(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、調光機能つきの点灯装置では光源電力を供給する場合、例えば、光源からの出力(発光量)を調整しようとする際は、当該光源からの光を使用している環境において、作業等を行っている操作者の目視判断により、発光量の増減を光源に比較的近接した位置に設置されたダイアル式或いは段階式の操作部(調整つまみ)を操作して、所定のダイアル目盛り或いは数値を設定する。
【0003】
この設定値に応じた電力が光源に目標値として供給されることになるが、その場合目標値の供給電力に到達する過程において、供給量を漸増させて目標値に到達させることが一般的である。この供給量を漸増させる場合、供給量を段階的に増加させる手法が、実施されていた。この手法は、いわゆる、複数のステップ幅のディップスイッチを複数個用意しておき、単一のステップ幅のディップスイッチ、または、それらを適宜組み合わせてステップ幅を選定していた。
【0004】
すなわち、図示しないダイアル等の操作部の目盛りが操作者により選定されると、その目盛りに対応した電力供給量の目標値が設定され、他方マニュアル操作によりディップスイッチが選定されると、例えば
図12に示されるように、その選定に対応した電力供給量の増加ステップ〈パターン〉が選定されることになり、これに対応して経時的に電力供給量は目標値に向かって増加していくことになる。
【0005】
従来、光源からの出力(発光量)の目標値とディップスイッチとは連動していなかったため、調光が必要とされるたびに操作者がダイアルの再操作或いはディップスイッチの再選定等の調光操作するのは作業性が低く、また正確に調光を実現しようとすればその調光操作も一度のみならず結果的に複数回行うこともあり得た。そのため、所望の発光量で光源を発光させるために、適正な電力を光源に簡便に供給することは、事実上困難であった。
【0006】
また、所望の調光を速やかに実現しようとすると、調光操作中に、供給電力目標値の設定行為である操作部の操作に加えて、供給電力の速やかな増加を期待するあまり、換言すれば、発光量の短期間での増加を期待するあまり、それに応じてステップ幅を大きく変化させるためそれに対応してディップスイッチを切り替えることになり、最終的供給電力値が目標値よりもオーバーシュートし、過剰な発光状態に到ることもあった。このような状態に到った場合には、再度、操作部により設定値を下方修正する必要が生じるという事態も充分あり得た。
【0007】
さらに、マニュアル選定等のマニュアル操作を前提とすると、ディップスイッチにより選定できるステップ幅は、ディップスイッチ数とその組み合わせにより決定されるため、ディップスイッチの選択により選定できるステップ幅の数には上限があり、限定的なステップ幅の種類での制御しか実現できず、供給電力量の増減のパターンに関し、その自由度が低いという問題もあった。
【0008】
例えば、ボリュームの回動量に応じたステップ幅の増分を設定するという手法も考えられるが、この手法ではステップ幅の増分がディップスイッチ方式に比べて連続的に増加させることが可能であるが、この手法も操作者のマニュアル操作に基づく制御であり、光源へ電力を供給する電力供給回路の出力値とは独立した制御であり、その制御の精度・レベル等々の観点でその適正さについても限界がある。
【0009】
上記のように、従来、調光機能つきの点灯装置において、光源に供給する電力を調光する操作は、照明機器が設置されている環境に即した調光を実現するに当たり、操作者にとって非常に手間のかかる煩わしい作業であり、かつ、周囲の環境に即した調光の実現にも自ずから限界ないし制約があった。
【0010】
ここで、これまで述べてきたディップスイッチ(DipSW)の一般的使用例に関し、補足的に説明する。
ディップスイッチの使い方の他の例としては、照明装置において、初回電源投入時に開閉し、音響パターンをDipSWで選択するものがあった。この例では、複数種のディップスイッチを予め用意しておき、それら複数種のディップスイッチに夫々異なった音響(或いは、トーン)が対応付けられたものである。(特許文献1)
【0011】
また、一般にランプの始動電圧は、ランプの製造上の不均一性に起因して、各ランプ毎にバラツキが存在するが、そのことを考慮して、始動電圧のバラツキを補正するように構成された放電灯点灯装置がある。このような放電点灯装置では、例えば、放電灯用の始動電圧のバラツキを補正するためにディップスイッチとを用いた場合に電源投入後の最初の1回目だけ調整モードで調整する。
このように、始動電圧のバラツキを補正する調整モードを実行する構成とし、その調整モードでは、一般的に精度よく始動電圧のバラツキを補正することになる。
【0012】
その種の放電灯点灯装置では、設定値記憶部を備え、過去に出力バラツキを補正した設定値をデフォルト値として記憶して使用するので、放電灯の交換時に所望の値から大きく離れた設定値を設定してしまう恐れがなく、必要であれば、この後に所望の設定値となるよう微調整すればよい。(特許文献2)
