特許第6331645号(P6331645)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6331645
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】弁装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 27/00 20060101AFI20180521BHJP
   F16K 31/06 20060101ALI20180521BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20180521BHJP
【FI】
   F16K27/00 C
   F16K31/06 305K
   H01M8/04 N
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-88450(P2014-88450)
(22)【出願日】2014年4月22日
(65)【公開番号】特開2015-206438(P2015-206438A)
(43)【公開日】2015年11月19日
【審査請求日】2017年3月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】中野 哲
(72)【発明者】
【氏名】嶋 稔彦
(72)【発明者】
【氏名】中村 昭夫
(72)【発明者】
【氏名】竹内 克之
(72)【発明者】
【氏名】野田 智哉
(72)【発明者】
【氏名】逸見 睦生
【審査官】 加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−036920(JP,A)
【文献】 実開昭60−075770(JP,U)
【文献】 実開昭62−041986(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3136824(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 27/00−27/12
F16K 31/06−31/11
H01M 8/04− 8/0668
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスの供給路を有するボディと、
前記ボディに収容される電磁弁と、を備え、
前記電磁弁は、
前記供給路に通じる流路を内部に有する筒状のスリーブと、
前記流路を開閉する開閉部と、
前記開閉部を開閉駆動させる駆動部と、を有し、
前記スリーブの外壁と前記ボディの内壁との間にはシール部材が配置され、
前記スリーブにおける前記開閉部の下流側の先端部が前記ボディから露出しており、
前記先端部には、配管を接続可能な継手機能部が設けられている弁装置。
【請求項2】
前記継手機能部は、前記スリーブの先端部の外周面に形成されたねじ溝からなり、
前記ねじ溝は、前記配管に設けられる締結部材を締結可能に構成される
請求項に記載の弁装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池車には、ガスタンクから燃料電池への水素ガスの供給及び停止を制御するための弁装置が搭載されている。このような弁装置としては、特許文献1に記載の弁装置がある。特許文献1に記載の弁装置は、ガスタンクに連通される供給路を有するボディと、ボディ内に収容される電磁弁とを備えている。電磁弁は、ボディの供給路に通じる流路を内部に有する筒状のスリーブと、スリーブ内の流路を開閉する開閉部と、開閉部を開閉駆動させる駆動部とを有している。スリーブにおける流路の下流側の開口部はボディの内部に位置している。ボディの内部には、スリーブの開口部からボディの外面に貫通する送出路が形成されている。すなわち、ガスタンク内に充填された高圧水素ガスはボディの供給路を介して電磁弁に導入される。そして、電磁弁の開閉部を通過したガスは、スリーブの流路及びボディの送出路を介してボディの外面開口部から送出され、燃料電池に供給される。また、スリーブの外壁とボディの内壁との間にはシール部材が配置されている。このシール部材は、供給路内のガスが電磁弁のスリーブとボディとの間の隙間を介して送出路へと流入するのを抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−89569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の弁装置では、通常、ボディの供給路内のガス圧の方が送出路内のガス圧よりも高いため、その状態に応じた圧力(正圧)がシール部材に加わる。