特許第6331461号(P6331461)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6331461
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】給湯暖房装置
(51)【国際特許分類】
   F24D 3/08 20060101AFI20180521BHJP
   F24D 17/00 20060101ALI20180521BHJP
   F23N 5/00 20060101ALI20180521BHJP
   F23N 5/02 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   F24D3/08 K
   F24D17/00 P
   F23N5/00 Q
   F23N5/02 350E
【請求項の数】2
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-33665(P2014-33665)
(22)【出願日】2014年2月25日
(65)【公開番号】特開2015-158324(P2015-158324A)
(43)【公開日】2015年9月3日
【審査請求日】2017年1月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】金城 貴信
(72)【発明者】
【氏名】山下 諭
(72)【発明者】
【氏名】木村 艶隆
(72)【発明者】
【氏名】福井 秀和
(72)【発明者】
【氏名】森本 量
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 向生
(72)【発明者】
【氏名】藤川 泰
(72)【発明者】
【氏名】吉川 昌吾
【審査官】 大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−008524(JP,A)
【文献】 特開2012−078060(JP,A)
【文献】 特開2003−336904(JP,A)
【文献】 特開2001−116267(JP,A)
【文献】 特開2007−285625(JP,A)
【文献】 特開2013−217604(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24D1/00−3/18,17/00−19/10
F24H1/48−1/52
F23N5/00−5/06,5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源機と、この熱源機で燃焼加熱した湯水を循環させる熱利用循環回路と、外部の温水暖房端末に暖房水を循環供給する温水暖房回路と、前記熱利用循環回路と前記温水暖房回路との間で熱交換を行う暖房用熱交換器とを備えた給湯暖房装置において、
暖房運転中に、前記熱源機のバーナーを構成する複数の燃焼段の全て又は大部分を使用して燃焼を行うと共に前記温水暖房端末の暖房負荷に応じて前記熱源機を比例燃焼制御又はオンオフ燃焼制御する大燃焼モードと、この大燃焼モードの燃焼領域よりも狭く且つ非燃焼領域よりも広い燃焼領域に設定すると共に前記温水暖房端末の暖房負荷に応じて前記熱源機を比例燃焼制御又はオンオフ燃焼制御する中燃焼モードとを有する温水暖房制御手段を備え、
前記温水暖房制御手段は、設定期間中における前記オンオフ燃焼制御のオンオフ回数が設定回数を超えた場合、又は、前記オンオフ燃焼制御の1サイクル時間が設定時間を下回った場合、前記大燃焼モードから前記中燃焼モードに切り換えることを特徴とする給湯暖房装置。
【請求項2】
湯水を貯留可能な貯湯タンクを備え、
前記温水暖房制御手段は、前記中燃焼モードの燃焼段数を維持した状態で、前記オンオフ燃焼制御のオン期間では、前記熱源機から出力される高温の湯水の一部を前記貯湯タンクの上部に戻し、前記貯湯タンクの下部から低温の湯水を前記熱利用循環回路に供給することで前記熱源機に流入する湯水温度を低下させ、前記オンオフ燃焼制御のオフ期間では、前記貯湯タンクの湯水を前記暖房用熱交換器に循環供給して暖房運転を行う貯湯タンク蓄放熱モードを有し、
前記温水暖房制御手段は、設定期間中における前記オンオフ燃焼制御のオンオフ回数が設定回数を超えた場合、又は、前記オンオフ燃焼制御の1サイクル時間が設定時間を下回った場合、前記中燃焼モードから前記貯湯タンク蓄放熱モードに切り換えることを特徴とする請求項1に記載の給湯暖房装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は給湯暖房装置に関し、特に熱源機の必要燃焼量に応じて比例燃焼制御から燃焼を間欠的に行うオンオフ燃焼制御に切換え可能なものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、貯湯、給湯、床暖房パネル等の温水暖房端末への暖房水の供給等の機能を備えた給湯暖房装置が広く一般に普及している。この給湯暖房装置は、外部熱源機又は内部熱源機により加熱された湯水を貯留する貯湯タンク、貯湯タンクの湯水を加熱する補助熱源機、この貯湯タンクに低温の上水を供給する給水系通路、貯湯タンクに貯留された湯水を給湯栓等の所望の給湯先に供給する給湯系通路、暖房水を温水暖房端末に循環供給する温水暖房回路、温水暖房回路の暖房水を加熱する熱利用循環回路等を備えている。
