(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明者は、特定の基材と特定のTiCN皮膜からなる硬質皮膜を組合せた被覆切削工具を適用することで、Ni基超耐熱合金の切削加工において優れた工具寿命が達成されることを確認した。具体的には、本発明の被覆切削工具の基材には、特許文献2に開示されているような一定量のZrを含有した特定組成と硬度を満たしたWC基超硬合金を適用する。そして、硬質皮膜には、皮膜の密着性が優れる化学蒸着法で被覆した柱状組織が微細なTiCN皮膜を適用して、かつ、そのTiCN皮膜の残留応力を特定範囲に制御する。このような基材と硬質皮膜の組合せにより耐久性に優れた被覆切削工具が得られ、そして、Ni基超耐熱合金の加工中において、基材および硬質皮膜の塑性変形が共に抑制されて工具寿命が向上することを見出し、本発明の被覆切削工具に到達した。
【0010】
まず、基材であるWC基超硬合金について説明する。
・質量%で、
4.5%≦Co≦5.8%(以下、単に%と記載する。)
Coは硬質相であるWC粒子を繋ぎとめる結合相である。Coの含有量が少ないと、W
C基超硬合金の緻密化が困難で、多量の残留巣が発生するため強度および耐塑性変形性も
低下する。さらにCoの含有量が少なくなると、僅かな炭素量の変化によって、脱炭相や
遊離炭素が発生し易くなり、健全組織に管理することが困難となる。一方、Coの含有量
が多いと、軟質なCo量が増加するため硬度と耐塑性変形性が低下する。基材の基礎特性
を損なうことなく上述した効果を得るためには、4.0%<Co<6.0%とする。より
好ましくは4.5%以上である。また、より好ましくは5.8%以下である。
【0011】
・
0.3%≦Cr≦0.8%
CrはCo中に固溶してCoを固溶強化して靭性および耐塑性変形性を向上させる。ま
た、Crを含有することで、焼結中のWC粒子の粒成長が抑制されて均一組織となり、C
oの分布状態も均一となって、耐塑性変形性が向上する。また、WC粒子径が均一化され
るため、WC基超硬合金の強度が高く耐欠損性が向上する。Crの含有量が少ないと、こ
れらの効果が十分に得られない。一方、Crの含有量が多いと焼結性が悪く緻密化が困難
となり残留巣が発生する。さらにはCrを主体とする炭化物が組織中に粗大に析出して強
度および耐塑性変形性が低下する。基材の基礎特性を損なうことなく上述した効果を得る
ためには、Crの含有量は0.2%<Cr<1.0%とする。より好ましくは0.3%以
上である。また、より好ましくは0.8%以下である。
【0012】
・
0.08%≦Zr≦0.25%
ZrはCoに僅かに固溶してCo相を強化する。そしてCoへの固溶量を超えたZrが
、Zrを含む炭化物、窒化物、炭窒物等として組織中に微細分散することで、Co相の変
形を抑制して耐塑性変形性を向上させる。特に、炭化物として分散していることが耐塑性
変形性を改善するのに好ましい。しかし、Zrは酸素との結合力が強いため、Zrを含有
したWC基超硬合金は、焼結性が悪くなり残留巣が発生し易くなる。特にCo含有量を低
く設定している本発明では、Zrの含有量が一定量以上になると、粗大な残留巣が大量に
発生し易くなるので、Zrの含有量を適正に制御することは重要である。
また、Zrの含有量が多いと残留巣が発生し易くなるとともに、Zrを含有した化合物
が増加しそのサイズも粗大となる。そのため、WC粒子を繋ぎとめているCo相の結合力
が弱まり、さらには、粗大なZrの化合物が破壊の起点となることで強度および耐塑性変
形性を低下させる。基材の基礎特性を損なうことなく上述した効果を十分に得るためには
、0.05%<Zr<0.30%とする。より好ましくは、0.08%以上である。また
、より好ましくは0.25%以下である。