しかしながら、送出路内のガス圧の変動によっては、正圧と異なる圧力がシール部材に加わる場合もある。正圧と異なる圧力としては、例えば送出路内のガス圧の方が供給路内のガス圧よりも高くなることにより生じる圧力(逆圧)や、送出路内のガス圧が供給路内のガス圧よりも急激に減少することにより生じる圧力(急減圧)等がある。このような逆圧や急減圧に応じた圧力がシール部材に付与されると、シール部材に大きな負荷が加わる。これがシール部材の寿命の低下を招く要因となっている。
【0005】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電磁弁のスリーブとボディとの間に配置されるシール部材の負担を軽減することのできる弁装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する弁装置は、ガスの供給路を有するボディと、前記ボディに収容される電磁弁と、を備え、前記電磁弁は、前記供給路に通じる流路を内部に有する筒状のスリーブと、前記流路を開閉する開閉部と、前記開閉部を開閉駆動させる駆動部と、を有し、前記スリーブの外壁と前記ボディの内壁との間にはシール部材が配置され、前記スリーブにおける前記開閉部の下流側の先端部が前記ボディから露出している。
【0007】
この構成によれば、ボディから露出しているスリーブの先端部に配管を連結することができる。これにより、スリーブ及び配管の連結部分はボディの外部に位置するため、スリーブの先端部を通過したガスがスリーブの外壁とボディの内壁との間の隙間から入り込み難くなる。したがって、スリーブとボディとの間に設けられるシール部材に上記のような逆圧や急減圧が加わり難くなるため、シール部材の負担を軽減することができる。
【0008】
上記弁装置について、前記スリーブの先端部には、配管を接続可能な継手機能部が設けられることが好ましい。
この構成によれば、継手機能部を介してスリーブと配管とを容易に連結することができる。
【0009】
上記弁装置について、前記継手機能部は、前記スリーブの先端部の外周面に形成されたねじ溝からなり、前記配管には、前記ねじ溝に締結可能な締結部材が設けられることが好ましい。
【0010】
この構成によれば、スリーブのねじ溝に配管の締結部材を締め付けることで、スリーブと配管とを確実に連結することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電磁弁のスリーブとボディとの間に配置されるシール部材の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】弁装置の一実施形態についてその断面構造を示す断面図。
図2図1のA−A線に沿った断面構造を示す断面図。
図3】実施形態の弁装置についてそのスリーブの先端部に配管が連結された状態を示す断面図。
図4】弁装置の変形例についてそのスリーブの先端部周辺の断面構造を示す断面図。
図5】弁装置の変形例についてそのスリーブの先端部周辺の断面構造を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、弁装置の一実施形態について説明する。本実施形態の弁装置は燃料電池車に搭載され、燃料電池への水素ガスの供給及び停止を制御するものである。
図1に示すように、弁装置1はガスタンク2に取り付けられている。ガスタンク2には高圧(例えば、70MPa程度)の水素ガスが充填されている。弁装置1は、電磁弁3と、電磁弁3を収容するボディ5とを備えている。電磁弁3の一部はボディ5の一側面50から露出している。ボディ5から露出した電磁弁3の一部はカバー4により覆われている。カバー4はボルト6によってボディ5に固定されている。
【0014】
図1に破線で示すように、ボディ5の外面には、ガスタンク2の取付口(図示略)に挿入される円柱状の取付部51が形成されている。ボディ5の内部には、電磁弁3を収容する収容孔52と、収容孔52及び取付部51を連通する供給路53とが形成されている。収容孔52は、ボディ5におけるカバー4の当接する一側面50からその反対側の他側面54に貫通しており、他側面54に開口部55を有している。収容孔52は、ボディ5の一側面50から他側面54に向かうほど内径が徐々に小さくなるように形成された段付きの丸穴からなる。供給路53は、取付部51に連通される接続路53aと、接続路53a及び収容孔52を連通する連通路53bとから構成される。すなわち、ガスタンク2内の水素ガスは取付部51、接続路53a、及び連通路53bを介して収容孔52へと導かれる。
