特許第6331769号(P6331769)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6331769
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】遠心機
(51)【国際特許分類】
   B04B 7/02 20060101AFI20180521BHJP
   B04B 15/02 20060101ALI20180521BHJP
   B04B 5/02 20060101ALI20180521BHJP
   F16J 15/10 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   B04B7/02 Z
   B04B15/02
   B04B5/02 Z
   F16J15/10 U
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-133243(P2014-133243)
(22)【出願日】2014年6月27日
(65)【公開番号】特開2016-10755(P2016-10755A)
(43)【公開日】2016年1月21日
【審査請求日】2017年1月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097113
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 城之
(74)【代理人】
【識別番号】100162363
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 幸彦
(72)【発明者】
【氏名】楠元 昭二
【審査官】 高橋 成典
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−126572(JP,A)
【文献】 特開2007−014834(JP,A)
【文献】 特開2012−115805(JP,A)
【文献】 特開2000−073674(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B04B 1/00 − 15/12
F16J 15/00 − 15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転するロータが収容されたロータ室と、
開口部を具備し前記ロータ室の上に設けられたテーブルと、
前記テーブルの上において開閉自在とされて設けられ閉じた状態では前記開口部を閉塞させるドアと、
を具備する遠心機であって、
前記テーブルの下において前記ロータを収容する椀状の形状を具備し、当該椀状の形状における開口を構成する上端部が前記テーブルにおける前記開口部付近に配置されたボウルと、
前記ボウルの周囲を囲むプロテクタと、を具備し、
前記ボウルの前記上端部と前記テーブルの下面との間に設けられ前記ボウルの前記上端部を前記ボウルの内側と外側から挟んだ形態とされて前記ボウルに装着された第1のパッキンと、
前記テーブルの前記開口部を構成する内端部を上側と下側から挟んだ形態とされて前記テーブルに装着され、前記テーブルの上面と、閉じた状態における前記ドアの下面との間を封止するように、前記第1のパッキンと別体とされて設けられた第2のパッキンと、
を具備し、
前記ドアが閉じた状態において前記第1のパッキンと前記第2のパッキンとにより前記ロータ室が封止され、かつ前記第2のパッキンと前記第1のパッキンとが前記第2のパッキンの最下面と前記第1のパッキンの最上面とが接するように組み合わされることによって前記ボウルの上端部と前記テーブルの下面との間が封止される構成とされたことを特徴とする遠心機。
【請求項2】
前記プロテクタの上端部は、前記第2のパッキンよりも下側に位置する構成とされたことを特徴とする請求項に記載の遠心機。
【請求項3】
前記ロータ室が封止された状態において、
前記ボウルが変形することによって前記第1のパッキンが水平方向に移動した際に、前記第2のパッキンが前記テーブルに装着された状態が維持されることを特徴とする請求項1又は2に記載の遠心機。
【請求項4】
前記ボウルの周囲には冷媒が流される冷凍配管が巻回されたことを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の遠心機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料が装着されたロータを高速で回転させる遠心機(遠心分離機)に関する。
【背景技術】
【0002】
