(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記取得手段は、更に、各々が独立して所望の被写体を撮像するために配置状態が決められている複数の撮像装置の配置状態を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の特定装置。
前記第1特定手段は、更に、撮像処理を実行中の複数の撮像装置の配置状態の関係性に基づいて、前記複数の撮像装置に共通する被写体の存する位置を特定することを特徴とする請求項4に記載の特定装置。
前記第2特定手段は、更に、ライブビュー画像の撮像処理を実行中の前記複数の撮像装置の中で、本画像の撮像処理を実行する前記少なくとも一の撮像装置を特定することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の特定装置。
前記第2特定手段により特定された前記少なくとも一の撮像装置による被写体の撮像及び撮像された画像の記録を指示する指示手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の特定装置。
所定の通信回線を介して接続された撮像装置どうしによる情報通信の結果に基づいて、所定の位置範囲内且つ所定の時間範囲内で同時に撮像処理を実行可能な複数の撮像装置を指定する指定手段を更に備え、
前記取得手段は、前記指定手段により指定された複数の撮像装置の存する位置に基づいて前記複数の撮像装置の配置状態を取得することを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の特定装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明を適用した一実施形態の装置特定システム100の概略構成を模式的に示す図である。
図1に示すように、本実施形態の装置特定システム100は、無線通信回線を介して互いに情報通信可能に接続された複数の撮像装置1、…(例えば、第1〜第4撮像装置1A〜1D等)を備えている。
【0012】
なお、撮像装置1の個数は、一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。また、全ての撮像装置1は、必ずしも同一の機種である必要はない。
また、第1〜第4撮像装置1A〜1Dの構成は略同様であり、以下に、
図2を参照して詳細に説明する。
【0013】
図2は、撮像装置1の概略構成を示すブロック図である。
図2に示すように、撮像装置1は、中央制御部101と、メモリ102と、撮像部103と、画像処理部104と、表示部105と、無線処理部106と、本体位置特定部107と、特定処理部108と、記録媒体制御部109と、操作入力部110とを備えている。
また、中央制御部101、メモリ102、撮像部103、画像処理部104、表示部105、無線処理部106、本体位置特定部107、特定処理部108及び記録媒体制御部109は、バスライン111を介して接続されている。
【0014】
中央制御部101は、撮像装置1の各部を制御するものである。具体的には、中央制御部101は、図示は省略するが、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を備え、撮像装置1用の各種処理プログラム(図示略)に従って各種の制御動作を行う。
【0015】
メモリ102は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等により構成され、中央制御部101の他、当該撮像装置1の各部によって処理されるデータ等を一時的に記憶するものである。
【0016】
撮像部103は、被写体S1(
図5(a)参照)を撮像する撮像手段を構成している。具体的には、撮像部103は、レンズ部103aと、電子撮像部103bと、撮像制御部103cとを備えている。
【0017】
レンズ部103aは、例えば、ズームレンズやフォーカスレンズ等の複数のレンズから構成されている。
電子撮像部103bは、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-oxide Semiconductor)等のイメージセンサから構成され、レンズ部103aの各種レンズを通過した光学像を二次元の画像信号に変換する。
なお、図示は省略するが、撮像部103は、レンズ部103aを通過する光の量を調整する絞りを備えていても良い。
【0018】
撮像制御部103cは、被写体S1の撮像を制御する。すなわち、撮像制御部103cは、図示は省略するが、タイミング発生器、ドライバなどを備えている。そして、撮像制御部103cは、タイミング発生器、ドライバにより電子撮像部103bを走査駆動して、所定周期毎にレンズ部103aにより結像された光学像を電子撮像部103bにより二次元の画像信号に変換させ、当該電子撮像部103bの撮像領域から1画面分ずつフレーム画像を読み出して画像処理部104に出力させる。
【0019】
画像処理部104は、撮像部103により撮像されるフレーム画像を逐次処理する。
具体的には、画像処理部104は、電子撮像部103bから転送されたフレーム画像のアナログ値の信号に対してRGBの各色成分毎に適宜ゲイン調整した後に、サンプルホールド回路(図示略)でサンプルホールドしてA/D変換器(図示略)でデジタルデータに変換し、カラープロセス回路(図示略)で画素補間処理及びγ補正処理を含むカラープロセス処理を行った後、デジタル値の輝度信号Y及び色差信号Cb,Cr(YUVデータ)を生成する。そして、画像処理部104は、生成された所定の解像度の画像データをメモリ102に出力する。
【0020】
また、画像を記録する際には、画像処理部104は、被写体S1のYUVデータを所定の符号化方式(例えば、JPEG形式、モーションJPEG形式、MPEG形式等)に従って圧縮して、記録媒体制御部109に出力する。
また、画像を再生表示する場合には、画像処理部104は、メモリ102や記録媒体109aから読み出された表示対象に係る静止画像や動画像の画像データを対応する所定の符号化方式に従って復号して、表示部105に出力する。このとき、画像処理部104は、読み出された画像データを、例えば、表示パネル105aの表示解像度等に基づいて所定サイズ(例えば、VGAやQVGAサイズ)に縮小して表示制御部105bに出力しても良い。
【0021】
表示部105は、表示パネル105aと、表示制御部105bとを具備している。
表示パネル105aは、表示領域内に画像を表示する。また、表示パネル105aとしては、例えば、液晶表示パネルや有機EL(electro-luminescence)表示パネルなどが挙げられるが、一例であってこれらに限られるものではない。
