(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
回転しながら、帯電、露光および現像を経て、トナー粒子と外添剤とを含むトナーによるトナー像が形成され、該トナー像が被転写体に転写される感光体の、該トナー像転写後の領域に接触し、該感光体上のトナーを塞ぎ止めて該感光体上から掻き取るクリーニングブレードと、
前記クリーニングブレードに塞ぎ止められて前記感光体上に残存しているトナーに空気を吹き付けることにより、該トナーのうちのトナー粒子を該感光体上から除去する空気吹付装置と該空気吹付装置による空気吹き付け後に前記感光体上に残存する外添剤の量を測定するセンサとを備えた測定手段と、
前記測定手段による測定結果に応じて、前記感光体上に残存している外添剤の量が減少した場合に前記感光体上に供給されるトナーの量を増加させる制御手段とを備えたことを特徴とするクリーニング装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のトナーバンドの作成や堆積されているトナーの量を制御しても、クリーニングブレードに過負荷がかかる場合があった。本発明は、特に小粒径トナーを用いた場合に問題となる、クリーニングブレードへの過負荷を防止したクリーニング装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1は、
回転しながら、帯電、露光および現像を経て、トナー粒子と外添剤とを含むトナーによるトナー像が形成され、該トナー像が被転写体に転写される感光体の、該トナー像転写後の領域に接触し、該感光体上のトナーを塞ぎ止めて該感光体上から掻き取るクリーニングブレードと、
前記クリーニングブレードに塞ぎ止められて前記感光体上に残存しているトナー
に空気を吹き付けることにより、該トナーのうちのトナー粒子を該感光体上から除去する空気吹付装置と該空気吹付装置による空気吹き付け後に前記感光体上に残存する外添剤の量を測定する
センサとを備えた測定手段と、
前記測定手段による測定結果に応じて、前記感光体上に残存している外添剤の量が減少した場合に前記感光体上に供給されるトナーの量を増加させる制御手段とを備えたことを特徴とするクリーニング装置である。
【0008】
請求項
2は、前記測定手段が、
前記クリーニング
ブレードに塞ぎ止められて前記感光体上に残存しているトナーと該クリーニングブレードとを離間させる離間手段と、
前記感光体上に残存する、前記クリーニングブレードから離間した状態のトナーのうちの、
感光体回転方向前方側の先端部分の外添剤の量を測定するセンサとを備えたことを特徴とする請求項
1記載のクリーニング装置である。
【0009】
請求項
3は、前記離間手段が、前記感光体を逆回転させるものであることを特徴とする請求項
2記載のクリーニング装置である。
【0010】
請求項
4は、前記離間手段が、前記クリーニングブレードを前記感光体から離間させるものであることを特徴とする請求項
2記載のクリーニング装置である。
【0011】
請求項
5は、前記センサが、前記感光体の回転軸方向に移動しながら、該感光体上の、該回転軸方向各位置の外添剤の量を測定するものであることを特徴とする請求項1から
4のうちいずれか1項記載のクリーニング装置である。
【0012】
請求項
6は、前記制御手段が、前記感光体上にトナーバンドを形成するものであることを特徴とする請求項1から
5のうちいずれか1項記載のクリーニング装置である。
【0013】
請求項
7は、前記制御手段が、前記感光体上に、トナー量を増加させたトナー像を形成するものであることを特徴とする請求項1から
6のうちいずれか1項記載のクリーニング装置である。
【0014】
請求項
8は、前記現像に用いられるトナーのうちのトナー粒子の体積平均粒径が、4.5μm以下であることを特徴とする請求項1から
7のうちいずれか1項記載のクリーニング装置である。
【0015】
請求項
9は、回転しながら帯電、露光、および現像を経て、トナー粒子と外添剤とからなるトナー像が形成される感光体と、
前記トナー像を用紙上に転写する転写装置と、
