(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記指示手段は、前記要求元の位置情報が示す位置が予め定められた領域内で時間変化している場合、前記要求元までの移動を指示しない請求項1に記載の情報処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、印刷の要求元が移動した場合に印刷の要求元の移動先を検知して印刷物を提供する情報処理装置、情報処理プログラム及び移動装置制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、上記目的を達成するため、以下の情報処理装置、情報処理プログラム及び移動装置制御システムを提供する。
【0007】
[1]移動式の画像形成装置に対する印刷の要求を受け付ける受付手段と、
前記印刷の要求元の位置を示す位置情報の時間変化に基づいて前記要求元が移動していないと判定される場合、前記移動式の画像形成装置に前記印刷の要求元まで移動して印刷を実行するよう指示する指示手段とを有する情報処理装置。
[2]前記指示手段は、前記位置情報の時間変化に基づいて印刷の要求元が移動していると判定される場合に、
前記指示を遅らせる[1]に記載の情報処理装置。
[3]前記指示手段は、前記位置情報の時間変化が予め定められた範囲内である場合、前記要求元が移動していないと判定する前記[1]又は[2]に記載の情報処理装置。
[4]前記指示手段は、前記要求元の位置情報が示す位置が予め定められた領域内で時間変化している場合、前記要求元までの移動を指示しない前記[1]に記載の情報処理装置。
[5]移動装置に対する移動要求を受け付ける受付手段と、
前記移動要求の要求元の位置を示す位置情報を取得する取得手段と、
前記取得された位置情報が予め定められた時間より長く予め定められた範囲内にとどまっている場合、前記移動装置に対して前記要求元への移動を指示する指示手段とを有する
情報処理装置。
[6]移動装置に対する移動要求を受け付ける受付手段と、
前記移動要求の要求元の位置を示す位置情報に基づいて、前記要求元が予め定められた時間より長く所定の領域内にとどまっている場合、前記移動装置に対して前記要求元への移動を指示する指示手段とを有する情報処理装置。
[7]移動装置に対する移動要求を受け付ける受付手段と、
前
記移動要求の要求元の位置を示す位置情報に基づいて、前記要求元が予め定められた時間より長く所定の領域にとどまっていない場合、前記移動装置に対して前記要求元への移動を指示しない制御手段とを有する情報処理装置。
[8]コンピュータを、
移動装置に対する移動要求を受け付ける受付手段と、
前記移動要求の要求元の位置を示す位置情報の変化に基づいて、前記要求元が予め定められた時間より長く所定の領域内にとどまっている場合、前記移動装置に対して前記要求元への移動を指示する指示手段として機能させる情報処理プログラム。
[9]移動要求の要求元の位置へと移動する移動装置と、
前記移動装置に対する前
記移動要求を受け付け、前記要求元の位置を示す位置情報に基づいて、前記要求元が予め定められた時間より長く所定の領域内にとどまっている場合、前記移動装置に対して前記要求元への移動を指示する情報処理装置とを有する移動装置制御システム。
【発明の効果】
【0008】
請求項1、5、6、7、8又は9に係る発明によれば、印刷の要求元が移動した場合に印刷の要求元の移動先を検知して印刷物を提供することができる。
請求項2に係る発明によれば、移動している印刷の要求元に対応した印刷指示を遅らせることができる。
請求項3に係る発明によれば、印刷の要求元の位置情報が予め定められた範囲内で変化している場合、座席を移動していないと判定することができる。
請求項4に係る発明によれば、印刷の要求元の位置情報が予め定められた範囲内で変化している場合、印刷の要求元への移動を指示しないように制御することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施の形態]
(画像形成システムの構成)
図1は、実施の形態に係る画像形成システムの構成の一例を示す概略図である。また、
図10は、実施の形態に係る移動式画像形成装置の挙動の一例を示す概略図である。
【0011】
