(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明および添付図面において、略同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略することにする。
【0016】
[本発明の第1の実施の形態]
(システムの構成)
図1は、本発明の第1の実施形態を説明するためのシステム100の概略構成を示す図である。システム100は、複数(
図1の例では、N台)の運動情報測定装置10−1〜10−Nを備える。運動情報測定装置10−1〜10−Nは、利用者(ユーザ)の体に装着されて使用されるものであり、具体例としては歩数計や活動量計やスポーツウォッチ等である。
【0017】
第1の実施の形態においては、例えば、山登り等のグループ行動において、ユーザA、ユーザB、・・・ユーザNが運動情報測定装置10−1、10−2・・・10−Nをそれぞれ所持し、各装置で測定された運動情報を用いて報知するシステムについて説明する。
【0018】
なお、説明をわかりやすくするため、ユーザA(例えば、先生)が山登りにおけるグループリーダとされ、ユーザAの所持する運動情報測定装置10−1がマスター機として予め設定される。そして、運動情報測定装置10−1がマスター機として設定されることにより、ユーザB〜ユーザN(生徒)がそれぞれ所持する運動情報測定装置10−2〜10−Nは、スレーブ機として設定される。これにより、ユーザA(先生)は、グループ(生徒達)の行動を管理することが可能となる。
【0019】
運動情報測定装置10−1〜10−Nは、それぞれ、装着されたユーザの運動情報(例えば、歩行ペース等の移動速度の情報)を測定する。運動情報測定装置10−1は、運動情報測定装置10−2〜10−Nで測定されたユーザの運動情報を近距離無線通信により取得し、機器間の運動情報の差に応じて報知(警告)する。以下、運動情報測定装置10−1〜10−Nを個々に区別する必要がない場合、単に運動情報測定装置10と記載する。
【0020】
(運動情報測定装置の構成)
図2は、運動情報測定装置10の構成例を示すブロック図である。
【0021】
運動情報測定装置10は、体動検出部1と、全体を統括制御する制御部2と、通信部3と、操作部4と、フラッシュメモリやROM(Read Only Memory)等の記憶媒体を含む記憶部5と、各種情報を表示したり、音声情報を出力したりするための報知部6と、を備える。
【0022】
体動検出部1は、運動情報測定装置10が装着(衣服のポケットに入れた状態も含む)されたユーザの体の部位の動きに応じた情報(加速度、角速度等)を検出する。体動検出部1は、加速度センサ及び角速度センサ等の各種モーションセンサと、各種モーションセンサから出力された信号を処理する信号処理部とを含む。体動検出部1は、少なくとも1つのモーションセンサとこのモーションセンサからの信号を処理する信号処理部を含んでいればよい。
【0023】
制御部2は、記憶部5のROMに記憶されたプログラムを実行するプロセッサを主体に構成される。
【0024】
通信部3は、他の運動情報測定装置10を含む電子機器と近距離無線通信を行うためのインターフェースである。近距離無線通信とは、インターネット等のネットワークを介さずに機器間で直接通信を行える通信規格に準拠した通信のことを言う。このインターフェースとしては、ANTに準拠した通信インターフェース、ブルートゥース(登録商標)に準拠した通信インターフェース等が用いられる。
【0025】
操作部4は、制御部2に各種指示を入力するためのデバイスであり、ボタンや報知部6に搭載されたタッチパネル等により構成される。
【0026】
記憶部5は、体動検出部1によって検出された検出情報を記憶したり、通信部3を介して受信した情報を記憶したり、運動情報測定装置10の動作に必要な情報を記憶したりする。
【0027】
図3は、
図2の運動情報測定装置10の記憶部5に記憶されたプログラムをプロセッサが実行することにより制御部2によって実現される機能ブロックを示す図である。
【0028】
図3に示すように、制御部2は、運動情報測定部20と、距離算出部21と、情報取得部22と、処理決定部23と、を備える。
【0029】
運動情報測定部20は、体動検出部1により検出される検出情報に基づいて利用者の運動情報を測定する。この運動情報には、利用者の活動量(歩数、歩行距離、消費カロリー等)及び移動速度のうち、少なくとも移動速度が含まれる。移動速度は、例えば、歩行速度、走行速度等の移動の速さを示す情報である。
【0030】
距離算出部21は、通信部3による他の運動情報測定装置10(以下、他装置10という)との通信電波強度に基づいて、他装置10との距離を算出する。通信電波強度が大きいほど、算出される距離は小さくなり、通信電波強度が小さいほど、算出される距離は大きくなる。したがって、通信電波強度は、他装置10との距離を反映する情報となる。