用紙上に転写されたトナー像を該用紙上に定着する定着装置と、
前記感光体の、前記トナー像転写後の領域に残存するトナーを該感光体上から除去するクリーニング装置とを備え、
前記クリーニング装置が、
前記感光体の、前記トナー像転写後の領域に接触し、該感光体上のトナーを塞ぎ止めて該感光体上から掻き取るクリーニングブレードと、
前記クリーニングブレードに塞ぎ止められて前記感光体上に残存しているトナー
に空気を吹き付けることにより、該トナーのうちのトナー粒子を該感光体上から除去する空気吹付装置と該空気吹付装置による空気吹き付け後に前記感光体上に残存する外添剤の量を測定する
センサとを備えた測定手段と、
前記測定手段による測定結果に応じて、前記感光体上に残存している外添剤の量が減少した場合に前記感光体上に供給されるトナーの量を増加させる制御手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0016】
請求項1のクリーニング装置および請求項
9の画像形成装置によれば、クリーニングブレードへの過負荷が有効に防止され、トナーの擦り抜けによる画像欠陥の発生が抑えられる。
【0017】
請求項
2,3,4のクリーニング装置によれば、クリーニングブレードに邪魔されることなく外添剤の量を正確に測定することができる。
【0018】
請求項
5のクリーニング装置によれば、外添剤の不足が回転軸方向の一部分であっても、それを検出することができる。
【0019】
請求項
6のクリーニング装置によれば、クリーニングブレードの部分の外添剤の不足を有効に補うことができる。
【0020】
請求項
7のクリーニング装置によれば、画像形成の生産性を下げることなく、クリーニングブレードの部分の外添剤の不足を補うことができる。
【0021】
本発明のクリーニング装置によれば、請求項
8に記載したような小径トナーを用いた場合にも、クリーニングブレードへの過負荷が有効に防止される。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態としての画像形成装置の外観斜視図である。
【0025】
この画像形成装置1は、スキャナ10とプリンタ20を備えている。
【0026】
スキャナ10は、原稿に描かれている画像を読み取って画像信号を生成する装置である。また、プリンタ20は、画像信号に基づく画像を用紙上にプリント出力する装置である。
【0027】
スキャナ10は、原稿トレイ11と原稿排紙トレイ12を有する。原稿トレイ11上に、原稿を積み重ねた状態に載せてスタートボタン32を押すと、その原稿が1枚ずつ順次に送り込まれて読み取られ、原稿排紙トレイ12上に排出される。また、このスキャナ10は、奥側に、左右に延びるヒンジ(不図示)が設けられており、矢印Mよりも上の部分を持ち上げて開くことができる。矢印Mの直ぐ下には、透明ガラス板13(
図2参照)が広がっている。その透明ガラス板13に上に原稿を1枚、下向きに載せ、矢印Mから上の部分を閉じてスタートボタン32を押すことにより、その透明ガラス板13上の原稿を読み取ることもできる。
【0028】
また、プリンタ20は、用紙トレイ21内に積み重ねられている用紙を1枚ずつ順次に取り出し、その取り出した用紙上に、画像信号に基づく画像をプリントする装置である。画像がプリントされた用紙は、排紙トレイ22上に排出される。本実施形態は、このプリンタ20は、画像を、用紙上に、いわゆる電子写真方式によりプリント出力するプリンタである。
【0029】
また、この画像形成装置1には、ユーザインタフェース(UI)30が備えられている。このUI30は、電源ボタン31やスタートボタン32、その他の複数の押しボタン33と、タッチパネル式の表示画面34が備えられている。このUI30を操作することにより、プリント枚数の指示や動作スタートの指示などの各種の指示が行われる。また、表示画面34には、この装置の状態や各種の押ボタンが表示される。この表示画面34上に表示される押しボタン34も操作の対象となる。
【0030】
図2は、
図1に外観を示す画像形成装置の内部構成を示した模式図である。
