特許第6332270号(P6332270)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6332270電気機械‐流体機械スタンチェフ集合体セット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6332270
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】電気機械‐流体機械スタンチェフ集合体セット
(51)【国際特許分類】
   F01C 1/063 20060101AFI20180521BHJP
   F01C 13/00 20060101ALI20180521BHJP
   F01C 20/04 20060101ALI20180521BHJP
   F04C 29/00 20060101ALI20180521BHJP
   H02K 7/14 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   F01C1/063
   F01C13/00
   F01C20/04
   F04C29/00 D
   F04C29/00 T
   H02K7/14 B
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-524576(P2015-524576)
(86)(22)【出願日】2013年5月22日
(65)【公表番号】特表2015-528877(P2015-528877A)
(43)【公表日】2015年10月1日
(86)【国際出願番号】BG2013000023
(87)【国際公開番号】WO2014019035
(87)【国際公開日】20140206
【審査請求日】2016年3月3日
(31)【優先権主張番号】111282
(32)【優先日】2012年8月3日
(33)【優先権主張国】BG
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515028780
【氏名又は名称】シメオノフ、シメオン スタンチェフ
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】シメオノフ、シメオン スタンチェフ
【審査官】 瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−529470(JP,A)
【文献】 特開平06−050257(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0169777(US,A1)
【文献】 米国特許第04381181(US,A)
【文献】 特開平07−301175(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01C 1/063
F04C 2/063,18/063,29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機械‐流体機械スタンチェフ集合体セットであって、ステータ/本体ユニットと、複数のロータ/ピストンユニットと、電源および電子制御モジュールとを備え、前記ステータ/本体ユニットは、回転容積を形成する2以上の構成要素から構成され、前記回転容積内には、該回転容積の外形に一致する外形の、2セグメントタイプの前記複数のロータ/ピストンユニットが存在し、前記複数のロータ/ピストンユニットは両方が、等しい寸法のものであり、前記複数のロータ/ピストンユニットの中心角度はπラジアン(180°)よりも小さく、前記回転容積を形成する複数の壁には、流体の供給および排出を行う2つの外部エリアに連絡している2つのチャネルが存在し、前記複数のロータ/ピストンユニットには複数の永久磁石が等距離に存在し、前記複数の永久磁石の複数の磁化ラインが前記回転容積の軸と同一線上にあり、また前記回転容積の全長に沿って、複数の磁気ヨークと複数のコイルとで囲われた複数の電磁石が等距離に存在し、前記電磁石の複数の極は、前記複数のロータ/ピストンユニット内の前記複数の永久磁石の前記複数の磁気ヨークの複数の極の軌道と対面し、前記複数の電磁石の前記複数のコイルの複数の終端は、前記電子制御モジュールに、該電子制御モジュールの複数の整流部品を用いて接続され、前記ステータ/本体ユニット内の前記複数の永久磁石付近に複数のポジションセンサが存在し、また距離制御および読み取り用インターフェースが存在し、それにより前記複数の永久磁石の複数の磁場と相互に作用する前記電磁石の複数の磁場が、動作サイクルπラジアン(180°)において等しい量の流体を押し出し、同時に取り込む前記複数のロータ/ピストンユニットの同期化された回転を生じさせるよう、前記電子制御モジュールが前記複数の電磁石の制御を保証し、
前記複数のチャネル(31)は前記回転容積に関して前記複数のチャネル(30)に対向し、前記複数のチャネル(31)および前記複数のチャネル(30)の断面サイズは前記回転容積に関して同一であり、また前記複数のチャネル(31)および前記複数のチャネル(30)の、中心角度および位置も同一であり、前記複数のチャネル(30)は前記複数のチャネル(31)と繋がりを有する電気機械‐流体機械スタンチェフ集合体セット。
【請求項2】
