(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る情報収集システム、情報収集方法、及び情報収集プログラムの実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0012】
〔実施の形態の基本的概念〕
まずは、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、地図情報の変更があった場合に、影響道路に対応する統計交通情報を修正する情報収集システム、情報収集方法、及び情報収集プログラムに関するものである。
【0013】
ここで、「影響道路」とは、地図情報の変更により影響を受ける可能性がある道路であり、例えば、影響を受ける可能性が高い道路と直接接続されている道路、影響を受ける可能性が高い道路と道なりの道路等を含む概念である。このうち、「影響を受ける」とは、道路の交通状況が変わることを意味し、例えば交通量が所定基準値以上変動すること、時間帯毎の渋滞の程度が変動すること等を含む概念である。
【0014】
また、「統計交通情報」とは、公知の統計学的な手法を用いて、車両から収集された収集情報(例えば、車両の現在位置、車速等を含むプローブ情報)に基づいて生成された交通情報である。この統計交通情報は、例えばリンク通過時間を特定するリンク通過時間情報、渋滞度情報、通行規制回数情報等を含む概念である。このうち、「リンク通過時間情報」とは、車両がリンクを通過する時間(走行時間)を特定する情報である。また、「渋滞度情報」とは、リンクにおける渋滞の程度を示す指標である渋滞度を特定する情報であり、例えばリンクを走行する車両の平均車速が10km/h以下(渋滞)の場合に「3」、平均車速が10km/h以上20km/h未満(混雑)の場合に「2」、平均車速が20km/以上(順調)の場合に「1」として表される。また、「通行規制回数情報」とは、リンクにおいて、災害(例えば人的災害や自然災害)や悪天候(例えば、雨、雪、霧等)による一時的な道路の通行規制が行われた回数を特定する情報である。これらリンク通過時間情報及び渋滞度情報は、例えば、所定期間(例えば1年間等)にわたって車両から収集されたデータの平均値として設定されている。また、通行規制回数情報は、所定期間(例えば1年間等)にわたって車両から収集されたデータの合計値として設定されている。
【0015】
(実施の形態の具体的内容)
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0016】
〔実施の形態1〕
まず、実施の形態1に係る情報収集システムについて説明する。この実施の形態1は、影響度に応じた方法で、統計交通情報を修正する形態である。
【0017】
(構成)
最初に、実施の形態1に係る情報収集システムの構成を説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る情報収集システムを例示するブロック図である。
図1に示すように、情報収集システム1は、車両から収集された収集情報に基づいて統計交通情報を生成するシステムである。この情報収集システム1は、車両(図示省略)に搭載された端末装置10(例えば車載ナビゲーション装置等)と、基地局(図示省略)等に設けられた管理サーバ20とを備えており、これら端末装置10と管理サーバ20とはネットワーク2を介して相互に通信可能に接続されている。ここで、
図1には、端末装置10を1台のみ示しているが、実際には情報収集システム1は、複数の車両の各々に搭載された端末装置10と、これら複数の端末装置10に対して通信可能な共通の管理サーバ20とを備えて構成されている。ただし、これら複数の車両の各々の端末装置10は、相互に同様に構成することができるため、以下では、1台の車両(以下、「自車両」と称する)に搭載された端末装置10について説明するものとし、他の車両(以下、「他車両」と称する)に搭載された端末装置10についてはその説明を省略する。なお、自車両と他車両を区別する必要がない場合には、これらを単に「車両」と総称する。なお、「車両」とは、四輪自動車、二輪自動車、及び自転車等を含む概念である。
【0018】
(構成−端末装置)
次に、端末装置10の構成について説明する。端末装置10は、収集情報を出力する収集情報出力手段である。
図1に示すように、この端末装置10は、現在位置取得部11、車速センサ12、通信部13、ディスプレイ14、スピーカ15、制御部16、及びデータ記録部17を備えている。なお、この端末装置10は、例えば自車両に搭載された公知の車載ナビゲーション装置等によって構成することができるので、その詳細な説明は省略する。
【0019】
(構成−端末装置−現在位置取得部)
現在位置取得部11は、自車両の現在位置を取得する現在位置取得手段である。この現在位置取得部11は、GPS、地磁気センサ、距離センサ、又はジャイロセンサ(いずれも図示省略)の少なくとも1つを有し、現在の自車両の位置(座標)及び方位等を公知の方法にて検出する。
【0020】
(構成−端末装置−車速センサ)
車速センサ12は、自車両の車速を検出する車速検出手段であり、例えば車軸の回転数に比例する車速パルス信号等を制御部16に出力する。この車速センサ12は、例えば公知の車速センサを用いて構成されている。
【0021】
(構成−端末装置−通信部)
通信部13は、管理サーバ20との間でネットワーク2を介して通信するための通信手段である。具体的には、通信部13は、管理サーバ20から出力された各種の情報をネットワーク2を介して受信し、各種の情報をネットワーク2を介して管理サーバ20に送信する。この通信部13としては、例えば、FM多重VICS(登録商標)用の通信手段、光VICS(登録商標)用の通信手段、DCM(Data Communication Module)用の通信手段、あるいは移動体無線通信網を用いて通信を行う公知の通信手段として構成することができる。
【0022】
(構成−端末装置−ディスプレイ)
ディスプレイ14は、制御部16の制御に基づいて各種の画像を表示する表示手段である。このディスプレイ14としては、例えば、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイを用いることができる。
【0023】
(構成−端末装置−スピーカ)
スピーカ15は、制御部16の制御に基づいて各種の音声を出力する出力手段である。スピーカ15より出力される音声の具体的な態様は任意であり、必要に応じて生成された合成音声や、予め録音された音声を出力することができる。
【0024】
(構成−端末装置−制御部)
制御部16は、端末装置10を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、実施の形態1に係る情報収集プログラムは、任意の記録媒体又はネットワーク2を介して端末装置10にインストールされることで、制御部16の各部を実質的に構成する(後述する管理サーバ20の制御部22についても同様とする)。
【0025】
(構成−端末装置−データ記録部)
データ記録部17は、端末装置10の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段である。このデータ記録部17は、例えば、外部記録装置としてのハードディスク(図示省略)を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる(後述する管理サーバ20のデータ記録部23についても同様とする)。
【0026】
(構成−管理サーバ)
次に、管理サーバ20の構成について説明する。この管理サーバ20は、端末装置10から収集された収集情報に基づいて統計交通情報を生成する装置である。
図1に示すように、管理サーバ20は、通信部21、制御部22、及びデータ記録部23を備えている。なお、この管理サーバ20は、例えば基地局に設置された公知のサーバ等によって構成することができるので、その詳細な説明は省略する。
【0027】
(構成−管理サーバ−通信部)