この画像形成システム1Aは、移動装置制御システムの一例であり、例えば、利用者7の着席位置が予め定まっていないオフィスやシェアオフィス、カフェ等の施設に配置されるものであって、情報処理サーバ1と、移動式画像形成装置2と、端末装置3とを無線ルータ5で構成されたネットワークによって互いに通信可能に接続することで構成される。また、情報処理サーバ1は、センサ6a−6cと有線又は無線で接続されており、利用者7の所持するカード4の位置を検知する。本実施例では情報処理サーバ1を施設内に設置しているが、当然のことながら外部に設置してもよい。なお、移動式画像形成装置2及び端末装置3は、それぞれ1台を図示しているが、複数台接続されるものであってもよい。また、カード4及び利用者7は複数存在するものであってもよい。
【0012】
施設には複数のテーブル9a−9cが備えられており、利用者7は端末装置3を所持して施設に入ると、受付8からカード4を受け取り、例えば、テーブル9aに備えられた椅子に着席してテーブル9aにカード4を置き、端末装置3で作業する。
【0013】
情報処理サーバ1は、情報処理装置であって、情報を処理するための機能を有するCPU(Central Processing Unit)やフラッシュメモリ等の電子部品を備え、端末装置3から印刷要求を受け付けて、移動式画像形成装置2に印刷指示を送信する。また、情報処理サーバ1は、センサ6a−6cから検知信号を受信してカード4の位置を位置情報として算出し、移動式画像形成装置2に印刷指示とともに送信する。
【0014】
移動式画像形成装置2は、少なくとも印刷機能を有するプリンタであって、さらにスキャナ、コピー、ファクシミリの機能を有する複合機であってもよい。また、移動式画像形成装置2は、情報を処理するための機能を有するCPUや不揮発性メモリ等の電子部品を備える。また、移動式画像形成装置2は、施設内を移動するための台車部を有し、情報処理サーバ1から印刷指示及び位置情報を受信すると自己で定めた経路上を自走し、カード4の位置まで移動して印刷を実行する。
【0015】
なお、カード4の位置まで移動するとは、カード4がどの座席(テーブル)に置かれているかを検知して、当該座席に座っている利用者7にとって利用しやすい位置まで移動することも含む。例えば、図面10に記載しているように、テーブルや椅子を自由に動かすことができるようなアトリエのような作業空間の場合は、カード4の位置を検知して、その近傍で障害物の無いところを目的地とする。例えば、カード4の位置がテーブル9b上の領域のうち、領域90b
1内である場合、障害物であるテーブル9b及び椅子90bを避けて椅子90bの横である位置90b
2を目的地とする。同様に、カード4の位置が領域91b
1内である場合位置91b
2を、領域92b
1内である場合位置92b
2を、領域93b
1内である場合位置93b
2を目的地とする。これにより、移動式画像形成装置2がテーブル等への衝突を回避できる。
【0016】
端末装置3は、多機能携帯電話やタブレット型端末、PC(Personal Computer)等の情報処理装置であって、本体内に情報を処理するための機能を有するCPUやフラッシュメモリ等の電子部品を備える。端末装置3は、利用者7の操作に基づいてネットワークを介して情報処理サーバ1に印刷要求を送信するものである。
【0017】
なお、上記した情報処理サーバ1、移動式画像形成装置2及び端末装置3の機能の一部をそれぞれの装置が実行する構成としてもよい。つまり、情報処理サーバ1、移動式画像形成装置2及び端末装置3が実行する各機能は、例示として各装置に振り分けたものであり、他の装置上で実行可能な機能は当該他の装置で実行するように実施態様を変形してもよい。
【0018】
カード4は、一例として、Wifiやbluetooth(登録商標)等の通信規格を利用してセンサ6a−6cと双方向で通信又は一方向で信号を発信するものであり、複数個ある場合にそれぞれを識別できるようにIDが定められている。なお、カード4と同等の機能を端末装置3に設けてもよい。この場合、端末装置3のIDを情報処理サーバ1にあらかじめ登録するなどしておき、カード4の機能を実現させる。
【0019】
無線ルータ5で構成されたネットワークは、高速通信が可能な通信ネットワークであり、例えば、イントラネットやLAN(Local Area Network)等の私設の無線通信網である。なお、本実施例ではセキュリティを考慮して私設の無線通信網としているが、公共の無線通信網であってもよい。
【0020】
センサ6a−6cは、カード4と通信又はカード4の信号を受信することで、それぞれカード4との距離を検知し、情報処理サーバ1へ距離に関する情報を送信する。そして、情報処理サーバ1は当該距離に基づいてカード4の位置を算出する。なお、本実施例ではカード4の位置を求めるためにいわゆる三角測量法を用いており、センサ6a−6cは少なくとも3つ必要である。また、GPS(Global Positioning System)等の他の位置検出技術を用いてカード4の位置を認識してもよく、その場合は必ずしもセンサが3つ必要ではない。本実施例では、一定の時間の間隔でセンサ6a−6cとカード4が通信し、そのときのカード4の位置を把握している。