高速回転時の遠心力によって試料(例えば培養液、血液等)を密度の異なる物質毎に分離、あるいは試料の精製や分析をするために、遠心機(遠心分離機)が用いられている。遠心機においては、試料が封入されたチューブが高速で回転する金属製のロータに装着され、ロータが例えば20,000rpm程度の高速で回転する。ロータの種類は、試料や分離の目的及び分離する試料容量によって様々である。例えば、チューブを回転軸から傾斜させた状態でこれらの間の角度を一定とした状態でロータに固定するアングルロータや、チューブが装填されたバケットが回転に伴って揺動し、遠心中は水平状態が維持されるスイングロータ等が用いられる。また、少量の試料に対して特に高加速度を印加できる構成や、逆に大容量の試料に比較的低い加速度を印加できるような構成のロータが適宜選択される。このため、単一の遠心機においては複数の種類のロータが選択されて使用され、その交換作業が容易に行われるような構成とされ、ロータが収容されるロータ室の上側には大きな開口部が設けられ、この開口部がドアで開閉可能な構造とされる。
【0003】
また、遠心分離処理を行う際の温度を精密に制御することが好ましい。この場合には、ロータ室の周囲には冷凍配管が設けられ、ロータ室の温度を制御するために、冷媒がこの内部を通過する構成とされる。温度制御を精密に行うためには、ロータ室内の雰囲気を外部と隔離することが必要であるため、ロータ室を封止する必要がある。このため、開口部を封止するドアは、開口部の封止が確実に行うことができると共に、その開閉動作が容易に行われるような構成とされる。
【0004】
こうした要求を満たす遠心機の構造は、例えば特許文献1に記載されている。図4は、この遠心機200の構成を示す断面図である。図4において、ロータ201は、上側が開口した椀状のボウル202内でモータ203によって回転する構成とされる。ボウル202の外側は冷凍配管204で巻回された状態で更に断熱層205で囲まれる。冷凍配管204中に冷媒を流すことで、遠心分離処理時におけるボウル202及びその内部のロータ201の温度を制御することができる。
【0005】
また、ロータ201が設けられた空間となるロータ室220の上側は、開閉動作が可能なドア206で封止される。上記の構造は、金属製の箱形のフレーム207中に収められる。フレーム207は、ロータ201(モータ203)の回転軸203Aから見て最も外側となるフレーム側壁部207Aと、水平な面状とされた仕切板207Bとが溶接されて一体化されて構成される。モータ203は仕切板207Bから上側に突出するように設置され、ボウル202、断熱層205等は仕切板207Bの上側においてフレーム側壁部207Aに囲まれるように設置される。ボウル202の上部側には、ボウル202における上側の開口よりも小さな開口部208Aが設けられたテーブル208が設置される。ボウル202の上側における開口はテーブル208における開口部208Aよりも大きく、ボウル202の開口を形成する上端部は、テーブル208の開口部208Aよりも外側に位置する。このため、ロータ室220における上側の開口は実質的にはテーブル208に設けられた開口部208Aとなる。開閉可能なドア206は、このテーブル208の上側に装着され、ドア206が閉じた状態では、ドア206によって開口部208Aが塞がれ、ドア206が開いた状態では開口部208Aが上側に露出する構成とされる。また、ボウル202の下部においては、回転軸203Aとボウル202との間はシールラバー209で封止される。
【0006】
上記の構成においては、温度制御の高精度化のために、ロータ201の周囲のボウル202は薄く、断熱層205は厚いが機械的強度の低い断熱材料で形成されるため、ボウル202、断熱層205の機械的強度は低い。このため、上記の構成においては、フレーム207(フレーム側壁部207A)と断熱層205との間には、厚い鋼板で構成された円筒形状のプロテクタ210が設けられている。円筒形状のプロテクタ210の中心軸は回転軸203Aとほぼ等しくされる。プロテクタ210は、ロータ201の破損の際に、そのエネルギーを吸収するために設けられている。
【0007】
上記の遠心機200を製造するに際しては、仕切板207Bの上側に、モータ203、ボウル202、断熱層205、プロテクタ210等を設置した上に、テーブル208が設置される。この際、ロータ室220を封止するためには、ボウル202の上端部とテーブル208の下面との間、テーブル208の上面とドア206の下面との間をそれぞれ封止することが必要である。この際、ドア206を開けた状態ではドア206とテーブル208との間の封止は解除されるが、ドア206を開けた状態でも、ボウル202とテーブル208との間は封止された状態とされる。
