(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係るLEDランプ1を用いた照明器具5の構成を示す図である。なお、以下の説明において、LEDランプ1の表裏とは、光源からの光の放射方向を表として定義するものでる。また、LEDランプ1の上下とは、後述する口金40の軸方向において口金40側を下として定義するものである。
【0014】
LEDランプ1は、
図1に示すように、器具本体100に取り付けられて使用されるランプである。LEDランプ1は、HIDランプのような高出力タイプの既存の放電ランプの代わりに用いることができる程度の光出力を有する。また、LEDランプ1は、放電ランプが従来取り付けられていた既存の器具本体100を置き換えることなく、器具本体100に取り付けることができる。また、LEDランプ1は、口金40を備えた口金型のランプであり、口金40を器具本体100の既設のソケット105に装着して使用できる。照明器具5には、光の放射方向に本体グローブ110が着脱可能に取り付けられる。LEDランプ1は、本体グローブ110を取り外した開口部から器具本体100のソケット105に口金40を螺入させて取り付けられる。
【0015】
ただし、放電ランプは交流電力で点灯するが、LEDなどの発光素子は直流電力で点灯する。したがって、発光素子の一例たるLED11を光源としたLEDランプ1を交流の商用電源で点灯させる場合には、商用電源を直流電力に変換する電源回路を通じてLEDランプ1に直流電力を供給することとなる。本実施形態のLEDランプ1は電源回路を内蔵せずに、ソケット105の側に電源回路を設け、当該ソケット105から口金40を通じて直流電力が入力される構成となっている。換言すれば、このLEDランプ1を既設の放電ランプ用の灯具に装着する場合には、灯具が備える安定器を電源回路に置き換えて使用する。
本実施形態のLEDランプ1は、例えば100W〜300Wの水銀ランプを用いた防犯灯などで、水銀ランプの代替として用いることができるランプである。また、LEDランプ1は、口金40を含む全長が略15cm〜30cmのランプである。
【0016】
次いで、LEDランプ1の構成について詳述する。
LEDランプ1は、
図2、
図3に示すように、光源を備えた光源ユニット10(光源部)と、光源ユニット10を保持する光源保持ユニット30(光源保持部)と、を備える。光源保持ユニット30は、口金40を有し、この口金40に対して垂直に柱状に延びる。口金40は、例えばE26タイプやE39タイプ等の一般的にE型口金と呼ばれるねじ込み式(回しこみ式)のものであり、既存のサイズに合わせて構成され、既設のソケット105に螺入させて装着可能になっている。口金40には、ソケット105を通じて直流電源が供給され、光源ユニット10に供給される。なお、口金40には差し込み式を用いても良い。
【0017】
光源ユニット10は、発光素子の一例たるLED11を光源として備える光源モジュール20と、光源モジュール20が表面に配置される矩形平板状の基台16と、を備える。光源ユニット10は、2つの基台16を備え、これら2つの基台16が、V字状に連結されて灯具本体15を構成する。2つの基台16は、互いのなす角度αが45°〜135°となるようにV字状に連結される。2つの基台16の互いのなす角度αは、器具本体100の形状や、照明器具5の規定の配光に応じて適宜に設定することができる。本実施形態のLEDランプ1は、2つの基台16のなす角度αが、略90°に設定されている。また、口金40は、中心軸Oが、V字状に連結された2つの基台16の内側に位置するように配置される。つまり、口金40の中心軸Oは、各基台16の外端16A(
図4参照)を結ぶ線よりも、2つの基台16の連結部25側に位置する。
【0018】
基台16の裏面には、複数枚の板状の冷却フィン17が配置される。各冷却フィン17は、基台16の外端16Aから、基台16の短手方向に亘って延びる。冷却フィン17は、基台16の表面に配置された光源モジュール20から基台16に伝熱されたLED11の熱を吸熱して放熱することで、LED11を冷却する。灯具本体15は、2つの基台16及び冷却フィン17が例えばアルミニウム等の高熱伝導性を有する金属材から一体成形される。灯具本体15は、鋳造(例えばアルミダイキャスト)により成形されるのが望ましい。