本発明において、金属元素に固溶もしくは化合して存在する非金属元素とはC、N、O
等である。
【0013】
本発明では、基材の組成調整に加えて硬度を特定範囲に制御する。WC基超硬合金の硬度と靭性はトレードオフの関係にあり、硬度が増加すると靭性が低下する傾向にあり、硬度が低下すると靭性が増加する傾向にある。切削工具としてトータルの性能を改善するには、耐摩耗性または耐チッピング性の一方のみが優れていても不十分で、これらが優れたレベルで両立することが重要である。本発明者の検討によると上述した組成範囲を満たした上で、WC基超硬合金の硬度を92.2HRA〜93.5HRAとすることで、Ni基超耐熱合金の加工において耐摩耗性とチッピング性を優れたレベルで両立することを確認した。これよりも低硬度となると、耐摩耗性が十分ではない。また、これよりも高硬度となると、クラックが進展し易くなり靭性が低くなる。より好ましくは、92.3HRA以上である。より好ましくは93.0HRA以下である。
【0014】
上記「HRA」は、押し込み硬さを表す尺度であるロックウェル硬さHR(Rockwell Hardness)を表しており、圧子:120°円錐形ダイヤモンド、試験荷重:60kgfの条件でJIS B7726に準拠して下記式により求められる値である。
HR=100−500h
(h:基準荷重(10kgf)時を零点とした時の実際のへこみ深さ[mm])
【0015】
本発明に係る基材は結合相であるCoの含有量を質量%で
4.5%≦Co≦5.8%と
低く設定した上で酸素との結合力が強いZrを含有しているため、残留巣が発生する場合
がある。基材の残留巣が多くなると工具の耐久性が低下するので、残留巣の程度を示す有
孔度は、超硬合金規格CIS006C−2007でA0
4以下、B00とすることが好ま
しい。なお、A型は、残留巣の大きさが10μm未満、B型は、10μm以上25μm未
満のものである。より好ましくはA02以下である。
【0016】
続いて、硬質皮膜について説明する。
本発明者はNi基超耐熱合金の加工においては、基材の塑性変形だけでなく硬質皮膜の塑性変形によって皮膜破壊が発生して早期に工具寿命に達する場合があること確認した。そして、皮膜の塑性変形は硬質皮膜を形成する柱状粒子が粗大であるほど起こり易く、抑制するためには硬質皮膜を形成する柱状粒子を微細化するのが有効であることを見出した。但し、化学蒸着法においては、TiNやTiCの成膜では反応ガスを制御しても微細化な柱状粒子は得られ難い。一方、TiCN成膜する際にN
2ガスに加えCH
3CNガスとC
2H
6ガスを合わせて用いることで柱状粒子の十分な微細化が達成できることを確認した。そのため、本発明では、微細な柱状粒子を達成できるTiCN皮膜を適用する。
【0017】
本発明では、TiCN皮膜の基材表面に対して略垂直方向(皮膜の厚さ方向)に成長し
た柱状粒子の表面側における平均幅を
0.03μm以下とする。表面側における平均幅を
0.15μm以下とすれば硬質皮膜の強度が向上し、工具の使用中における皮膜の塑性変
形や皮膜表面からの粒子の脱落が抑制される。また、皮膜粒子が脱落した場合でも、個々
の柱状粒子が微細であるため、突発的な皮膜の破壊には至らない。柱状粒子の表面側にお
ける平均幅がこれよりも大きくなると、Ni基超耐熱合金の加工において、硬質皮膜の粒
子の脱落が発生し易く工具寿命が短くなる。好ましくは0.10μm以下とする。更には
、0.80μm以下とすることが好ましい。但し、微細になり過ぎれば工具の耐久性が低
下する場合があるので、0.01μm以上とすることが好ましい。
【0018】