【0031】
スキャナ10の原稿トレイ11上に置かれた原稿Sは、スタートボタン32(
図1参照)が押されると1枚ずつ送り込まれて搬送ロール14により搬送路101上を搬送され、その搬送の途中で透明ガラス板13に接する読取位置Rを通過して原稿排紙トレイ12上に排出される。そして、その原稿Sは、読取位置Rを通過する際に、その読取位置Rに対面して静止している読取装置15によって、その原稿Sに記録されている画像が読み取られて画像信号に変換される。
【0032】
また、矢印Mよりも上の部分を開き、1枚の原稿を透明ガラス板13上に下向きに載せて上を閉じ、スタートボタン32を押す。すると今度は、読取装置15が矢印X方向に移動しながら、その透明ガラス板13上の原稿を読み取って画像信号に変換する。
【0033】
また、プリンタ20には、ほぼ横に1列に配列された4つの像形成部50Y、50M、50C、50Kを有する。これらの像形成部50Y、50M、50C、50Kでは、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色トナーによるトナー像が形成される。ここでは、これらの像形成部50Y、50M、50C、50Kに共通の説明については、トナーの色の区別を表わす、Y、M、C、Kの符号を省略し、像形成部50と表記する。像形成部以外の他の構成要素についても同様である。
【0034】
各像形成部50には、感光体51が備えられている。この感光体51は、駆動力を受けて矢印A方向に回転しながら、その表面に静電潜像が形成され、さらに現像によりトナー像が形成される。
【0035】
各像形成部50に備えられている各感光体51の周りには、帯電器52、露光器53、現像器54、1次転写器62、および感光体クリーナ55が備えられている。ここで、1次転写器62は、感光体51との間に、後述する中間転写ベルト61を挟んだ位置に置かれている。この1次転写器62は、像形成部50ではなく、後述する中間転写部60に備えられている要素である。
【0036】
帯電器52は、感光体51の表面を一様に帯電する。
【0037】
露光器53は、一様に帯電された感光体51に、画像信号に基づいて変調された露光光を照射して、感光体51上に静電潜像を形成する。
【0038】
現像器54は、感光体51上に形成された静電潜像を、各像形成部50Y、50M、50C、50Kに応じた色のトナーで現像して、感光体51上にトナー像を形成する。
【0039】
1次転写器62は、感光体51上に形成されたトナー像を、後述する中間転写ベルト61上に転写する。
【0040】
感光体クリーナ55は、感光体51に押し当てられ、転写後の感光体51に付着している残存トナー等を塞ぎ止めて感光体51から掻き取るクリーニングブレード551を備えている。
【0041】
4つの像形成部50の上部には、中間転写部60が配置されている。そして、この中間転写部60には、中間転写ベルト61が備えられている。この中間転写ベルト61は、駆動ロール63a、従動ロール63b、張架ロール63c等の複数のロールに支持されている。そして、この中間転写ベルト61は、駆動ロール63aに駆動されて、4つの像形成部50Y、50M、50C、50Kに備えられている4つの感光体51に沿う経路を含む循環経路上を、矢印B方向に循環移動する。
【0042】
各感光体51上のトナー像は1次転写器62の作用により、中間転写ベルト61上に順次重なるように転写される。そして、中間転写ベルト61上に転写されたトナー像は、その中間転写ベルト61により、2次転写位置T2に搬送される。この2次転写位置T2には2次転写器71が備えられており、中間転写ベルト61上のトナー像は、その2次転写器71の作用により、その2次転写位置T2に搬送されてきた用紙P上に転写される。用紙Pの搬送については後述する。用紙Pへのトナー像の転写後の中間転写ベルト61上に残存するトナー等は、中間転写ベルトクリーナ64により、その中間転写ベルト61から取り除かれる。
【0043】
ここで、このプリンタ20では、黒色(K)のトナーでトナー像を形成する、配列の一方の端(