【0022】
表示制御部105bは、メモリ102や記録媒体109aから読み出され画像処理部104により復号された所定サイズの画像データに基づいて、所定の画像を表示パネル105aの表示画面に表示させる制御を行う。具体的には、表示制御部105bは、VRAM(Video Random Access Memory)、VRAMコントローラ、デジタルビデオエンコーダなどを備えている。そして、デジタルビデオエンコーダは、画像処理部104により復号されてVRAM(図示略)に記憶されている輝度信号Y及び色差信号Cb,Crを、VRAMコントローラを介してVRAMから所定の再生フレームレート(例えば、60fps)で読み出して、これらのデータを元にビデオ信号を発生して表示パネル105aに出力する。
【0023】
無線処理部106は、無線通信回線を介して接続された他の撮像装置1との間で無線通信を行う。
すなわち、無線処理部106は、所定の通信回線を介して通信する通信手段を構成している。具体的には、無線処理部106は、例えば、外部のアクセスポイント(固定基地局)を経由せずに直接他の撮像装置1(例えば、当該装置本体が第1撮像装置1Aの場合、第2〜第4撮像装置1B〜1D等)の無線処理部106との間で無線通信回線を構築するPeer to Peer(アドホックモード)で動作する。例えば、無線処理部106は、無線LANモジュール等から構成され、当該無線通信回線の通信方式、暗号化情報、チャンネル、IPアドレス等の各種情報を他の撮像装置1の無線処理部106に送信して、無線通信可能範囲内に存する他の撮像装置1の無線処理部106との間で無線LAN(Local Area Network)等の無線通信回線を構築して信号の送受信を行う。
【0024】
なお、無線処理部106は、例えば、無線通信可能範囲内に存するアクセスポイントとの間で所定の無線通信回線を構築して、当該無線通信回線を介して他の撮像装置1の無線処理部106との間で信号の送受信を行うインフラストラクチャモードで動作しても良い。
また、無線処理部106は、例えば、記録媒体109aに内蔵された構成であっても良いし、当該装置本体に所定のインタフェース(例えば、USB(Universal Serial Bus)等)を介して接続された構成であっても良い。
また、無線通信回線は、無線LANに限られるものではなく、例えば、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)、WAN(Wide Area Network)等の様々な回線形態を適用しても良い。
【0025】
本体位置特定部107は、装置本体の存する位置を特定する。
すなわち、本体位置特定部107は、例えば、GPS(Global Positioning System)衛星(図示略)から送信された信号を受信して、当該装置本体の存する位置を測位(GPS測位)するGPS処理部(図示略)等から構成されている。具体的には、本体位置特定部107は、例えば、地球低軌道に打ち上げられた複数のGPS衛星から送信されるGPS信号(例えば、アルマナック(概略軌道情報)やエフェメリス(詳細軌道情報)など)を所定のタイミングで受信アンテナにより受信して、GPS情報を生成する。そして、本体位置特定部107は、生成されたGPS情報に基づいて所定の測位演算を行うことで、当該装置本体の絶対的な三次元の現在位置(緯度、経度、高度)を測位して当該位置に係る位置情報(例えば、緯度、経度、高度の座標情報)を生成する。
なお、上記した装置本体の存する位置を特定する手法は、一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
【0026】
特定処理部108は、複数の撮像装置1、…の中で、被写体S1の撮像に最適な撮像装置1を特定する処理を行う。具体的には、特定処理部108は、装置指定部108aと、配置取得部108bと、被写体位置特定部108cと、装置特定部108dと、撮像記録指示部108eとを具備している。
なお、特定処理部108の各部は、例えば、所定のロジック回路から構成されているが、当該構成は一例であってこれに限られるものではない。
【0027】
装置指定部108aは、撮像処理を実行可能な複数の撮像装置1、…を指定する。
すなわち、装置指定部(指定手段)108aは、無線通信回線を介して接続される撮像装置1どうしによる情報通信の結果に基づいて、所定の位置範囲内且つ所定の時間範囲内で同時に撮像処理を実行可能な複数の撮像装置1、…を指定する。
例えば、無線処理部106により他の撮像装置1(例えば、当該装置本体が第1撮像装置1Aの場合、第2〜第4撮像装置1B〜1D等)の無線処理部106との間で構築される無線通信回線は、当該装置本体の存する位置を基準(例えば、中心)として所定範囲内に限られるととともに、少なくともIPアドレス等の各種情報の送受信が所定のタイミングで行われる必要がある。そこで、装置指定部108aは、例えば、複数の撮像装置1、…を指定するタイミングにて、無線処理部106により無線通信回線が構築済みか、或いは、構築可能な少なくとも一の他の撮像装置1を、所定の位置範囲内且つ所定の時間範囲内で同時に撮像処理を実行可能な撮像装置1として指定する。これにより、当該装置本体を含めて複数の撮像装置1、…(例えば、第1〜第3撮像装置1A〜1C等;
図5(a)参照)が指定された状態となる。
なお、
図5(a)にあっては、装置指定部108aにより撮像処理を実行可能な複数の撮像装置1、…として指定された第1〜第3撮像装置1A〜1Cを黒丸で表し、一方、指定されなかった第4撮像装置1Dを白丸で表している。
また、上記した複数の撮像装置1、…の指定手法は、一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
【0028】
配置取得部108bは、複数の撮像装置1、…の各々の配置状態を取得する。
すなわち、配置取得部(取得手段)108bは、撮像処理を実行中の複数の撮像装置1、…の存する位置に基づいて複数の撮像装置1、…の各々の配置状態を取得する。具体的には、配置取得部108bは、装置指定部108aにより指定された複数の撮像装置1、…の存する位置に基づいて複数の撮像装置1、…の各々の配置状態を逐次取得する。