【0031】
情報取得部22は、運動情報測定部20により測定された移動速度を取得し、これを自装置の識別情報と対応付けた自装置情報を記憶部5に記憶する。
【0032】
また情報取得部22は、距離算出部21により算出された他装置10との距離を取得し、取得した距離を、この他装置10の識別情報と対応付けて記憶部5に記憶する。また情報取得部22は、この他装置10で測定された移動速度を通信部3を介して取得し、この他装置10の識別情報と対応付けて記憶部5に記憶する。
【0033】
これにより、記憶部5には、自装置と通信可能な他装置10毎に、自装置に対する距離と、移動速度の情報を含む他装置情報が記憶され、この他装置情報が自装置情報と共に定期的に更新される。
【0034】
処理決定部23は、記憶部5に記憶されている任意の他装置10の他装置情報を確認し、この他装置情報に含まれる距離に基づいて、自装置情報に含まれる自装置の移動速度と、この他装置情報に含まれる他装置10の移動速度の両方を用いた処理を行うか否かを決定する。
【0035】
以上のように構成された第1の実施の形態のシステム100の動作を説明する。
【0036】
(運動情報測定装置の動作)
図4は、システム100における運動情報測定装置10の動作を説明するためのフローチャートである。
図4では、マスターとなる運動情報測定装置10が、1つの他装置10(以下では運動情報測定装置10−2とする)を対象として行う動作を示しており、
図4の動作が各他装置10に対しても同様に行われる。
【0037】
まず、グループ行動を行うユーザA〜ユーザNは、それぞれ、運動情報測定装置10−1〜10−Nを装着し、操作部4を操作して運動情報の測定開始を指示する。この指示により、
図4に示す処理フローが開始される。なお、運動情報測定装置10−1は、ユーザAによって予めマスター機として設定されている。
【0038】
マスター機となった運動情報測定装置10−1の制御部2は、移動速度を測定し、記憶部5に記憶する。また、運動情報測定装置10−1の制御部2は、運動情報測定装置10−2によってそれぞれ測定された移動速度と、それぞれの識別情報とを通信部3を介して取得し、これらを対応付けて記憶部5に記憶する(ステップS1)。
【0039】
運動情報測定装置10−1の制御部2は、通信部3による運動情報測定装置10−2との通信電波強度に基づいて、運動情報測定装置10−2との距離を算出し、算出した距離を運動情報測定装置10−2の識別情報と対応付けて記憶部5に記憶する(ステップS2)。
【0040】
運動情報測定装置10−1の制御部2は、記憶部5に記憶された運動情報測定装置10−2の他装置情報を読み出し、読み出した他装置情報に基づいて、自装置と運動情報測定装置10−2との距離が大きくなる方向に変化しているか否かを判定する(ステップS3)。
【0041】
運動情報測定装置10−1の制御部2は、運動情報測定装置10−2について、自装置との距離が大きくなる方向に変化している(自装置との通信電波強度が弱くなる方向に変化していることと同義)と判定した場合(ステップS3:YES)、運動情報測定装置10−2の他装置情報に含まれる移動速度と、自装置情報に含まれる自装置の移動速度との差が閾値TH0以下であるか否かをさらに判定する(ステップS4)。
【0042】
この差が閾値TH0以下となっている場合(ステップS4:YES)、運動情報測定装置10−1の制御部2は、運動情報測定装置10−2のユーザBが、運動情報測定装置10−1のユーザAとは異なる方向に移動していると判定し、報知部6により注意情報の出力を行う(ステップS5)。これにより、報知部6では、「ユーザBが違う方向に移動しています」といったメッセージが表示されたり、そのメッセージが音声出力されたりして、ユーザAに注意喚起がなされる。
【0043】
運動情報測定装置10−1の制御部2は、ステップS3とステップS4の判定がNOのときは、ステップS1に戻り、上述した処理を繰り返し実行する。
【0044】
また、運動情報測定装置10−1の制御部2は、ステップS5の処理で報知を行った後も、ステップS1に戻り、上述した処理を繰り返し実行する。以上の処理は、定期的(例えば、1分毎)に繰り返される。
【0045】
[本発明の第1の実施の形態における効果]
以上のように、システム100によれば、グループ行動時において、グループリーダ(例えば、先生)は、グループメンバ(生徒達)の行動管理を行うことが可能となる。このような構成により、グループ行動時における運動情報測定装置の利用を促進することができる。
【0046】
[本発明の第1の実施の形態の変形例]
