特許第6331419号(P6331419)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6331419
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】貯湯給湯装置
(51)【国際特許分類】
   F24H 9/00 20060101AFI20180521BHJP
   F24H 1/18 20060101ALI20180521BHJP
   F24H 9/02 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   F24H9/00 E
   F24H1/18 A
   F24H9/02 301A
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-12979(P2014-12979)
(22)【出願日】2014年1月28日
(65)【公開番号】特開2015-140953(P2015-140953A)
(43)【公開日】2015年8月3日
【審査請求日】2016年12月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】堀 紀弘
(72)【発明者】
【氏名】江田 秋人
【審査官】 大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2006/030903(WO,A1)
【文献】 特開2013−053833(JP,A)
【文献】 特開2007−155257(JP,A)
【文献】 特開2007−309621(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第04418108(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H1/18
F24H9/00−9/02
F16L59/00−59/22
B65D88/00−90/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形状の貯湯タンクと、この貯湯タンクの周囲を覆う断熱材と、前記貯湯タンクと前記断熱材とを収納する外装ケースとを備えた貯湯給湯装置において、
前記貯湯タンクの高さ方向の少なくとも一部の周囲を一定以上の厚さの断熱材で覆う為に、前記外装ケースに外側へ膨出した膨出部を形成し、この膨出部に前記断熱材の一部を配置し、前記膨出部は前記貯湯タンクの上半部分に対応するように設けられたことを特徴とする貯湯給湯装置。
【請求項2】
前記膨出部は、部分円筒状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の貯湯給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は貯湯給湯装置に関し、特に貯湯タンクの周囲を覆う断熱材による断熱性能の向上を図ったものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、大容量の湯水を貯留可能な貯湯タンクを備え、1又は複数の給湯先に湯水を供給する貯湯給湯装置が実用に供されている。この貯湯給湯装置は、貯湯タンク内の湯水を、例えば、夜間割引の安価な電力を利用して、ヒートポンプ回路を有する外部熱源機や貯湯タンクの内部に設置された加熱用ヒータを有する内部熱源機で加熱して、その加熱された湯水を貯湯タンクに貯留しておき、給湯栓や風呂等に給湯するものである。
【0003】
上記の貯湯タンクにおいては、その周囲を合成樹脂発泡体からなる断熱材で覆うことで断熱性能を向上させている。一般的に、貯湯タンクは円筒形状に構成されているのに対して、外装ケースは直方体状に構成されているので、外装ケースの内部に貯湯タンクを収納した状態では、貯湯タンクの外周面と外装ケースの内側面との隙間は一定にならない。
【0004】
このため、外装ケースを小型化すると、貯湯タンクと外装ケースとが近接する部分の隙間が著しく狭くなり、その隙間に配置される断熱材が極端に薄くなって断熱性能が低下してしまうという問題がある。一方で、断熱性能を向上させる為に、貯湯タンクと外装ケースとの隙間を広くすると、外装ケースが大型化してしまうという問題がある。
【0005】
上記の問題を解決する為に、例えば、特許文献1に記載されている貯湯タンクにおいては、貯湯タンクと外装ケースとが形成する隙間のうち、貯湯タンクの外周面と外装ケースの内側面とが近接する部分の隙間に真空断熱材を配置し、その他の隙間に通常の断熱材(グラスウールやグラスファイバー等の無機系断熱材又はポリウレタンやポリエチレン等の有機系断熱材)を配置した構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4186835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1の貯湯タンクのように断熱材として真空断熱材を使用する場合、通常の合成樹脂発泡体からなる断熱材(ポリウレタンやポリエチレン等の有機系断熱材)や繊維材料からなる断熱材(グラスウールやグラスファイバー等の無機系断熱材)と比較すると割高となるので、製作コストが高くなる。