【0013】
特許文献1、特許文献2においては、いずれにしてもディップスイッチは、目的とするパターンの選択に用いられた操作者による操作作業を前提としたハードウェア的手法である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1に係る点灯装置を適用した照明装置に関し、まず、その電源部である点灯装置100の回路図について、
図1〜
図3に基づいて説明する。
【0023】
図1は、実施の形態1の点灯装置の一例を示す回路図である。
図2は、
図1の点灯装置100が適用される光源の一例の電気的等価回路図である。
図3は、光源が接続されうる
図1に示す点灯装置100に、
図2を接続したときの電気的等価回路の一例を示す。
【0024】
具体的詳細な構成を説明するに先立ち、まず、点灯装置100とそれを構成する主要回路の概要につき述べる。
点灯装置100はLED光源に電力を可変的に供給するものであり、この点灯装置100は、整流回路110と、調光回路120(電力供給回路)と、電線を介して調光コントローラ200に接続される調光インターフェース回路130と、制御回路140とから主に構成されている。
【0025】
整流回路110は外部から交流電圧ACが入力され、直流電圧を生成して、これを出力するとともに、高調波の発生を抑制し力率をも改善する機能を有する。
【0026】
調光回路120は整流回路110の後段に接続されており、制御回路140からの制御信号が入力される。この制御信号に基づき、光源に供給される電力が漸増的及び漸減的に変化し、調光コントローラ200によって指示される所定の目標電力供給量となるように供給電力量が制御される。
【0027】
調光インターフェース回路130は、調光コントローラ200から入力される、例えばPWM信号を適正なレベルの出力信号に変換して、これを調光信号として制御回路140に供給する。
【0028】
制御回路140は、調光回路120を制御するものであり、制御回路140は、制御信号を生成して、これを出力し、調光回路120を制御する。
さらに、制御回路140は、後述する制御部141とフィードバック部142とから構成されている。
【0029】
制御部141は、抵抗R4と相互に接続されたR5の中間接続点における電圧検出電圧V3を検出している。
制御部141はその動作の詳細は後述するが、調光インターフェース回路130から調光信号を入力し、調光レベルを指示する調光制御信号を生成し、これを出力する。
【0030】
フィードバック部142は、抵抗R6の一端側からの電流検出電圧V4(即ち、抵抗R6には、出力電流と同等の電流が流れるため、出力電流を検出していることになる。)と、制御部141の出力する調光指令値を比較して、電流検出電圧V4が調光指令値と等しくなるようにフィードバック制御をして、調光回路120(後述するドライバ122)に対して制御信号を供給している。
【0031】
さらに、点灯装置100は、光源の電極側と接続する電源電位側となる接続部1aと、接地電位側となる接続部1bを有している(これら接続部1a,1bとを、総称して第1の接続部1と適宜記す。)。
【0032】
以降では、光源としてLEDランプ300を用い、このLEDランプ300用の電源として点灯装置100について説明するが、光源それ自体としては、例えば、複数のLEDが実装されたLEDモジュール基板や有機ELパネルなどの光源に変更されても構わない。その場合、点灯装置100は光源の種類に対応した電源の名称となる。
【0033】
ところで、この点灯装置100は、後述するように、その動作・機能としては、光源であるLEDランプ300に所要の電力を供給し、その供給電力量は固定的でなく可変であり、その供給電力量に応じた発光量で、LEDランプ300は発光する。したがって、この点灯装置100はLEDランプ300に対し、調光可能に供給電力を供給しており、かつ、LEDランプ300に対する点灯機能を有している。
したがって、点灯装置100は調光機構付の電力供給を実行していることになり、総称して点灯装置100と呼ぶ。
【0034】
なお、以下の説明においては、特に指定しない限り、点灯装置100とLEDランプ300の使用を想定している。
【0035】
ここで、点灯装置100を構成する整流回路110と、調光回路120と、調光インターフェース回路130と、制御回路140の個々の構成部品ついて、具体的に説明する。
【0036】
整流回路110は、交流電圧ACを直流に整流するダイオードブリッジDBと、インダクタL1と、MOS−FET(Q1)と、ダイオードD1と、MOS−FET(Q1)がオフ動作時に電荷を蓄積するコンデンサC1と、電圧検出回路113と、電圧検出回路113の電圧を受けて、検出値をドライバ112に供給する電圧検出部111と、この検出値に基づいて、MOS−FET(Q1)のゲート電圧をスイッチング制御するドライバ112と、から構成される。
【0037】