ここで、撮像装置1の配置状態としては、例えば、各々の撮像装置1の存する位置や撮像方向が挙げられる。例えば、配置取得部108bは、本体位置特定部107により当該装置本体の存する位置が特定される毎に当該本体位置特定部107から位置情報を取得するとともに、デジタルコンパスやジャイロセンサ(何れも図示略)等により検出された当該装置本体の撮像部103の撮像方向を表す情報を取得する。また、配置取得部108bは、装置指定部108aにより指定された他の撮像装置1(例えば、当該装置本体が第1撮像装置1Aの場合、第2及び第3撮像装置1B、1C等)から送信されて無線処理部106により当該他の撮像装置1の存する位置に係る位置情報や当該他の撮像装置1の撮像部103の撮像方向を表す情報が受信される毎に位置情報や撮像方向を表す情報を取得する。 このとき、配置取得部108bは、被写体S1のライブビュー画像の撮像処理を実行中の複数の撮像装置1、…の各々の配置状態を取得しても良い。例えば、配置取得部108bは、当該装置本体の撮像部103が被写体S1のライブビュー画像の撮像処理を実行しているか否かを指示する信号を取得するとともに、他の撮像装置1から送信されて無線処理部106により受信された当該他の撮像装置1の撮像部103が被写体S1のライブビュー画像の撮像処理を実行しているか否かを指示する信号を取得する。そして、配置取得部108bは、取得された信号に基づいてライブビュー画像の撮像処理を実行中の撮像装置1を特定して、特定された撮像装置1の各々の配置状態を取得する。
【0029】
被写体位置特定部108cは、被写体S1の存する位置を逐次特定する。
すなわち、被写体位置特定部(第1特定手段)108cは、配置取得部108bにより取得された複数の撮像装置1、…の配置状態の関係性に基づいて、複数の撮像装置1、…に共通する被写体S1の存する位置を特定する。具体的には、被写体位置特定部108cは、各々の撮像装置1の存する位置及び撮像方向により特定される各々の被写体の存在範囲の関係性に基づいて、複数の撮像装置1、…に共通する被写体S1の存する位置を特定する。つまり、被写体S1が複数の撮像装置1、…に共通する撮像対象となっている場合、複数の撮像装置1、…の各々は被写体S1を撮像範囲内に含み、且つ、被写体S1の存する位置に撮像方向が向かうように配置されていると考えられる。
【0030】
具体的には、被写体位置特定部108cの交点特定部(交点特定手段)108fは、配置取得部108bにより取得される複数の撮像装置1、…の配置状態に基づいて、複数の撮像装置1、…の存する位置からそれぞれ撮像方向に伸びる複数の直線どうしの交点を特定する。
例えば、交点特定部108fは、デジタルコンパスやジャイロセンサ(何れも図示略)等により検出される当該装置本体の撮像部103の撮像方向に基づいて、当該装置本体の存する位置から撮像方向に伸びる直線を特定するとともに、他の撮像装置1から送信されて無線処理部106により受信された当該他の撮像装置1の存する位置から撮像方向に伸びる直線を規定する信号を取得する。そして、交点特定部108fは、複数の撮像装置1、…の存する位置から、撮像方向に伸びる複数の直線の交点の位置を特定する(
図5(a)参照)。具体的には、交点特定部108fは、複数の撮像装置1、…の中から任意に2つの撮像装置1、1(例えば、第1及び第2撮像装置1A、1B等)の組を指定して、これら2つの撮像装置1、1の存する位置から撮像方向に伸びる2つの直線の交点を算出する処理を繰り返し実行する。このとき、交点特定部108fは、各直線に所定幅を持たせて、交点を特定し易くしても良い。
なお、上記した撮像部103の撮像方向を検出する手法は、特許文献2等により公知の技術であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0031】
そして、被写体位置特定部108cは、交点特定部108fにより特定された交点の分布に基づいて、被写体S1の存する位置を特定する。具体的には、被写体位置特定部108cは、例えば、交点特定部108fにより指定された任意の2つの撮像装置1、1の各組の交点を集計して、所定数以上の直線が交わる交点の中で、最も多くの直線が交わる交点の位置を被写体S1の存する位置として特定する。
【0032】
装置特定部108dは、被写体S1の撮像に最適な撮像装置1を逐次特定する。
すなわち、装置特定部(第2特定手段)108dは、被写体位置特定部108cにより特定された被写体S1の存する位置に基づいて、複数の撮像装置1、…の中で被写体S1の撮像により適した配置状態にある少なくとも一の撮像装置1を特定する。具体的には、装置特定部108dは、複数の撮像装置1、…の中で、被写体位置特定部108cにより特定された被写体S1の存する位置を撮像範囲内に含み、この位置に対して最も近い撮像装置1を選択する。例えば、
図5(b)の場合、装置特定部108dは、第1〜第3撮像装置1A〜1Cから被写体S1までの距離la〜lcをそれぞれ算出して、これらの中で最短となる距離lbに対応する第2撮像装置1Bを被写体S1の撮像に最適な撮像装置1として選択する。このとき、装置特定部108dは、被写体位置特定部108cにより逐次特定される被写体S1の存する位置に基づいて、被写体S1の撮像により適した配置状態にある少なくとも一の撮像装置1を逐次変化させても良い。
さらに、装置特定部108dは、被写体S1のライブビュー画像の撮像処理を実行中の複数の撮像装置1、…の中で、本画像の撮像処理を実行する少なくとも一の撮像装置1を特定しても良い。すなわち、配置取得部108bにより被写体S1のライブビュー画像の撮像処理を実行中の撮像装置1の配置状態が特定された場合には、装置特定部108dは、これらの複数の撮像装置1、…の中で、本画像の撮像処理を実行する撮像装置1を特定しても良い。
【0033】
撮像記録指示部(指示手段)108eは、装置特定部108dにより特定された最適な撮像装置1による被写体S1の撮像及び撮像された画像の記録を指示する。
具体的には、撮像記録指示部108eは、例えば、最適な撮像装置1による被写体S1の静止画像の撮像指示や動画像の撮像開始指示及び静止画像の記録指示や動画像の記録開始指示を含む制御信号を生成する。
そして、装置特定部108dにより特定された最適な撮像装置1が当該装置本体である場合には、撮像記録指示部108eは、生成された制御信号を撮像部103に出力して、撮像部103に被写体S1の静止画像(本画像)を撮像させて(動画像の場合には、被写体S1の撮像を開始させて)、被写体S1の撮像により生成された静止画像或いは動画像の画像データを記録媒体制御部109により記録媒体109aに記録させる。一方、装置特定部108dにより特定された最適な撮像装置1が他の撮像装置1である場合には、撮像記録指示部108eは、生成された制御信号を無線処理部106に出力して、無線処理部106は、制御信号を他の撮像装置1に送信し、他の撮像装置1の撮像部103に被写体S1の静止画像(本画像)を撮像させて(動画像の場合には、被写体S1の撮像を開始させて)、被写体S1の撮像により生成された静止画像或いは動画像の画像データを記録媒体制御部109により記録媒体109aに記録させる。