本発明における表面側とは被削材と接触する側にある硬質皮膜の表面近傍のことをいう。硬質皮膜の柱状粒子の幅は、透過型電子顕微鏡や走査型電子顕微鏡による断面観察から測定することができる。測定箇所は、被削材と接する側にある皮膜表面から深さが0.5μmの位置とした。連続する50個以上の柱状粒子の幅を観察することで、粒子幅の平均値が収束していくことを確認したため、連続する50個以上の柱状粒子から硬質皮膜の柱状粒子の平均幅を求めた。断面観察の試料を鏡面加工して柱状粒子の幅を測定することが好ましい。
【0019】
本発明では、TiCN皮膜の柱状粒子を微細化することに加えて、残留応力を−400MPa〜400MPaに制御する。TiCN皮膜の柱状粒子を微細に制御しても、皮膜の残留応力が適切な範囲になければ加工中に突発的な皮膜破壊が発生し易くなる。残留応力を上記範囲に制御することで皮膜破壊が抑制されて優れた切削性能を発揮することができることを確認した。
皮膜の残留応力は、X線回折装置を用いたsin
2Ψ法で測定することができる。
【0020】
TiCN皮膜の膜厚が厚くなり過ぎれば皮膜剥離が発生し易くなる。そのため、TiCN皮膜の膜厚は5μm未満とすることが好ましい。一方、膜厚が薄くなり過ぎれば耐摩耗性が低下し易くなるので、TiCN皮膜の膜厚は2μm以上とすることが好ましい。より好ましくは3μm以上である。
【0021】
高温で成膜する化学蒸着法では、基材の成分であるW及びCoが、基材中のCとともに硬質皮膜に拡散する場合がある。しかし、W及びCoの拡散量が過剰であると基材に脆化層が形成され、チッピングが発生し易くなる。本発明では、TiCN皮膜を基材の直上に被覆して、基材からのW及びCoの拡散層が150nm以下となるよう形成することが好ましい。より好ましくは100nm以下である。また、基材と皮膜の密着性を高めるためにはW及びCoの拡散層は10nm以上とすることが好ましい。より好ましくは20nm以上である。
W及びCoは単独で拡散することはなく、Wの拡散を制御することによりCoの拡散も制御することができる。皮膜中にCoが過剰に拡散すると耐摩耗性が低下する。W及びCoの拡散層の平均厚さは、原料ガス組成及び圧力、基材温度及び成膜時間等により制御することができる。
【0022】
本発明に係るTiCN皮膜は、全体組成をTi+C+N=100質量%で表すと、Tiが74〜81質量%、Cが13〜16質量%、Nが6〜10質量%であることが好ましい。TiCN皮膜に含まれるCが少なくなり過ぎると、基体からの拡散層が形成され難く基体とTiCN皮膜の密着性が低下する傾向にある。一方、TiCN皮膜に含まれるCが多くなり過ぎると、TiCN皮膜に遊離炭素が形成され皮膜の靱性が低下する傾向にある。また、TiCN皮膜に含まれるNが少なく過ぎると靱性が低下する傾向にある。一方、TiCN皮膜に含まれるNが多くなり過ぎると硬度が低下するため耐摩耗性が低下する傾向にある。
【0023】
本発明に係るTiCN皮膜は、(422)面のX線回折ピーク位置2θが122.7°〜123.7°の範囲内にあることが好ましい。(422)面のX線回折ピーク位置2θが小さくなり過ぎるとTiCN皮膜に含まれるCが多くなるため、皮膜に遊離炭素が形成され易くなり靱性および密着性が低下する傾向にある。また、(422)面のX線回折ピーク位置2θが大きくなり過ぎるとTiCN皮膜に含まれるNが多くなるため、皮膜硬度が低下する傾向にある。
【0024】
一般的に、化学蒸着法で作製する被覆切削工具では、硬質なα型の酸化アルミニウムを最表面に形成する皮膜構造が用いられている。本発明においては、被加工材と接する最表面に柱状粒子を微細にしたTiCN皮膜を設けることが好ましい。被加工材と接する最表面に柱状粒子を微細にしたTiCN皮膜を設けることで、加工中における皮膜粒子の脱落を抑制できる。また、これにより複雑な多層構造ではなくTiCN皮膜の単層構造を適用することができる。尚、本発明においても、α型の酸化アルミニウムや他の硬質皮膜を皮膜構造の一部に設けてもよい。