整流回路110の接続関係について、以下説明する。
ダイオードブリッジDBは、交流電圧ACと並列に接続されている。相互に直列接続されたインダクタL1及びMOS−FET(Q1)とが、このダイオードブリッジDBと並列に接続されている。相互に直列接続されたダイオードD1及びコンデンサC1が、このMOS−FET(Q1)と並列に接続されている。
後段の電圧検出回路113は、抵抗R1,R2が相互に直列接続されて形成されている。電圧検出回路113は、コンデンサC1が並列に接続されている。
【0038】
整流回路110内での信号の流れについて、以下説明する。
抵抗R1と相互に接続された抵抗R2の中間接続点における電圧検出電圧V1の電圧は、電圧検出部111に入力電圧の値として供給される。また、ドライバ112は、電圧検出部111から供給される検出値に基づいて、MOS−FET(Q1)のゲート電圧をスイッチング制御する。
【0039】
調光回路120は、ゲートに電圧を加えることで電流の流れを制御するMOS−FET(Q2)と、ダイオードD2と、インダクタL2及びコンデンサC2からなる積分回路と、LEDランプ300に流れる電流を検出する抵抗R6と、後述するパルストランス123を制御するドライバ122と、方形波のパルス電圧を供給してMOS−FET(Q2)をスイッチングするパルストランス123とを備える。
【0040】
調光回路120の接続関係について、以下説明する。
相互に直列接続されたMOS−FET(Q2)及び逆接続されたダイオードD2とが、コンデンサC1の出力側端子と並列に接続されている。相互に直列接続されたインダクタL2及びコンデンサC2及び抵抗R6とが、ダイオードD2の出力側端子と並列に接続されている。
後段には、電圧検出回路124が、抵抗R4,R5が相互に直列接続されて形成されている。電圧検出回路124は、接続部1aと接地電位の間に並列に接続されている。
【0041】
調光回路120内での信号の流れについて、以下説明する。
抵抗R4と相互に接続された抵抗R5の中間接続点における電圧検出電圧V3は、制御部141に供給される。制御部141の出力端子は、フィードバック部142の入力に接続される。また、ドライバ122は、フィードバック部142から供給される検出値に基づいてパルストランス123を制御する。パルストランス123は、方形波のパルス電圧を供給してMOS−FET(Q2)のゲート電圧をスイッチング制御することにより、MOS−FET(Q2)をON、OFFする。
【0042】
上記で、パルストランス123はPWM信号のデューティ比を調節することにより、LEDに流れる電流を変化させて光源の明るさを制御している。
【0043】
調光コントローラ200は、PWM信号を出力し、調光度に応じてPWM信号のDuty比を変化させる。調光コントローラ200の出力は、点灯装置100内の調光インターフェース回路130の入力に接続されている。
【0044】
調光インターフェース回路130は、制御回路140に調光信号を供給するものである。その入力端子が調光コントローラ200の出力側、また、その出力端子が制御部141の入力側にそれぞれ接続されている。
【0045】
調光インターフェース回路130は、調光コントローラ200と点灯装置100との間で基準電圧や極性を合わせるなどして、調光コントローラ200からの電気信号を電圧レベル変換して、調光信号として後述する制御部141に供給する。
【0046】
制御回路140は、調光回路120を制御する制御部141と、抵抗R6に流れる電流を検出してドライバ122に検出値を供給するフィードバック部142とを備える。
【0047】
制御回路140の接続関係について、以下説明する。
制御部141の入力端子は、調光インターフェース回路130の出力(一方の入力端子)と、抵抗R4と相互に接続された抵抗R5の中間接続点(もう一方の入力端子)とに接続され、制御部141の出力端子は、フィードバック部142入力端子に接続されている。
【0048】
フィードバック部142の入力端子は、制御部141の出力端子に接続され、フィードバック部142の出力端子は、ドライバ122の入力端子に接続されている。
【0049】
制御回路140内での信号の流れについて、以下説明する。
制御回路140内での信号の流れについて、以下説明するに先立ち、制御回路140からの出力信号である指令値に関し、予め述べる。
【0050】
指令値には調光指令値と目標調光指令値との2種類あり、調光指令値は、電力供給回路の出力側の電気信号をフィードバック的に、制御回路140に供給する構成において、制御部141に入力される調光信号オンDutyに対応した調光率によって変化する値となっている。目標調光指令値は、電力供給回路が供給する出力電流値に対応した値で、固定的な値であり、調光指令値がフィードバック動作の都度生成されることに比較すると、いったん設定・決定された後は、フィードバック動作の都度変化するということではなく、時間に依存しない値である。