なお、撮像記録指示部108eは、被写体S1の静止画像の撮像指示や動画像の撮像開始指示に代えて、当該被写体S1の撮像を案内(ガイド表示)するための案内指示を含む制御信号を生成しても良い。この場合には、ユーザによる操作入力部110のシャッタボタンの所定操作に基づいて撮像部3による被写体の撮像が行われる。
【0034】
記録媒体制御部109は、記録媒体109aが着脱自在に構成され、装着された記録媒体109aからのデータの読み出しや記録媒体109aに対するデータの書き込みを制御する。
すなわち、記録媒体制御部109は、画像処理部104の符号化部(図示略)により所定の圧縮形式(例えば、モーションJPEG形式、MPEG形式等)で符号化された記録用のフレーム画像からなる動画像の画像データを記録媒体109aの所定の記録領域に記録させる。
なお、記録媒体109aは、例えば、不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)等により構成されている。
【0035】
操作入力部110は、当該撮像装置1の所定操作を行うためのものである。具体的には、操作入力部110は、被写体S1の撮像指示に係るシャッタボタン、撮像モードや機能等の選択指示に係る選択決定ボタン、ズーム量の調整指示に係るズームボタン等(何れも図示略)の操作部を備え、当該操作部の各ボタンの操作に応じて所定の操作信号を中央制御部101に出力する。
【0036】
<装置特定処理>
次に、装置特定システム100の撮像装置1による装置特定処理について、
図3〜
図5を参照して説明する。
図3及び
図4は、装置特定処理に係る動作の一例を示すフローチャートであり、このうち、
図3は、被写体S1の静止画像を撮像する場合の処理に対応し、
図4は、被写体S1の動画像を撮像する場合の処理に対応する。また、
図5(a)及び
図5(b)は、装置特定処理を説明するための図である。
【0037】
なお、以下に説明する装置特定処理は、複数の撮像装置1、…のうちの何れか一の撮像装置1(例えば、第1撮像装置1A)により行われるものとするが、他の撮像装置1(例えば、第2撮像装置1B等)により行われても良い。また、複数の撮像装置1、…の各々により行われても良い。
【0038】
<静止画像>
先ず、被写体S1の静止画像を撮像する場合における装置特定処理について、
図3を参照して説明する。
【0039】
図3に示すように、先ず、第1撮像装置1Aの装置指定部108aは、無線通信回線を介して接続される撮像装置1どうしによる情報通信の結果に基づいて、所定の位置範囲内且つ所定の時間範囲内で同時に撮像処理を実行可能な複数の撮像装置1、…を指定する(ステップS1;
図5(a)参照)。例えば、
図5(a)に示すように、第1撮像装置1Aは、第2〜第4撮像装置1B〜1Dのうち、第2及び第3撮像装置1B、1Cとの間で無線通信回線が構築され、第4撮像装置1Dとの間で無線通信回線が構築されなかった場合には、装置指定部108aは、当該装置本体を含めて第2及び第3撮像装置1B、1Cを指定する。
【0040】
次に、配置取得部108bは、装置指定部108aにより指定された複数の撮像装置1、…の中で、被写体S1のライブビュー画像の撮像処理を実行中の撮像装置1の存する位置に基づいて、これらの撮像装置1の配置状態を取得する(ステップS2)。例えば、配置取得部108bは、被写体S1のライブビュー画像の撮像処理を実行中の第1〜第3撮像装置1A〜1Cの配置状態を取得する。
【0041】
続けて、被写体位置特定部108cの交点特定部108fは、複数の撮像装置1、…の中から任意に2つの撮像装置1、1(例えば、第1及び第2撮像装置1A、1B等)の組を指定し(ステップS3)、これら2つの撮像装置1、1の存する位置から撮像方向に伸びる2つの直線の交点を算出する(ステップS4)。
その後、交点特定部108fは、複数の撮像装置1、…の中で任意の2つの撮像装置1、1からなる全ての組について処理したか否かを判定する(ステップS5)。ここで、全ての組について処理していないと判定されると(ステップS5;NO)、交点特定部108fは、処理をステップS3に戻し、それ以降の処理を逐次実行する。
上記の処理は、ステップS5にて全ての組について処理したと判定(ステップS5;YES)されるまで、繰り返し実行される。
【0042】
ステップS5にて、全ての組について処理したと判定されると(ステップS5;YES)、被写体位置特定部108cは、交点特定部108fにより指定された任意の2つの撮像装置1、1の各組の交点を集計し、交点の分布に基づいて被写体S1の存する位置を特定する(ステップS6)。例えば、被写体位置特定部108cは、所定数以上の直線が交わる交点の中で、最も多くの直線が交わる交点の位置を被写体S1の存する位置として特定する。
次に、装置特定部108dは、各撮像装置1から被写体S1までの距離(例えば、第1〜第3撮像装置1A〜1Cに対応する距離la〜lc等)をそれぞれ算出して、これらの中で最短距離に対応する撮像装置1(例えば、距離lbに対応する第2撮像装置1B等)を被写体S1の撮像に最適な撮像装置1として特定する(ステップS7;
図5(b)参照)。
【0043】
続けて、撮像記録指示部108eは、特定された最適な撮像装置1(例えば、第2撮像装置1B等)による被写体S1の静止画像の撮像指示及び静止画像の記録指示を含む制御信号を生成する(ステップS8)。
【0044】
その後、撮像記録指示部108eは、特定された最適な撮像装置1が当該装置本体であるか否かを判定する(ステップS9)。
ここで、最適な撮像装置1が当該装置本体であると判定されると(ステップS9;YES)、撮像記録指示部108eは、生成された制御信号を撮像部103に出力し、撮像部103は被写体S1の本画像を撮像して、記録媒体制御部109は本画像の画像データを記録媒体109aに記録する(ステップS10)。
一方、最適な撮像装置1が当該装置本体でないと判定されると(ステップS9;NO)、撮像記録指示部108eは、生成された制御信号を無線処理部106に出力し、無線処理部106は、特定された最適な撮像装置1(例えば、第2撮像装置1B等)に制御信号を送信する(ステップS11)。これにより、最適な撮像装置1の撮像部103は、被写体S1の本画像を撮像して、記録媒体制御部109は、本画像の画像データを記録媒体109aに記録する。
なお、撮像記録指示部108eにより被写体S1の撮像を案内するための案内指示を含む制御信号が生成された場合には、ユーザによる操作入力部110のシャッタボタンの所定操作に基づいて撮像部3による被写体の撮像が行われる。