電気機械‐流体機械スタンチェフ集合体セットであって、ステータ/本体ユニットと、複数のロータ/ピストンユニットと、電源および電子制御モジュールとを備え、前記ステータ/本体ユニットは、回転容積を形成する2以上の構成要素から構成され、前記回転容積内には、該回転容積の外形に一致する外形の、2セグメントタイプの前記複数のロータ/ピストンユニットが存在し、前記複数のロータ/ピストンユニットは両方が、等しい寸法のものであり、前記複数のロータ/ピストンユニットの中心角度はπラジアン(180°)よりも小さく、前記回転容積を形成する複数の壁には、流体の供給および排出を行う2つの外部エリアに連絡している2つのチャネルが存在し、前記複数のロータ/ピストンユニットには複数の永久磁石が等距離に存在し、前記複数の永久磁石の複数の磁化ラインが前記回転容積の軸と同一線上にあり、また前記回転容積の全長に沿って、複数の磁気ヨークと複数のコイルとで囲われた複数の電磁石が等距離に存在し、前記電磁石の複数の極は、前記複数のロータ/ピストンユニット内の前記複数の永久磁石の前記複数の磁気ヨークの複数の極の軌道と対面し、前記複数の電磁石の前記複数のコイルの複数の終端は、前記電子制御モジュールに、該電子制御モジュールの複数の整流部品を用いて接続され、前記ステータ/本体ユニット内の前記複数の永久磁石付近に複数のポジションセンサが存在し、また距離制御および読み取り用インターフェースが存在し、それにより前記複数の永久磁石の複数の磁場と相互に作用する前記電磁石の複数の磁場が、動作サイクルπラジアン(180°)において等しい量の流体を押し出し、同時に取り込む前記複数のロータ/ピストンユニットの同期化された回転を生じさせるよう、前記電子制御モジュールが前記複数の電磁石の制御を保証し、
前記複数のチャネル(30)の長さは、前記複数のロータ/ピストンユニットの最も短い複数の円弧に等しく、前記複数のチャネル(30)の最も長い複数の円弧は、前記複数のロータ/ピストンユニットの最も長い複数の円弧に等しい電気機械‐流体機械スタンチェフ集合体セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動作時に以下の従来のユニット、すなわち電気モータ駆動ポンプ、電気モータ駆動圧縮機、および流体モータ駆動発電機の役割に代わる、集合体(グループ化された)セットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許JP2007051611(A)はベーンポンプを特徴とし、その複数のベーンはブラシレスDCアキシャルモータのロータの複数の永久磁石でもある。
【0003】
特許GB2295857Aは2つの追従するピストンを備えた流体機械を特徴とし、これらのピストンは、その回転の半サイクル内で動作する。この複数のピストンの、回転の半サイクル内での作用の同期は、機械的伝達により提供される。
【0004】
既存の(伝統的な)複数のユニット、すなわち電気モータ駆動ポンプ、電気モータ駆動圧縮機、および流体モータ駆動発電機は、複数のシャフトを接続して備える2つのユニットから構成される。これらは構造的に大型で重いユニットであり、ベアリングの安定した位置決め、シャフトとハウジングとの間のシール、振動の減衰、および電気部品の湿気不浸透性が要求される。これらの製造、メンテナンス、および修理はコストがかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、構造的に単純で製造が容易な、高度に調整可能な小型のユニットの開発である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、ステータ/本体ユニットと、複数のロータ/ピストンユニットと、電子制御および電源モジュールとを備える、本書で「電気機械‐流体機械スタンチェフ集合体セット(Electrical machine - Fluid machine Stanchev Aggregation Set)」(EFSAS)と称する「キャットアンドマウス」型の回転機械を開発することにより達成された。
【0007】
EFSASは、そのステータ/本体ユニットが、回転容積を形成する最小で2つの構成要素から構成され、この回転容積の中に2セグメントのロータ/ピストンユニットが存在することを特徴とする。これらのロータ/ピストンユニットの外形は、回転容積の形に対応する。これらのロータ/ピストンユニット両方の幾何学的寸法は等しく、その中心角度はπラジアン(180°)よりも小さい。回転容積を形成している壁にはインとアウトの複数のチャネルが存在し、これらの中心角度は複数のロータ/ピストンユニットの中心角度よりも小さい―ただし等しくてもよい。これらの中心角度が等しいと、吸引および排出の段階で途切れることがなく、流体流が波立つこともない。インとアウトの複数のチャネルに対向して、複数のロータ/ピストンユニットに対する作動流体の半径方向(前向きではない)の力の調整を保証し、それにより複数のロータ/ピストンユニットと回転容積の複数の表面との間の摩擦力を排除する、等しい複数の面を有する他の複数のチャネルを設けることも妥当である。複数のチャネルの各対は2つの外部空間と連絡しており、この外部空間から流体が供給され、またここに排出される。複数のロータ/ピストンユニットには、複数の永久磁石が、その磁化方向が回転容積の軸に平行になるように配向されて互いに等距離に設けられる。複数の電磁石が、回転容積の誘導円(leading circle)の全長に沿って、複数のロータ/ピストンユニット内の複数の永久磁石の極の軌道に一致する複数の極を備えて設けられる。複数の電磁石の複数のコイルの端子は、電子制御モジュールに接続される。モジュール内の複数の電力スイッチング素子を通じて、ステータ/本体ユニット内の複数の永久磁石付近の、複数のロータ/ピストンユニットに対向する複数のポジションセンサと、外部制御用インターフェースと、ディスプレイとで、複数の電磁石の制御を保証する。その複数の磁場が、両方のロータ/ピストンユニットの同期化された回転を誘導し、この回転により回転の半サイクル(πラジアン、180°)で、ある量の流体を均等に排出し、その間にチャージする量の流体をさらに受け入れる。
【0008】
本発明によるEFSASの利点を以下に示す。
【0009】
‐1つのアセンブリに電気モータ駆動ポンプ、電気モータ駆動圧縮機、および流体モータ駆動発電機の動作を組み合わせたことで、EFSASの作業が非常に高い値の、出力/重量および流量/重量比率の実現を明確にすること。
【0010】
‐複数のシャフトを、これが備える複数のベアリングと、複数のシールと、その間のカップリングと共に欠いており、これが、
