(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示装置の表示領域の外に、前記金属層が露出する、前記黒色配線のうち少なくとも黒色層を有しない端子部を具備することを特徴とする請求項1から3何れかに記載のカラーフィルタ基板。
前記金属層の前記黒色層との界面に、さらに銅とインジウムの合金層があり、かつ、前記表示装置の表示領域の外において、前記黒色配線が延線され、前記銅とインジウムの合金層の表面が露出する端子部と電気的に接続していることを具備することを特徴とする請求項4に記載のカラーフィルタ基板。
前記黒色層は主たる色材としてカーボンを含有し、前記黒色層の前記カーボンの含有量が4質量%〜50質量%の範囲内にあることを特徴とする請求項1から5何れかに記載のカラーフィルタ基板。
前記透明基板上に前記インジウムを含む接着層と前記銅層あるいは銅合金層からなる金属層との二層構成の配線のパターンを形成してのち、少なくともカーボンとアルカリ可溶なアクリル樹脂を含む黒色塗布液を前記黒色配線を覆うように前記透明基板上に塗布し、乾燥させて黒色膜としたのち、アルカリ現像液を用いて透明基板上の前記黒色膜を選択的に除去して、前記金属層上にのみ前記黒色膜を残して黒色層とすることで黒色配線を形成することを特徴とする請求項1ないし6何れか記載のカラーフィルタ基板の製造方法。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンやタブレットなど携帯機器に、表示装置の表示面側にタッチパネルを貼付した構成が一般的になりつつある。タッチパネルは、指などポインタの接触などの入力手段として用いられる。タッチパネルのポインタの検出は、そのタッチ部分での静電容量変化として行われる方式が主流である。
【0003】
しかしながら、タッチパネルは厚み・重量増の観点で、表示装置として余分な部材である。軽量化のための基材として用いられるが、やはり、厚み増は避けがたく、かつ、高精細画素としたときに必要なペン入力が困難である欠点を抱えている。400ppi(pixel per inch)、さらには、500ppi以上の高精細画素となったときに、画素ピッチは10〜20μm前後となりペン入力の様な微細な入力が必要となるが、ペンの筆圧やペン先に必要な解像度に応えられないばかりでなく、速い入力への対応及び、高精細化に十分に応えられなくなっている。
【0004】
近年、タッチパネルを用いずに、タッチセンシング機能を液晶セル内、あるいは表示装置に持たせる“インセル”と呼称されるタッチセンシング技術の開発が進んでいる。
【0005】
上記したように、表示装置に用いられるカラーフィルタ基板や、TFTなどアクティブ素子を内設するアレイ基板のいずれかに、あるいは、両方に一組のタッチ電極群を設け、タッチ電極群間に生じる静電容量の変化でタッチセンシングを行うインセル化が試みられている。しかし、有機フイルムベースのタッチパネルでは基材の伸縮、たとえば、熱膨張係数などが大きく、赤画素、緑画素、青画素やブラックマトリクスのパターンを含む10〜20μm程度の微細画素の位置あわせ(アライメント)が困難であり、カラーフィルタ基板としての採用はできない。
【0006】
特許文献1は、プラスチックフィルム上に透明導電膜と遮光性金属膜の積層構成を、開示している。しかしながら、この構成では“インセル”として用いることができず、フィルムである基材のため高精細のカラーフィルタとして採用できない。特許文献1は、インセル技術およびカラーフィルタとの一体化は示唆していない。たとえば、特許文献1の0026段落には、遮光性金属膜層としてアルミニウムが例示されている。赤画素、緑画素、青画素やブラックマトリクスの製造工程では、アルカリ現像液を用いたフォトリソグラフィーの手法が用いられるが、アルミニウムの金属配線では、アルカリ現像液に腐食されカラーフィルタを形成することがむつかしい。
【0007】
さらに、特許文献1は、遮光性金属膜の表面の光反射が、表示装置としたときの観察者視認性を低下させることを考慮していない。
【0008】
特許文献2は、全反射率の低い吸光層と導電層との積層構成を開示するとともに、その請求項25以下にてタッチパネルを開示している。しかしながら、特許文献2は、インセル技術およびカラーフィルタとの一体化は示唆していない。たとえば、特許文献2の00
71、0096段落及び実験例2には、導電性パターンあるいは導電層の材料としてアルミニウムが例示されている。赤画素、緑画素、青画素やブラックマリクスの製造工程では、アルカリ現像液を用いたフォトリソグラフィーの手法が用いられるが、アルミニウムの金属配線では、アルカリ現像液に腐食されカラーフィルタを形成することがむつかしい。
【0009】
