特許第6331367号(P6331367)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6331367樹脂組成物、活性エネルギー線重合性接着剤、及び積層体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6331367
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】樹脂組成物、活性エネルギー線重合性接着剤、及び積層体
(51)【国際特許分類】
   C08G 59/20 20060101AFI20180521BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20180521BHJP
   C09J 4/00 20060101ALI20180521BHJP
   C09J 163/00 20060101ALI20180521BHJP
   C09J 7/20 20180101ALI20180521BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20180521BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   C08G59/20
   G02B5/30
   C09J4/00
   C09J163/00
   C09J7/02 Z
   G02F1/1335 510
   B32B27/00 D
【請求項の数】9
【全頁数】57
(21)【出願番号】特願2013-252462(P2013-252462)
(22)【出願日】2013年12月5日
(65)【公開番号】特開2015-108101(P2015-108101A)
(43)【公開日】2015年6月11日
【審査請求日】2016年7月28日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000222118
【氏名又は名称】東洋インキSCホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】711004506
【氏名又は名称】トーヨーケム株式会社
(72)【発明者】
【氏名】石崎 慎治
(72)【発明者】
【氏名】岡本 淳二
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 大
(72)【発明者】
【氏名】于 越
(72)【発明者】
【氏名】江川 良
(72)【発明者】
【氏名】小出 昌史
(72)【発明者】
【氏名】有吉 泰
【審査官】 大久保 智之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−185133(JP,A)
【文献】 特開平10−324858(JP,A)
【文献】 特開平07−228669(JP,A)
【文献】 特開平02−272076(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G59
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子内に、オキシラン環を有する化合物(A)(ただし、ジフェニルスルフィド構造含有化合物を除く)と、
分子内に1個以上のカルボキシル基を有し、α,β−不飽和二重結合基が、アクリロイル基及び/またはメタクリロイル基であるα,β−不飽和二重結合基含有化合物(B)と、
分子内にカルボキシル基を有しないα,β−不飽和二重結合基含有化合物(C)とを含有し、
前記化合物(C)が、アミノ基を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(c1)(ただし、アクリロイルモルフォリンを除く)を含有する、活性エネルギー線重合性樹脂組成物。
【請求項2】
活性エネルギー線重合性組成物全量100重量%中、
化合物(A)を0.5〜60重量%、
化合物(B)を0.5〜20重量%、
化合物(C)を20〜99重量%、
含有することを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線重合性樹脂組成物。
【請求項3】
化合物(A)が、オキシラン環にシクロアルカン環が直接結合した双環構造を有する化合物(a3)であることを特徴とする請求項1または2記載の活性エネルギー線重合性樹脂組成物。
【請求項4】
化合物(A)が、芳香環を有する脂環族系オキシラン化合物(a3−2)であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の活性エネルギー線重合性樹脂組成物。
【請求項5】
化合物(c1)に含有されるアミノ基が、3級アミノ基であることを特徴とする請求項1〜いずれか1項に記載の活性エネルギー線重合性樹脂組成物。
【請求項6】
基材(G)と、該基材(G)の少なくとも一方の主面に設けられた請求項1〜いずれか1項に記載の樹脂組成物からなる樹脂層とを有する積層体。
【請求項7】
基材(G)が、透明フィルム(H)である請求項記載の積層体。
【請求項8】
透明フィルム(H)が、ポリアセチルセルロース系フィルム、ポリノルボルネン系フィルム、ポリプロピレン系フィルム、ポリアクリル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリビニルアルコール系フィルム、及びポリイミド系フィルムからなる群から選択される少なくとも1種である請求項に記載の積層体。
【請求項9】
光学フィルムと、該光学フィルムの少なくとも一方の主面に設けられた請求項1〜いずれか1項に記載の活性エネルギー線重合性樹脂組成物からなる樹脂層とを有する光学素子用積層体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規樹脂組成物と、その樹脂組成物を用いてなる活性エネルギー線重合性接着剤、及び積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
活性エネルギー線重合技術は、その速い重合速度、一般に無溶剤であることによる良好な作業性、極めて低いエネルギー必要量の省エネルギー化等種々の特性に加え、近年、環境汚染問題により、環境汚染の低減化を図れるという利点を有しているため、建装材料、包装材料、印刷材料、表示材料、電気電子部品材料、光学デバイス、ディスプレイなどの分野において、その利用分野は拡大傾向にある。
これらは、活性エネルギー線で重合し得る樹脂とα,β−不飽和二重結合基を有する単量体のみを含有し、単量体が溶媒の機能をかねていることから塗膜形成時に溶剤が揮発しないという利点があるからである。そして、この活性エネルギー線重合性を有する樹脂として、低分子量のポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエポキシ系樹脂、ポリアクリル系樹脂等の分子末端にα,β−不飽和二重結合基を有するオリゴマーやα,β−不飽和二重結合基を有する単量体等が利用されている。
【0003】
しかしながら、上記成分の樹脂組成物は、必ずしも基材(被塗布面)との密着性が良いわけではなく、各種の工夫がなされている。即ち、上記のオリゴマーは根本的に分子骨格を変更するもので特定の飽和共重合ポリエステルを利用する方法(特許文献1)、活性エネルギー線重合性オリゴマーにα,β−不飽和二重結合基の末端変性リン酸エステルの金属塩を配合する方法(特許文献2)、トリシクロデセニル基とα,β−不飽和二重結合基とを有する化合物を配合する方法(特許文献3)等により、各種基材との密着性を向上させるべく研究がなされている。
【0004】
また、これらの活性エネルギー線重合性樹脂に用いられる反応性オリゴマー類は、一般的に粘性が極めて高く、単独で塗料や接着剤のバインダーとして扱うことは困難であり、通常、α,β−不飽和二重結合基を有する低粘度の反応性希釈剤を混合することにより、バインダーとしての操作性を高めている。これらの反応性希釈剤としては、α,β−不飽和二重結合基を有する単量体等数多くの化合物が知られている(特許文献4〜6)。中でもアクリル酸エステル類は、一般的に活性エネルギー線による重合性に優れているが、その一方で臭気、皮膚刺激性が強く、アクリル酸エステル類を含むコーティング剤や接着剤の塗布作業環境を損なうという欠点を有していた。
【0005】
また、近年、ディスプレイを含めた情報通信機器の発達と汎用化は目覚しいものがあり、これらの表示装置には、コートティング剤、接着剤、あるいはシーリング剤等の更なる性能向上及び生産性の向上が求められており、活性エネルギー線重合性材料を用いた様々な提案がされている。このような表示装置には、通常、外部光源からの反射を防ぐための反射防止フィルムや、表示装置の表面の傷付き防止のための保護フィルム(プロテクトフィルム)など、用途に応じて様々なフィルムが使用されており、例えば、LCDを構成する液晶セル用部材においては、偏光板や位相差フィルムが積層されている。
【0006】
また、フラットパネルディスプレイ(FPD)は、表示装置として利用するだけではなく、その表面にタッチパネルの機能を設けて、入力装置として利用されることもある。タッチパネルにも、保護フィルム、反射防止フィルムやITO蒸着樹脂フィルムなどが使用されている。
また、表示装置には、液晶層を背面から照らして発光させるバックライト方式が普及し、液晶層の下面側にエッジライト型、直下型等のバックライトユニットが装備されている。かかるエッジライト型のバックライトユニットは、基本的には光源としての線状のランプと、ランプに端部が沿うように配置される方形板状の導光板と、導光板の表面側に配設される光拡散シートと、光拡散シートの表面側に配設されるプリズムシートを備えている。最近では、光源に令陰極管(COFL)から色再現性や省電力に優れた発光ダイオード(LED)が使用されるようになってきたため、より耐熱性や寸法安定性の要求が高まってきている。
このようなフィルムは、表層に傷つき防止、指紋付着防止、帯電防止、あるいは易接着化のため、コート剤を介して、コート層を設けたり、接着剤を介して被着体に貼着して光学素子用積層体として表示装置に使用されている。表示装置に用いられるコート剤や接着剤は、まず透明性や耐熱性に優れることが要求されるので、ポリアクリル系樹脂を主剤とする溶剤含有の2液の熱硬化型接着剤や活性エネルギー線重合性接着剤が一般に使用されている。
しかしながら、従来の活性エネルギー線重合性樹脂組成物の重合物には、光学用途に用いるには透明性が劣ることや、各層を構成する材料の寸法変化特性が異なるため、温度や湿度の変化に伴う寸法変化によるソリ(カールともいう)が生じやすかったり、屈折率を自由に選べないこと、また、高屈折率を有するものは接着性が十分でないといった問題点が指摘されている。
【0007】
活性エネルギー線による重合硬化の速度が速く、重合硬化時の収縮が少ない寸法安定性の良好な樹脂組成物として、ポリウレタンポリ(メタ)アクリレートとヒドロキシアセトフェノンオリゴマーの活性エネルギー線重合開始剤を含む床材被覆用性エネルギー線重合性樹脂組成物が提示されている(例えば、特許文献7)。
しかしながら、この組成物は床材被膜用とであり、床材に反りが生じる事は少ないが、樹脂組成物の重合収縮が大きいため、コートフィルムとしてはカールが大きく、低カール性と密着性等のコート性能を両立するものではなかった。また、本文献には、2〜5μmの薄膜のコート層を作製する場合、120℃以上にて乾燥させると、活性エネルギー線重合性組成物中に含有されている活性エネルギー線重合開始剤が乾燥時の熱により揮発し、活性エネルギー線により重合硬化させる場合、反応が不十分となるためコート性が劣るものであった。
【0008】
また、活性エネルギー線重合性組成物を活性エネルギー線重合して得られる高屈折率を有する透明な重合物として、硫黄含有のα,β−不飽和二重結合化合物を含有する組成物を重合させたものが提案されているが、このものはJISK6856に準じた曲げ接着強度(SA)が0.1以下であり、接着性が不十分であるといった問題点がある(例えば、特許文献8、9)。
【0009】
そこで、光学素子積層体用の活性エネルギー線重合性コート剤や活性エネルギー線重合性接着剤には、実質的に有機溶剤を含有しない状態で寸法安定性、屈折率や全光線透過率、あるいはHAZEの良好なものに加え、高湿下および高温下において、より過酷な環境下における耐久性が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開昭56−95902号公報
【特許文献2】特開昭57−180618号公報
【特許文献3】特開昭57−87409号公報
【特許文献4】特開平6−329731号公報
【特許文献5】特開2001−240609号公報
【特許文献6】特開2004−099644号公報
【特許文献7】特開平08−27397号公報
【特許文献8】特開平4−108816号公報
【特許文献9】特開平5−271383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、優れた耐熱性、耐湿熱性、熱的寸法安定性、耐候性等を有する新規な活性エネルギー線重合性樹脂組成物であって、各種透明フィル、特に光学フィルムの貼り合わせにおいて、概活性エネルギー線重合性樹脂組成物を使用した活性エネルギー線重合性接着剤、及び/または活性エネルギー線重合性コート剤を使用する事によって、各種光学フィルムの種類を問わず、簡便かつ強固に接着や被覆ができ、有機溶剤を実質的に含まず、取り扱いの良好な活性エネルギー線重合性接着剤、及び/または活性エネルギー線重合性コート剤、及びそれを用いて、従来に比して打抜き加工性及び湿熱耐久性に優れた積層体、特に光学素子用積層体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す活性エネルギー線重合性樹脂組成物により前記目標達成できることを見出し、更に活性エネルギー線重合性接着剤、及び/または活性エネルギー線重合性コート剤により本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明は、分子内に、オキシラン環を有する化合物(A)と、
分子内に1個以上のカルボキシル基を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(B)と、
分子内にカルボキシル基を有しないα,β−不飽和二重結合基含有化合物(C)とを含有する活性エネルギー線重合性樹脂組成物に関する。
【0014】
さらに、本発明は、化合物(C)が、アミノ基を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(c3)を含有することを特徴とする上記活性エネルギー線重合性樹脂組成物に関する。
【0015】
活性エネルギー線重合性組成物全量100重量%中、
化合物(A)を0.5〜60重量%、
化合物(B)を0.5〜20重量%、
化合物(C)を20〜99重量%、
含有することを特徴とする上記活性エネルギー線重合性樹脂組成物に関する。
【0016】
さらに、本発明は、化合物(A)が、オキシラン環にシクロアルカン環が直接結合した双環構造を有する化合物(a3)であることを特徴とする上記活性エネルギー線重合性樹脂組成物に関する。
【0017】
さらに、本発明は、化合物(A)が、芳香環を有する化合物(a3−2)であることを特徴とする上記活性エネルギー線重合性樹脂組成物に関する。
【0018】
さらに、本発明は、化合物(B)のα,β−不飽和二重結合基が、アクリロイル基及び/またはメタクリロイル基であることを特徴とする上記活性エネルギー線重合性樹脂組成物に関する。
【0019】
さらに、本発明は、化合物(c3)に含有されるアミノ基が、3級アミノ基であることを特徴とする上記活性エネルギー線重合性樹脂組成物に関する。
【0020】
さらに、本発明は、基材(G)と、該基材(G)の少なくとも一方の主面に設けられた上記樹脂組成物からなる樹脂層とを有する積層体に関する。
【0021】
さらに、本発明は、基材(G)が、透明フィルム(H)である上記積層体に関する。
【0022】
さらに、本発明は、透明フィルム(H)が、ポリアセチルセルロース系フィルム、ポリノルボルネン系フィルム、ポリプロピレン系フィルム、ポリアクリル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリビニルアルコール系フィルム、及びポリイミド系フィルムからなる群から選択される少なくとも1種である上記積層体に関する。
【0023】
さらに、本発明は、光学フィルムと、該光学フィルムの少なくとも一方の主面に設けられた上記活性エネルギー線重合性樹脂組成物からなる樹脂層とを有する光学素子用積層体に関する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、低照度で重合可能な活性エネルギー線重合性樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、上記樹脂組成物を接着剤又はコート剤として使用することによって、光学フィルムと簡便かつ強固に接着又は密着でき、並びに打ち抜き加工性、耐熱性、及び耐湿熱性に優れた積層体、特に優れた光学素子用積層体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について説明する。
<活性エネルギー線重合性樹脂組成物>
本発明の活性エネルギー線重合性樹脂組成物は、分子内に、オキシラン環を有する化合物(A)と、分子内に1個以上のカルボキシル基を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(B)と、及び分子内にカルボキシル基を有しないα,β−不飽和二重結合基含有化合物(C)とを含有することが特徴である。
【0026】
ここで、「活性エネルギー線」とは、紫外線、可視光線、赤外線、エレクトロンビーム、及び放射線を含む、化学反応を生じさせるための活性化に必要なエネルギーを提供できる、広義のエネルギー線を意味する。本発明の活性エネルギー線重合性樹脂組成物(以下、「樹脂組成物」と称す)は、上記活性エネルギー線の照射によって、重合反応が進行し、硬化物を形成する。特に限定するものではないが、本発明の一実施形態において、上記活性エネルギー線は、紫外線を含む光エネルギーであることが好ましい。
【0027】
以下、樹脂組成物の構成成分について具体的に説明する。
(A)成分:
本発明の樹脂組成物において、分子内に、オキシラン環を有する化合物(A)とは、反応性官能基として分子内に三員環状の環状エーテル基を1つ以上有する化合物であり、特に制限が無く使用できる。化合物(A)は、脂肪族系および/または芳香族系の置換基が結合したオキシラン化合物(a1)(ただしオキシラン化合物(a2)、(a3)である場合を除く)と、シクロアルカン環を有するが、オキシラン環が直接結合した双環構造を有しない脂環族系オキシラン化合物(a2)と、シクロアルカン環にオキシラン環が直接結合した双環構造を有する脂環族系オキシラン化合物(a3)に大別されるが、後述の分子内に1個以上のカルボキシル基を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(B)との相互作用の点を考慮すると、化合物(a3)を含有することが好ましい。ただし、化合物(3)は三員環状の環状エーテル基に直接スピロ環が結合したものを含まない。また、化合物(a3)は、その構造中に芳香環を有しない脂環族系オキシラン化合物(a3−1)と、芳香環を有する脂環族系オキシラン化合物(a3−2)に分けられるが、いずれもシクロアルカン環にオキシラン環が直接結合した構造を有するため、活性エネルギー線を照射した場合、反応速度が向上するだけでなく、重合架橋塗膜の凝集力が向上し、耐熱性た耐湿熱性等の耐久性の向上に大きな効果を示す。
【0028】
脂肪族系、あるいは芳香族系の置換基が結合したオキシラン化合物(a1)としては、例えば、オキシラン、メチルオキシラン、フェニルオキシラン、1,2−ジフェニルオキシラン、メチリデンオキシラン、オキシラニルメチル、オキシラニルメタノール、オキシランカルボン酸、(クロロメチル)オキシラン、(ブロモメチル)オキシラン、オキシラニルアセトニトリル、2,2'−(ジメチルメチレン)ビス[(p−フェニレン)オキシメチレン]ビスオキシラン、2,2'−[メチレンビス(2,1−フェニレンオキシメチレン)]ビスオキシラン等のオキシラン化合物類、あるいは、グリシジルエーテル、グリシジルエステル、グリシジルアミン等のオキシラン環の水素原子がメチレン結合基やメチン結合基が置換されているオキシラン化合物類等が挙げられる。
【0029】
シクロアルカン環を有するが、オキシラン環が直接結合した双環構造を有しない脂環族系オキシラン化合物(a2)としては、2−(シクロヘキシルメチル)オキシラン、2−エトキシ−3−(シクロヘキシルメチル)オキシラン、[(シクロヘキシルオキシ)メチル]オキシラン、1,4−ビス(オキシラニルメトキシメチル)シクロヘキサン、2,2'−[(1−メチルエチリデン)ビス(4,1−シクロヘキサンジイルオキシメチレン)]ビスオキシラン、2−[{4−(オキシラン−2−イルメトキシ)シクロヘキシル}メトキシ]オキシラン等のオキシラン化合物類等が挙げられる。
【0030】
芳香環を有しない脂環族系オキシラン化合物(a3−1)としては、例えば、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン、3−メチル−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−イルメタノール、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−メトキシメチル、3−{(2−エチルヘキシル)オキシ}−2−ヒドロキシプロピル7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン3−カルボキシレート、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−1−オールアセテート、5,8,8−トリメチル−3−オキサトリシクロ[5.1.0.02,4]オクタン、α,α,6−トリメチル−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−メタノールアセテート、β,6−ジメチル−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−エタノールアセテート、ピペリトンオキサイド、3−カレンオキサイド、α−テルピネオールオキサイド、3−(チイラン−2−イル)−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン、6−メチル−3−イソプロピル−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−オール、3,4−オキシランシクロヘキシルメチル 3,4−オキシランシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−オキシラン−6−メチルシクロヘキシルメチル 3,4−オキシラン−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、(1s,4s)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、(1R,4S)−2−メチル−−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、(1R,2S,4S,5S)−3−オキサビシクロ[3.2.1.02,4]オクタン、エチレンビス(3,4−オキシランシクロヘキサンカルボキシレート)、ビス(3,4−オキシランシクロヘキシルメチル) アジペート、ビス(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−イルメチル)アジペート、ビス(3,4−オキシラン−6−メチルシクロヘキシルメチル) アジペート、ビス(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−イルメチル)カーボネート、ジエチレングリコールビス(3,4−オキシランシクロヘキシルメチルエーテル)、エチレングリコールビス(3,4−オキシランシクロヘキシルメチルエーテル)、2,3,14,15−ジオキシラン−7,11,18,21−テトラオキサトリスピロ−[5.2.2.5.2.2]ヘンイコサン(また、3,4−オキシランシクロヘキサンスピロ−2',6'−ジオキサンスピロ−3'',5''−ジオキサンスピロ−3''',4'''− オキシランシクロヘキサンとも命名できる化合物)、4−(3,4−オキシランシクロヘキシル)−2,6−ジオキサ−8,9−オキシランスピロ[5.5]ウンデカン、4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、ビス−2,3−オキシランシクロペンチルエーテル、およびジシクロペンタジエンジオキサイド等のオキシラン化合物類等が挙げられる。
【0031】
芳香環を有する脂環族系オキシラン化合物(a3−2)において、芳香環置換基としては、より具体的には、例えば、フェニル、フェニレン、トリル、トリレノ、ベンジル、ベンジリデン、ベンジリジン、キシリル、キシリレン、フタリリデン、イソフタリリデン、テレフタリリデン、フェネチリデン、フェネチリジン、スチリル、スチリリデン、as-プソイドクミル、v-プソイドクミル、s-プソイドクミル、メシチル、クメニル、α-クミル、ヒドロシンナミル、シンナミル、シンナミリデン、シンナミリジン、ジュリル、ジュリレン、チミル、カルバクリル 、クミニル、クミニリデン、ネオフィル、キセニル、ベンズヒドリル、ベンズヒドリリデン、トリチル等に代表される置換基が挙げられ、これらは、ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン、ヘミメリテン、プソイドクメン、メシチレン、クメン、プレーニング、イソジュレン、ジュレン、シメン、メリテン等のベンゼン誘導体中の水素原子を1個又は複数個取り除いた形の基が他の化学構造に結合し得る芳香環が挙げられる。
【0032】
その他、例えば、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロブタジエン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタシ゛エン等のシクロアルケン類;
【0033】
例えば、ベンゼン以外の炭素数を有する、環を構成する炭素数が3以上の[4n+2]アヌレン類;
【0034】
例えば、ビフェニル、トリフェニルメタン等の芳香族多環化合物類;
【0035】
例えば、ペンタレン、インデン、インダン、ニンヒドリン、ナフタレン、テトラリン、デカリン、サポタレン、カダレン、オイダレン、ナフトール、メナジオール、ゴシポール、ナフトキノン、ラウソン、ユグロン、メナジオン、プルンバギン、フチオコール、エキノクロムA、アルカンニン、シコニン、アセトナフトン、ナフトエ酸、ナフトイル、ナフタル酸、ナフタラート、アセトメナフトン、ナフチオン酸、ナフチオナート、ナフチオニル、ダンシル、クロセイン酸、フラビアン酸、クロモトロプ酸、ネオクペロン、アズレン、カマズレン、グアイアズレン、ヘプタレン、オクタレン、プルプロガリン等の炭素縮合二環化合物類;
【0036】
例えば、as−インダセン、s−インダセン、as−ヒドロインダセン、s−ヒドロインダセン、ビフェニレン、アセナフチレン、アセナフテン、アセナフトキノン、フルオレン、フェナレン、ペリナフテン、フェナントレン、フェナントリル、フェナントリリウム、フェナントリリデン、フェナントリレン、フェナントロール、モルホール 、フェナントロン、フェナントラキノン、ピマントレン、レテン、アントラセン、アントリル、アントリリウム、アントリリデン、アントリレン、アントロール、アントラノール 、アントラロビン、アントラリン、ジトラノール、アントロイル、アントロン、ビアントロン、アントラキノン、アントラキノニル、アントラキノニレン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、クリサジン、アントラガロール、プルプリン、フラボプルプリン、アントラプルプリン、キナリザリン、テクトキノン、クリソファノール、クリソファン酸、エモジン、レイン、ケルメス酸、カルミン酸、ジアントリミド、アントリミド、クリサンミン酸、コルヒチン等の炭素縮合三環化合物類;
【0037】
例えば、トリンデン、トリンダン、フルオランテン、アセフェナントリレン、アセフェナントレン、アセアントリレン、アセアントレン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、テトラフェン、テトラセン、ナフタセン、ルブレン、テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、プレイアデン、ベンゾアントロン等の炭素縮合四環化合物類;
【0038】
例えば、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、ペンタセン、テトラフェニレン、コラントリレン、コラントレン等の炭素縮合五環化合物類;
【0039】
例えば、コランヌレン、フルミネン、アンタントレン、ゼトレン、ヘキサヘリセン、ヘキサフェン、ヘキサセン、ルビセン、コロネン、トリナフチレン、ヘプタフェン、ヘプタセン、ピラントレン、オクタフェン、オクタセン、テリレン、ナフタセノナフタセン、ノナフェン、ノナセン、ビオラントレン、ビオラントロン、イソビオラントレン、イソビオラントロン、オバレン、デカフェン、デカセン、デカシクレン、ペンタセノペンタセン、クアテリレン、ヘキサセノヘキサセン等の環数6以上の炭素縮合環化合物類等の環状化合物中の水素原子を1個又は複数個取り除いた形の基が他の化学構造に結合し得る芳香環が挙げられる。