【0003】
熱利用循環回路と温水暖房回路との間には、暖房用熱交換器が設置されている。暖房運転時、補助熱源機によって加熱された湯水は、熱利用循環回路を流れて暖房用熱交換器を介して温水暖房回路を流れる暖房水を加熱し、この加熱された暖房水は、温水暖房端末に循環供給される。一般的に、補助熱源機を燃焼させて湯水を加熱する場合、補助熱源機に流入する湯水温度を検出し、この湯水温度に応じて補助熱源機から設定温度の湯水が出力されるように補助熱源機の燃焼量を比例燃焼制御している。
【0004】
ところで、暖房運転時に温水暖房端末の暖房負荷が低く、補助熱源機に戻る湯水温度が低下しない場合(補助熱源機から出力される湯水温度と補助熱源機に流入する湯水温度との温度差が小さい場合)、上記の比例燃焼制御の範囲内の最小燃焼量よりも低い燃焼量で湯水を加熱する必要性が生じる。この場合、比例燃焼制御から補助熱源機の燃焼を間欠的に行うオンオフ燃焼制御に切り換えて湯水の加熱を行う。しかし、補助熱源機をオンオフ燃焼制御して間欠的な燃焼を行っても燃焼量過多になる場合がある。
【0005】
そこで、上記の問題を解決するために、例えば、特許文献1の温水暖房システムの燃焼制御方法では、通常比例燃焼範囲で比例燃焼させる通常比例燃焼モードと、通常比例燃焼範囲の最小燃焼量よりも低い拡張最小燃焼量を設定した拡張比例燃焼範囲で比例燃焼させる拡張比例燃焼モードとを備え、熱源機のオンオフ燃焼制御の燃焼オン・燃焼オフの1サイクル時間が短くなった場合、通常比例燃焼モードから拡張比例燃焼モードに切換え、燃焼量を更に低減することで、1サイクル時間を延ばす技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許4222271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の熱源機には、出力能力の低い単機能のものが使用され、暖房運転時にバーナーを構成する複数の燃焼管の全てを使用して比例燃焼しているが、暖房機能に加えて給湯機能や風呂追焚機能等を備えた給湯暖房装置の場合、熱源機には、出力能力の高い複数の燃焼段を備えたものが使用される。このため、給湯暖房装置において暖房運転を単独で実行する場合、熱源機の全ての燃焼段を燃焼すると、燃焼量が多くなり過ぎるので、燃焼段の段数(燃焼管の燃焼本数)を低減して比例燃焼制御することが望ましい。
【0008】
しかし、熱源機の燃焼段の段数(燃焼管の燃焼本数)を低減すると、燃焼段の非燃焼部分から加熱されていない空気が湯水加熱用の熱交換器に供給されて冷却されるため、熱交換効率が悪化するという問題がある。この問題を解決する為に、燃焼段の段数(燃焼管の燃焼本数)を増やして燃焼を行いたいが、燃焼領域を増やすと直ぐに燃焼量過多で燃焼オン、燃焼オフを繰り返すことになり、熱源機の耐久性が低下する。一方で、燃焼領域を増やした上で燃焼量を低くすると、バーナーで発生する火炎の長さが極端に短くなり、安定した燃焼状態を維持するのが困難になる。特許文献1の単機能の熱源機も同様に、燃焼量を低くしていくと安定した燃焼状態を維持するのが困難になる。
【0009】
本発明の目的は、給湯暖房装置において、熱源機の燃焼量過多を防止して、オンオフ燃焼制御の燃焼オン・燃焼オフの繰り返し頻度を低減可能なもの、熱源機の熱交換効率の極端な低下を防止可能なもの、安定した燃焼状態を維持可能なもの、等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の給湯暖房装置は、熱源機と、この熱源機で燃焼加熱した湯水を循環させる熱利用循環回路と、外部の温水暖房端末に暖房水を循環供給する温水暖房回路と、前記熱利用循環回路と前記温水暖房回路との間で熱交換を行う暖房用熱交換器とを備えた給湯暖房装置において、暖房運転中に、前記熱源機のバーナーを構成する複数の燃焼段の全て又は大部分を使用して燃焼を行うと共に前記温水暖房端末の暖房負荷に応じて前記熱源機を比例燃焼制御又はオンオフ燃焼制御する大燃焼モードと、この大燃焼モードの燃焼領域よりも狭く且つ非燃焼領域よりも広い燃焼領域に設定すると共に前記温水暖房端末の暖房負荷に応じて前記熱源機を比例燃焼制御又はオンオフ燃焼制御する中燃焼モードとを有する温水暖房制御手段を備え、前記温水暖房制御手段は、設定期間中における前記オンオフ燃焼制御のオンオフ回数が設定回数を超えた場合、又は、前記オンオフ燃焼制御の1サイクル時間が設定時間を下回った場合、前記大燃焼モードから前記中燃焼モードに切り換えることを特徴としている。