【0019】
光源モジュール20は、実装基板12と、実装基板12の表面に実装された複数のLED11と、から構成される。光源モジュール20は、口金40の軸方向に沿って延びる矩形状のモジュールである。本実施形態のLEDランプ1では、2つの光源モジュール20を備え、これらの光源モジュール20が、口金40の軸方向に延びる姿勢で配列され、V字状に連結された基台16のそれぞれに支持されている。LEDランプ1は、各基台16に配置された光源モジュール20からの光により所望の得られるように構成される。なお、図示は省略するが、器具本体100の内側に、反射鏡などの光学部材を設けて、LEDランプ1からの光により所望の配光を得る構成であっても良い。
【0020】
実装基板12は、略矩形板状のプリント配線基板であって、その表面には、充電部を構成する電極パターン19が設けられる。電極パターン19は、実装基板12の下端部に形成され、図示を省略したプリント配線を通じて各LED11に直列又は並列に電気的に接続されている。実装基板12は、電気絶縁部材21(
図6参照)を挟んで基台16の表面に取り付けられる。なお、本実施形態の光源モジュール20は、実装基板12の表面に複数のLED11を実装する構成であるが、これに限らず、多数のLED素子を配列してその表面を樹脂材でモールドして成る所謂COB型LEDを光源として備え、実装基板12の略全面が発光する構成であっても良い。
【0021】
また、各基台16には、光源モジュール20を覆うグローブ13(カバー)が配置される。グローブ13は、透光性のある材料、例えば樹脂材を用いて、平面視矩形状、かつ、断面半楕円形状に形成される。グローブ13は、基台16に対向する、長手方向の両辺が凹状に切り欠かれ、グローブ13と、基台16との間には、隙間18が形成される。この構成によれば、グローブ13と、基台16との間に隙間18を形成したため、グローブ13の内側にLED11の熱が篭もるのを防ぐことができる。また、光源モジュール20をグローブ13で覆ったため、LEDランプを取り扱う際に、LED11に作業者の手等が直接触れるのを防止することができる。
【0022】
図4は、LEDランプ1の構成を示す図である。
図4に示すように、破線で示した直径Rの仮想円Xの内側に、基台16の外端16A、及び、冷却フィン17が収まるように構成されている。この仮想円Xは、器具本体100の内側に内接する円よりも小さな直径の円であり、仮想円Xの中心は、口金40の中心軸Oと一致させている。LEDランプ1は、この仮想円Xに基台16の外端16A、及び、冷却フィン17が収まるように設計されるため、器具本体100のソケット105に口金40を螺入する際に、光源ユニット10が器具本体100と干渉しないように構成される。また、基台16の外端16Aは、仮想円XにLEDランプ1が内接する位置まで延出される。これにより、基台16の外端16A、及び、冷却フィン17を、器具本体100のソケットに口金40を螺入する際に、器具本体100と干渉しない位置までできる限り延出させることができる。これらの構成によれば、光源ユニット10が器具本体100に干渉することなく、器具本体100のソケットに口金40を螺入することができ、かつ、LED11を搭載できる面積、及び、冷却フィン17の放熱面積をできるだけ大きくすることができる。よって、LEDランプ1を、既存の器具本体100に容易に取り付けることができ、コンパクトでかつ高出力な構成とすることができる。なお、本実施形態のLEDランプ1は、仮想円の直径Rが略280mmに設定されている。
【0023】
次に、冷却フィン17の構成について説明する。
冷却フィン17は、
図3(B)に示すように、2つの基台16の連結部25の裏面に形成された溝部25Aから、基台16の外端16Aに向かって、口金40の中心軸Oに対して傾斜する。本実施形態では、冷却フィン17は、溝部25Aから、基台16の外端16Aに向かって、斜め下向きに傾斜する。口金40の中心軸Oに対する冷却フィン17の傾斜角度βは略45°〜80°であることが望ましい。また、各基台16の裏面から延びる冷却フィン17は、溝部25Aにおいて、中心軸Oを中心に互いに離隔し、隙間Gが形成される。隙間Gにより、各冷却フィン17間の空間の空気が流通し易くなるため、冷却フィン17からの放熱性を高めることができる。また、冷却フィン17を、溝部25Aから、基台16の外端16Aに向かって、口金40の中心軸Oに対して傾斜する構成としたため、冷却フィン17間の空間の空気を傾斜方向に沿って流すことができ、所望の方向に空気を導くことができる。
