(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御手段は、前記検知無効時間の経過後に前記検知手段が人物の離反を検知した場合、該検知から予め決められた離反後点灯時間の経過後に前記対象機器の駆動を停止させることを特徴とする請求項1に記載の自動販売機の制御装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した自動販売機に用いられる人感センサは、所定の検知可能領域において人物の移動を検知する機能を有するもので、自動販売機に対する人物の接近だけでなく、自動販売機に対する人物の離反も接近と区別なく検知してしまう。従って、自動販売機から離反する人物の移動に対しても自動販売機に対する接近として検知してしまい、照明機器を点灯させてしまう。このように自動販売機に対する人物の離反でも照明機器を点灯させてしまうことは、本来照明機器を点灯させる必要のない場合にも駆動させてしまうこととなり、結果的に消費電力量を良好に低減させることが困難であった。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みて、対象機器の消費電力量を低減させて省エネルギー化を図ることができる自動販売機の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る自動販売機の制御装置は、機内に収容された商品を販売する自動販売機に適用され、かつ自身の検知可能領域において前記自動販売機に対する人物の接近及び離反を検知可能な検知手段を備えた制御装置であって、対象機器を駆動停止にさせている状態において、前記検知手段が人物の接近を検知した場合には、前記対象機器を駆動させる一方、前記検知手段が人物の離反を検知した場合には、前記対象機器の駆動停止を維持させる制御手段を備えたことを特徴とする。
【0007】
また本発明は、上記自動販売機の制御装置において、前記制御手段は、前記検知手段が人物の接近を検知して前記対象機器を駆動させている場合に、前記検知から予め決められた検知無効時間が経過するまでは該検知手段が人物の離反を検知しても前記対象機器の駆動を維持することを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上記自動販売機の制御装置において、前記制御手段は、前記検知無効時間の経過後に前記検知手段が人物の離反を検知した場合、該検知から予め決められた離反後点灯時間の経過後に前記対象機器の駆動を停止させることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、上記自動販売機の制御装置において、前記検知手段は、前記自動販売機に対する人物の待機を検知可能なものであり、前記制御手段は、前記検知手段が人物の待機を検知した場合には、前記対象機器を予め決められたパターンに従って駆動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、制御手段は、対象機器を駆動停止にさせている状態において、検知手段が人物の接近を検知した場合には対象機器を駆動させる一方、検知手段が人物の離反を検知した場合には対象機器の駆動停止を維持させるので、人物の接近を検知した場合にのみ対象機器を駆動させることができ、従来の自動販売機では困難であった人物の離反時に対象機器の駆動停止を維持させることができる。これにより対象機器に要する消費電力量を良好に低減させることができる。従って、対象機器の消費電力量を低減させて省エネルギー化を図ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る自動販売機の制御装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態である制御装置を適用した自動販売機の特徴的な構成を示すブロック図である。ここで例示する制御装置は、例えば缶入り飲料やペットボトル入り飲料等の容器入りの飲料を商品として販売する自動販売機に適用されるものである。
【0014】
自動販売機の本体キャビネット(図示せず)には、複数の商品収納ラック10が設けられており、これら商品収納ラック10にコラムが設定されている。コラムは、同一種類の商品が収容される収容単位であり、販売する商品に応じて1若しくは複数の商品収納ラック10が対応している。商品収納ラック10には、それぞれに収容した商品の払出制御を行うためのベンドメック10aが設けられているとともに、個々のベンドメック10aに商品の売り切れを検出する売切センサ10bが設けられている。ここでベンドメック10a及び売切センサ10bは、コラム毎に設けられている。