【0040】
芳香環を有する脂環族系オキシラン化合物(a3−2)としては、より具体的に、例えば、3−フェニル−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボキシレート、4−エチルフェニル7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン、ベンジル7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボキシレート、4−エチルフェニル7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−3−3フェノキシプロピル7−キサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボキシレート、1,2−フェニレンビス(メチレン)ビス(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボキシレート)、1,3−フェニレンビス(メチレン)ビス(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボキシレート)、1,4−フェニレンビス(メチレン)ビス(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボキシレート)、1−フェニルエタン−1,2−ジイルビス(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボキシレート)、O'3,O3−1,4−フェニレンビス(メチレン)4−ジブチルビス(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3、4−ジカルボキシレート)、ビス(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−イルメチル)イソフタレート、ビス[2−{(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボニル)オキシ}エチル]テレフタレート、1,2−ビス{(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−イルメトキシ)メチル}ベンゼン、1,3−ビス{(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−イルメトキシ)メチル}ベンゼン、1,4−ビス{(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−イルメトキシ)メチル}ベンゼン、[{プロパン−2,2−ジイルビス(4,1−フェニレン)}ビス(オキシ)]ビス(エタン−2,1−ジイル)ビス(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボキシレート)等のオキシラン化合物類が耐熱性と接着力に優れるため、特に好ましい。
【0041】
ここに例示したオキシラン化合物は、それぞれ単独で使用してもよいし、また複数のオキシラン化合物を混合して使用してもよく、特にこれらに限定されるものではない。これらの三員環状の環状エーテル基含有化合物中の水素原子を1個または複数個取り除いた形の基が他の化学構造に結合した化合物が、オキシラン環を有する化合物(A)となりうる。
【0042】
本発明のオキシラン環を有する化合物(A)において、活性エネルギー線照射による重合硬化性、後述の基材(G)との密着性、及び、耐熱性,耐湿熱性や耐水性等の耐久性の点で化合物(B)の優位性は、(a3−2)≧(a3−1)>(a2)>(a1)ではあるが、樹脂組成物中に芳香環が含有されるように、後述の化合物(B)を適時配合することで、良好な樹脂組成物とすることができる。
【0043】
本発明の樹脂組成物には芳香環を有しないオキシラン化合物(a3−1)も使用することができる。芳香環を有するオキシラン化合物(a3−2)と芳香環を有しないオキシラン化合物(a3−1)との組み合わせで、樹脂組成物に含有する芳香環量を調節することがが可能となるため、適時選択して使用することができる。
【0044】
(B)成分:
本発明の樹脂組成物において、分子内に1個以上のカルボキシル基を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(B)について説明する。本発明において、上記成分(B)は、分子内に少なくとも1個のカルボキシル基を有し、かつ少なくとも1個のα,β−不飽和二重結合基を含有する化合物のモノマーである。上記化合物(B)におけるカルボキシル基は、前述の、オキシラン環を有する化合物(A)中の反応性基と開環付加反応等の相互作用を示す。その結果、上記相互作用において、α,β−不飽和二重結合基が複数存在する多官能のα,β−不飽和二重結合基含有化合物が形成されるため、重合硬化塗膜の架橋密度が大きく向上することになる。
なお、本願では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリロイルオキシ」、及び「(メタ)アリル」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、「アクリロイルオキシ及び/又はメタクリロイルオキシ」、及び「アリル及び/又はメタリル」を表すものとする。
【0045】
化合物モノマー(B)としては、その構造中に、1個以上のカルボキシル基と、1個以上のα,β−不飽和二重結合基とを含有する化合物であれば、特に制限はなく、使用できる。特に限定されるものではないが、具体例として、以下の化合物が挙げられる。
例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−カルボキシエチル、(メタ)アクリル酸2−カルボキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−カルボキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−カルボキシブチル、(メタ)アクリル酸ダイマー、マレイン酸、フマル酸、モノメチルマレイン酸、モノメチルフマル酸、アコニチン酸、ソルビン酸、ケイ皮酸、α−クロロソルビン酸、グルタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、チグリン酸、アンゲリカ酸、セネシオ酸、クロトン酸、イソククロトン酸、ムコブロム酸、ムコクロル酸、ソルビン酸、ムコン酸、アコニット酸、ペニシル酸、ゲラン酸、シトロネル酸、4−アクリルアミドブタン酸、6−アクリルアミドヘキサン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート、モノ(メタ)アクリル酸ω−カルボキシポリカプロラクトンエステル等の、ラクトン環の開環付加によるカルボキシル基を末端に有する、ポリラクトン系(メタ)アクリル酸エステル、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドが繰り返し付加している、末端にカルボキシル基を有するアルキレンオキサイド付加系コハク酸と、(メタ)アクリル酸とのエステル等のカルボキシル基含有の脂肪族系α,β−不飽和二重結合基含有カルボン酸類やその酸無水物類;
【0046】
例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシオクチルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシデシルフタレート、2−ビニル安息香酸、3−ビニル安息香酸、4−ビニル安息香酸、4−イソプロペニルベンゼンカルボン酸、桂皮酸、7−アミノ−3−ビニル−3−セフェム−4−カルボン酸等のカルボキシル基含有の脂環や芳香環を有するα,β−不飽和二重結合基含有カルボン酸類やその酸無水物類等が挙げられる。
【0047】
上記の化合物の1種だけを使用してもよいし、又は複数種を組み合わせて使用してもよい。本発明の一実施形態において、上記化合物(B)として、(メタ)アクリル酸、及び分子内にカルボキシル基を含有する(メタ)アクリル酸エステルを好適に使用することができる。
【0048】
本発明で使用できる上記化合物(B)は、重合硬化塗膜において望ましい架橋密度を得る観点から、100〜1,000mgKOH/gの範囲の酸価(以下、AVと称す。)を有することが好ましい。AVは、150〜800mgKOH/gの範囲であることがより好ましい。化合物(B)のAVが、1,000mgKOH/g以下である場合、重合硬化塗膜の耐湿熱性及び耐水性の低下を抑制することが容易となる。また、AVが100mgKOH/g以上である場合、上記化合物(B)と、前述のオキシラン環を有する化合物(A)との相互作用によって、好ましい架橋密度を得ることが容易となる。それに伴い、上記樹脂組成物をコート剤として使用した場合、樹脂組成物からなるコート層において、耐熱性や耐湿熱性等の優れた耐久性を得ることが容易となる。また、樹脂組成物を接着剤として使用し、フィルム基材を各種基材等の被着体に貼着した場合に、接着剤層での凝集破壊が生じ難くなる。
【0049】
本発明でので化合物(A)と化合物(B)の相互作用を促進するために、触媒(P)を使用することもできる。触媒(P)を適宜使用すると相互作用をより円滑に進行させることができるため、好ましい。用いる触媒(P)としては、アンモニア、アミン類、4級アンモニウム塩類、4級ホスホニウム塩類、アルカリ金属水酸化物類、アルカリ土類金属水酸化物類、ルイス酸類、錫,鉛,チタン,鉄,亜鉛,ジルコニウム,コバルト等を含有した有機金属化合物類、金属ハロゲン化物類等が挙げられる。
【0050】
アミン類としては、例えばアミノメタン、アミノエタン、1−アミノプロパン、2−アミノプロパン、1−アミノブタン、2−アミノブタン、1−アミノペンタン、2−アミノペンタン、3−アミノペンタン、イソアミルアミン、1−アミノヘキサン、1−アミノヘプタン、2−アミノヘプタン、2−オクチルアミン、1−アミノノナン、1−アミノデカン、1−アミノドデカン(ラウリルアミン)、1−アミノトリデカン、1−アミノヘキサデカン、1−アミノテトラデデカン(ミリスチルアミン)、1−アミノペンタデカン、セチルアミン、オレイルアミン、ココアルキルアミン、牛脂アルキルアミン、硬化牛脂アルキルアミン、アリルアミン、ステアリルアミン、アミノシクロプロパン、アミノシクロブタン、アミノシクロペンタン、アミノシクロヘキサン、アミノシクロドデカン、1−アミノ−2−エチルヘキサン、1−アミノ−2−メチルプロパン、2−アミノ−2−メチルプロパン、3−アミノ−1−プロペン、3−アミノメチルヘプタン、3−イソプロポキシプロピルアミン、3−ブトキシプロピルアミン、3−イソブトキシプロピルアミン、2−エチルヘキシロキシプロピルアミン、3−デシロキシプロピルアミン、3−ラウリロキシプロピルアミン、3−ミリスチロキシプロピルアミン、2−アミノメチルテトラヒドロフラン、アニリン、o−アミノトルエン、m−アミノトルエン、p−アミノトルエン、o−ベンジルアニリン、p−ベンジルアニリン、1−アニリノナフタレン、1−アミノアントラキノン、2−アミノアントラキノン、1−アミノアントラセン、2−アミノアントラセン、5−アミノイソキノリン、o−アミノジフェニル、4−アミノジフェニルエーテル、2−アミノベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、o−アミノアセトフェノン、m−アミノアセトフェノン、p−アミノアセトフェノン、ベンジルアミン、α−フェニルエチルアミン、フェネシルアミン、p−メトキシフェネシルアミン、p−アミノアゾベンゼン、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、アリルアミン等の1級アミン類;
【0051】
例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルエチルアミン、N−メチルイソプロピルアミン、N−メチルヘキシルアミン、ジイソプロピルアミン、ジn−プロピルアミン、ジn−ブチルアミン、ジsec−ブチルアミン、N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、2−ピペリジンエタノール、4−ピペリジンエタノール、4−ピペリジノール、ピロリジン、3−アミノピロリジン、、3−ピロリジノール、ジアミルアミン、ジアリルアミン、メチルアニリン、エチルアニリン、ジベンジルアミン、ジフェニルアミン、ジココアルキルアミン、ジ硬化牛脂アルキルアミン、ジステアリルアミン等の2級アミン類;
【0052】
例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン[別名:1,2−ジアミノプロパン又は1,2−プロパンジアミン]、トリメチレンジアミン[別名:1,3−ジアミノプロパン又は1,3−プロパンジアミン]、テトラメチレンジアミン[別名:1,4−ジアミノブタン]、2−メチル−1,3−プロパンジアミン、ペンタメチレンジアミン[別名:1,5−ジアミノペンタン]、ヘキサメチレンジアミン[別名:1,6−ジアミノヘキサン]、ジエチレントリアミン、トリアミノプロパン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ダイマージアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジアミン、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、フェニレンジアミン、、キシリレンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン,3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ビス−(sec−ブチル)ジフェニルメタン、グルタミン、アスパラギン、リジン、ジアミノプロピオン酸、オルニチン、ジアミノ安息香酸、ジアミノベンゼンスルホン酸等二つの1級アミノ基有するジアミン類;
【0053】
例えば、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、及びN,N'−ジ−tert−ブチルエチレンジアミン、ピペラジン等の二つの2級アミノ基有するジアミン類;
【0054】
例えば、N−メチルエチレンジアミン[別名:メチルアミノエチルアミン]、N−エチルエチレンジアミン[別名:エチルアミノエチルアミン]、N−メチル−1,3−プロパンジアミン[別名:N−メチル−1,3−ジアミノプロパン又はメチルアミノプロピルアミン]、N,2−メチル−1,3−プロパンジアミン、N−イソプロピルエチレンジアミン[別名:イソプロピルアミノエチルアミン]、N−イソプロピル−1,3−ジアミノプロパン[別名:N−イソプロピル−1,3−プロパンジアミン又はイソプロピルアミノプロピルアミン]、及びN−ラウリル−1,3−プロパンジアミン[別名:N−ラウリル−1,3−ジアミノプロパン又はラウリルアミノプロピルアミン]、トリエチルテトラミン、ジエチレントリアミン、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)プロピレンジアミン、(2−ヒドロキシエチルプロピレン)ジアミン、(ジ−2−ヒドロキシエチルエチレン)ジアミン、(ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレン)ジアミン、(2−ヒドロキシプロピルエチレン)ジアミン、(ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレン)ジアミン等の1級及び2級アミノ基を有するポリアミン類;
【0055】
例えば、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、ヘキサデカンジオヒドラジド、エイコサン二酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、炭酸ジヒドラジド、カルボジヒドラジド、チオカルボジヒドラジド、オキサリルジヒドラジド、ポリアクリル酸ヒドラジド等のヒドラジド類;
【0056】
例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリアミルアミン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、トリベンジルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、ジアザビシクロウンデセン(別名:DBU)、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等の3級アミン類;
【0057】
例えば、その他、ピリジン、モルホリン、N−メチルモルホリン、ピロリジン、ピペリジン、N−メチルピペリジン、ジメチルオキサゾリン、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルイソプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等を挙げることができる。
【0058】
4級アンモニウム塩類としては、例えば、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムフルオライドトリヒドレート、テトラメチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラメチルアンモニウムヒドロゲンフタレート、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイドペンタヒドレート、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラメチルアンモニウムアイオダイド、テトラメチルアンモニウムニトレート、テトラメチルアンモニウムパークロレート、テトラメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラメチルアンモニウムトリブロマイド、フェニルトリメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムフルオライドトリヒドレート、テトラエチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラエチルアンモニウムアイオダイド、テトラエチルアンモニウムパークロレート、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウム−p−トルエンスルホネート、テトラプロピルアンモニウムブロマイド、テトラプロピルアンモニウムクロライド、テトラプロピルアンモニウムアイオダイド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキサイド、テトラプロピルアンモニウムパークロレート、テトラ−n−プロピルアンモニウムヒドロゲンスルフェート、テトラ−n−プロピルアンモニウムパールテネート(VII)、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムトリブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムアイオダイド、テトラブチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラブチルアンモニウムヒドロゲンサルフェート、テトラブチルアンモニウムニトレート、テトラブチルアンモニウムテトラヒドロボレート、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルアンモニウムシアノトリヒドロボレート、テトラブチルアンモニウムジフルオロトリフェニルスタンネート、テトラブチルアンモニウムフルオライドトリヒドレート、テトラブチルアンモニウムテトラチオフェネート(IV)、テトラブチルアンモニウムフルオライドヒドレイト、テトラ−n−ブチルアンモニウムジヒドロゲントリフルオライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリブチルアンモニウムビス(2,3−ジメルカプト−2−ブテンジニロリレート−S,S’)ニコレート、テトラ−n−ヘプチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ヘプチルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ヘプチルアンモニウムアイオダイド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムベンゾエート、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムアイオダイド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムパークロレート、テトラオクチルアンモニウムブロマイド、テトラオクタデシルアンモニウムブロマイド等を挙げることができる。
【0059】
4級ホスホニウム塩類としては、例えば、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムアイオダイド、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムベンゾトリアゾレート、テトラブチルホスホニウムビス(1,2−ベンゼンジチオレート)ニコレート(III)、テトラブチルホスホニウムビス(4−メチル−1,2−ベンゼンジチオレート)ニコレート(III)、テトラブチルホスホニウムビス(4,5−メルカプト−1,3−ジチオール−2−チオネート−S4、S5)ニコレート(III)等を挙げることができる。
【0060】
アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物類;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物類を挙げることができる。
【0061】
有機錫化合物類としては、例えば、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキサイド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキサイド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、2−エチルヘキサン酸錫等を挙げることができる。
【0062】
有機ジルコニウム化合物類としては、例えば、酢酸ジルコニウム、安息香酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム等を挙げることができる。
【0063】
有機チタン化合物類としては、例えば、ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、テトラブトキシチタネート、テトラエチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライド等を挙げることができる。
【0064】
有機鉛化合物類としては、例えば、酢酸鉛、オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛などを挙げることができる。
【0065】
有機鉄化合物類としては、例えば、2−エチルヘキサン酸鉄、鉄アセチルアセトネートなどを挙げることができる。
【0066】
有機コバルト化合物類としては、例えば、酢酸コバルト、安息香酸コバルト、2−エチルヘキサン酸コバルト等を挙げることができる。
【0067】
有機亜鉛化合物類としては、例えば、酢酸亜鉛、蓚酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛等を挙げることができる。
【0068】
金属ハロゲン化物類としては、例えば、塩化第一錫、臭化第一錫、ヨウ化第一錫等を挙げることができる。
【0069】
さらには、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素メタノール、三フッ化ホウ素エチルエーテル、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル、三フッ化ホウ素フェノール、三フッ化ホウ素モノエチルアミン、三塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化チタン等のルイス酸類が挙げられるが、これらに限定されるものではない。触媒(P)は1種のみを用いても、又は2種以上を併用しても良い。
触媒(P)の使用量としては、化合物(A)と化合物(B)を併せて100重量部とした場合、10重量部以下の量で用いる。10重量部を超える量を用いると、樹脂組成物が着色したり、活性エネルギー線照射における重合硬化反応の際に負触媒として働くという不都合を生じる。好ましい範囲は0.001〜5重量部である。
【0070】
(C)成分:
本発明の樹脂組成物において、分子内にカルボキシル基を有しないα,β−不飽和二重結合基含有化合物(C)について説明する。本発明において、上記化合物(C)は、分子内にカルボキシル基を有しないα,β−不飽和二重結合基を含有する化合物のモノマーであり、成型品のガラス転移点(Tg)を向上させて高凝集力を発現させたり、耐熱性や耐水性等の耐性の良好成型品を形成することが可能となるものである。
特に、1個以上のα,β−不飽和二重結合基を含有する化合物であれば、特に制限はなく、使用できるが、その構造中に1個以上のアミノ基を含有するα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(c1)を含有することが好ましい。化合物(c1)にアミノ基を有することから、化合物(A)と化合物(B)との相互作用を促進させることが可能となるため、好ましい。
また、その構造中に1個以上の水酸基を含有するα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(c2)を含有することが反応速度の向上や重合硬化収縮の抑制の点で好ましい。化合物(c2)には、水酸基を有し、環状構造を有しない化合物(c2−1)と、水酸基を有し、環状構造を有する化合物(c2−2)に分けられるが、いずれも水酸基を有することによって、後述の基材(G)との密着性向上に大きな効果を示す。ただし、(c1)を含まない。
更に、耐熱性、あるいは耐湿熱性等の耐久性向上の点で、分子内に水酸基を有せず、かつ、1個以上の環状構造を有するα,β−エチレン性不飽和二重結合基含化合物(c3)を含有することが好ましい。ただし、(c1)を含まない。
さらに、(c1),(c2)、(c3)以外のα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(c4)も含有することができる。
上記樹脂組成物に上記成分(C)を含有することによって、上記化合物(B)と化合物(C)との共重合反応の効率化及び高感度化を図ることが容易である。また、上記樹脂組成物を容易に低粘度化できるとともに、塗工時の作業性を向上させることが容易となる。特に限定するものではないが、成分(C)として使用可能な化合物としては、以下が挙げられる。
【0071】
化合物(C)のうち、アミノ基を有する化合物(c1)としては、その構造中にアミノ基を有するα,β−エチレン性不飽和二重結合基含化合物であれば、特に制限は無く、例えば、(メタ)アクリル酸N−メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N−エチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N−プロピルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N−ブチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N−トリブチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸テトラメチルピペリジニル、テトラメチルピペリジニルアクリレート等の1級、および/または2級のアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル類;
【0072】
例えば、(メタ)アクリル酸ヒドラジド、2−(2−フリル)−3−(5−ニトロ−2−フリル)(メタ)アクリル酸ヒドラジド、β−(2−フラニル)(メタ)アクリル酸N2,N2−ビス(2−クロロエチル)ヒドラジド、p−ビニルベンズヒドラジド、N‐(m‐ビニルフェニル)アクリロヒドラジド、4−ビニルベンゼンスルホン酸ヒドラジド、2−[2−(5−ニトロ−2−フリル)ビニル]−4−-キノリンカルボヒドラジド等のヒドラジノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル類類;
【0073】