図2の1番左側の端)に位置する像形成部50Kのみで用紙P上にモノクロ画像をプリントするモノクロモードと、4つの像形成部50Y、50M、50C、50Kを用いて用紙P上にカラー画像をプリントするカラーモードとを有する。中間転写ベルト61は、図示しないカム機構により、カラーモードのときは、4つの像形成部50Y、50M、50C、50Kを構成する4つの感光体51に接しながら移動し、モノクロモードのときは、配列の一方の端(
図2の1番左側の端)に位置する像形成部50Kの感光体51Kのみに接して他の全ての像形成ユニット50Y、50M、50Cの感光体51Y、51M、51Cからは離間するように、その循環移動経路が変更される。モノクロモードでは、像形成部50Kを除く他の全ての像形成部50Y、50M、50Cの作動を停止させて、省電力化や部品の長寿命化を図っている。
【0044】
中間転写部60の上部には、各色のトナーが収容されたトナーカートリッジ23が備えられている。現像器54内のトナーが現像により消費されると、対応する色のトナーを収容したトナーカートリッジ23から現像器54にトナーが補充される。トナーカートリッジ23は着脱自在に構成されており、空になると取り出されて、新たなトナーカートリッジ23が装着される。
【0045】
また、このプリンタ20の下部には、用紙トレイ21が備えられている。この用紙トレイ21には、プリント前の用紙Pが積み重ねられた状態に収容される。この用紙トレイ21は、用紙の補充や交換のために引出し自在に構成されている。
【0046】
用紙トレイ21からは、ピックアップロール22により用紙Pが1枚取り出され、搬送ロール23により、搬送路201上を矢印C方向に、タイミング調整ロール24まで搬送される。このタイミング調整ロール24まで搬送されてきた用紙Pは、そのタイミング調整ロール24により、中間転写ベルト61上のトナー像が2次転写位置T2に到達するタイミングに合わせて2次転写位置T2に到達するように、その2次転写位置に向かって送り出される。タイミング調整ロール24により送り出された用紙Pは、2次転写位置T2において、2次転写器71の作用により、中間転写ベルト61からトナー像の転写を受ける。トナー像の転写を受けた用紙Pは、さらに矢印D方向に搬送されて定着器72を通過する。用紙P上のトナー像は、この定着器72により加熱および加圧を受けて用紙P上に定着される。これにより、用紙P上には、定着されたトナー像からなる画像がプリントされる。定着器72によりトナー像の定着を受けた用紙は、搬送ロール25によりさらに搬送され、排紙ロール26により、排紙口27から排紙トレイ22上に送り出される。
【0047】
また、このプリンタ20は、用紙Pの両面に画像をプリントする両面プリントモードを有する。この両面プリントモードにおいては、上記と同様にして用紙Pの第1面に画像がプリントされた後、その第1面に画像がプリントされた用紙Pが、排紙ロール26により、排紙トレイ22に向けて途中まで送り出される。そしてその排紙ロール26は、回転方向を反転させて、排紙トレイ22上に途中まで送り出した用紙Pを引き戻す。
【0048】
排紙ロール26の反転により引き戻された用紙Pは、今度は、搬送ロール27により搬送路202上を矢印Gで示す向きに搬送されて、再びタイミング調整ロール24に到達する。このとき用紙Pは、第1面に画像がプリントされたときとは表裏が反転した状態にある。タイミング調整ロール24に再び到達した後は、上記と同様にして、但し今度はその用紙Pの第2面に画像がプリントされる。こうして画像が両面にプリントされた用紙Pは、排紙ロール26により、今度は、排紙トレイ22上に送り出される。
【0049】
また、このプリンタ20には手差しトレイ28が備えられている。この手差しトレイ28に用紙を置いてスタートボタン32を押すと、この手差しトレイ28上の用紙が搬送ロール29により搬送路203上を矢印H方向に搬送されてタイミング調整ロール24に到達する。その後のプリント動作は、用紙トレイ21から引き出された用紙Pへのプリント動作と同様である。
【0050】