調光インターフェース回路130からは、調光信号が、制御部141に供給される。中間接続点からは、電圧検出電圧V3が、制御部141に供給される。
【0051】
制御部141は、調光インターフェース回路130を通して調光コントローラ200から入力される調光信号に基づいて、調光指令値を電圧値の電圧レベル(電圧信号)として算出する。この後、制御部141は調光制御信号を生成し、この調光指令値をフィードバック部142に供給する。
【0052】
後述するが、制御部141は記憶装置を内蔵し、その記憶装置の内部に変換テーブルを有し、目標調光指令値が格納されている(図
6参照)。この目標調光指令値は、電力供給回路からの出力電流に対応つけられた光源の供給電力の設定値に対応する。
【0053】
フィードバック部142は、抵抗R6から得られる電流検出電圧V4と調光指令値との差分から検出値を生成して、ドライバ122に供給する。ドライバ122は、フィードバック部142からの制御信号に基づいて動作し、このドライバ122からの制御信号に基づいてパルストランス123が動作する。パルストランス123は、制御信号を供給し、MOS−FET(Q2)のゲート電圧を制御してMOS−FET(Q2)がON,OFFされる。
【0054】
このように、フィードバック部142は、電流検出電圧V4と調光指令値との差分を比較して、抵抗R6に発生する電圧(接続部1aからLEDランプを介して、接続部へ流れる電流)が調光指令値と同じになるようにフィードバック制御する。具体的には、電流検出電圧V4が調光指令値よりも大きいと、ドライバ122はMOS−FET(Q2)のオンDutyを小さくし、電流検出電圧V4が調光指令値より小さいと、ドライバ122はMOS−FET(Q2)のオンDutyを大きくすることで、一定の電流となるように制御している。
【0055】
LEDランプ300の両端には、電源電位側となる接続部2aと、接地電位側となる接続部2bとが設けられている(これら接続部2a,2bを、総称して第2の接続部2と適宜記す。)。
この接続部2aと接続部2b間には、直列に接続されたLEDランプ300a,300bが接続されている。LEDランプ300a,300bは、複数のLED素子が内部で直列接続されて形成されており、通電するとLED素子が発光する。
【0056】
このとき、調光コントローラ200はLEDランプ300a,300bから発せられる光を検出する。調光コントローラ200は、点灯装置100の外部において調光インターフェース回路130の入力に接続され、フォトカプラなどの光電素子で構成される。
【0057】
調光コントローラ200は、光電変換によりLEDランプ300から得られる調光に関する調光信号を、調光インターフェース回路130に出力する。
【0058】
ここまでは点灯装置それ自体について述べてきたが、本発明の実施形態1に点灯装置100と併用可能な制御ユニット400につき、以下に述べる。
図4は、本実施の形態1の制御ユニットを示すブロック図である。
図5は、
図4の制御ユニットを
図1の点灯装置に接続した状態を示すブロック図である。
この制御ユニット400の構成と内部接続については、
図4に記載されているが、その具体的な説明に先立ち、制御ユニット400の基本的な使い方、機能につき、まず述べる。
この制御ユニット400は、
図5に示されるように、
図1の調光インターフェース回路130に代替的に、調光インターフェース回路130の入力側に接続される。
【0059】
この制御ユニット400の基本的な機能は、光源に対する定格供給電流などを書き換え、仕様変更する機能を有する。
【0060】
一般に、点灯装置100からの出力電流は過去の使用実績に基づいて、定格電流値として予め設定されており、通常はこの定格電流値に基づいて、出力電流が光源に供給される。
例えば、当初よりも光量が不足しており、さらに光量を増加させる必要がある場合など、何らかの理由により、この定格電流値を増加させる必要が生じた場合、光源へ供給する定格電流値を変更したい状況に対処するためにこの制御ユニット400が適用される。
【0061】
以下、制御ユニット400について、具体的に説明する。
この制御ユニット400は、入力側として点灯装置100の出力電流の値を外部から変更して調節するものであり、この制御ユニット400は、出力電流を測定する計測部410と、操作者が入力値を入力して出力電流の値を調節する設定部420と、入力値と出力電流値との差に基づいて差分±Δを計算する制御部430と、入力値と出力電流値や各種情報を表示する表示部440と、入力値と出力電流値との差分±Δを出力するポート機能を有する設定信号出力部450とから主に構成されている。
【0062】
さらに、制御ユニット400は、両端接続部2a,2bを有しており、第2の接続部2は、点灯装置100の出力側の第1の接続部1に接続可能となっている。
【0063】
制御ユニット400を構成する計測部410と、設定部420と、制御部430と、表示部440と、設定信号出力部450の個々の構成部品について、以下にそれぞれ説明する。
【0064】
