(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1検出手段は、前記加速度センサとして本体装置の互いに直交する3軸方向の加速度をそれぞれ検出する3軸加速度センサを有し、前記3軸加速度センサによる前記3軸方向の前記加速度の各出力信号の時間平均に基づいて、前記第1の方向のベクトルを検出する、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の姿勢推定装置。
前記第3検出手段は、前記角速度センサとして本体装置の互いに直交する3軸を中心とする回動の前記角速度をそれぞれ検出する3軸角速度センサを有し、前記3軸角速度センサによる前記3軸を中心とする回動の前記角速度の各出力信号の時間平均に基づいて、前記第1の軸の回りの前記角速度を検出する、
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の姿勢推定装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0012】
図1は、本発明を適用した一実施形態の撮像装置100の概略構成を示すブロック図である。また、
図2は、撮像装置100のロール軸、ピッチ軸及びヨー軸を模式的に示す図である。
【0013】
図1に示すように、本実施形態の撮像装置100は、中央制御部1と、メモリ2と、撮像部3と、画像処理部4と、加速度検出部5と、角速度検出部6と、姿勢推定部7と、表示部8と、記録媒体制御部9と、操作入力部10と、を備えている。
また、中央制御部1、メモリ2、撮像部3、画像処理部4、加速度検出部5、角速度検出部6、姿勢推定部7、表示部8及び記録媒体制御部9は、バスライン11を介して接続されている。
【0014】
なお、撮像装置100は、公知のものを適用可能であり、本実施形態のように、主要な機能を撮影機能とするデジタルカメラだけでなく、主要な機能としないものの撮影機能を具備する携帯電話機、スマートフォン等の携帯端末なども含む。
【0015】
中央制御部1は、撮像装置100の各部を制御するものである。具体的には、中央制御部1は、図示は省略するが、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を備え、撮像装置100用の各種処理プログラム(図示略)に従って各種の制御動作を行う。
【0016】
メモリ2は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等により構成され、中央制御部1や姿勢推定部7等の各部によって処理されるデータ等を一時的に格納する。
【0017】
撮像部3は、被写体を撮影する。具体的には、撮像部3は、レンズ部3aと、電子撮像部3bと、撮像制御部3cと、を備えている。
【0018】
レンズ部3aは、例えば、ズームレンズやフォーカスレンズ等の複数のレンズから構成されている。
電子撮像部3bは、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-oxide Semiconductor)等のイメージセンサから構成され、レンズ部3aの各種レンズを通過した光学像を二次元の画像信号に変換する。
なお、図示は省略するが、撮像部3は、レンズ部3aを通過する光の量を調整する絞りを備えていても良い。
【0019】
撮像制御部3cは、撮像部3による被写体の撮影を制御する。すなわち、撮像制御部3cは、図示は省略するが、タイミング発生器、ドライバなどを備えている。そして、撮像制御部3cは、タイミング発生器、ドライバにより電子撮像部3bを走査駆動して、所定周期毎に光学像を電子撮像部3bにより二次元の画像信号に変換させ、当該電子撮像部3bの撮像領域から一画面分ずつフレーム画像を読み出して画像処理部4に出力させる。
なお、撮像制御部3cは、AF(自動合焦処理)、AE(自動露出処理)、AWB(自動ホワイトバランス)等の被写体を撮影する際の条件の調整制御を行っても良い。
【0020】
画像処理部4は、撮像部3の電子撮像部3bから転送されたフレーム画像のアナログ値の信号に対してRGBの各色成分毎に適宜ゲイン調整した後に、サンプルホールド回路(図示略)でサンプルホールドしてA/D変換器(図示略)でデジタルデータに変換し、カラープロセス回路(図示略)で画素補間処理及びγ補正処理を含むカラープロセス処理を行った後、デジタル値の輝度信号Y及び色差信号Cb,Cr(YUVデータ)を生成する。また、画像処理部4は、生成された輝度信号Y及び色差信号Cb,Crをバッファメモリとして使用されるメモリ2に出力しても良い。