例えば、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノプロピル、ペンタメチルピペリジニル(メタ)アクリレート、4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル(メタ)アクリレート等の3級アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル類;
【0074】
例えば、モノメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、モノエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、モノメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、モノエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の1級、および/または2級のアミノ基を有する(メタ)アクリルアミド類;
【0075】
例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどの3級のアミノ基を有する(メタ)アクリルアミド類;
【0076】
例えば、ビニルアミン、メチルビニルアミン、エチルビニルアミン、プロピルビニルアミン、ブチルビニルアミン、2−ビニルイミダゾール、2−ビニルピペラジン、4−ビニルピペラジン、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、6−メチル−2−エテニルピリジン、2−ビニルピロール、2−メチル−5−ビニル−1H−ピロール、2−ビニルピラジン、2−メチル−5−ビニルピラジン、2−メチル−6−ビニルピラジン、2,5−ジメチル−3−ビニルピラジン、2−ビニルピリミジン、2−ビニルピリダジン、2−ビニル−1H−ベンゾイミダゾール、2−ビニル−5,6−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール、2−ビニルインダゾール、2−ビニルキノリン、4−ビニルキノリン、2−ビニルイソキノリン、2−ビニルイソキサリン、2−ビニルキノキサリン、2−ビニルキナゾリン、2−ビニルシンノリン、2,3−ジビニルピリジン、2,4−ジビニルピリジン、2,5−ジビニルピリジン、2,6−ジビニルピリジン等の1級、および/または2級のアミノ基を有するビニル化合物類;
【0077】
例えば、(メタ)アリルアミン、4−(メタ)アリル−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール、5−(1−メチルプロピル)−5−(メタ)アリルピリミジン、5−(メタ)アリル−5−イソプロピルピリミジン、2−(メタ)アリルピリジン、4−(メタ)アリルピリジン、3,6−ジヒドロ−4−(メタ)アリルピリジン等の1級、および/または2級のアミノ基を有する(メタ)アリル化合物類;
【0078】
例えば、、N−エチル−N−ニトロソビニルアミン等の3級アミノ基含有のビニル系化合物類;
【0079】
例えば、マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどの窒素原子と酸素原子の双方を有するマレイミド誘導体類のヘテロ環状のα,β−不飽和二重結合基含有化合物類等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
【0080】
本発明のアミノ基を有する化合物(c1)のうち、化合物(A)と化合物(B)との相互作用を促進する触媒効果を示すものとしては、より工業的に、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノプロピル、ペンタメチルピペリジニル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチルアクリルアミド等の3級アミノ基を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物が特に好ましい。
【0081】
1個以上の水酸基を含有するα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(c2)のうち、水酸基を有し、環状構造を有しない化合物(c2−1)としては、その構造中に水酸基を有するが、環状構造を有しないるものであれば特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸1−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(メタ)アクリル酸エチル−α−(ヒドロキシメチル)、単官能(メタ)アクリル酸グリセロール、あるいは(メタ)アクリル酸グリシジルラウリン酸エステル、(メタ)アクリル酸グリシジルオレイン酸エステル、(メタ)アクリル酸グリシジルステアリン酸エステル等の脂肪酸エステル系(メタ)アクリル酸エステル、あるいは、2−(アクリロイルオキシ)エチル6−ヒドロキシヘキサノネート等の前記水酸基含有α,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物に対してε−カプロラクトンラクトンの開環付加により末端に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルや、前記水酸基含有α,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物に対してエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを繰り返し付加したアルキレンオキサイド付加(メタ)アクリル酸エステル等の水酸基含有の脂肪族(メタ)アクリル酸エステル類;
【0082】
例えば、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシオクチルビニルエーテル、ヒドロキシデシルビニルエーテル、ヒドロキシドデシルビニルエーテル、ヒドロキシオクタデシルビニルエーテル、グリセリルビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、テトラエチレングリコールモノビニルエーテル、トリメチロールプロパンモノビニルエーテル、ペンタエリスリトールモノビニルエーテル、あるいはエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの繰り返し付加した末端に水酸基を有するアルキレンオキサイド付加系ビニルエーテル等の水酸基含有の脂肪族ビニルエーテル類;
【0083】
例えば、(メタ)アリルアルコール、イソプロペニルアルコール、ジメチル(メタ)アリルアルコール、ヒドロキシエチル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシプロピル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシブチル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシヘキシル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシオクチル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシデシル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシドデシル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシオクタデシル(メタ)アリルエーテル、グリセリル(メタ)アリルエーテル、あるいはエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの繰り返し付加した末端に水酸基を有するアルキレンオキサイド付加系(メタ)アリルエーテル等の水酸基含有の脂肪族(メタ)アリルアルコール類ないしは(メタ)アリルエーテル類;
【0084】
例えば、プロペンジオール、ブテンジオール、ヘプテンジオール、オクテンジオール、ジ(メタ)アクリル酸グルセロール等の複数の水酸基を有するα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物類;
【0085】
例えば、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリルアミド等の水酸基含有の(メタ)アクリルアミド類;
【0086】
例えば、ビニルアルコール等の水酸基とエテニル基を有する単量体類等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
化合物(c2−1)としては、基材との密着性の面より、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、ε−カプロラクトン1〜2mol付加(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等の炭素数2〜18であるα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物が特に好ましい。
【0087】
化合物(c2)のうち、水酸基を有し、環状構造を有する化合物(c2−2)は、環状構造の双方を有するものであれば、特に制限はなく使用できる。化合物(c2−2)は、分子内に一つ以上の環構造を有しているため、水酸基を有していても耐熱性や耐湿熱性等の耐久性に加え、耐水性等の面から好ましい。
化合物(c2−2)としては、その構造中に水酸基と環状構造の双方を有するものであれば特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリル酸1,2−シクロヘキサンジメタノール、(メタ)アクリル酸1,3−シクロヘキサンジメタノール、(メタ)アクリル酸1,4−シクロヘキサンジメタノール、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシメチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシデシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシオクタデシル、(メタ)アクリル酸モノヒドロキシエチルフタレート、(メタ)アクリル酸2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチル等の水酸基とヘテロ環以外の環状構造を有する(メタ)アクリル酸エステル類;
【0088】
例えば、2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシ}エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシ}ブトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシ}エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシ}エトキシ−4'−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾフェノン等の水酸基含有ベンゾフェノン系(メタ)アクリル酸エステル類;
【0089】
例えば、2−(2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール;2−(2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、及び2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール等の水酸基含有ベンゾトリアゾール系(メタ)アクリル酸エステル類;
【0090】
例えば、2,4−ジフェニル−6−[2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}]−S−トリアジン、2,4−ビス(2−メチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}]−S−トリアジン、2,4−ビス(2−メトキシフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}]−S−トリアジン、2,4−ビス(2−エチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}]−S−トリアジン、2,4−ビス(2−エトキシフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}]−S−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}]−S−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジエトキシルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}]−S−トリアジン、及び2,4−ビス(2,4−ジエチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ})]−S−トリアジン等の水酸基含有トリアジン系(メタ)アクリル酸エステル類等が挙げられ、これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
【0091】
化合物(c1−2)としては、化合物(A)との相溶性と耐熱性や耐水性等の耐久性の面より、アクリル酸1,2−シクロヘキサンジメタノール、アクリル酸1,3−シクロヘキサンジメタノール、アクリル酸1,4−シクロヘキサンジメタノール、アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル等が特に好ましい。
【0092】
分子内に水酸基を有せず、かつ、1個以上の環状構造を有するα,β−エチレン性不飽和二重結合基含化合物(c3)は、分子内にヘテロ原子を含有しない環構造を有するα,β−エチレン性不飽和二重結合基含化合物(c3−1)と分子内にヘテロ原子を含有する環構造を有するα,β−エチレン性不飽和二重結合基含化合物(c3−2)があり、特に限定しないが、耐熱黄変性の点で、(c3−1)が好ましい。
【0093】
化合物(c3−1)としては、その構造中にヘテロ環以外の環構造を有するものであれば特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロペンチル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロペンチル、(メタ)アクリル酸1−イソプロピル−1−シクロペンチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸1−イソプロピル−1−シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロオクチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸iso−ボルニル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸2−オキソ−1,2−フェニルエチル、(メタ)アクリル酸2−オキソ−1,2−ジフェニルエチル、(メタ)アクリル酸1−ナフチル、(メタ)アクリル酸2−ナフチル、(メタ)アクリル酸1−ナフチルメチル、(メタ)アクリル酸1−アントリル、(メタ)アクリル酸2−アントリル、(メタ)アクリル酸9−アントリル、(メタ)アクリル酸9−アントリルメチル、(メタ)アクリル酸2−メチルアダマンチル−2−イル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エチルアダマンチル−2−イル、(メタ)アクリル酸2−n−プロピルアダマンチル−2−イル、(メタ)アクリル酸2−イソプロピルアダマンチル−2−イル、(メタ)アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチル、(メタ)アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−エチルエチル、(メタ)アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルプロピル、(メタ)アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−エチルプロピル、(メタ)アクリル酸−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナ−2−イル、(メタ)アクリル酸−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[5.2.1.03,8]デカ−2−イル、(メタ)アクリル酸ジヒドロ−α−ターピニル、(メタ)アクリル酸−6−オキソ−7−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−イル、(メタ)アクリル酸−7−オキソ−8−オキサ−ビシクロ[3.3.1]オクタ−2−イル、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシオクチルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシデシルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタレート、(メタ)アクリル酸(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル、(メタ)アクリル酸−o−2−プロペニルフェニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸フェニルグリシジルエーテル等の(メタ)アクリル酸環状エステル類;
【0094】
例えば、N−(4−カルバモイルフェニル)(メタ)アクリルアミド、β−(2−フリル)(メタ)アクリルアミド、2,3−ビス(2−フリル)アクリルアミド、N−(9H−フルオレン−2−イル)(メタ)アクリルアミド、N−[(R)−1−フェニルエチル] (メタ)アクリルアミド、N−[(S)−1−フェニルエチル] (メタ)アクリルアミド、(Z)−N−メチル−3−(フェニル)(メタ)アクリルアミド、(Z)−3−(フェニル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル−3−フェニル(メタ)アクリルアミド、(Z)−N,N−ジメチル−3−(フェニル)(メタ)アクリルアミド等の環状構造含有の(メタ)アクリルアミド類
【0095】
例えば、(メタ)アクリル酸スルホフェノキシエチル、(メタ)アクリル酸スルホシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸スルホベンジル、等のスルホニル基含有の(メタ)アクリル酸環状エステル類;
【0096】
例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム−p−トルエンスルホネート、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム−p−トルエンスルホネート、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム−p−トルエンスルホネート、フェニル−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート等のスルホニル基含有の(メタ)アクリル酸環状エステル類の金属塩やアンモニウム塩類;
【0097】
例えば、ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカンジヒドロキシメチル、ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカンジヒドロキシメチルジカプロラクトネート、ジ(メタ)アクリル酸1,2−アダマンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,3−アダマンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,4−アダマンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカニルジメチロール、ジ(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、ジ(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、ジ(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、、ジ(メタ)アクリル酸1,4−ビス(2−ヒドロキシプロピル)ベンゼン、ジ(メタ)アクリル酸1,3−ビス(2−ヒドロキシプロピル)ベンゼン、ジ(メタ)アクリル酸−2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパンのテトラエチレンオキサイド付加体、ジ(メタ)アクリル酸2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)メタンのテトラエチレンオキサイド付加体、ジ(メタ)アクリル酸−4,4’−スルフォニルジフェノールのテトラエチレンオキサイド付加体、ジ(メタ)アクリル酸−水添加2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパンのテトラエチレンオキサイド付加体、ジ(メタ)アクリル酸−水添加2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)メタンのテトラエチレンオキサイド付加体、ジ(メタ)アクリル酸−水添加2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパン、ジ(2−メチル)プロペン酸−水添加2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)メタン、ジ(メタ)アクリル酸−2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパンのテトラエチレンオキサイド付加体−ジカプロラクトネート、ジ(メタ)アクリル酸−2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)メタンのテトラエチレンオキサイド付加体−ジカプロラクトネート等の2官能(メタ)アクリル酸環状エステル類;
【0098】
例えば、5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、2,5−ビス(アリルオキシ)ノルボルナン、5−ビニル−2,3−オキシランノルボルナン、2−(2−プロペニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、2−エテニリデンアダマンタン、1−アリルアダマンタン、2−ビニル安息香酸、3−ビニル安息香酸、4−ビニル安息香酸、4−イソプロペニルベンゼンカルボン酸、桂皮酸、7−アミノ−3−ビニル−3−セフェム−4−カルボン酸、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルマレイミド、ビニルシクロヘキセンモノオキシラン等のアルケニル基含有の環状化合物類;
【0099】
例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−メトキシスチレン、3−メトキシスチレン、4−メトキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン、4−t−ブトキシ−α−メチルスチレン、4−(2−エチル−2−プロポキシ)スチレン、4−(2−エチル−2−プロポキシ)−α−メチルスチレン、4−(1−エトキシエトキシ)スチレン、4−(1−エトキシエトキシ)−α−メチルスチレン、1−ブチルスチレン、1−クロロ−4−イソプロペニルベンゼンなどの芳香族ビニル系単量体類;
【0100】
例えば、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロキシルメチルビニルエーテル、シクロヘキシルエチルビニルエーテル、メンチルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、ノルボルネニルビニルエーテル、1−アダマンチルビニルエーテル、2−アダマンチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、1−ナフチルビニルエーテル、2−ナフチルビニルエーテル等の環状ビニルエーテル類;
【0101】
例えば、ビニルフェニルペンチルエーテル、ビニルフェニルヘキシルエーテル、ビニルフェニルヘプチルエーテル、ビニルフェニルオクチルエーテル、ビニルフェニルノニルエーテル、ビニルフェニルデシルエーテル、ビニルフェニルウンデシルエーテル、ビニルフェニルドデシルエーテル、ビニルフェニルトリデシルエーテル、ビニルフェニルテトラデシルエーテル、ビニルフェニルペンタデシルエーテル、ビニルフェニルヘキサデシルエーテル、ビニルフェニルヘプタデシルエーテル、ビニルフェニルオクタデシルエーテル、ビニルフェニルノナデシルエーテル、ビニルフェニルエイコシルエーテル、ビニルフェニルヘンエイコシルエーテル、ビニルフェニルドコシルエーテル、ビニルフェニルメチルブチルエーテル、ビニルフェニルメチルペンチルエーテル、ビニルフェニルメチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルメチルヘプチルエーテル、ビニルフェニルメチルオクチルエーテル、ビニルフェニルメチルノニルエーテル、ビニルフェニルメチルデシルエーテル、ビニルフェニルメチルウンデシルエーテル、ビニルフェニルメチルドデシルエーテル、ビニルフェニルメチルトリデシルエーテル、ビニルフェニルメチルテトラデシルエーテル、ビニルフェニルメチルペンタデシルエーテル、ビニルフェニルメチルヘキサデシルエーテル、ビニルフェニルメチルヘプタデシルエーテル、ビニルフェニルメチルオクタデシルエーテル、ビニルフェニルメチルノナデシルエーテル、ビニルフェニルメチルエイコシルエーテル、ビニルフェニルメチルヘンエイコシルエーテル、ビニルフェニルメチルドコシルエーテルなどの長鎖アルキル基を有する芳香族ビニルエーテル系単量体類;
【0102】
例えば、4−ビニル安息香酸ヘキシル、4−ビニル安息香酸オクチル、4−ビニル安息香酸ノニル、4−ビニル安息香酸デシル、4−ビニル安息香酸ドデシル、4−ビニル安息香酸テトラデシル、4−ビニル安息香酸ヘキサデシル、4−ビニル安息香酸オクタデシル、4−ビニル安息香酸エイコシル、4−ビニル安息香酸ドコシル、4−イソプロペニル安息香酸ヘキシル、4−イソプロペニル安息香酸オクチル、4−イソプロペニル安息香酸ノニル、4−イソプロペニル安息香酸デシル、4−イソプロペニル安息香酸ドデシル、4−イソプロペニル安息香酸テトラデシル、4−イソプロペニル安息香酸ヘキサデシル、4−イソプロペニル安息香酸オクタデシル、4−イソプロペニル安息香酸エイコシル、4−イソプロペニル安息香酸ドコシルなどの長鎖アルキル基を有するビニル安息香酸エステル系またはイソプロペニル安息香酸エステル系単量体類;
【0103】
例えば、テトラ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、メチルテトラ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、エチルテトラ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、プロピルテトラ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、n−ブチルテトラ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、n−ペンチルテトラ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、テトラ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、メチルテトラ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、エチルテトラ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、プロポキシテトラ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、n−ブチルテトラ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、n−ペンタキシテトラ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、ポリ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、メチルポリ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、エチルポリ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、ポリ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、メチルポリ(プロペンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、エチルポリ(プロピレンオキサイド)エテニルフェニルエーテル、ポリ(エチレンオキサイド)ビニルベンジルエーテル、メチルポリ(エチレンオキサイド)ビニルベンジルエーテル、エチルポリ(エチレンオキサイド)エテニルベンジルエーテル、ポリ(プロピレンオキサイド)ビニルベンジルエーテル、メチルビニルポリ(プロピレンオキサイド)ビニルベンジルエーテル、エチルポリ(プロピレンオキサイド)ビニルベンジルエーテル、ポリ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエチルエーテル、メチルポリ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエチルエーテル、エチルポリ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエチルエーテル、ポリ(オキシプロピレン) ビニルフェニルエチルエーテル、メチルポリ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエチルエーテル、エチルポリ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエチルエーテルなどの長鎖ポリアルキレンオキサイド部位を有するビニルフェニルエーテル系単量体類;