通信部21は、端末装置10との間でネットワーク2を介して通信を行う通信手段であり、例えば、FM多重VICS(登録商標)、光VICS(登録商標)、DCM(Data Communication Module)、あるいは移動体無線通信網を用いて通信を行う公知の通信部として構成することができる。
【0028】
(構成−管理サーバ−制御部)
制御部22は、管理サーバ20を制御する制御手段であり、具体的には、
図1に示すように、機能概念的に、地図変更情報取得部22a、影響道路特定部22b、影響度特定部22c、及び修正部22dを備えている。
【0029】
地図変更情報取得部22aは、地図変更情報を取得する地図変更情報取得手段である。ここで、「地図変更情報」とは、後述する地図情報の変更内容を特定する情報であり、例えば、地図の変更対象を特定する「地図変更対象情報」(例えば、○○○道路、△△△ショッピングモール等、新設や削除等された対象の名称)と、地図の変更対象の位置を特定する「地図変更対象位置情報」(例えば、新設や削除等された対象の座標)と、地図の変更種別を特定する「地図変更種別情報」(例えば、道路の新設又は削除、商業施設の新設又は削除、車線数の増減、信号機の新設又は削除等)とを含んで構成されている。影響道路特定部22bは、影響道路を特定する影響道路特定手段である。影響度特定部22cは、影響度を特定する影響度特定手段である。ここで、「影響度」とは、影響道路が地図情報の変更により影響を受ける度合いを意味する。例えば、影響度が「高」と「低」の2つのランクに設定された場合には、影響度=「高」は影響度=「低」よりも地図情報の変更により影響を受けるものとして表され、具体的には、地図情報の変更後の交通量が地図情報の変更前の交通量に比べて20%以上変動する可能性がある場合に影響度=「高」、地図情報の変更後の交通量が地図情報の変更前の交通量に比べて10%以上20%未満変動する可能性がある場合に影響度=「低」として表される。修正部22dは、後述する統計交通情報DB23bに格納されている統計交通情報のうち、影響道路に対応するリンクに対応する統計交通情報を修正する修正手段である。ここで、「修正」とは、影響道路に対応するリンクに対応する統計交通情報の全部若しくは一部を改め直したり、又は当該統計交通情報の全部若しくは一部を追加若しくは削除することを意味する。この「修正」は、例えば、影響道路に対応するリンクに対応する統計交通情報の全部又は一部を削除すること、当該統計交通情報の全部又は一部を代替値(例えば過去数年間における当該統計交通情報の平均値等)に置換すること、当該統計交通情報の全部又は一部と、今後生成される当該統計交通情報とを重み付けを用いて再計算すること等を含む概念であるが、実施の形態1では、当該統計交通情報の全部又は一部を削除することとして説明する。なお、制御部22の各構成要素によって実行される処理の詳細については後述する。
【0030】
(構成−管理サーバ−データ記録部)
データ記録部23は、管理サーバ20の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、具体的には、
図1に示すように、地図情報データベース(以下、データベースを「DB」と称する)23a、統計交通情報DB23b、及び修正内容テーブル23cを備えている。
【0031】
(構成−管理サーバ−データ記録部−地図情報DB)
地図情報DB23aは、地図情報を格納する地図情報格納手段である。ここで、「地図情報」とは、道路、道路構造物、施設等を含む各種の位置の特定に必要な情報であり、例えば、道路上に設定された各ノードに関するノードデータ(ノード番号、座標)や、リンクデータ(リンク番号、リンク名、接続始点ノード番号、接続終点ノード番号、道路座標、道路格、リンク種別、車線数、走行規制等)、地物データ(座標、地物種別等)、地形データ等を含んで構成されている。ここで、本実施の形態において、特段の他の説明がない限り、「リンク」は「道路」に対応しているものとし、各道路に対して1つのリンクが設定されているものとする。また、「道路格」は、道路の等級を意味し、例えば、高速道、国道、県道、市道、町道(なお、これらの道路格は記載順に高いことを示す)等を含む概念である。また、「リンク種別」とは、所定条件に基づいて設定されたリンクの種別を意味し、この種別としては、少なくとも「道なりのリンク」が設定されている。ここで、「道なりのリンク」とは、特定のリンクに対して、当該特定のリンクの接続終点ノードを接続始点ノードとする他のリンクであって、当該特定のリンクに対応する道路の道筋上に設定された他のリンクである。このような「道なりのリンク」の設定については、具体的には、地図情報DB23aに予め設定されて登録されていたり、あるいは、制御部22によって所定解析ソフトの公知の解析ロジックに基づいて設定される。また、「地物種別」とは、道路上に設けられたり、又は道路に隣接して設けられた地物の種別を意味し、例えば、信号機、道路標識、ガードレール、施設等を含む概念である。なお、以下では、「接続始点ノード番号」と「接続終点ノード番号」とを相互に区別する必要がない場合には、これらを単に「接続ノード番号」と総称する。
【0032】
(構成−管理サーバ−データ記録部−統計交通情報DB)
統計交通情報DB23bは、統計交通情報を格納する統計交通情報格納手段である。ここで、この統計交通情報の生成については、例えば、制御部22によって、通信部21を介して端末装置10から収集情報(具体的には現在位置取得部11にて取得された車両の現在位置、車速センサ12にて検出された車速等)が収集され、当該収集された収集情報に基づいて統計交通情報が生成される。
【0033】
図2は、統計交通情報DB23bの構成例を示す図である。
図2に示すように、統計交通情報DB23bは、項目「リンク番号」、項目「リンク座標」、項目「リンク通過時間」と、項目「渋滞度」と、項目「通行規制回数」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。このうち、項目「リンク番号」に対応して格納される情報は、リンクのリンク番号を特定する情報である。また、項目「リンク座標」に対応して格納される情報は、リンクのリンク座標を特定する情報であり、例えば、リンクの始点座標を特定する情報(具体的には、緯度及び経度を特定する情報)と、リンクの終点座標を特定する情報(具体的には、緯度及び経度を特定する情報)とを含んで構成されている。また、項目「リンク通過時間」に対応して格納される情報は、リンク通過時間情報である。また、項目「渋滞度」に対応して格納される情報は、渋滞度情報である。また、項目「通行規制回数」に対応して格納される情報は、通行規制回数情報である。
【0034】
(構成−管理サーバ−データ記録部−修正内容テーブル)
修正内容テーブル23cは、修正内容情報を格納する修正内容情報格納手段である。ここで、「修正内容情報」とは、統計交通情報の修正内容を特定する情報であり、例えば、統計交通情報のうちのリンク通過時間情報、渋滞度情報、及び通行規制回数情報を削除したり、又は統計交通情報のうちのリンク通過時間情報のみを削除すること等を含む概念である。
【0035】
図3は、修正内容テーブル23cの構成例を示す図である。
図3に示すように、修正内容テーブル23cは、項目「影響度」、項目「修正内容」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。このうち、項目「影響度」に対応して格納される情報は、影響度を特定する情報である。また、項目「修正内容」に対応して格納される情報は、修正内容情報である。
【0036】
(処理)
次に、このように構成された情報収集システム1によって実行される情報収集処理について説明する。
図4は、実施の形態1に係る情報収集処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。
図5は、第1影響度特定処理のフローチャートである。
図6は、
図5に続く第1影響度特定処理のフローチャートである。
図7は、第2影響度特定処理のフローチャートである。
図8は、
図7に続く第2影響度特定処理のフローチャートである。
図9は、修正処理のフローチャートである。
図10から
図14は、情報収集処理の処理対象とする各リンクが設定されている地図を含む図である。ここで、
図10から