【0011】
請求項2の給湯暖房装置は、請求項1の発明において、湯水を貯留可能な貯湯タンクを備え、前記温水暖房制御手段は、前記中燃焼モードの燃焼段数を維持した状態で、前記オンオフ燃焼制御のオン期間では、前記熱源機から出力される高温の湯水の一部を前記貯湯タンクの上部に戻し、前記貯湯タンクの下部から低温の湯水を前記熱利用循環回路に供給することで前記熱源機に流入する湯水温度を低下させ、前記オンオフ燃焼制御のオフ期間では、前記貯湯タンクの湯水を前記暖房用熱交換器に循環供給して暖房運転を行う貯湯タンク蓄放熱モードを有し、前記温水暖房制御手段は、設定期間中における前記オンオフ燃焼制御のオンオフ回数が設定回数を超えた場合、又は、前記オンオフ燃焼制御の1サイクル時間が設定時間を下回った場合、前記中燃焼モードから前記貯湯タンク蓄放熱モードに切り換えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、温水暖房制御手段は、設定期間中におけるオンオフ燃焼制御のオンオフ回数が設定回数を超えた場合、又は、オンオフ燃焼制御の1サイクルが設定時間を下回った場合、大燃焼モードから中燃焼モードに切り換えるので、温水暖房端末の暖房負荷が低く、オンオフ燃焼制御の1サイクル時間が短くなって燃焼オン・燃焼オフが頻繁に繰り返される状態になる前に、熱源機の燃焼量を自動的に低下させることができる。
【0013】
従って、熱源機の燃焼量を低下させることで、燃焼オン状態のオン期間を延ばし、オンオフ燃焼制御の1サイクル時間を延ばすことができ、燃焼オン・燃焼オフの繰り返し頻度が低減されるので、熱源機の耐久性の低下を防止すると共に、中燃焼モードでは、大燃焼モードの燃焼領域よりも狭く且つ非燃焼領域よりも広い燃焼領域に設定するので、熱源機の熱交換効率の極端な低下を防止することができる。
【0014】
請求項2の発明によれば、貯湯タンク蓄放熱モードによる暖房運転時、オンオフ燃焼制御のオン期間では、熱源機から出力される高温の湯水の一部を貯湯タンクの上部に戻し、貯湯タンクの下部から低温の湯水を熱利用循環回路に供給することで熱源機に流入する湯水温度を低下させるので、熱源機の燃焼量を維持しつつ、燃焼オン状態のオン期間を延ばすことができ、熱源機の燃焼量を極端に低くする必要がないので、安定した燃焼状態を維持することができる。
【0015】
さらに、貯湯タンク蓄放熱モードによる暖房運転時、オンオフ燃焼制御のオフ期間では、貯湯タンクの湯水を暖房用熱交換器に循環供給して暖房運転を行うので、熱源機に流入する湯水温度の急激な低下を防止することで、燃焼オフ状態のオフ期間を延ばすことができる。即ち、中燃焼モードの燃焼段数を維持した状態で、貯湯タンクを高温の湯水のバッファとして利用することで、オンオフ燃焼制御の1サイクル時間を延ばすことができる。
【0016】
加えて、温水暖房制御手段は、中燃焼モードにおいて設定期間中におけるオンオフ燃焼制御のオンオフ回数が設定回数を超えた場合、又は、オンオフ燃焼制御の1サイクル時間が設定時間を下回った場合、中燃焼モードから貯湯タンク蓄放熱モードに切り換えるので、中燃焼モードでオンオフ燃焼制御の燃焼オン・燃焼オフが頻繁に繰り返されるようになると、貯湯タンクを利用して1サイクル時間を延ばす制御を自動的に行える。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例に係る給湯暖房装置が組み込まれたコージェネレーションシステムの概略構成図である。
図2】給湯暖房装置の概略構成図である。
図3】貯湯タンク蓄放熱モードによる暖房運転時の燃焼オン状態における給湯暖房装置の概略構成図である。
図4】貯湯タンク蓄放熱モードによる暖房運転時の燃焼オフ状態における給湯暖房装置の概略構成図である。
図5】暖房運転制御のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
【実施例】
【0019】
先ずは、本発明の給湯暖房装置3の全体構成について説明する。
図1図4に示すように、給湯暖房装置3は、貯湯、給湯、浴槽への給湯及び浴槽の追焚き、床暖房パネル等の温水暖房端末10への暖房水の供給等の機能を有するものであり、貯湯タンク4、補助熱源機5、風呂熱利用熱交換器6、暖房熱利用熱交換器7、給水系通路8、給湯系通路9、注湯通路11、風呂追焚回路12、温水暖房回路13、熱利用循環回路14、排熱回収循環回路15、制御ユニット45等を備え、これら大部分は外装ケース16内に一体的に収納されている。
【0020】