計測部410は、接続部2aと接続部2bとの間に接続されており、計測部410は、点灯装置100が出力する出力電流を計測している。計測部410が、出力電流を計測するタイミングや回数は任意で構わない。
【0065】
設定部420は、ダイヤルスイッチ、ボタンスイッチあるいはタッチパネルから構成され、制御ユニット400内に自由に配置される。操作者は、設定部420を操作し光源に電力供給量を設定するための入力値を制御部430に入力する。
【0066】
制御部430は、その詳細動作は後述するが、入力値、出力電流値などの表示情報を表示部440へ出力する。
【0067】
表示部440は、制御部430に接続されており、その入力値と出力電流値との差分±Δを制御部430から出力される表示信号に基づいて表示する。
【0068】
前述の制御部430は、入力値と出力電流値とが等しいかを判断する。すなわち制御部430は、入力値と出力電流値が等しくないと判断した場合には、差分±Δを調節する調整信号を出力する。他方、入力値と出力電流値が等しいと判断した場合には、目標調光指令値に到達したと判断し、それ以降は調整信号を出力しない。
【0069】
設定信号出力部450は調整信号を出力するポートであり、その出力が調光インターフェース回路130の入力に接続されており、前述の制御部430からの判断結果を受け、
図5に示すように調整信号を調光インターフェース回路130に出力する。
【0070】
この制御ユニット400によれば、LEDランプ300から発せられる光から算出した出力電流と入力値とを比較して、出力電流の値が「小さい場合(暗い場合)」、すなわち制御部430は、入力値と出力電流値が等しくないと判断した場合には、差分±Δを調節する調整信号を出力する。これにより、設定信号出力部450から、調光インターフェース回路130、制御回路140の順にフィードバックをかけることにより、連動して出力電流を調節する。
【0071】
また、出力電流と入力値とを比較して、出力電流の値が「小さい場合(暗い場合)」、操作者が設定部420から入力値を直接入力して、点灯装置100からの出力電流値を調節することも可能である。
【0072】
制御ユニット400を点灯装置100に接続したときの回路図である図
5に基づき、制御ユニット400と制御部141との相互の関連動作につき述べる。出力電流の調節時には、第1の接続部1が第2の接続部2と接続され、制御ユニット400が点灯装置100と電気的に接続される。
【0073】
ところで、LEDランプ300に流れる出力電流は、前述の通りあらかじめ設定されているが、この出力電流を新たな出力電流に再調節する際には、操作者が設定部420から入力値を入力し、これに伴い設定信号出力部450から調整信号が出力されて、制御部141内の変換テーブルが更新される。この変換テーブルの更新により目標調光指令値が変更される。
【0074】
上記のように、制御部141は変換テーブルの更新内容に基づいて、フィードバック部142に調光指令値を電力供給回路に供給し、その結果、LEDランプ300に流れる出力電流を調節する。
【0075】
ここで、変換テーブルについて更に具体的に説明する。
変換テーブルの内容としては、設定部420から操作者の操作により入力される入力値[mA]と、光源への電力供給量が目標値として予め定められた目標調光指令値[V]と、計測部410で計測する出力電流[mA]とからなる。
【0076】
この変換テーブルの内容は、日々、時々刻々更新されており、調節作業のデータ、調節作業前後のデータが蓄積され、学習機能を持っている。入力値と目標調光指令値と出力電流とは、変換テーブルによって同一の日時で対応付けされている。また、後に説明する調節モード期間が終了するたびに変換テーブルは更新され、以降はその照度をLEDランプ300の調光100%のデフォルト出力状態(光源のスペック)として記憶される。
【0077】
なお、制御部141は、記憶装置の記憶容量に空きスペースが減少したと判断した場合に、不要と判断した過去の該当する対応付けデータを変換テーブルから削除していくようにしても良い。これにより、制御部141は記憶装置を有効に活用できる。
【0078】
次に、操作者が設定部420から入力値を入力して、設定信号出力部450から調整信号を出力することにより、制御部141内の変換テーブルを更新する手順について、図
6に基づき説明する。
【0079】
いま、初回電源投入時に、設定部420から入力された入力値が500mAであったとする。このとき同時に、目標調光指令値が0.3V、出力電流は500mAを示している。(時刻t0)
【0080】
この後、LEDランプ300の時間的な変化により出力電流が400mA相当の明るさに低下したとする。この場合
、操作者は第1の接続部1と第2の接続部2とを接続し、制御ユニット400と点灯装置100とを電気的に接続させ