【0011】
‐複数の材料および複数の構造的要素の削減につながること。
【0012】
‐作動流体の漏出がなく、従って環境汚染がなく、すなわち危険な火災爆発環境内と真空内(例えば、宇宙)において新技術を使用できる可能性があること。
【0013】
‐最小の抵抗モーメント値(摩擦力なし)、すなわちエネルギー効率。
【0014】
‐精密な調節特性を保証する、極小さい回転質量、従って低慣性モーメント。
【0015】
‐駆動するおよび駆動される複数の構成要素の再調整が必要ないこと。
【0016】
‐回転容積内の複数のチャネルの組み合わせによって、複数のロータ/ピストンユニットの2つの対向する壁に対する半径方向の圧力の均等化が保証され、複数のロータ/ピストンユニットと回転容積の壁との間の摩擦力がほんの僅かであること。従って、動作時の摩耗が完全にないこと。
【0017】
‐動作中の複数の部分のアルゴリズムで定義された相対速度;両モードの動作、すなわち電気モータポンプ(圧縮機)および流体モータ(タービン)発電機において、サイクルの、さらには流体流の途切れがないこと;従って、流体力学的および空気力学的な損失、ノイズ、および振動が低減すること。
【0018】
‐ゼロから最大値までの滑らかで正確な複数の流速の制御。
【0019】
‐「設計の体積原理」および動作の電子制御による、作動流体投与の可能性。
【0020】
‐複数のロータ/ピストンユニットの所与の固定位置における、流体流の調整器としてのEFSASの使用。
【0021】
‐以下に起因する、本発明の製造とその修理の極めて高い技術レベル。
【0022】
‐その間で動きがある全ての接触している複数の表面が平坦および円筒状で、その複数の表面の形成および取扱いが容易であること。
【0023】
‐複数の巻線は、EFSASのアセンブリの前に別々の複数のスプールで用意されること。
【0024】
‐EFSASの設計は、ネジ接続アセンブリを用いたモジュラであり、単純な据え付けと迅速なサービスを保証すること。
【0025】
‐複数の動作パラメータの電気制御で、低慣性モーメントと、正確なフィードバックすなわち正確に実行可能な複雑な複数のプログラムモードの実現とに加え、遠隔制御を保証すること。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】90°セグメントが切断されたEFSASの不等角投影図である。
【0027】
図2】広げられたEFSASの不等角投影図である。
【0028】
図3】90°セグメントが切断された、EFSASの電磁系の不等角投影図である。
【0029】
図4】5つの異なる位置でのロータ/ピストンユニット、全サイクル、πラジアン(180°)の位置、複数のロータ/ピストンユニットの時計回りの回転を示した図である。
【0030】
図5】ケージ回転容積を形成する、本体およびコアの不等角投影図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
電気ポンプとして動作するEFSAS(図1)は、ステータと、2つのロータ/ピストンユニットと、電力制御ユニットとを収容する。ステータは、本体1と、コア13と、複数の電磁石‐コイル2、コイルピン5および4(図3)、およびU字状磁石ヨーク‐本体1の複数のパッケージ3およびプレート6および16(図1および図2)の複数のパッケージ7、とを有する。複数のロータ/ピストンユニット11は複数のセグメント本体を含み、これらのセグメント本体の中に、軸方向に磁化された複数の永久磁石12が等距離のところに固定されている。
【0032】
回転容積内の複数のロータ/ピストンユニット11は、複数の滑り継手を用いて複数の間隙を有し、半径方向では本体1およびコア13によって所定位置に制限され、軸方向ではセパレータ14および15(図1および図2)によって所定位置に制限される。複数の巻線5と複数のスプール2が、電力制御モジュール24に電気的接続を提供する複数のピン4に接続される。複数の入力および出力ノズル18、プレート17、プレート16内の複数の開口、セパレータ15および14内の複数の開口、およびコア13内の複数の開口が、複数の外部空間に対し、チャネル30および31、コア13を経て回転容積までの流体圧(空気圧)接続を提供する。プレート19内のネストは、複数の電子部品26とインターフェースコネクタ25とを備えた電力および制御モジュール‐プリント回路基板24を収容する。セパレータ14とプレート6および19とに設けられた複数の軸方向の開口を通じて、複数のピン4はPCB24の複数のコネクタと複数の電磁スプール巻線との間の電気的接触を確保する。複数のロータ/ピストンユニットの複数の永久磁石の前方に対向して軸方向にマウントされ、複数の磁場の変化を検出する、磁気に敏感な4つのトランスデューサ10が、電力制御モジュールの複数のコマンドを用いて複数のロータ/ピストンユニット11のフィードバック制御を管理する。複数のプレート、複数のセパレータ、本体1、およびコア13の向きおよび調整は、ピン22および23によって固定位置で画定される。複数のネジ20によって軸方向に固定される複数のプレートと複数のセパレータとのパッケージは、プレート19の複数の開口内で締結される。電力制御モジュール24は冷却器21でカバーされ、この冷却器はネジ27によってプレート19に固定される。本体1の複数のチャネル31とコア13の複数のチャネル30は、複数のロータ/ピストンユニット11への作動流体の半径方向の力を平衡させる。これらのチャネルは等しい表面接触面積を有し互いに対面している(図5)。
【0033】
本発明の使用
【0034】
2つの動作モード
【0035】
1.直接作用‐「電気モータポンプ(圧縮機)」として、電気で動き、修正された流体出力(移動、圧縮、希釈された)を含む。
【0036】
2.逆作用‐「容積形流体モータ発電機」として、流圧で動き電気を発生させる。
【0037】
直接作用‐電気モータポンプ(圧縮機).
