特許第6331387号(P6331387)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6331387
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】皮膚化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/73 20060101AFI20180521BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20180521BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20180521BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   A61K8/73
   A61K8/86
   A61K8/34
   A61Q19/00
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-270583(P2013-270583)
(22)【出願日】2013年12月26日
(65)【公開番号】特開2015-124193(P2015-124193A)
(43)【公開日】2015年7月6日
【審査請求日】2016年11月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004341
【氏名又は名称】日油株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124349
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 圭啓
(72)【発明者】
【氏名】石田 麻奈
(72)【発明者】
【氏名】田村 猛
(72)【発明者】
【氏名】石田 実咲
【審査官】 木原 啓一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−023980(JP,A)
【文献】 特開2013−014540(JP,A)
【文献】 特開2012−012318(JP,A)
【文献】 特開2013−189392(JP,A)
【文献】 特開2013−100241(JP,A)
【文献】 特開昭61−238709(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00−8/99
A61Q 1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)成分:酸性ムコ多糖類0.01〜3質量%、
(B)成分:式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体0.1〜10質量%、
(C)成分:式(II)で示されるアルキレンオキシド誘導体0.1〜10質量%、
(D)成分:炭素数が3〜6である2〜4価のアルコール0.5〜15質量%を含有し、
(A)成分および(C)成分の含有比〔(A)/(C)〕が質量比で1/100〜1/1.5であることを特徴とする皮膚化粧料。
Gly−[O{(PO)(EO)}−(BO)H]3 式(I)
(式(I)中、Glyはグリセリンから水酸基を除いた残基、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基、BOはオキシブチレン基であり、a、bおよびcはそれぞれPO、EOおよびBOの付加モル数であって、a+bが1〜30、cが1〜5であり、POとEOの含有比(PO/EO)が質量比で1/5〜5/1である。)
G−[O{(EO)x(PO)y}−(BO)z−H]4 式(II)
(式(II)中、Gは炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルグリコシドから水酸基を除いた残基であり、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基、BOはオキシブチレン基であり、x、yおよびzはそれぞれEO、POおよびBOの付加モル数であり、xが5〜20、yが1〜10、zが1〜2であり、EOとPOとの合計含有量に対するEOの含有量の比率が55〜90質量%であり、EOとPOとがランダム状に付加している。)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、きしみやべたつきを感じ難く優れた使用感を有し、保湿効果に優れ、肌を滑らかに保ち、肌に適度なはりを与え、化粧ノリが良好な皮膚化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
人の皮膚表面(肌)は、皮脂や汗等から構成された皮脂膜で覆われていて、肌の水分の蒸散が適度に抑制されている。肌の水分が不足すると肌荒れ等を生じやすく、しわの原因にもなりやすいので、皮膚の水分を適切な範囲に保つことは皮膚の健康の面から見て非常に大切なことである。しかし皮脂膜は洗顔や入浴時の洗浄により取り除かれてしまうので、肌の水分が失われやすくなる。そこで、洗顔後あるいは入浴後には、肌の水分を補うために、化粧水、乳液、クリーム、美容液等の保湿化粧料が使用されている。
【0003】
一般的には、肌に潤いや柔軟性を付与し、乾燥や肌荒れを防ぐ目的で先ず化粧水を使用し、その後に乳液や美容液、クリーム等の油分が配合された化粧品を使用し、肌にエモリエント感を付与することで、水分の蒸散を防ぎ、乾燥や肌荒れから皮膚を守る方法が保湿スキンケアステップとなっている。すなわち、保湿化粧料のなかでも化粧水は、保湿スキンケアステップで最初に使用されるものであり、使用頻度が特に高いものである。