【0021】
また、画像処理部4は、画像を記録する際には、生成された輝度信号Y及び色差信号Cb,Crを所定の符号化方式(例えば、JPEG形式、モーションJPEG形式、MPEG形式等)で符号化して記録媒体制御部9に出力する。
また、画像処理部4は、画像を再生表示する場合には、記録媒体9a(後述)等から読み出された表示対象に係る静止画像や動画像の画像データを対応する所定の符号化方式に従って復号して表示部8に出力する。このとき、画像処理部4は、例えば、表示パネル8bの表示解像度等に基づいて所定サイズ(例えば、VGAやQVGAサイズ)に縮小して表示部8に出力しても良い。
【0022】
加速度検出部(第1検出手段)5は、第1の方向のベクトルを検出する。
すなわち、加速度検出部5は、例えば、当該撮像装置100本体の互いに直交する3軸方向の加速度をそれぞれ検出する3軸加速度センサ5aを具備し、この3軸加速度センサ5aからの出力信号に基づいて、第1の方向のベクトルを検出する。具体的には、加速度検出部5は、3軸加速度センサ5aによる各軸の検出信号の時間平均に基づいて第1の方向のベクトルを生成する。3軸加速度センサ5aは、重力加速度の他に並進加速度も検出するため、第1の方向と重力方向(第2の方向)とは一般的に異なる。
なお、上記した第1の方向のベクトルの生成手法は、一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
また、加速度検出部5により検出される第1の方向のベクトル値は、所定の格納手段(例えば、メモリ2等)に一時的に格納されても良い。
【0023】
角速度検出部(第3検出手段)6は、第1の軸
の回りの角速度を検出する。
ここで、第1の軸としては、当該撮像装置100本体のロール軸やピッチ軸が挙げられるが(
図2参照)、以下の説明では、第1の軸としてロール軸を例示して説明する。
すなわち、角速度検出部6は、例えば、当該撮像装置100本体の互いに直交する3軸(ロール軸、ピッチ軸及びヨー軸)を中心とする回動の角速度をそれぞれ検出する3軸角速度センサ6aを具備し、この3軸角速度センサ6aからの出力信号に基づいて、当該撮像装置100本体のロール軸(第1の軸)
の回りの角速度を検出する。
なお、角速度検出部6により検出されるロール軸(第1の軸)
の回りの角速度の値は、所定の格納手段(例えば、メモリ2等)に一時的に格納されても良い。
【0024】
姿勢推定部7は、画像取得部7aと、動きベクトル検出部7bと、角度算出部7cと、方向推定部7dと、を具備している。
なお、姿勢推定部7の各部は、例えば、所定のロジック回路から構成されているが、当該構成は一例であってこれに限られるものではない。
【0025】
画像取得部(取得手段)7aは、連続して撮像された複数の画像を取得する。
すなわち、画像取得部7aは、撮像部3による任意の被写体の撮影の際に、例えば、画像処理部4により逐次生成されたライブビュー画像に係る複数のフレーム画像の画像データをメモリ2から逐次取得する。
【0026】
動きベクトル検出部(第2検出手段)7bは、複数のフレーム画像
の間における特徴点の動きベクトルを検出する。
すなわち、動きベクトル検出部7bは、撮像部3により連続して撮像され、画像取得部7aにより取得された複数のフレーム画像
の間における特徴点の動きベクトルを検出する。
具体的には、動きベクトル検出部7bは、例えば、画像取得部7aにより取得された複数のフレーム画像に対して特徴検出処理を行う。そして、動きベクトル検出部7bは、これら複数のフレーム画像のうちの、何れか一つのフレーム画像を基準フレーム画像として、当該基準フレーム画像から所定数の特徴の高いブロック領域(特徴点)を選択し、当該ブロックの内容をテンプレート(例えば、8×8画素の正方形等)として検出する。また、動きベクトル検出部7bは、複数のフレーム画像のうちの、基準フレーム画像よりも時間軸で後ろ(或いは、前)の一つのフレーム画像内にて各テンプレートがどこに対応するか、つまり、対象画像内にてテンプレートの画素値が最適にマッチする位置(対応領域)をそれぞれ探索し、画素値の相違度の評価値(例えば、差分二乗和(SSD)や差分絶対値和(SAD)等)が最も良かったものを当該テンプレートの動きベクトルとして算出する。
そして、動きベクトル検出部7bは、それぞれの特徴点について算出された全ての動きベクトルを統合して、当該一つのフレーム画像における全体の動きベクトルとして算出する。