本発明の第1の実施の形態においては、制御部2が、自装置と他装置10との距離(通信部3による他装置10との通信電波強度に対応)をトリガとして、他装置10で測定された移動速度と自装置で測定された移動速度を用いた処理、すなわち、これら2つの移動速度の差によって自装置の利用者に注意情報を出力すべきか否かを判定する処理、を行うか否かを決定するものとした。
【0047】
以下の変形例では、運動情報測定装置に方位検出部を設ける点に特徴があり、この方位検出部の情報を利用して、自装置の現在位置(例えば、グループ行動における目標到達地点)に他装置10がどれくらいの時間で到着するのかを予測し、報知するものである。
【0048】
(変形例の運動情報測定装置の構成)
図5は、変形例の運動情報測定装置10の構成を示すブロック図である。
図5に示す運動情報測定装置10には、新たに方位検出部7が設けられており、それ以外は、
図2に示した運動情報測定装置10の構成例と基本的に同様である。
【0049】
方位検出部7は、運動情報測定装置10の方位を検出するものであり、地磁気センサ等が用いられる。
【0050】
図6は、
図5の運動情報測定装置10の記憶部5に記憶されたプログラムをプロセッサが実行することにより制御部2によって実現される機能ブロックを示す図である。
【0051】
図6に示すように、制御部2は、運動情報測定部20と、距離算出部21と、情報取得部22と、処理決定部23と、到達時間予測部24と、を備える。
【0052】
情報取得部22は、運動情報測定部20により測定された移動速度と、方位検出部7により検出された方位とを取得し、これらを自装置の識別情報と対応付けた自装置情報を記憶部5に記憶する。
【0053】
また情報取得部22は、距離算出部21により算出された他装置10との距離を取得し、取得した距離を、この他装置10の識別情報と対応付けて記憶部5に記憶する。また情報取得部22は、この他装置10で測定された移動速度及び方位を通信部3を介して取得し、この他装置10の識別情報と対応付けて記憶部5に記憶する。
【0054】
これにより、記憶部5には、自装置と通信可能な他装置10毎に、自装置に対する距離と、移動速度及び方位の情報を含む他装置情報が記憶され、この他装置情報が自装置情報と共に定期的に更新される。
【0055】
到達時間予測部24は、自装置情報に含まれる自装置の移動速度と、他装置情報に含まれ他装置10の移動速度と、他装置情報に含まれる距離とから、他装置10が目標到達地点(例えば自装置の存在する位置)に移動するまでに要する時間を予測する処理を行う。
【0056】
処理決定部23は、自装置情報及び他装置情報の各々に含まれる方位と、他装置情報に含まれる距離とに基づいて、到達時間予測部24による時間の予測処理を行うか否かを決定する。
【0057】
(運動情報測定装置の動作)
図7は、
図5の運動情報測定装置10の動作を説明するためのフローチャートである。
図7では、マスターとなる運動情報測定装置10が、1つの他装置10を対象として行う動作を示しており、
図7の動作が各他装置10に対しても同様に行われる。
【0058】
制御部2は、記憶部5に記憶された他装置情報に基づき、自装置と他装置10との距離が閾値TH1以上となるか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11の判定がNOのとき、つまり、自装置と他装置10との距離が小さい場合は、既に、他装置10のユーザが自装置のユーザと同じ位置(目標到達地点)にいることを意味しているため、特に報知はされずに、ステップS11の判定が再び行われる。
【0059】
制御部2は、ステップS11の判定がYESであれば、自装置と他装置10との方位の差が閾値TH2以下となるか否かを判定する(テップS12)。
【0060】
制御部2は、ステップS12の判定がYESであれば、自装置の移動速度と他装置10の移動速度の差、及び、自装置と他装置10の装置間距離に基づいて、他装置10のユーザが自装置の現在位置に到達するまでの時間を算出(予測)する(ステップS13)。
【0061】
そして、制御部2は、算出した到達予測時間を報知する(ステップS14)。これにより、報知部6では、「ユーザBは、あと5分ほどで到着します」といったメッセージを表示したり、そのメッセージを音声出力したりして、ユーザAに報知することができる。
【0062】
制御部2は、ステップS12の判定がNOの場合にステップS12、ステップS13の処理は行わずに、ステップS5で行ったのと同様の報知を行う(ステップS15)。ステップS14とステップS15の後はステップS11に処理が戻る。
【0063】
以上のように、システム100によれば、グループ行動において、グループリーダ(例えば、先生)は、グループメンバ(生徒達)との距離が離れている場合でも、進んでいる方向が同じであれば、グループメンバがあとどれくらいの時間で目的地に到着するのかを予測し、行動管理を行うことが可能となる。このような構成により、グループ行動時における運動情報測定装置の利用を促進することができる。