【0104】
例えば、イソプロペニルフェニルメチルブチルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルペンチルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルヘキシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルヘプチルエーテル、イソプロペニルフェニルメチル オクチルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルノニルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルウンデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルドデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルトリデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルテトラデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルペンタデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルヘキサデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルヘプタデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルオクタデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルノナデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルエイコシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルヘンエイコシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルドコシルエーテルなどの長鎖アルキル基を有するイソプロペニルフェニル系単量体類;
【0105】
例えば、ポリ(エチレンオキサイド)イソプロペニルフェニルエーテル、メチルポリ(エチレンオキサイド)イソプロペニルフェニルエーテル、エチルポリ(エチレンオキサイド)イソプロペニルフェニルエーテル、ポリ(プロピレンオキサイド)イソプロペニルフェニルエーテル、メチルポリ(プロピレンオキサイド)イソプロペニルフェニルエーテル、エチルポリ(プロペンオキサイド)イソプロペニルフェニルエーテル、ポリ(エチレンオキサイド)イソプロペニルベンジルエーテル、メチルポリ(エチレンオキサイド)イソプロペニルベンジルエーテル、エチルポリ(エチレンオキサイド)イソプロペニルベンジルエーテル、ポリ(プロピレンオキサイド)イソプロペニルベンジルエーテル、メチルポリ(プロピレンオキサイド)イソプロペニルベンジルエーテルなどのポリアルキレンオキサイド部位を有するイソプロペニル系単量体類;
【0106】
例えば、コハク酸ビニルフェニルノニル、ヘキサヒドロフタル酸ビニルフェニルメチルデシル、テレフタル酸ビニルフェニルエチルドデシルなどのジカルボン酸のモノ長鎖アルキルエステル系環状単量体類;
【0107】
例えば、コハク酸ビニルフェニルポリ(エチレンオキサイド)、ヘキサヒドロフタル酸ビニルフェニルメチルポリ(エチレンオキサイド)、テレフタル酸ビニルフェニルエチルポリ(エチレンオキサイド)などのジカルボン酸のモノポリアルキレンオキサイドエステル;
4−ビニル安息香酸メチルポリ(エチレンオキサイド)、4−ビニル安息香酸エチルポリ(エチレンオキサイド)、4−イソプロペニル安息香酸メチルポリ(プロピレンオキサイド)、4−イソプロペニル安息香酸エチルポリ(プロピレンオキサイド)などのポリアルキレンオキサイド部位を有するビニル安息香酸エステル系またはイソプロペニル安息香酸エステル系単量体類;
【0108】
例えば、スチレンスルホン酸、2−プロペニルオキシベンゼンスルホン酸、2−メチル−2−プロペニルオキシベンゼンスルホン酸等のアルケニル基含有環状スルホン酸類;
【0109】
例えば、スチレンスルホン酸アンモニウム、スチレンスルホン酸モノメチルアンモニウム、スチレンスルホン酸ジメチルアンモニウム、スチレンゼンスルホン酸トリメチルアンモニウム、スチレンスルホン酸テトラメチルアンモニム、スチレンスルホン酸エチルアンモニウム、スチレンスルホン酸ジエチルアンモニウム、スチレンスルホン酸トリエチルアンモニウム、スチレンスルホン酸テトラエチルアンモニウム、スチレンスルホン酸プロピルアンモニウム、スチレンスルホン酸ジプロピルアンモニウム、スチレンスルホン酸トリプロピルアンモニウム、スチレンスルホン酸ブチルアンモニウム、スチレンスルホン酸ペンチルアンモニウムまたはスチレンスルホン酸ヘキシルアンモニウム等のスチレンスルホン酸のアンモニウム塩類;
スチレンスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸カリウム、スチレンスルホン酸リチウム、スチレンスルホン酸マグネシウム、スチレンスルホン酸亜鉛、スチレンスルホン酸鉄等のスチレンスルホン酸の金属塩類;
ビニルオキシベンゼンスルホン酸アンモニウム、ビニルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ビニルオキシベンゼンスルホン酸カリウム等のアルケニル基含有ビニルオキシベンゼンスルホン酸の金属塩やアンモニウム塩類;
2−メチル−2−プロペニルオキシベンゼンスルホン酸アンモニウム、2−メチル−2−プロペニルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、2−メチル−2−プロペニルオキシベンゼンスルホン酸カリウム等の2−メチル−2−プロペニルオキシベンゼンスルホン酸の金属塩やアンモニウム塩類等が挙げられる。
【0110】
また、例えば、o−ジ(メタ)アリルビスフェノールA、芳香環構造が水素添加された水添ビスフェノールA等もα,β−不飽和二重結合基を有すれば、化合物(b2−1)に含まれる。これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
【0111】
化合物(c3−1)としては、化合物(A)との相溶性と耐熱性や耐水性等の耐久性の面より、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−フェノキシエチル、アクリル酸iso−ボルニル、アクリル酸ジシクロペンタニル、ジアクリル酸ジシクロペンタニル、アクリル酸ジシクロペンテニル、ジアクリル酸ジシクロペンテニル、アクリル酸2−エチルアダマンチル−2−イルが特に好ましい。
【0112】
化合物(c3−2)としては、その構造中にヘテロ環構造を有するものであれば、特に制限はなく、例えば、ペンタメチルピペリジニル(メタ)アクリレート、4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル(メタ)アクリレート等の窒素原子含有のヘテロ環状(メタ)アクリル酸エステル類;
【0113】
例えば、1−ビニルピロール、1−ビニル−2−イミダゾリン、1−ビニル−2−メチル−2−イミダゾリン、1−ビニルイミダゾール、1−ビニル−1H−ピラゾール、1−ビニル−3,5―ジメチル―1H−ピラゾール、3−メチル−5−フェニル−1−ビニルピラゾール、1−ビニルインドール、1−ビニル−2−メチル−1H−インドール、1−ビニルイソインドール、1−ビニル−1H−ベンゾイミダゾール、1−ビニルインダゾール、1−ビニルキノリン、1−ビニルイソキサリン、1−ビニルキナゾリン、1−ビニルシンノリン、1−ビニルカルバゾール、1,1'−ジビニル−2,2'−ビ(1H−イミダゾール)、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタム、1−ビニルピリジン−2(1H)−オン、1−ビニル−2(1H)−ピリジンチオン等の窒素原子含有のヘテロ環を有するビニル基含有化合物類;
【0114】
例えば、1−(メタ)アリル−1H−イミダゾール、1−(メタ)アリル−2−メチル−1H−イミダゾール、1−(メタ)アリル−3−メチル−1H−イミダゾール−3−イウム、1−(メタ)アリル−3−エチル−1H−イミダゾール−3−イウム、5−ブロモ−1−(メタ)アリル−1H−ピラゾール、1−(メタ)アリルピペラジン、1−(メタ)アリル−5,5−ジエチルピリミジン、N−(メタ)アリル−s−トリアジン−2,4,6−トリアミン、N−(メタ)アリル−4,6−ジクロロ−1,3−5−トリアジン−2−アミン、1−ベンジル−2−ビニルピペラジン、1−ベンジル−3−ビニルピペラジン、1、4−ジメチル−3−ビニルピペラジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、6−ビニル−1,3,5―ジメチル―2,4−ジアミン、3−ビニル−1,2,4,5−テトラジン等の窒素原子含有の六員環を有するビニル基含有化合物類;
【0115】
例えば、1−ビニル−1H−ベンゾイミダゾール、1−ビニル−5,6−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール、1−ビニルインダゾール、1−ビニルキノリン、1−ビニルキノリン、1−ビニルイソキノリン、1−ビニルイソキサリン、1−ビニルキノキサリン、1−ビニルキナゾリン、1−ビニルシンノリン、1−(メタ)アリル−1H−ベンゾイミダゾール、1−(メタ)アリル−3−メチル−1H−インダゾール、1−(メタ)アリル−4−メチル−1H−インダゾール、N−(メタ)アリルキノリン−4−アミン、ジ(メタ)アリルキノリン、1,2−ジ(メタ)アリル−1,2−ジヒドロイソキノリン等の窒素原子含有のヘテロ多環系エテニル基含有化合物類;
【0116】
例えば、1−メチル−4,5−ジビニル−1H−イミダゾール等の窒素原子含有のヘテロ環構造と二個以上のビニル基を有する化合物類;
【0117】
例えば、1−(メタ)アリル−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール、1−(1−メチルプロピル)−5−(メタ)アリルピリミジン、1−(メタ)アリル−5−イソプロピルピリミジン、1−(メタ)アリルピリジン、1−(メタ)アリルピリジン、3,6−ジヒドロ−1−(メタ)アリルピリジン等の窒素原子含有のヘテロ環状構造を有する(メタ)アリル基含有化合物類;
【0118】
例えば、2−(メタ)アリル−1H−インドール、3−(メタ)アリル−1H−インドール、2−(メタ)アリルインダゾール、3−フェニル−4−(メタ)アリルイソキノリン、9−(メタ)アリル−9H−カルバゾール等の窒素原子含有のヘテロ多環構造を有する(メタ)アリル基含有化合物類;
【0119】
例えば、イミド(メタ)アクリレート、2−(4−オキサゾリン−3−イル)エチル(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリル酸エトキシ化イソシアヌル酸、トリ(メタ)アクリル酸エトキシ化イソシアヌル酸、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジ(メタ)アクリル酸イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性、トリ(メタ)アクリル酸イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性等の窒素原子以外に酸素原子を含むヘテロ環状構造を有する(メタ)アクリル酸エステル類;
【0120】
例えば、4−アクリロイルモルホリン、N−[2−(1H−イミダゾール−5−イル)エチル] (メタ)アクリルアミド、N−(オキセタン−3−イルメトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N−(オキセタン−2−イルメトキシメチル)(メタ)アクリルアミド等のヘテロ環状アクリルアミド類;
【0121】
例えば、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどの窒素原子と酸素原子の双方を有するマレイミド誘導体類;
【0122】
例えば、2−ビニルオキサゾール、2−フェニル−4−ビニルオキサゾール、2−フェニル−5−ビニルオキサゾール、5−エトキシ−2−ビニルオキサゾール、3−ビニル−5−ニトロソオキサゾール、2−ビニル−4,5−ジフェニルオキサゾール、2−ビニル−2−オキサゾリン、4,4−ジメチル−2−ビニル−2−オキサゾリン−5−オン、2−ビニルベンゾオキサゾール等の窒素原子以外に酸素原子を含むヘテロ環状構造を有するビニル基含有化合物類;
【0123】
例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル、(メタ)アクリル酸(3−メチル−3−オキセタニル)メチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イル、(メタ)アクリル酸−4−メチル−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イル、(メタ)アクリル酸−4−エチル−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イル、(メタ)アクリル酸−4−プロピル−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イル、(メタ)アクリル酸−5−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、(メタ)アクリル酸−2,2−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、(メタ)アクリル酸−4,4−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、(メタ)アクリル酸−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、(メタ)アクリル酸−4,4−ジメチル−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、(メタ)アクリル酸−5,5−ジメチル−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、(メタ)アクリル酸−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、(メタ)アクリル酸−5−オキソテトラヒドロフラン−2−イルメチル、(メタ)アクリル酸−3,3−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−2−イルメチル、(メタ)アクリル酸−4,4−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−2−イルメチル等の酸素原子を有するヘテロ環含有(メタ)アクリル酸エステル類;
【0124】
例えば、グリシジルシンナマート、アリルグリシジルエーテル、1,3−ブタジエンモノオキシラン等のグリシジル基含有ビニルエステル類;
【0125】
例えば、2−ビニルチアゾ−ル、4−メチル−5−ビニルチアゾール、2−ビニルベンゾチアゾール、2−[2−(1−ナフチル)ビニル]ベンゾチアゾール、2−[2−(ジメチルアミノ)ビニル]ベンゾチアゾール等の窒素原子以外に硫黄原子を含むヘテロ環状構造を有するエテニル基含有化合物類等が挙げられ、これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
【0126】
化合物(c3−2)としては、耐熱性や耐水性等の耐久性の面より、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル、4−アクリロイルモルホリン、1−ビニルイミダゾール、N−ビニル−ε−カプロラクタム、1−ビニルピリジン−2(1H)−オン、ジ(メタ)アクリル酸エトキシ化イソシアヌル酸、トリ(メタ)アクリル酸エトキシ化イソシアヌル酸が特に好ましい。
【0127】
また、(c1)(c2)あるいは、(c3)以外の化合物(c4)としては、その構造中にα,β−エチレン性不飽和二重結合基を有するものであれば特に制限はなく、
【0128】
例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸1−プロピル、(メタ)アクリル酸2−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸iso−アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸iso−オクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリルiso−ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;
【0129】
例えば、(メタ)アクリル酸(メタ)アリル、(メタ)アクリル酸1−ブテニル、(メタ)アクリル酸2−ブテニル、(メタ)アクリル酸3−ブテニル、(メタ)アクリル酸1,3−メチル−3−ブテニル、(メタ)アクリル酸2−クロル2−プロペニル、(メタ)アクリル酸3−クロル2−プロペニル、(メタ)アクリル酸2−(2−プロペニルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−プロペニルラクチル、(メタ)アクリル酸3,7−ジメチルオクタ−6−エン−1−イル、(メタ)アクリル酸(E)−3,7−ジメチルオクタ−2,6−ジエン−1−イル、(メタ)アクリル酸ロジニル、(メタ)アクリル酸シンナミル、(メタ)アクリル酸ビニル等のさらに不飽和基を含有する(メタ)アクリル酸エステル類;
【0130】
例えば、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸パーフルオロブチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロオクチル、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸トリパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリルプロペン酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチルなどの(メタ)アクリル酸パーフルオロアルキルエステル類;
【0131】
例えば、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸3−プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ブトキシエチル等のアルコキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
【0132】
例えば、(メタ)アクリル酸のアルキレンオキサイド付加物などのアルキレンオキサイド含有(メタ)アクリル酸誘導体類;
【0133】
例えば、(メタ)アクリル酸(メトキシカルボニル)メチル、(メタ)アクリル酸(メトキシカルボニル)エチル、(メタ)アクリル酸(メトキシカルボニル)プロピル、(メタ)アクリル酸(メトキシカルボニル)ブチル、(メタ)アクリル酸(メトキシカルボニル)デシル、(メタ)アクリル酸(エトキシカルボニル)メチル、(メタ)アクリル酸(エトキシカルボニル)エチル、(メタ)アクリル酸(エトキシカルボニル)プロピル、(メタ)アクリル酸(エトキシカルボニル)ブチル、(メタ)アクリル酸(エトキシカルボニル)ヘキシル、(メタ)アクリル酸(エトキシカルボニル)オクチル、(メタ)アクリル酸2−(エトキシカルボニルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(エトキシカルボニルオキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(エトキシカルボニルオキシ)ブチル、(メタ)アクリル酸2−(エトキシカルボニルオキシ)ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−(エトキシカルボニルオキシ)オクチル、(メタ)アクリル酸2−(プロポキシカルボニルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ブトキシカルボニルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ブトキシカルボニルオキシ)ブチル、(メタ)アクリル酸2−(オクチルオキシカルボニルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(オクチルオキシカルボニルオキシ)ブチル等のカルボニル基を1つ有する脂肪族系の(メタ)アクリル酸エステル類;
【0134】
例えば、(メタ)アクリル酸2−オキソブタノイルエチル、(メタ)アクリル酸2−オキソブタノイルプロピル、(メタ)アクリル酸2−オキソブタノイルブチル、(メタ)アクリル酸2−オキソブタノイルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−オキソブタノイルオクチル、(メタ)アクリル酸2−オキソブタノイルデシル、(メタ)アクリル酸2−オキソブタノイルドデシル、(メタ)アクリル酸3−オキソブタノイルエチル、(メタ)アクリル酸3−オキソブタノイルプロピル、(メタ)アクリル酸3−オキソブタノイルブチル、(メタ)アクリル酸3−オキソブタノイルヘキシル、(メタ)アクリル酸3−オキソブタノイルオクチル、(メタ)アクリル酸3−オキソブタノイルデシル、(メタ)アクリル酸3−オキソブタノイルドデシル、(メタ)アクリル酸4−シアノオキソブタノイルエチル、(メタ)アクリル酸4−シアノオキソブタノイルプロピル、(メタ)アクリル酸4−シアノオキソブタノイルブチル、(メタ)アクリル酸4−シアノオキソブタノイルヘキシル、(メタ)アクリル酸4−シアノオキソブタノイルオクチル、(メタ)アクリル酸2,3−ジ(オキソブタノイル)プロピル、(メタ)アクリル酸2,3−ジ(オキソブタノイル)ブチル、(メタ)アクリル酸2,3−ジ(オキソブタノイル)ヘキシル、(メタ)アクリル酸2,3−ジ(オキソブタノイル)オクチル等のカルボニル基を2つ有する脂肪族系の(メタ)アクリル酸エステル類;
【0135】
例えば、(メタ)アクリル酸−9−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナ−2−イル、(メタ)アクリル酸−10−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[5.2.1.03,8]ノナ−2−イル、(メタ)アクリル酸−4−メトキシカルボニル−6−オキソ−7−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−イル、(メタ)アクリル酸−4−メトキシカルボニル−7−オキソ−8−オキサ−ビシクロ[3.3.1]オクタ−2−イル等のカルボニル基を有する(メタ)アクリル酸環状エステル類;
【0136】
例えば、N−(2−オキソブタノイルエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−オキソブタノイルプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−オキソブタノイルブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−オキソブタノイルヘキシル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−オキソブタノイルオクチル)(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド等のカルボニル基を有する(メタ)アクリルアミド類;
【0137】
例えば、アセト酢酸ビニル、アセトプロピオン酸ビニル、アセトイソ酪酸ビニル、アセト酪酸ビニル、アセトバレリン酸ビニル、アセトヘキサン酸ビニル、アセト2−エチルヘキサン酸ビニル、アセトn−オクタン酸ビニル、アセトデカン酸ビニル、アセトドデカン酸ビニル、アセトオクタデカン酸ビニル、アセトピバリン酸ビニル、アセトカプリン酸ビニル、アセトクロトン酸ビニル、アセトソルビン酸ビニル、プロパノイル酢酸ビニル、ブチリル酢酸ビニル、イソブチリル酢酸ビニル、パルミトイル酢酸ビニル、ステアロイル酢酸ビニル、ピルボイル酢酸ビニル、プロパノイルバレリン酸ビニル、ブチリルバレリン酸ビニル、イソブチリルバレリン酸ビニル、パルミトイルバレリン酸ビニル、ステアロイルバレリン酸ビニル、ピルボイルバレリン酸ビニル、2−アセトアセトキシエチルビニルエーテル、2−アセトアセトキシブチルビニルエーテル、2−アセトアセトキシヘキシルビニルエーテル、2−アセトアセトキシオクチルビニルエーテル等のアシル基を有する脂肪族系のビニル化合物類;
【0138】
例えば、ベンゾイル蟻酸ビニル、ベンゾイル酢酸ビニル、ベンゾイルプロピオン酸ビニル、ベンゾイル酪酸ビニル、ベンゾイルバレリン酸ビニル、ベンゾイルヘキサン酸ビニル、ベンゾイルドデカン酸ビニル、1−ナフトイル酢酸ビニル、1−ナフトイルプロピオン酸ビニル、1−ナフトイル酪酸ビニル、1−ナフトイルバレリン酸ビニル、1−ナフトイルヘキサン酸ビニル、2−ナフトイル酢酸ビニル、2−ナフトイルプロピオン酸ビニル、2−ナフトイル酪酸ビニル、2−ナフトイルバレリン酸ビニル、2−ナフトイルヘキサン酸ビニル、ニコチノイル酢酸ビニル、ニコチノイルプロピオン酸ビニル、ニコチノイル酪酸ビニル、ニコチノイルバレリン酸ビニル、ニコチノイルヘキサン酸ビニル、ニコチノイルデカン酸ビニル、ニコチノイルドデカン酸ビニル、イソニコチノイル酢酸ビニル、イソニコチノイルプロピオン酸ビニル、イソニコチノイル酪酸ビニル、イソニコチノイルバレリン酸ビニル、イソニコチノイルヘキサン酸ビニル、イソニコチノイルデカン酸ビニル、イソニコチノイルドデカン酸ビニル、2−フロイル酢酸ビニル、2−フロイルプロピオン酸ビニル、2−フロイル酪酸ビニル、2−フロイルバレリン酸ビニル、2−フロイルヘキサン酸ビニル、2−フロイルデカン酸ビニル、2−フロイルドデカン酸ビニル、3−フロイル酢酸ビニル、3−フロイルプロピオン酸ビニル、3−フロイル酪酸ビニル、3−フロイルバレリン酸ビニル、3−フロイルヘキサン酸ビニル、3−フロイルデカン酸ビニル、3−フロイルドデカン酸ビニル、アントラニロイル酢酸ビニル、アントラニロイルプロピオン酸ビニル、アントラニロイル酪酸ビニル、アントラニロイルバレリン酸ビニル、アントラニロイルヘキサン酸ビニル、アントラニロイルデカン酸ビニル、アントラニロイルドデカン酸ビニル、4−(2−t−エトキシカルボニルエチルオキシ)スチレン、4−(2−t−ブトキシカルボニルエチルオキシ)スチレン、4−(2−t−ブトキシカルボニルプロピルオキシ)スチレン等のアシル基を有する芳香族系のビニル化合物類;
【0139】
例えば、アセト酢酸(メタ)アリル、アセトプロピオン酸(メタ)アリル、アセトイソ酪酸(メタ)アリル、アセト酪酸(メタ)アリル、アセトバレリン酸(メタ)アリル、アセトヘキサン酸(メタ)アリル、アセト2−エチルヘキサン酸(メタ)アリル、アセトn−オクタン酸(メタ)アリル、アセトデカン酸(メタ)アリル、アセトドデカン酸(メタ)アリル、アセトオクタデカン酸(メタ)アリル、アセトピバリン酸(メタ)アリル、アセトカプリン酸(メタ)アリル、アセトクロトン酸(メタ)アリル、アセトソルビン酸(メタ)アリル、プロパノイル酢酸(メタ)アリル、ブチリル酢酸(メタ)アリル、イソブチリル酢酸(メタ)アリル、パルミトイル酢酸(メタ)アリル、ステアロイル酢酸(メタ)アリル、(メタ)アリルアルデヒド等のアシル基を有する脂肪族系の(メタ)アリル化合物類;