なお、上記した動きベクトルの検出手法は、一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
【0027】
角度算出部(算出手段)7cは、複数のフレーム画像
の間における第1の軸
の回りの相対的な回転角度を算出する。
すなわち、角度算出部7cは、画像取得部7aにより取得された複数のフレーム画像に基づいて、当該複数のフレーム画像
の間におけるロール軸(第1の軸)
の回りの相対的な回転角度を算出する。具体的には、角度算出部7cは、動きベクトル検出部7bにより検出された動きベクトルに基づいて、複数のフレーム画像
の間におけるロール軸(第1の軸)
の回りの相対的な回転角度を算出する。
ここで、複数のフレーム画像
の間における動きベクトルに基づいて相対的な回転角度を算出する方法は、公知の技術であるので、詳細な説明は省略するが、例えば、角度算出部7cは、動きベクトル検出部7bにより検出された一つのフレーム画像の全体の動きベクトルに基づいて、ロール軸(第1の軸)を回転中心として画像を回転させる線形変換(例えば、アフィン変換等)のパラメータを算出し、当該一つのフレーム画像の基準フレーム画像に対する相対的な回転角度を算出する。
なお、上記した相対的な回転角度の算出手法は、一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
【0028】
また、角度算出部7cは、動きベクトル検出部7bにより動きベクトルを検出不可の場合に、角速度検出部6により検出されたロール軸(第1の軸)
の回りの角速度に基づいて、ロール軸(第1の軸)
の回りの相対的な回転角度を算出しても良い。
例えば、特徴点の識別が困難な暗所で撮影された画像や平坦な画像からは動きベクトルの検出が不可能となる場合がある。そこで、角度算出部7cは、例えば、ライブビュー画像の輝度値や画素値のばらつき量(非平坦度)等に基づいて、動きベクトル検出部7bにより動きベクトルを検出可能であるか否かを判定し、検出不可と判定された場合に、角速度検出部6により検出されたロール軸(第1の軸)
の回りの角速度に基づいて、ロール軸(第1の軸)
の回りの相対的な回転角度を算出する。
【0029】
方向推定部7dは、重力方向(第2の方向)を推定する。
すなわち、方向推定部(推定手段)7dは、角度算出部7cにより算出されたロール軸(第1の軸)
の回りの相対的な回転角度及び加速度検出部5により検出された第1の方向のベクトルに基づいて、重力方向(第2の方向)を推定する。具体的には、方向推定部7dは、ロール軸(第1の軸)
の回りの相対的な回転角度及び第1の方向のベクトルに基づいて、カルマンフィルタにより当該撮像装置100のロール軸(第1の軸)
の回りの回転角度を算出する。そして、方向推定部7dは、算出されたロール軸(第1の軸)
の回りの回転角度から当該撮像装置100の姿勢(重力方向(第2の方向)に対する傾き)を求めることで、重力方向(第2の方向)を推定する。
【0030】
ここで、カルマンフィルタを用いて重力方向(第2の方向)を推定する方法は、公知の技術であるので、詳細な説明は省略するが、例えば、状態空間モデルは、状態方程式を表す式(1)及び観測方程式を表す式(2)で与えられる。
x
t+1=A
tx
t+R
tu
t+w
t …式(1)
y
t=H
tx
t+v
t …式(2)
上記式において、x
tはロール軸(第1の軸)
の回りの回転角度、u
tは動きベクトル或いは角速度から算出されるロール軸(第1の軸)
の回りの相対的な回転角度、R
tは回転行列、A
t、H
tはそれぞれ単位行列、y
tは重力方向のベクトル、w
t及びv
tはそれぞれシステムノイズ及び観測ノイズである。
【0031】
表示部8は、表示制御部8aと、表示パネル8bと、を具備している。
【0032】
表示制御部8aは、メモリ2や記録媒体9aから読み出され画像処理部4により復号された所定サイズの画像データに基づいて、所定の画像を表示パネル8bの表示領域に表示させる制御を行う。具体的には、表示制御部8aは、VRAM(Video Random Access Memory)、VRAMコントローラ、デジタルビデオエンコーダなどを備えている。そして、デジタルビデオエンコーダは、画像処理部4により復号されてVRAM(図示略)に記録されている輝度信号Y及び色差信号Cb,Crを、VRAMコントローラを介してVRAMから所定の再生フレームレートで読み出して、これらのデータを元にビデオ信号を発生して表示パネル8bに出力する。