【0064】
[本発明の第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0065】
第2の実施の形態においても、
図1に示したようなシステム100で構成されているが、運動情報測定装置10−1〜10−Nの内部にそれぞれゲーム機能が搭載される点に特徴がある。
【0066】
(運動情報測定装置の構成)
図8は、第2の実施の形態の運動情報測定装置10の構成を示すブロック図である。
図8に示す運動情報測定装置10には、新たにゲーム制御部8が設けられており、それ以外は、
図2に示した運動情報測定装置10の構成例と基本的に同様である。
【0067】
ゲーム制御部8は、メモリを内蔵したプロセッサにより構成される。このメモリにはゲームプログラムが記憶されている。プロセッサが、このゲームプログラムを実行することにより、報知部6にゲーム画面を表示させ、このゲーム画面で遊べる電子ゲームが提供される。
【0068】
ゲーム制御部8は、ゲームプログラムに基づく電子ゲームにおけるパラメータを、運動情報測定装置10で測定した運動情報と、通信部3を介して取得した他装置10で測定された運動情報の一方又は両方に基づいて制御する。電子ゲームのパラメータとは、例えば、キャラクタ利用ゲームの場合、キャラクタの形態の成長率等がある。
【0069】
なお、提供される電子ゲームは、特に限定しないが、キャラクタの形態を変化させるようなゲーム等である。本実施の形態では、ゲーム画面を報知部6に表示させるものとするが、これに限らず、運動情報測定装置10にゲーム画面専用の表示部をさらに設けるようにしてもよい。
【0070】
図9は、
図8の運動情報測定装置10の記憶部5に記憶されたプログラムをプロセッサが実行することにより制御部2によって実現される機能ブロックを示す図である。
【0071】
図9に示すように、制御部2は、運動情報測定部20と、距離算出部21と、処理決定部26と、を備える。
【0072】
運動情報測定部20は、体動検出部1により検出される検出情報に基づいて、利用者の運動情報を測定する。この運動情報は、歩数、歩行距離、消費カロリー等の活動量の情報を少なくとも含む。ここでは運動情報を歩数として説明する。
【0073】
処理決定部26は、距離算出部21により算出された他装置10との距離に基づき、運動情報測定部20により測定された歩数及び他装置10により測定された歩数を用いた処理を行うか否かを決定する。
【0074】
この処理は、具体的には、運動情報測定部20により測定された歩数と、通信相手の他装置10で測定された歩数とを合算し、合計歩数に応じて電子ゲームのパラメータを決定する処理である。
【0075】
(ゲームパラメータ決定処理)
図10は、
図8の運動情報測定装置10が実行するゲームパラメータ決定処理を説明するためのフローチャートである。
図10では、マスターとなる運動情報測定装置10が、1つの他装置10を対象として行う動作を示しており、
図10の動作が各他装置10に対しても同様に行われる。
【0076】
ユーザA〜ユーザNが、運動情報測定装置10−1〜10−Nをそれぞれ装着して活動すると、各装置の制御部2によって運動情報が測定され、記憶部5に記憶されていく。また、運動情報測定装置10が他装置10と通信を行った場合には、他装置10の識別情報と他装置10によって測定された運動情報が運動情報測定装置10の記憶部5に記憶されていく。
【0077】
制御部2は、自装置と他装置10との距離が閾値TH3以上であるか否かを判定する(ステップS21)。
【0078】
制御部2は、自装置と他装置10との距離が閾値TH3未満であると判定した場合(ステップS21:YES)、自装置で測定された歩数と他装置10で測定された歩数を合算する(ステップS22)。そして、制御部2は、合計歩数に応じて電子ゲームのパラメータを決定する(ステップS23)。これにより、ゲーム制御部8は、制御部2で決定されたパラメータに基づいて、電子ゲームを制御することができる。
【0079】
制御部2は、自装置と他装置10との距離が閾値TH3以上と判定した場合(ステップS21:NO)、自装置で測定された歩数のみに応じて電子ゲームのパラメータを決定する(ステップS24)。これにより、ゲーム制御部8は、制御部2で決定されたパラメータに基づいて、電子ゲームを制御することができる。なお、電子ゲームのパラメータは、歩数が多いほど、ゲーム進行に有利となる(例えばキャラクタ成長が早くなる)ように設定される。
【0080】
[本発明の第2の実施の形態における効果]