【0038】
EFSASは双方向の動作を有するため、インターフェースコネクタ25から離れた側のカプラ18が入力であり、複数のロータ/ピストンユニット11が、冷却器21から見て時計回りに回転しているモードを検討する。図4の5つのポジションのうちポジション1では、2つのロータ/ピストンユニット11は最初の位置にあり、このとき左側のロータ/ピストンユニットは、左側の軸方向の開口28を通じて入力カプラに接続されている複数の入力チャネルを閉鎖し(図5)、右側のロータ/ピストンユニット11は、開口29を通じて(インターフェースコネクタ25の側の)出力カプラ18に接続されている複数の出力チャネルを閉鎖する。2つのロータ/ピストンユニット11は下の面(図4)で接触しているため、最初の吸引容積はV0である。前の180°のサイクルにおいて複数のロータ/ピストンユニット11の上方の面の間で吸い込まれる流体の容積はVmaxである(V0はVmaxと一致する)。各ロータ/ピストンユニット11上の左側の複数の電磁石によって生成される磁場の作用の影響で、このユニットに時計回りの角運動が与えられる。各ロータ/ピストンユニット11上の右側の複数の電磁石によって生成される電磁場は、このユニットの運動を、左側のロータ/ピストンユニットの角速度よりも遅い角速度に遅延させ、図4のポジション5に到達すると、「運転中の」複数の面は(キャットアンドマウスの原理)点V0で接触することになる。従って、最初の流体容積Vmaxは、容積Vout1、Vout2、Vout3を通過してV0まで減少し、同時にロータ/ピストンユニットの他方の2つの面は互いから引き離され、連続してV0、Vin1、Vin2、およびVin3からVmaxへと到達する。このサイクルにおいて複数のロータ/ピストンユニット11は、流体流の入力/出力のスイッチングを保証する弁として機能する。複数のロータ/ピストンユニット11の反時計回りの回転および逆サイクルの段階的実行において、流体流はその方向を反転させる。
【0039】
逆作用‐容積形流体モータ発電機
【0040】
このモード、ポジション11(図1、2、3、および4)において、最初にこのように機能する2つのロータ/ピストンユニットは、その機能を逆にして、複数のピストン/ロータユニット(流体駆動モータにおける複数のピストン、および発電機における複数のロータ)として動作する。このユニットは双方向の動作を有するため、入力カプラがインターフェースコネクタ25から離れた側に位置する符号18であり、複数のピストン/ロータユニット11が、冷却器21から見た場合に時計回りの方向に回転するケースを検討する。図4の5つのポジションのうちポジション1では、2つのロータ/ピストンユニット11は最初の位置にあり、このとき左のロータ/ピストンユニットは、左の軸方向の開口28を通じて入力カプラに接続されている複数の入力チャネルを閉鎖し(図5)、右側のロータ/ピストンユニット11は、開口29を通じて(インターフェースコネクタ25の側の)出力カプラ18に接続されている複数の出力チャネルを閉鎖する。この状態で、複数のロータ/ピストンユニット11および12の面に加えられる流体流力は存在せず、従ってトルクは生じない。2つのロータ/ピストンユニット11および12は、慣性力の作用により生じる、従って電磁系の力の作用に起因するトルクによって、この状態から脱する。続く複数の段階(図4のポジション2、3、および4から5)では、運動学により、複数のピストン/ロータユニット11の時計回りの回転は変化しないまま維持される(直接モードの動作‐電気モータ/圧縮機と同様)。
図1
図2
図3
図4
図5