【0015】
電磁弁3は、円筒状のスリーブ30と、スリーブ30の内部に収容される可動鉄心31と、可動鉄心31に一体的に設けられる弁体32と、可動鉄心31に対してカバー4側に対向配置される固定鉄心34と、スリーブ30の周囲に配置されるソレノイド35とを備えている。ソレノイド35の外周はケース36により覆われている。
【0016】
スリーブ30の外周は、収容孔52の内周に合わせて段付きの形状をなしている。スリーブ30は、その先端部30aがボディ5の開口部55から突出するかたちで収容孔52に収容されている。図1のA−A線に沿った断面構造を図2に示すように、収容孔52の内壁の一部及びスリーブ30の外壁の一部は略長円状(スロット状)にそれぞれ形成されており、スリーブ30の外周部分と収容孔52の内周部分とはスリーブ30の周方向において互いに係合している。この係合構造によりスリーブ30の周方向の回り止めがなされている。
【0017】
図1に示すように、スリーブ30内には、可動鉄心31を収容する有底円筒状の鉄心収容部30bと、鉄心収容部30bの底面からスリーブ30の先端部30aに貫通する流路30cとが形成されている。鉄心収容部30bの底面における流路30cの開口部分には円環状の弁座37が嵌め込まれている。スリーブ30の外周面における供給路53の開口部53cに対向する部分には凹状の連通溝38が形成されている。連通溝38は、スリーブ30の外周面における供給路53の開口部53cに対向する部分から、同部分とスリーブ30の中心軸mを挟んで反対側の外周部分までスリーブ30の外周面に沿って環状に形成されている。またスリーブ30の内部には、供給路53の開口部53cと反対側の位置において連通溝38に連通するとともに鉄心収容部30bの底面に開口する導入路39が形成されている。すなわち、供給路53は連通溝38及び導入路39を介して鉄心収容部30b及び流路30cに通じている。スリーブ30の外周面における連通溝38の開口部分には、軸方向両端をシール部材40,40により挟み込まれたフィルタ41が配置されている。したがって、供給路53から連通溝38に水素ガスが導入される際、水素ガスに含まれるダストがフィルタ41により捕集されるため、清浄な水素ガスを電磁弁3に供給することができる。
【0018】
収容孔52の内周面における供給路53の開口部53cよりもカバー4側の部分には、スリーブ30の外周面との間をシールするOリングからなるシール部材42が設けられている。このシール部材42は、供給路53からカバー4側へのガス漏れを抑制する。また、収容孔52の内周面における供給路53の開口部53cよりもボディ5の開口部55側の部分にも、スリーブ30の外周面との間をシールするOリングからなるシール部材43が設けられている。このシール部材43は、供給路53からボディ5の開口部55を介した外部へのガス漏れを抑制する。
【0019】
可動鉄心31は円筒状の部材からなり、スリーブ30の鉄心収容部30b内に隙間を有して収容されている。可動鉄心31とスリーブ30の鉄心収容部30bとの間の隙間は、導入路39からの水素ガスが滞留する滞留室44を構成する。可動鉄心31には周知のパイロット弁機構が組み込まれている。なお、パイロット弁機構の説明は割愛する。可動鉄心31の内部には弁体32及びコイルスプリング33が収容されている。弁体32の先端部は、可動鉄心31の弁座37側の端面から突出している。コイルスプリング33は可動鉄心31に対して弁座37に向かう方向の付勢力を付与している。この付勢力により弁体32が弁座37に着座している。弁体32及び弁座37は、スリーブ30の流路30cを開閉する開閉部を構成する。
【0020】
固定鉄心34はスリーブ30の鉄心収容部30b内に圧入されることによりスリーブ30に固定されている。固定鉄心34の外周面とスリーブ30の鉄心収容部30bの内周面との間には、それらの間をシールするシール部材45が設けられている。
【0021】
ソレノイド35は、スリーブ30の外周面に嵌合されるボビン35aと、ボビン35aに収容されるコイル35bと、弁体32の径方向外側の位置でスリーブ30の外周面に嵌合されるヨーク35cとを備えている。コイル35bへの給電は、カバー4の内部から外部に導出された配線46を介して行われる。可動鉄心31、コイルスプリング33、固定鉄心34、及びソレノイド35は、弁体32を開閉駆動させる駆動部を構成する。