【0140】
例えば、ベンゾイル蟻酸(メタ)アリル、ベンゾイル酢酸(メタ)アリル、ベンゾイルプロピオン酸(メタ)アリル、ベンゾイル酪酸(メタ)アリル、ベンゾイルバレリン酸(メタ)アリル、ベンゾイルヘキサン酸(メタ)アリル、ベンゾイルドデカン酸(メタ)アリル、1−ナフトイル酢酸(メタ)アリル、1−ナフトイルプロピオン酸(メタ)アリル、1−ナフトイル酪酸(メタ)アリル、1−ナフトイルバレリン酸(メタ)アリル、1−ナフトイルヘキサン酸(メタ)アリル、2−ナフトイル酢酸(メタ)アリル、2−ナフトイルプロピオン酸(メタ)アリル、2−ナフトイル酪酸(メタ)アリル、2−ナフトイルバレリン酸(メタ)アリル、2−ナフトイルヘキサン酸(メタ)アリル等のアシル基を有する芳香族系の(メタ)アリル化合物類等のカルボニル基含有のα,β−不飽和二重結合基含有化合物類;
【0141】
例えば、(メタ)アクリル酸アシッドホスホオキシエチル、(メタ)アクリル酸アシッドホスホオキシプロピル、(メタ)アクリル酸アシッドホスホオキシブチル、(メタ)アクリル酸−3−クロロ−2−アシッドホスホオキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−クロロ−2−アシッドホスホオキシブチル、(メタ)アクリル酸アシッドホスホオキシエチレンオキサイド(エチレンオキサイド付加モル数:4〜10)、(メタ)アクリル酸アシッドホスホオキシプロピレンオキサイド(プロピレンオキサイド付加モル数:4〜10)等のホスホン酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
【0142】
例えば、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリブトキシシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルエチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルブチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルエチルジプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリプロポキシシラン等のアルコキシシリル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
【0143】
例えば、(メタ)アクリロイルオキシジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムサルフェート、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリエチルアンモニウムサルフェート等のスルホニル基含有の(メタ)アクリル酸エステル類の金属塩やアンモニウム塩;
【0144】
例えば、ジ(メタ)アクリル酸エチレンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸トリエチレンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸プロピレンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸ジプロピレンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸トリプロピレンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロピレンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸ブテンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸ペンテンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸2,2−ジメチルプロピル、ジ(メタ)アクリル酸ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレート、ジ(メタ)アクリル酸ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネート、ジ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,5−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,5−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,7−ヘプタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,8−オクタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−オクタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,9−ノナンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−デカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,10−デカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−デカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,12−ドデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−ドデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,14−テトラデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−テトラデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,16−ヘキサデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−ヘキサデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2−メチル−2-プロピル−1,3−プロパンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,2,4−トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ジメチロールオクタン、ジ(メタ)アクリル酸2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2-メチル−1,8−オクタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2−ブチル−2−エチル−1,3-プロパンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2−メチル−2-プロピル−1,3−プロパンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ジメチロールオクタン、ジ(メタ)アクリル酸2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2−ブチル−2-エチル−1,3−プロパンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン等の2官能(メタ)アクリル酸エステル類;
【0145】
例えば、トリ(メタ)アクリル酸1,2,3−プロパントリオール、トリ(メタ)アクリル酸2−メチルペンタン−2,4−ジオール、トリ(メタ)アクリル酸2−メチルペンタン−2,4−ジオールトリカプロラクトネート、トリ(メタ)アクリル酸2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールヘキサン、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールオクタン、トリ(メタ)アクリル酸2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール、トリ(メタ)アクリル酸1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、トリ(メタ)アクリル酸1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパン、トリ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール等の3官能(メタ)アクリル酸エステル類;
【0146】
例えば、テトラ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール、テトラ(メタ)アクリル酸エトキシ化ペンタエリスリトール、テトラ(メタ)アクリル酸ジトリメチロールプロパン、ヘキサ(メタ)アクリル酸ジペンタエリスリトール、テトラ(メタ)アクリル酸2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール、テトラ(メタ)アクリル酸2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオールテトラカプロラクトネート、テトラ(メタ)アクリル酸ジ1,2,3−プロパントリオール、テトラ(メタ)アクリル酸ジ2−メチルペンタン−2,4−ジオール、テトラ(メタ)アクリル酸ジ2−メチルペンタン−2,4−ジオールテトラカプロラクトネート、テトラ(メタ)アクリル酸ジ2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、テトラ(メタ)アクリル酸ジトリメチロールブタン、テトラ(メタ)アクリル酸ジトリメチロールヘキサン、テトラ(メタ)アクリル酸ジトリメチロールオクタン、テトラ(メタ)アクリル酸ジ2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール、ヘキサ(メタ)アクリル酸ジ2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール、ヘキサ(メタ)アクリル酸トリ2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール、ヘプタ(メタ)アクリル酸トリ2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール、オクタ(メタ)アクリル酸トリ2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール、ヘプタ(メタ)アクリル酸ジ2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオールポリアルキレンオキサイド等の多官能(メタ)アクリル酸エステル類;
【0147】
例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ピバリン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のカルボン酸のビニルエステル類;
【0148】
例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、2−クロロビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、アリルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、イソペンチルビニルエーテル、tert−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、イソヘキシルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ヘプチルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、イソオクチルビニルエーテル、ノニルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ヘキサンデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、エトキシメチルビニルエーテル、2−メトキシエチルビニルエーテル、2−エトキシエチルビニルエーテル、2−ブトキシエチルビニルエーテル、アセトキシメチルビニルエーテル、2−アセトキシエチルビニルエーテル、3−アセトキシプロピルビニルエーテル、4−アセトキシブチルビニルエーテル、4−エトキシブチルビニルエーテル、2−(2−メトキシエトキシ)エチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、ジエチレングリコールメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールブチルビニルエーテルなどの脂肪族ビニルエーテル類;
【0149】
例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル(DEGVE)、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、トリプロピレングリコールジビニルエーテル、ポリプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ノナンジオールジビニルエーテル、ハイドロキノンジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジオールジビニルエーテル(CHODVE)、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(CHDVE)、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル(TMPEOTVE)、エペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル等の多官能のビニルエーテル類;
【0150】
例えば、パーフルオロビニル、パーフルオロプロペン、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、フッ化ビニリデンなどのフッ素含有ビニル系化合物類;
【0151】
例えば、(メタ)アリルクロロシラン、(メタ)アリルトリメトキシシラン、(メタ)アリルトリエトキシシラン、(メタ)アリルアミノトリメチルシラン、ジエトキシエチルビニルシラン、トリクロロビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、トリプロポキシビニルシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン等のアルコキシシリル基含有α,β−不飽和二重結合基含有化合物類;
【0152】
例えば、ビニルスルホン酸、2−プロペニルスルホン酸、2−メチル−2−プロペニルスルホン酸、ビニル硫酸等のアルケニル基含有スルホン酸類;
【0153】
例えば、ビニルスルホン酸アンモニウム、ビニルスルホン酸ナトリウム、ビニルスルホン酸カリウム、ナトリウムビニルアルキルスルホサクシネート等の金属塩やアンモニウム塩類;
2−メチル−2−プロペニルスルホン酸アンモニウム、2−メチル−2−プロペニルスルホン酸ナトリウム、2−メチル−2−プロペニルスルホン酸カリウム等の2−メチル−2−プロペニルスルホン酸の金属塩やアンモニウム塩類;
【0154】
例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどのモノまたはジ-アルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類;
【0155】
例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−ノニル(メタ)アクリルアミド、N−トリコシル(メタ)アクリルアミド、N−ノナデシル(メタ)アクリルアミド、N−ドコシル(メタ)アクリルアミド、N−メチレン(メタ)アクリルアミド、N−トリデシル(メタ)アクリルアミド、N−(5,5−ジメチルヘキシル)(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、マレインアミド、フマルアミド、メサコンアミド、シトラコンアミド、イタコンアミド、2−メチルプロパ−2−エノイルアミン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル−(メタ)アクリルアミド、N−[3−(N’,N’−ジメチルアミノ)プロピル]−(メタ)アクリルアミド、N−(ジブチルアミノメチル)(メタ)アクリルアミド、N−ビニルメタンアミド、N−ビニルアセトアミドなどの脂肪族系の(メタ)アクリルアミド類;
【0156】
例えば、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシブチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシオクチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシデシル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシドデシル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシオクタデシル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシブチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシオクチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシブチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシオクチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシブチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシオクチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシブチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシオクチル(メタ)アクリルアミド、N−(ペントキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N−1−メチル−2−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(メトキシメチル)メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(エトキシメチル)(メタ)アクリルアミド等のN−アルコキシ基含有の(メタ)アクリルアミド類;
【0157】
例えば、(メタ)アクリルアミドスルホン酸、tert−ブチル−(メタ)アクリルアミドスルホン酸、(メタ)アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸等のスルホン酸含有の(メタ)アクリルアミド類;
例えば、(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、クロトンニトリル、マレインニトリル、フマロニトリル、メサコンニトリル、シトラコンニトリル、イタコンニトリル、2−プロペンニトリル、(メタ)アクリル酸2−シアノエチルなどのニトリル基含有α,β−不飽和二重結合基含有化合物類;
【0158】
例えば、酢酸(メタ)アリル、プロピオン酸(メタ)アリル、酪酸(メタ)アリル、カプリン酸(メタ)アリル、ラウリン酸(メタ)アリル、オクチル酸アリル、ヤシ油脂肪酸、ピバリン酸ビニル等の飽和カルボン酸の(メタ)アリルエステル類;
【0159】
例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド等のハロゲン化ビニル類;
【0160】
例えば、アレン、1,2−ブタジエン、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエンなどのジエン類;
【0161】
例えば、cis−コハク酸ジアリル、2−メチリデンコハク酸ジアリル、(E)−ブタ−2−エン酸ビニル、(Z)−オクタデカ−9−エン酸ビニル、(9Z,12Z,15Z)−オクタデカ−9,12,15−トリエン酸ビニル等の多官能の不飽和結合を含有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物類;
【0162】
例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、2−メチルプロペン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、1−ドコセン、1−テトラコセン、1−ヘキサコセン、1−オクタコセン、1−トリアコンテン、1−ドトリアコンテン、1−テトラトアコンテン、1−ヘキサトリアコンテン、1−オクタトリアコンテン、1−テトラコンテン等ならびにその混合物やポリブテン−1,ポリペンテン−1,ポリ4−メチルペンテン−1等などのアルケン類などが挙げられる。特にこれらに限定されるものではない。これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
【0163】
上記、その他のα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(c4)として、反応性の観点から(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましく、本発明の樹脂組成物を接着剤、またはコート剤として用いた場合、活性エネルギー線重合速度の観点から、2官能以上の(メタ)アクリル酸エステル類を含むことが、好ましい。
【0164】
本発明の分子内に分子内にカルボキシル基を有しないα,β−不飽和二重結合基含有化合物(C)において、活性エネルギー線照射による重合硬化性、後述の基材(G)との密着性、及び、耐熱性,耐湿熱性や耐水性等の耐久性の点で化合物(C)の優位性は、(c2−2)>(c2−1)≧(c1)≧(c3−1)>(c3−2)>(c4)ではあるが、水酸基と環状構造の双方がが含有されるように適時配合することで、良好な樹脂組成物とすることができる。また、化合物(A)と化合物(B)の相互作用を促進するためには、化合物(c1)を含有することが好ましい。
化合物(C)としては、粘度が0.5〜2,000mPa・sのものが好ましく、1〜1,000mPa・sのものが好ましい。このような化合物(C)を用いることによって、化合物(A)と化合物(B)との相互作用に起因する樹脂組成物の高粘度化を抑制し、薄膜塗工性を改良しつつ、活性エネルギー線重合性を維持するとともに、後述のコート剤や接着剤の接着力や粘度、あるいは加工性を維持することができる。
【0165】
本発明の分子内にカルボキシル基を有しないα,β−不飽和二重結合基含有化合物(C)を構成する成分の好ましい比率としては、化合物(c1)0.1重量部〜10重量部、化合物(c2)1重量部〜40重量部、化合物(c3)1重量部〜40重量部と、化合物(c4)10重量部〜97.9重量部である。
化合物(c1)が0.1重量部より少ないと、化合物(A)と化合物(B)の相互作用には効果を示さない。化合物(c1)が10重量部より多いと、耐熱黄変性が低下したり、耐水性が劣るため好ましくない。化合物(c2)が1重量部より少ないと、後述の基材(G)との密着性が低下する。化合物(c2)が40重量部より多いと、耐水性が劣るため好ましくない。化合物(c3)が1重量部より少ないと、塗膜の耐熱性や耐湿熱性が低下する。化合物(c3)が40重量部より多いと、塗膜の柔軟性が失われ、脆くなったりするため好ましくない。
【0166】
上述のように、本発明の分子内に、少なくとも分子内にカルボキシル基を有しないα,β−不飽和二重結合基含有化合物(C)は、カルボキシル基を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(B)と共存することにより、活性エネルギー線の照射後に凝集力の高い樹脂硬化物を形成することができる。
本発明の化合物(C)は、前述の分子内にカルボキシル基を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(B)との共重合反応性と共重合反応後における塗膜の凝集力向上の点をを考慮すると、化合物(C)に含有されるα,β−不飽和二重結合基が、アクリロイル基、またはメタクリロイル基であることが好ましい。さらに、後述の基材(G)に対する密着性や接着性の向上を可能にすることができる。
【0167】
本発明における樹脂組成物は、活性エネルギー線重合性組成物100重量%中、化合物(A)を0.5〜60重量%、化合物(B)を0.5〜20重量%、及び化合物(C)を20〜99重量%、含有してなることが好ましく、化合物(A)を1〜30重量%、化合物(B)を1〜30重量%、及び化合物(C)を40〜98重量%含有してなることがさらに好ましい。
全量100重量%中、化合物(A)と化合物(B)が、それぞれ0.5重量部以上であると、十分な凝集力が得られ易く耐熱性や耐湿熱性の向上効果が期待できる。一方、全量100重量%中、化合物(A)と化合物(B)が、40重量%以下であると、樹脂組成物をコート剤、あるいは接着剤として用いた場合に、基材(G)に対する密着性や接着性が向上するので好ましい。
【0168】
成分(D):
本発明の樹脂組成物の一実施形態において、樹脂組成物は、上記必須成分に加えて、オリゴマー(D)を含んでもよい。オリゴマー(D)を使用することによって、樹脂組成物をコート剤又は接着剤として使用した時に、基材に対する接着性及び密着性をより向上させることができる。また樹脂層の耐熱性又は耐湿熱性を向上させることが容易となる。
【0169】
オリゴマー(D)は、少なくともα,β−不飽和二重結合基を有するモノマーの重合体及び/又は各種化合物に、α,β−不飽和二重結合基を付加して得られる化合物であって、分子内に、1個以上のα,β−不飽和二重結合基を有する。上記オリゴマーは、α,β−不飽和二重結合基の他に、各種官能基を有してもよい。本発明の一実施形態において、上記オリゴマー(D)は、ポリエステル系オリゴマー(d1)、ポリウレタン系オリゴマー(d2)、ポリエポキシ系オリゴマー(d3)及びポリアクリル系オリゴマー(d4)よりなる群から選ばれる少なくとも1種以上を含み、これらを特に制限なく使用することができる。
【0170】
(d1)ポリエステル系オリゴマー
ポリエステル系オリゴマー(d1)としては、主鎖骨格に多塩基酸と多価アルコールを重縮合して得られるポリエステルの末端あるいはポリエステル鎖中の水酸基と(メタ)アクリル酸、マレイン酸などの分子内に1個以上のカルボキシル基を有するα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物とのエステル化によって得られる化合物、あるいはポリエステルの末端あるいはポリエステル鎖中のカルボキシル基と(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどの前述の化合物(c2)とのエステル化によって得られる化合物である。その他、酸無水物と(メタ)アクリル酸グリシジルと少なくとも1個の水酸基を有する化合物とから得られるポリエステルオリゴマー等もポリエステルオリゴマー(d1)として使用可能である。
【0171】
上記、多塩基酸としては、脂肪族系、脂環族系、及び芳香族系が挙げられ、それぞれ特に制限が無く使用できる。脂肪族系多塩基酸としては、より具体的には、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、スベリン酸、マレイン酸、クロロマレイン酸、フマル酸、ドデカン二酸、ピメリン酸、シトラコン酸、グルタル酸、イタコン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらの脂肪族ジカルボン酸及びその無水物が利用できる。又、無水コハク酸の誘導体(メチル無水コハク酸物、2,2−ジメチル無水コハク酸、ブチル無水コハク酸、イソブチル無水コハク酸、ヘキシル無水コハク酸、オクチル無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、フェニル無水コハク酸等)、無水グルタル酸の誘導体(無水グルタル酸、3−アリル無水グルタル酸、2,4−ジメチル無水グルタル酸、2,4−ジエチル無水グルタル酸、ブチル無水グルタル酸、ヘキシル無水グルタル酸等)、無水マレイン酸の誘導体(2−メチル無水マレイン酸、2,3−ジメチル無水マレイン酸、ブチル無水マレイン酸、ペンチル無水マレイン酸、ヘキシル無水マレイン酸、オクチル無水マレイン酸、デシル無水マレイン酸、ドデシル無水マレイン酸、2,3−ジクロロ無水マレイン酸、フェニル無水マレイン酸、2,3−ジフェニル無水マレイン酸等)等の無水物誘導体も利用できる。.