特許文献2には、たとえば、請求項13において、基材と接する面の反対面に吸光層が備えられる構成において、全反射率が3%以下であることを規定している。しかし、実験例1〜7において、全反射率の測定波長は550nmである。また、特許文献2の
図11、
図16や
図18にあるように可視域400nm〜700nmの光の波長域で、3%以下となる構成を具体的に開示していない。たとえば、
図18の反射率では、400nm〜500nmの青の領域の反射率が大きいため、吸光層の色は黒に見えず青色となり視認性を低下させる。
【0010】
特許文献2は、その請求項24や実験例3において、導電層の金属が銅(Cu)であることを開示している。しかし、基材を無アルカリガラスなどのガラス基板としたときに、銅や銅酸化物、銅酸窒化物は十分な密着性がなく、セロハンテープなどで簡単に剥がれてしまう実用上の問題がある。導電層を銅としたときの密着性改善の具体的技術を開示していない。
【0011】
特許文献3は、その請求項1、請求項2あるいは
図3に示されるように、表示パネルの前面基板の外側表面に、タッチ電極と、カラー画像表示のための黒色領域とカラーフィルタ層を備えた表示装置を開示している。タッチ電極は、金属材料で形成され、画素の開口部以外の黒色領域、この場合はブラックマトリクスと重なる。その請求項6は、タッチ電極上に透明導電膜を積層する構成を開示しているが、インジウムを含む接着層を用いる技術は開示していない。タッチ電極の表面に、カーボンを色材とする黒色層を積層する構成を開示していない。また、その0043段落に開示あるように、タッチ電極を構成する金属材料として、銅を考慮していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の第一の目的は、低抵抗でアルカリ耐性のある黒色配線を、無アルカリガラスである基板と密着性の高い状態で、かつ、可視域低反射であるタッチ電極をカラーフィルタ基板として提供するものである。
【0014】
特に、保護ガラスなどのカバーガラスを第一の面である表示面に積層する構成で、可視域、より低反射で視認性の良い表示装置、およびこれに用いるカラーフィルタ基板などを提供する。
【0015】
本発明の第二の目的は、高解像度で、かつ、高速なタッチ入力に応えられる表示装置、およびこれに用いるカラーフィルタ基板などを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本願にかかる第一の発明は、無アルカリガラスである透明基板の第一の面の表示領域にカラーフィルタを具備し、第二の面に少なくとも黒色配線を具備するカラーフィルタ基板
において、
前記黒色配線が、前記透明基板上に、少なくとも、インジウムを含む接着層と、銅層あるいは銅合金層からなる金属層と、カーボンを主たる色材とする黒色層とを、この順で積層した黒色配線であり、
前記カラーフィルタは、ブラックマトリクスで区分された複数の画素開口部のそれぞれに、赤層、青層、緑層の着色層を配設し、これら着色層上に透明樹脂層を積層する構成であるカラーフィルタ基板を提供するものである。
【0017】
銅層あるいは銅合金層である金属層は、透明基板との界面にインジウムを含む接着層を挿入することで実用的な黒色配線を提供できる。
【0018】
本願にかかる別の発明は、前記インジウムを含む接着層が、酸化インジウムを主材とする金属酸化物層であるカラーフィルタ基板を提供するものである。
【0019】
本願にかかる別の発明は、前記インジウムを含む接着層が、銅とインジウムの合金層であるカラーフィルタ基板を提供するものである。
【0020】
本願にかかる別の発明は、前記表示装置の表示領域の外に、前記金属層が露出する、前記黒色配線のうち少なくとも黒色層を有しない端子部を具備するカラーフィルタ基板を提供するものである。
【0021】
本願にかかる別の発明は、前記金属層の前記黒色層との界面に、さらに銅とインジウムの合金層があり、かつ、前記表示装置の表示領域の外において、前記黒色配線が延線され、前記銅とインジウムの合金層の表面が露出する端子部と電気的に接続していることを具備するカラーフィルタ基板を提供するものである。
【0022】
本願にかかる別の発明は、前記黒色層は主たる色材としてカーボンを含有し、前記黒色層の前記カーボンの含有量が4質量%〜50質量%の範囲内にあるカラーフィルタ基板を提供するものである。
【0023】
本願にかかる別の発明は、前記透明基板上に前記インジウムを含む接着層と前記銅層あるいは銅合金層からなる金属層との二層構成の配線のパターンを形成してのち、少なくともカーボンとアルカリ可溶なアクリル樹脂を含む黒色塗布液を前記黒色配線を覆うように前記透明基板上に塗布し、乾燥させて黒色膜としたのち、アルカリ現像液を用いて透明基板上の前記黒色膜を選択的に除去して、前記金属層上にのみ前記黒色膜を残して黒色層とすることで黒色配線を形成するカラーフィルタ基板の製造方法を提供するものである。