一方、近年では女性の社会進出などにより、いわゆる「時短美容」が注目され、スキンケアステップの簡略化が好まれる傾向にある。また、保湿化粧料のなかでも乳液やクリームは、油分によるべたつき、テカリが懸念されるので、化粧水やオイルフリージェルなどのオイルフリー化粧料でのスキンケア効果の向上が強く要望されている。
【0004】
一般的なオイルフリー化粧料は、主に水と多価アルコール類で構成されており、持続的な保湿感を付与するためには、保湿剤を高濃度に配合する必要があった。
また近年、低湿度下での水分保持力の高い保湿成分として、キチン、キトサンおよびこれらの誘導体、タンパク加水分解物、ヒアルロン酸などの酸性ムコ多糖などの様々な高保湿成分が提案されている。中でもヒアルロン酸は、皮膚繊維芽細胞中で産生される非常に保湿作用の高い物質であり、肌の老化とともに皮膚中の存在量が減少することが確認されていることから、特に注目されている物質である。そこで、酸性ムコ多糖類を化粧料として用いることが検討されている。
【0005】
しかし、ヒアルロン酸等のムコ多糖類を化粧料に使用すると、その高い保湿力から不快なべたつきを有するという欠点があるので、これらの化粧料は使用時に不快なべたつき感が生じ、また肌にはりを与える効果が弱かった。
そこで、べたつきを改善するために、特許文献1にはムコ多糖とトレハロースとを組み合わせた皮膚外用剤、特許文献2にはムコ多糖と2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンの重合体とを組み合わせた皮膚外用剤が開示されているが、これらの皮膚外用剤は、べたつきの改善はみられるものの、肌にはりを与える効果が弱かった。
そこで、肌のはりを改善することを目的として、特許文献3には特定のクロマノール配糖体、酸性ムコ多糖類および多価アルコールまたはその部分エステル化合物を組み合わせた皮膚化粧料が開示されているが、はり改善効果に改善の余地があった。
また、特許文献4には特定のアルキレンオキシド誘導体と酸性ムコ多糖類等の水溶性高分子化合物を組み合わせることで、肌を滑らかに保ち、はりを与えることができる皮膚化粧料が開示されているが、化粧ノリに改善の余地があった。さらに、これらの先行技術文献に従ってオイルフリー化粧料を調製した場合、酸性ムコ多糖類から由来するきしみ感が生じる場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−122621号公報
【特許文献2】特開平9−52848号公報
【特許文献3】特開2001−253815号公報
【特許文献4】特開2006−199665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、きしみやべたつきを感じ難く優れた使用感を有し、保湿効果に優れ、肌を滑らかに保ち、肌に適度なはりを与え、化粧ノリが良好な皮膚化粧料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討した結果、酸性ムコ多糖類と特定のグリセリン誘導体、特定のアルキレンオキシド誘導体、特定の多価アルコールを特定の比率で組み合わせることにより、上記課題を解決し得る皮膚化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明の皮膚化粧料は、(A)成分:酸性ムコ多糖類0.01〜3質量%、
(B)成分:式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体0.1〜10質量%、
(C)成分:式(II)で示されるアルキレンオキシド誘導体0.1〜10質量%、
(D)成分:炭素数が3〜6である2〜4価のアルコール0.5〜15質量%を含有し、
(A)成分および(C)成分の含有比〔(A)/(C)〕が質量比で1/100〜1/1.5であることを特徴とする皮膚化粧料である。
Gly−[O{(PO)(EO)}−(BO)H]3 式(I)
(式(I)中、Glyはグリセリンから水酸基を除いた残基、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基、BOはオキシブチレン基であり、a、bおよびcはそれぞれPO、EOおよびBOの付加モル数であって、a+bが1〜30、cが1〜5であり、POとEOの含有比(PO/EO)が質量比で1/5〜5/1である。)
G−[O{(EO)x(PO)y}−(BO)z−H]4 式(II)
(式(II)中、Gは炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルグリコシドから水酸基を除いた残基であり、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基、BOはオキシブチレン基であり、x、yおよびzはそれぞれEO、POおよびBOの付加モル数であり、xが5〜20、yが1〜10、zが1〜2であり、EOとPOとの合計含有量に対するEOの含有量の比率が55〜90質量%であり、EOとPOとがランダム状に付加している。)
【発明の効果】
【0010】
本発明の皮膚化粧料は、きしみやべたつきを感じ難く優れた使用感を有し、保湿効果に優れ、肌を滑らかに保ち、肌に適度なはりを与え、化粧ノリが良好であるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明において「〜」の記号を挟む数値は、「〜」で規定する範囲に含まれる。例えば、「10〜30」は10以上、かつ30以下の範囲を表わす。