【0008】
昨今の貯湯給湯装置は、屋外の狭小スペースに設置可能なように、コンパクトな構成が求められているが、上記の合成樹脂発泡体や繊維材料からなる安価な断熱材を使用して断熱性能を向上させようとすると、断熱材の厚さを確保する必要が生じるので、上述したように、外装ケースが大型化するという問題がある。
【0009】
本発明は、外装ケースのサイズを大幅に変更することなく、低コストで且つ簡単な構造でもって断熱性能の向上を図った貯湯給湯装置を提供すること、等である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の貯湯給湯装置は、円筒形状の貯湯タンクと、この貯湯タンクの周囲を覆う断熱材と、前記貯湯タンクと前記断熱材とを収納する外装ケースとを備えた貯湯給湯装置において、前記貯湯タンクの高さ方向の少なくとも一部の周囲を一定以上の厚さの断熱材で覆う為に、前記外装ケースに外側へ膨出した膨出部を形成し、この膨出部に前記断熱材の一部を配置し、前記膨出部は前記貯湯タンクの上半部分に対応するように設けられたことを特徴としている。
【0012】
請求項の貯湯給湯装置は、請求項1の発明において、前記膨出部は、部分円筒状に形成されたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、貯湯タンクの高さ方向の少なくとも一部の周囲を一定以上の厚さの断熱材で覆う為に、外装ケースに外側へ膨出した膨出部を形成し、この膨出部に断熱材の一部を配置したので、膨出部によって必要な部分の断熱材の厚さを確保することができる。
【0014】
従って、外装ケースにおける貯湯タンクの高さ方向の少なくとも一部に対応する部分に膨出部を形成することで、既存の外装ケースのサイズを大幅に変更せずに、低コストで且つ簡単な構造でもって断熱性能の向上を図ることができる。
【0015】
そして、膨出部は、貯湯タンクの上半部分に対応するように設けられたので、膨出部で厚さが確保された断熱材によって貯湯タンクの上半部分に貯留された高温の湯水を確実に保温することができる。貯湯タンクの下半部分に貯留された湯水の温度は低いので、断熱材の膨出部が形成されていない薄い部分で保温することができる。
【0016】
請求項の発明によれば、膨出部は、部分円筒状に形成されたので、プレス成形で製作する場合に有利となる。外装ケースの外装板のプレス成形時に膨出部を同時に形成することができるので、容易に且つ低コストで断熱性能の向上を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例にかかる貯湯給湯装置(外装ケース)の斜視図である。
図2】貯湯給湯装置の断面図である。
図3】貯湯タンクと断熱材の分解斜視図である。
図4】断熱材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
【実施例】
【0019】
最初に、貯湯給湯装置1の全体構造について簡単に説明する。
図1図3に示すように、貯湯給湯装置1は、上下両端部に曲面部を有する縦長筒状の外周面を有する貯湯タンク2と、この貯湯タンク2の周囲を覆う断熱材3と、貯湯タンク2と断熱材3の周囲を覆う外装ケース4等を備えている。尚、貯湯給湯装置1は、上記の器具以外にも給水配管や給湯配管等の各種配管類や混合弁や開閉弁等の各種弁類を備えているが、図示は省略する。
【0020】
尚、この貯湯給湯装置1は、例えば、外部熱源機としてヒートポンプ回路を備えたヒートポンプ式熱源機と、このヒートポンプ式熱源機と貯湯給湯装置1との間に循環ポンプを介して湯水を循環させる為の湯水循環配管等と組み合わせることでヒートポンプ式給湯装置が構成されるが、貯湯給湯装置1以外の構成の詳細な説明は省略する。
【0021】
次に、貯湯タンク2について説明する。
図3の仮想線で示すように、貯湯タンク2は、高温の湯水を貯留するものであり、耐腐食性に優れたステンレス板製の胴部材とその上下両端を塞ぐ1対の鏡板とで構成されている。即ち、貯湯タンク2は、縦長筒状の外周面を有する胴部2aと、上端部の曲面状の天部2bと、下端部の曲面状の底部2cとから一体的に構成されている。
【0022】
貯湯タンク2には、給水配管、湯水循環配管、給湯配管等が夫々接続され、給水配管を介して上水源からの上水を貯湯タンク2内に補充可能となっており、湯水循環配管を介して湯水が加熱され、給湯配管を介して貯湯タンク2内に貯留された高温の湯水(例えば、65〜90℃)を所望の給湯先に供給することができる。
【0023】
次に、断熱材3について説明する。