【0024】
本願にかかる別の発明は、前記カラーフィルタ基板を具備する表示装置であって、
前記黒色配線の表面を含む表示領域を覆うように、屈折率が1.5である透明接着層にて、カバーガラスを前記カラーフィルタ基板の前記第二の面に貼り合わせた表示装置を提供するものである。
【0025】
本願にかかる別の発明は、前記カラーフィルタ基板と、
平面視、前記複数の画素開口部の隣接位置にアクティブ素子をそれぞれ配設し、かつ、前記アクティブ素子と電気的に連繋され、表示駆動用の金属配線と、タッチセンシングに用いるタッチ金属配線を、具備するアレイ基板とを、
液晶層を介して貼り合わせた表示装置を提供するものである。
【0026】
これにより、前記黒色配線と前記タッチ金属配線との間に発生する静電容量の変化を検知するタッチセンシング機能を持たせることが可能になる。
【0027】
本願にかかる別の発明は、請求項1ないし6何れか記載のカラーフィルタ基板が、前記透明樹脂層上にさらに透明導電配線を積層するカラーフィルタ基板であり、
液晶層を介して、複数のアクティブ素子を備えるアレイ基板と前記カラーフィルタ基板を貼り合わせた表示装置を提供するものである。
【0028】
これにより、前記黒色配線と前記透明導電配線との間に発生する静電容量の変化を検知するタッチセンシング機能を持たせることが可能になる。
【0029】
これらの表示装置は、液晶表示装置、あるいは、有機エレクトロルミネセンス表示装置とすることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明は、タッチパネルのような厚みのある部材を用いず、タッチ電極の一方の電極として用いることの可能な低抵抗の黒色配線と、カラーフィルタとを一体化したカラーフィルタ基板を提供することができる。
【0031】
また、表示装置の外側の表面に保護のための強化ガラスなどのカバーガラスを積層した構成で、カバーガラスと黒色配線の界面での反射率が、光の波長400nm〜700nmの範囲で、例えば3%以下の極めて低い反射率で視認性を向上させた表示装置を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面をしながら本発明の実施形態について説明する。
【0034】
各実施形態では、特徴的な部分について説明し、例えば通常の表示装置の構成要素と差異のない部分については説明を省略する。また、それぞれ実施形態は、本発明のカラーフィルタ基板、あるいは、これを具備する液晶表示装置の例として説明するが、本発明のカラーフィルタ基板は有機EL表示装置のような他の表示装置に適用可能である。
【0035】
[第1の実施形態]
以下、本発明に関わるカラーフィルタ基板100を、
図1、
図2を用いて説明する。
図2は、
図1の黒色配線6部分であるαで示した部分の拡大図である。なお、以下の全ての図面は、理解のしやすさを優先して各構成要素の厚さや寸法の比率は適宜調整しているので実際のものとは異なっている。
【0036】
当実施形態において、透明基板15の表示面にあたる第一の面4にブラックマトリクスBMと赤層R、緑層G、青層Bと透明樹脂層9で構成されるカラーフィルタが具備されている。透明基板15の第一の面と反対側の面である第二の面5には、インジウムを含む接着層1、金属層2、黒色層3で構成される黒色配線6が具備されている。透明基板15は、熱膨張率の小さい無アルカリガラスである。後述するアレイ基板に用いる透明基板と同じガラス材質を用いる熱膨張率が同一になり、望ましい。
【0037】
図1では、黒色配線6は紙面に対して、垂直な方向Xに長尺であるストライプ形状で配設されている。ただし、ブラックマトリクス(BM)とモアレを発生しない形状にて種々のパターンで形成しても良い。
【0038】
また、後述するタッチセンシングでのタッチ電極としての走査や駆動において、6本おき、18本おきなど適宜間引いて駆動することができる。間引き本数の多い方が、タッチセンシング走査時間を短くでき、高速なタッチ検出を容易とする。
【0039】
黒色層3は、黒色の色材を分散させた着色樹脂で構成されている。銅の酸化物や銅合金の酸化物では十分な黒の色や低い反射率が得られないが、本発明に関わる黒色配線6表面での可視光の反射率は例えば10%以下などに抑えられ、かつ、後述する金属層3を挟持する構成であるため、高い遮光性が同時に得られる。
【0040】
また、黒色配線6を、およそ屈折率1.5の透明樹脂で覆う構成とすることで、透明樹脂との界面での反射率は、可視光の波長の範囲内で、3%以下の低反射とすることができる。
【0041】
黒色の色材は、カーボン、カーボンナノチューブあるいは、複数の有機顔料の混合物が適用できる。カーボンを、例えば、色材全体の量に対して51質量%以上の主たる色材として用い、反射色の調整のため、青もしくは赤などの有機顔料を添加して用いることができる。