【0025】
本発明の被覆切削工具は、Ni基超耐熱合金の切削加工に適用することが好ましい。これにより、特に優れた工具性能を発揮させることができる。特に、旋削加工に適用することが好ましい。本発明の被覆切削工具は、加工中の切削温度が高温となり易い旋削加工において優れた工具寿命を発揮することができる。
【実施例】
【0026】
物性評価および切削評価の基材には表1に記載のWC基超硬合金製インサートCNMA432(JIS B 4120規定)を準備した。各インサートはホーニング処理を実施し、CVD炉内に設置して成膜した。
【0027】
【表1】
【0028】
本発明例1〜6、比較例20〜22の成膜では、まず、CVD炉内にH
2ガスを流しながらCVD炉内の基材温度を850℃にした。その後、81.7体積%のH
2ガス、15.0体積%のN
2ガス、1.5体積%のTiCl
4ガス、0.3体積%のCH
3CNガス、及び1.3体積%のC
2H
6ガスからなる組成の原料ガスを6700ml/分の流量でCVD炉内に流し、炉内ガスの圧力を8kPaとして成膜した。膜厚は成膜時間を調整して変化させた。
【0029】
本発明例7の成膜では、まず、CVD炉内にH
2ガスを流しながらCVD炉内の基材温度を850℃にした。その後、80.5体積%のH
2ガス、15.0体積%のN
2ガス、1.5体積%のTiCl
4ガス、0.5体積%のCH
3CNガス、及び2.5体積%のC
2H
6ガスからなる組成の原料ガスを6700ml/分の流量でCVD炉内に流し、炉内ガスの圧力を8kPaとして成膜した。
【0030】
本発明例8の成膜では、本発明例3と同様にTiCN皮膜を成膜した後に、α型のAl
2O
3を成膜した。
【0031】
比較例23の成膜では、まず、CVD炉内にH
2ガスを流しながらCVD炉内の基材温度を950℃にした。その後、74.8体積%のH
2ガス、20.0体積%のN
2ガス、4.2体積%のTiCl
4ガス、1.0体積%のCH
4ガスからなる組成の原料ガスを6700ml/分の流量でCVD炉内に流し、炉内ガスの圧力を12kPaとして成膜した。
【0032】
比較例24の成膜では、まず、CVD炉内にH
2ガスを流しながらCVD炉内の基材温度を1030℃にした。その後、93.0体積%のH
2ガス、2.0体積%のTiCl
4ガス、5.0体積%のCH
3CNガスからなる組成の原料ガスを6700ml/分の流量でCVD炉内に流し、炉内ガスの圧力を13.3kPaとして成膜した。
【0033】
比較例25の成膜では、まず、CVD炉内にH
2ガスを流しながらCVD炉内の基材温度を920℃にした。その後、73体積%のH
2ガス、25.0体積%のN
2ガス、2体積%のTiCl
4ガスからなる組成の原料ガスを6700ml/分の流量でCVD炉内に流し、炉内ガスの圧力を16kPaとして成膜した。
【0034】
成膜後の試料について、平均粒径が30μmのアルミナ粉末を含むスラリーにより投射圧力0.10〜0.40MPaでウエットブラスト処理して、硬質皮膜の残留応力を調整した。
【0035】
物性評価用のインサートを用い、走査型電子顕微鏡で硬質皮膜の柱状粒子の幅を測定した。鏡面加工した断面試料を1〜3万倍で観察し、皮膜表面から深さ方向に0.5μmの位置に、基材表面に対して平行に直線を引いた時に接する柱状粒子の幅を測定した。50個の柱状粒子を測定して硬質皮膜の柱状粒子の平均幅を算出した。
【0036】
日本電子株式会社製JEM−2010F型電界放射型透過電子顕微鏡で断面観察により基材からのW及びCoの拡散層の平均厚さを測定した。
【0037】
X線回折装置(PANARYTYCAL社製 Empyrean)を用いたsin