また、画像形成装置1には、各部を制御する制御回路40が備えられていて、この制御回路40により上記の動作が制御される。制御回路40は、本発明における制御手段の一例である。
【0051】
ここで、本実施形態では、以下のようにして、クリーニングブレード551に塞ぎ止められて感光体51上に残存しているトナーのうちの外添剤の量が測定される。
【0052】
図3は、外添剤の量の測定方法の第1例を示した模式図である。
【0053】
尚、この
図3および後述する各図は、
図2に示す4つの像形成部50について共通であるため、この
図3以降においては、色を表わす符号Y,M,C,Kは省略する。
【0054】
図3(A)に示すように感光体51は、矢印A方向に回転する(
図2を合わせて参照)。そして、この
図3(A)に示す部分よりも回転方向(矢印A方向)上流側においてトナー像が形成され、そのトナー像が1次転写器62により中間転写ベルト61上に転写される。そして、その転写後に感光体51上に残存するトナーがクリーニングブレード551により塞ぎ止められてトナーダム80が形成される。トナーには、トナー粒子と外添剤とが含まれており、したがってこのトナーダム80もトナー粒子81と外添剤82とで形成されている。ここで、外添剤82は、トナー粒子81と比べ平均粒径が小さい。一方、感光体51とクリーニングブレード551との間の隙間は、感光体51の回転方向(矢印A方向)前方側ほど狭くなっている。このため、外添剤82は、この
図3(A)に模式的に表わしているように、回転方向(矢印A方向)前方側に集まり易い。一方、トナー粒子81は、外添剤82よりも平均粒径が大きいため、外添剤82よりも回転方向(矢印A方向)後方側で塞ぎ止められることになる。トナー粒子81が十分な量の外添剤82で塞ぎ止められていると、この感光体51上に留まることができなくなったトナー粒子81はこの感光体51上から掻き取られ感光体クリーナ55(
図2参照)を構成する不図示の排トナー搬送部材によって搬送されて排トナーボックスに回収される。
【0055】
ここで、本実施形態では、体積平均粒径が4.5μm以下のトナーが採用されている。このため、感光体51とクリーニングブレード551との間の隙間が十分な量の外添剤82によって埋められていないとトナー粒子81が擦り抜けて画像欠陥を発生させるおそれがある。小粒径のトナー粒子を用いたトナーの場合、同一の濃度の画像を形成するにあたり比較的少量のトナーで済む。しかしながらトナーが少量で済むため外添剤も少量となり、特に画像密度の低いトナー像の形成が続くとトナー粒子81を塞ぎ止めるための外添剤の量が不足しがちとなる。そこで、この
図3に示す第1例では、以下のようにしてクリーニングブレード551のところに溜まっている外添剤82の量が測定される。
【0056】
図3(B)には、ノズル91によりトナーダム80に空気を吹き付けている様子が示されている。この第1例では、あらかじめ定められたタイミングごとにトナーダム80に対し空気が吹き付けられる。この吹き付ける際の空気圧は30kPa以下となるように調整されている。このレベルの空気圧30kPaの空気をトナーダム80に吹き付けると、そのトナーダム80中のトナー粒子81が選択的に吹き飛ばされ、その後には外添剤82が残る。吹き飛ばされたトナー粒子81は、クリーニングブレード551によって感光体51上から掻き取られたトナー粒子とともに運ばれて排トナーボックスに収容される。また、トナーの体積平均粒径は2μm以上のものが製造性の点で望ましく用いられる。
【0057】
図3(C)には、色判別センサ92により、後に残った外添剤82の色を測定している様子が示されている。本実施形態の場合、感光体51の表面は緑色がかった色であり、トナー粒子81は、
図2に示すように、像形成部50に応じてイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)および黒(K)の各色を有する。これに対し外添剤82は、本実施形態では白色である。このため、色判別センサ92によって外添剤82の色を測定することによって、その部分に溜まっている外添剤82の量を知ることができる。
【0058】
色判別センサ92による測定結果は、