【0042】
たとえば、出発材料としての感光性の黒色塗布液中のカーボンの濃度を調整する、すなわち多くの場合カーボン濃度を下げることにより黒色層3の再現性を向上できる。表示装置用大型露光装置を用いても、黒色配線6の画線幅として、たとえば、1〜5μmの細線でパターン加工できる。
【0043】
なお、本発明の実施形態では、樹脂や硬化剤と顔料とを含めた全体の固形分に対して、4〜50質量%カーボン濃度の範囲内が好ましい。50質量%を超えたカーボン量としても良いが、全体の固形分に対して50質量%を超えると塗膜適性が落ちる傾向にあり、実用に耐えない場合が多い。また、4質量%以下では、十分な黒色を得ることができず、下地の金属層の反射が大きく視認性を低下させるため実用に耐えない場合が多い。
【0044】
以下の実施形態で、カーボン濃度の表記のない場合、このカーボン濃度は、全固形分に対して40質量%である。
【0045】
黒色層3は、後工程であるフォトリソグラフィでの露光やパターンの位置合わせ(アライメント)を優先する場合、例えば、透過測定での光学濃度を2以下とすることができる。黒色層3を、カーボン以外に、黒色の色調整として複数の有機顔料の混合物を用いて形成しても良い。黒色層3の反射率は、ガラスや透明樹脂などの基材の屈折率(約1.5)を考慮し、黒色層3とそれら基材との界面の反射率が2%以下となるよう、黒色色材の含有量や種類、用いる樹脂、膜厚を調整することが望ましい。これらの条件の最適化で、屈折率がおよそ1.5であるガラスなどの基材との界面の反射率を、可視光の波長領域内で2%以下の低反射率にすることができる。黒色層3の反射率は、観察者の視認性を配慮して、3%以下とすることが望ましい。なお、通常、カラーフィルタに用いられるアクリル樹脂、また、液晶材料の屈折率は、おおよそ1.5〜1.7の範囲に入る。後述の実施形態に用いるカバーガラス、透明接着層の屈折率もおおよそこの範囲に入る。
【0046】
インジウムを含む接着層1と、銅層あるいは銅合金層からなる金属層2と、黒色層3から構成される黒色配線6の厚みは、合計で1μm以下とすることができる。黒色配線6の厚みは、2μmを超えるとその凹凸が、液晶配向に悪影響を与えるため、1.5μm以下とすることが望ましい。
【0047】
表示領域内のブラックマトリクス(BM)には、複数の画素開口部が形成される。画素開口部は、ストライプ形状でも良いが、少なくとも2辺が平行である多角形とすることができる。2辺が平行である多角形として、長方形、六角形、V字形状(doglegged shape)などが例示できる。黒色配線6のパターンを、これら多角形画素の周囲を囲う額縁形状として、電気的に閉じた形状とすることができる。これらパターン形状は、平面視において、電気的に閉じたパターンであるか、一部を開放した、外観的に、つながっていない部分を設けるパターンであるかによって、液晶表示装置周辺の電気的ノイズの拾い方が変わる。あるいは、黒色配線6のパターン形状や面積によって、液晶表示装置周辺の電気的ノイズの拾い方が変わる。
【0048】
金属層2を形成する金属は、銅あるいは銅合金である。銅の薄膜や銅合金の薄膜の場合、金属層2の膜厚を100nm以上、あるいは150nm以上とすると、金属層2は、可視光をほとんど透過しなくなる。したがって、本実施形態に関わる黒色配線6は、金属層2の膜厚が例えば100nm〜300nm程度であれば十分な遮光性を得ることができる。
【0049】
金属層2は、アルカリ耐性のある金属層が適用できる。アルカリ耐性が必要な場合は、例えば、後工程でアルカリ現像液を用いる現像工程がある場合である。具体的には、例えばカラーフィルタや、ブラックマトリクスなどを形成をする場合などである。後述する黒色配線6に端子部を形成する場合にも、アルカリ耐性が必要性である。なお、クロムはアルカリ耐性があり黒色配線6の金属層2として適用できる。しかし、抵抗値が大きく、製造工程で生じるクロムイオンが有害であり実際の生産への適用は難しい。銅や銅合金は、低い抵抗値の観点で金属層2として望ましい。銅や銅合金は、導電性が良好であるので、金属層2として望ましい。
【0050】
金属層2は、銅合金として3原子組成百分率(以下at%と表記する)以下の合金元素を含有させることができる。合金元素は、マグネシウム、カルシウム、チタン、モリブデン、インジウム、錫、亜鉛、アルミニウム、ベリリウム、ニッケルから1以上の元素を選択できる。銅の合金化は、銅の拡散を抑え、銅合金として耐熱性などを改善できる。3at%以上の合金元素の添加は、黒色配線の抵抗値を大きくする。黒色配線の抵抗値が高くなると、タッチ検出に関わる駆動電圧の波形なまりや信号遅延を生じるため、好ましくない。
【0051】