【0024】
また、冷却フィン17は、
図5(B)に示すように、基台16の裏面に対して傾斜する。冷却フィン17の基台16の裏面に対する傾斜角度γは略60°〜80°であることが望ましい。このように、冷却フィン17を基台16の裏面に対して傾斜させることで、冷却フィン17間の空間の空気を傾斜方向に沿って流すことができ、所望の方向に空気を導いて、冷却フィン17からの放熱性を高めることができる。
【0025】
また、冷却フィン17は、基台16の外端16A側の外端部17Aが、溝部25A側の内端部17Bよりも厚く形成されている。この構成によれば、連結された2つの基台16において、互いの遠部で多くの熱を吸熱することができる。よって、一方の基台16に配置された光源モジュール20の熱が、他方の基台16に流れるのを防いで、各基台16で光源モジュール20の熱を効率よく放熱させることができる。
【0026】
なお、本実施形態では、LEDランプ1を器具本体100に取り付けた状態で、LEDランプ1の上側に、LEDランプ1の口金40をソケット105に螺入する際に必要な空間が生じる。LED11からの熱をこの器具本体100内の余空間に導くことで、冷却フィン17からの放熱性を高めることができ、LED11を効率よく冷却することができる。そのため、本実施形態のLEDランプ1は、LEDランプ1の上側に冷却フィン17間の空間の空気を導くことができるように、冷却フィン17が、溝部25Aから、基台16の外端16Aに向かって、口金40の中心軸Oに対して斜め下向き傾斜するとともに、基台16の裏面に対して斜め上向きに傾斜する。
【0027】
また、冷却フィン17は、上述のように、溝部25Aから、基台16の外端16Aに向かって、口金40の中心軸Oに対して傾斜するとともに、基台16の裏面に対して傾斜し、かつ、
図3(B)に示すように、LEDランプ1の背面視で垂直方向に延びている。この構成によれば、冷却フィン17を、基台16と一体に鋳造により成形する際に、型の抜きを容易に行うことができる。
【0028】
図6は、LEDランプ1の分解斜視図である。
図6に示すように、基台16は、実装基板12を内部に収容可能な表面積を有する大きさの薄板状に形成される。基台16の表面には、電気絶縁部材21、及び、実装基板12を収容する収容部22が設けられる。収容部22は、実装基板12を基台16と略面一に収める深さの凹部であり、底面が平面状に形成される。電気絶縁部材21及び光源モジュール20は、収容部22の底面にねじ止めされる。グローブ13には、膨出部13Aが形成され、基台16との間に形成される隙間からリード線24を取り出すことができる。グローブ13は、上下端部の短手方向の略中央がそれぞれ基台16の表面にねじ止めされる。
【0029】
実装基板12の下端部に形成された電極パターン19には、実装基板12の裏面にリード線24が、例えば半田付けされて接続される。基台16の下端には、リード線24を基台16の裏面に配線する配線孔23が設けられる。配線孔23は、本実施形態では、基台16の下端の一部を切り欠いて形成されるが、基台16の下端部に設けられた貫通孔であっても良い。また、図示は省略するが、基台16の表面には、収容部22から配線孔23につながる凹部が設けられ、この凹部を通してリード線24を収容部22から配線孔23に配線しても良い。各実装基板12から延びるリード線24の先端には、それぞれ雄コネクタ26Aが取り付けられる。
【0030】
光源保持ユニット30は、口金40と、口金受体31と、回路基板32と、回転ユニット42と、を備える。