【0033】
表示パネル8bは、表示制御部8aからのビデオ信号に基づいて撮像部3により撮影された画像などを表示領域内に表示する。具体的には、表示パネル8bは、静止画の撮影モードや動画像の撮影モードにて、撮像部3による被写体の撮影により生成された複数のフレーム画像を所定のフレームレートで逐次更新しながらライブビュー画像を表示する。また、表示パネル8bは、記録媒体9aに記録される被写体の静止画像(レックビュー画像)を表示したり、撮影中の被写体の動画像を表示する。
なお、表示パネル8bとしては、例えば、液晶表示パネルや有機EL(Electro-Luminescence)表示パネルなどが挙げられるが、一例であってこれらに限られるものではない。
【0034】
記録媒体制御部9は、記録媒体9aが着脱自在に構成され、装着された記録媒体9aからのデータの読み出しや記録媒体9aに対するデータの書き込みを制御する。
なお、記録媒体9aは、例えば、不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)等により構成されている。
【0035】
操作入力部10は、当該撮像装置100の所定操作を行うためのものである。具体的には、操作入力部10は、被写体の撮影指示に係るシャッタボタン、撮影モードや機能等の選択指示に係る選択決定ボタン、ズーム量の調整指示に係るズームボタン等(何れも図示略)の操作部を備えている。
そして、ユーザにより各種ボタンが操作されると、操作入力部10は、操作されたボタンに応じた操作指示を中央制御部1に出力する。中央制御部1は、操作入力部10から出力され入力された操作指示に従って所定の動作(例えば、被写体の撮影等)を各部に実行させる。
なお、操作入力部10は、表示部8の表示パネル8bと一体となって設けられたタッチパネル(図示略)を有していても良い。
【0036】
<姿勢推定処理>
次に、撮像装置100による姿勢推定処理について、
図3を参照して説明する。
図3は、姿勢推定処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【0037】
なお、姿勢推定処理は、例えば、被写体の撮影中に常時行われても良いし、ユーザにより操作入力部10のシャッタボタンが所定操作(例えば、半押し操作や全押し操作等)された際に行われても良い。
【0038】
図3に示すように、先ず、撮像部3による任意の被写体の撮影が開始されると(ステップS1)、加速度検出部5は、3軸加速度センサ5aからの出力信号に基づいて、第1の方向のベクトルを検出するとともに(ステップS2)、画像取得部7aは、画像処理部4により逐次生成されたライブビュー画像に係る複数のフレーム画像の画像データをメモリ2から逐次取得する(ステップS3)。
なお、ステップS2における第1の方向のベクトルの検出と、ステップS3における複数のフレーム画像の取得の順序は、一例であってこれに限られるものではなく、逆であっても良い。
【0039】
次に、角度算出部7cは、動きベクトル検出部7bにより複数のフレーム画像
の間における特徴点の動きベクトルを検出可能であるか否かを判定する(ステップS4)。
ここで、動きベクトルを検出可能であると判定されると(ステップS4;YES)、動きベクトル検出部7bは、画像取得部7aにより取得された複数のフレーム画像
の間における特徴点の動きベクトルを検出する(ステップS5)。
一方、動きベクトルを検出可能でないと判定されると(ステップS4;NO)、角速度検出部6は、3軸角速度センサ6aからの出力信号に基づいて、当該撮像装置100本体のロール軸(第1の軸)
の回りの角速度を検出する(ステップS6)。なお、ロール軸(第1の軸)
の回りの角速度の検出は、当該姿勢推定処理の最中は常に行われても良い。
【0040】
続けて、角度算出部7cは、複数のフレーム画像
の間におけるロール軸(第1の軸)
の回りの相対的な回転角度を算出する(ステップS7)。具体的には、ステップS5にて、動きベクトル検出部7bにより動きベクトルが検出された場合には、角度算出部7cは、検出された動きベクトルに基づいて、複数のフレーム画像
の間におけるロール軸(第1の軸)
の回りの相対的な回転角度を算出する。一方、ステップS6にて、角速度検出部6によりロール軸(第1の軸)
の回りの角速度が検出された場合には、角度算出部7cは、検出されたロール軸(第1の軸)