インジウムを含む接着層1の役割は、おもに透明基板15との密着性の向上である。銅、銅合金、あるいはこれらの酸化物、窒化物は、ガラスなど透明基板や黒色色材の分散体である黒色層との密着性が、一般的に悪く、その界面で剥がれを生じる問題がある。加えて、銅、銅合金、あるいはこれらの酸化物、窒化物は、通常、電気的な接続が不安定で信頼性に欠ける。たとえば、銅表面に経時的に形成される酸化銅や硫化銅は絶縁体に近く、電気的な実装に問題を生じる。
【0052】
インジウムを含む接着層1(以下、これらを単に接着層と呼称することがある)は、インジウムを含む導電性の金属酸化物、あるいは、銅に対して金属インジウムを0.5at%〜40at%含む銅インジウム合金から選択できる。銅インジウム合金中のインジウムを増やすことにより、接着層の表面に形成されやすい酸化銅の形成を抑制し、電気的なコンタクトを容易とすることができる。銅インジウム合金の場合、金属インジウムを40at%以上含む合金であっても良いが、インジウムは高価であるため、多く含有させることは経済的理由で好ましくない。また、金属インジウムを40at%以下とする500℃までの耐熱性を持つため、アレイ基板の金属配線として用いることができる。インジウムは、銅より原子量が大きく、かつ、銅より酸素と結びつきやすく銅インジウム合金の表面は銅酸化物よりインジウム酸化物を形成しやすい。銅インジウム合金は、銅単体であるときの問題である銅の拡散、ボイド形成、ブリッジ形成などを抑制できる。
【0053】
インジウムを含む導電性の金属酸化物には、ITOと呼称される酸化インジウムと酸化錫の混合酸化物、また、酸化インジウムと酸化亜鉛の混合酸化物を用いることができる。これら金属酸化物に限定する必要なく、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化セリウムなど他の金属酸化物を少量、さらに添加した混合酸化物であっても良い。「インジウムを含む」は、混合酸化物の場合、その混合酸化物表面の電気的コンタクト、すなわち電気的な接続を考慮して、混合酸化物中の酸化インジウムを51wt%〜99wt%含有させることができる。
【0054】
インジウムは、金属としても、酸化物としてもカラーフィルタの基材であるアクリル樹脂などの樹脂、ガラスなどの透明基板、あるいは酸化ケイ素や窒化ケイ素などの無機膜との密着性を大きく改善できるため、銅や銅合金の金属層と、黒色層、あるいは、透明基板や無機絶縁層との界面に接着層の基材として用いることができる。
【0055】
インジウムを含む接着層はスパッタリングなどの手法で成膜できる。インジウムを含む接着層を成膜する場合、スパッタリング時にアルゴンのほか酸素ガスを導入して成膜できる。
【0056】
前記したように黒色配線6は、インジウムを含む接着層と、銅や銅合金の金属層2上に黒色層3を積層した3層構成の導電性配線である。以下の実施形態で説明する黒色配線6は、静電容量方式のタッチセンシングでのタッチ電極の片方の電極として用いることができる。
【0057】
タッチ電極は、たとえば、平面視、複数の検出電極を第一の方向(例えば方向X)に配設し、積層方向(方向Z)にある絶縁層を介して、複数の駆動電極を第二の方向(方向Y)に配設した構成をとることができる。駆動電極には、たとえば、数kHz〜数十kHzの周波数で交流パルス信号が印加される。通常、この交流パルス信号の印加によって、検出電極には一定の出力波形が維持される。指などポインタの接触や近接があると、その部位の検出電極の出力波形に変化が現れ、タッチの有無が判断される。
【0058】
黒色配線6は、上記駆動電極、あるいは、検出電極として用いることができる。透明樹脂層などの絶縁層を介して黒色配線の並びに直交する形で透明導電配線を設ける構成では、同様、透明導電配線を駆動電極、あるいは、検出電極として用いることができる。
【0059】
黒色配線6を構成するインジウムを含む接着層1と金属層2と黒色層の線幅は、同一とすることができるが、異なる線幅としても良い。上記したように、これら黒色配線6の並びに直交する形で透明導電配線を設けることができる。後述する第2の実施形態で、黒色配線6の並びに直交する形の透明導電配線を具備する構成を具体的に説明する。
【0060】
黒色配線を構成する黒色層3と金属層2の線幅もしくはパターン形状が、同一の場合、黒色層3をレジストパターンとして用い、インジウムを含む接着層1や金属層2を合わせてウエットエッチングし、黒色層3と同一の金属層3のパターンを得ることができる。このように、黒色層3と金属層2の線幅もしくはパターン形状が同一である黒色配線6を、簡易な工程でカラーフィルタ基板を製造できる。
【0061】
黒色配線6は、黒色層3で金属層2を覆う、可視光反射の少ない構成であるため、観察者の視認性を妨げない。液晶表示装置としたときに、表示装置の外部からの光を、金属層2で反射しないため、視認性を向上できる。
【0062】