【0008】
図5は、このパッキン211が装着された部分を拡大して示す断面図である。このパッキン211は、ボウル202の上端部とテーブル208の下面との間を封止する第1のリング部211Aと、テーブル208の上面とドア206の下面との間を封止し第1のリング211Aの上側に設けられた第2のリング部211Bとが上下方向で一体化されて構成されている。その弾性変形を特に容易とするために、第1のリング部211Aには中空部211AAが、第2のリング部211Bには中空部211BAがそれぞれ設けられている。また、第1のリング部211Aの下側には、ボウル202の上端部側の内面(図5における右側の面)と接するボウル係止部211Cが設けられている。この構成は、開口部208Aを構成するテーブル208の内面に沿って環状に一様に設けられている。パッキン211をこうした一体形状とし、ボウル係止部211Cをボウル202の上端部の内面と嵌合させることによって、その装着を容易とすることができる。また、パッキン211が装着されるボウル202の上端部には、製造後にバリ等が形成される場合も多いため、第1のリング部211Aとボウル係止部211Cの間には、バリを収容することのできる凹部211Dが形成されており、バリが残存してもこのパッキン211の装着を確実に行うことができる。パッキン211において、特に第1のリング部211Aと第2のリング部211Bは、それぞれボウル202の上端部とテーブル208の下面、テーブル208の上面とドア206の下面の間で挟持され、押し潰されることによって、これらの間が封止される。このため、パッキン211は、こうした変形が可能となるような弾性材料で形成される。
【0009】
こうした構成により、ロータ室220を開閉可能なドア206で封止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−93527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
図4の構成の遠心機200を使用するにあたり、通常は、作業者がテーブル208よりも下側の構造に触れることはなく、作業者は、テーブル208の上側のドア206の開閉作業を行うことによって、遠心分離処理を行う。しかしながら、メインテナンス時において、作業者がロータ室220の下側の構造(モータ203等)や、その周囲の構造(冷凍配管204等)に触れる必要がある場合もある。こうした場合には、テーブル208を取り外すことが必要となり、この際には、パッキン211も取り外すことも必要となる。この時に、不用意にパッキン211を引っ張ってしまうと、凹部211Dからボウル係止部211Cがちぎれてしまうことがあった。また、組立時においても、同様にボウル係止部211Cを無理に引っ張ってボウル202に取り付けようとすると、ボウル係止部211Cがちぎれてしまうことがあった。
【0012】
一般に、パッキン211を取り外して再びこれを装着する場合に、パッキン211による上記の密封性を確保するためには、その装着は高精度で行うことが要求され、この遠心機200のメインテナンス作業や組立作業は容易ではなかった。
【0013】
このため、メインテナンスや組立作業が容易である遠心機を得ることは困難であった。
【0014】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、上記の問題点を解決する発明を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
本発明の遠心機は、回転するロータが収容されたロータ室と、開口部を具備し前記ロータ室の上に設けられたテーブルと、前記テーブルの上において開閉自在とされて設けられ閉じた状態では前記開口部を閉塞させるドアと、を具備する遠心機であって、前記テーブルの下において前記ロータを収容する椀状の形状を具備し、当該椀状の形状における開口を構成する上端部が前記テーブルにおける前記開口部付近に配置されたボウルと、前記ボウルの周囲を囲むプロテクタと、を具備し、前記ボウルの前記上端部と前記テーブルの下面との間に設けられ前記ボウルの前記上端部を前記ボウルの内側と外側から挟んだ形態とされて前記ボウルに装着された第1のパッキンと、前記テーブルの前記開口部を構成する内端部を上側と下側から挟んだ形態とされて前記テーブルに装着され、前記テーブルの上面と、閉じた状態における前記ドアの下面との間を封止するように、前記第1のパッキンと別体とされて設けられた第2のパッキンと、を具備し、前記ドアが閉じた状態において前記第1のパッキンと前記第2のパッキンとにより前記ロータ室が封止され、かつ前記第2のパッキンと前記第1のパッキンとが前記第2のパッキンの最下面と前記第1のパッキンの最上面とが接するように組み合わされることによって前記ボウルの上端部と前記テーブルの下面との間が封止される構成とされたことを特徴とする