【0022】
図3に示すように、スリーブ30の先端部30aには配管7が連結される。詳しくは、スリーブ30の先端部30aの外周面には、継手機能部を構成するねじ溝30dが形成されている。また、スリーブ30の先端内周面にはテーパ面30eが形成されている。一方、配管7にはフランジ部70が形成されるとともに、フランジ部70よりも先端側の部分71が円錐台状に形成されている。フランジ部70には筒状の締結部材72が装着されている。締結部材72の先端部内周には雌ねじ部73が形成されている。この締結部材72の雌ねじ部73がスリーブ30の先端部30aのねじ溝30dにねじ込まれることにより、締結部材72を介して配管7がスリーブ30に連結されている。締結部材72の雌ねじ部73をスリーブ30の先端部30aのねじ溝30dにねじ込む際、配管7の先端部71における円錐台状の外周部分がスリーブ30のテーパ面30eに押し付けられることで、配管7の先端部71とスリーブ30のテーパ面30eとの間がメタルシールされる。この配管7を通じて弁装置1から燃料電池8に水素ガスが供給される。
【0023】
次に、本実施形態の弁装置1の動作について説明する。
弁装置1では、電磁弁3のコイル35bに駆動電流が供給されていない場合、コイルスプリング33の付勢力及び水素ガスの圧力により弁体32が弁座37に着座している。したがって、スリーブ30の流路30cは閉じた状態となるため、スリーブ30の先端部30aから水素ガスが送出されない。
【0024】
一方、配線46を介してコイル35bに駆動電流が供給されると、可動鉄心31が固定鉄心34に吸引される。これにより、コイルスプリング33の付勢力に抗して弁体32が弁座37から離れると、滞留室44とスリーブ30の流路30cとが繋がる。すなわち、流路30cが開いた状態となる。この状態では、供給路53内の水素ガスは、連通溝38、導入路39、滞留室44、及び流路30cを介して配管7に送出され、燃料電池8に供給される。
【0025】
以上説明した本実施形態の弁装置1によれば、以下の作用及び効果を得ることができる。
(1)本実施形態の弁装置1では、スリーブ30における弁体32の下流側の先端部30aがボディ5から露出しているため、スリーブ30の先端部30aに配管7を連結することができる。これにより、スリーブ30及び配管7の連結部分をボディ5の外部に位置させることができる。よって、スリーブ30の先端部30aを通過した水素ガスがボディ5の開口部55とスリーブ30との間の隙間から入り込み難くなるため、スリーブ30とボディ5との間に設けられるシール部材43に逆圧や急減圧が加わり難くなる。結果的に、シール部材43に加わる負担を軽減することができる。
【0026】
(2)スリーブ30の先端部30aの外周面にはねじ溝30dを形成した。また、配管7には、スリーブ30のねじ溝30dに締結可能な締結部材72を設けた。これにより、スリーブ30と配管7とを容易且つ確実に連結することができる。
【0027】
(3)図2に示したスリーブ30とボディ5との係合構造によりスリーブ30の周方向の回り止めがなされているため、スリーブ30の先端部30aに配管7の締結部材72をねじ込む際、スリーブ30がボディ5に対して相対回転し難くなる。よって、締結作業を容易に行うことができる。
【0028】
(4)例えば燃料電池車を長期間使用した場合、水素ガスに含まれる僅かな水分が徐々にボディ5の供給路53内に水滴として溜まることがある。この水滴がスリーブ30の滞留室44内に進入して可動鉄心31に付着すると、可動鉄心31が錆び付くおそれがある。この点、本実施形態では、供給路53及び連通溝38が連通される位置と、連通溝38及び導入路39が連通される位置とがスリーブ30の中心軸mを挟んで反対側に配置されているため、供給路53内の水滴が導入路39まで到達し難くなっている。すなわち、供給路53内の水滴が滞留室44内に進入し難くなっているため、可動鉄心31の錆び付きを抑制することができる。
【0029】
なお、上記実施形態は、以下の形態にて実施することもできる。
・上記実施形態では、スリーブ30の回り止めを行うべく、収容孔52の内壁の一部及びスリーブ30の外壁の一部を長円状に形成したが、それらを多角状(例えば六角状)等に形成してもよい。要は、収容孔52の内壁及びスリーブ30の外壁がスリーブ30の周方向において互いに係合可能な形状をそれぞれ有していればよい。