[第2の実施形態]
図3は、当実施形態の部分断面図である。
【0063】
第1の実施形態と異なるのは、透明樹脂層9上に透明導電配線7を形成した構造であることである。黒色配線6の並びは紙面に対して垂直な方向Yにストライプパターン形状で配列される。透明樹脂層9上に、黒色配線6の並びに直交して、透明導電配線7のストライプパターンが形成される。
【0064】
赤層R、緑層G、青層Bなどの着色層は、たとえば、有機顔料を感光性の透明樹脂に分散させ、周知のフォトリソグラフィの手法で形成する。カラーフィルタには、赤層R、緑層G、青層Bの着色層以外に、淡色層、補色層、白層(透明層)などの他の色加えても良い。
【0065】
[第3の実施形態]
FFS、すなわち横電界の液晶表示装置の場合の実施形態を示す。
【0066】
この実施形態を、
図4を用いて説明する。
図4は、アレイ基板35にアクティブ素子を配設するとともに、アクティブ素子(TFT)はゲート配線と並行に走る金属配線(以下、この金属配線をタッチ電極の一方の電極として用いる意味でタッチ金属配線37と呼ぶ)を備えている。アクティブ素子およびゲート配線は図示を省略している。ゲート配線と、タッチ金属配線37は同じ金属材料、構成で同じ工程で形成されるが、電気的に独立している。なお、表示駆動用の金属配線は、ゲート配線とソース配線よりなる。
【0067】
液晶層30の液晶は、アレイ基板35の面に水平に配向されている。液晶の駆動は、画素電極36と共通電極32との間に生じるフリンジ電界で駆動する。この液晶駆動方式は、FFS(fringe field switching)、あるいはIPS(in plane switching)と呼ばれている。共通電極32は、ITOなどの透明導電膜で形成されている。アレイ基板35の基板には、カラーフィルタ基板と同じ熱膨張率を持つガラス基板である透明基板25が適用される。
【0068】
タッチセンシングのための静電容量C1は、黒色配線6と、平面視、アクティブ素子のゲート線と並行に走るタッチ金属配線37との間に形成される。
図7での構成では、共通電極32の液晶駆動と、タッチセンシングでのタッチ金属配線37の駆動は時分割でなされても良く、あるいは、タッチ金属配線37の駆動を液晶駆動と異なる周波数で駆動しても良い。共通電極32は、ITOなど透明導電膜で形成される。タッチ金属配線37は、ソース配線(信号線)、ソース電極やドレイン電極などの表示駆動用の金属配線と同じ金属材料、同一工程で形成した金属配線であるが、これらアクティブ配線に関連する金属配線とは、電気的に独立している。タッチ金属配線37は、タッチ電極として、駆動電極あるいは検出電極として用いることができる。画素電極36や共通電極32は、いずれか絶
縁層21、22、23上に形成されている。
【0069】
図示を省略したアクティブ素子のチャネル層は、金属酸化物半導体あるいはポリシリコン半導体を用いることができる。
【0070】
[第4の実施形態]
縦電界型の液晶表示装置の実施形態を示す。
【0071】
図5を用いて第4の実施形態を説明する。なお、
図5は、液晶層40を備える、それぞれ表示装置の部分断面図であるが、偏光板などの光学フィルム、配向膜、カバーガラス(保護ガラス)などの記載は省略した。
【0072】
この実施形態は、本発明のカラーフィルタ基板200を、液晶を用いる表示装置(以下、液晶表示装置)としたときの応用例である。この液晶表示装置は、カラーフィルタ基板200とアクティブ素子を備えるアレイ基板45を、液晶層40を介して貼り合わせた構成である。カラーフィルタ基板200に配設される透明導電配線47は、タッチ電極と液晶の共通電極(液晶の駆動電極)を兼用する。
【0073】
この実施形態の液晶表示装置は、液晶層40を、共通電極である透明導電配線47とアレイ基板に具備される画素電極46との間に、液晶の駆動電圧を印加して液晶層40を駆動する。液晶層40や透明基板の厚み方向(縦方向)Zに電圧が印加されるので、縦電界方式と呼ばれる液晶駆動方式である。
【0074】
縦電界方式に適用可能な液晶駆動方式には、HAN(Hybrid−aligned Nematic)、TN(Twisted Nematic)、OCB(Optically Compensated Bend)、CPA(Continuous Pinwheel Alignment)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、TBA(Transverse Bent Alignment)などが挙げられ、適宜選択して用いることができる。
【0075】
図5において、黒色配線6は、紙面に対して垂直の方向Yにストライプパターン形状に並んでいる。透明樹脂層9上に配設された透明導電配線47は方向Xに、同じく、ストライプパターン形状で具備され、黒色配線6と透明導電配線47は、誘電体である透明樹脂層9を介して直交している。たとえば、方向Xの画素ピッチを21μm、黒色配線幅を4μm、透明導電配線7の幅を123μm(透明導電配線7のピッチは126μm)と設定できる。