【0045】
上記の各処理は、当該装置特定処理の終了が指示されるまで繰り返し実行される。
【0046】
<動画像>
次に、被写体S1の動画像を撮像する場合における装置特定処理について、
図4を参照して説明する。
なお、被写体S1の動画像を撮像する場合における装置特定処理のうち、被写体S1の静止画像を撮像する場合における装置特定処理(
図3参照)と略同様の処理については、詳細な説明を省略する。
【0047】
図4に示すように、先ず、静止画像(
図3参照)の場合のステップS1と略同様に、第1撮像装置1Aの装置指定部108aは、所定の位置範囲内且つ所定の時間範囲内で同時に撮像処理を実行可能な複数の撮像装置1、…を指定する(ステップS101;
図5(a)参照)。
続けて、静止画像(
図3参照)の場合のステップS3〜S7と略同様のステップS102〜S106の各処理を実行することで、被写体S1の撮像に最適な撮像装置1(例えば、第2撮像装置1B等)が特定される(
図5(b)参照)。
【0048】
次に、撮像記録指示部108eは、特定された最適な撮像装置1(例えば、第2撮像装置1B等)による被写体S1の動画像の撮像開始指示及び動画像の記録開始指示を含む制御信号を生成する(ステップS107)。
【0049】
その後、静止画像(
図3参照)の場合のステップS9と略同様に、撮像記録指示部108eは、特定された最適な撮像装置1が当該装置本体であるか否かを判定する(ステップS108)。
ここで、最適な撮像装置1が当該装置本体であると判定されると(ステップS108;YES)、撮像記録指示部108eは、生成された制御信号を撮像部103に出力し、撮像部103は被写体S1の撮像を開始して、記録媒体制御部109は動画像の画像データを記録媒体109aに記録する処理を開始する(ステップS109)。
一方、最適な撮像装置1が当該装置本体でないと判定されると(ステップS108;NO)、撮像記録指示部108eは、生成された制御信号を無線処理部106に出力し、無線処理部106は、特定された最適な撮像装置1(例えば、第2撮像装置1B等)に制御信号を送信する(ステップS110)。これにより、最適な撮像装置1の撮像部103は、被写体S1の撮像を開始して、記録媒体制御部109は、動画像の画像データを記録媒体109aに記録する処理を開始する。
【0050】
上記の各処理は、当該装置特定処理の終了や被写体S1の撮像終了や記録終了が指示されるまで繰り返し実行される。
【0051】
以上のように、本実施形態の装置特定システム100の撮像装置1によれば、撮像処理(例えば、ライブビュー画像の撮像処理等)を実行中の複数の撮像装置1、…の各々の配置状態に基づいて、複数の撮像装置1、…に共通する被写体S1の存する位置を特定し、特定された被写体S1の存する位置に基づいて、複数の撮像装置1、…の中で被写体S1の撮像により適した配置状態にある撮像装置1を特定するので、複数の撮像装置1、…の中で、より適切な被写体S1をより良い状態(すなわち、より良い撮像位置や撮像タイミング等)で撮像する最適な撮像装置1の特定を簡便に行うことができる。具体的には、例えば、複数の撮像装置1、…の配置状態に基づいて、複数の撮像装置1、…の存する位置からそれぞれ撮像方向に伸びる複数の直線どうしの交点を特定し、特定された交点の分布に基づいて、被写体S1の存する位置を適正に特定することができる。そして、複数の撮像装置1、…の中で、特定された被写体S1の存する位置を撮像範囲内に含み、この位置に対して最も近い撮像装置1を選択することで、より適切な被写体S1をより良い状態で撮像する最適な撮像装置1を適正に特定することができる。
これにより、例えば、撮像対象となる被写体S1や各撮像装置1の配置状態を予め固定せずに複数の撮像装置1、…で撮像を行う場合に、全ての撮像装置1により撮像された被写体S1の画像データを全て記録しておかなくとも、撮像処理を実行中の複数の撮像装置1、…の配置状態を利用して特定された最適な撮像装置1を用いて撮像を行うことで、より適切な被写体S1をより良い状態で撮像した最適な画像(例えば、本画像等)を取得することができる。
【0052】
また、複数の撮像装置1、…の配置状態を逐次取得して、逐次取得された配置状態に基づいて、被写体S1の存する位置を逐次特定することができ、撮像対象となる被写体S1や各撮像装置1の配置状態が逐次変化する場合であっても、逐次特定された被写体S1の存する位置に基づいて、より適切な被写体S1をより良い状態で撮像する最適な撮像装置1を逐次特定することができる。
【0053】
また、無線通信回線を介して接続された撮像装置1どうしによる情報通信の結果に基づいて、所定の位置範囲内且つ所定の時間範囲内で同時に撮像処理を実行可能な複数の撮像装置1、…を指定するので、無線通信を利用して撮像処理を実行可能な複数の撮像装置を指定することができ、指定された複数の撮像装置1、…の存する位置に基づいて複数の撮像装置1、…の配置状態を取得することができる。
【0054】
さらに、最適な撮像装置1による被写体S1の撮像及び撮像された画像の記録を指示するので、当該撮像装置1を用いて撮像されたより適切な被写体S1がより良い状態で写った画像を取得することができる。
【0055】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
以下に、装置特定システム100の変形例について説明する。ここで、装置特定システム100の変形例にあっては、以下に詳細に説明する以外の点で上記実施形態と略同様であり、詳細な説明は省略する。
【0056】
<変形例1>
図6は、変形例1の装置特定システムを構成する撮像装置201の概略構成を示すブロック図である。
【0057】
図6に示すように、撮像装置201の特定処理部208は、交点特定部108fに加えて交点判定部108gを有する被写体位置特定部208cを具備している。
交点判定部(判定手段)108gは、交点特定部108fにより特定された交点が所定数以上集中して分布する位置が複数あるか否かを判定する。
すなわち、例えば、複数の異なる被写体S1、S2が存する場合、交点特定部108fが、複数の撮像装置201、…のうちの任意の2つの撮像装置201、201(例えば、第1及び第2撮像装置1A、1B等)の存する位置から撮像方向に伸びる2つの直線の交点を算出する処理を繰り返し実行すると、複数の箇所(例えば、被写体S1が存する位置と被写体S2が存する位置の二箇所)に集中して交点が配置されることとなる(
図9(a)参照)。つまり、交点特定部108fにより特定された交点が集中して分布する位置が複数ある場合には、撮像者が注目している被写体が複数存すると考えられる。