口金受体31は、ポリカーボネート樹脂等の樹脂材により、中空部を有する円柱状に形成され、下側から口金40が冠着される。口金受体31の中空内部には、回路基板32が収容される。回路基板32には、雌コネクタ26Bが配置される。口金受体31の内部には、回路基板32が収容された中空部から、下面に至って開口する連通路43が設けられる。実装基板12から延びるリード線24の雄コネクタ26Aは、後述する回転ユニット42の導入孔37A,37Bを通して、雌コネクタ26Bに接続される。リード線24は、雌コネクタ26Bが設置された回路基板32のパターン上でまとめられて、結線され、連通路43を通して、口金40に延び、口金40に接続される。これにより、各光源モジュール20と口金40とがリード線24、24により電気的に接続され、口金40を通じて供給される直流電力によって各光源モジュール20に配置されたLED11が点灯する。
【0031】
回転ユニット42は、雄回転アダプタ33と、雌回転アダプタ34と、ばね35(付勢ばね)と、抑え金具36と、を備える。回転ユニット42は外周が口金受体31と略同じ径寸法で形成され、口金受体31の上側に接続された際には、回転ユニット42と口金受体31とが、口金40から光源ユニット10に延びる一本の柱体となるように構成されている。
雄回転アダプタ33は、
図6及び
図7に示すように、凸型円柱状に形成され、台座部33Aと、台座部33Aから上側に延びる柱部33Bと、を備える。柱部33Bは、直径が、台座部33Aの直径よりも小さく形成される。
図7(C)に示すように、雄回転アダプタ33には、口金40の中心軸Oに沿って、柱部33B及び台座部33Aを貫通し、リード線24が通される導入孔37Bが設けられる。
【0032】
柱部33Bの内部には、導入孔37Bの内周方向に膨出し、口金40の中心軸Oに沿って延びる膨出部33Cが設けられる。膨出部33Cは、台座部33Aの下面から、柱部33Bの途中まで延びる(
図1(D)参照)。膨出部33Cは、口金40の中心軸Oを中心に90度の間隔で4つ設けられる。各膨出部33Cには、口金40の中心軸Oに沿って延びるねじ穴が形成される。
また、柱部33Bの内部には、柱部33Bの上面から、口金40の中心軸Oに沿って柱部33Bの途中まで延びるねじ穴が、導入孔37Bの周囲に、口金40の中心軸Oを中心に90度の間隔で4つ設けられる。柱部33Bの上面から柱部33Bの内部に延びるねじ穴と、膨出部33Cに形成されたねじ穴とは、上下方向で、同じ位置に配置されていても良いし、異なる位置に配置されていても良い。
【0033】
台座部33Aの上面には、
図8(A)に示すように、周方向に並べて複数の突起41Aが設けられる。各突起41Aは、台座部33Aの径方向に延びる略三角柱状の突起である。このように、略三角柱状の突起41Aを複数周方向に並べて設けることで、台座部33Aの上面には、複数の凸部と、凹部と、が設けられる。また、雄回転アダプタ33には、
図7(C)に示すように、柱部33Bの外壁から径方向に突出し、台座部33Aの上面に連結される雄側ストッパー38Aが設けられる。
台座部33Aの底部には、凹状にへこませた凹み部45が設けられる。上述の膨出部33Cは、この凹み部45に突出し、下端が、台座部33Aの下面と略面一となるように形成される。
【0034】
雌回転アダプタ34は、有底の中空円柱状に形成される。雌回転アダプタ34の底板34Aには、雄回転アダプタ33の柱部33Bが挿通される挿通孔34Bが設けられる。底板34Aの下面には、
図7(D)に示すように、周方向に並べて複数の突起41Bが設けられる。各突起41Bは、底板34Aの径方向に延びる略三角柱状の突起である。このように、略三角柱状の突起41Bを周方向に複数並べて設けることで、底板34Aの下面には、複数の凸部と、凹部と、が形成される。また、雌回転アダプタ34の底板34Aには、
図7(C)に示すように、内径方向に突出する雌側ストッパー38Bが設けられる。また、雌回転アダプタ34の外周面には、外周に出張ったフランジ39が3ヶ所に雌回転アダプタ34と一体に形成されている。
【0035】
ばね35は、雌回転アダプタ34の底板34Aの上面側に配置され、かつ、雌回転アダプタ34の内壁と、雌回転アダプタ34の中空部に挿通された雄回転アダプタ33の柱部33Bの外壁と、の間に配置されるコイル状のばねである。また、ばね35は、力がかかっていない状態での高さが、雌回転アダプタ34の高さより若干高いばねである。
抑え金具36は、円形板状の金具であり、雌回転アダプタ34の内壁に遊びを持った状態で嵌められる大きさに形成される。抑え金具36には、中央にリード線24を通す導入孔37Aが設けられる。また、抑え金具36には、雄回転アダプタ33の柱部33B上面に設けられたねじ穴に対応する位置にねじ孔36Aが設けられる。