【0076】
たとえば、当実施形態において、透明導電配線47は共通電極であり、かつ、タッチ電極の検出電極の役割を担い、黒色配線6は、タッチセンシングでの駆動電極として用いることができる。黒色配線6と透明導電配線47の間には、おおよそ一定の静電容量が形成されているが、指などポインタの接触あるいは近接によりその部位の静電容量が変化し、タッチ位置を検出する。透明導電配線47や黒色配線6は、タッチセンシング時に間引いてタッチ信号の検出を行うことで、タッチセンシングの高速化をはかることができる。
【0077】
透明導電配線47は、液晶駆動での共通電極を担う。液晶駆動は、コモン反転駆動による液晶駆動であってもよく、あるいは共通電極を定電位として画素電極46を反転駆動しても良い。画素電極46は、コンタクトホールを介してアクティブ素子と電気的に接続される。
【0078】
透明導電配線の電位を、タッチ駆動、液晶駆動とも同じ定電位とすることで、タッチ駆
動と液晶駆動を異なる周波数で駆動できる。本発明の黒色タッチ電極基板では大きなフリンジ容量を得ることができ、高いS/N比を保ちながらも、タッチセンシングでの駆動電圧を下げることで消費電力を減らすことができる。
【0079】
黒色配線6をタッチセンシングでの駆動電極とし、透明導電配線47を検出電極とすると、タッチセンシングの駆動条件と液晶の駆動条件(周波数や電圧など)を異なるものにできる。タッチセンシングの駆動周波数と液晶の駆動周波数を異なるものとすることで、それぞれ駆動の影響を受けにくくできる。たとえば、タッチセンシングの駆動周波数を数kHz〜数十kHzとし、液晶駆動の周波数を60Hz〜240Hzとすることができる。さらには、タッチセンシング駆動と液晶駆動を時分割にすることもできる。黒色配線6を駆動電極(走査電極)とする場合に、要求されるタッチの入力の速さにあわせて静電容量検出の走査周波数を任意に調整できる。さらには、速い応答性を得るために、黒色配線6を間引いて走査することができる。あるいは、タッチセンシングでの駆動電極と検出電極を入れ替え、透明導電配線47を一定の周波数での電圧を印加する駆動電極(走査電極)としても良い。なお、タッチセンシングや液晶駆動での、駆動電極に印加する電圧(交流信号)は、正負の電圧を反転する反転駆動方式であっても良い。タッチセンシングと液晶駆動は時分割であっても良く、時分割でなくても良い。
【0080】
あるいは、タッチ駆動電圧として、印加する交流信号の電圧幅を小さくすることで液晶表示への影響を軽減できる。走査電極と検出電極との役割を入れ替えても良い。
【0081】
カラーフィルタ透明基板の第二の面上の金属配線2は、インジウムを含む接着層1と金属層2と。さらにインジウムを22at%含む銅インジウム合金の3層構成である。
【0082】
当実施形態では、インジウムを含む接着層1を20nm膜厚のITO(In−Sn−O)にて、金属層2をマグネシウム(Mg)0.5at%含む銅アグネシウム合金で200nmの膜厚で、さらに20nmの銅インジウム合金の薄膜で形成している。インジウムを含む接着層1のITOは、室温でのスパッタリングにてアモルファスで成膜することで、金属層2とともに、一括で容易にウエットエッチング加工できる。金属層2は銅合金でなく銅単体で形成しても良い。
【0083】
図9に、表示領域の端部の模式平面図を示した。この場合、表示領域は矩形であるので、表示領域外を少しはみ出るように、透明樹脂層9の矩形パターンがあり、さらにこの矩形パターンから延線されて、黒色配線6の端子部16がある。端子部16を含めたA−A’断面図を
図10に示した。端子部16の表面は、金属層2が露出している。端子部16の下地には、インジウムを含む接着層1であるITOが配設されているため、実装のときに傷つきにくく断線しにくい。
【0084】
端子部16に肌だし、すなわち金属層2あるいは銅インジウム合金層の露出させることは、たとえば、透明樹脂層9を感光性樹脂などで厚く形成し、ドライエッチングなどの手法で、黒色層3などを除去することで得られる。
【0085】
当実施形態のインジウムを含む接着層1は、ガラスなどの透明基板に対する密着性を向上させる。
【0086】
なお、当実施形態での黒色配線6と透明導電配線47の方向を入れ替え、黒色配線6を方向Xに、透明導電配線47を方向Yとしても良い。また、インジウムを含む接着層、金属層、銅インジウム合金層のそれぞれ膜厚は、上記の膜厚に限定するものでない。
【0087】
[第5の実施形態]
カバーガラスを設け、屈折率を1.5とした接着層を持つ実施形態である。
【0088】
