(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6331887
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20180521BHJP
H05K 7/12 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
G09F9/00 350Z
H05K7/12 V
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-175159(P2014-175159)
(22)【出願日】2014年8月29日
(65)【公開番号】特開2016-50996(P2016-50996A)
(43)【公開日】2016年4月11日
【審査請求日】2017年6月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 泰一
【審査官】
赤尾 隼人
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2011/030560(WO,A1)
【文献】
実開昭59−082278(JP,U)
【文献】
特開2012−160505(JP,A)
【文献】
特開2013−095178(JP,A)
【文献】
特開2008−242219(JP,A)
【文献】
特開2001−338505(JP,A)
【文献】
特開2004−191867(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/001566(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00
B60K 35/00−37/06
H05K 7/12
F21S 2/00
F21V 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続端子群を有する表示素子と、
前記接続端子群と電気的に接続される回路基板と、
第一のケース体及び第二のケース体からなり、前記表示素子と前記回路基板を収容するケース部材と、
前記第一,第二のケース体に形成された固定部と前記回路基板に形成された貫通孔に挿通され、前記第二のケース体と前記回路基板とを前記第一のケース体に固定する固定部材と、
を備え、
前記接続端子群は、前記貫通孔を回避するための隙間を有することを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示素子を備えた表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示素子を備えた液晶表示装置が提案されており、例えば特許文献1に開示されている。斯かる表示装置は、上下ケースの間、外周壁内側にパッキン部材を配置し、均等間隔で螺子締めすることにより、耐振動性や防塵、防水機能に優れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−160505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
表示情報の多様化に伴い、表示装置内での表示の広範囲化が望まれている。表示装置の外周壁と液晶表示素子との間隔が狭い場合、外観デザインを変更し、外周壁と液晶表示素子の間隔が広げられる、又は、液晶表示素子の接続端子を回避した位置に螺子が配置され、耐振動性、防塵、防水機能の面で劣るなど、改善の余地があった。
【0005】
本発明は、表示装置の外周壁と表示素子の間隔が狭い場合であっても、表示装置の外周壁内側に均等間隔で螺子が配置される表示装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、接続端子群11,12を有する表示素子10と、前記接続端子群11,12と電気的に接続される回路基板30と、第一のケース体61及び第二のケース体62からなり、前記表示素子10と前記回路基板30を収容するケース部材60と、前記第一,第二のケース体61,62に形成された固定部61b,62bと前記回路基板30に形成された貫通孔31に挿通され、前記第二のケース体62と前記回路基板30とを前記第一のケース体61に固定する固定部材Sと、を備え、前記接続端子群11,12は、前記貫通孔31を回避するための隙間13を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
表示装置の外周壁と表示素子の間隔が狭い場合であっても、表示装置の外周壁内側に均等間隔で螺子が配置され、耐振動性や防塵、防水機能に優れている表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態を示す表示装置1の主要前面図
【
図2】
図1から上ケースと表示板を取り除いた主要前面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を用いて、本発明の一実施形態を説明する。
【0010】
表示装置1は、第一,第二の液晶表示素子10,20と、回路基板30と、第一,第二の導光体40,50と、ケース部材60と、第一,第二の中ケース70,80と表示板90で主に構成され、二輪車の計器として用いられる。