2Ψ法で皮膜の残留応力を測定した。非化学量論組成であるTiCNについて、ヤング率とポアソン比は、International Centre for Diffraction Data Powder Diffraction Fileに記載のTiC0.91(ヤング率が4.49×105MPa、ポアソン比が0.191)の値を用いて測定した。TiCN皮膜の残留応力は(422)面から測定した。
また、X線回折装置を用いて、管電圧45kV及び管電流40mAでCukα
1線(波長λは0.15405nmである)の条件で本発明に係るTiCN皮膜の結晶構造を同定したところ、(422)面のX線回折ピーク位置2θが122.7°〜123.7°の範囲内にあることを確認した。
【0038】
株式会社エリオニクス製のナノインデンテーション装置を用い皮膜硬度を測定した。皮膜の硬度を測定するために、試料を5度傾けて鏡面研磨し、皮膜の研磨面内で最大押し込み深さが各層厚の略1/10未満となる領域を選定した。そして、押込み荷重9.8mN、最大荷重保持時間1秒、荷重負荷後の除去速度0.49mN/秒の測定条件で10点測定し、値の上下2点ずつを除いた6点の平均値から求めた。
【0039】
波長分散型電子線プローブ微小分析(WDS−EPMA)により本発明に係るTiCN皮膜の組成を確認した。測定条件は、加速電圧10kV、試料電流5×10
−8A取り込み時間10秒、分析領域直径1μm、分析深さが略1μmで5点分析してその平均値から求めた。本発明に係るTiCN皮膜はおよそ、Tiが78質量%、Cが14質量%、Nが8質量%であった。
【0040】
硬質皮膜を形成したターニング用インサートを用いて、下記旋削条件で硬質皮膜の剥離及び工具寿命を評価した。硬質皮膜の逃げ面摩耗幅やチッピンングの有無は、倍率100倍の光学顕微鏡で観察することにより評価した。工具寿命は、逃げ面の最大摩耗幅が0.350mmを超えたとき、チッピングが発生したときの加工時間とした。それぞれの結果を表2に纏めて示す。
被削材: インコネル(登録商標)718
加工方法: 連続旋削
インサート形状: DNMG150408
切削速度: 40m/分
送り速度: 0.20mm/tooth
切り込み量: 0.8mm
水溶性切削油使用
【0041】
【表2】
【0042】
本発明例1〜8は切削距離が1000mを超えても良好な切削性能を示した。参考として、
図1、2に本発明例1および比較例23の断面観察写真を示す。本発明例は比較例に比べて表面側の柱状粒子が微細であることが確認される。本発明は、最適な基材を用いているため基材の塑性変形が抑制されることに加えて、微細な硬質皮膜を適用しているため、加工中における柱状粒子の脱落が抑制されたため優れた切削性能を示したと推測される。
図3の本発明例1の透過型電子顕微鏡による断面観察写真を示す。図中の下側にある白色の部分が基材のWC基超硬合金、上側にある灰色の部分が硬質皮膜である。基材と硬質皮膜の界面では硬質皮膜の柱状粒子にそって母材成分が拡散していることが確認される。分析の結果、この拡散層はW及びCoを含有していることを確認した。本発明例の中でもW及びCoの拡散層の平均厚さを100nm以下とする方が、拡散層の平均厚さを200nm程度とするよりも切削性能が優れる傾向にあった。
また、本発明の中でもTiCN皮膜を被加工材と接する最表面に設けた方が切削性能が優れる傾向にあった。
比較例20、21は、TiCN皮膜の柱状粒子の幅は小さいが、皮膜の残留応力が適切でないため工具寿命が低下した。
比較例22は、本発明例に係る硬質皮膜を適用しているが、基材にZrが含有されなく、塑性変形を起こしたため工具寿命が低下した。
比較例23〜25は、本発明例に係る基材を適用しているが、皮膜の柱状粒子が粗大であるため加工中に粒子脱落が起こり易く工具寿命が低下した。