、出力電流の低下を表示部440で確認する。この後、操作者は設定部420から入力値、例えば600mAを入力し、設定信号出力部450から調整信号を出力することにより制御部141内の変換テーブルの内容を更新する。変換テーブルの内容の更新により目標調光指令値が0.4Vにまで上昇する。これにより、出力電流が600mAとなり、LEDランプ300は500mA相当の明るさに回復する。(時刻t1)
【0081】
さらに、時間的な変化により時刻t2,時刻t3,時刻t4,時刻t5とLEDランプの明るさが低下した場合にも、操作者は設定部420からさらに入力値、例えば700mAを入力して、制御部141内の変換テーブルを再度更新する。これにより、目標調光指令値が0.5Vにまで上昇し、出力電流が500mA相当の明るさに回復する。(時刻t6)
【0082】
図
7では、本発明の実施の形態1に係る調節モード期間中、及び前後における調整信号のタイミングチャートについて説明する。図
7(a)は調光信号の時間的変化、図
7(b)は調整信号の出力を示す。横軸に時間[sec]、縦軸に電圧の振幅[V]が示される。
【0083】
説明に先立ち、設定信号出力部450から調整信号を出力することにより点灯装置100の出力電流を調節するモードを調節モード、この期間を調節モード期間と定義しておく。以降、この定義で説明を進める。ここでは、設定信号出力部450が、制御部141に符号化デジタル信号を調整信号として出力とする。
【0084】
符号化デジタル信号は、設定信号出力部450と変換テーブルとの間で、例えば、以下のように通信プロトコルを予め定めておく。
【0085】
設定信号出力部450が符号化デジタル信号(0000)を
調光インターフェース回路130を介して制御部141内の変換テーブルに出力したときは、調節モード期間が始まったことを示し、出力電流の調節を開始する。
【0086】
テーブル内容の更新と、調光指令値との関係について述べる。
設定信号出力部450が符号化デジタル信号(0001)を
調光インターフェース回路130を介して制御部141内の変換テーブルに出力したときは、出力電流値を増加させるよう現在の調光指令値から+0.1Vカウントアップした目標調光指令値に変換テーブルの内容を更新し、フィードバック部142に調光指令値を出力する。設定信号出力部450が符号化デジタル信号(0010)を
調光インターフェース回路130を介して制御部141内の変換テーブルに出力したときは、出力電流値を増加させるよう現在の調光指令値から+1.0Vカウントアップした目標調光指令値に変換テーブルの内容を更新し、フィードバック部142に調光指令値を出力する。設定信号出力部450が符号化デジタル信号(0100)を
調光インターフェース回路130を介して制御部141内の変換テーブルに出力したときは、出力電流値を増加させるよう現在の調光指令値から+10Vカウントアップした目標調光指令値に変換テーブルの内容を更新し、フィードバック部142に調光指令値を出力する。
【0087】
設定信号出力部450が符号化デジタル信号(1111)を変換テーブルに出力したときは、調節モード期間を終了することを示し、出力電流の調節が完了する。
【0088】
上記のように、通信プロトコルを予め定めた後、符号化デジタル信号の出力をトリガとし、目標調光指令値に到達するように少しずつ上昇される。目標調光指令値に到達するまでにステップに幅を設け、目標調光指令値に漸近するまでは、最初に10V間隔の大きなステップ幅で漸近させた後、目標調光指令値の近くまで近づいたところで、さらに1.0V,0.1V間隔の小さなステップ幅に自動的に切り換えて細やかに近づける。
【0089】
一例として、時間T=0から出力電流の調節を開始し、時間T=t4時に出力電流の調節が終了するまでの各時刻における調光信号、調整信号の出力の時間的変化を説明する。
【0090】
最初に、時間T=t0時に、設定信号出力部450が符号化デジタル信号(0000)を制御部141に出力すると、出力電流の調節を開始し、調節モード期間が始まる。
【0091】
調節モード期間中の動作は、以下のとおりである。
設定信号出力部450が符号化デジタル信号(0100)を出力すると、出力電流値を増加させるよう調光指令値を+10Vカウントアップした調光指令値に設定され、調光信号のパルス幅は狭く変化する(時間T=t1)。設定信号出力部450が符号化デジタル信号(0010)を出力すると、出力電流値を増加させるよう調光指令値を+1.0Vカウントアップした調光指令値に設定され、調光信号のパルス幅がさらに狭く変化する(時間T=t2)。設定信号出力部450が符号化デジタル信号(0001)を出力すると、出力電流値を増加させるよう調光指令値を+0.1Vカウントアップした調光指令値に設定され、調光信号のパルス幅が最も狭く変化する(時間T=t3)。
【0092】
最後に、時間T=t4時に、設定信号出力部450が符号化デジタル信号(1111)を出力すると、出力電流の調節が完了し、調節モード期間が終了する。
【0093】
このように、符号化デジタル信号の出力を調整信号として用い、調節モード期間中に点灯装置100の出力電流の調節することが可能となる。
【0094】