【0011】
第一,第二の液晶表示素子10,20は、透明電極が形成された一対のガラス基板に液晶を封入した液晶セルの前後両面に偏光板を貼付した液晶パネルからなるものである。回路基板30は、外部コネクタが実装されており、車両側と電気的に接続される。表示装置1は、外部コネクタ及び回路基板30上のインタフェース回路34を介して電源や車両情報に関する信号等を入力し、これらの信号等を制御素子35を含む表示駆動回路36,37、照明駆動回路38,39により処理を行い、第一,第二の液晶表示素子10,20にて所定の表示を行い、第一,第二の発光素子32,33にて所定の照明光を発することができる。
【0012】
透明樹脂からなる第一の導光体40は、受光部41と導光部42から構成される。第一の中ケース70は、白色樹脂からなる。第一の中ケース70の上部には、第一の導光体40の導光部42、第一の液晶表示素子10が順次載置されている。第一の導光体40は、第一の中ケース70に固定されている。第一の導光体40は、第一の発光素子32が発した照明光を受光部41により受光し、導光部42により第一の液晶表示素子10の背面に導く。第一の導光体40の背面に導かれた照明光は、第一の中ケース70により反射され、第一の液晶表示素子10を透過照明する。
【0013】
透明樹脂からなる第二の導光体50は、受光部と導光部から構成される。第二の中ケース80は、白色樹脂からなる。第二の中ケース80の上部には、第二の導光体50の導光部、第二の液晶表示素子20が順次載置されている。第二の導光体50は、第二の中ケース80に固定されている。第二の導光体50は、第二の発光素子33が発した照明光を受光部により受光し、導光部により第二の液晶表示素子20の背面に導く。第二の導光体50の背面に導かれた照明光は、第二の中ケース80により反射され、第二の液晶表示素子20を透過照明する。
【0014】
ケース部材60は、上ケース61と、下ケース62で構成される。上ケース61は合成樹脂材を適用することができ、透光性樹脂からなる透光性カバー61aがインサート成型される。下ケース62は、合成樹脂材を適用することができ、表示板90の組み付け位置を開口し、下ケース62の内側に第一,第二の液晶表示素子10,20、第一,第二の中ケース70,80が固定された回路基板30を保持することができる。
【0015】
表示板90は合成樹脂材からなり、第一,第二の液晶表示素子10,20に対応する開口部91,92を備える。また、指標部を備えていても良い。表示板90は下ケース62又は回路基板30に設けたフックなどの固定手段を用いて保持される。
【0016】
上ケース61、下ケース62、回路基板30には、表示装置1外周壁内側に左右対象且つほぼ均等間隔となるように、複数の固定部が設けられている。上ケース61の固定部61bはボス部であり、下ケース62の固定部62bは貫通孔である。上下ケース61,62の内側に設けた溝(下ケースの溝は62a)にはパッキン部材が格納される。上下ケース61,62に設けられた複数の固定部61b,62bは夫々螺子Sにより固定され、表示装置1は密閉されている。
【0017】
第一の液晶表示素子10は、接続端子群11,12を備えている。回路基板30には、上下ケース61,62の固定部61b,62bに対応する貫通孔31を備えている。接続端子群11,12の間には、上下ケース61,62の固定部及び回路基板30の貫通孔31に対応する隙間13が設けられている。
【0018】
このような構成によって、表示装置の外周壁と表示素子の間隔が狭い場合であっても、表示装置の外周壁内側に均等間隔で螺子を配置できる。
【0019】
したがって、表示装置の外周壁と表示素子の間隔が狭い場合であっても、耐振動性や防塵、防水機能に優れている表示装置を提供できる。
【0020】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、表示素子は液晶表示素子10,20であったが、有機EL表示素子であってもよい。また、表示素子が第一の液晶表示素子10のみである構成にも適用できる。また、上ケース61の固定部61bを貫通孔、下ケース62の固定部62bをボス部として上ケース側から螺子締めさせる構成にも適用できる。2つ以上の表示素子を隣接配置し、中央付近に配置された貫通孔を避けるように夫々の表示素子の接続端子群を配置する(
図2において、液晶表示素子10が2つの液晶表示素子で構成され、接続端子群11,12が夫々の表示素子の接続端子である)構成にも適用できる。
【符号の説明】
【0021】
1 表示装置
10 第一の液晶表示素子(表示素子)
11 接続端子群
12 接続端子群
13 隙間
20 第二の液晶表示素子
30 回路基板
31 貫通孔
32 第一の発光素子
33 第二の発光素子
34 インタフェース回路
35 制御素子
36 第一の表示駆動回路
37 第二の表示駆動回路
38 第一の照明駆動回路
39 第二の照明駆動回路
40 第一の導光体
41 受光部
42 導光部
50 第二の導光体
60 ケース部材
61 上ケース(第一のケース部材)
61a 透光性カバー
61b ボス部(固定部)
62 下ケース(第二のケース部材)
62a 溝
62b 貫通孔(固定部)
70 第一の中ケース
80 第二の中ケース
90 表示板
91 開口部
92 開口部
S 螺子(固定部材)