【0036】
回転ユニット42を組み立てる際には、雌回転アダプタ34に雄回転アダプタ33の柱部33Bを挿通し、雌回転アダプタ34の内壁と、雄回転アダプタ33の柱部33Bの外壁と、の間にばね35を配置する。次に、雌回転アダプタ34の上側から、雌回転アダプタ34の内側に抑え金具36を遊勘させる。そして、抑え金具36のねじ孔36Aに挿通したねじを、雄回転アダプタ33の柱部33B上面設けられたねじ穴に螺入させる。抑え金具36は下面を、雄回転アダプタ33の柱部33B上面に当接させて、固定される。こうして、雄回転アダプタ33と、雌回転アダプタ34と、ばね35と、抑え金具36と、により回転ユニット42が構成される。ばね35は、抑え金具36と、雌回転アダプタ34の底板34Aと、の間で若干押し込められた状態で、回転ユニット42内に収容される。
【0037】
ばね35により、雌回転アダプタ34には、底板34Aの下面を、雄回転アダプタ33の台座部33Aの上面に押し付ける方向に力がかかる。台座部33Aの上面、及び、底板34Aの下面には、それぞれ複数の突起41A,41Bが設けられ、底板34Aの下面が、台座部33Aの上面に押し付けられることで、突起41A、41Bが互いに噛み合う。回転ユニット42は、この突起41A、41Bの噛み合いにより、雌回転アダプタ34と、雄回転アダプタ33と、の相対的な回転が規制される。つまり、突起41Aによって設けられる台座部33Aの上面の凸部または凹部と、突起41Bによって設けられる底板34Aの下面の凹部または凸部とが嵌合することで、雌回転アダプタ34と、雄回転アダプタ33と、の相対的な回転が規制される。
【0038】
雄回転アダプタ33と、雌回転アダプタ34とは、
図7(D)に示すように、軸方向に手作業で引き離すことで、突起41A、41Bの噛み合が解除され、相対的に回転可能となる。このとき、雌回転アダプタ34内に収容されたばね35は、抑え金具36と、雌回転アダプタ34の底板34Aと、の間でさらに押し込められた状態となる。雄回転アダプタ33と、雌回転アダプタ34とは、軸方向に引き離す力から解放することで、ばね35により相対的に軸方向に押し込む力がかかり、突起41A、41Bが噛み合った連結状態となる。
また、上述したように、雄回転アダプタ33と、雌回転アダプタ34とには、それぞれ雄側ストッパー38A、雌側ストッパー38Bが設けられている。雄回転アダプタ33と、雌回転アダプタ34と、の相対的な回転は、雄側ストッパー38Aと、雌側ストッパー38Bと、が干渉することで、360°以上回転しないように規制される。
【0039】
雄回転アダプタ33は、口金受体31の下側から、膨出部33Cに設けられたねじ穴にねじ込まれたねじで回路基板32と共に口金受体31にねじ止めされる。回路基板32の上面に突設された雌コネクタ26Bは、雄回転アダプタ33の台座部33Aの底部に設けられた凹み部45内に収容される。
なお、雄回転アダプタ33は、上側から抑え金具36をねじ止めし、かつ、下側から口金受体31にねじ止めすることができる高さに形成されている。
【0040】
図7および
図8に示すように、LEDランプ1は、雌回転アダプタ34に設けられたフランジ39を、灯具本体15の下面にねじ止めして、光源保持ユニット30と、光源ユニット10とが一体に構成される。フランジ39は、各基台16、及び、2つの基台16の連結部25に対応する位置に設けられ、各基台16の下面と、連結部25の下面とに、ねじ止めされる。
【0041】
LEDランプ1の口金40を器具本体100のソケット105に螺入させて、LEDランプ1を器具本体100に対して固定した際に、LEDランプ1の照射方向が、照明器具5の照射方向と一致しない場合がある。LEDランプ1の照射方向が、照明器具5の照射方向と一致しない場合には、LEDランプ1の口金40を器具本体100のソケット105に螺入した状態で、光源ユニット10を、口金40の軸方向に、口金40から引き離すように引く。これにより、
図8(A)及び