そこで、被写体位置特定部208cは、交点判定部108gにより交点が所定数以上集中して分布する位置が複数あると判定されると、交点が所定数以上集中して分布する複数の位置の各々を被写体S1、S2の存する位置としてそれぞれ特定する。
【0058】
そして、装置特定部108dは、被写体位置特定部208cによりそれぞれ特定された被写体S1、S2の存する位置毎に、複数の撮像装置201、…の中で被写体S1の撮像に適した少なくとも一の撮像装置201を特定する。
具体的には、例えば、装置特定部108dは、被写体S1、S2の存する位置毎に、各被写体の位置を特定するための交点を構成する複数の撮像装置201(例えば、被写体S1の場合には、第1及び第2撮像装置1A、1B等)を特定して、これらの撮像装置201の中から被写体に対して最も近い撮像装置201を選択する(
図9(b)参照)。
例えば、
図9(b)に示すように、被写体S1の場合、装置特定部108dは、第1及び第2撮像装置1A、1Bを特定して、これら第1及び第2撮像装置1A、1Bから被写体S1までの距離la、lbをそれぞれ算出して、最短となる距離lbに対応する第2撮像装置1Bを被写体S1の撮像に最適な撮像装置201として特定する。一方、例えば、被写体S2の場合、装置特定部108dは、第3及び第4撮像装置1C、1Dを特定して、これら第3及び第4撮像装置1C、1Dから被写体S2までの距離lc、ldをそれぞれ算出して、最短となる距離lcに対応する第3撮像装置1Cを被写体S2の撮像に最適な撮像装置201として特定する。
【0059】
<装置特定処理>
次に、撮像装置201による装置特定処理について、
図7〜
図9を参照して説明する。
図7及び
図8は、装置特定処理に係る動作の一例を示すフローチャートであり、
図9(a)及び
図9(b)は、装置特定処理を説明するための図である。
【0060】
本変形例1では、被写体S1の静止画像を撮像する場合の装置特定処理について説明するが、以下に説明する装置特定処理のうち、上記実施形態における被写体S1の静止画像を撮像する場合における装置特定処理(
図3参照)と略同様の処理については、詳細な説明を省略する。
また、本変形例1の装置特定処理としては、被写体S1の静止画像を撮像する場合の処理を例示して説明し、被写体S1の動画像を撮像する場合の処理については同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0061】
図7に示すように、上記実施形態の静止画像を撮像する場合の処理(
図3参照)のステップS1と略同様に、第1撮像装置1Aの装置指定部108aは、所定の位置範囲内且つ所定の時間範囲内で同時に撮像処理を実行可能な複数の撮像装置1、…を指定する(ステップS201;
図9(a)参照)。例えば、
図9(a)に示すように、第1撮像装置1Aは、第2〜第4撮像装置1B〜1Dとの間で無線通信回線が構築された場合、装置指定部108aは、当該装置本体を含めて第2〜第4撮像装置1B〜1Dを指定する。
続けて、上記実施形態の静止画像を撮像する場合の処理(
図3参照)のステップS1〜S5と略同様のステップS202〜S205の各処理を実行することで、複数の撮像装置1、…の中で任意の2つの撮像装置1、1からなる全ての組について交点が算出される。
【0062】
ステップS205にて、全ての組について処理したと判定されると(ステップS205;YES)、交点判定部108gは、交点特定部108fにより指定された任意の2つの撮像装置1、1の各組の交点を集計し、特定された交点が所定数以上集中して分布する位置が複数あるか否かを判定する(ステップS206)。
ここで、交点が所定数以上集中して分布する位置が複数あると判定されると(ステップS206;YES)、被写体位置特定部208cは、交点が所定数以上集中して分布する複数の位置毎に、被写体(例えば、2つの被写体S1、S2等)の存する位置をそれぞれ特定する(ステップS207)。
そして、装置特定部108dは、各被写体の存する位置毎に、各撮像装置201から被写体S1までの距離をそれぞれ算出して、これらの中で最短距離に対応する撮像装置201を被写体S1の撮像に最適な撮像装置201として特定する(ステップS208;
図9(b)参照)。具体的には、例えば、装置特定部108dは、各被写体の存する位置毎に、各被写体の位置を特定するための交点を構成する複数の撮像装置201(例えば、被写体S1の場合には、第1及び第2撮像装置1A、1B等)を特定する。そして、装置特定部108dは、各撮像装置201から被写体までの距離(例えば、被写体S1の場合には、第1及び第2撮像装置1A及び1Bに対応する距離la、lb等)をそれぞれ算出して、これらの中で最短距離に対応する撮像装置201(例えば、例えば、被写体S1の場合には、距離lbに対応する第2撮像装置1B等)を被写体の撮像に最適な撮像装置1として特定する。
その後、撮像記録指示部108eは、各被写体の存する位置毎に、特定された最適な撮像装置201による被写体の静止画像の撮像指示及び静止画像の記録指示を含む制御信号を生成する(ステップS209)。
【0063】
一方、ステップS206にて、交点が所定数以上集中して分布する位置が複数ないと判定されると(ステップS206;NO)、上記実施形態の静止画像を撮像する場合の処理(
図3参照)のステップS6と略同様に、被写体位置特定部208cは、交点の集計結果から、交点の分布に基づいて被写体S1の存する位置を特定する(ステップS210)。そして、上記実施形態の静止画像を撮像する場合の処理(
図3参照)のステップS7と略同様に、装置特定部108dは、各撮像装置201から被写体S1までの距離をそれぞれ算出して、これらの中で最短距離に対応する撮像装置201を被写体S1の撮像に最適な撮像装置201として特定する(ステップS211)。
その後、上記実施形態の静止画像を撮像する場合の処理(
図3参照)のステップS8と略同様に、撮像記録指示部108eは、特定された最適な撮像装置201による被写体の静止画像の撮像指示及び静止画像の記録指示を含む制御信号を生成する(ステップS212)。
【0064】
図8に示すように、その後、上記実施形態の静止画像を撮像する場合の処理(
図3参照)のステップS9と略同様に、撮像記録指示部108eは、特定された最適な撮像装置201が当該装置本体であるか否かを判定する(ステップS213)。
このとき、ステップS207にて、最適な撮像装置201が複数特定されている場合、すなわち、被写体の存する位置が複数ある場合、撮像記録指示部108eは、特定された各撮像装置201毎に当該装置本体であるか否かを判定する。
【0065】