【0015】
図1に示すように、上記自動販売機には、選択ボタン11、一体表示器12、価格表示器13、販売可能ランプ14、売切ランプ15、貨幣処理装置16及び照明機器17が設けられている。
【0016】
選択ボタン11は、利用者が購入商品を選択するためのものであり、本体キャビネットの前面開口を開閉する外扉(図示せず)の前面において、商品見本に対応してそれぞれ設けられている。これら選択ボタン11は、押圧操作されることで出力信号を後述する制御手段20に出力するものである。
【0017】
一体表示器12は、上記選択ボタン11と同様に外扉の前面に配設されており、例えば液晶表示器によって構成されている。この一体表示器12は、投入金額や釣銭金額等を表示するためのものである。
【0018】
価格表示器13は、上記選択ボタン11と同様に外扉の前面において、商品見本及び選択ボタン11に対応してそれぞれ設けられている。これら価格表示器13は、それぞれコラムに対応付けられるものであり、制御手段20から与えられる指令に応じて該当するコラムに収容された商品の価格を表示する価格表示手段である。
【0019】
販売可能ランプ14は、それぞれ選択ボタン11に対応して設けられており、該選択ボタン11に内蔵された光源である。これら販売可能ランプ14は、制御手段20から与えられる点灯指令により点灯するものである。
【0020】
売切ランプ15は、利用者に対して商品が売り切れであるか否かを表示するためのものであり、販売可能ランプ14と同様にそれぞれ選択ボタン11に対応して設けられている。これら売切ランプ15は、該選択ボタン11に内蔵された光源である。
【0021】
貨幣処理装置16は、コインメカニズムやビルバリデータと称されるものであり、利用者によって貨幣が投入された場合にこれを鑑別し、その鑑別結果を制御手段20に出力するものである。
【0022】
照明機器17は、外扉における商品見本が展示された展示室、あるいは外扉の前面において広告等を展示する広告室に配設されたLEDや蛍光灯等により構成されるものである。かかる照明機器17は、制御手段20から与えられる指令に基づいて点灯及び消灯するものである。尚、本実施の形態においては、かかる照明機器17を後述する制御手段20の対象機器として説明する。
【0023】
また上記自動販売機には、制御装置として人感センサ18及び制御手段20が設けられている。
【0024】
人感センサ18は、本体キャビネットに配設されている。この人感センサ18は、いわゆるドップラー型センサと称されるもので、電磁波を放射して人物等の対象物で反射された反射波を受信して、周波数変化により人物の移動を検知する検知手段である。つまり、この人感センサ18では、自身の検知可能領域において自動販売機に対する人物の接近、待機及び離反を検知することができる。かかる人感センサ18は、自動販売機に対する人物の接近、待機及び離反のいずれかを検知した場合には、検知した旨の出力信号を制御手段20に与えるものである。
【0025】
ここで、人感センサ18が検知する「接近」は、対象物である人物が自動販売機に近づくよう移動する状態のことであり、人感センサ18が検知する「待機」は、自動販売機に近づくよう移動した人物が該自動販売機の前で立っている状態のことであり、人感センサ18が検知する「離反」は、対象物である人物が自動販売機から離れるよう移動する状態のことをいう。
【0026】
制御手段20は、売切センサ10b、選択ボタン11、貨幣処理装置16、人感センサ18から出力信号が与えられた場合、予めメモリ30に格納したプログラムやデータに従って商品収納ラック10のベンドメック10a、一体表示器12、価格表示器13、販売可能ランプ14、売切ランプ15、照明機器17の動作を制御するもので、入力制御部21、出力制御部22、販売制御部23を備えて構成されている。
【0027】
入力制御部21は、人感センサ18の出力信号を入力処理するものである。出力制御部22は、入力制御部21を通じて人感センサ18からの出力信号に応じた入力処理が行われた場合にメモリ30に格納された点灯パターンに従って照明機器17の点灯制御を行うものである。
【0028】
ここでメモリ30には、検知無効時間(A)、点灯保持時間(B)及び離反後点灯時間(C)に関する情報が格納されている。検知無効時間(A)は、当該時間の経過中において、人感センサ18による人物の接近、待機及び離反の検知を無効にするための時間である。点灯保持時間(B)は、照明機器17を通常点灯させておくための時間である。離反後点灯時間(C)は、照明機器17が通常点灯した状態で人感センサ18が人物の離反を検知した場合に、当該時間の経過中において照明機器17を通常点灯させておくための時間である。