図8(B)に示すように、雄回転アダプタ33と、雌回転アダプタ34との、突起41A、41Bの噛み合いが解除され、光源ユニット10が、光源保持ユニット30に対して相対的に回転可能な状態となる。この状態で、光源ユニット10を、照射方向が照明器具5の照射方向と一致するように回転させる。LEDランプ1の照射方向が、照明器具5の照射方向と一致した位置で光源ユニット10を軸方向に引いている力から解放すると、ばね35の付勢力により、光源ユニット10が、光源保持ユニット30に対して軸方向に押し込まれる。光源ユニット10が、光源保持ユニット30に対して軸方向に押し込まれると、
図8(C)及び
図8(D)に示すように、光源ユニット10と光源保持ユニット30は連結状態となる。この連結状態では、突起41A、41Bが互いに噛み合った状態となり、光源ユニット10と光源保持ユニット30との相対的な回転が規制される。
【0042】
これらの構成によれば、光源ユニット10と光源保持ユニット30とを、連結状態と、相対的に回転可能な状態とを切り替え可能な構成としたため、光源ユニット10を光源保持ユニット30に接続したままの状態で、光源ユニット10を光源保持ユニット30に対して回転させることができ、LEDランプ1の照射方向を、照明器具5の照射方向に容易に一致させることができる。また、光源ユニット10を軸方向に引いて、回転させて、離すという簡単な作業で、LEDランプ1の照射方向を、照明器具5の照射方向に一致させることができ、取り付け作業性を向上することができる。
【0043】
また、雄回転アダプタ33および雌回転アダプタ34に、それぞれ周方向に並べて多数の突起41A,41Bを設けたため、光源ユニット10を、光源保持ユニット30に対して略無段階的に回転させることができる。よって、LEDランプ1の照射方向を、照明器具5の照射方向に正確に一致させることができる。本実施形態においては10°間隔で36個の突起41A、41Bを設けており、10°間隔で光源ユニット10の角度を調整することができる。
また、光源ユニット10と、光源保持ユニット30とを相対的に回転可能な状態とした際でも、上述したストッパー38A,38Bにより、光源ユニット10と、光源保持ユニット30とは相対的に360°以上回転しない。この構成によれば、光源ユニット10を、光源保持ユニット30に対して相対的に回転させる際に、回転ユニット42の中心に設けられた導入孔37A,37Bを通って、光源ユニット10から口金40に延びるリード線24が、360°以上ねじれるのを防止することができる。
【0044】
なお、本実施形態では、光源ユニット10を、口金40の軸方向に引くことで、光源ユニット10と光源保持ユニット30とを相対的に回転可能な状態とする構成であるが、これに限らず、光源ユニット10を、口金40の軸方向に押し込むことで、光源ユニット10と光源保持ユニット30とを相対的に回転可能な状態とする構成であっても良い。光源ユニット10を、口金40の軸方向に押し込むことで、光源ユニット10と光源保持ユニット30とを相対的に回転可能な状態とする構成とした場合には、図示は省略するが、例えば、雄回転アダプタ33の柱部33Bに鍔状のフランジを設けて、当該フランジの下面に突起41Aを形成する。そして、雌回転アダプタ34の底板34Aの上面に設けた突起41Bと、雄回転アダプタ33の突起41Aとをかみ合わせて、光源ユニット10と、光源保持ユニット30とを連結状態にする構成とすることができる。この構成では、ばね35は、例えば、押さえ金具36と、雄回転アダプタ33の柱部33Bに設けられた鍔状のフランジとの間に配置されて、光源ユニット10を、口金40の軸方向に押し込むことで、ばね35が押し込められ、雄回転アダプタ33を押し戻す方向に付勢する。
【0045】
図9は本実施形態の変形例を示す図である。
図9に示すように、基台16の連結部25には、灯具本体15の表裏に貫通する通気孔44が設けられていても良い。通気孔44は、口金40の軸方向に沿って複数設けられても良い。2つの基台16をV字状に配置して連結することで、連結部25(溝部25A)周辺にはLED11からの熱が篭もりやすくなる。この溝部25Aに、灯具本体15の表裏に貫通する通気孔44を設けることで、溝部25A周辺の空気が流通し易くなり、溝部25A周辺にLED11からの熱が篭もるのを防ぐことができる。なお、通気孔44は矩形であっても良いし、円形であっても良く、その形状及び数は任意に設定可能である。