本発明の遠心機において、前記プロテクタの上端部は、前記第2のパッキンよりも下側に位置する構成とされたことを特徴とする。
本発明の遠心機は、前記ロータ室が封止された状態において、前記ボウルが変形することによって前記第1のパッキンが水平方向に移動した際に、前記第2のパッキンが前記テーブルに装着された状態が維持されることを特徴とする。
本発明の遠心機において、前記ボウルの周囲には冷媒が流される冷凍配管が巻回されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明は以上のように構成されているので、メインテナンスや組立作業が容易である遠心機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態に係る遠心機の構成を示す断面図である。
図2】本発明の実施の形態に係る遠心機において用いられる第1のパッキン、第2のパッキンとその周囲の構成を拡大して示す断面図である。
図3】本発明の実施の形態に係る遠心機において用いられる第1のパッキン、第2のパッキンの構造を拡大して示す断面図である。
図4】従来の遠心機の構成を示す断面図である。
図5】従来の遠心機において用いられるパッキンとその周囲の構成を拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態に係る遠心機(遠心分離機)について説明する。この遠心機においては、図4の構成と同様に、ロータ室の外側にプロテクタが用いられる。ここで、このプロテクタは、その変形が抑制され、かつ軽量、安価とすることができる。
【0019】
図1は、この遠心機1の構成を示す断面図であり、図4に対応する。ここで、ロータ10、ボウル11、モータ12、回転軸12A、冷凍配管13、断熱層14、プロテクタ15、開口部16Aを具備するテーブル16、ドア17、フレーム18(フレーム側壁部18A、仕切板18B)、シールラバー19については、前記の遠心機200(図3)と同様に用いられる。ロータ10がロータ室20中に設けられ、開閉可能なドア17によって封止されることも同様である。
【0020】
この遠心機1においては、ボウル11の上端部とその上側のテーブル16の下面との間は第1のパッキン21で、テーブル16の上面とその上側のドア17の下面との間は、第1のパッキン21とは別体とされた第2のパッキン22で、それぞれ封止される。
【0021】
図2は、図1において第1のパッキン21、第2のパッキン22とその周囲の構造を拡大して示す断面図である。第1のパッキン21、第2のパッキン22は、共に弾性材料で構成される。第1のパッキン21は、ボウル11における上側の開口を形成する上端部の全周にわたり装着される。第2のパッキン22は、テーブル16における開口部16Aを構成する内端部の全周にわたり装着される。ロータ室20が封止された状態においては、第1のパッキン21の上部と第2のパッキン22の上部が接することによって、これらの間が封止される。
【0022】
図2に示されるように、第1のパッキン21においては、ボウル11の上端部とテーブル16の下面との間で弾性変形する弾性変形部21Aと、その下側においてボウル11の上端部に装着される装着部21Bが一体化して設けられる。図3(a)は、第1のパッキン21の構成を更に拡大して詳細に示す。弾性変形部21Aには、その弾性変形を更に容易にするために中空部21AAが設けられている。一方、装着部21Bは、ボウル11の上端部をボウル11の内面側(図2、3(a)における右側)と外面側(同、左側)から挟持することによって、ボウル11の上端部に上側から下側に向けて装着される。この際、ボウル11の外面と接する装着部21Bの内面には、上側(装着方向と逆方向)に向かうに従ってボウル11の外面側に傾斜した形状で突出した装着係止部21BBが設けられている。装着係止部21BBによって、第1のパッキン21がボウル11の上端部に装着された際に、第1のパッキン21に対して上側に力が加わっても、第1のパッキン21はボウル11の上端部から外れにくくなる。一方、第1のパッキン21をボウル11の上端部へ上側から装着することは容易である。この際、これらの間をシリコーン系の接着剤を用いて固定することができる。
【0023】