尚、図1に示すように、給湯暖房装置3は、外部熱源機として貯湯タンク4内の湯水を加熱可能な燃料電池発電装置2と、この燃料電池発電装置2と給湯暖房装置3との間に湯水を循環させる為の排熱回収循環回路15等と組み合わせることで燃料電池コージェネレーションシステム1が構成されるが、給湯暖房装置3以外の構成の詳細な説明は省略する。
【0021】
次に、貯湯タンク4について説明する。
貯湯タンク4は、外部熱源機で加熱された高温の湯水(例えば、65〜90℃)を貯留可能な密閉タンクで構成され、貯留された湯水の放熱を防ぐ為にタンク周囲は断熱材で覆われている。貯湯タンク4の外周部には、下側から上側に向かって等間隔に複数の湯水温度検出センサ4a〜4dが順に設けられ、これら複数の湯水温度検出センサ4a〜4dにより貯湯タンク4内の複数の貯留層の湯水温度が検出される。
【0022】
次に、補助熱源機5について説明する。
補助熱源機5(熱源機に相当する)は、バーナーや熱交換器等を内蔵した公知のガス給湯器で構成されている。補助熱源機5は、追焚き運転時、暖房運転時、給湯運転時に貯湯タンク4内の湯水温度が低下した場合等の特別な場合に限り、制御ユニット45から指令が送信されて燃焼作動され、湯水を加熱するものである。
【0023】
補助熱源機5は、燃焼用空気を供給する為の送風ファン5a、燃料ガスを燃焼させる多段式のバーナーユニット5b、燃焼ガスの主として顕熱を回収する顕熱回収用熱交換器5c、顕熱回収後の燃焼排気ガスの主として潜熱を回収する潜熱回収用熱交換器5d、潜熱回収用熱交換器5dで発生したドレン水を回収するドレン水回収部5e等を備えている。
【0024】
バーナーユニット5bは、複数段の(例えば5段)の燃焼段を備えた多段式に構成されている。各燃焼段は、例えば3本の燃焼管を備え、制御ユニット45によって単独で制御可能であり、各種の運転に応じて燃焼作動される燃焼段の段数が調整される。
【0025】
次に、風呂熱利用熱交換器6と暖房熱利用熱交換器7について説明する。
風呂熱利用熱交換器6は、風呂追焚回路12を流れる浴槽水を加熱するものであり、熱利用循環回路14の一部となる1次側熱交換通路部6a、風呂追焚回路12の一部となる2次側熱交換通路部6bを有している。風呂熱利用熱交換器6において、熱利用循環回路14を流れる高温の湯水と風呂追焚回路12を流れる浴槽水との間で熱交換され、浴槽水は加熱される。
【0026】
暖房熱利用熱交換器7は、温水暖房回路13を流れる暖房水を加熱するものであり、熱利用循環回路14の一部となる1次側熱交換通路部7a、温水暖房回路13の一部となる2次側熱交換通路部7bを有している。暖房熱利用熱交換器7において、熱利用循環回路14を流れる高温の湯水と温水暖房回路13を流れる暖房水との間で熱交換され、暖房水は加熱される。
【0027】
次に、給水系通路8について説明する。
給水系通路8は、上水源から低温の上水を貯湯タンク4等に供給するものであり、上流給水通路部8a、中間給水通路部8b、下流給水通路部8cを有し、上流端が上水源に接続され、下流端が貯湯タンク4の下部に接続されている。上流給水通路部8aには、減圧弁8dが設置され、中間給水通路部8bには、逆止弁8eが設置されている。
【0028】
上流給水通路部8aと中間給水通路部8bとの間から給湯系通路9に接続するバイパス通路部17が分岐されている。バイパス通路部17には、逆止弁17aが設置されている。中間給水通路部8bと下流給水通路部8cとの間から熱利用循環回路14に接続するバイパス通路部18が分岐されている。この分岐部には、蓄熱切換弁19が設置されている。このバイパス通路部18により、低温の上水を熱利用循環回路14に供給することができ、また逆に、熱利用循環回路14から湯水を貯湯タンク4に戻すことができる。
【0029】
次に、給湯系通路9について説明する。
給湯系通路9は、貯湯タンク4に貯湯された湯水を風呂等の所望の給湯先に供給するものであり、給湯栓に接続される給湯通路21、貯湯タンク4の上部から給湯通路21に接続されるタンク出湯通路22、このタンク出湯通路22から分岐され燃焼式の補助熱源機5に接続される補助加熱通路23、補助熱源機5から給湯通路21に接続される補助熱源機出湯通路24等を有している。
【0030】
給湯通路21は、高温の湯水が流れる上流給湯通路部21a、混合湯水が流れる中間給湯通路部21b及び下流給湯通路部21cを有し、上流端がタンク出湯通路22に接続され、下流端が給湯栓に接続されている。
【0031】
上流給湯通路部21aと中間給湯通路部21bとの間に混合弁25が設置されている。この混合弁25に給水系通路8から分岐したバイパス通路部17が接続されている。混合弁25は、出湯温度が指令温度になるように低温の上水と高温の湯水の混合比を制御するものである。中間給湯通路部21bには、流量センサ21dと出湯水比例弁26が設置されている。バイパス通路部17から分岐した分岐通路部27が中間給湯通路部21bに接続され、分岐通路部27には、高温出湯回避電磁弁28が設置されている。