【0029】
販売制御部23は、商品の販売に関わる処理を統括的に制御するものである。より詳細に説明すると、販売制御部23は、貨幣処理装置16に貨幣が投入された場合、投入貨幣が販売価格以上となった時点で、メモリ30等に格納された情報に基づいて該当する選択ボタン11を有効化して販売可能ランプ14を点灯(常時点灯)する。有効化した選択ボタン11が押圧操作された場合、押圧操作された選択ボタン11の販売可能ランプ14を点滅点灯させてから対応付けられたコラムの商品収納ラック10に設けられたベンドメック10aを動作させて商品を1つずつ払い出す動作を行う。また、販売制御部23は、売切センサ10bを通じて商品収納ラック10の商品を監視し、商品無しを検出した場合、該当するコラムの売切ランプ15を点灯して売切状態であることを報知する処理を行う。
【0030】
図2は、上述した制御手段20が実施する照明機器制御処理の処理内容を示すフローチャートである。かかる照明機器制御処理について述べながら自動販売機の制御装置の動作について説明する。
【0031】
この照明機器制御処理において制御手段20は、人感センサ18からの出力信号待ちとなる(ステップS101)。そして、人感センサ18が人物の接近を検知した場合(ステップS101:Yes,ステップS102:Yes)、制御手段20は、以前の照明機器制御処理で計測を開始した点灯保持時間(B)及び離反後点灯時間(C)の計測を解除するとともに、出力制御部22を通じて照明機器17を通常点灯させる(ステップS103,ステップS104)。
【0032】
このように照明機器17を通常点灯させた後、制御手段20は、内蔵する時間計測部を通じて検知無効時間(A)の計測を開始し(ステップS105)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
【0033】
これによれば、制御手段20が照明機器17を通常点灯させるので、外扉の展示室及び広告室を明るくすることができ、商品見本や広告の視認性を向上させることができる。また、制御手段20が検知無効時間(A)の計測を継続することとなる。
【0034】
人感センサ18が人物の離反を検知した場合(ステップS101:Yes,ステップS102:No,ステップS106:Yes)、制御手段20は、検知無効時間(A)が経過しているか否かを判断する(ステップS107)。
【0035】
検知無効時間(A)が経過していない場合(ステップS107:No)、制御手段20は後述する処理を実施することなく手順をリターンさせて今回の処理を終了する。これにより、制御手段20は、照明機器17を通常点灯させている場合に、検知無効時間(A)が経過するまでは人感センサ18が人物の離反を検知しても照明機器17の通常点灯を維持することとなる。
【0036】
その一方、検知無効時間(A)が経過している場合(ステップS107:Yes)、制御手段20は、照明機器17が消灯中であるか否かを判断する(ステップS108)。照明機器17が消灯中である場合(ステップS108:Yes)、制御手段20は、照明機器17の消灯を維持し(ステップS109)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
【0037】
このように照明機器17が消灯中の場合には、人感センサ18が人物の離反を検知した場合には照明機器17の消灯を維持している。
【0038】
上記ステップS108において照明機器17が消灯中でない場合(ステップS108:No)、すなわち照明機器17が点灯中の場合、制御手段20は、離反後点灯時間(C)の計測を開始し(ステップS110)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。これにより、制御手段20が離反後点灯時間(C)の計測を継続することとなる。
【0039】
人感センサ18が人物の待機を検知した場合(ステップS101:Yes,ステップS102:No,ステップS106:No,ステップS111:Yes)、制御手段20は、通常点灯中であるか否かを判断する(ステップS112)。通常点灯中ではない場合(ステップS112:No)、制御手段20は、後述する処理を実施することなく手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
【0040】
