(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6331844
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】印刷紙面作成支援方法および印刷紙面作成支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20180521BHJP
【FI】
G06F3/12 314
G06F3/12 324
G06F3/12 344
G06F3/12 347
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-156420(P2014-156420)
(22)【出願日】2014年7月31日
(65)【公開番号】特開2016-33749(P2016-33749A)
(43)【公開日】2016年3月10日
【審査請求日】2017年6月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 潤
(72)【発明者】
【氏名】上塚 新一
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 健一
【審査官】
境 周一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−099732(JP,A)
【文献】
特開2011−238224(JP,A)
【文献】
特開2001−142821(JP,A)
【文献】
特開2012−141734(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0050300(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09−3/12
B41J 5/00−5/52;21/00−21/18;29/00−29/70
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドキュメント作成ソフトウェアを用いた印刷紙面の作成を支援する方法であって、
サービス提供者が、前記ドキュメント作成ソフトウェアにおいて利用可能な要素のうち、所定の印刷用フォーマットに変換して適切に印刷されることが確認された要素に関する情報を、リストにしておき、かつ、前記リストに示された要素のみを用いた紙面テンプレートが登録されたテンプレートデータベースと、前記リストに示された要素のみからなる素材を登録した素材ライブラリとを、予め準備し、
ユーザが、前記ドキュメント作成ソフトウェアを用いて、前記テンプレートデータベースから紙面テンプレートを呼び出し、この紙面テンプレートに、前記素材ライブラリから呼び出した素材を貼り付けることによって、印刷紙面を作成し、
コンピュータが、ユーザによって作成された前記印刷紙面のデータについて、前記リストに示された要素以外の要素を含むか否かを確認する処理を行い、
前記確認処理の結果、前記印刷紙面のデータが前記リストに示された要素以外の要素を含まないとき、コンピュータが、前記印刷紙面のデータを、前記所定の印刷用フォーマットに変換する
ことを特徴とする印刷紙面作成支援方法。
【請求項2】
請求項1記載の印刷紙面作成支援方法において、
前記リストに示された要素は、フォント、線画、および画像のうち少なくともいずれか1つを含む
ことを特徴とする印刷紙面作成支援方法。
【請求項3】
請求項1記載の印刷紙面作成支援方法において、
前記確認処理において、前記印刷紙面のデータが、前記テンプレートデータベースから呼び出された紙面テンプレートから作成されていること、および、前記印刷紙面上の素材が、前記素材ライブラリから呼び出されていること、をチェックする
ことを特徴とする印刷紙面作成支援方法。
【請求項4】
請求項1記載の印刷紙面作成支援方法において、
前記リストは、印刷会社毎に、または、印刷機械毎に、準備されている
ことを特徴とする印刷紙面作成支援方法。
【請求項5】
ドキュメント作成ソフトウェアを用いた印刷紙面の作成を支援するためのプログラムであって、
前記ドキュメント作成ソフトウェアにおいて利用可能な要素のうち、所定の印刷用フォーマットに変換して適切に印刷されることが確認された要素に関する情報を示すリストを用い、かつ、前記リストに示された要素のみを用いた紙面テンプレートが登録されたテンプレートデータベースと、前記リストに示された要素のみからなる素材を登録した素材ライブラリとを用い、
コンピュータに、