【0012】
本発明の皮膚化粧料は、(A)成分:酸性ムコ多糖類、(B)成分:式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体、(C)成分:式(II)で示されるアルキレンオキシド誘導体、および(D)成分:炭素数が3〜6である2〜4価のアルコールを含有する。
以下、各成分について順次説明する。
【0013】
〔(A)成分:酸性ムコ多糖類〕
(A)成分は、酸性ムコ多糖類であり、例えば、ヒアルロン酸、コンドロイチン−4−硫酸、コンドロイチン−6−硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、ヘパリン等の酸性ムコ多糖、またはそれらの塩やアセチル化物などが挙げられる。好ましくは、ヒアルロン酸、コンドロイチン−4−硫酸、コンドロイチン−6−硫酸またはそれらの塩であり、更に好ましくはヒアルロン酸またはその塩である。酸性ムコ多糖の塩としては、無機塩や有機塩が挙げられる。無機塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩が挙げられ、有機塩としては、第四級アンモニウム塩などが挙げられる。好ましくは、ナトリウム塩、カリウム塩である。これら酸性ムコ多糖類のうち1種または2種以上を用いることができる。
【0014】
皮膚化粧料中における(A)成分の含有量は、0.01〜3質量%であり、好ましくは0.03〜2質量%、さらに好ましくは0.05〜1質量%である。含有量が0.01質量%より少ないと、肌のはり、滑らかさ、保湿感、化粧ノリが低下するおそれがある。また含有量が3質量%より多いと、きしみを生じるおそれがある。
【0015】
〔(B)成分:式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体]
(B)成分は、式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体であり、式(1)において、Glyはグリセリンから水酸基を除いた残基を表し、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基、BOはオキシブチレン基である。
a、bおよびcはそれぞれPO、EOおよびBOの付加モル数である。aとbの合計(a+b)は1〜30であり、好ましくは5〜25、さらに好ましくは10〜15である。cは1〜5であり、好ましくは2〜4、さらに好ましくは2〜3である。
POとEOの含有比(PO/EO)は質量比で1/5〜5/1であり、好ましくは1/2〜4/1、さらに好ましくは1/1〜3/1である。
【0016】
POおよびEOの付加形態は、ランダム状でもブロック状でも良いが、高い保湿効果を得るには付加形態がランダム状であることが好ましい。BOは、末端にブロック状に付加しており、オキシブチレン基を与える化合物としては、1,2−ブチレンオキシドが好ましい。
(B)成分の市販品として、日油株式会社製の「WILBRIDE(登録商標) S−753」(式(I)中、a+bが4.3、cが1であり、POとEOとの質量比(PO/EO)が4/5である。)等を用いることができる。
【0017】
皮膚化粧料中における(B)成分の含有量は、0.1〜10質量%であり、好ましくは0.5〜8質量%、さらに好ましくは1〜6質量%である。含有量が0.1質量%より少ないと、べたつきが生じたり、肌の滑らかさが低下するおそれがある。また含有量が10質量%より多いと、べたつきを生じるおそれがある。
【0018】
〔(C)成分:式(II)で示されるアルキレンオキシド誘導体]
(C)成分は、式(II)で示されるアルキレンオキシド誘導体であり、式(II)においてGは炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルグリコシドから水酸基を除いた残基であり、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基、BOはオキシブチレン基である。
x、yおよびzはそれぞれEO、POおよびBOの付加モル数である。xは5〜20であり、好ましくは8〜15、さらに好ましくは6〜10である。yは1〜10であり、好ましくは2〜8、さらに好ましくは4〜5である。zは1〜2であり、好ましくは1である。
EOとPOとの合計含有量に対するEOの含有量の比率は、55〜90質量%であり、好ましくは60〜80質量%、さらに好ましくは65〜70質量%である。EOとPOとがランダム状に付加している。
(C)成分の市販品として、日油株式会社製の「WILBRIDE(登録商標) MG−2070」(式(I)中のGがメチルグルコシドから水酸基を除いた残基、xが7.25、yが2.25、zが1であり、EOとPOとの合計質量に対するEOの質量比が71質量%である。)等を用いることができる。
【0019】
皮膚化粧料中における(C)成分の含有量は、0.1〜10質量%であり、好ましくは0.5〜8質量%、さらに好ましくは1〜6質量%である。含有量が0.1質量%より少ないと、きしみ感が生じたり、肌のはり、保湿感、および化粧ノリが低下するおそれがある。また含有量が10質量%より多いと、べたつきを生じるおそれがある。
【0020】
〔(D)成分:炭素数が3〜6である2〜4価のアルコール〕