そして、最適な撮像装置201が当該装置本体であると判定されると(ステップS213;YES)、上記実施形態の静止画像を撮像する場合の処理(
図3参照)のステップS10と略同様に、撮像記録指示部108eは、生成された制御信号を撮像部103に出力して、撮像部103は被写体の本画像を撮像して、記録媒体制御部109は本画像の画像データを記録媒体109aに記録する(ステップS214)。
一方、最適な撮像装置201が当該装置本体でないと判定されると(ステップS213;NO)、上記実施形態の静止画像を撮像する場合の処理(
図3参照)のステップS11と略同様に、撮像記録指示部108eは、生成された制御信号を無線処理部106に出力して、無線処理部106は、特定された最適な撮像装置201(例えば、第2撮像装置1B等)に制御信号を送信する(ステップS215)。このとき、ステップS207にて、最適な撮像装置201が複数特定され、且つ、これら複数の撮像装置201が当該装置本体でない場合、無線処理部106は、最適な撮像装置201毎に制御信号を送信する。これにより、最適な撮像装置201の撮像部103は、被写体S1の本画像を撮像して、記録媒体制御部109は、本画像の画像データを記録媒体109aに記録する。
【0066】
上記の各処理は、当該装置特定処理の終了が指示されるまで繰り返し実行される。
【0067】
したがって、変形例1の装置特定システムの撮像装置201によれば、複数の撮像装置201、…の存する位置からそれぞれ撮像方向に伸びる複数の直線どうしの交点が所定数以上集中して分布する位置が複数ある場合であっても、交点が所定数以上集中して分布する複数の位置を被写体S1、S2の存する位置としてそれぞれ特定し、複数の撮像装置201、…の中で、それぞれ特定された被写体S1、S2の存する位置毎に、被写体S1、S2の撮像に適した最適な撮像装置201を特定することができる。すなわち、複数の撮像者が注目している被写体が複数存する場合であっても、各被写体毎に、当該被写体をより良い状態で撮像する最適な撮像装置201を適正に特定することができ、これにより、より適切な被写体S1、S2をより良い状態で撮像した最適な画像をそれぞれ取得することができる。
【0068】
また、上記実施形態にあっては、ライブビュー画像の撮像処理を実行中の複数の撮像装置1(201)、…を対象として、各々の撮像装置1の配置状態を取得する処理や、複数の撮像装置1に共通する被写体S1(S2)の存する位置を特定する処理や、被写体S1の撮像により適した配置状態にある撮像装置1を特定する処理を行ったが、これら各処理においては、必ずしもライブビュー画像の撮像処理を実行中の複数の撮像装置1、…を対象としなくともよい。
例えば、所望の被写体に向けて三脚に固定された状態にある撮像装置1を遠隔操作で自動撮像させる場合など、所望の被写体の撮像準備が出来ている撮像装置1や、所望の被写体を撮像した直後で撮像方向を維持したままの状態にある撮像装置1を対象としてもよい。
つまり、各々が独立して所望の被写体を撮像するために配置状態が決められている複数の撮像装置1、…であれば、上記各処理の対象としてもよい。
【0069】
また、上記各処理で対象となる複数の撮像装置1(201)、…は、全てが同じ撮像装置1である必要はなく、例えば、撮像モード(ライブビュー画像の撮像処理を実行中)にある複数の撮像装置1、…を対象として共通の被写体S1を特定した後、この特定された共通の被写体を撮像可能な位置と撮像方向にあり、かつ、遠隔操作などで撮像を指示(電源ONの指示を含んでもよい)できる他の撮像装置があれば、撮像モードにない撮像装置を被写体の撮像により適した配置状態にある撮像装置として選択するようにしてもよい。
【0070】
また、上記実施形態にあっては、複数の撮像装置1(201)、…の存する位置からそれぞれ撮像方向に伸びる複数の直線どうしの交点の分布に基づいて、被写体S1(S2)の存する位置を特定するようにしたが、一例であってこれに限られるものではない。すなわち、被写体位置特定部108c(208c)は、必ずしも交点特定部108fを具備する必要はなく、複数の撮像装置1、…の配置状態に基づいて被写体S1の存する位置を特定可能な構成であれば適宜任意に変更可能である。
例えば、特許文献2等に示すように、被写体位置特定部108cは、各撮像装置1の存する位置を基準(例えば、中心)とする複数の同心円上の位置に確率が割り振られた確率分布(図示略)を生成し、複数の撮像装置1、…に対応する複数の確率分布が重ね合わさった平面上の各位置において、それぞれの確率分布で割り振られた確率を掛け合わせることで各位置における被写体S1の存在する確率を算出する。そして、被写体位置特定部108cは、例えば、所定値以上の確率となる位置の中で、最も高い確率となる位置を被写体S1の存する位置として特定するような構成としても良い。
【0071】
さらに、上記実施形態にあっては、装置特定部108dは、被写体S1の撮像に最適な一の撮像装置1(201)を特定するようにしたが、一例であってこれに限られるものではなく、最適な撮像装置1として特定される個数は適宜任意に変更可能である。
【0072】
また、装置特定システム100の構成は、上記実施形態に例示したものは一例であり、これに限られるものではない。例えば、所定の通信回線として、無線通信回線を例示して説明したが、複数の撮像装置1(201)、…どうしを有線ケーブル等により接続して通信を行う有線通信回線であっても良い。
また、特定装置として、複数の撮像装置1(201)、…を制御するサーバ(図示略)を備え、当該サーバが複数の撮像装置1、…の中で、最適な撮像装置1を特定するようにしても良い。さらに、サーバ(或いは、何れか一の撮像装置)は、複数の撮像装置1、…による被写体S1の撮像及び画像データの記録後に、各撮像装置1により記録された画像データの中で、最適な撮像装置1により記録された画像データのみを保管するようにしても良い。
【0073】
加えて、上記実施形態にあっては、取得手段、第1特定手段、第2特定手段としての機能を、配置取得部108b、被写体位置特定部108c(208c)、装置特定部108dが駆動することにより実現される構成としたが、これに限られることものではなく、中央制御部101のCPUによって所定のプログラム等が実行されることにより実現される構成としても良い。