【0172】
脂環族系多塩基酸としては、より具体的には、例えば、脂環族ジカルボン酸としては、例えば、ダイマー酸、シクロプロパン−1α,2α−ジカルボン酸、シクロプロパン−1α,2β−ジカルボン酸、シクロプロパン−1β,2α−ジカルボン酸、シクロブタン−1,2−ジカルボン酸、シクロブタン−1α,2β−ジカルボン酸、シクロブタン−1α,3β−ジカルボン酸、シクロブタン−1α,3α−ジカルボン酸、(1R)−シクロペンタン−1β,2α−ジカルボン酸、trans−シクロペンタン−1,3−ジカルボン酸、(1β,2β)−シクロペンタン−1,3−ジカルボン酸、(1β,3β)−シクロペンタン−1,3−ジカルボン酸、(1S,2S)−1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,1−シクロヘプタンジカルボン酸、クバン−1,4−ジカルボン酸、2,3−ノルボルナンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸等の飽和脂環属ジカルボン酸や、1−シクロブテン−1,2−ジカルボン酸、3−シクロブテン−1,2−ジカルボン酸、1−シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸、4−シクロペンテン−1,3−ジカルボン酸、1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、2−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,3−ジカルボン酸、2,5−ヘキサジエン−1α,4α−ジカルボン酸等の環内に不飽和二重結合が1もしくは2個有した不飽和脂環族ジカルボン酸が挙げられ、これらの脂環族ジカルボン酸及びその無水物等が利用できる。
【0173】
また、ヘキサヒドロ無水フタル酸の誘導体(3−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸)、テトラヒドロ無水フタル酸の誘導体(1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、3−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、メチルブテニル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸等)等の水素添化した無水フタル酸誘導体も脂環族ジカルボン酸無水物として利用できる。
【0174】
芳香族系多塩基酸としては、より具体的には、例えば、芳香族ジカルボン酸としては、例えば、o−フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トルエンジカルボン酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、2,2'−ビフェニルジカルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4´−ジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、1,2−アズレンジカルボン酸、1,3−アズレンジカルボン酸、4,5−アズレンジカルボン酸、(−)−1,3−アセナフテンジカルボン酸、1,4−アントラセンジカルボン酸、1,5−アントラセンジカルボン酸、1,8−アントラセンジカルボン酸、2,3−アントラセンジカルボン酸、1,2−フェナントレンジカルボン酸、4,5−フェナントレンジカルボン酸、3,9−ペリレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸や、無水フタル酸、4−メチル無水フタル酸等の芳香族ジカルボン酸無水物が挙げられ、これらの芳香族ジカルボン酸及びその無水物等が利用できる。
【0175】
さらに、無水クロレンド酸、無水ヘット酸、ビフェニルジカルボン酸無水物、無水ハイミック酸、エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、メチル−3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、1−シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、オクタヒドロ−1,3−ジオキソ−4,5−イソベンゾフランジカルボン酸無水物等の酸無水物類も多塩基酸として使用可能である。
【0176】
また、多価アルコールとしては、数平均分子量(Mn):約50〜500の比較的低分子量のポリオール類や、数平均分子量(Mn):500〜30,000の比較的高分子量のポリオール類が挙げられ、それぞれ、特に制限が無く使用できる。
【0177】
比較的低分子量のポリオール類としては、より具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、3,3'−ジメチロールヘプタン、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ポリオキシエチレングリコール(付加モル数10以下)、ポリオキシプロピレングリコール(付加モル数10以下)、プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール、ブチルエチルペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール,トリシクロデカンジメタノール、シクロペンタジエンジメタノール、ダイマージオール等の脂肪族又は脂環族ジオール類;
【0178】
例えば、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、4,4'−メチレンジフェノール、4,4'−(2−ノルボルニリデン)ジフェノール、4,4'−ジヒドロキシビフェノール、o−,m−及びp−ジヒドロキシベンゼン、4,4'−イソプロピリデンフェノール、ビスフェノールにアルキレンオキサイドを付加させた付加型ビスフェノール等の芳香族ジオール類等を挙げることができる。
【0179】
付加型ビスフェノールの原料ビスフェノールとしては、ビスフェノールA、ビスフェノールF等が挙げられ、原料アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が挙げられる。
比較的高分子量のポリオール類としては、より具体的には、例えば、高分子量ポリエステルポリオール、高分子量ポリアミドポリオール、高分子量ポリカーボネートポリオール及び高分子量ポリウレタンポリオールが挙げられる。高分子量ポリカーボネートポリオールは、上記の比較的低分子量のジオールと炭酸エステル又はホスゲンとの反応によって得られる。
【0180】
上記高分子量ポリエステルポリオールの市販品としては、例えば、東洋紡績社製のバイロンシリーズ、クラレ社製のクラレポリオールPシリーズ、協和発酵ケミカル社製のキョーワポールシリーズが挙げられる。
上記高分子量ポリアミドポリオールの市販品としては、富士化成工業社製のTPAE617等を使用できる。
上記高分子量ポリカーボネートポリオールの市販品としては、例えば、パーストープ社製のオキシマーN112、旭化成ケミカルズ社製のPCDLシリーズ、クラレ社製のクラレポリオールPMHCシリーズ、クラレポリオールCシリーズ等が挙げられる。
【0181】
上記高分子量ポリウレタンポリオールの市販品としては、例えば、東洋紡績社製のバイロンURシリーズ、三井化学ポリウレタン社製のタケラックE158(水酸基価=20,酸価<3)、タケラックE551T(水酸基価=30,酸価<3)、及び、タケラックY2789(水酸基価=10,酸価<2)等が挙げられる。
その他に、ポリカプロラクトンジオール、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)ジオール、ポリバレロラクトンジオール等のラクトン類を開環重合して得られるポリエステルポリオール等も、上記高分子量ポリオールとして使用できる高分子量ポリオールに含まれる。
【0182】
(d2)ポリウレタン系オリゴマー
ポリウレタン系オリゴマー(d2)は、少なくとも1個以上のイソシアネート基を有する化合物と前記化合物(b1)を反応させて得られる化合物、あるいは少なくとも1個のイソシアネート基を有する化合物と上述の多価アルコールとを反応させて得られる末端イソシアネート基のウレタンプレポリマーと前記化合物(c2)を反応させて得られる化合物、あるいは少なくとも1個のイソシアネート基を有する化合物と多価アルコールとを反応させて得られる末端イソシアネート基のウレタンプレポリマーと、更に少なくとも1個以上のアミノ基を有する化合物とを反応させて得られる末端イソシアネート基のウレタンプレポリマーと前記化合物(c2)とを反応させて得られる化合物である。また、イソシアネート基とアミノ基とを反応させて得られるウレア結合基を含有したものもポリウレタン系オリゴマー(d2)に含む。
【0183】
少なくとも1個のイソシアネート基を有する化合物としては、単官能ポリイソシアネート、及び多官能イソシアネートが挙げられ、それぞれ、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。単官能ポリイソシアネートとしては、より具体的に、例えば、メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、ブチルイソシアネート、オクチルイソシアネート、デシルイソシアネート、オクタデシルイソシアネート、ステアリルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、フェニルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、p−クロロフェニルイソシアネート、p−ニトロフェニルイソシアネート、2−クロロエチルイソシアネート、2,4−ジクロロフェニルイソシアネート、3−クロロ−4−メチルフェニルイソシアネート、トリクロロアセチルイソシアネート、クロロスルホニルイソシアネート、(R)−(+)−α−メチルベンジルイソシアネート、(S)−(−)−α−メチルベンジルイソシアネート、(R)−(−)−1−(1−ナフチル)エチルイソシアネート、(R)−(+)−1−フェニルエチルイソシアネート、(S)−(−)−1−フェニルエチルイソシアネート、p−トルエンスルホニルイソシアネート等が挙げられる。
【0184】
多官能イソシアネートのうち、芳香族ポリイソシアネートとしては、より具体的に、例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(別名:4,4’−MDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(別名:2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート等を挙げることができる。
【0185】
脂肪族ポリイソシアネートとしては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(別名:HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
【0186】
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
【0187】
脂環族ポリイソシアネートとしては、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(別名:IPDI)、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
【0188】
また、(d2)成分の一部として、上記、ポリイソシアネートの2−メチルペンタン−2,4−ジオールアダクト体、イソシアヌレート環を有する3量体等も併用することができる。ポリフェニルメタンポリイソシアネート(別名:PAPI)、ナフチレンジイソシアネート、及びこれらのポリイソシアネート変性物等を使用し得る。なおポリイソシアネート変性物としては、カルボジイミド基、ウレトジオン基、ウレトンイミン基、水と反応したビュレット基、イソシアヌレート基のいずれかの基、又はこれらの基の2種以上を有する変性物を使用できる。ポリオールとジイソシアネートの反応物も少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物として使用することができる。
また、アミノ基を有するアミン類としては、上述した触媒(P)に記載したアミン類が利用できる。
【0189】
(d3)ポリエポキシ系オリゴマー
ポリエポキシ系オリゴマー(d3)は、グリシジル基を有する化合物とヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、マレイン酸などの分子内に1個以上の水酸基やカルボキシル基を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物との反応により得られる化合物であり、実質的にグリシジル基を有さず、かつα,β−不飽和二重結合基含有化合物を有する化合物である。代表例としてビスフェノール型、エポキシ化油型、フェノールノボラック型、脂環型が挙げられる。ビスフェノール型ポリエポキシ系オリゴマーとしては、ビスフェノール類とエピクロルヒドリンとを反応させて得られるビスフェノール型ジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸などの分子内に1個以上のカルボキシル基を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物とを反応して得られるものである。
【0190】
エポキシ化油ポリエポキシ系オリゴマーとしては、エポキシ化された大豆油等の油とヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、マレイン酸などの分子内に1個以上の水酸基やカルボキシル基を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物との反応により得られるものを使用できる。ノボラック型ポリエポキシ系オリゴマーとしては、ノボラック型エポキシ樹脂とヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、マレイン酸などの分子内に1個以上の水酸基やカルボキシル基を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物との反応により得られるものを使用できる。脂環型ポリエポキシ系オリゴマーとしては、脂環型エポキシ樹脂とヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、マレイン酸などの分子内に1個以上の水酸基やカルボキシル基を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物との反応により合成されたものを使用できる。
【0191】
(d4)ポリアクリル系オリゴマー
本発明では、オリゴマー(D)として、アクリル系オリゴマー(d4)を使用することもできる。使用可能な化合物の具体例として、α,β−不飽和二重結合基を有する変性ポリエーテル、アミン変性されたα,β−不飽和二重結合基含有化合物、並びに、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂及び多価アルコール等の各種化合物にα,β−不飽和二重結合基を付加させた変性α,β−不飽和二重結合基含有化合物、からなる群より選択される1以上の化合物の、オリゴマーまたはプレポリマーを使用することができる。
【0192】
凝集密度に加えて、重合によって塗膜を形成する他成分との相溶性、及び耐熱性と耐湿熱性といった耐久性において、優れた特性を得る観点から、上記オリゴマー(D)の重量平均分子量(以下、Mwと称す。)が重合塗膜の相溶性や良好な耐久性(耐熱性、耐湿熱性)、凝集密度の点で、300〜50,000の範囲であることが好ましく、400〜30,000の範囲であることが好ましい。Mwが50,000以下のオリゴマーを使用することによって、流動性に優れ、かつ上記成分(A)、(B)及び(C)との相溶性にも優れた樹脂組成物を容易に提供することができる。また、それに伴って、樹脂組成物の塗工性の低下、及び接着性等の塗膜耐久性の低下、並びに塗膜の白化といった不具合を容易に抑制することができる。一方、Mwが300以上のオリゴマーを使用することによって、樹脂組成物を接着剤として使用して基材(G)と別の基材(G)とを貼着した場合に、接着剤層での凝集破壊が生じ難くなる。
なお、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、酸価(AV)及び水酸基価(OHV)の測定方法については後述する。
【0193】
特に限定するものではないが、本発明の好ましい一実施形態において、上記オリゴマー(D)は、少なくともポリウレタン系オリゴマー(d2)を含むことが好ましい。上記樹脂組成物を接着剤等の用途で使用する場合、接着層の弾性及び柔軟性は、上記オリゴマー(D)中の結合基に依存して変化する傾向がある。上記結合基がエステル又はエーテル基である場合、優れた柔軟性を得ることが容易である。しかし、弾性が低く、及び耐加水分解性も低い傾向がある。一方、上記成分(d2)を使用した場合、ウレタン結合に基づき、弾性と柔軟性とのバランスをとることが容易である。また、上記成分(d2)は、耐加水分解性も良好であるため、耐水性や耐湿熱性を容易に向上させることができる。さらに、一般的に、フィルム状基材に対してコロナ処理等を実施した場合、フィルム状基材表面にはカルボニル基が介在する。このようなカルボニル基に対して、上記ウレタン結合は、窒素原子に起因する塩基性部位で対極的な結合を形成(酸塩基相互作用)しやすいため、フィルム状基材に対する密着性及び接着性を容易に向上させることができる。一方、結合基がエステル又はエーテルである場合、上記フィルム状基材上のカルボニル基との相互作用は酸素原子と間で生じ、結合基がウレタンである場合と比較して、比較的弱い結合となる。実際のところ、同じ配合比で調製される樹脂組成物において、上記オリゴマー(D)として、成分(d2)を使用した場合と、その他の成分を使用した場合とを比較すると、各種特性において、前者の方が優位な結果が得られる傾向がある。しかし、本発明は、上記成分(d2)以外のオリゴマー成分を使用した場合についても、その他の構成成分を適切に配合することによって、所望とする特性を容易に得ることができる。
【0194】
本発明の樹脂組成物の一実施形態では、成分(A)、(B)及び(C)の総量を100重量部として、オリゴマー(D)が1〜250重量部の配合量であることが好ましい。より好ましくは、1〜100重量部の範囲である。オリゴマー(D)を1重量部以上とすることによって、凝集力の不足を改善することができ、耐熱性や耐湿熱性といった特性の改善が容易となる。一方、オリゴマー(D)を250重量部以下とすることによって、樹脂組成物をコート剤又は接着剤として使用した場合に、基材に対する優れた密着性又は接着性を得ることが容易となる。
【0195】
成分(E):
本発明の樹脂組成物は、各種活性化エネルギー線の照射によって重合反応が進行し、硬化可能である。しかし、上記樹脂組成物は、成分(A)、(B)、及び(C)の必須成分に加えて、必要に応じて、活性エネルギー線重合開始剤(E)を含んでもよい。活性エネルギー線重合開始剤(E)を使用することによって、重合反応を促進することができる。本発明の一実施形態において、上記活性化エネルギーは紫外線であることが好ましく、紫外線の照射によって重合反応を進行させる場合、樹脂組成物は、活性エネルギー線重合開始剤(E)を含むことが好ましい。
【0196】
本発明では、上記成分(E)として、活性エネルギー線重合開始剤として公知の化合物から任意に選択した化合物を使用できる。
具体例として、例えば、以下が挙げられる。2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、キサントフルオレノン、ベンズアルデヒド、アントラキノン、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4−チオキサントン、カンファーキノン、及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン等。
また、市販品としては、例えば、以下が挙げられる。イルガキュアー184,907,651,1700,1800,819,369,及び261(BASF社製)、DAROCUR−TPO(BASF社製、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド)、ダロキュア−1173(メルク社製)、エザキュアーKIP150,及びTZT(日本シイベルヘグナー社製)、カヤキュアBMS,及びカヤキュアDMBI(日本化薬社製)等。
また、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する光重合開始剤を使用することもできる。
また、α,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(C)として、(メタ)アクリル酸グリシジル、4−(グリシジルオキシ)ブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸(3−メチル−3−オキセタニル)メチル、(メタ)アクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチルなどの3員環または4員環の酸素原子を有するヘテロ環含有(メタ)アクリル酸エステル類、あるいは後述のカチオン重合性化合物(F)や上述のオキシラン環を有する化合物(A)をカチオン重合性化合物として使用した場合には、活性エネルギー線重合開始剤として、必要に応じて公知の光酸発生剤を含有することが好ましい。光酸発生剤としては、例えば、UVACURE1590(ダイセル・サイテック社製)、CPI−110P(サンアプロ社製)、などのスルホニウム塩やIRGACURE250(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、WPI−113(和光純薬社製)、Rp−2074(ローディア・ジャパン社製)等のヨードニウム塩などに例示されるものが挙げられ、併用使用する事で、重合架橋が進み、熱や湿度に対する耐久性に優れる接着層を形成するため好ましい。