図14に示されている各ブロックは、情報収集処理の処理対象とする各リンクに対応する道路を示している。また、この情報収集処理は、地図情報の変更があった場合に、影響道路に対応するリンクに対応する統計交通情報を修正する処理であり、例えば、端末装置10及び管理サーバ20に電源が投入された後に起動される。
【0037】
情報収集処理が起動されると、
図4に示すように、まず、地図変更情報取得部22aは、外部の情報機関(例えば、地図情報会社、役所等)から通信部21を介して地図変更情報を取得するまで待機する(SA1、No)。すなわち、地図変更情報取得部22aは、外部の情報機関から送信された地図変更情報を受信するまで待機する。あるいは、これに限られず、例えば、地図変更情報取得部22aが、通信部21を介して外部の情報機関のデータ記録部に記録されている地図変更情報を所定のタイミングで自ら取得してもよい。
【0038】
そして、地図変更情報が取得された場合(SA1、Yes)、影響道路特定部22bは、地図情報DB23aに格納された地図情報(特にリンクデータ)と、SA1にて取得された地図変更情報(特に、地図変更対象位置情報)とに基づいて、地図変更関連道路CRを特定する(SA2)。ここで、「地図変更関連道路CR」とは、地図変更情報に関連する道路である。この「地図変更関連道路CR」は、例えば、道路が新設又は削除された場合には当該新設又は削除された道路、商業施設が新設又は削除された場合には当該商業施設の入口(又は出口)と隣接している道路、車線の数が増減された場合には当該車線に対応する道路、信号機が新設又は削除された場合には当該信号機に隣接する道路等を含む概念であるが、実施の形態1では、道路が新設された場合における当該新設された道路として説明する。具体的には、影響道路特定部22bは、地図変更対象位置情報及びリンクデータの道路座標を参照しながら、地図の変更対象(すなわち、新設された道路)の位置と重複する位置に存在するリンクを抽出し、当該抽出したリンクに対応する道路を地図変更関連道路CRとして特定する。
【0039】
例えば、
図10に示すように、新設された道路に関する地図変更情報が取得された場合には、当該新設された道路に設定されたリンクが抽出され、当該抽出されたリンクに対応する道路R00が地図変更関連道路CRとして特定される。
【0040】
図4に戻り、制御部22は、統計交通情報DB23bに格納された統計交通情報のうち、SA2にて特定された地図変更関連道路CRに影響を受ける可能性がある影響道路に対応するリンクに対応する統計交通情報を修正するために、第1影響度特定処理(SA3)、第2影響度特定処理(SA4)、修正処理(SA5)を順次起動する。そして、SA5の処理の後、制御部22は、情報収集処理を終了する。
【0041】
(処理−情報収集処理−第1影響度特定処理)
まず、第1影響度特定処理(SA3)について説明する。第1影響度特定処理は、影響度=「高」となる影響道路を特定する処理である。
【0042】
図5、
図6に示すように、まず、影響道路特定部22bは、地図情報DB23aに格納された地図情報(特にリンクデータ)と、SA2にて特定された地図変更関連道路CRとに基づいて、第1影響道路IR1を特定する(SB1)。ここで、「第1影響道路IR1」とは、影響道路のうち、地図変更関連道路CRと直接接続された道路である。具体的には、影響道路特定部22bは、リンクデータの接続始点ノード番号及び接続終点ノード番号を参照しながら、SA2にて特定された地図変更関連道路CRに対応するリンクの接続始点ノード番号又は接続終点ノード番号と同一の番号を、自己の接続始点ノード番号又は接続終点ノード番号とするリンクを抽出し、当該抽出したリンクに対応する道路を第1影響道路IR1として特定する。
【0043】
例えば、
図10に示すように、地図変更関連道路CR=道路R00であった場合に、道路R00に対応するリンクの接続始点ノード番号又は接続終点ノード番号を含むリンクが抽出される。そして、この抽出されたリンクに対応する道路R11から道路R13が第1影響道路IR1として特定される。
【0044】
図5、
図6に戻り、制御部22は、SB2からSB10の間のループにおいて、SB1にて特定された第1影響道路IR1をそれぞれ対象として、SB3からSB9の処理を順次行う。以下、処理対象となる第1影響道路IR1を「対象第1影響道路IR1」と称する。
【0045】
このループにおいては、最初に、影響道路特定部22bは、対象第1影響道路IR1を影響度=「高」として特定する(SB3)。このSB3にて特定された影響度は、例えば、対象第1影響道路IR1に対応する道路と相互に関連付けてデータ記録部23に格納される(なお、後述するSC3にて特定された影響度についても同様とする)。そして、影響道路特定部22bは、当該処理の直前に影響度が特定された道路(すなわち、SB3にて影響度が特定された対象第1影響道路IR1)を基準道路に設定する(SB4)。ここで、「基準道路」とは、後述するSB5からSB9の処理において基準となる道路を意味する(SA4の第2影響度特定処理における基準道路についても同様とする)。
【0046】
例えば、
図11に示すように、地図変更関連道路CR=道路R00、対象第1影響道路IR1=道路R11であった場合において、SB4の処理の直前に、SB3において道路R11が影響度=「高」として特定された場合には、基準道路=道路R11が設定される。
【0047】
図5、
図6に戻り、影響道路特定部22bは、地図情報DB23aに格納された地図情報(特にリンクデータ及びリンク種別)に基づいて、SB4にて設定された基準道路に対応するリンクにおける地図変更関連道路CR側の接続ノードとは反対側の接続ノードと接続されているリンクのうち、当該基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が存在するか否かを判定する(SB5)。具体的には、影響道路特定部22bは、リンクデータの接続始点ノード番号及び接続終点ノード番号を参照しながら、基準道路に対応するリンクにおける地図変更関連道路CR側の接続ノードとは反対側の接続ノードの接続ノード番号を、自己の接続始点ノード番号又は接続終点ノード番号とするリンクを抽出する。そして、リンクデータのリンク種別を参照しながら、当該抽出したリンクの中に、当該基準道路に対応するリンクと道なりのリンク(つまり、リンク種別=道なりのリンク)が含まれているか否かを判定し、道なりのリンクが含まれている場合に、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が存在すると判定し、道なりのリンクが含まれていない場合に、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が存在しないと判定する。
【0048】
例えば、
図11に示すように、地図変更関連道路CR=道路R00、基準道路=道路R11であった場合には、道路R11に対応するリンクにおける道路R00側の接続ノードとは反対側の接続ノード(つまり道路R11の右側の接続ノード)の接続ノード番号を自己の接続ノード番号とするリンク(具体的には、当該リンクに対応する道路R21、道路R35、道路R36)が抽出される。そして、当該抽出されたリンクの中に、道路R11と道なりのリンク(具体的には、当該リンクに対応する道路R21)が含まれていた場合に、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が存在すると判定される。
【0049】
このような処理を行うことで、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が存在するか否かを考慮して、後述する第2影響道路の影響度を特定することができ、統計交通情報の修正精度を向上させることが可能となる。
【0050】
図5、
図6に戻り、SB5において、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が存在しないと判定された場合(SB5、No)、制御部22は、他の第1影響道路IR1を対象第1影響道路IR1として、SB3からSB9の処理を再び繰り返す。
【0051】