なお、上記の説明では、符号化デジタル信号を用いて、光源への電力供給量が目標値として予め定められた目標調光指令値に到達するまでに調光指令値をカウントアップしたが、カウントダウンさせても良いし、通信プロトコルも自由に設定されて良い。
【0095】
図
8は、本発明の実施の形態1において、調節モード期間中に変換テーブル更新する際
の処理を示したフローチャートである。図
5及び図
7を参照しながら動作を説明する。
【0096】
制御部141は、調光指令値をV=V0に初期化する(ステップS1A)。
これは、カウントアップが開始されたときに調光指令値を予めV=V0に初期化しておかないと、調光指令値が正しくカウントアップを開始できず、前回の調光指令値から累積された調光指令値となるのを防ぐためである。
【0097】
この後、制御部141は、調整信号の出力に応じて調光指令値のカウントアップを開始する(ステップS2A)。
【0098】
制御部141は、調光指令値のカウントアップを継続する(ステップS3A)。
【0099】
制御部430は、計測部410の出力電流の検出結果に基づいて、調光指令値が予め定められた出力電流値Xに到達したかどうかを判定する。(ステップS4A)。
【0100】
もし、S4Aにおいて、調光指令値が出力電流値Xに未到達と判断すると、調光指令値のカウントアップが必要ありと判断され、NOへ進み、S3Aに戻る。(ステップS4A)。
【0101】
すると、制御部141は、調光指令値のカウントアップが必要と識別し、制御部141内の記憶装置内の変換テーブルの調光指令値に調整信号の出力に応じて調光指令値をカウントアップする。そして、制御部141は調光指令値を出力する。
【0102】
S4Aにおいて、調光指令値が出力電流値Xに到達したと判断すると、YESへ進み、設定信号出力部450は、制御部141に調整信号として符号化デジタル信号(1111)を出力し、調節モード期間が終了する
。
【0103】
なお
、制御部141は調光指令値が出力電流値Xに到達したと判定した場合に
は、記憶部の変換テーブルに”そのときの調光指令値を調光100%として”記憶しておく。(ステップS5A)。
【0104】
これで、一連の処理が終了する。(エンド)。
【0105】
以上のように、実施の形態1の構成に更に制御ユニット400付加して、この制御ユニット400により点灯装置100の出力電流を自動的に調節するように構成すれば、出力電流を決定した後にも、出力電流の再設定(光源のスペックの書き換え)が容易になる。また、光源に制御ユニット400を接続すればよいので、外部電源や電池を用いず、作業効率が向上する。
【0106】
実施の形態2.
この実施の形態2の具体的説明に先立ち、実施の形態2の概要について述べる。
実施の形態2では、過去の実績値データに基づき、目標となる目標調光指令値の例えば80〜90%程度のレベルの調光指令値を第1の指令とし、残りの10〜20%については、電力供給回路の出力側の電気信号をフィードバック的に用いて供給値を微調整的に漸増させる。
【0107】
すなわち、実施の形態2では、電力供給回路の出力側の電気信号を制御回路側にフィードバック的に供給する動作(フィードバック動作)が後段の過程に部分的に適用され、いわばパーシャルタイムフィードバック(partial−time feedback)方式に相当する。
他方、実施の形態1では、電力供給開始から目標値への到達に至るまでの調節モード期間に亘って、フィードバック動作が実行されており、いわばフルタイムフィードバック(full−time feedback)方式に相当する。
【0108】
図
9は、本発明の実施の形態2に係る調節モード期間中、及び前後における調整信号のタイミングチャートであり、目標調光指令値に迅速に近づけるように調整信号の出力を変更する。具体的には、調整信号の出力が、符号化デジタル信号(0111)に変更されている。なお、実施の形態1と同様の構成には、同じ符号を付し説明は省略する。
【0109】
図
9(a)は調光信号の時間的変化、図
9(b)は調整信号の出力を示す。調節モード期間に、設定信号出力部450が出力する調整信号のタイミングチャートについて説明する。
【0110】
一例として、時間T=0から出力電流の調節が開始し、時間T=t4時に出力電流の調節が終了するまでの各時刻における調光信号、調整信号の出力の時間的変化を説明する。
【0111】
最初に、時間T=t0時に、設定信号出力部450が符号化デジタル信号(0000)を制御部141に出力すると、出力電流の調節を開始し、調節モード期間が始まる。
【0112】
設定信号出力部450が符号化デジタル信号(0111)を出力すると、出力電流値を増加させるよう調光指令値を+10Vカウントアップした調光指令値に設定され、調光信号のパルス幅は狭く変化する(時間T=t1)。
【0113】
最後に、時間T=t4時に、設定信号出力部450が符号化デジタル信号(1111)を出力すると、出力電流の調節が完了し、調節モード期間が終了する。