【0021】
(情報処理サーバの構成)
図2は、実施の形態に係る情報処理サーバ1の構成例を示すブロック図である。
【0022】
情報処理サーバ1は、CPU等から構成され、各部を制御するとともに、各種のプログラムを実行する制御部10と、フラッシュメモリ等の記憶媒体から構成され情報を記憶する記憶部11と、ネットワークを介して外部と通信する通信部12とを備える。
【0023】
制御部10は、後述する情報処理プログラム110を実行することで、印刷要求受付手段100、カード位置算出手段101及び印刷指示手段102等として機能する。
【0024】
印刷要求受付手段100は、ネットワークを介して端末装置3から印刷要求を受け付ける。具体的には、端末装置3から印刷要求及び印刷対象である印刷文書情報112を受け付け、印刷要求を印刷要求情報111に書き込み、印刷文書情報112を記憶部21に格納する。
【0025】
カード位置算出手段101は、センサ6a−6cのそれぞれが検知したカード4との距離に基づいて施設内のカード4の位置を算出し、カード位置情報113として記憶部11に格納する。なお、外部装置においてカード位置情報113が算出済みである場合は、当該カード情報113を取得する取得手段を設けてもよい。
【0026】
印刷指示手段102は、印刷要求情報111、印刷文書情報112、カード位置情報113及びカード情報114に基づいて移動式画像形成装置2に印刷を指示する。
【0027】
記憶部11は、制御部10を上述した各手段101−102として動作させる情報処理プログラム110、印刷要求情報111、印刷文書情報112、カード位置情報113及びカード情報114等を記憶する。
【0028】
カード情報114は、カード4を識別するための情報である。
【0029】
(移動式画像形成装置の構成)
図3は、実施の形態に係る移動式画像形成装置2の構成例を示すブロック図である。
【0030】
移動式画像形成装置2は、CPU等から構成され、各部を制御するとともに、各種のプログラムを実行する制御部20と、フラッシュメモリ等の記憶媒体から構成され情報を記憶する記憶部21と、ネットワークを介して外部と通信する通信部22と、印刷要求に基づいて印刷処理を実行する印刷処理部23と、車輪や車輪を駆動するモータ等で構成され施設内を移動するための台車部24とを備える。
【0031】
制御部20は、後述する画像形成プログラム210を実行することで、印刷指示受付手段200、経路作成手段201、台車制御手段202及び印刷制御手段203等として機能する。
【0032】
印刷指示受付手段200は、情報処理サーバ1から印刷指示を受け付けるとともに、印刷指示の対象である印刷文書情報112を受け付けて記憶部21に印刷文書情報211として格納する。
【0033】
経路作成手段201は、印刷指示に含まれるカード位置情報113及び施設情報212に基づいて、移動式画像形成装置2の移動する経路を作成し、経路情報213として格納する。
【0034】
台車制御手段202は、経路作成手段201が作成した経路情報213に基づいて台車部24を制御してカード4の所在位置まで移動式画像形成装置2を移動する。
【0035】
印刷制御手段203は、移動式画像形成装置2が印刷要求元であるカード4の所在位置に辿りつくと、例えばカード4を利用した利用者7の認証等を受け付け、印刷処理部23を制御して印刷を実行する。
【0036】
記憶部21は、制御部20を上述した各手段200−203として動作させる画像形成プログラム210、印刷文書情報211、施設情報212及び経路情報213等を記憶する。なお、施設情報212は、施設内のテーブル9a−9cの配置、移動式画像形成装置2が通行可能な経路及び経路の幅等が記載された情報である。
【0037】
図4は、印刷要求情報111の構成例を示す概略図である。
【0038】
印刷要求情報111は、印刷要求受付手段100が受け付ける印刷要求に基づいて作成される情報であり、項目として、複数の印刷要求のうちの印刷順を示すジョブ番号と、カード4の識別情報を示すカードIDと、印刷文書情報の識別情報を示す文書IDとを有する。その他、印刷部数、片面/両面、ホッチキス等の後処理、ジョブ名等の印刷設定の情報を有してもよい。
【0039】
図5は、カード位置情報113の構成例を示す概略図である。
【0040】
カード位置情報113は、カード4の位置を示す情報であり、通信の際にカード4を識別するためのカードの通信IDと、施設を俯瞰した場合のフロアのX座標及びY座標と、カード4が移動せずに経過した時間を示す経過時間とを有する。