また、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する活性エネルギー線重合開始剤を使用することもできる。
本発明では、上記成分(E)として、上述の化合物を単独で、又は2種類以上組合せて使用することができる。
【0197】
上記成分(E)の配合割合は、反応性の観点から、樹脂組成物の総量を100重量部として、好ましくは0.01〜20重量部の範囲、より好ましくは0.5〜10重量部の範囲である。
【0198】
本発明の樹脂組成物は、実質的に有機溶剤を含まない。樹脂組成物は、有機溶剤を全く含まないことが好ましいが、上記活性エネルギー線重合開始剤(E)は重合性成分に難溶性のことが多い。そのため、活性エネルギー線重合開始剤(E)を溶解するため少量の有機溶剤は含んでもよい。樹脂組成物中の有機溶剤の含有量は5重量%以内であることが好ましい。
【0199】
さらに、上記活性エネルギー線重合開始剤(E)の性能を向上させるために、活性エネルギー線増感剤を併用しても良い。活性エネルギー線増感剤の代表例として、アミン類、尿素類、含硫黄化合物、含燐化合物、含塩素化合物、及び、ニトリル類又はその他の含窒素化合物などが挙げられる。なかでも、アントラセン系又はベンゾフェノン系、チオキサントン系又はペリレン、フェノチアジン、及びローズベンガル等の化合物が好ましく使用される。
【0200】
成分(F):
本発明の樹脂組成物の一実施形態において、樹脂組成物は、上記必須成分に加えて、カチオン重合性化合物(D)を含んでもよい。カチオン重合性化合物(F)を使用することによって、樹脂組成物をコート剤又は接着剤として使用した時に、活性エネルギー線照射による異種重合硬化が可能なるため、硬化塗膜が相分離構造を形成し、弾性と応力緩和性やクリープ特性を制御しやすいため、基材に対する接着性又は密着性をより向上させることができる。また樹脂層の耐熱性又は耐湿熱性を向上させることが容易となる。
【0201】
カチオン重合性化合物(F)は、酸触媒によりカチオン重合する官能基を少なくとも1種以上を含み、これらを特に制限なく使用することができる。
カチオン重合性化合物(F)としては活性エネルギー線による反応性の観点から、環状ヘテロ化合物や上述の化合物(C)中に例示されるビニルエーテル類が好ましく、環状ヘテロ化合物のうち、環状エーテル基を1つ以上有する化合物が特に好ましく用いられる。また上述したオキシラン環を有する化合物(A)に含有されるオキシラン環も3員環状環状エーテル基を有する環状ヘテロ化合物であるため、酸触媒の存在下でカチオン重合することができるため、カチオン重合性化合物(F)と併用使用することができ、好ましく使用される。
【0202】
環状ヘテロ化合物のうち、オキシラン化合物以外の環状ヘテロ化合物としては、オキシラン環を有する化合物(A)を除く、4員環エーテルであるオキセタニル基含有化合物(f1)や5員環以上の環状エーテル化合物(f2)、2個以上の酸素又は酸素以外のヘテロ基を有する化合物(f3)がある。
【0203】
オキセタニル基含有化合物(f1)としては、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、ジ(1−エチル−3−オキセタニル)メチルエーテル、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、フェノールノボラックオキセタン、3‐エチル−{(3−トリエトキシシリルプロポキシ)メチル}オキセタン等が挙げられる。オキセタニル基含有化合物(f1)は単独で用いてもよいし2種類以上を併用し用いてもよい。
【0204】
5員環以上の環状エーテル化合物(f2)としては、例えば、2−メチルテトラヒドロフラン、2,5−ジエトキシテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン−2,2−ジメタノール3−メチル−2,4(3H、5H)−フランジオン、2,4−ジオキソテトラヒドロフラン−3−カルボキシラート、プロパン酸1,5−ジ(テトラヒドロフラン−2−イル)ペンタン−3−イル、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸無水物、メトキシテトラヒドロピラン、2−(プロパジエニルオキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン、2−(テトラヒドロフルフリルオキシ)テトラヒドロピラン、N−(2,6−ジオキソテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)フタルイミド、3−[3−ヒドロキシプロピル]オキシ]オキセパン、(2R,3R)−2−メチル−3−(ベンジルオキシメチル)オキセパン−3−オール、5−クロロ−2−(2−フェニルエチル)オキセパン等が挙げら、単独で用いてもよいし2種類以上を併用し用いてもよい。
【0205】
2個以上の酸素又は酸素以外のヘテロ基を有する化合物(f3)としては、環状エステル化合物、環状ホルマール化合物、環状カーボネート化合物、含フッ素環状化合物等がある。環状エステル化合物が、ラクトン類であることが好ましい。環状ホルマール化合物がが、ジオキソラン類、ジオキサン類及びトリオキサン類から選択される化合物であることがより好ましい。
工業的には、プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン、1,3−ジオキソラン、1,2−ジオキサン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、グリセリンカーボネート等が反応性の点で好ましく用いられる。
【0206】
カチオン重合性化合物(F)のうち、ビニルエーテル類としては、前記した化合物(C)より適時選択され、使用することができる。
【0207】
カチオン重合性化合物(F)は、(f1)、(f2、)(f3)、及びビニルエーテル類が挙げられ、特に限定するものではないが、オキセタニル基含有化合物(f1)が好ましい。また、オキシラン化合物(f1)は、オキシラン環を有する化合物(A)と同様に、立体歪みが大きく、求核的開環反応を起こしやすい。そのため、後述の基材(G)との相互作用が大きく、工業的にも好ましい。これらは使用目的によって、単独で用いてもよいし2種類以上を併用し用いてもよい。
このように、本発明の樹脂組成物に、カチオン重合性化合物(F)を併用することによって、活性エネルギー線を照射して重合硬化した塗膜の硬化収縮を抑制しやすいため、硬化収縮が大きいことに起因する積層体の外観不良も改善することが可能となる。
【0208】
本発明の樹脂組成物の一実施形態では、成分(A)、(B)及び(C)の総量を100重量部として、カチオン重合性化合物(F)が1〜350重量部の配合量であることが好ましい。より好ましくは、1〜150重量部の範囲である。カチオン重合性化合物(F)を1重量部以上とすることによって、凝集力の不足を改善することができ、耐熱性や耐湿熱性といった特性の改善が容易となる。一方、カチオン重合性化合物(F)を350重量部以下とすることによって、樹脂組成物をコート剤又は接着剤として使用した場合に、基材に対する優れた密着性又は接着性を得ることが容易となる。
【0209】
その他の成分(Q):
本発明の樹脂組成物は、本発明による効果を損なわない範囲であれば、各種添加剤(Q)を適宜配合することも可能である。例えば、重合硬化収縮率低減、熱膨張率低減、寸法安定性向上、弾性率向上、粘度調整、熱伝導率向上、強度向上、靭性向上、及び着色向上等の観点から、有機又は無機の充填剤を配合することができる。このような充填剤は、ポリマー、セラミックス、金属、金属酸化物、金属塩、及び染顔料等の材料から構成されるものであってよい。また、その形状については、特に限定されず、例えば、粒子状及び繊維状等であってよい。なお、上記ポリマー系の材料を配合する場合には、シランカップリング剤、柔軟性付与剤、可塑剤、難燃化剤、保存安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、チクソトロピー付与剤、分散安定剤、流動性付与剤、及び消泡剤等の、独立した充填剤としてではなく、ポリマーブレンド又はポリマーアロイとして、樹脂組成物中に、溶解、半溶解又はミクロ分散させることも可能である。
【0210】
本発明の樹脂組成物は、上述の各成分を、当技術分野で周知の方法に従って均一に混合することによって調製することができる。樹脂組成物は、液状、ペースト状及びフィルム状のいずれかの形態で、様々な用途に適用することができる。本発明の一実施形態において、上記樹脂組成物は、好ましくは、コート剤又は接着剤の用途で使用される。
【0211】
本発明の樹脂組成物は、その使用形態に応じて、粘度を適切に調整することが好ましい。本発明の樹脂組成物は、実質的に有機溶剤を含まないことが好ましいが、必要に応じて、粘度を調整するために、溶剤を使用してよい。例えば、溶剤として、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサン、トルエン、キシレンその他の炭化水素系溶媒等の有機溶媒、又は水を使用できる。そのような溶剤を使用することによって、樹脂組成物の粘度を容易に調整することができる。また、溶剤を使用することなく、樹脂組成物を加熱することによって粘度を低下させることもできる。
【0212】
本発明の一実施形態では、樹脂組成物を使用して、代表的に0.1〜6μmの膜厚を有する樹脂層が形成される。したがって、塗膜形成の観点から、樹脂組成物の粘度は、少なくとも1〜1,500mPa・sの範囲、好ましくは10〜1,300mPa・s、及びより好ましくは20〜1,000mPa・sの範囲であることが望ましい。上記粘度が1,500mPa・s以下の場合、塗工によって基材上に0.1〜6μmの薄膜を容易に形成することができ、透過率等の光学的特性を高めることも容易である。一方、粘度が1mPa・s以上の場合、樹脂組成物から形成する樹脂層の膜厚を制御することが容易である。
【0213】
また、別の実施形態では、樹脂組成物を使用して、6〜300μmの膜厚を有する樹脂層が形成される。この場合、樹脂組成物の粘度は、少なくとも1,500〜100,000mPa・sの範囲であり、好ましくは3,000〜50,000mPa・sの範囲であることが望ましい。上記実施形態に係る粘度の調整及び樹脂組成物の塗工は、必要に応じて、上記樹脂組成物に溶剤を加えることによって、容易に実施することもできる。
【0214】
本発明の樹脂組成物は、好ましくは、コート剤又は接着剤の用途で使用される。代表的に、樹脂組成物は、常法にしたがい適当な方法で、基材の片面、または両面に塗工され、次いで重合硬化されることによって、樹脂層を形成する。したがって、本発明の一実施形態は、後述の基材(G)と、該基材(G)の少なくとも一方の主面に設けられた、樹脂組成物からなる樹脂層とを有する、積層体に関する。本実施形態において、樹脂層の膜厚は、積層体の用途に応じて設定される。
【0215】
例えば、上記樹脂組成物を、後述のハードコートフィルム、又は偏光フィルム等の光学素子用積層体の用途で使用する場合は、上記樹脂組成物を薄膜塗工する。塗工によって形成される上記樹脂層の厚さは、0.1〜6μmが好ましく、0.1μm〜3μmがより好ましい。樹脂層の厚さを0.1μm以上にすることによって、樹脂組成物をコート剤又は接着剤として使用した場合に、十分な密着性又は接着力を得ることが容易である。一方、樹脂層の厚さが6μmを超えると、密着性又は接着力等の特性において変化は見られない場合が多い。
【0216】
また、上記樹脂組成物を、後述の加飾フィルム(タッチパネル用充填シートを意味する)等の光学素子用積層体の用途で使用する場合は、上記樹脂組成物を厚膜塗工する。塗工によって形成される上記樹脂層の厚さは、6〜300μmが好ましく、20μm〜250μmがより好ましい。樹脂層の厚さを6μm以上にすることによって、樹脂組成物をコート剤又は接着剤として使用した場合に、タッチパネルの充填機能に加えて、十分な応力緩和性やクリープ特性を得ることが容易である。一方、樹脂組成物層の厚さを300μm以下にすることによって、スジ引き等の塗工性の低下を抑制することが容易である。
【0217】
上記樹脂組成物の塗工方法は、特に制限はない。例えば、マイヤーバー、アプリケーター、刷毛、スプレー、ローラー、グラビアコーター、ダイコーター、マイクログラビアコーター、リップコーター、コンマコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、リバースコ−ター、スピンコーター等の、周知の様々な方法を適用することができる。また、薄膜塗工又は厚膜塗工等の形態についても、用途に応じて、特に制限なく、選択することができる。
【0218】
本発明の樹脂組成物は、公知慣用の方法によって基材上に塗布することができ、次いで、形成された塗布層に活性エネルギー線を照射することによって、α,β−不飽和結合基を有する化合物の重合反応が進行し、硬化物を形成する。本発明の一実施形態において、活性エネルギー線は、紫外線を含む、150〜550nm波長域の光エネルギーを主体とすることが好ましい。このよう光エネルギーを提供する適切な光源として、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、LEDランプ、キセノンランプ、及びメタルハライドランプなどが挙げられる。その他、本発明の別の実施形態では、レーザー光線及び電子線などを露光用の活性エネルギー線として利用することもできる。
【0219】
活性エネルギー線の照射強度は、0.1〜500mW/cm2であることが好ましい。光照射強度が0.1mW/cm2未満であると、硬化に長時間を必要とし、500mW/cm2を超えると、ランプから輻射される熱によって、各種基材における基材劣化が生じる可能性があるため、好ましくない。照射強度と照射時間の積として表される積算照射量は、0.1〜5,000mJ/cm2であることが好ましい。積算照射量が0.1mJ/cm2より少ないと、重合硬化に長時間を必要とし、5,000mJ/cm2より大きいと、照射時間が非常に長くなり、生産性が劣るため、好ましくない。代表的な活性エネルギー線重合性樹脂組成物は、一般的に、1,000mJ/cm2以上の積算照射量を必要とする。しかし、本発明による上記樹脂組成物は、1,000mJ/cm2未満の低い積算照射量であっても良好に重合化が進行する。
【0220】
本発明の積層体において、基材上の樹脂層は、活性エネルギー線の照射によって上記樹脂組成物が重合硬化することによって形成されたものであり、概ね−80℃〜150℃のガラス転移温度(以下、Tgという)を有する。上記積層体の打ち抜き加工性の観点から、樹脂層のTgは、−40〜120℃の範囲であることがより好ましく、0〜120℃の範囲であることがさらに好ましい。
【0221】
上述の観点から、本発明の一実施形態において、樹脂組成物は、樹脂層(樹脂組成物の重合硬化物)のTgが上記範囲内になるように、オキシラン環を有する化合物(A)と、分子内に1個以上のカルボキシル基を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(B)と、分子内にカルボキシル基を有しないα,β−不飽和二重結合基含有化合物(C)とを必須成分とし、さらに、必要に応じて、オリゴマー(D)、重合開始剤(E)、カチオン重合性化合物(F)及びその他の添加剤(Q)などの追加成分を適宜選択して、構成されることが好ましい。このような実施形態では、上記成分(B)及び(C)のα,β−不飽和二重結合基として、それぞれ(メタ)アクリロイル基を有する化合物を使用することが好ましく、アクリロイル基を有する化合物を使用することがより好ましい。
【0222】
本発明の一実施形態において、樹脂組成物は活性エネルギー線重合性コート剤(以下、コート剤と称す)として使用され、樹脂組成物は基材の片面や両面を覆うコート層を形成する。このような実施形態において、上記基材は、木材、金属板、プラスチック板、フィルム状基材、ガラス板、紙加工品等であってよく、これらを特に制限なく使用することができる。
【0223】
一方、本発明の別の実施形態において、樹脂組成物は活性エネルギー線重合性接着剤(以下、接着剤と称す)として使用され、樹脂組成物は2つ以上の基材(G)を貼り合わせる接着層を形成する。このような実施形態において、上記基材(G)は、活性エネルギー線の照射によって重合反応を進行させるために、活性エネルギー線を透過し易い材料から構成する必要がある。上記基材(G)として、特に、透明フィルム(H)、又は透明ガラス板を使用することが好ましい。但し、一方の基材として、透明フィルム(H)又は透明ガラス板を使用すれば、他方の基材として活性エネルギー線が透過し難い基材、例えば、木材、金属板、プラスチック板、紙加工品等の材料からなる基材を使用することもできる。この場合、透明フィルム(H)又は透明ガラス板側から活性エネルギー線を照射することによって、樹脂組成物の重合硬化を行うことが可能である。
【0224】
本発明の積層体では、基材(G)として、フィルム状基材を使用することが好ましい。フィルム状基材の具体例として、セロハン、各種プラスチックフィルム、及び紙等が挙げられる。なかでも、透明な各種プラスチックフィルムの使用が好ましい。また、フィルム状基材としては、フィルムが透明であれば、単層構造であってもよいし、複数の基材を積層してなる多層構造を有するものであってもよく、いずれの構造を有するフィルムであっても好適に使用することができる。本発明の積層体を構成する場合、透明なフィルムの少なくとも一方の面に本発明の樹脂組成物からなる樹脂層を形成することが好ましい。
【0225】
以下、本発明の積層体のより具体的な実施形態について、基材として透明フィルム(H)を使用した場合を例にして説明する。すなわち、以下の説明は、透明フィルム(H)の少なくとも一方の主面に本発明の樹脂組成物から構成される、コート層又は接着層といった樹脂層を有する、積層体に関する。
【0226】
本発明の樹脂組成物をコート剤として使用して構成される積層体は、代表的に、透明フィルム/コート層、又はコート層/透明フィルム/コート層の構造を有する、シート状のフィルムである。このような積層体は、透明フィルムの少なくとも一方の主面に樹脂組成物を塗工し、該樹脂組成物を重合硬化させて、コート層を形成することによって得ることができる。
【0227】
一方、本発明の樹脂組成物を接着剤として使用して構成される積層体は、代表的に、透明フィルム/接着層/透明フィルム、又は透明フィルム/接着層/透明フィルム/接着層/透明フィルムといった、複数の透明フィルムを積層して得られるシート状の多層フィルムである。また、別の形態において、積層体は、透明フィルム/接着層/透明フィルム/接着層/透明フィルム/接着層/透明フィルムといったシート状の多層フィルムを、ガラス又は光学成形体といった他の光学部材に固定化した構成を有してもよい。上記積層体は、概樹脂組成物を、フィルムの片面、あるいは両面から活性エネルギー線で重合硬化することによって、接着層を硬化させることによって得ることができる。
【0228】
上記樹脂組成物をコート剤又は接着剤として使用した場合、樹脂組成物の重合硬化は、樹脂組成物の塗工時や、フィルム状基材の積層時又は積層後に、塗工層に活性エネルギー線を照射することによって実施される。特に限定するものではないが、上記照射は、フィルム状基材等の積層後に実施されることが好ましい。
【0229】
上述のように、基材(G)として透明フィルム(H)を使用した場合、上記積層体は、光学用途で好適に使用することができる。良好な光学特性を得る観点から、上記積層体において使用する透明フィルム(H)は、例えば、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、及び等方性等の光学特性に優れる熱可塑性樹脂から構成される各種透明フィルム(H)であることが好ましい。このような各種透明フィルム(H)は、各種プラスチックフィルム又はプラスチックシートとも称される。具体例として、例えば、ポリビニルアルコールフィルム、ポリトリアセチルセルロースフィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリシクロオレフィン、及びエチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系フィルム、ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリノルボルネン系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリアクリル系フィルム、ポリフェニレンサルファイド系フィルム、ポリスチレン系フィルム、ポリビニル系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリイミド系フィルム、並びにポリオキシラン系フィルムなどが挙げられる。
【0230】
本発明の積層体において、複数の透明フィルム(H)を積層して多層フィルムを構成する場合、使用する透明フィルム(H)は、同一組成であっても、異なっていてもよい。例えば、ポリシクロオレフィン系フィルムに接着層を介してポリアクリル系フィルムを積層してもよい。
【0231】
透明フィルム(H)の厚さは、適宜決定することができるが、一般には、強度又は取扱性等の作業性、及び薄層性などの観点から、1〜500μmであり、1〜300μmが好ましく、5〜200μmがより好ましい。光学用途においては、透明フィルム(H)の厚さは、5〜150μmの範囲が特に好適である。
【0232】
本発明による光学素子用積層体の一実施形態では、上記透明フィルム(H)として、主に光学用途にて用いられる光学フィルム(I)を使用することが好ましい。ここで、光学フィルム(I)とは、上記透明フィルム(H)自体に特殊な処理を施したものであり、光透過光拡散、集光、屈折、散乱、及びHAZE等の光学的機能を有するものを意図している。そのような光学フィルム(I)は、単独で、又は数種を組合せて使用することができる。本発明の一実施形態では、上記光学フィルム(I)の少なくとも一方の主面に、上記樹脂組成物からなる樹脂層を形成することによって、光学素子用積層体を構成することができる。