の回りの角速度に基づいて、ロール軸(第1の軸)
の回りの相対的な回転角度を算出する。
【0041】
そして、方向推定部7dは、角度算出部7cにより算出されたロール軸(第1の軸)
の回りの相対的な回転角度及び加速度検出部5により検出された第1の方向のベクトルに基づいて、カルマンフィルタにより当該撮像装置100のロール軸(第1の軸)
の回りの回転角度を算出し(ステップS8)、算出されたロール軸(第1の軸)
の回りの回転角度から重力方向(第2の方向)を推定する(ステップS9)。
これにより、姿勢推定処理を終了する。
【0042】
以上のように、本実施形態の撮像装置100によれば、3軸加速度センサ5aからの出力信号に基づいて検出された第1の方向のベクトルと、連続して撮像された複数のフレーム画像に基づいて算出された当該複数のフレーム画像
の間におけるロール軸(第1の軸)
の回りの相対的な回転角度と、に基づいて、重力方向(第2の方向)を推定するので、重力方向(第2の方向)の推定に、電力消費量が増大する角速度センサを用いる必要がなくなる。特に、撮像部3により連続して撮像された複数のフレーム画像
の間における特徴点の動きベクトルを検出することで、検出された動きベクトルに基づいて、複数のフレーム画像
の間におけるロール軸(第1の軸)
の回りの相対的な回転角度を算出することができる。そして、算出されたロール軸(第1の軸)
の回りの相対的な回転角度及び第1の方向のベクトルに基づいて、カルマンフィルタにより当該撮像装置100のロール軸(第1の軸)
の回りの回転角度を算出することで、重力方向(第2の方向)を適正に推定することができる。
従って、連続して撮像された複数のフレーム画像を利用して当該複数のフレーム画像
の間におけるロール軸(第1の軸)
の回りの相対的な回転角度を算出することができ、この結果、例えば、手ぶれ補正などにおいて当該撮像装置100の姿勢の推定をより適正に行うことができる。
【0043】
また、複数のフレーム画像
の間における特徴点の動きベクトルを検出不可の場合には、3軸角速度センサ6aからの出力信号に基づいて、ロール軸(第1の軸)
の回りの角速度を検出することで、例えば、特徴点の識別が困難な暗所での撮影や平坦な画像の撮影であっても、3軸角速度センサ6aを用いて検出されたロール軸(第1の軸)
の回りの角速度に基づいて、ロール軸(第1の軸)
の回りの相対的な回転角度を算出することができる。これにより、算出されたロール軸(第1の軸)
の回りの相対的な回転角度を用いて、重力方向(第2の方向)を適正に推定することができる。
【0044】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更を行っても良い。
例えば、第2の方向を重力方向とし、第1の軸を当該撮像装置100のロール軸やピッチ軸としたが、一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
【0045】
また、撮像装置100の構成は、上記実施形態に例示したものは一例であり、これに限られるものではない。さらに、姿勢推定装置として、撮像装置100を例示したが、これに限られるものではない。
【0046】
加えて、上記実施形態にあっては、第1検出手段、取得手段、算出手段、推定手段としての機能を、中央制御部1の制御下にて、加速度検出部5、画像取得部7a、角度算出部7c、方向推定部7dが駆動することにより実現される構成としたが、これに限られるものではなく、中央制御部1のCPUによって所定のプログラム等が実行されることにより実現される構成としても良い。
すなわち、プログラムメモリ(図示略)に、第1検出処理ルーチン、取得処理ルーチン、算出処理ルーチン、推定処理ルーチンを含むプログラムを記録しておく。そして、第1検出処理ルーチンにより中央制御部1のCPUを、加速度センサからの出力信号に基づいて、第1の方向のベクトルを検出する手段として機能させるようにしても良い。また、取得処理ルーチンにより中央制御部1のCPUを、連続して撮像された複数の画像を取得する手段として機能させるようにしても良い。また、算出処理ルーチンにより中央制御部1のCPUを、取得された複数の画像に基づいて、複数の画像
の間における第1の軸
の回りの相対的な回転角度を算出する手段として機能させるようにしても良い。また、推定処理ルーチンにより中央制御部1のCPUを、算出された第1の軸
の回りの相対的な回転角度及び検出された第1の方向のベクトルに基づいて、第1の方向とは異なる第2の方向を推定する手段として機能させるようにしても良い。