このように、符号化デジタル信号を調整信号として用い、調節モード期間中に点灯装置100の出力電流を調節することが可能となる。
【0114】
図
10は、本発明の実施の形態2において、調節モード期間中に変換テーブルを更新する際の処理を示したフローチャートである。実施の形態2では、変換テーブルの学習機能を使用しており、所望の出力電流に対応する目標調光指令値が既知である。
【0115】
このため、目標となる目標調光指令値の例えば80〜90%程度のレベルの調光指令値を第1の指令とし、残りの10〜20%につき、電力供給回路の出力側の電気信号をフィードバック的に用いて供給値を微調整的に漸増させるパーシャルタイムフィードバック(partial−time feedback)方式を適用して、予め定められた出力電流値Xに迅速に調節する。図
5及び図
9を参照しながら動作を説明する。
【0116】
制御部141は、調光指令値をV=V0に初期化する(ステップS1B)。
【0117】
この後、制御部141は、変換テーブルを参照して目標調光指令値の80〜90%程度のレベルの調光指令値を制御部141に出力する(ステップS2B)。
【0118】
調光指令値が出力電流値Xであるかを判定する(ステップS3B)。
S3Bにおいて、出力電流値Xでない(NO)場合、実施の形態1のS2A〜S4Aを繰り返してS5Aに進み、出力電流値Xである(YES)場合、S5Aに進む。このように、S3Bにおいて、調光指令値が出力電流値Xである場合、或いはS4Aにおいて、調光指令値が出力電流値Xに到達した場合、設定信号出力部450は、制御部141に調整信号として符号化デジタル信号(1111)を出力し、調節モード期間が終了する。(ステップS5A)。
【0119】
なお、S5Aにおいて、制御部141は、記憶部の変換テーブルに”そのときの調光指令値を調光100%として”記憶しておく。(ステップS5A)。
【0120】
これで、一連の処理が終了する。(エンド)。
【0121】
図9は、本発明の実施の形態1、実施の形態2において変換テーブル更新する際の目標調光指令値への漸近状態を比較した図である。
【0122】
実施の形態2では、変換テーブルの学習機能を使用して、所望の出力電流に対応する目標調光指令値が既知であるので、所望の出力電流に対応する調光指令値をダイレクトに設定する。このためオーバーシュート等することなく目標出力電流値Xに到達させることができる。
【0123】
図
11は、調節モード期間中において、出力電流に対応する調光指令値(電圧)が、予め定められた目標調光指令値に近づいていく時間的変化が示される。横軸に時間[sec]、縦軸に電圧[V]が示される。
【0124】
従来は、制御部141に複数個のディップスイッ
チが接続されており、従来、光源を点灯装置100に接続した後に、初期設定では照度が不足しており暗いと感じた場合には、操作者はディップスイッチSW1,SW2,SW3,SW4のうち、最適なものを選定、切り替えして出力電流値を調節していた。このため、調光指令値を段階制御で設定し、オーバーシュートしながら長い時間をかけて予め定められた出力電流値Xに到達させていた。(図
11(a))
【0125】
これに対して実施の形態1では、フルタイムのフィードバック回路を用いて、電力供給回路の出力側の電気信号を外部から無段階制御で再調節できる。このため、図
11(b)に示すように、調光指令値を複数の段階で自動的に設定し、出力電流値Xに一致するように滑らかに到達させることができる。
【0126】
さらに、実施の形態2では、変換テーブルの学習機能を使用して所望の出力電流に対応する目標調光指令値が過去の使用実績などの値から既知である。このため、図
11(c)に示すように、調光指令値を1つの段階でダイレクトに設定できる。仮に、所望の出力電流との間にずれがあった場合にも、微調整のための2〜3回程度のフィードバックによる値の算出で、出力電流値Xに一致するように迅速、かつ滑らかに到達させることができる。
【0127】
以上のように実施の形態2によれば、微調整のための2〜3回程度のパーシャルタイムフィードバック方式による値の算出で、出力電流値Xに一致するように迅速、かつ滑らかに調節できる。
【0128】
また、実施の形態1、及び実施の形態2において、調整信号で指定する値は出力電流と厳密に一致させる必要はなく、近似値を使用しても良い。この場合、制御部430は、デフォルト設定を複数準備し、調整信号で指定できる値のうち最も近いものを選択する方式とすることで、制御部430の記憶容量を有効に活用できる。
【0129】
さらに、この発明の主旨を逸脱しない範囲において、実施の形態1,2に開示された技術を適宜組み合わせても良いことは言うまでもない。
【0130】
なお、上述した実施の形態では、照明機器の点灯装置に関し、光源からの出力を調整できる調光機能つきの点灯装置について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、フィードバックを用いた異なる機器にも適用することができる。