【0233】
上記光学素子用積層体の具体例として、例えば、ハードコートフィルム、帯電防止コートフィルム、防眩コートフィルム、偏光フィルム、位相差フィルム、楕円偏光フィルム、反射防止フィルム、光拡散フィルム、輝度向上フィルム、プリズムフィルム(プリズムシートともいう)、加飾フィルム(タッチパネル用充填シートを意味する)、及び導光フィルム(導光板ともいう)等が挙げられる。本発明の樹脂組成物を接着剤として使用して、上記光学素子用積層体を、さらに、液晶表示装置、PDPモジュール、タッチパネルモジュール、及び有機ELモジュール等のガラス板に貼着させてもよい。また、別の形態として、本発明の樹脂組成物を接着剤として使用して、上記光学素子用積層体を、上記各種光学フィルム(I)に貼着させてもよい。
【0234】
以下、光学素子用積層体の一例として偏光フィルムを挙げ、上記積層体の実施形態について、より具体的に説明する。偏光フィルムは、偏光板とも呼ばれ、偏光子を2枚のフィルム状基材で挟んだ多層構造を有する光学フィルム(I)である。上記偏光フィルムにおいて、偏光子の両面に透明フィルム(H)を設ける場合、その表裏で同じポリマー材料からなる透明フィルム(H)を用いても、又は異なるポリマー材料等からなる透明フィルム(H)を用いてもよい。偏光フィルムは、例えば、ポリビニルアルコール系偏光子の両面を、2枚のポリアセチルセルロース系フィルムであるポリトリアセチルセルロース系保護フィルム(以下、「TACフィルム」という)で挟んだ構造を有する。別例として、偏光フィルムは、ポリビニルアルコール系偏光子の片面又は両面を、ポリノルボルネン系フィルムであるポリシクロオレフィ系フィルム、ポリアクリル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、及びポリエステル系フィルム等のフィルムで挟んだ構造を有する。
【0235】
特に限定するものではないが、例えば、上記偏光板(偏光フィルム)は、以下のようにして製造することができる。
(I)第1の透明フィルム(第1の保護フィルム)の一方の主面に、接着剤として本発明の樹脂組成物を塗工し、第1の重合性接着層を形成する。また、第2の透明フィルム(第2の保護フィルム)の一方の主面に、接着剤として本発明の樹脂組成物を塗工し、第2の重合性接着層を形成する。次いで、ポリビニルアルコール系偏光子の両主面に、上記第1の重合性接着層と第2の重合性接着層とを、同時に/又は順番に、重ね合わせる。次いで、得られた積層体に活性エネルギー線を照射し、第1及び第2の接着層を重合硬化させる。
【0236】
(II)ポリビニルアルコール系偏光子の一方の主面に、接着剤として本発明の樹脂組成物を塗工し、第1の重合性接着層を形成し、この第1の重合性接着層の表面を第1の透明フィルム(第1の保護フィルム)で覆う。次いで、ポリビニルアルコール系偏光子の他方の主面に、接着剤として本発明の樹脂組成物を塗工し、第2の重合性接着層を形成し、この第2の重合性接着層の表面を第2の保護フィルムで覆う。次いで、得られた積層体に活性エネルギー線を照射し、第1及び第2の重合性接着層を重合硬化させる。
【0237】
(III)第1の透明フィルム(第1の保護フィルム)の一方の主面にポリビニルアルコール系偏光子を重ねた端部、及び上記ポリビニルアルコール系偏光子の他面に第2の保護フィルムを重ねた端部のそれぞれに、接着剤として本発明の樹脂組成物をたらし、その積層体を、ロールの間を通過させることによって、各層間に接着剤を広げる。次に、積層体に活性エネルギー線を照射し、活性エネルギー線重合性接着剤を重合硬化させる。
【0238】
以上、光学素子用積層体の一実施形態として、偏光フィルムを一例に挙げて説明した。しかし、上記積層体では、各種基材に対するコート剤又は接着剤として本発明の樹脂組成物を使用することを特徴としている。そのため、偏光フィルムに限定されず、その他の各種基材を使用する他の実施形態においても、光学用途で好適に使用できる積層体を構成できることは容易に理解されるべきである。
【実施例】
【0239】
以下、本発明について、具体的な実施例に沿って説明する。しかし、本発明は、以下の実施例によって限定されるものではない。また、下記実施例及び比較例に記載の、「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」を表す。
【0240】
<樹脂組成物の調整>
[配合例1〜40]
酸素濃度が10%以下に置換された遮光された300mlのマヨネーズ瓶に、オキシラン環を有する化合物(A)、分子内に1個以上のカルボキシル基を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(B)、分子内にカルボキシル基を有しないα,β−不飽和二重結合基含有化合物(C)、オリゴマー(D)、重合開始剤(E)、カチオン重合性化合物(F)及びその他の添加剤(Q)を表1に示す比率で仕込み、にて十分に攪拌を行い、十分に脱泡を行った後、配合例に示す樹脂組成物を得た。
【0241】
表1に示した配合例の活性エネルギー線重合性樹脂組成物について、溶液外観、粘度を以下の方法に従って求め、結果を表2に示した。また、分子量、酸価、水酸基価、及びガラス転移温度の測定方法も以下に示した。
【0242】
【表1】
【0243】
【表2】
【0244】
表1に記載の活性エネルギー線重合性樹脂組成物の詳細は、以下のとおりである。表1において、記号「−」は、配合なしを意味している。
・成分(a1)
JER828:2,2'−(ジメチルメチレン)ビス[(p−フェニレン)オキシメチレン]ビスオキシラン (三菱化学社製)
・成分(a2)
ZX1658:2−[{4−(オキシラン−2−イルメトキシ)シクロヘキシル}メトキシ]オキシラン (東都化成社製)
・成分(a3−1)
2021P:3,4−オキシランシクロヘキシルメチル−3,4−オキシランシクロヘキサンカルボキシレート (ダイセル社製)
・成分(a3−2)
CEP−01:1,3−フェニレンビス(メチレン)ビス(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボキシレイト)、CEP−10:1,3−ビス{(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−イルメトキシ)メチル}ベンゼン
・成分(B)
AA:アクリル酸、HHPA:2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタレート
・成分(P)
DBU:N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、ジアザビシクロウンデセン
・成分(c1)
DMAEA:アクリル酸ジメチルアミノエチル、PMPPA:ペンタメチルピペリジニル(メタ)アクリレート
・成分(c2−1)
4HBA:アクリル酸4−ヒドロキシブチル、2HEA:アクリル酸2−ヒドロキシエチル
・成分(c2−2)
CHDMA:アクリル酸1,4−シクロヘキサンジメタノール、HPPA:アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル
・成分(c3−1)
IBXA:アクリル酸イソボルニル、DCPA:アクリル酸ジシクロペンタニル、ADCP:ジアクリル酸ジシクロペンタニル
・成分(c3−2)
ACMO:4−アクリロイルモルホリン、GMA:メクリル酸グリシジル
・成分(c4)
NPGDA:ジアクリル酸ネオペンチルグリコール、BA:アクリル酸ブチル
・成分(d1)
885:ダイセルサイテック社製 ポリエステルアクリレート 「Ebecryl 885」
・成分(d2)
3000B:日本合成化学工業社製 ポリウレタン系オリゴマー(ウレタンアクリレート) 「紫光UV3000B」
・成分(d3)
600:ダイセルサイテック社製 ポリエポキシ系オリゴマー(エポキシアクリレート) 「Ebecryl600」
・成分(f1)
DOME:ジ(1−エチル−3−オキセタニル)メチルエーテル
・成分(f2)
GC:グリセリンカーボネート
・成分(E)
TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイト゛(BASF社製,DAROCUR TPO)、CPI−110P:p-フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムPF6
・成分(Q)
DEX−S:日本化薬社製 チオキサントン系増感剤
本発明では、上述の成分に限定されることなく、各種特性に優れた活性エネルギー線重合性樹脂組成物を提供することができる。
【0245】
表1に示した配合例の活性エネルギー線重合性樹脂組成物について、溶液外観、粘度を以下の方法に従って求め、結果を表2に示した。また、分子量、酸価、水酸基価、及びガラス転移温度の測定方法も以下に示した。
【0246】
《外観》
各配合例で得られた樹脂組成物の外観を観察し、目視にて評価した。
【0247】
《粘度》
各配合例で得られた樹脂組成物を23℃の雰囲気下でE型粘度計(東機産業社製 TV−22)にて、約1.2mlを測定用試料とし、回転速度0.5〜100rpm、1分間回転の条件で測定し、溶液粘度(mPa・s)とした。
【0248】
《分子量》
数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の測定は、昭和電工社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「ShodexGPC System−21」を用いた。GPCは溶媒に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーであり、溶媒としてはテトロヒドロフラン、数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mn)の決定はポリスチレン換算で行った。
【0249】
《水酸基価(OHV)》
共栓三角フラスコ中に試料を、約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解する。更にアセチル化剤(無水酢酸25gをピリジンで溶解し、容量100mlとした溶液)を正確に5ml加え、約1時間攪拌した。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間持続する。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定する。
水酸基価は次式により求めた。水酸基価は樹脂の乾燥状態の数値とした(単位:mgKOH/g)。
水酸基価(mgKOH/g)=[{(b−a)×F×28.25}/S]/(不揮発分濃度/100)+D
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:空実験の0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
D:酸価(mgKOH/g)
【0250】
《酸価(AV》
共栓三角フラスコ中に試料を、約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容積比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解した。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間保持した後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定した。
乾燥状態の樹脂の値として、酸価(mgKOH/g)を次式により求めた。
酸価(mgKOH/g)={(5.611×a×F)/S}/(不揮発分濃度/100)
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
【0251】
《ガラス転移温度(Tg)》
ロボットDSC(示差走査熱量計、セイコーインスツルメンツ社製「RDC220」)に「SSC5200ディスクステーション」(セイコーインスツルメンツ社製)を接続して、測定に使用した。
試料約10mgをアルミニウムパンに入れ、秤量して示差走査熱量計にセットし、試料を入れない同タイプのアルミニウムパンをリファレンスとして、100℃の温度で5分間加熱した後、液体窒素を用いて−120℃まで急冷処理した。その後10℃/分で昇温し、昇温中に得られたDSCチャートからガラス転移温度(Tg、単位:℃)を決定した。
【0252】
表2の比率で配合した活性エネルギー線重合性樹脂組成物を用い、それぞれ以下の方法で積層体を作成した。
【0253】
<積層体Aの製造例>
[実施例1〜42][比較例1〜9]
表1及び2に示した樹脂組成物を活性エネルギー線重合性接着剤として使用して、以下の積層体を作成した。
透明フィルム(H)である保護フィルム(1)として、日本ゼオン社製 紫外線吸収剤を含有しないポリノルボルネン系フィルム:商品名「ZF−14」(厚み100μm)を用い、保護フィルム(2)として、三菱レイヨン社製 紫外線吸収剤を含有しないポリアクリル系フィルム:商品名「HDB−002」(厚み50μm)を使用し、それぞれその表面に300W・min/m2 の放電量でコロナ処理を行い、表面処理後1時間以内に、配合例に示す接着剤をワイヤーバーコーターを用いて膜厚4μmとなるように塗工し、接着層を形成し、接着層との間に上記のポリビニルアルコール系偏光子を挟み、保護フィルム(1)/接着層/PVA系偏光子/接着層/保護フィルム(2)からなる積層体を得た。
保護フィルム(1)がブリキ板に接するように、この積層体の四方をセロハンテープで固定し、ブリキ板に固定した。
活性エネルギー線照射装置(東芝社製 高圧水銀灯)で最大照度300mW/cm2、積算光量300mJ/cm2の紫外線を保護フィルム(2)側から照射して、偏光板を作製した。
【0254】
得られた積層体(偏光板)について、剥離強度、ゲル分率、打ち抜き加工性、収縮率、耐熱性及び耐湿熱性を以下の方法に従って求め、結果を同様に表3に示した。
【0255】
《剥離強度》
接着力は、JIS K6 854−4 接着剤−剥離接着強さ試験方法−第4部:浮動ローラー法に準拠して測定した。
即ち、得られた偏光板を、25mm×150mmのサイズにカッターを用いて裁断して測定用サンプルとした。サンプルを両面粘着テープ(トーヨーケム社製DF8712S)を使用して、ラミネータを用いて金属板上に貼り付けて、偏光板と金属板との測定用の積層体を得た。測定用の積層体の偏光板には、保護フィルムと偏光子の間に予め剥離のキッカケを設けておき、この測定用の積層体を23℃、相対湿度50%の条件下で、300mm/分の速度で引き剥がし、剥離力とした。この際、ポリビニルアルコール系偏光子と保護フィルム(1)、及びポリビニルアルコール系偏光子と保護フィルム(2)との双方の剥離力を測定した。この剥離力を接着力として4段階で評価した。「△」評価以上の場合、実際の使用時に特に問題ない。
(評価基準)
◎:剥離不可、あるいは偏光板破壊
○:剥離力が2.0(N/25mm)以上〜5.0(N/25mm)未満。
△:剥離力が1.0(N/25mm)以上〜2.0(N/25mm)未満。
×:剥離力が1.0(N/25mm)未満。
【0256】
《ゲル分率》
コロナ処理を施していない日本ゼオン社製のポリノルボルネン系フィルム(商品名「ゼオノア ZF−14:100μm」に、活性エネルギー線重合性接着剤を、ワイヤーバーコーターを用いて膜厚20〜25μmとなるように塗工し、接着層を形成した。さらに接着層の上にコロナ処理を施していないゼオノア ZF−14を重ね、3層からなる積層体を得た後、活性エネルギー線照射装置(東芝社製 高圧水銀灯)で最大照度300mW/cm2、積算光量300mJ/cm2の活性エネルギー線を照射し接着層を重合硬化させた。3層からなる積層体のゼオノア ZF−14を剥離し接着剤層を得た。
接着剤層の重量を測定した後(重量1)を金属メッシュと金属メッシュの間に挟み接着剤層同士が重ならないようにし、メチルエチルケトン(MEK)中で3時間還流した。さらに80℃−30分乾燥し、接着剤層の重量を測定した(重量2)。下記式よりゲル分率を求め、3段階評価した。「△」評価以上の場合、実際の使用時に特に問題ない。
ゲル分率(%)={1−(重量1−重量2)/重量1)}×100
(評価基準)
○:ゲル分率が90%以上
△:ゲル分率が80%以上〜90%未満
×:ゲル分率が80%未満
【0257】
《打ち抜き加工性》
ダンベル社製の100mm×100mmの刃を用い、作製した偏光板を保護フィルム(1)側から打ち抜いた。
打ち抜いた偏光板の、周辺の剥離距離を定規で測定し、以下の4段階で評価した。「△」評価以上の場合、実際の使用時に特に問題ない。
(評価基準)
◎:0mm
○:1mm以下
△:1〜3mm
×:3mm以上
【0258】
《収縮率》
上記偏光板小片を80℃−dryと60℃−90RH%の恒温恒湿機中に放置し、60時間後の延伸方向の縮み量を測定し、元の長さ(100mm)に対する縮み量の割合を収縮率とし求め、以下の3段階で評価をした。
なお、「dry」とは、湿度調整機能付のオーブンで、温度のみコントロールし、湿度のコントロールを行わなかった場合の試験条件である。「△」評価以上の場合、実際の使用時に特に問題ない。
(評価基準)
○:収縮率が0.2%以下
△:収縮率が0.2%より大きくて0.4%以下
×:収縮率が0.4%を超える。

【0259】
《耐熱性》
各実施例と比較例で得られた偏光板を、50mm×40mmの大きさに裁断し、80℃−dry、及び100℃dryの条件下で、それぞれ1000時間暴露した。暴露後偏光板の端部の剥がれの有無を目視にて、以下の3段階で評価をした。「△」評価以上の場合、実際の使用時に特に問題ない。
(評価基準)
◎:100℃−dryの条件下でも剥がれが全く無し。
○:80℃−dry条件下で剥がれが全く無し。
△:80℃−dry条件下で1mm未満の剥がれあり。
×:80℃−dry条件下で1mm以上の剥がれあり。
【0260】
《耐湿熱性》
各実施例と比較例で得られた偏光板を、50mm×40mmの大きさに裁断し、60℃−90%RHの条件下、及び85℃−85%RHの条件下で1000時間暴露した。暴露後偏光板の端部の剥がれの有無を目視にて、以下の3段階で評価をした。「△」評価以上の場合、実際の使用時に特に問題ない。
(評価基準)
◎:85℃−85%RHの条件下でも剥がれが全く無し。
○:60℃−90%RHの条件下で剥がれが全く無し。
△:60℃−90%RHの条件下で1mm未満の剥がれあり。
×:60℃−90%RHの条件下で1mm以上の剥がれあり。
【0261】
【表3】
【0262】
表3で示した記号は以下の通りである。
ZF−14:日本ゼオン社製ポリノルボルネン系フィルム、HBD−002:三菱レイヨン社製アクリル系フィルム。
【0263】
<積層体Bの製造例>
[実施例101〜150][比較例11〜19]
表1及び表2に示した樹脂組成物を活性エネルギー線重合性コート剤として使用し、以下の積層体を作成した。
光学フィルムとして、富士フィルム社製の紫外線吸収剤含有ポリトリアセチルセルロース系フィルム:商品名「フジタック:80μm」を用いた。光学フィルム表面を300W・min/m2の放電量でコロナ処理を行い、表面処理後1時間以内に、配合例に示す樹脂組成物を活性エネルギー線重合性コート剤として、ワイヤーバーコーターを用いて膜厚4μmとなるように塗工し、コート剤層を形成した。
光学フィルムがブリキ板に接するように、この積層体の四方をセロハンテープで、ブリキ板に固定した。
UV照射装置(東芝社製 高圧水銀灯)内を乾燥窒素で置換後、波長365nmの最大照度300mW/cm2、積算光量300mJ/cm2の紫外線をコート剤層側から照射して、コート剤層を有する積層体を作製した。
【0264】
得られた積層体について、密着力、耐熱性を以下の方法に従って求め、結果を同様に表4に示した。
【0265】
《密着力》
JIS K5400に従い、碁盤目剥離試験を実施した。100マス中の剥離したマス数を4段階評価した。「△」評価以上の場合、実際の使用時に特に問題ない。
(評価基準)
◎:0マス
○:1〜10マス
△:11〜30マス
×:31マス以上
【0266】
《耐熱性》
各実施例と比較例で得られた積層体を、50mm×40mmの大きさに裁断し、80℃−dryの条件下で1000時間暴露した。暴露後積層体の端部の剥がれの有無を目視にて、以下の3段階で評価をした。「△」評価以上の場合、実際の使用時に特に問題ない。
(評価基準)
○:剥がれが全く無し
△:1mm未満の剥がれあり
×:1mm以上の剥がれあり
【0267】
【表4】
【0268】
本発明において、光学フィルムの代表例として、例示化合物は以下の表5に具体的に示すが、これらに限られるものではない。尚、例示フィルムの表記として、フジタック:富士フィルム社製 紫外線吸収剤含有するTAC系フィルム (80μm)、ZF−14:日本ゼオン社製 紫外線吸収剤を含有しないポリノルボルネン系フィルム(100μm)、HBD−002:三菱レイヨン社製 紫外線吸収剤を含有しないポリアクリル系フィルム(50μm)、R−140:カネカ社製 紫外線吸収剤を含有しないポリカーボネート系フィルム(43μm)、エンプレットS:ユニチカ社製 紫外線吸収剤を含有するポリエステル系フィルム(50μm)、TUX−HZ:東セロ社製 紫外線吸収剤を含有するポリエチレン系フィルム(50μm)を示す。
【0269】
本発明の樹脂組成物を接着剤として用いた場合は、表3に示すように、実施例10〜42では、特に問題ない。また、実施例1〜9では、密着性、耐熱性、耐湿熱性等のレベルが低いが、使用することが可能である。これに対して比較例1〜9では、特に接着力が低く、打ち抜き加工性や収縮率に難があり、密着性、耐熱性、耐湿熱性等が劣ることがわかる。
また、本発明の樹脂組成物をコート剤として用いた場合は、実施例1〜42と同様の傾向であり、表4に示す様に実施例110〜150では、密着性、及び耐熱性とも優れ、特に問題無い。また、実施例101〜109は、密着性、および耐熱性のレベルが低いが、使用することが可能である。これに対して比較例11〜19では、特に密着性、あるいは耐熱性に劣ることがわかる。