(D)成分は、炭素数が3〜6である2〜4価のアルコールであり、例えば、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリンなどの多価アルコールが挙げられる。中でもグリセリン、1,3−ブチレングリコール、ジグリセリンが好ましく、さらにグリセリンがより好ましい。これらアルコールのうち1種または2種以上を用いることができる。
【0021】
皮膚化粧料中における(D)成分の含有量は、0.5〜15質量%であり、好ましくは1〜12質量%、さらに好ましくは5〜10質量%である。含有量が0.5質量%より少ないと、きしみ感が生じたり、滑らかさが低下するおそれがある。また含有量が15質量%より多いと、べたつきが生じるおそれがある。
【0022】
本発明の皮膚化粧料において、(A)成分および(C)成分の含有比〔(A)/(C)〕は質量比で1/100〜1/1.5であり、好ましくは1/50〜1/2である。含有比が1/100より小さいと、べたつきが生じるおそれがあり、1/1.5より大きいと、きしみ感が生じるおそれがある。
【0023】
本発明の皮膚化粧料には、pH調整剤、防腐剤など、化粧料に常用されている他の成分を、本発明の性能を損なわない範囲で、配合することも可能である。
本発明の皮膚化粧料は、水を含有する様々な剤型で調製することができ、例えば、化粧水、ジェル、パックなどの剤型を採ることができる。本発明の皮膚化粧料は、オイルフリー化粧料として調製することが好ましい。
【実施例】
【0024】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
〔実施例1〜7、および比較例1〜6〕
皮膚化粧料として、表1に示す化粧水を調製した。
なお、表1中の(A)成分は、粉末のヒアルロン酸ナトリウムである(商品名:Bio Sodium Hyaluronate LMW、Bioland社製)。
表1中の(B)成分(アルキレンオキシド誘導体a)は、式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体において、a+bが4.3、cが1であり、POとEOの含有比(PO/EO)が質量比で4/5であるポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル(3BO)(8EO)(5PO)である(商品名:WILBRIDE(登録商標) S−753、日油株式会社製)。
表1中の(C)成分(アルキレンオキシド誘導体b)は、式(II)で示されるアルキレンオキシド誘導体において、Gがメチルグルコシドから水酸基を除いた残基、xが7.25、yが2.25、zが1であり、EOとPOとの合計質量に対するEOの質量比が71質量%であり、EOとPOとがランダム状に付加しているポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレンメチルグルコシドである(商品名:WILBRIDE(登録商標) MG−2070、日油株式会社製)。
【0025】
20名の女性(25〜40歳)をパネラーとし、得られた化粧水2mLを洗顔後に顔全体に使用し、(1)きしみ感、(2)べたつき、(3)保湿感、(4)肌の滑らかさ、(5)肌のはり、(6)化粧ノリの各項目について評価を得た。その結果を表1に示す。なお、表1中の成分の割合は質量%である。
【0026】
(1)きしみ感
2点:きしみを感じなかった場合。
1点:ややきしみを感じた場合。
0点:きしみを感じた場合。
20名の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:合計点が35点以上であり、かつ0点と評価したパネラーが0人である。:きしみ感のない皮膚化粧料である。
○:合計点が25点以上35点未満、または合計点が35点以上かつ0点と評価したパネラーが1人以上2人以下である。:ほとんどきしみ感のない皮膚化粧料である。
△:合計点が15点以上25点未満である。:ややきしみ感のある皮膚化粧料である。
×:合計点が15点未満である。:きしみ感のある皮膚化粧料である。
【0027】
(2)べたつき
2点:肌になじんだ後に、べたつかなかった場合。
1点:肌になじんだ後に、ほとんどべたつかなかった場合。
0点:肌になじんだ後に、べたついた場合。
20名の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:合計点が35点以上であり、かつ0点と評価したパネラーが0人である。:べたつき感のない皮膚化粧料である。
○:合計点が25点以上35点未満、または合計点が35点以上かつ0点と評価したパネラーが1人以上2人以下である。:ほとんどべたつき感のない皮膚化粧料である。
△:合計点が15点以上25点未満である。:ややべたつき感のある皮膚化粧料である。
×:合計点が15点未満である。:べたつき感のある皮膚化粧料である。
【0028】
(3)保湿感
2点:肌が潤っていると感じた場合。
1点:やや肌が潤っていると感じた場合。
0点:肌が潤っていないと場合。
20名の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:合計点が35点以上であり、かつ0点と評価したパネラーが0人である。:非常に優れた保湿感が得られる皮膚化粧料である。
○:合計点が25点以上35点未満、または合計点が35点以上かつ0点と評価したパネラーが1人以上2人以下である。:優れた保湿感が得られる皮膚化粧料である。
△:合計点が15点以上25点未満である。:わずかに保湿感が得られる皮膚化粧料である。