第3の実施形態で示した表示装置の表面に強度補強のためのカバーガラスを貼り合わせた構成にて、タッチセンシング機能付き表示装置の説明を行う。
【0089】
図6は、この第5の実施形態の表示装置の断面図である。
【0090】
表示装置の表面には、透明接着層51、52を介して、偏光板や位相差板などの光学フィルム54、55とカバーガラス56が貼りあわされている。アクティブ素子や画素電極46は、いずれか絶縁層21、22、23上に形成される。
【0091】
従って、黒色層3の表面は、空気層でなく透明接着層51で覆われており、黒色層3自体の表面反射が空気層のときから、およそ半分の反射率となる。透明接着層51の屈折率は、およそ1.5である。
【0092】
反射率データを
図8に示した。光の波長400nm〜700nmの可視域で、3%以下の低い反射率となる。銅やニッケルなどの金属を酸化した、いわゆる黒化膜の反射率は、10%〜40%であるので、格段に低い反射率が得られ、観察者の視認性を向上させる。反射率の測定は、顕微分光計を用い、レファレンスはアルミにウム板である。後述する第6の実施形態の構成で示すように偏光板をさらにその界面にいれる構成とすることで、反射率はさらに低下する。
【0093】
[第6の実施形態]
黒色層を第5の実施形態より簡便な製造方法であるフォトリソグラフの手法で形成する実施形態を示す。この実施形態で示す製造方法は、下記に示す、少なくとも、(工程1)〜(工程4)の工程をこの順で含む。
【0094】
(工程1) 透明基板上にスパッタリングなどの膜付装置で、インジウムを含む接着層1と金属層2を連続成膜する。インジウムを含む接着層1には、ITOと呼称される透明導電膜を用い、20nmの膜厚で形成した。金属層2は、銅を300nmの膜厚で形成した。
【0095】
(工程2) インジウムを含む接着層1と金属層2の成膜後、周知のフォトリソグラフの手法で黒色配線と同じパターン形状で、インジウムを含む接着層1と金属層2を黒色配線のパターンに加工する。
【0096】
フォトレジスト形成後のウエットエッチングは、燐酸と塩化第二鉄の混酸を用いた。
【0097】
エッチング後、フォトレジストはアルカリ水溶液で剥膜した。
【0098】
なお、この工程2では、黒色層は形成されていない。
【0099】
(工程3) 次に、アルカリ可溶なアクリル樹脂にカーボンを分散させた黒色塗布液を、上記インジウムを含む接着層1と金属層2のパターンを覆うように、塗布し、110℃で乾燥させて黒色膜とした。
【0100】
(工程4) 次に、この黒色膜を、アルカリ現像液を用いてスプレー現像して、金属層2上のみの黒色層3を残して黒色配線とした。
【0101】
この工程では、フォトマスクを用いる露光工程をとることなく、黒色層3のパターンが
形成できることを確認した。
【0102】
インジウムを含む接着層1と金属層2のエッチング液は、燐酸と塩化第2鉄の混酸以外に、燐酸と塩化第2銅の混酸、硫酸水素カリウムとペルオキシ硫酸カリウムと過硫酸カリウムの混合液、あるいは、スルホン酸と硫酸と過酸化水素水の混合液、シュウ酸等、種々のエッチング液を用いることができる。エッチング工程は、金属層2をエッチングする工程と、インジウムを含む接着層1をエッチングする工程と2回に分けてエッチングしても良い。
【0103】
黒色塗布液の塗布の(工程3)に先立って、シランカップリング剤の塗布を行っても良い。銅や銅合金の表面をカップリング剤などで処理することで、上記(工程4)の現像の工程での、ガラスである透明基板表面との選択性を向上できる。
【0104】
黒色塗布液に含まれるアルカリ可溶なアクリル樹脂は、たとえば、ビスフェノールフルオレンエポキシアクリレート酸付加物が挙げられる。たとえば、ベースポリマーにアルカリ可溶なアクリル酸等の共重合体を用い、エチレン性不飽和結合を有するモノマー、必要に応じ、光開始剤等を配合した黒色塗布液を用いることができる。黒色塗布液は、上記樹脂としての固形物を、カーボンと有機溶剤とともに分散した分散体である。
【0105】
上記(工程3)での乾燥温度は、たとえば、80℃〜140℃の範囲内で調整できる。
【0106】
上記(工程4)で採用できるアルカリ現像液には、炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムのアルカリ水溶液を用いることができる。アルカリ現像液に少量の界面活性剤を添加しても良い。
【0107】
アルミニウム板をレファレンスとして、顕微分光光度計で測定した黒色配線表面である黒色層の反射率を表1に示した。測定は顕微分光計を用い、また、空気層が黒色層の表面にある状態での測定である。なお、空気層の媒質でなく、透明接着層など屈折率1.5の媒質を黒色層の表面と接触させると、その界面での反射率はほぼ3%となる。
【0109】
上記の各実施形態は、発明の趣旨が変わらない範囲で様々に変更して適用することができる。