【0032】
タンク出湯通路22は、上流出湯通路部22a、下流出湯通路部22bを有し、上流端が貯湯タンク4の上部に接続され、下流端が給湯通路21に接続されている。上流出湯通路部22aと下流出湯通路部22bとの間から補助加熱通路23が分岐されている。
【0033】
補助加熱通路23は、上流加熱通路部23a、下流加熱通路部23bを有し、上流端がタンク出湯通路22に接続され、下流端が補助熱源機5の導入口に接続されている。上流加熱通路部23aには、逆止弁23cが設置され、下流加熱通路部23bには、補助熱源機5に流入する湯水温度を検出する湯水温度検出センサ23eと、圧送ポンプ29と、流量センサ23dとが設置されている。
【0034】
上流加熱通路部23aと下流加熱通路部23bとの間にタンク出湯通路22と補助加熱通路23とを切換え可能な三方弁31が設置されている。三方弁31には、熱利用循環回路14の湯水戻り側通路部14dも接続されている。この三方弁31は、上流加熱通路部23aと下流加熱通路部23bとの間の接続・遮断及び下流加熱通路部23bと湯水戻り側通路部14dとの間の接続・遮断を切換え可能なものであり、上流加熱通路部23aと下流加熱通路部23bと湯水戻り側通路部14dの全ての通路部を接続可能である。
【0035】
補助熱源機出湯通路24は、上流補助出湯通路部24a、下流補助出湯通路部24bを有し、上流端が補助熱源機5の導出口に接続され、下流端が給湯通路21の上流端に接続されている。上流補助出湯通路部24aと下流補助出湯通路部24bとの間から熱利用循環回路14の湯水往き側通路部14aが分岐されている。上流補助出湯通路部24aには、補助熱源機5から出力される湯水温度を検出可能な湯水温度検出センサ24cが設置され、下流補助出湯通路部24bには、タンク水比例弁32が設置されている。
【0036】
次に、注湯通路11について説明する。
注湯通路11は、給湯通路21を流れる湯水を浴槽へ供給するものであり、出湯水比例弁26の下流側であって中間給湯通路部21bと下流給湯通路部21cとの間から分岐されて風呂追焚回路12の途中部に接続されている。注湯通路11には、流量センサ11a、注湯電磁弁33等が設置されている。
【0037】
次に、風呂追焚回路12について説明する。
風呂追焚回路12は、浴槽の浴槽水を追焚きする為に浴槽水を循環させる回路であり、風呂戻り側通路部12a、風呂往き側通路部12bを有している。風呂戻り側通路部12aと風呂往き側通路部12bとの間に風呂循環ポンプ36が設置されている。風呂往き側通路部12bには、水流スイッチ12cと風呂熱利用熱交換器6の2次側熱交換通路部6bとが設置されている。
【0038】
次に、温水暖房回路13について説明する。
温水暖房回路13は、床暖房パネルや浴室乾燥機等の温水暖房端末10に供給される暖房水を循環供給する回路であり、暖房戻り通路部13a、暖房低温往き通路部13b、暖房高温往き通路部13cを有している。暖房戻り通路部13aには、加熱による暖房水の膨張を吸収する為の膨張タンク37と、暖房水を循環させる為の暖房循環ポンプ38とが設置されている。暖房高温往き通路部13cには、暖房熱利用熱交換器7の2次側熱交換通路部7bが設置されている。暖房低温往き通路部13bには、バイパス熱動弁39が設置されている。
【0039】
暖房戻り通路部13aと暖房高温往き通路部13cとの間には、80℃程度の暖房水を循環供給して暖房を行う高温暖房端末10A(例えば、浴室暖房、ファンコンベクター等)が設けられ、暖房戻り通路部13aと暖房低温往き通路部13bとの間には、60℃程度の暖房水を循環供給して暖房を行う低温暖房端末10B(例えば、床暖房、パネルラジエータ等)が設けられている。暖房運転時には、高温暖房端末10A又は低温暖房端末10Bの単独運転に限らず両方の暖房端末10を同時に運転可能である。
【0040】
膨張タンク37の上部には、暖房補給水電磁弁37aが設けられ、この暖房補給水電磁弁37aには、給水系通路8の上流給水通路部8aから分岐された補給水通路部37bが接続されている。暖房補給水電磁弁37aが開弁状態に切換った場合には、補給水通路部37bを介して膨張タンク37に補給水が補給される。膨張タンク37の上部には、オーバーフロー通路部37cが接続されている。
【0041】
次に、熱利用循環回路14について説明する。
熱利用循環回路14は、湯水を循環させて風呂追焚回路12と温水暖房回路13との間で熱交換を行う閉回路であり、湯水往き側通路部14a、風呂熱利用通路部14b、暖房熱利用通路部14c、湯水戻り側通路部14d、補助加熱通路23の下流加熱通路部23b、補助熱源機出湯通路24の上流補助出湯通路部24aを有している。風呂熱利用通路部14bに、風呂熱利用熱交換器6の1次側熱交換通路部6aと風呂熱利用開閉弁41が設置され、暖房熱利用通路部14cに、暖房熱利用熱交換器7の1次側熱交換通路部7aと暖房熱利用開閉弁42が設置されている。