ユーザが前記ドキュメント作成ソフトウェアを用いて、前記テンプレートデータベースから紙面テンプレートを呼び出し、この紙面テンプレートに、前記素材ライブラリから呼び出した素材を貼り付けることによって、作成した印刷紙面のデータについて、前記リストに示された要素以外の要素を含むか否かを確認する処理と、
前記確認処理の結果、前記印刷紙面のデータが前記リストに示された要素以外の要素を含まないとき、前記印刷紙面のデータを、前記所定の印刷用フォーマットに変換する処理とを実行させる
ことを特徴とする印刷紙面作成支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドキュメント作成ソフトウェアを用いた印刷紙面の作成を支援する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばチラシやパンフレットのような商業印刷の分野において、ユーザが、Web画面上で印刷物の紙面を編集し、作成した印刷紙面のデータをインターネット等のネットワークを介して印刷会社に送信し、印刷を依頼することが行われている。このような印刷形態は、オンデマンド印刷やWeb to Print印刷と呼ばれている。
【0003】
特許文献1には、一般消費者が、印刷物の紙面に印刷される内容をその候補から選択することによって、印刷物のカスタマイズを行い、好みに応じたオリジナルな印刷物を容易に手に入れられるようにする印刷物受注システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−4348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
印刷物の制作には、通常、専用のソフトウェアや高度な技術が必要である。一方、一般に普及しているMicrosoft Office (Power Point, Word, Excel)などのドキュメント作成ソフトウェアを用いて印刷紙面を作成することもできるが、この場合には例えば、文字のフォント、線画の作成方法、画像の色などの影響によって、必ずしも適切に印刷されない場合がある。
【0006】
この問題を回避するため、例えば、印刷紙面を表すOfficeデータを印刷フォーマットの代表例であるPDFデータに変換し、このPDFデータによって、印刷の状況をチェックする方法が用いられている。
【0007】
ところがこの方法では、PDFデータのチェックの結果、修正が必要なときは、変換前のOfficeデータを修正する必要があるため、修正後に再度、PDFデータへの変換が必要になる。また、Officeでは、使用できるフォント、線画の作成方法、利用する画像の自由度が高いため、ユーザは、印刷紙面の作成や修正の段階で何が印刷に適していないのかが分からないことが多い。このため、印刷紙面の修正とPDFデータの変換を、何度も繰り返し行うことになり、非常に効率が悪い。
【0008】
本発明は、ドキュメント作成ソフトウェアを用いた印刷紙面の作成を、ユーザが効率よく実行可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様では、ドキュメント作成ソフトウェアを用いた印刷紙面の作成を支援する方法において、サービス提供者が、前記ドキュメント作成ソフトウェアにおいて利用可能な要素のうち所定の印刷用フォーマットに変換して適切に印刷されることが確認された要素に関する情報をリストにしておき、
かつ、前記リストに示された要素のみを用いた紙面テンプレートが登録されたテンプレートデータベースと、前記リストに示された要素のみからなる素材を登録した素材ライブラリとを、予め準備し、ユーザが、前記ドキュメント作成ソフトウェアを用いて
、前記テンプレートデータベースから紙面テンプレートを呼び出し、この紙面テンプレートに、前記素材ライブラリから呼び出した素材を貼り付けることによって、印刷紙面を作成し、コンピュータが、ユーザによって作成された前記印刷紙面のデータについて前記リストに示された要素以外の要素を含むか否かを確認する処理を行い、前記確認処理の結果、前記印刷紙面のデータが前記リストに示された要素以外の要素を含まないとき、コンピュータが、前記印刷紙面のデータを前記所定の印刷用フォーマットに変換する。
【0010】