図2に示す制御回路40に入力される。この制御回路40では、その測定結果の入力を受けて、色判別センサ92により測定された外添剤82の量が閾値以上であるか閾値未満であるかが判定される。そしてこの制御回路40では、閾値未満であると判定すると、感光体51上に一様なベタ画像からなるトナーバンドが形成されるように像形成部50を制御する。この感光体51上にトナーバンドを形成した際は、制御回路40は、そのトナーバンドが中間転写ベルト61上に転写されないように1次転写器62を制御する。このため、感光体51上に形成されたトナーバンドは、中間転写ベルト61に転写されることなく、クリーニングブレード551まで到達し、トナーダム80の形成に使用される。
【0059】
このようにして、クリーニングベルト551に常に十分な量の外添剤82を供給しておくことにより、クリーニングベルト551が過負荷となってクリーニングベルト551に欠け等が生じることが防止され、クリーニングベルト551によってトナーが確実に塞ぎ止められて回収される。
【0060】
図4は、外添剤の量の測定方法の第2例を示した模式図である。
【0061】
図1,
図2に示す画像形成装置1では、
図3を参照して説明した外添剤82の測定方法に代えて、この
図4を参照して説明する方法を採用してもよい。この
図4よりもさらに後に説明する測定方法についても同様である。
【0062】
図4(A)には、クリーニングブレード551により塞ぎ止められてトナーダム80が形成されている様子が示されている。この
図4(A)は、
図3(A)と同一の図である。
【0063】
ここでは、外添剤82の量を測定すべきタイミングになると、
図4(B)に示すように感光体51が一旦逆転(矢印A’方向に回転)する。これにより、トナーダム80がクリーニングブレード551から離れる。このようにクリーニングブレード551から離れたトナーダム80の、外添剤82が豊富に含まれる先端部分(矢印A方向の先端部分)の色が色判別センサ92により測定される。この場合、トナー粒子81を取り除いていないため、外添剤82の量を測定する際にトナー粒子81も色判別センサ92の測定領域に一部入り込むが、4つの像形成部50(
図2参照)のそれぞれについて、その像形成部50で使われるトナーの色(Y,M,C,K)に応じて閾値を調整しておくことで、そこに溜まっている外添剤82が十分な量であるか否かが判定される。
【0064】
この
図4に示す第2例の場合、クリーニングブレードに邪魔されずに外添剤を測定することができる。
【0065】
図5は、外添剤の量の測定方法の第3例を示した模式図である。
【0066】
この
図5に示す第3例に関しては、
図4に示した上述の第2例との相違点について説明する。
【0067】
図4に示した第2例の場合、
図4(B)に示すように感光体51を矢印A’方向に逆回転させてトナーダム80をクリーニングブレード551から引き離して、トナー粒子81も堆積させたまま、外添剤82の量が測定される。これに対し、この
図5に示す第3例の場合、
図5(B)に示すように、感光体51を矢印A’方向に逆回転させてトナーダム80をクリーニングブレード551から引き離し、さらにそのトナーダム80にノズル91から空気を吹き付けてトナーダム80のうちのトナー粒子81を吹き飛ばす。ノズル91から30kPa以下の空気圧で空気を吹き付けると、トナー粒子81と外添剤82とのうちのトナー粒子81のみが選択的に吹き飛ばされる。
【0068】
この
図5に示す第3例の場合、
図5(C)に示すように、トナー粒子81が吹き飛ばされた後の外添剤82の色が色判別センサ92で判別される。この
図5に示す第3例の場合、クリーニングブレード551に邪魔されず、かつトナー粒子81による誤差が低減し、外添剤82の量がさらに正確に測定される。
【0069】
図6は、外添剤の量の測定方法の第4例を示した模式図である。
【0070】
この
図6に示す第4例に関しても、
図4に示した第2例との相違点について説明する。
【0071】
図4に示した第2例の場合、