【0042】
次に、排熱回収循環回路15について説明する。
排熱回収循環回路15は、貯湯タンク4と燃料電池発電装置2との間に湯水を循環させて燃料電池発電装置2の排熱を回収する閉回路であり、低温側循環通路部15a、高温側循環通路部15b等を有し、上流端が貯湯タンク4の下部に接続され、下流端が貯湯タンク4の上部に接続されている。
【0043】
低温側循環通路部15aから高温側循環通路部15bに接続する分岐通路部15cが分岐され、この分岐部には、貯湯タンク4を含めた循環回路と貯湯タンク4をバイパスする循環回路とを択一的に選択可能な三方弁43が設置されている。燃料電池発電装置2の内部において、低温側循環通路部15aには、循環ポンプ(図示略)が設置され、低温側循環通路部15aと高温側循環通路部15bとの間には、燃料電池発電装置2の排熱回収部(図示略)が設置されている。
【0044】
次に、制御ユニット45について説明する。
給湯暖房装置3は、制御ユニット45によって制御される。各種のセンサの検出信号が制御ユニット45に送信され、この制御ユニット45により、給湯暖房装置3の動作、各種のポンプの作動・停止、各種の弁の開閉状態の切り換え及び開度調整等を制御し、各種運転(給湯運転、湯張り運転、追焚き運転、高温差し湯運転、暖房運転、凍結防止運転、排熱回収運転等)を実行する。
【0045】
制御ユニット45は、ユーザーが操作可能な操作リモコン46との間でデータ通信可能であり、操作リモコン46のスイッチ操作により各種の運転が設定されると、その指令信号が操作リモコン46から制御ユニット45に送信される。例えば、操作リモコン46のスイッチ操作により目標給湯設定温度が設定されると、その目標給湯設定温度データが操作リモコン46から制御ユニット45に送信される。尚、暖房運転を実行する制御ユニット45が、温水暖房制御手段に相当する。
【0046】
次に、本発明に関連する暖房運転について説明する。
制御ユニット45は、暖房運転中に切換え可能な複数のモードを有している。即ち、制御ユニット45は、温水暖房端末10の暖房負荷に応じて補助熱源機5の燃焼量を最も効率が良くなるように調整する大燃焼モードによる暖房運転、この大燃焼モードよりも低い燃焼量で湯水を加熱する中燃焼モードによる暖房運転、貯湯タンク4を高温の湯水のバッファとして利用する貯湯タンク蓄放熱モードによる暖房運転を実行可能である。尚、以下では、給湯暖房装置3が暖房運転を単独で実行している場合について説明する。
【0047】
次に、大燃焼モードついて説明する。
大燃焼モードによる暖房運転時では、制御ユニット45は、補助熱源機5のバーナーを構成する複数の燃焼段の全て又は大部分を使用して燃焼を行うと共に温水暖房端末10の暖房負荷に応じて補助熱源機5を比例燃焼制御又はオンオフ燃焼制御する。即ち、温水暖房端末10の暖房負荷が大きく、湯水温度検出センサ24cで検出される湯水温度と湯水温度検出センサ23eで検出される湯水温度との間に温度差がある場合は、補助熱源機5の燃焼を全て又は大部分の燃焼段を使用した状態で比例燃焼制御し、暖房負荷が低くなった場合は、湯水温度検出センサ23eで検出される湯水温度に応じて補助熱源機5の燃焼をオンオフ燃焼制御する。具体的に、オンオフ燃焼制御では、湯水温度検出センサ23eで検出される湯水温度が例えば45度以下になると燃焼オンし、湯水温度が例えば60℃以上になると燃焼オフする。
【0048】
次に、中燃焼モードについて説明する。
中燃焼モードによる暖房運転時では、制御ユニット45は、大燃焼モードの燃焼領域よりも狭く且つ非燃焼領域よりも広い燃焼領域に設定すると共に温水暖房端末10の暖房負荷に応じて補助熱源機5を比例燃焼制御又はオンオフ燃焼制御する。即ち、制御ユニット45は、複数の燃焼段を燃焼領域が非燃焼領域よりも大きく維持しながら予め設定された割合分(例えば40%程度)低減して燃焼を行う。具体的に、大燃焼モード時の最小燃焼量でオンオフ燃焼制御しても燃焼量過多になる場合、燃焼段を低減(例えば5段燃焼から3段燃焼に変更等)し、燃焼量を低下した状態で、補助熱源機5の燃焼をオンオフ燃焼制御する。
【0049】
大燃焼モード及び中燃焼モードによる暖房運転時には、制御ユニット45は、三方弁31を下流加熱通路部23bと湯水戻り側通路部14dとの間を接続する状態に切り換え、暖房熱利用開閉弁42を開弁状態に切り換え、圧送ポンプ29を駆動する。
【0050】
すると、図2に示すように、圧送ポンプ29を介して湯水が、下流加熱通路部23bから補助熱源機5に流入し、補助熱源機5によって加熱された後の高温の湯水が、上流補助出湯通路部24aと湯水往き側通路部14aとを流れて暖房熱利用通路部14cに送られ、1次側熱交換通路部7aで暖房水との間で熱交換された湯水は、湯水戻り側通路部14dを通って下流加熱通路部23bに戻される。