×:合計点が15点未満である。:保湿感が得られない皮膚化粧料である。
【0029】
(4)肌の滑らかさ
2点:肌が滑らかになったと感じた場合
1点:肌がやや滑らかになったと感じた場合
0点:肌が滑らかにならなかったと感じた場合
20名の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:合計点が35点以上であり、かつ0点と評価したパネラーが0人である。:肌を滑らかにする効果が非常に優れた皮膚化粧料である。
○:合計点が25点以上35点未満、または合計点が35点以上かつ0点と評価したパネラーが1人以上2人以下である。:肌を滑らかにする効果が優れた皮膚化粧料である。
△:合計点が15点以上25点未満である。:肌を滑らかにする効果がわずかにある皮膚化粧料である。
×:合計点が15点未満である。:肌を滑らかにする効果がない皮膚化粧料である。
【0030】
(5)肌のはり
2点:化粧水の使用後の肌に、はりがでたと感じた場合。
1点:化粧水の使用後の肌に、ややはりがでたと感じた場合。
0点:化粧水の使用後の肌に、はりがないと感じた場合。
20名の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:合計点が35点以上であり、かつ0点と評価したパネラーが0人である。:肌にはりを与える効果が非常に優れた皮膚化粧料である。
○:合計点が25点以上35点未満、または合計点が35点以上かつ0点と評価したパネラーが1人以上2人以下である。:肌にはりを与える効果が優れた皮膚化粧料である。
△:合計点が15点以上25点未満である。:肌にはりを与える効果がわずかにある皮膚化粧料である。
×:合計点が15点未満である。:肌にはりを与える効果がない皮膚化粧料である。
【0031】
(6)化粧ノリ
化粧水の使用後に、指定の化粧下地およびパウダーファンデーションを使用して、化粧ノリについて下記基準で評価した。
2点:化粧ノリが良いと感じた場合。
1点:やや化粧ノリが良いと感じた場合。
0点:化粧ノリが良いと感じなかった場合。
20名の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:合計点が35点以上であり、かつ0点と評価したパネラーが0人である。:化粧ノリが非常に良好な皮膚化粧料である。
○:合計点が25点以上35点未満、または合計点が35点以上かつ0点と評価したパネラーが1人以上2人以下である。:化粧ノリが良好な皮膚化粧料である。
△:合計点が15点以上25点未満である。:化粧ノリがあまり良くない皮膚化粧料である。
×:合計点が15点未満である。:化粧ノリが悪い皮膚化粧料である。
【0032】
【表1】
【0033】
本発明に係る実施例1〜7の化粧水は、きしみやべたつきを感じ難く優れた使用感を与え、保湿感を付与し、肌を滑らかに保ち、肌に適度なはりを与え、化粧ノリが良好であった。
一方、比較例1〜6では十分な性能が得られなかった。
比較例1では、(A)成分が含有されていないので、保湿感、肌の滑らかさ、肌のはり、化粧ノリが良好ではなかった。
比較例2では、(B)成分が含有されていないので、べたつき、肌の滑らかさが良好ではなかった。
比較例3では、(C)成分が含有されていないので、きしみ感が生じ、保湿感、肌のはり、化粧ノリが良好ではなかった。
比較例4では、(D)成分が含有されていないので、きしみ感、肌の滑らかさが良好ではなかった。
比較例5では、(A)/(C)の値が大きいので、きしみ感が良好ではなかった。
比較例6では、(A)/(C)の値が小さいので、べたつきが良好ではなかった。
【0034】
〔実施例8〕
皮膚化粧料として、下記に示すジェル状皮膚化粧料を調製し、上記と同様に、(1)きしみ感、(2)べたつき、(3)保湿感、(4)肌の滑らかさ、(5)肌のはり、(6)化粧ノリの各項目について評価を得た。その結果、実施例1〜7の化粧水と同様に、きしみやべたつきを感じ難く優れた使用感を与え、保湿感を付与し、肌を滑らかに保ち、肌に適度なはりを与え、化粧ノリが良好であった。
【0035】
[製剤例]ジェル状皮膚化粧料(質量%)
ヒアルロン酸ナトリウム(※1):0.3
カチオン化ヒアルロン酸(※2):0.03
アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム(※3):0.01
アルキレンオキシド誘導体(※4):3
アルキレンオキシド誘導体(※5):3
1,3−ブチレングリコール:2.5
グリセリン:6
ポリエチレングリコール:2
(メタクリル酸グリセリルアミドエチル/メタクリル酸ステアリル) 共重合体:0.05
2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体:0.05
クロメエキス:1
ツバキ花エキス:0.1
ツバキ種子エキス:0.1
(アクリレート/アクリル酸アルキル(C10−30))クロスポリマー:0.15
アルギニン:0.09
フェノキシエタノール:0.3
メチルパラベン:0.15
水:残量
※1:商品名:Bio Sodium Hyaluronate LMW、Bioland社製
※2:商品名:ヒアロベール(登録商標)、キューピー株式会社製
※3:商品名:アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム、株式会社資生堂製
※4:商品名:WILBRIDE(登録商標) S−753、日油株式会社製
※5:商品名:WILBRIDE(登録商標) MG−2070、日油株式会社製