この態様によると、ドキュメント作成ソフトウェアにおいて利用可能な要素のうち、所定の印刷用フォーマットに変換して適切に印刷されることが確認された要素に関する情報をリストにしておき、ユーザによって作成された印刷紙面のデータについて、リストに示された要素以外の要素を含むか否かを確認する処理を行う。これにより、ドキュメント作成ソフトウェアを用いて作成した印刷紙面が印刷に適しているか否かを、所定の印刷用フォーマットに変換する前にチェックできるので、修正にかかる手間を大幅に省くことができる。
また、ユーザの印刷紙面作成作業が簡易になる。
【0011】
また、前記印刷紙面作成支援方法において、前記リストは、印刷会社毎に、または、印刷機械毎に、準備されているのが好ましい。
【0012】
これにより、印刷会社毎、または、印刷機械毎の印刷物の品質特性のばらつきに、対応することができる。
【0013】
本発明の他の態様では、ドキュメント作成ソフトウェアを用いた印刷紙面の作成を支援するためのプログラムは、前記ドキュメント作成ソフトウェアにおいて利用可能な要素のうち、所定の印刷用フォーマットに変換して適切に印刷されることが確認された要素に関する情報を示すリストを用い、
かつ、前記リストに示された要素のみを用いた紙面テンプレートが登録されたテンプレートデータベースと、前記リストに示された要素のみからなる素材を登録した素材ライブラリとを用い、コンピュータに、ユーザが前記ドキュメント作成ソフトウェアを用いて
、前記テンプレートデータベースから紙面テンプレートを呼び出し、この紙面テンプレートに、前記素材ライブラリから呼び出した素材を貼り付けることによって、作成した印刷紙面のデータについて、前記リストに示された要素以外の要素を含むか否かを確認する処理と、前記確認処理の結果、前記印刷紙面のデータが前記リストに示された要素以外の要素を含まないとき、前記印刷紙面のデータを、前記所定の印刷用フォーマットに変換する処理とを実行させる。
【0014】
この態様によると、ドキュメント作成ソフトウェアにおいて利用可能な要素のうち、所定の印刷用フォーマットに変換して適切に印刷されることが確認された要素に関する情報をリストを用い、コンピュータが、ユーザによって作成された印刷紙面のデータについて、リストに示された要素以外の要素を含むか否かを確認する処理を行う。これにより、ドキュメント作成ソフトウェアを用いて作成した印刷紙面が印刷に適しているか否かを、所定の印刷用フォーマットに変換する前にチェックできるので、修正にかかる手間を大幅に省くことができる。
また、ユーザの印刷紙面作成作業が簡易になる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、ドキュメント作成ソフトウェアを用いて作成した印刷紙面が印刷に適しているか否かを、所定の印刷用フォーマットに変換する前にチェックできるので、修正にかかる手間を大幅に省くことができ、したがって、ユーザが、ドキュメント作成ソフトウェアを用いた印刷紙面の作成を、効率よく実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図3】実施の形態に係る印刷紙面作成支援方法における処理の流れの例を示すフローチャート
【
図4】実施の形態に係る印刷紙面作成支援のイメージ図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0018】
図1は実施の形態に係るシステムの全体構成である。
図1において、ユーザは、ユーザPC2において、ドキュメント作成ソフトウェア21を用いて印刷紙面を作成する。そして、作成した印刷紙面のデータを所定の印刷用フォーマットに変換し、印刷会社に送信する。送信されたデータは、印刷会社の入稿データストレージ3に保存され、印刷機によって印刷される。これにより、いわゆるオンデマンド印刷(Web to Print)が実現される。ドキュメント作成ソフトウェア21としては例えば、Microsoft Office (Word, Excel, PowerPoint)が用いられ、所定の印刷用フォーマットとしては例えば、PDFフォーマットが用いられる。
【0019】
そして、本実施形態では、サービス提供者は、ユーザがドキュメント作成ソフトウェア21を用いて印刷紙面を作成する作業を支援するサービスを提供する。サービス提供者は、ユーザPC2に、ドキュメント作成ソフトウェア21と連携して印刷紙面を作成するアプリケーションである印刷紙面作成支援ソフトウェア22を提供する。
【0020】