図4(B)に示すように、感光体51を矢印A’方向に逆回転させることでトナーダム80をクリーニングブレード551から引き離している。これに対し、
図6に示す第4例の場合、
図6(B)に示すように、クリーニングブレード551を矢印N方向に移動させることでクリーニングブレード551を感光体51から離間させ、これによりトナーダム80とクリーニングブレード551と分離している。その他の点については、
図4に示す第2例の場合と同様であり、重複説明は省略する。
【0072】
尚、図示は省略するが、
図6(B)に示すようにクリーニングブレード551を矢印N方向に移動させて感光体51から離間させた後、
図5(B)に示すようにトナーダム80にノズル91から空気を吹き付けてトナー粒子81を選択的に吹き飛ばし、その後、感光体51上に残った外添剤82を測定してもよい。
【0073】
図7は、色判別センサの移動方法の一例を示した模式図である。
【0074】
図7に示す矢印Q−Q’方向は感光体51の回転軸方向(
図2の紙面に垂直な方向)である。
【0075】
色判別センサ92は、ラック93に固定されており、そのラック93には、ピニオンギア94が噛み合っている。このピニオンギア94は、図示しないモータから回転駆動力を受け、矢印R−R’方向に往復回転する。これに伴い、ラック93とそのラック93に固定されている色判別センサ92は矢印Q−Q’方向に往復移動する。この色判別センサ92は、約1mmφの測定視野を有している。
【0076】
図3〜
図6に示すようなトナーダム80は、感光体51の回転軸方向に線状に延びた形状を有する。そのトナーダム80を形成している外添剤82も同方向に線状に延びた形状となっている。そこで色判別センサ92を往復移動させながら外添剤の量を判定することで、外添剤82の部分的な量の低下も検出することができる。
【0077】
尚、例えば
図7に示すようにして色判別センサ92を回転軸方向(矢印Q−Q’方向)に移動させながら外添剤82の量を測定することは精度を上げる点では好ましいが、色判別センサ92の移動機構が必要となり、また1回の測定にも時間を要することとなる。そこで、色判別センサ92を固定しておき、回転軸方向一点のみを測定するようにしてもよい。あるいは、色判別センサ92は移動させず、回転軸方向について広い測定視野を持たせ、外添剤82の、回転軸方向についてかなり広い領域の平均的な量を測定してもよい。
【0078】
ここで、色判別センサ92で測定された外添剤82の量が閾値を下回って少ないことが判定された場合、前述の例ではトナーバンドが形成される。しかしながら、トナーダム80中の外添剤82の量が回復すればよく、したがってトナーバンドを形成することに限られるものではない。例えば、外添剤82の量が減ってきたときに、減ってきたことが検出された像形成部50について、あるいは4つ全ての像形成部50について、トナーカートリッジ23(
図2参照)から現像器54へのトナー補給量を増やす。すると、同じ電位分布の静電潜像の現像にあたり、濃度の濃いトナー像が形成され、その分、クリーニングブレード551に到達する外添剤82の量も増加する。ただし、この方法は、画像濃度や色味が許容される範囲内で行なう必要がある。また、この方法は、トナーバンドを形成することと比べるとトナーダム80中の外添剤82の量を回復させるという効果がゆっくりと表われる。したがって、色判別センサ92による測定結果の判定にあたっては、トナーダム80中の外添剤82の量が減り始めた早い段階で外添剤82の量を回復させるように制御を開始することが望ましい。あるいは、このトナー供給量を増やすことと、前述のトナーバンドを形成することとの双方を併用してもよい。
【0079】
本実施形態では、トナーダム80のうちの外添剤82の量が測定されるため、十分なトナーダムが形成されているか否かが正確に判定される。
【0080】
尚、ここでは、本発明のクリーニング装置を
図1,
図2に示すタイプの画像形成装置に適用した例について説明したが、感光体にブレード状のクリーニング部材を当ててトナーを掻き取るタイプであれば本発明を適用することができ、必ずしも
図1,
図2に示すタイプの画像形成装置に限られるものではない。