図2に示されるように、第2のパッキン22においても、テーブル16の上面とドア17の下面との間で弾性変形する弾性変形部22Aと、その下側においてテーブル16の内端部に装着される装着部22Bが、同様に一体化して設けられる。図3(b)は、第2のパッキン22の構成を更に拡大して詳細に示す。弾性変形部22Aには、その弾性変形を更に容易にするために中空部22AAが設けられている。一方、装着部22Bは、テーブル16の内端部(図2図3(b)における右側端部)をテーブル16の下面側と上面側から挟持することによって、テーブル16に内側(図2図3(b)における右側)から外側(同、右側)に向けて装着される。この際、テーブル16の上面、下面と接する装着部22Bの内面には、内側(装着方向と逆方向)に向かうに従ってテーブル16側に傾斜した形状で突出した装着係止部22BBが両面側に複数設けられている。装着係止部22BBによって、第2のパッキン22がテーブル16の内端部に装着された際に、第2のパッキン22に対して内側に力が加わっても、第2のパッキン22はテーブル16の内端部から外れにくくなる。一方、第2のパッキン22のテーブル16の内端部への装着は容易である。この際、これらの間をシリコーン系の接着剤を用いて固定することができる。
【0024】
この遠心機1においては、テーブル16に第2のパッキン22、ボウル11に第1のパッキン21を装着した状態のままで、テーブル16を取り外すことができる。このため、テーブル16よりも下側の部品のメインテナンスを容易に行うことができる。
【0025】
この際、図2の構成において、ボウル11の外側のプロテクタ15の上端面を、第2のパッキン22の下端部よりも低くする、すなわち、図2に示されるHを設定することによって、ボウル11だけでなく、プロテクタ15が仮に大きく変形しても内側に移動しても、その第2のパッキン22に対する影響を除去することができる。
【0026】
上記の構造の第1のパッキン21、第2のパッキン22は、その断面形状が図3に示された環状の単純な構造であり、異なる材料からなる部材を内部に設ける必要もない。このため、これらを容易かつ安価に製造することができる。
【0027】
なお、上記と同様に、ボウルの上端部とテーブルの下面との間が第1のパッキンで、テーブルの上面とドアの下面との間が第2のパッキンでそれぞれ封止され、かつ第1のパッキンと第2のパッキンが別体とされて装着されていれば、同様の効果を奏することは明らかである。例えば、上記の構成では、上記の形態の装着部21B、22Bが用いられたが、第1のパッキン、第2のパッキンのボウル、テーブルへの装着方法は任意である。特に、上記の構成では、第1のパッキン、第2のパッキンをメインテナンス時(テーブルを取り外す際)においても取り外す必要がないため、これらをボウル、テーブルへ強固に接合し、その取り外しが困難となる構成とすることもできる。
【0028】
また、図2に示されるように、上記の構成では封止時に第2のパッキンの下端が第1のパッキンの上端と接する構成とされたが、第2のパッキンがテーブルの上面側にのみ設けられ、テーブルの下面と第1のパッキンの上端とが直接接する構成としてもよい。こうした形状であっても、第2のパッキンがテーブルに固定される限りにおいて、同様の効果を奏する。また、ボウルの上端部の形状に応じて、第1のパッキンの形状も適宜設定することができる。例えば、ボウルの上端部を外側に向けて折り曲げた形態とすることによって形成された上面に、第1のパッキンを貼付して固定した形態とすることもできる。
【0029】
特に第1のパッキンと第2のパッキンとが別体とされたために、特にこうした様々な形態を実現することができる。ただし、ボウルやテーブルの形状を従来のままとし、その装着が容易である図3の形態の第1のパッキン21、第2のパッキン22が最も好ましい。
【符号の説明】
【0030】
1、200 遠心機(遠心分離機)
10、201 ロータ
11、202 ボウル
12、203 モータ
12A、203A 回転軸
13、204 冷凍配管
14、205 断熱層
15、210 プロテクタ
16、208 テーブル
16A、208A 開口部
17、206 ドア
18、207 フレーム
18A、207A フレーム側壁部(フレーム)
18B、207B 仕切板(フレーム)
19、209 シールラバー
20 ロータ室
21 第1のパッキン
21A、22A 弾性変形部
21B、22B 装着部
21AA、22AA、211AA、211BA 中空部
21BB、22BB 装着係止部
22 第2のパッキン
211 パッキン
211A 第1のリング部
211B 第2のリング部
211C ボウル係止部
211D 凹部
図1
図2
図3
図4
図5