Q1)+VR2となり、電圧上昇が抑制される。また、抵抗R4に流れる電流がトランジスタQ1により制御される。これにより、抵抗R4の電位が安定的となり、図4のグラフが示すように、制御開始後のLED電流は、電源電圧が上昇していっても、LEDに、ほぼ一定の電流を流すことが可能となるため、LEDは破損を免れることができる。
【0023】
次に、図5および図6を用いて、本発明の一実施形態に係る他の車両用灯具点灯回路を詳細に説明する。この車両用灯具点灯回路3は、図1の車両用灯具点灯回路1に対して、FETQ2をもつ遮断回路を追加することで、例えば20V程度の高い電圧が点灯回路に加わった場合には、FETQ2をオフすることで電流が流れることを停止してLEDを保護しようとするものである。すなわち、車両用灯具点灯回路3は、破線で囲まれた図1の車両用灯具点灯回路1’の前段に、遮断手段であるFETQ2等の回路を設けた構成となっている。図5において、車両用灯具点灯回路3は、電源電位Vccにアノードが接続されるダイオードD1と、ダイオードD1のカソードにカソードが接続される降伏電圧(一例として降伏電圧約20V)をもつツェナーダイオードZD1と、ツェナーダイオードZD1のアノードに一端が接続される抵抗R6と、ツェナーダイオードZD1のカソードに一端が接続される抵抗R4と、抵抗R6の他端に一端が接続され接地電位GNDに他端が接続される抵抗R1と、抵抗R6の他端に接続されるベースと抵抗R4の他端に接続されるコレクタと接地電位GNDに接続されるエミッタをもつトランジスタQ1と、トランジスタQ1のコレクタに接続されるゲートと一端に接地電位が接続される電流路をもつ遮断手段であるFETQ2を有している。
【0024】
さらに、車両用灯具点灯回路3は、図5に示すように、破線で囲まれた図1の車両用灯具点灯回路1’において、ダイオードD1のカソードに一端が接続される抵抗R7と、抵抗R7の他端に一端が接続される抵抗R10と、ダイオードD1のカソードにカソードが接続されるツェナーダイオードZD2(13.5V〜16V)と、ツェナーダイオードZD2のアノードに一端が接続される抵抗R9と、ツェナーダイオードZD2のアノードに一端が接続され他端にFETQ2の電流路の他端に接続される抵抗R8と、抵抗R9の他端に接続されるベースと抵抗R10の他端に接続されるコレクタと抵抗R8の他端に接続されるエミッタをもつトランジスタQ3と、抵抗R7の他端および抵抗R10の一端にアノードが接続されFETQ2の電流路の他端にカソードが接続される直列したLEDLD1〜LD3を有している。
【0025】
このような車両用灯具点灯回路3の動作を説明する。車両用灯具点灯回路3においては、ツェナーダイオードZD2の降伏電圧は、13.5〜16V程度であり、これを超える電圧、例えば16VがツェナーダイオードZD2に印加した場合は、トランジスタQ3のベースに電流が供給され、トランジスタQ3の電流路に電流バイパス経路を形成して電流が流れることになる。この結果、トランジスタQ3のコレクタ電流が飽和するまでの電圧領域では、LED電流をなだらかに減少させ、コレクタ電流が飽和したタイミングでLED電流が抵抗の特性を持って上昇していくことになる。
【0026】
従って、LEDLD1〜LD3には、最大定格電流である700mAを超える電流が流れるのではなく、図6に示されるように、たかだか設定電流450mAをわずかに超える電流I1が流れることになる。このように、この車両用灯具点灯回路3においては、定格電圧13.5Vを超える電圧(例えば16V)が印加されても、LEDは破損を免れることができる。
【0027】
さらに、入力電圧が、ZD1の降伏電圧(一例として降伏電圧約20V)と抵抗R6の電圧とトランジスタQ1のベースエミッタ間の電圧で決まる過電圧検出閾値を超えると、トランジスタQ1がオンすることで、図6のグラフに示されるように、FETQ2をオフさせる。すなわち、この車両用灯具点灯回路3においては、入力電圧が、使用電源範囲上限(16V)と異常電圧(24V)の間の閾値(例えば約20V)を超えると、LEDLD1〜LD3のカソードと接地電位との電流路をFETQ2が遮断することになる。従って、この車両用灯具点灯回路3においては、図6のグラフに示されるように、上記した過電圧検出閾値(例えば約20V)を超える値の電圧が印加されても、LEDLD1〜LD3のカソードと接地電位との電流路は遮断されるため、LEDは破損を免れて保護されることになる。
【0028】
次に、図7および図8を用いて、本発明の一実施形態に係る他の車両用灯具点灯回路4を詳細に説明する。車両用灯具点灯回路4においては、LEDの点灯の際に、LEDに印加する電圧電流の大きさをゼロから最大まで徐々に上昇させることで、LEDの発光を目視した人間を幻惑することがなく、また、違和感を与えることを無くすことができる。これを行うのが、図8に示すPWM信号発生回路であり、PWM信号をデューティ比を適宜設定することで、0%から100%へと徐々に大きくしていくことができる。すなわち、車両用灯具点灯回路4においては、PWM信号発生回路からPWM信号を車両用灯具点灯回路4に供給することで、LEDの点灯と消灯を急激ではなく徐々に行うことにより、LEDの発光を目視した人間を幻惑することがなく、また、違和感を与えることを無くすことができる。