その一方、通常点灯中である場合(ステップS112:Yes)、すなわち前回の照明機器制御処理で接近を検知して通常点灯している場合、制御手段20は、内蔵する時間計測部を通じて点灯保持時間(B)の計測を開始し(ステップS113)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。これにより、制御手段20が点灯保持時間(B)の計測を継続することとなる。
【0041】
ところで、人感変化があっても人感センサ18により人物の接近、離反及び待機のいずれも検知されない場合(ステップS101:Yes,ステップS102:No,ステップS106:No,ステップS111:No)、制御手段20は、上述した処理を行うことなく手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
【0042】
一方、人感センサ18が人感変化を検知することなく点灯保持時間(B)若しくは離反後点灯時間(C)が経過した場合(ステップS101:No,ステップS114:Yes)、制御手段20は、照明機器17を消灯させ(ステップS115)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
【0043】
これによれば、人感センサ18が点灯保持時間(B)若しくは離反後点灯時間(C)が経過するまでに照明機器17を消灯させることができる。特に、点灯保持時間(B)の経過中に離反後点灯時間(C)が経過した場合は、人感センサ18が人物の離反を検知した後において人物が自動販売機の前からいなくなった後に照明機器17を無駄に通常点灯させてしまうことを回避することができる。
【0044】
以上説明したように本実施の形態である制御装置によれば、制御手段20が、照明機器17を消灯させている状態において、人感センサ18が人物の接近を検知した場合には照明機器17を通常点灯させる一方、人感センサ18が人物の離反を検知した場合には照明機器17の消灯を維持させるので、人物の接近を検知した場合にのみ照明機器17を通常点灯させることができ、従来の自動販売機では困難であった人物の離反時に照明機器の消灯を維持させることができる。これにより照明機器17に要する消費電力量を良好に低減させることができる。従って、照明機器17の消費電力量を低減させて省エネルギー化を図ることができる。
【0045】
上記制御装置によれば、制御手段20は、照明機器17を通常点灯させている場合に、検知無効時間(A)が経過するまでは人感センサ18が人物の離反を検知しても照明機器17の通常点灯を維持するので、照明機器17の通常点灯のきっかけとなった人物が自動販売機に接近した直後に僅かに離反してしまうことで照明機器17を消灯してしまうことを回避でき、利用者の利便性を向上させることができる。
【0046】
上記制御装置によれば、制御手段20は、検知無効時間(A)の経過後に人感センサ18が人物の離反を検知した場合、検知から離反後点灯時間(C)の経過後に照明機器17を消灯しているので、利用者が自動販売機からある程度離れるまでは照明機器17を点灯させておくができ、これにより利用者に対して安心感を与えることができる。
【0047】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
【0048】
上述した実施の形態では、照明機器17を対象機器として説明したが、本発明においては、かかる照明機器17だけに限られず、貨幣処理装置16や販売待機状態においてはオフ状態にしてよい機器を対象機器としてもよい。
【0049】
上述した実施の形態では、人感センサ18は人物の接近、待機及び離反を検知するものであったが、本発明においては、人物の接近速度や離反速度等を検知することが検知手段を用いてもよく、かかる速度によって対象機器の駆動状態を切り換えるようにしてもよい。
【0050】
上述した実施の形態では、検知無効時間(A)、点灯保持時間(B)及び離反後点灯時間(C)の具体的な長さについて詳細に述べていないが、これら各時間は適宜設定できるものであることが好ましい。
【0051】
上述した実施の形態では、待機を検知した場合に、通常点灯中であるか否かを判断していたが、本発明においては、待機を検知した場合に、メモリに格納された所定のパターンに従って照明機器をパターン点灯させてもよい。ここでパターン点灯としては、点滅点灯や通常点灯とは異なる色での点灯、あるいは様々な色を順次点灯させるイルミネーション点灯等があり、メモリに格納されたものが行われることとなる。これによれば、人感センサが人物の待機を検知した場合、すなわち自動販売機の前に人物が立っている場合には、照明機器を所定のパターン点灯させることで、演出効果を向上させることができ、これにより利用者に対して商品の購入をアピールしたり、購買意欲を喚起させたりすることができる。