以上のように、システム100によれば、運動情報測定装置10を装着した複数の利用者が一緒に行動して遊ぶことで、電子ゲームのキャラクタの成長を早くすることができる。つまり、キャラクタを早く成長させるために利用者同士でよく遊ぶようになり、利用者の運動不足解消、コミュニケーション向上を促進することができる。また、通信部3の通信電波強度を利用して、近くで遊んでいることを検出することにより、GPS受信機を用いて近くで遊んでいることを検出するよりも高精度な検出が可能となる。
【0081】
なお、本発明は、決められたエリア内で複数人が運動をすることを想定したサービスにも適用できる。
【0082】
例えば、複数人がそれぞれ動作情報測定装置10を装着して運動(例えばランニング)を行うとする。複数人のうちをトレーナーとし、残りを生徒とする。
【0083】
トレーナーの所持する動作情報測定装置10の制御部2は、生徒の所持する他装置10との距離を判定し、この距離が閾値以下であれば、自装置で測定された運動情報(例えば走行速度)と、他装置10で測定された運動情報(走行速度)とを比較し、両者の差が大きくなったときに他装置10に対して報知信号を送信する。
【0084】
他装置10では、報知信号を受信すると、報知部6において「ペースが遅れています。ペースを上げてください」といったアドバイスを表示する。一方、トレーナーの所持する動作情報測定装置10の制御部2は、上記距離が閾値を超えていれば、他装置10に対しては何もしない。
【0085】
このように、特定の範囲にいる生徒だけが、トレーナーの運動情報との差に基づいたアドバイスを受けることが可能となる。
【0086】
コンピュータを、
図3,6,9に示した各部として機能させるためのプログラムは、当該プログラムをコンピュータが読取可能な一時的でない(non−transitory)記録媒体に記録されて提供可能である。
【0087】
このような「コンピュータ読取可能な記録媒体」は、たとえば、CD−ROM(Compact Disc−ROM)等の光学媒体や、メモリカード等の磁気記録媒体等を含む。また、このようなプログラムを、ネットワークを介したダウンロードによって提供することもできる。
【0088】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0089】
以上説明してきたように、本明細書には以下の事項が開示されている。
【0090】
開示された運動情報測定装置は、利用者の動きに応じた情報を検出する検出部と、前記検出部により検出される情報に基づいて利用者の運動情報を測定する運動情報測定部と、利用者の運動情報を測定する機能を有する他装置と近距離無線通信を行うための通信部と、前記他装置で測定された運動情報を前記通信部を介して取得する情報取得部と、前記通信部による前記他装置との通信電波強度に基づき、前記運動情報測定部で測定された第一の運動情報及び前記他装置から取得した第二の運動情報を用いた処理を行うか否かを決定する処理決定部と、を備えるものである。
【0091】
開示された運動情報測定装置は、前記第一の運動情報及び前記第二の運動情報の各々が移動速度であり、前記処理決定部は、前記通信電波強度が弱くなる方向に変化している場合に、前記処理として、前記第一の運動情報と前記第二の運動情報の差に応じて注意情報を出力すべきか否かを判定する処理を行うことを決定するものである。
【0092】
開示された運動情報測定装置は、方位検出部を更に備え、前記情報取得部は、前記他装置の方位検出部により検出される方位情報を更に取得し、前記処理決定部は、前記通信電波強度と、前記方位検出部により検出された第一の方位情報及び前記他装置から取得した第二の方位情報とに基づき、前記処理を行うか否かを決定するものである。
【0093】
開示された運動情報測定装置は、前記第一の運動情報及び前記第二の運動情報の各々が移動速度であり、前記処理決定部は、前記通信電波強度が第一の閾値以下であり、かつ、前記第一の方位情報に基づく方位と前記第二の方位情報に基づく方位との差が第二の閾値以下である場合に、前記処理として、前記通信電波強度に基づく他装置との距離、前記第一の運動情報、及び前記第二の運動情報から前記他装置が目標到達地点に移動するまでに要する時間を予測する処理を行うことを決定するものである。
【0094】
開示されたプログラムは、コンピュータを、前記運動情報測定部、前記情報取得部、及び前記処理決定部として機能させるためのプログラムである。
【0095】
開示された運動情報測定装置の制御方法は、利用者の動きに応じた情報を検出する検出部を有する運動情報測定装置の制御方法であって、前記検出部により検出される情報に基づいて利用者の運動情報を測定する第一ステップと、利用者の運動情報を測定する機能を有する他装置と近距離無線通信を行うための通信部を介して、前記他装置で測定された運動情報を取得する第二ステップと、前記通信部による他装置との通信電波強度に基づき、前記第一ステップで測定した第一の運動情報及び前記第二ステップで取得した第二の運動情報を用いた処理を行うか否かを決定する第三ステップと、を備えるものである。