【0047】
同様に、第2検出手段、第3検出手段についても、中央制御部1のCPUによって所定のプログラム等が実行されることにより実現される構成としても良い。
【0048】
さらに、上記の各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体として、ROMやハードディスク等の他、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを所定の通信回線を介して提供する媒体としては、キャリアウェーブ(搬送波)も適用される。
【0049】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲とを含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<付記1>
加速度センサからの出力信号に基づいて、第1の方向のベクトルを検出する第1検出手段と、
連続して撮像された複数の画像を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記複数の画像に基づいて、前記複数の画像間における第1の軸回りの相対的な回転角度を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された前記第1の軸回りの前記相対的な回転角度及び前記第1検出手段により検出された前記第1の方向のベクトルに基づいて、前記第1の方向とは異なる第2の方向を推定する推定手段と、
を備えた、
ことを特徴とする姿勢推定装置。
<付記2>
前記取得手段により取得された前記複数の画像間における特徴点の動きベクトルを検出する第2検出手段を更に備え、
前記算出手段は、前記第2検出手段により検出された前記動きベクトルに基づいて、前記複数の画像間における前記第1の軸回りの前記相対的な回転角度を算出することを特徴とする付記1に記載の姿勢推定装置。
<付記3>
角速度センサからの出力信号に基づいて、前記第1の軸回りの角速度を検出する第3検出手段を更に備え、
前記算出手段は、前記第2検出手段により前記動きベクトルを検出不可の場合に、前記第3検出手段により検出された前記第1の軸回りの角速度に基づいて、前記第1の軸回りの前記相対的な回転角度を算出することを特徴とする付記2に記載の姿勢推定装置。
<付記4>
撮像手段を更に備え、
前記第2検出手段は、前記撮像手段により連続して撮像され、前記取得手段により取得された前記複数の画像間における前記特徴点の前記動きベクトルを検出することを特徴とする付記2又は3に記載の姿勢推定装置。
<付記5>
前記推定手段は、前記算出手段により算出された前記第1の軸回りの前記相対的な回転角度及び前記第1検出手段により検出された前記第1の方向のベクトルに基づいて、カルマンフィルタにより当該姿勢推定装置の前記第1の軸回りの回転角度を算出することで、前記第2の方向を推定することを特徴とする付記1〜4の何れか一つに記載の姿勢推定装置。
<付記6>
前記第2の方向は、重力方向であり、
前記第1の軸は、当該姿勢推定装置のロール軸及びピッチ軸のうちの、少なくとも一方を含むことを特徴とする付記1〜5の何れか一つに記載の姿勢推定装置。
<付記7>
姿勢推定装置を用いた姿勢推定方法であって、
加速度センサからの出力信号に基づいて、第1の方向のベクトルを検出する処理と、
連続して撮像された複数の画像を取得する処理と、
取得された前記複数の画像に基づいて、前記複数の画像間における第1の軸回りの相対的な回転角度を算出する処理と、
算出された前記第1の軸回りの前記相対的な回転角度及び検出された前記第1の方向のベクトルに基づいて、前記第1の方向とは異なる第2の方向を推定する処理と、
を含む、
ことを特徴とする姿勢推定方法。
<付記8>
姿勢推定装置のコンピュータを、
加速度センサからの出力信号に基づいて、第1の方向のベクトルを検出する第1検出手段、
連続して撮像された複数の画像を取得する取得手段、
前記取得手段により取得された前記複数の画像に基づいて、前記複数の画像間における第1の軸回りの相対的な回転角度を算出する算出手段、
前記算出手段により算出された前記第1の軸回りの前記相対的な回転角度及び前記第1検出手段により検出された前記第1の方向のベクトルに基づいて、前記第1の方向とは異なる第2の方向を推定する推定手段、
として機能させる、
ことを特徴とするプログラム。