一方、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が存在すると判定された場合(SB5、Yes)、影響道路特定部22bは、地図情報DB23aに格納された地図情報(特にリンクデータ)に基づいて、SB5にて存在すると認定された基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路がSA2にて特定された地図変更関連道路CRの道路格以上の道路と交差しているか否かを判定する(SB6)。ここで、「交差する」とは、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が、当該道路に対応するリンクと道なりのリンク以外のリンクに対応する道路と交わることを意味する。この「交差する」とは、例えば、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクの接続ノードのうち特定のノードのみ(例えば、地図変更関連道路CR側の接続ノード等)が当該基準道路に対応するリンクと道なりのリンク以外のリンクに対応する道路と交わること、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクの接続ノードのいずれか1つが当該基準道路に対応するリンクと道なりのリンク以外のリンクに対応する道路と交わること等を含む概念であるが、実施の形態1では前者について説明する。
【0052】
具体的には、影響道路特定部22bは、リンクデータの接続始点ノード番号及び接続終点ノード番号を参照しながら、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクにおける地図変更関連道路CR側の接続ノードの接続ノード番号を含むリンクを抽出し、リンクデータのリンク種別を参照しながら、当該抽出したリンクの中に基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに、道なりであるリンク以外のリンク(つまり、リンク種別=道なりのリンクではないリンク)が含まれているか否かを判定する。ここで、この基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに道なりであるリンク以外のリンクが含まれていると判定された場合には、リンクデータの道路格を参照しながら、当該基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに道なりであるリンク以外のリンクの道路格、及び地図変更関連道路CRに対応するリンクの道路格を特定する。そして、この基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに道なりであるリンク以外のリンクの道路格が地図変更関連道路CRに対応するリンクの道路格以上であるか否かを判定し、地図変更関連道路CRに対応するリンクの道路格以上であると判定された場合に、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が地図変更関連道路CRの道路格以上の道路と交差していると判定し、地図変更関連道路CRに対応するリンクの道路格以上でないと判定された場合に、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が地図変更関連道路CRの道路格以上の道路と交差していないと判定する。また、この基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに道なりであるリンク以外のリンクが含まれていないと判定された場合には、影響道路特定部22bは、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が地図変更関連道路CRの道路格以上の道路と交差していないと判定する。
【0053】
例えば、
図11に示すように、地図変更関連道路CR=道路R00、地図変更関連道路CRに対応するリンクの道路格=県道、基準道路=道路R11、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路=道路R21であった場合において、道路R21に対応するリンクにおける道路R00側の接続ノードの接続ノード番号を含むリンクの中から、道路R11に対応するリンクと道なりのリンク以外のリンク(具体的には、当該リンクに対応する道路R35、道路R36)が抽出される。そして、この抽出されたリンクの道路格が市道であった場合には、当該抽出されたリンクの道路格が道路R00に対応するリンクの道路格以上ではないことから、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が地図変更関連道路CRの道路格以上の道路と交差していないと判定される。
【0054】
このような処理を行うことで、地図変更関連道路CRの道路格と基準道路に対応するリンクと道なりのリンク以外のリンクに対応する道路の道路格の相違を考慮して、後述する第2影響道路の影響度を特定することができ、統計交通情報の修正精度を向上させることが可能となる。
【0055】
図5、
図6に戻り、SB6において、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が地図変更関連道路CRの道路格以上の道路と交差していると判定された場合(SB6、Yes)、制御部22は、他の第1影響道路IR1を対象第1影響道路IR1として、SB3からSB9の処理を再び繰り返す。
【0056】
一方、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が地図変更関連道路CRの道路格以上の道路と交差していないと判定された場合(SB6、No)、影響道路特定部22bは、地図情報DB23aに格納された地図情報(特にリンクデータ)に基づいて、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が地図変更関連道路CRから所定距離(例えば3km等)以上離れているか否かを判定する(SB7)。具体的には、影響道路特定部22bは、リンクデータの道路座標を参照しながら、地図変更関連道路CRに対応するリンクの始点と終点との中間点の座標を特定すると共に、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクにおける地図変更関連道路CR側の端点とは反対側の端点の座標を特定し、当該特定した地図変更関連道路CRに対応するリンクの中間点から所定距離以内の領域に、当該特定した基準道路に対応するリンクと道なりのリンクにおける当該反対側の端点が入っているか否かを判定する。そして、上記基準道路に対応するリンクと道なりのリンクの端点が入っている場合に、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が地図変更関連道路CRから所定距離以上離れていると判定し、上記基準道路に対応するリンクと道なりのリンクの端点が入っていない場合に、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が地図変更関連道路CRから所定距離以上離れていないと判定する。
【0057】
このような処理を行うことで、地図変更関連道路CRから基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路までの距離を考慮して、後述する第2影響道路の影響度を特定することができ、統計交通情報の修正精度を向上させることが可能となる。
【0058】
ここで、SB7において、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が地図変更関連道路CRから所定距離以上離れていると判定された場合(SB7、Yes)、制御部22は、他の第1影響道路IR1を対象第1影響道路IR1として、SB3からSB9の処理を再び繰り返す。
【0059】