図2図4に示すように、断熱材3は、例えば、発泡ポリプロピレン、発泡ポリスチレン等からなる合成樹脂発泡体製の成形材であって、円筒形状の貯湯タンク2の周囲を覆って貯湯タンク2に貯留された湯水の放熱を防ぐ断熱機能を有するものである。尚、この断熱材3は、合成樹脂発泡体製のものに代えてグラスウールやグラスファイバー等の繊維材料を採用しても良い。
【0024】
断熱材3は、複数の分割部材から構成されている。即ち、貯湯タンク2の上端側部分(貯湯タンク2の天部2bと胴部2aの上端部)を覆う天部材6と、貯湯タンク2の胴部2aの外周面の半分を夫々覆うと共に、貯湯タンク2の底部2cの一部も夫々覆う前側及び後側縦分割部材7,8とを備えている。
【0025】
天部材6は、貯湯タンク2の上端側部分の外周面形状と略同じ内周面形状を有する下方開放の断面U字状の蓋状に構成され、貯湯タンク2の天部2bと胴部2aの上端部とを覆う。天部材6の下端部の内径側部分(内周側部分)には、前側及び後側縦分割部材7,8の上端部に嵌合可能な環状凹部(図示略)が形成されている。
【0026】
前側縦分割部材7は、その大部分を構成する半筒状部7aと、この半筒状部7aの下端部に一体的に形成された底板部等を備えている。前側縦分割部材7は、貯湯タンク2の胴部2aの前側半分と底部2cの前側一部とを覆う。
【0027】
半筒状部7aの周方向両端部の外側部分の上半部分には、後方に向かう程外側に突出する突出部7bが夫々形成されている。半筒状部7aの周方向両端部には、縦方向の全長に亙って嵌合凹部7cが夫々形成されている。半筒状部7aの上端部には、上方に突出する半円状突部7dが形成されている。半筒状部7aの前側部分の両端部には、縦方向の全長に亙って面取り部7eが夫々形成されている。
【0028】
後側縦分割部材8は、その大部分を構成する半筒状部8aと、この半筒状部8aの下端部に一体的に形成された底板部とから一体的に形成されている。後側縦分割部材8は、貯湯タンク2の胴部2aの後側半分と底部2cの後側一部とを覆う。
【0029】
半筒状部8aの周方向両端部の外側部分の上半部分には、前方に向かう程外側に突出する突出部8bが形成されている。半筒状部8aの周方向両端部には、縦方向の略全長に亙って嵌合凸部8cが夫々形成されている。半筒状部8aの上端部には、上方に突出する半円状突部8dが形成されている。半筒状部8aの後側部分の両端部には、縦方向の全長に亙って面取り部8eが夫々形成されている。
【0030】
図2図4に示すように、前側及び後側縦分割部材7,8の組み付け状態では、貯湯タンク2の胴部2aの外周面形状と略同じ内周面形状を有し且つ平面視にて四角形状となる外面形状を有する筒状に構成され、貯湯タンク2の胴部2aの上端部を除いた大部分と底部2cの一部とを覆うことができる。
【0031】
組み付け状態における前側及び後側縦分割部材7,8の左右両側面の上半部分の中心部には、突出部7b,8bからなる平面視にて偏平なD字形の膨張部11,12が夫々形成され、前側及び後側縦分割部材7,8の上端部には、天部材6の環状凹部が外嵌可能な半円状突部7d,8dからなる環状凸部が形成される。半筒状部8aの後端面の上半部分の中心部には、後方に突出する平面視にて偏平なD字形の膨張部13が形成されている(図2図4参照)。
【0032】
断熱材3に膨張部11,12,13を形成することで、貯湯タンク2の上半部分に対応する部分の厚さが、貯湯タンク2の下半部分に対応する部分より厚くすることができる。断熱材3の膨張部11,12,13が形成された部分の厚さ及び断熱材3の前端部の中心部の厚さ(断熱材3の貯湯タンク2の上半部分に対応する部分のうち最も薄くなる部分の厚さ)は、例えば、50〜60mm程度に設定される。尚、貯湯タンク2の上半部分に滞留する高温の湯水を保温する為に要求される断熱材3の厚さは、例えば50mm以上(一定以上の厚さに相当する)に設定されるが、特にこの厚さに限定する必要はない。
【0033】
次に、外装ケース4について説明する。
図1図2に示すように、外装ケース4は、金属製薄板からなる複数の外装板4a〜4fで直方体状の箱状に構成されている。複数の外装板4a〜4fは、前側板となる外装板4a、左右1対の側板となる外装板4b,4c、後側板となる外装板4d、天板となる外装板4e、底板となる外装板4fを有している。
【0034】
外装ケース4には、上述の貯湯タンク2と断熱材3に加えて、各種配管類、各種弁類、駆動ポンプ、複数の温度センサ等が収容されている。各外装板4a〜4fは、例えば、厚さが0.3〜0.5mmのカラー鋼板で構成されている。
【0035】
図1図2に示すように、外装板4b〜4d(左右1対の側板と後側板)には、外側へ膨出した膨出部21〜23が夫々形成されている。各膨出部21〜23は、貯湯タンク2の上半部分に対応するように、各外装板4b〜4dの上半部分に上下方向に延びるように設けられている。
【0036】