すなわち、プログラムを記憶するプログラムメモリ(図示略)に、取得処理ルーチン、第1特定処理ルーチン、第2特定処理ルーチンを含むプログラムを記憶しておく。そして、取得処理ルーチンにより中央制御部101のCPUを、複数の撮像装置1、…の各々の配置状態を取得する手段として機能させるようにしても良い。また、第1特定処理ルーチンにより中央制御部101のCPUを、取得された複数の配置状態の関係性に基づいて、複数の撮像装置1、…に共通する被写体S1の存する位置を特定する手段として機能させるようにしても良い。また、第2特定処理ルーチンにより中央制御部101のCPUを、特定された被写体S1の存する位置に基づいて、複数の撮像装置1、…の中で被写体S1の撮像により適した配置状態にある少なくとも一の撮像装置1を特定する手段として機能させるようにしても良い。
【0074】
同様に、指示手段、交点特定手段、判定手段についても、中央制御部101のCPUによって所定のプログラム等が実行されることにより実現される構成としても良い。
【0075】
さらに、上記の各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体として、ROMやハードディスク等の他、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを所定の通信回線を介して提供する媒体としては、キャリアウェーブ(搬送波)も適用される。
【0076】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
複数の撮像装置の各々の配置状態を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された複数の配置状態の関係性に基づいて、前記複数の撮像装置に共通する被写体の存する位置を特定する第1特定手段と、
前記第1特定手段により特定された被写体の存する位置に基づいて、前記複数の撮像装置の中で被写体の撮像により適した配置状態にある少なくとも一の撮像装置を特定する第2特定手段と、
を備えたことを特徴とする特定装置。
<請求項2>
前記取得手段は、更に、前記複数の撮像装置の各々の配置状態を逐次取得し、
前記第1特定手段は、更に、前記取得手段により逐次取得される複数の配置状態の関係性に基づいて、被写体の存する位置を逐次特定し、
前記第2特定手段は、更に、前記第1特定手段により逐次特定される被写体の存する位置に基づいて、前記被写体の撮像により適した配置状態にある少なくとも一の撮像装置を逐次変化させることを特徴とする請求項1に記載の特定装置。
<請求項3>
前記取得手段は、更に、各々が独立して所望の被写体を撮像するために配置状態が決められている複数の撮像装置の各々の配置状態を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の特定装置。
<請求項4>
前記取得手段は、更に、撮像処理を実行中の複数の撮像装置の各々の配置状態を取得することを特徴とする請求項3に記載の特定装置。
<請求項5>
前記第1特定手段は、更に、撮像処理を実行中の複数の撮像装置の配置状態の関係性に基づいて、前記複数の撮像装置に共通する被写体の存する位置を特定することを特徴とする請求項4に記載の特定装置。
<請求項6>
前記第2特定手段は、更に、ライブビュー画像の撮像処理を実行中の前記複数の撮像装置の中で、本画像の撮像処理を実行する前記少なくとも一の撮像装置を特定することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の特定装置。
<請求項7>
前記第2特定手段により特定された前記少なくとも一の撮像装置による被写体の撮像及び撮像された画像の記録を指示する指示手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の特定装置。
<請求項8>
前記取得手段は、更に、撮像装置の各々の配置状態として、各々の撮像装置の存する位置及び撮像方向を取得し、
前記第1特定手段は、更に、各々の撮像装置の存する位置及び撮像方向により特定される各々の被写体の存在範囲の関係性に基づいて、前記複数の撮像装置に共通する被写体の存する位置を特定することを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の特定装置。
<請求項9>
前記第1特定手段は、更に、
前記複数の撮像装置の存する位置からそれぞれ撮像方向に伸びる複数の直線どうしの交点を特定する交点特定手段を有し、前記交点特定手段により特定された前記交点の分布に基づいて、被写体の存する位置を特定し、
前記第2特定手段は、更に、前記複数の撮像装置の中で、前記第1特定手段により特定された被写体の存する位置を撮像範囲内に含み、この位置に対して最も近い撮像装置を選択することを特徴とする請求項8に記載の特定装置。
<請求項10>
前記第1特定手段は、更に、
前記交点特定手段により特定された前記交点が所定数以上集中して分布する位置が複数あるか否かを判定する判定手段を有し、前記判定手段により前記交点が所定数以上集中して分布する位置が複数あると判定された場合に、前記交点が所定数以上集中して分布する複数の位置を被写体の存する位置としてそれぞれ特定し、
前記第2特定手段は、更に、前記複数の撮像装置の中で、前記第1特定手段によりそれぞれ特定された被写体の存する位置毎に、被写体の撮像に適した前記少なくとも一の撮像装置を特定することを特徴とする請求項8に記載の特定装置。
<請求項11>
所定の通信回線を介して接続された撮像装置どうしによる情報通信の結果に基づいて、所定の位置範囲内且つ所定の時間範囲内で同時に撮像処理を実行可能な複数の撮像装置を指定する指定手段を更に備え、
前記取得手段は、前記指定手段により指定された複数の撮像装置の存する位置に基づいて前記複数の撮像装置の配置状態を取得することを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の特定装置。
<請求項12>
特定装置を用いた特定方法であって、
複数の撮像装置の各々の配置状態を取得する処理と、
取得された複数の配置状態の関係性に基づいて、前記複数の撮像装置に共通する被写体の存する位置を特定する処理と、
特定された被写体の存する位置に基づいて、前記複数の撮像装置の中で被写体の撮像により適した配置状態にある少なくとも一の撮像装置を特定する処理と、
を含むことを特徴とする特定方法。
<請求項13>
特定装置のコンピュータを、
複数の撮像装置の各々の配置状態を取得する取得手段、
前記取得手段により取得された複数の配置状態の関係性に基づいて、前記複数の撮像装置に共通する被写体の存する位置を特定する第1特定手段、
前記第1特定手段により特定された被写体の存する位置に基づいて、前記複数の撮像装置の中で被写体の撮像により適した配置状態にある少なくとも一の撮像装置を特定する第2特定手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。