一方、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が地図変更関連道路CRから所定距離以上離れていない判定された場合(SB7、No)、影響道路特定部22bは、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路を第2影響道路IR2として特定する(SB8)。そして、影響道路特定部22bは、当該処理の直前に特定された第2影響道路IR2を影響度=「高」として特定する(SB9)。このSB9にて特定された影響度は、例えば、SB9の直前に特定された第2影響道路IR2に対応する道路と相互に関連付けてデータ記録部23に格納される(なお、後述するSC10にて特定された影響度についても同様とする)。
【0060】
例えば、
図12に示すように、地図変更関連道路CR=道路R00、基準道路=道路R11、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路=道路R21であった場合において、道路R00に対応するリンクの中間点と道路R21に対応するリンクにおける道路R00側の端点とは反対側の端点との相互間の距離=1kmであった場合には、当該道路R21に対応するリンクの端点が道路R00に対応するリンクの中間点から3km以内の領域に入っているので、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が地図変更関連道路CRから所定距離以上離れていないと判定される。そして、この道路R21は、第2影響道路IR2として特定されると共に、影響度=「高」として特定される。
【0061】
図5、
図6に戻り、影響道路特定部22bは、SB4に移行し、当該処理の直前に影響度が特定された道路を基準道路に再設定する(SB4)。例えば、
図12に示すように、地図変更関連道路CR=道路R00、対象第1影響道路IR1=道路R11であった場合において、SB4の処理の直前に、SB9において道路R21の影響度が特定された場合には、基準道路=道路R21が再設定される。
【0062】
図5、
図6に戻り、これ以降、影響道路特定部22bは、SB5において再設定された基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が存在しないと判断され(SB5、No)、SB6において再設定された基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が地図変更関連道路CRの道路格以上の道路と交差すると判断され(SB6、Yes)、又は、SB7において再設定された基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が地図変更関連道路CRから所定距離以上離れていると判断される迄(SB7、Yes)、SB4からSB9の処理を順次繰り返す。
【0063】
例えば、
図12に示すように、地図変更関連道路CR=道路R00、基準道路=道路R11であった場合には、道路R11と道なりである道路R21から道路R25が基準道路として順次再設定されながら、SB4からSB9の処理が繰り返される。そして、基準道路=道路R25が再設定された場合において、道路R25に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路R26が道路R00から所定距離以上離れていた場合(例えば、道路R26に対応するリンクにおける道路R00側の端点とは反対側の端点と道路R00に対応するリンクの中間点との相互間の距離=4kmであった場合等)、第2影響道路IR2であることの要件を満たさないので、他の第1影響道路IR1を対象第1影響道路IR1として、SB3からSB9の処理が再び繰り返される。
【0064】
図5、
図6に戻り、以上のように、SB2とSB10のループにおいて、SB1にて特定された第1影響道路IR1の全てを対象として、SB3からSB9の処理を順次行った後、制御部22は第1影響度特定処理を終了する。例えば、
図12に示すように、第1影響道路IR1として特定された道路R11から道路R13が順に処理対象として処理された後、第1影響度特定処理が終了する。
【0065】
(処理−情報収集処理−第2影響度特定処理)
次に、第2影響度特定処理(SA4)について説明する。第2影響度特定処理は、影響度=「低」となる影響道路を特定する処理である。なお、
図7のSC5からSC7は、
図5のSB5からSB7とそれぞれ同様であるので、説明の少なくとも一部を省略する。
【0066】
図7、
図8に示すように、まず、影響道路特定部22bは、地図情報DB23aに格納された地図情報(特にリンクデータ)と、SA3にて特定された第1影響道路IR1及び第2影響道路IR2に基づいて、第3影響道路IR3を特定する(SC1)。ここで、「第3影響道路IR3」とは、影響道路のうち、影響度=「高」として特定された道路(すなわち、第1影響道路IR1又は第2影響道路IR2)と直接接続された道路である(ただし、第1影響道路IR1、第2影響道路IR2、及び地図変更関連道路CRは除かれる)。具体的には、影響道路特定部22bは、リンクデータの接続始点ノード番号及び接続終点ノード番号を参照しながら、SA3にて特定された第1影響道路IR1又は第2影響道路IR2に対応するリンクの接続始点ノード番号又は接続終点ノード番号を含むリンクを抽出し、当該抽出したリンクに対応する道路を第3影響道路IR3として特定する。
【0067】
例えば、
図13に示すように、地図変更関連道路CR=道路R00、第1影響道路IR1=道路R12であった場合には、道路R12に対応するリンクの接続始点ノード番号又は接続終点ノード番号を含むリンクが抽出される。そして、この抽出されたリンクに対応する道路R31から道路R33が第3影響道路IR3として特定される。なお、これら特定された道路のうちの道路R33は、道路R12と道なりの道路であるため、第2影響道路として特定されるとも思える。しかしながら、この道路R33は、地図変更関連道路CRの道路格以上の道路と交差している場合には(例えば、道路R00及び道路R31の道路格=県道である場合に、道路R33が道路R31と交差している場合等)、第2影響道路IR2として特定されないことから、上述のように第3影響道路IR3として特定される。
【0068】
図7、
図8に戻り、制御部22は、SC2からSC11の間のループにおいて、SC1にて特定された第3影響道路IR3をそれぞれ対象として、SC3からSC10の処理を順次行う。以下、処理対象となる第3影響道路IR3を「対象第3影響道路IR3」と称する。
【0069】
このループにおいては、最初に、影響道路特定部22bは、対象第3影響道路IR3を影響度=「低」として特定する(SC3)。そして、影響道路特定部22bは、当該処理の直前に影響度が特定された道路(すなわち、SC3にて影響度が特定された対象第3影響道路IR3)を基準道路に設定する(SC4)。例えば、
図13に示すように、地図変更関連道路CR=道路R00、対象第3影響道路IR3=道路R31であった場合において、SC4の処理の直前に、SC3において道路R31が影響度=「低」として特定された場合には、基準道路=道路R31が設定される。
【0070】
図7、
図8に戻り、影響道路特定部22bは、地図情報DB23aに格納された地図情報に基づいて、SC4にて設定された基準道路に対応するリンクにおける地図変更関連道路CR側の接続ノードとは反対側の接続ノードと接続されているリンクのうち、当該基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が存在するか否かを判定する(SC5)。例えば、
図13に示すように、地図変更関連道路CR=道路R00、基準道路=道路R31であった場合には、道路R31に対応するリンクにおける道路R00側の接続ノードとは反対側の接続ノード(つまり道路R31の下側の接続ノード)の接続ノード番号を含むリンク(具体的には、当該リンクに対応する道路R41)が抽出される。そして、当該抽出されたリンクの中に道路R31と道なりのリンク(具体的には、当該リンクに対応する道路R41)が含まれていた場合に、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が存在すると判定される。