膨出部21〜23は、上下両端部が塞がれた有底の部分円筒状に夫々形成されている。即ち、膨出部21〜23は、貯湯タンク2の軸心Aを通る水平線Bが各外装板4b〜4dと直交する外側方向に膨らむように(例えば、平坦部から外側に20mm〜30mm程度膨らむように)且つ貯湯タンク2の軸心Aを中心とする円弧形状となるように夫々形成されている。
【0037】
膨出部21〜23の内周面形状は、貯湯タンク2の胴部2aの外周面形状と略同じ形状であり、膨出部21〜23の内周面と貯湯タンク2の胴部2a外周面との間に部分円筒状の空間が形成されている。この部分円筒状の空間は、断熱材3の膨張部11〜13が形成された部分の厚さより僅かに幅広に設定されている。
【0038】
即ち、図2に示すように、膨出部21〜23には、貯湯タンク2の高さ方向の少なくとも一部の周囲を一定以上の厚さの断熱材3で覆う為に、断熱材3の一部が配置されている。外装ケース4に膨出部21〜23を形成し、この膨出部21〜23に断熱材3の偏平なD字形の膨張部11〜13を配置することで、一定以上の厚さの断熱材3でもって貯湯タンク2の高温の湯水が貯留される上半部分を保温可能である。
【0039】
次に、本発明の貯湯給湯装置1の作用及び効果について説明する。
貯湯タンク2に断熱材3を組み付ける際、先ずは、貯湯タンク2の胴部2aの後側半分と底部2cの後側の一部とを覆うように、後側縦分割部材8を貯湯タンク2の後方から組み付け、この後側縦分割部材8を貯湯タンク2に対して組付けた状態を維持したまま、貯湯タンク2の胴部2aの前側半分と底部2cの前側の一部とを覆うように、前側縦分割部材7を貯湯タンク2の前方から組み付ける。
【0040】
次に、貯湯タンク2の上端側部分を覆う為に、天部材6を貯湯タンク2の上方から被せて、天部材6の下端部の環状凹部を前側及び後側縦分割部材7,8の環状凸部(1対の半円状突部7d,8d)に外嵌させることで、天部材6により前側及び後側縦分割部材7,8の上端部を内側に締め付けるように固定し、貯湯タンク2に対して断熱材3の固定を行う。
【0041】
そして、断熱材3で覆われた貯湯タンク2を外装ケース4に収納する為に、断熱材3の複数の膨張部11〜13が外装ケース4の対応する膨出部21〜23に配置されるように、外装ケース4に貯湯タンク2を収納し、各種配管類、各種弁類、駆動ポンプ、複数の温度センサ等も収納して、貯湯給湯装置1を組み立てる。
【0042】
以上説明したように、貯湯タンク2の高さ方向の少なくとも一部の周囲を一定以上の厚さの断熱材3で覆う為に、外装ケース4に外側へ膨出した膨出部21〜23を形成し、この膨出部21〜23に断熱材3の一部を配置したので、膨出部21〜23によって必要な部分の断熱材3の厚さを確保することができる。
【0043】
従って、外装ケース4における貯湯タンク2の高さ方向の少なくとも一部に対応する部分に膨出部21〜23を形成することで、既存の外装ケース4のサイズを大幅に変更せずに、低コストで且つ簡単な構造でもって断熱性能の向上を図ることができる。
【0044】
また、膨出部21〜23は、貯湯タンク2の上半部分に対応するように設けられたので、膨出部21〜23で厚さが確保された断熱材3によって貯湯タンク2の上半部分に貯留された高温の湯水を確実に保温することができる。貯湯タンク2の下半部分に貯留された湯水の温度は低いので、断熱材3の膨出部21〜23が形成されていない薄い部分で保温することができる。
【0045】
さらに、膨出部21〜23は、部分円筒状に形成されたので、プレス成形で製作する場合に有利となる。外装ケース4の外装板4b〜4dのプレス成形時に膨出部21〜23を同時に形成することができるので、容易に且つ低コストで断熱性能の向上を実現することができる。
【0046】
次に、前記実施例を部分的に変更した形態について説明する。
[1]前記実施例の膨出部21〜23は、部分円筒状に形成されているが、この形状に限定する必要はなく、断面視にて扁平な三角形状や台形形状であっても良く、膨出部21〜23の形状は、断熱材3の一部を配置可能であれば、適宜変更可能である。また、断熱材3の膨張部11〜13の形状も膨出部の形状に合わせて適宜変更可能である。
【0047】
[2]前記実施例の膨出部21〜23は、貯湯タンク2の上半部分に対応するように設けられているが、特にこの構造に限定する必要はなく、貯湯タンク2の全長に対応するように設けても良い。また、外装ケース4に膨出部21〜23と同形状の膨出部を追加的に設けることで、外装ケース4の意匠性の向上に利用しても良い。
【0048】
[3]前記前側縦分割部材7が貯湯タンク2の胴部2aの前側半分を覆い、後側縦分割部材8が貯湯タンク2の胴部2aの後側半分を覆うようにしているが、特にこの構成に限定する必要はなく、貯湯タンク2の胴部2aの左右半分ずつを2つの縦分割部材で覆うようにしても良い。
【0049】
[4]その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態を包含するものである。
【符号の説明】
【0050】
1 貯湯給湯装置
2 貯湯タンク
3 断熱材
4 外装ケース
21〜23 膨出部
図1
図2
図3
図4