【0041】
図6は、カード情報114の構成例を示す概略図である。
【0042】
カード情報114は、カード4の表面に記載された表示IDと、通信の際にカード4を識別するためのカードの通信IDとを有する。
【0043】
図7は、カード4の構成の一例を示す概略図である。
【0044】
カード4は、表面に印刷等により記載された表示ID41と、センサ6a−6cと通信する通信部40とを有する。通信部40は、アンテナ及びIC等から構成されカード4の内部に埋め込まれる。なお、表示ID41は、
図4に示す印刷要求情報111のカードIDに対応したものである。
【0045】
(画像形成システムの動作)
次に、本実施の形態の作用を、(1)印刷要求受付動作、(2)印刷指示動作、(3)カード位置算出動作、(4)移動式画像形成装置の動作、(5)印刷要求情報更新動作に分けて説明する。
【0046】
図8は、情報処理サーバ1の動作例を示すフローチャートである。
【0047】
(1)印刷要求受付動作
まず、利用者7は、施設に入ると、受付8でカード4を受け取り、テーブル9aの椅子に着席する。
【0048】
次に、利用者7は、端末装置3を操作して所望の文書情報を選択し、カード4の表面の表示ID41を入力して、印刷を要求する。また、この際、部数、片面/両面、モノクロ/カラー等の印刷の設定を行う。
【0049】
端末装置3は、選択された文書情報とともに印刷要求を情報処理サーバ1に送信する。また、印刷要求を送信する場合にカード4表面の表示ID41を情報処理サーバ1に通知する。通知する方法の例として、情報処理サーバ1にアクセスする場合のアドレスの一部に表示ID41のID番号を含めることが考えられる。他の例としては、情報処理サーバ1に接続した後に、UI画面上で、ID番号を選択したり、入力したりする方法が考えられる。
【0050】
そして、情報処理サーバ1の印刷要求受付手段100は、端末装置3から印刷用の印刷文書情報と印刷要求を受け付け(S1)、印刷文書情報112を記憶部11に格納し(S2)、
図4に示す印刷要求情報111に新たなジョブ番号、カードIDおよび文書IDを書き込んで更新する(S3)。
【0051】
(2)印刷指示動作
印刷指示手段102は、印刷要求情報111の最初の印刷要求、つまりジョブ番号が「1」の文書ID「1001」を取得し(S4)、当該文書ID「1001」の印刷文書情報112を移動式画像形成装置2に送信する(S5)。
【0052】
次に、印刷指示手段102は、ジョブ番号が「1」のカードID「003」から、
図6に示すカード情報114を参照して通信ID「82−9B」を取得し(S6)、当該通信ID「82−9B」から
図5に示すカード位置情報113を参照してXY座標「3.1m、2.5m」及び経過時間「300秒」を取得する(S7)。
【0053】
ここで、印刷指示手段102は、取得した経過時間「300秒」が15秒以上であるため(S8;Yes)、XY座標「3.1m、2.5m」を位置情報として移動式画像形成装置2に送信し(S9)、印刷を指示する。これは、15秒以上同じ位置に留まっている場合、印刷の要求元であるカード4の利用者7が当該位置で作業しているものと推測され、そうでない場合は移動中であると推測されるためである。これは、例えば利用者7が印刷の要求をした直後に座席を移動したような場合、移動後の座席ではなく移動前の座席へ移動式画像形成装置2が移動してしまうことを防ぐためである。なお、15秒は例示であり、管理者により任意の時間を設定してもよい。また、ここでは経過時間で判断しているが、移動している場合であっても移動範囲が例えば1m以内であって利用者7がほぼ一箇所に留まっていると推測される場合には位置情報を送信するようにしてもよい。
【0054】
また、印刷指示手段102は、取得した経過時間が
図5に示すカード位置情報113の通信ID「38−42」のように「10秒」と、15秒より短い場合(S8;No)、当該カードIDのカードの利用者7が移動中であると推測して、印刷を指示せずに、経過時間が15秒以上になるまで待機する。
【0055】
なお、印刷指示手段102は、取得した経過時間が15秒より短い場合に処理中の印刷要求のジョブ番号を一つ繰り上げて、又は最後尾の番号として後回しとし、次のジョブ番号の印刷要求を処理するようにしてもよい。印刷を後回しにすることで、他のジョブを印刷している間に繰り下げたジョブの利用者7の座席滞在時間(経過時間)が15秒以上経過していることがあるためである。
【0056】