【0071】
図7、
図8に戻り、SC5において、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が存在しないと判定された場合(SC5、No)、制御部22は、他の第3影響道路IR3を対象第3影響道路IR3として、SC3からSC10の処理を再び繰り返す。
【0072】
一方、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が存在すると判定された場合(SC5、Yes)、影響道路特定部22bは、地図情報DB23aに格納された地図情報に基づいて、SC5にて存在すると認定された基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が地図変更関連道路CRの道路格以上の道路と交差しているか否かを判定する(SC6)。例えば、
図13に示すように、地図変更関連道路CR=道路R00、地図変更関連道路CRに対応するリンクの道路格=県道、基準道路=道路R31、基準道路と道なりのリンクに対応する道路=道路R41であった場合において、道路R41に対応するリンクにおける道路R00側の接続ノードの接続ノード番号を含むリンクの中に、道路R31に対応するリンクと道なりのリンク以外のリンクが含まれていない場合には、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が地図変更関連道路CRの道路格以上の道路と交差していないと判定される。
【0073】
図7、
図8に戻り、SC6において、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が地図変更関連道路CRの道路格以上の道路と交差していると判定された場合(SC6、Yes)、制御部22は、他の第3影響道路IR3を対象第3影響道路IR3として、SC3からSC10の処理を再び繰り返す。
【0074】
一方、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が地図変更関連道路CRの道路格以上の道路と交差していないと判定された場合(SC6、No)、影響道路特定部22bは、地図情報DB23aに格納された地図情報に基づいて、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が地図変更関連道路CRから所定距離(例えば3km等)以上離れているか否かを判定する(SC7)。例えば、
図13に示すように、地図変更関連道路CR=道路R00、基準道路=道路R31、基準道路と道なりのリンクに対応する道路=道路R41であった場合において、道路R00に対応するリンクの中間点と道路R41に対応するリンクにおける道路R00側の端点とは反対側の端点との相互間の距離=2kmであった場合には、当該道路R41に対応するリンクの端点が道路R00に対応するリンクの中間点から3km以内の領域に入っているので、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が地図変更関連道路CRから所定距離以上離れていないと判定される。
【0075】
図7、
図8に戻り、SC7において、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が地図変更関連道路CRから所定距離以上離れていると判定された場合(SC7、Yes)、制御部22は、他の第3影響道路IR3を対象第3影響道路IR3として、SC3からSC10の処理を再び繰り返す。
【0076】
一方、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が地図変更関連道路CRから所定距離以上離れていないと判定された場合(SC7、No)、影響道路特定部22bは、地図情報DB23aに格納された地図情報(特に、リンクデータ及び地物データ)に基づいて、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路に信号機が存在するか否かを判定する(SC8)。具体的には、影響道路特定部22bは、リンクデータの道路座標及び地物データの座標及び地物種別を参照しながら、信号機の座標の中に、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクの道路座標の一部が含まれているか否かを判定し、当該道路座標の一部が含まれている場合に基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路に信号機が存在すると判定し、当該道路座標の一部が含まれていない場合に基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路に信号機が存在しないと判定する。
【0077】
このような処理を行うことで、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路における信号機の有無を考慮して、後述する第4影響道路の影響度を特定することができ、統計交通情報の修正精度を向上させることが可能となる。
【0078】
ここで、SC8において、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路に信号機が存在すると判定された場合(SC8、Yes)、制御部22は、他の第3影響道路IR3を対象第3影響道路IR3として、SC3からSC10の処理を再び繰り返す。
【0079】
一方、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路に信号機が存在しないと判定された場合(SC8、No)、影響道路特定部22bは、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路を第4影響道路IR4として特定する(SC9)。そして、影響道路特定部22bは、当該処理の直前に特定された第4影響道路IR4を影響度=「低」として特定する(SC10)。例えば、
図14に示すように、基準道路=道路R31、基準道路と道なりのリンクに対応する道路=道路R41であった場合において、地物データにおける信号機の座標の中に、道路R41に対応するリンクの道路座標の一部が含まれていない場合に、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路に信号機が存在しないと判定される。そして、この道路R41は、第4影響道路IR4として特定されると共に、影響度=「低」として特定される。
【0080】
図7、
図8に戻り、影響道路特定部22bは、SC4に移行し、当該処理の直前に影響度が特定された道路を基準道路に再設定する(SC4)。例えば、
図14に示すように、地図変更関連道路CR=道路R00、対象第3影響道路IR3=道路R31であった場合において、SC4の処理の直前に、SC10において道路R41の影響度が特定された場合には、基準道路=道路R41が再設定される。
【0081】
これ以降、影響道路特定部22bは、SC5において再設定された基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が存在しないと判断され(SC5、No)、SC6において再設定された基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が地図変更関連道路CRの道路格以上の道路と交差すると判断され(SC6、Yes)、SC7において再設定された基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が地図変更関連道路CRから所定距離以上離れていると判断され、又は、SC8において再設定された基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路に信号機が存在すると判断される迄(SC8、Yes)、SC4からSC10の処理を順次繰り返す。
【0082】
例えば、