【0051】
次に、貯湯タンク蓄放熱モードについて説明する。
貯湯タンク蓄放熱モードによる暖房運転時では、中燃焼モードの燃焼段数を維持した状態で、オンオフ燃焼制御のオン期間では、補助熱源機5から出力される高温の湯水の一部を貯湯タンク4の上部に戻し、貯湯タンク4の下部から低温の湯水を熱利用循環回路14に供給することで補助熱源機5に流入する湯水温度を低下させ、オンオフ燃焼制御のオフ期間では、貯湯タンク4の湯水を暖房用熱交換器7に循環供給する。
【0052】
オンオフ燃焼制御における燃焼オン状態のオン期間では、制御ユニット45は、タンク水比例弁32を開弁状態に切換え、三方弁31を下流加熱通路部23bと湯水戻り側通路部14dとの間を接続する状態のまま維持し、蓄熱切換弁19を下流給水通路部8cとバイパス通路部17との間を接続する状態に切り換え、圧送ポンプ29を駆動する。
【0053】
すると、図3に示すように、補助熱源機5から出力される高温の湯水の一部は、下流補助出湯通路部24bとタンク出湯通路22とを通って貯湯タンク4の上部に流れ込み、貯湯タンク4の下部から低温の湯水が、下流給水通路部8cとバイパス通路部17とを通って湯水戻り側通路部14dに流れ込む。即ち、燃焼オン状態では、貯湯タンク4に余剰となる熱量を蓄熱することで、補助熱源機5の燃焼量を低下させなくても暖房用熱交換器7に供給される熱量が低減し、貯湯タンク4の下部の低温の湯水を暖房用熱交換器7から戻る湯水に混ぜることで、補助熱源機5に戻される湯水温度が低下するため、燃焼オン状態のオン期間を延長可能になる。
【0054】
また、オンオフ燃焼制御における燃焼オフ状態のオフ期間では、制御ユニット45は、タンク水比例弁32を閉弁状態に切換え、三方弁31を上流加熱通路部23aと下流加熱通路部23bとの間を接続する状態に切り換え、蓄熱切換弁19を下流給水通路部8cとバイパス通路部17との間を接続する状態のまま維持し、圧送ポンプ29を駆動する。
【0055】
すると、図4に示すように、貯湯タンク4の上部の高温の湯水は、上流加熱通路部23aと下流加熱通路部23bとを通って、停止状態の補助熱源機5に流入し、補助熱源機5から流出した湯水は、上流補助出湯通路部24aと湯水往き側通路部14aとを流れて暖房熱利用通路部14cに送られ、1次側熱交換通路部7aで暖房水との間で熱交換された湯水は、湯水戻り側通路部14dとバイパス通路部17と下流給水通路部8cとを通って貯湯タンク4の下部に戻される。即ち、燃焼オフ状態では、貯湯タンク4に蓄熱された熱量が取り出され、この取り出された熱量が補助熱源機5を経由して暖房用熱交換器7に供給されるため、燃焼オフ状態のオフ期間を延長可能になる。
【0056】
次に、制御ユニット45により自動的に実行される、各種のモードに基づく暖房運転制御について、図5のフローチャートに基づいて説明する。尚、図中の符号Si(i=1,2,・・)は各ステップを示す。この暖房運転制御の制御プログラムは、制御ユニット45に予め格納されている。
【0057】
図5のフローチャートにおいて、この制御が開始されると、最初にS1において、操作リモコン46の入力操作や各種の温度検出センサの検出等に基づいて暖房運転開始条件成立か否かを判定する。暖房運転を開始する為の条件が成立している場合、つまり、S1の判定がYesの場合、S2に移行し、制御ユニット45は、給湯暖房装置3を大燃焼モードに設定して暖房運転を開始し(図2参照)、S3に移行する。S1の判定がNoのうちはS1を繰り返す。
【0058】
尚、S2の大燃焼モードによる暖房運転中に、温水暖房端末10の暖房負荷が小さくなると、補助熱源機5に戻ってくる湯水温度が徐々に高くなるので、比例燃焼制御の最小燃焼量で湯水を加熱しても燃焼量過多となってしまう。そこで、補助熱源機5の燃焼を比例燃焼制御からオンオフ燃焼制御に切り換え、より低い燃焼量で湯水を加熱する。しかし、オンオフ燃焼制御しても燃焼量過多になると、燃焼オン・燃焼オフを頻繁に繰り返す状態になる。
【0059】
次に、S3において、制御ユニット45は、モード切換条件成立か否かを判定する。設定期間中(例えば1時間)におけるオンオフ燃焼制御のオンオフ回数が設定回数(例えば12回)を超えた場合、又は、オンオフ燃焼制御の1サイクル時間が設定時間(例えば5分)を下回った場合、つまり、S3の判定がYesの場合、S4に移行して、制御ユニット45は、暖房運転を大燃焼モードから中燃焼モードに切り換え、S5に移行する。S3の判定がNoのうちはS3を繰り返す。
【0060】