また、印刷指示手段102は、取得した経過時間が15秒以上であっても、トイレ等の印刷処理を実行するのにふさわしくないと考えられる場所にカード4がある場合には移動中であると推測した場合と同様の処理を行うようにしてもよい。つまり、印刷要求のジョブ番号を繰り上げたり、最後尾の番号として後回しにして、利用者7がトイレから座席に戻るまで印刷処理を待っておく。
【0057】
(3)カード位置算出動作
ここで、
図5に示すカード位置情報113の算出動作について説明する。
図9は、情報処理サーバ1のカード位置算出動作の一例を示すフローチャートである。なお、以下に説明する動作は、予め定めた時間の間隔で繰り返し行われるものとする。
【0058】
まず、カード位置算出手段101は、センサ6a−6cからカード4までの距離データを受信し(S20)、3つの距離からカード4の施設内の位置座標を計算する(S21)。
【0059】
次に、カード位置算出手段101は、
図5に示すカード位置情報113を参照し、ステップS21で算出された座標と一致するか確認し(S22)、一致する場合(S22;Yes)は前回算出してから経過した時間をカード位置情報113の経過時間に加算して更新する(S23)。
【0060】
また、一致しない場合(S22;No)は、カード位置情報113のX座標及びY座標の値を算出した座標値で更新し、経過時間を「0秒」にする(S24)。ここで、一致するとは座標が完全に一致することに限らず、例えば数センチ〜数十センチ程度のずれは実質的に移動していないものとして、ステップS22の処理上は一致するとして判断してもよい。このようにある程度のずれを許容することで、例えば利用者7がカード4をテーブル上で移動させたときに、座席を移動したと判断されたことを防ぐことができる。
【0061】
(4)移動式画像形成装置の動作
上記したステップS5及びS9により、情報処理サーバ1の印刷指示手段102から印刷文書情報112が移動式画像形成装置2に送信されると、移動式画像形成装置2の印刷指示受付手段200は印刷文書情報211として記憶部に格納する。また、情報処理サーバ1の印刷指示手段102からカード位置情報113が移動式画像形成装置2に送信されると、経路作成手段201は当該位置情報を受け付けて施設情報212を参照し、カード4の位置まで移動するための経路情報213を作成する。
【0062】
次に、台車制御手段202は、台車部24を制御し、経路情報213に基づいてカード4の位置に向けて移動する。
【0063】
次に、印刷制御手段203は、印刷処理部23を制御し、印刷文書情報211を印刷処理し、印刷した用紙を利用者7に提供する。なお、印刷処理のタイミングは、移動式画像形成装置2の移動中に行うものであってもよいし、カード4の位置に到着した後に行うものであってもよい。
【0064】
また、印刷制御手段203は、印刷が完了すると、印刷完了の旨を情報処理サーバ1に送信する。
【0065】
(5)印刷要求情報更新動作
次に、情報処理サーバ1の印刷指示手段102は、移動式画像形成装置2から印刷完了の旨を受信すると(S10;Yes)、印刷の完了した印刷文書情報112を記憶部11から削除し(S11)、
図4に示す印刷要求情報111のジョブ番号1の印刷要求を削除して、ジョブ番号を繰り下げて印刷要求情報111を更新する(S12)。
【0066】
(実施の形態の作用・効果)
上記した実施の形態によれば、情報処理サーバ1の印刷指示手段102がカード位置情報113を参照し、予め定めた時間以上同じ位置に留まっている場合に、印刷の要求元であるカード4の利用者7が当該位置で作業しているものと推測し、当該位置情報を移動型画像形成装置2に送信して印刷指示をするようにし、予め定めた時間より短い場合は移動中と推測して印刷指示をしないようにしたため、移動型画像形成装置2が印刷の要求元であるカード4を所持した利用者7を追跡して印刷物を提供することができる。
【0067】
[他の実施の形態]
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々な変形が可能である。本発明は画像形成装置以外の装置にも適用でき、例えば利用者のもとへコーヒー等を届けるロボット等、利用者の求めに応じて利用者の位置まで移動してくる装置全般に対して適用できる。
【0068】
上記実施の形態では制御部10の各手段100〜102の機能及び制御部20の各手段200〜203の機能をプログラムで実現したが、各手段の全て又は一部をASIC等のハードウエアによって実現してもよい。また、上記実施の形態で用いたプログラムをCD−ROM等の記録媒体に記憶して提供することもできる。また、上記実施の形態で説明した上記ステップの入れ替え、削除、追加等は本発明の要旨を変更しない範囲内で可能である。