図14に示すように、地図変更関連道路CR=道路R00、基準道路=道路R31であった場合において、道路R31の道なりのリンクに対応する道路R41が基準道路として再設定された場合に、道路R41に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路R51が地図変更関連道路CRの道路格以上の道路と交差する場合には(例えば、道路R51が地図変更関連道路CRの道路格以上の道路である道路R52と交わる場合には)、道路R51が第4影響道路IR4であることの要件を満たさないので、他の第3影響道路IR3を対象第3影響道路IR3として、SC3からSC10の処理が再び繰り返される。
【0083】
以上のように、SC2とSC11のループにおいて、SC1にて特定された第3影響道路IR3の全てを対象として、SC3からSC10の処理を順次行った後、制御部22は第2影響度特定処理を終了する。例えば、
図14に示すように、第3影響道路IR1として特定された道路R31から道路R33、道路R35、道路R36が順に処理対象として処理された後、第2影響度特定処理が終了する。
【0084】
(処理−情報収集処理−修正処理)
次に、修正処理(SA5)について説明する。修正処理は、統計交通情報DB23bのうち、影響道路に対応するリンクに対応する統計交通情報を修正する処理である。
【0085】
図9に示すように、まず、制御部22は、SD1からSD6の間のループにおいて、SA3及びSA4の処理において特定された影響道路(すなわち、第1影響道路IR1から第4影響道路IR4)をそれぞれ対象として、SD2からSD5の処理を順次行う。以下、処理対象となっている影響道路を「対象影響道路」と称する。
【0086】
このループにおいては、最初に、修正部22dは、SA3、SA4にてデータ記録部23に相互に関連付けて格納された影響度及び影響道路に対応するリンクを参照しながら、対象影響道路の影響度が「高」であるか否かを判定する(SD2)。
【0087】
ここで、SD2において、対象影響道路の影響度が「高」であると判定された場合(SD2、Yes)、修正部22dは、影響度=「高」に対応する修正内容情報を修正内容テーブル23cから取得し(SD3)、当該取得した修正内容情報に基づいて、統計交通情報DB23bのうち、対象影響道路に対応するリンクに対応する統計交通情報を修正する(SD4)。例えば、基準道路=道路R11、基準道路の影響度=「高」であった場合には、修正内容情報=「リンク通過時間情報、渋滞度情報、及び通行規制回数情報削除」が取得されるので、統計交通情報DB23bのうち、道路R11に対応するリンクに対応する統計交通情報に含まれるリンク通過時間情報、渋滞度情報、及び通行規制回数情報が削除される。その後、制御部22は、他の影響道路を対象影響道路として、SD3からSD5の処理を再び繰り返す。
【0088】
一方、対象影響道路の影響度が「高」でないと判定された場合(SD2、No)、修正部22dは、影響度=「低」に対応する修正内容情報を修正内容テーブル23cから取得し(SD5)、当該取得した修正内容情報に基づいて、統計交通情報DB23bのうち、対象影響道路に対応するリンクに対応する統計交通情報を修正する(SD4)。例えば、基準道路=道路R31、基準道路の影響度=「低」であった場合には、修正内容情報=「リンク通過時間情報削除」が取得されるので、統計交通情報DB23bのうち、道路R31に対応するリンクに対応する統計交通情報に含まれるリンク通過時間情報のみが削除される。その後、制御部22は、他の影響道路を対象影響道路として、SD3からSD5の処理を再び繰り返す。
【0089】
以上のように、SD1とSD6のループにおいて、SA3及びSA4の処理において特定された影響道路(具体的には、データ記録DBに格納された影響道路)の全てを対象として、SC2からSC5の処理を順次行った後、制御部22は修正処理を終了する。
【0090】
このようにして、統計交通情報DB23bには、常に最新の統計交通情報が格納されることになる。そして、このような統計交通情報は、必要に応じて端末装置10にネットワーク2を介して送信される。これにより、端末装置10は、管理サーバ20から受信した統計交通情報に基づいて、信頼性の高い経路を探索して案内することが可能となる。
【0091】
例えば、
図14に示すように、情報収集処理において、道路R11から道路R13、及び道路R21から道路R25が影響度=「高」と特定されたことにより、統計交通情報DB23bのうち上記道路に対応するリンクに対応する統計交通情報に含まれるリンク通過時間情報、渋滞度情報、及び通行規制回数情報が削除された場合において、端末装置10がこの統計交通情報を受信し、この統計交通情報に基づいて経路案内を行った場合には、例えば、この統計交通情報に対応するリンクが渋滞度が低く通行規制がない道路のリンクとして取り扱われることになり、当該リンクに対応する道路の走行コストが比較的小さいコストとして算定されるため、当該道路を含む経路が経路選択時に選択され易くなる。
【0092】
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2に係る情報収集システムについて説明する。この実施の形態2は、地図変更情報の種別に応じた方法で、統計交通情報を修正する形態である。ただし、この実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0093】
(構成)
まず、実施の形態2に係る情報収集システムの構成を説明する。実施の形態2に係る情報収集システム1は、実施の形態1に係る情報収集システム1とほぼ同様に構成される。ただし、管理サーバ20のデータ記録部23における修正内容テーブル23cの構成については、下記に示す工夫が施されている。
【0094】
(構成−修正内容テーブルの構成について)
図15は、実施の形態2に係る修正内容テーブル23cの構成例を示す図である。
図15に示すように、この修正内容テーブル23cは、項目「地図変更情報の種別」、項目「影響度」、項目「修正内容」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。このうち、項目「地図変更情報の種別」に対応して格納される情報は、地図変更種別情報である。また、項目「影響度」、及び項目「修正内容」に対応する情報は、
図3の修正内容テーブル23cの同一項目名に対応して格納される情報と同じであるので、説明を省略する。このような構成により、影響度及び地図変更情報の種別に応じた統計交通情報の修正を行うことが可能となる。
【0095】
(処理−情報収集処理)
次に、このように構成された情報収集システム1によって実行される情報収集処理について説明する。
図16は、実施の形態2に係る修正処理のフローチャートである。なお、情報収集処理のうち、SA5における修正処理以外の処理については、実施の形態1に係る情報収集処理と同様であるので、説明を省略する。また、
図16のSE2、SE5、SE7は、
図9のSD1、SD4、SD6とそれぞれ同様であるので、説明を省略する。
【0096】
図16に示すように、まず、影響道路特定部22bは、SA1にて取得された地図変更関連情報(特に、地図変更種別情報)に基づいて、SA2にて特定された地図変更関連情報の種別を特定する(SE1)。
【0097】
また、SE3において、対象影響道路の影響度が「高」であると判定された場合(SE3、Yes)、修正部22dは、SE1にて特定された地図変更関連情報の種別及び影響度=「高」に対応する修正内容情報を修正内容テーブル23cから取得する(SE4)。例えば、基準道路=道路R11、基準道路の影響度=「高」、地図変更関連情報の種別=道路の新設又は削除であった場合において、修正内容情報=リンク通過時間情報、渋滞度情報、及び通行規制回数情報削除が取得される。
【0098】
一方、対象影響道路の影響度が「高」でないと判定された場合(SE3、No)、修正部22dは、SE1にて特定された地図変更関連情報の種別及び影響度=「低」に対応する修正内容情報を修正内容テーブル23cから取得する(SE6)。例えば、基準道路=道路R31、基準道路の影響度=「低」、地図変更関連情報の種別=道路の新設又は削除であった場合において、修正内容情報=「リンク通過時間情報、及び渋滞度情報削除」が取得される。