また、サービス提供者は、リスト11と、テンプレートデータベース12と、素材ライブラリ13と、印刷紙面ストレージ14とを備えたサーバ1を有している。リスト11には、ドキュメント作成ソフトウェア21において利用可能な要素のうち、所定の印刷用フォーマットに変換して印刷を行う際に適切に印刷されることが確認された要素に関する情報が、示されている。リスト11に示された要素は、例えば、フォント、線画、画像などである。テンプレートデータベース12は、リスト11に示された要素のみを用いた紙面テンプレートが登録されている。素材ライブラリ13は、リスト11に示された要素のみからなる素材が登録されている。ユーザは、印刷紙面の作成において、テンプレートデータベース12から所望の紙面テンプレートを呼び出すことができる。また、紙面テンプレートに、素材ライブラリ13から呼び出した素材を貼り付けることができる。印刷紙面ストレージ14は、ユーザが作成した、あるいは、作成途中の印刷紙面のデータを保存する。
【0021】
図2はリスト11に示された要素の一例である。
図2のリスト11は、要素として、フォント、線画、および画像に関する情報を示している。例えばフォントに関しては、日本語では明朝体、ゴシック体など、英語ではArialなどについて、適切に印刷されることが確認されたサイズ、スタイル、ファミリーなどの情報が示されている。その他、シリーズやシェイプなどの情報を示してもよい。線画に関しては、例えば矢印について、適切に印刷されることが確認された線色、線種、太さなどの情報が示されており、また円柱について、適切に印刷されることが確認された線色、線種、塗り色、塗りパターンなどの情報が示されている。画像に関しては、適切に印刷されることが確認された解像度、ピクセル数、回転角度、反転の有無などの情報が示されている。その他、ビット数、ファイルフォーマットなどの情報を示してもよい。
【0022】
ユーザがドキュメント作成ソフトウェア21を用いて作成した印刷紙面のデータが、
図2に示すようなリスト11に示された要素のみを含む場合には、その印刷紙面のデータを所定の印刷用フォーマットに変換した後に、適切に印刷されることが保証されることになる。
【0023】
図3は本実施の形態に係る印刷紙面作成支援方法における処理の流れの例を示すフローチャートであり、
図4は本実施の形態に係る印刷紙面作成支援のイメージ図である。
【0024】
図3において、ユーザは、ユーザPC2において、ドキュメント作成ソフトウェア21および印刷紙面作成支援ソフトウェア22を起動させて、印刷紙面の作成作業を開始する(S11)。まず、サーバ1のテンプレートデータベース12を参照し、所望の紙面テンプレートを呼び出す(S12)。
図4(a)の例では、画像A1、線画B1,B2,テキストC1を含む紙面テンプレートPが呼び出されている。D1,D2は画像枠である。紙面テンプレートPは、リスト11に示された要素のみが用いられたものである。
【0025】
次に、ユーザは、呼び出した紙面テンプレートをベースにして、印刷紙面の作成を行う(S13)。ここでは、素材ライブラリ13から呼び出した素材を紙面テンプレートに貼り付けたり、あるいは、ユーザが独自に任意のテキストや線画を入力したり、素材ライブラリ13以外のソースからユーザが独自に取得した素材を貼り付けたりする。
図4(b)の例では、ユーザは、素材ライブラリ13から呼び出した画像A2,A3を、紙面テンプレートPの画像枠D1,D2にそれぞれ貼り付けている。また、ユーザが独自で編集したテキストC1および線画B3を、紙面テンプレートPの空きスペースに追加している。
【0026】
印刷紙面の作成が一通り終わると、印刷紙面作成支援ソフトウェア22の機能によって、ユーザPC2は、ユーザによって作成された印刷紙面のデータについて、確認処理を行う(S14)。なお、この確認処理は、例えばユーザの操作を受けて、開始される。
【0027】
ここでの確認処理では、印刷紙面のデータが、リスト11に示された要素以外の要素を含むか否かを確認する。印刷紙面のデータがリスト11に示された要素のみから作成されている場合は、これを所定の印刷用フォーマットに変換して印刷する際に、適切に印刷されることが保証される。一方、印刷紙面のデータがリスト11に示された要素以外の要素を含んでいる場合は、これを所定の印刷用フォーマットに変換して印刷する際に、適切に印刷されることが必ずしも保証されない。この場合には、ユーザに印刷紙面のデータの修正を要求する。
【0028】
具体的には例えば、まず、印刷紙面のデータが、テンプレートデータベース12から呼び出された紙面テンプレートから作成されていることをチェックする。このチェックは、紙面テンプレートのプロパティ情報を用いて容易に実現できる。そして、印刷紙面上の素材が素材ライブラリ13から呼び出されていることをチェックする。このチェックも、各素材のプロパティ情報を用いて容易に実現できる。なお、素材ライブラリ13から呼び出された素材が印刷紙面に貼り付けられた後に修正されている場合は、素材ライブラリ13から呼び出されたものとはみなさないようにするのが好ましい。