【0046】
以上説明したように、本実施形態のLEDランプ1によれば、次の効果を奏する。
すなわち、本実施形態によれば、器具本体100のソケット105に螺入する口金40を備えたLEDランプ1であって、発光素子の一例たるLED11が設けられた光源ユニット10と、口金40を有する光源保持ユニット30と、を備え、光源ユニット10と、光源保持ユニット30とは、連結状態と、相対的に回転可能な状態とを切り換え可能であり、光源ユニット10は、表面にLED11が配置された2つの基台16をV字状に配置し、基台16の裏面に冷却フィン17を配置し、口金40の中心軸Oを基台16の内側に位置させ、ソケット105に口金40を螺入する際に、基台16と、冷却フィン17とが、器具本体100と干渉しない配置としたことを特徴とする。
この構成によれば、LED11が配置された2つの基台16をV字状に配置し、かつ、ソケット105に口金40を螺入する際に、基台16が、器具本体100と干渉しない配置としたため、LED11を光源として用いて、明るさ、及び、大きさにおいて、高出力タイプのHIDランプの代替となり得るとともに、既存の器具本体100に容易に取り付けることができる取り扱い性の良いLEDランプ1を提供することができる。さらに、基台16の裏面に配置した冷却フィン17により、LED11からの熱を基台16の裏面から効率よく放熱させることができる。
【0047】
また、本実施形態によれば、ソケット105に口金40を螺入する際に器具本体100と干渉しない位置まで基台16、及び、冷却フィン17の外縁を延出させて構成した。これにより、LEDランプ1を、ソケット105に口金40を螺入して既存の器具本体100に容易に取り付けることができるとともに、LED11を配置することができる面積を広げることができ、高出力タイプのHIDランプの代替となり得る十分な明るさのLEDランプ1を提供することができる。
【0048】
また、本実施形態によれば、LED11は透光性を有するグローブ13で覆われ、グローブ13と基台16との間には、隙間18が形成されている。これにより、LEDランプ1を取り扱う際に、LED11に直接作業者の手などが触れるのをグローブ13により、防ぐことができる。また、グローブ13と基台16との間の隙間18から、LED11が発した熱を逃がすことができ、LED11からの熱がグローブ13の内側に篭もるのを防ぐことができる。
【0049】
また、本実施形態によれば、光源ユニット10と、光源保持ユニット30とは、連結状態と、相対的に回転可能な状態とを切り換え可能である。この構成によれば、ソケット105に口金40を螺入して器具本体100にLEDランプ1を取り付ける際に、LEDランプ1の照射方向と、照明器具5の照射方向とを、光源ユニット10を、光源保持ユニット30に対して回転させることで容易に一致させることができる。
【0050】
また、本実施形態によれば、2つの基台16は一体成形されているため、LEDランプ1の組立作業性、及び、取り扱い性を向上することができる。
【0051】
また、本実施形態によれば、2つの基台16のなす角度が45°〜135°であるため、LEDランプ1を器具本体100に取り付けた際に、照明器具5の照射方向にLED11の光を放射させて、所望の配光を得ることができる。
【0052】
また、本実施形態によれば、器具本体100のソケット105に螺入する口金40を備えたLEDランプ1であって、発光素子の一例たるLED11が設けられた光源ユニット10と、口金40を有する光源保持ユニット30と、を備え、光源ユニット10は、表面にLED11が配置された平板状の基台16を有し、基台16の裏面に複数枚の板状の冷却フィン17を配置し、複数枚の冷却フィン17は、口金40の中心軸Oに対して傾斜し、かつ、基台16の裏面に対して傾斜する。これにより、冷却フィン17間の空間の空気を傾斜方向に沿って流すことができ、所望の方向に空気を導いて、冷却フィン17からの放熱性を高めることができる。
【0053】
また、本実施形態によれば、光源ユニット10は、表面にLED11が配置された2つの基台16をV字状に配置し、基台16の裏面に複数枚の冷却フィン17を配置して形成されている。これにより、LED11を配置できる面積を広げて、所望の明るさを得ることができ、かつ、冷却フィン17によりLED11を効率よく冷却することができる。よって、LED11を光源として用いて、明るさ、及び、大きさにおいて、高出力タイプのHIDランプの代替となり得るLEDランプ1を提供することができる。