【0099】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0100】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。従来のシステムよりも、交通情報に対して地図情報の変更による影響を早期に反映させることができない場合であっても、本願発明の手段が従来のシステムの手段と異なっている場合には、本願発明の課題が解決されている。
【0101】
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。例えば、端末装置10又は管理サーバ20を複数の装置に分散して構成したり、端末装置10又は管理サーバ20を相互に統合したり、端末装置10又は管理サーバ20の一方の機能の一部を他方に持たせたりしてもよい。また、各部を分散する場合において、これら各部の相互間の連携は、有線と無線のいずれか一方又は両方により行うことができる。
【0102】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0103】
(影響度について)
上記実施の形態1、2では、影響度は、「高」、「低」の2つのランクに設定されていると説明したが、これに限られない。例えば、影響度は、「高」、「中」、「低」等の3つ以上のランクに設定されてもよい。ここで、影響度が、「高」、「中」、「低」の3つのランクに設定された場合には、情報収集処理のうち、第1影響度特定処理と第2影響度特定処理との間に、影響度=「中」となる第3影響度特定処理が追加されることになる。この場合において、第3影響度特定処理では、第1影響度特定処理にて影響度=「高」と特定された道路を対象として、例えば、第2影響度特定処理とほぼ同様の処理内容で処理が実行され、影響度=「中」の道路が特定される。また、第2影響度特定処理では、第3影響度特定処理にて影響度=「中」と特定された道路を対象として、影響度=「低」の道路が特定される。あるいは、例えば、影響度は、「高」のみの1つのランクに設定されてもよい。この場合には、情報収集処理のうち第2影響度特定処理が省略される。
【0104】
(情報収集処理について)
上記実施の形態1、2では、SA2において、SA1にて新設された道路に関する地図変更情報が取得された場合には、影響道路特定部22bは、当該新設された道路の位置と重複する位置に存在するリンクを抽出し、当該抽出したリンクに対応する道路を地図変更関連道路CRとして特定すると説明したが、これに限られない。例えば、SA1にて商業施設に関する地図変更情報が取得された場合には、影響道路特定部22bは、当該商業施設の入口(又は出口)の位置と隣接する位置に存在するリンクを抽出し、当該抽出したリンクに対応する道路を地図変更関連道路CRとして特定してもよい。
【0105】
(第1影響度特定処理又は第2影響度特定処理について)
上記実施の形態1、2では、SB5からSB7の処理が行われると説明したが、SB5からSB7の一部の処理(具体的には、SB5、SB7、又は、SB5及びSB7等)を省略してもよい。また、上記実施の形態1、2では、SC5からSC8の処理が行われると説明したが、SC5からSC8の一部の処理(具体的には、SC5、SC7、SC8、SC5及びSC7、SC5及びSC8、又はSC5、SC7及びSC8等)を省略してもよい。
【0106】
また、上記実施の形態1、2では、SB7における所定距離と、SC7における所定距離とが同じ距離であると説明したが、例えば、これらの所定距離がそれぞれ異なる距離であってもよい(具体的には、前者の距離が後者の距離よりも短く設定される等)。
【0107】
また、上記実施の形態1、2では、SB7において、地図変更関連道路CRに対応するリンクの中間点から所定距離以内の領域に、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクにおける地図変更関連道路CR側の端点とは反対側の端点が入っているか否かを判定することで、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクに対応する道路が地図変更関連道路CRから所定距離以上離れているか否かを判定すると説明したが、これに限られない。例えば、地図変更関連道路CRに対応するリンクの中間点から所定距離以内の領域に、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクにおける地図変更関連道路CR側の端点が入っているか否かを判定してもよく、あるいは、地図変更関連道路CRに対応するリンクの中間点から所定距離以内の領域に、基準道路に対応するリンクと道なりのリンクの始点と終点との中間点が入っているか否かを判定してもよい(SC7についても同様とする)。
【0108】
(修正処理について)
上記実施の形態2では、修正部22dは、影響度及び地図変更情報の種別に応じた方法で、統計交通情報を修正すると説明したが、これに限られず、例えば、地図変更情報の種別のみに応じた方法で、統計交通情報を修正してもよい。
【0109】
〔実施の形態の特徴と効果の一部〕
最後に、これまでに説明した実施の形態の特徴と効果の一部を、以下に例示する。ただし、実施の形態の特徴と効果は、以下の内容に限定されず、以下の特徴の一部のみを具備することによって以下の効果の一部のみを奏する場合や、以下の特徴以外の他の特徴を具備することによって以下の効果以外の他の効果を奏する場合がある。
【0110】
実施の形態の1つの側面1に係る情報収集システムは、地図情報を格納する地図情報格納手段と、車両から収集された収集情報に基づいて生成された統計交通情報を格納する統計交通情報格納手段と、前記地図情報の変更の内容を特定する地図変更情報を取得する地図変更情報取得手段と、前記地図情報と、前記地図変更情報とに基づいて、前記地図情報の変更により影響を受ける可能性がある道路である影響道路を特定する影響道路特定手段と、前記地図情報と、前記影響道路とに基づいて、前記影響道路が前記地図情報の変更により影響を受ける
可能性の度合いを示す影響度を特定する影響度特定手段と、前記統計交通情報のうち、前記影響道路に対応する前記統計交通情報を、前記影響度に応じた方法で、前記地図情報の変更が行われた以降に前記統計交通情報格納手段に格納された前記統計交通情報を用いることなく、修正する修正手段と、を備え
、前記影響度特定手段は、前記影響道路が、前記地図変更情報に関連する道路である地図変更関連道路の道路格以上の道路と交差しているか否かを判定し、当該判定結果に基づいて当該影響道路の影響度を特定する。
【0111】
上記側面1に係る情報収集システムによれば、地図情報格納手段に格納された地図情報と、地図変更情報取得部に取得された地図変更情報とに基づいて、地図情報の変更により影響を受ける可能性がある道路である影響道路を特定し、統計交通情報格納手段に格納された統計交通情報のうち、影響道路に対応する統計交通情報を修正するので、従来のシステムのように、プローブ情報を収集してから統計交通情報を更新する場合に比べて、影響道路に対応する統計交通情報を迅速に修正できるため、地図情報の変更による影響を統計交通情報に対して早期に反映させることが可能になる。
また、影響度に応じた方法で、統計交通情報を修正するので、影響度に応じた統計交通情報の修正を行うことができ、当該修正の迅速性を向上させることが可能となる。
また、影響度特定手段は、影響道路が、地図変更関連道路の道路格以上の道路と交差しているか否かを判定し、当該判定結果に基づいて当該影響道路の影響度を特定するので、道路の道路格を考慮して影響度を特定することができ、統計交通情報の修正精度を向上させることが可能となる。
【0114】
実施の形態の他の側面
2に係る情報収集システムは、上記側面
1に係る情報収集システムにおいて、前記修正手段は、前記地図変更情報の種別に応じた方法で、前記統計交通情報を修正する。
【0115】
上記側面
2に係る情報収集システムによれば、修正手段は、地図変更情報の種別に応じた方法で、統計交通情報を修正するので、地図変更情報の種別に応じた統計交通情報の修正を行うことができ、当該修正の迅速性を一層向上させることが可能となる。