【0029】
図7において、車両用灯具点灯回路4は、PWM信号発生回路5(図8)により電源が供給され、OVS(over voltage shutdown:過電圧シャットダウン)部11と、抵抗リミット部12を有している。すなわち、車両用灯具点灯回路4は、電源電位Vccにアノードが接続されるダイオードD11と、ダイオードD11のカソードにカソードが接続される降伏電圧(一例として降伏電圧約20V)をもつツェナーダイオードZD12と、ツェナーダイオードZD12のアノードに一端が接続される抵抗R19と、ツェナーダイオードZD12のカソードに一端が接続される抵抗R17と、抵抗R17の他端およびPWMラインVsigに一端が接続されツェナーダイオードZD12のアノードに他端が接続される抵抗R18と、ダイオードD11のカソードに一端が接続される抵抗R13と、ツェナーダイオードZD12のアノードに一端が接続される抵抗R20と、抵抗R20の他端に接続されるベースと抵抗R13の他端に接続されるコレクタと接地電位GNDに接続されるエミッタをもつトランジスタQ11を有している。
【0030】
さらに、車両用灯具点灯回路4は、抵抗R13の一端にその一端が接続される抵抗R14と、抵抗R14の他端にカソードが接続され接地電位にアノードが接続されるツェナーダイオードZD11(13.5V〜16V)と、ツェナーダイオードZD11のカソードに一端が接続される抵抗R15と、接地電位に一端が接続される抵抗R16と、抵抗R13の他端に接続されるコレクタと抵抗R15の他端に接続されるエミッタをもつトランジスタQ12と、ダイオードD11のカソードにカソード側が接続される直列接続されたLEDLD1〜LD3を有している。さらに、車両用灯具点灯回路4は、抵抗R13の他端に接続されたゲートとLEDLD3のアノードに一端が接続される電流路をもつFETQ13と、FETQ13の電流路の他端に一端が接続される抵抗R11と、抵抗R11の他端およびトランジスタQ12のベースに一端が接続され他端が接地電位に接続される抵抗R12を有している。
【0031】
次に、車両用灯具点灯回路4にパルス電圧を供給するPWM信号発生回路5を、図8の回路図を用いて説明する。PWM信号発生回路5は、接地電位にマイナス端子が接続される基準電源V2と、基準電源V2のプラス端子が一端に接続される抵抗R21と、抵抗R21の他端に一端が接続され他端に接地電位が接続される抵抗R22と、抵抗R21の他端および抵抗R22の一端に接続されるゲートをもち電流路の一端が出力端Vsigとなり他端が接地電位に接続されるFETQ4を有している。
【0032】
このような構成をもつ車両用灯具点灯回路4は、図5に示す車両用灯具点灯回路3と同様に、ツェナーダイオードZD11の降伏電圧(13.5V〜16V)を基準にトランジスタQ12により電源電位Vccと接地電位間のバイパス経路を形成して過電圧を抑制すると共に、ツェナーダイオードZD12の降伏電圧(一例として約20V等)を基準にFETQ13によりLEDLD1〜LD3から流れる電流を遮断することで、LEDを保護する。このような働きと共に、PWM信号発生回路5から供給されたPWM信号により、LEDLD1〜LD3の点灯時や消灯時の電位変化を抑制することにより、人間がヘッドランプ等を視した状態で点灯すると幻惑されたり、非常に眩しく感じる等の不具合を解消することができる。
【0033】
すなわち、車両用灯具点灯回路4は、PWM信号発生回路5から供給されたPWM信号により、LEDの点灯時、ゼロ電位から所定電位まで電位を段階的に上昇させることで、LEDの発光をゼロ光量から所定光量に段階的に上昇させることができる。同様に、車両用灯具点灯回路4は、PWM信号発生回路5から供給されたPWM信号により、LEDの消灯時、所定電位からゼロ電位まで電位を段階的に下降させることで、LEDの発光を所定光量からゼロ光量へと段階的に下降させることができる。これにより、急激な発光光量の変化を抑制でき、眩しくないヘッドランプ等を可能とするものである。
【0034】
以上記載した様々な実施形態は複数同時に実施することが可能であり、これらの記載により、当業者は本発明を実現することができるが、更にこれらの実施形態の様々な変形例を思いつくことが当業者によって容易であり、発明的な能力をもたなくとも様々な実施形態へと適用することが可能である。従って、本発明は、開示された原理と新規な特徴に矛盾しない広範な範囲に及ぶものであり、上述した実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0035】
1,2,3,4…車両用灯具点灯回路、ZD…ツェナーダイオード、R…抵抗、Q…トランジスタ、LD…発光ダイオード、Vcc…電源電位、GND…接地電位。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
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