尚、S4の中燃焼モードによる暖房運転では、補助熱源機5の燃焼段を低減して湯水を加熱しているが、温水暖房端末10の暖房負荷が極端に低くなると、燃焼量過多になって再度燃焼オン・燃焼オフを頻繁に繰り返す状態になるので、より低い燃焼量で湯水を加熱する必要が生じるが、補助熱源機5の燃焼段数(燃焼管数)をさらに低減すると熱交換効率が悪化する。そこで、以下に記載するように、貯湯タンク4を補助熱源機5から出力される高温の湯水のバッファとして利用する暖房運転を実行する。
【0061】
次に、S5において、制御ユニット45は、モード切換条件成立か否かを判定する。設定期間中におけるオンオフ燃焼制御のオンオフ回数が設定回数を超えた場合、又は、オンオフ燃焼制御の1サイクルが設定時間を下回った場合、つまり、S5の判定がYesの場合、S6に移行して、制御ユニット45は、暖房運転を中燃焼モードから貯湯タンク蓄放熱モードに切り換えて実行し、S7に移行する。S5の判定がNoのうちはS5を繰り返す。
【0062】
次に、S7において、制御ユニット45は、所定条件成立か否かを判定する。この所定条件は、温水暖房端末10の暖房負荷が大きくなって補助熱源機5に流入する湯水温度が低下した場合等である。大燃焼モードに復帰する為の条件が成立している場合、つまり、S7の判定がYesの場合、S2に移行して、制御ユニット45は、暖房運転を貯湯タンク蓄放熱モードから大燃焼モードに切り換え、S7の判定がNoのうちはS7を繰り返す。
【0063】
次に、本発明の給湯暖房装置3の作用及び効果について説明する。
制御ユニット45は、設定期間中におけるオンオフ燃焼制御のオンオフ回数が設定回数を超えた場合、又は、オンオフ燃焼制御の1サイクルが設定時間を下回った場合、大燃焼モードから中燃焼モードに切り換えるので、温水暖房端末10の暖房負荷が低く、オンオフ燃焼制御の1サイクル時間が短くなって燃焼オン・燃焼オフが頻繁に繰り返される状態になる前に、補助熱源機5の燃焼量を自動的に低下させることができる。
【0064】
従って、補助熱源機5の燃焼量を低下させることで、燃焼オン状態のオン期間を延ばし、オンオフ燃焼制御の1サイクル時間を延ばすことができ、燃焼オン・燃焼オフの繰り返し頻度が低減されるので、補助熱源機5の耐久性の低下を防止すると共に、中燃焼モードでは、大燃焼モードの燃焼領域よりも狭く且つ非燃焼領域よりも広い燃焼領域に設定するので、補助熱源機5の熱交換効率の極端な低下を防止することができる。
【0065】
また、貯湯タンク蓄放熱モードによる暖房運転時、オンオフ燃焼制御のオン期間では、補助熱源機5から出力される高温の湯水の一部を貯湯タンク4の上部に戻し、貯湯タンク4の下部から低温の湯水を熱利用循環回路14に供給することで補助熱源機5に流入する湯水温度を低下させるので、補助熱源機5の燃焼量を維持しつつ、燃焼オン状態のオン期間を延ばすことができ、補助熱源機5の燃焼量を極端に低くする必要がないので、安定した燃焼状態を維持することができる。
【0066】
さらに、貯湯タンク蓄放熱モードによる暖房運転時、オンオフ燃焼制御のオフ期間では、貯湯タンク4の湯水を暖房用熱交換器7に循環供給して暖房運転を行うので、補助熱源機5に流入する湯水温度の急激な低下を防止することで、燃焼オフ状態のオフ期間を延ばすことができる。即ち、中燃焼モードの燃焼段数を維持した状態で、貯湯タンク4を高温の湯水のバッファとして利用することで、オンオフ燃焼制御の1サイクル時間を延ばすことができる。
【0067】
加えて、制御ユニット45は、設定期間中におけるオンオフ燃焼制御のオンオフ回数が設定回数を超えた場合、又は、オンオフ燃焼制御の1サイクル時間が設定時間を下回った場合、中燃焼モードから貯湯タンク蓄放熱モードに切り換えるので、中燃焼モードでオンオフ燃焼制御の燃焼オン・燃焼オフが頻繁に繰り返されるようになると、貯湯タンク4を利用して1サイクル時間を延ばす制御を自動的に行える。
【0068】
次に、前記実施例を部分的に変更した形態について説明する。
[1]前記実施例において、外部熱源機として燃料電池発電装置2について説明したが、これに限定する必要はなく、ガスエンジン等を採用しても良いし、これら以外にも種々の公知なものを採用可能である。
【0069】
[2]前記実施例において、設定期間、設定回数、設定時間はほんの一例を示したに過ぎず、適宜変更可能である。補助熱源機5の燃焼段の低減割合も同様に、大燃焼モードの燃焼領域より狭く且つ非燃焼領域よりも広くなる燃焼領域を維持して熱交換効率の悪化を防止可能な割合であれば、適宜変更可能である。
【0070】
[3]その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態を包含するものである。
【符号の説明】
【0071】
3 給湯暖房装置
4 貯湯タンク
5 補助熱源機
7 暖房用熱交換器
10 温水暖房端末
13 温水暖房回路
14 熱利用循環回路
45 制御ユニット(温水暖房制御手段)
図1
図2
図3
図4
図5