【0029】
さらに、印刷紙面のデータにおける、テンプレートデータベース12から呼び出された紙面テンプレート、および素材ライブラリ13から呼び出された素材以外の各要素について、リスト11に示された要素に合致することをチェックする。これらのチェックが全てOKであったとき、印刷紙面のデータがリスト11に示された要素以外の要素を含まないものと判断する。
【0030】
確認処理の結果、OKでないときは(S15でNO)、ステップS13に戻り、ユーザは印刷紙面の作成を再度開始する。もし必要があれば、ステップS12での紙面テンプレートの呼び出しから再度実行する。一方、確認処理の結果、OKのときは(S15でYES)、ステップS16にすすみ、ユーザPC2は、印刷紙面作成支援ソフトウェア22の機能によって、印刷紙面のデータを所定の印刷用フォーマットに変換する(S16)。
【0031】
以上のように本実施形態によると、ドキュメント作成ソフトウェア21において利用可能な要素のうち、所定の印刷用フォーマットに変換して適切に印刷されることが確認された要素に関する情報をリスト11にしておき、ユーザによって作成された印刷紙面のデータについて、リスト11に示された要素以外の要素を含むか否かを確認する処理を行う。これにより、ドキュメント作成ソフトウェア21を用いて作成した印刷紙面が印刷に適しているか否かを、所定の印刷用フォーマットに変換する前にチェックできるので、修正にかかる手間を大幅に省くことができる。
【0032】
なお、上の実施形態では、リスト11に示された要素のみを用いた紙面テンプレートが登録されているテンプレートデータベース12や、リスト11に示された要素のみからなる素材が登録されている素材ライブラリ13を、予め準備するものとしたが、これに限られるものではない。ただし、テンプレートデータベース12や素材ライブラリ13を準備しておくことによって、ユーザの印刷紙面作成作業が簡易になるので、好ましいといえる。
【0033】
また、上の実施形態では、確認処理において、印刷紙面のデータがテンプレートデータベース12から呼び出された紙面テンプレートから作成されていることをチェックしたり、印刷紙面上の素材が素材ライブラリ13から呼び出されていることをチェックしたり、するものとしたが、これらのチェックは必ずしも必要ではない。例えば、印刷紙面のデータにおける全ての要素について、リスト11に示された要素に合致することをチェックするようにしてもかまわない。
【0034】
また、上の実施形態において、リスト11は、印刷会社毎に、または、印刷機械毎に、準備しておくのが好ましい。印刷物の品質特性は、印刷会社毎に、または、印刷機械毎に、ばらつきがあることが多いので、リスト11は、それぞれの品質特性に応じたものを準備しておくのが好ましい。
【0035】
また、確認処理においてOKとならなかった場合は、例えば、印刷紙面が表示された画面において、印刷に不適な箇所をユーザに示すようにしてもよい。
図4(b)の例では、例えば線画B3の部分について、ハイライト表示したり、コメントを表示したりすればよい。
【0036】
さらに、印刷に不適な箇所について、推奨する要素の情報や、その代替となる素材の候補をユーザに示すようにしてもかまわない。例えば、あるテキストが印刷に不適な場合は、リスト11の中から、同一の言語、同一スタイル、同一サイズで印刷OKである他のフォント名を提示したり、あるいは、同じフォント名で、印刷OKとなる他のサイズや他のスタイルの情報を提示したりすればよい。また、ある画像が印刷に不適な場合は、素材ライブラリ13から、同一または類似の被写体を写す画像を、代替の候補として提示すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明では、ユーザが、ドキュメント作成ソフトウェアを用いた印刷紙面の作成を効率よく実行できるので、例えば、商業印刷において、印刷紙面作成から印刷までの時間短縮が実現される。
【符号の説明】
【0038】
1 サーバ
2 ユーザPC
11 リスト
12 テンプレートデータベース
13 素材ライブラリ
21 ドキュメント作成ソフトウェア
22 印刷紙面作成支援ソフトウェア
P 紙面テンプレート
A1,A2,A3 画像
B1,B2,B3,B4 線画
C1,C2 テキスト