【0030】
・スリーブ30の回り止めのための構造は、収容孔52の内壁及びスリーブ30の外壁の係合構造に限定されない。例えば図4に示すように、スリーブ30の先端部30aに形成されたねじ溝30dをボディ5の開口部55まで延長し、このねじ溝30dにロックナット9をねじ込む。このロックナット9の締結によりスリーブ30をボディ5に固定することで、スリーブ30の回り止めを行ってもよい。
【0031】
・上記実施形態では、供給路53及び連通溝38が連通される位置と、連通溝38及び導入路39が連通される位置とをスリーブ30の中心軸mを挟んで反対側に配置したが、前者の位置からスリーブ30の周方向に180°よりも小さい角度だけずれた位置に後者の位置を配置してもよい。また、スリーブ30の外周面における導入路39の開口位置を供給路53の開口部53cに対向させてもよい。この構成によれば、スリーブ30に連通溝38を形成する必要がなくなるため、スリーブ30の構造を簡素化することができる。
【0032】
・上記実施形態では、スリーブ30と配管7とを接続する継手構造として、スリーブ30のねじ溝30d及び締結部材72の雌ねじ部73からなるねじ構造を採用したが、例えばクイック継手に準じた構造等を採用してもよい。要は、スリーブ30の先端部30aに、配管7を接続可能な継手機能部が設けられていればよい。
【0033】
・上記実施形態では、スリーブ30の先端部30aをボディ5の開口部55から突出させるかたちでスリーブ30を収容孔52に収容した。しかし、これに限らず、図5に示すように、ボディ5の開口部55に、配管7の締結部材72を挿入可能な大きさの凹部56を形成し、スリーブ30の先端部30aを凹部56内に突出させ、且つボディ5の開口部55の開口縁部からは後退させるかたちで、スリーブ30の先端部30aをボディ5から露出させてもよい。
【0034】
・上記実施形態では、スリーブ30を円筒状に形成したが、スリーブ30の形状としては、例えば四角筒状などの適宜の筒形状を採用することができる。
・シール部材42,43にはOリング以外のシール部材を用いてもよい。
【0035】
・弁装置1の開閉部の構成は、上記実施形態の弁体32及び弁座37からなる構成に限らず、適宜変更可能である。また、弁装置1の駆動部の構成は、可動鉄心31、固定鉄心34、及びソレノイド35からなる構成に限らず、適宜変更可能である。
【0036】
・上記実施形態の弁装置1は燃料電池車に搭載されるものであったが、弁装置1を燃料電池車以外に搭載してもよい。この場合、水素ガス以外のガスの供給及び停止を制御するための弁装置として上記実施形態の弁装置1を適用してもよい。
【0037】
(付記)
次に、上記実施形態及びその変形例から把握できる技術的思想について追記する。
(イ)前記ボディにおける前記スリーブの収容される収容孔の内壁及び前記スリーブの外壁は、前記スリーブの周方向において互いに係合可能な形状をそれぞれ有している弁装置。この構成によれば、スリーブのねじ溝に配管の締結部材を締め付ける際にスリーブがボディに対して相対回転し難くなるため、締結作業を容易に行うことができる。
【0038】
(ロ)前記スリーブの先端部の外周面にねじ込まれるロックナットを備え、前記スリーブは、前記ロックナットの締結により前記ボディに固定されている弁装置。この構成によれば、スリーブのねじ溝に配管の締結部材を締め付ける際にスリーブがボディに対して相対回転し難くなるため、締結作業を容易に行うことができる。
【0039】
(ハ)前記スリーブは、同スリーブの外周面に形成されて前記供給路に連通される凹状の連通溝と、前記連通溝と前記スリーブ内の流路とを連通する導入路と、を有し、前記連通溝は、前記供給路に連通される部分から前記スリーブの中心軸を挟んで反対側の位置まで前記スリーブの外周面に沿って形成されて前記導入路に連通されている弁装置。この構成によれば、供給路内に発生する水がスリーブ内に進入し難くなるため、駆動部の錆び付きを抑制することができる。
【符号の説明】
【0040】
m…中心軸、1…弁装置、3…電磁弁、5…ボディ、7…配管、9…ロックナット、30…スリーブ、30a…先端部、30c…流路、30d…ねじ溝、31…可動鉄心(駆動部)、32…弁体(開閉部)、33…コイルスプリング(駆動部)、34…固定鉄心(駆動部)、35…ソレノイド(駆動部)、37…弁座(開閉部)、38…連通溝、39…導入路、43…シール部材、53…供給路、72…締結部材。
図1
図2
図3
図4
図5