【0054】
また、本実施形態によれば、冷却フィン17は、基台16の外端16A側が、2つの基台16の連結部25側よりも厚く形成されている。これにより、各基台16に配置されたLED11からの熱を、基台16の外端16A側、つまり、互いから離れた位置でより吸熱させて放熱させることができる。よって、一方の基台16に配置されたLED11の熱の影響を他方の基台16に配置されたLED11が受けるのを防ぐことができ、LED11の長寿命化を図ることができる。
【0055】
また、本実施形態によれば、2つの基台16の連結部25には、通気孔44が形成されている。これにより、LED11からの熱が篭もりやすい連結部25周辺の空気を流通し易くし、連結部25周辺にLED11からの熱が篭もるのを防ぐことができる。
【0056】
また、本実施形態によれば、発光素子の一例たるLED11が設けられた光源ユニット10と、口金40を有する光源保持ユニット30と、を備え、光源ユニット10と光源保持ユニット30とは、光源ユニット10を口金40の軸方向に移動させることにより、相対的に回転可能な状態と、連結状態とを切り替え可能である。これにより、口金40を既存の器具本体100のソケット105に螺入させた後に、光源ユニット10を、光源保持ユニット30に対して回転させて、LEDランプ1の照射方向を、照明器具5の照射方向に容易に一致させることができる。
【0057】
また、本実施形態によれば、光源ユニット10と光源保持ユニット30とは、光源ユニット10を口金40の軸方向に引くことで相対的回転可能な状態となり、光源ユニット10を口金40の軸方向に押し込むことで、連結状態となる。これにより、光源ユニット10と光源保持ユニット30とを、相対的回転可能な状態と、連結状態とを簡単に切り換えることができる。よって、LEDランプ1の器具本体100への取り付け作業性を向上することができる。
【0058】
また、本実施形態によれば、連結状態では、光源ユニット10の突起41Aにより構成される凸部又は凹部と、光源保持ユニット30の突起41Bにより構成される凹部または凸部とが嵌合する。これにより、連結状態において、光源ユニット10と光源保持ユニット30とが相対的に回転するのを防ぐことができる。よって、LEDランプ1を器具本体100に取り付けられた使用時に、光源ユニット10が回転して、LEDランプ1の照射方向が照明器具5の照射方向からずれるのを防ぐことができる。
【0059】
また、本実施形態によれば、光源ユニット10を口金40の軸方向に押し込む付勢ばね35を備えた。これにより、光源ユニット10を口金40の軸方向に引いて、回転させた後に、光源ユニット10を引く力から解放することで、付勢ばねにより、光源ユニット10と光源保持ユニット30とが連結状態となる。よって、光源ユニット10を引いて、回して、離すという簡単な作業で、光源ユニット10を光源保持ユニット30に対して回転させて、LEDランプ1の照射方向を、照明器具5の照射方向に容易に合わせることができる。また、光源ユニット10と光源保持ユニット30とが相対的回転可能な状態で放置されることがなく、LEDランプ1の取り付け作業性を向上することができる。
【0060】
また、本実施形態によれば、光源ユニット10と、光源保持ユニット30とが相対的に360°以上回転しないように規制するストッパー38A,38Bを備えた。これにより、光源ユニット10から口金40に、光源保持ユニット30に設けられた導入孔37A,37Bを取って延びるリード線24が、光源ユニット10を光源保持ユニット30に対して回転させた際に、360°以上回転してねじれるのを防ぐことができる。
【0061】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示したものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
例えば上述した実施形態では、発光素子の一例としてLED11を例示したが、これに限らず、有機EL等の他の発光素子でも良い。