(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記補正手段は、前記白色トナーが充填された画像形成ユニットの印字率の合計が前記拡大された印字率となるように、前記白色トナーが充填された画像形成ユニットに印字率を配分する、
ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真式の画像形成装置では、ドラムセット内の感光体ドラムを一様に帯電させて初期化し、この感光体ドラム上に光書込みによって潜像を形成し、この潜像をトナーカートリッジからのトナーによってトナー像化(現像)して、そのトナー像を直接又は間接に被印刷媒体に転写して定着器で定着させる。
【0003】
上記画像形成装置において、Tシャツ、トレーナー、作業服などの布製品や、木材、金属板など被転写媒体に、所望の画像やロゴマークなどの図案を印刷する方法として、剥離性シートに被転写媒体へ熱転写すべき画像(カラートナー像)と被転写媒体への接着の役目をするバインダートナー(転写基材;熱可塑性樹脂)を定着させた熱転写プリントシートを作成する方法が知られている。更に、上記画像形成装置において、黒色など濃色の被転写媒体へ熱転写すべき画像を、白色トナー(以下、ホワイト(W))だけで作成することも行われつつある。
【0004】
白色トナー(以下、ホワイトトナー)だけで画像を作成する場合、例えば、4つの画像形成ユニットを備える画像形成装置において、いずれか1つ、例えば、シアン(C)の画像形成ユニットを1基のホワイト(W)の画像形成ユニットに交換し、該ホワイト(W)だけで構成される画像を印刷することが考えられる。
【0005】
図7(a)は、元画像(カラー)を示すチャート図であり、
図7(b)は、元画像(カラー)を1基のホワイト(W)により形成した白色画像の濃度を示すチャート図である。
図7(a)に示す元画像(カラー)100において、上段には、縦方向に上から下に向けてシアン(C)の濃度がC0(0%)、C5(5%)、C10(10%)、…、C90、横方向に右から左に向けてマゼンタ(M)の濃度がM0(0%)、M5(5%)、M10(10%)、…、C90(90%)となり、各交差ブロックは、シアン(C)とマゼンタ(M)との混合色となっている。
【0006】
なお、
図7(a)の上段では、濃度の違いを斜線の数で表しており、左上から右下への斜線がマゼンタ(M)を表し、右上から左下への斜線がシアン(C)を表している。また、
図7(a)の下段には、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、グリーン(G)、レッド(R)、ブルー(B)のカラーパッチ部を配置している。カラーパッチ部では、ハッチングの違いによって色の違いを表している。
【0007】
図7(a)に示す元画像(カラー)100から単純に1基のホワイト(W)で黒地の被転写媒体上に白色画像を形成した場合、
図7(b)に示す白色画像110が得られる。例えば、シアン(C)をホワイト(W)に換装した場合には、シアン(C)だけの画像データを用いてホワイト(W)による白色画像110が得られる。この場合、元画像(カラー)100において色味による明るさの差、すなわち輝度が高い色ほどホワイト(W)の載り量が少なくなり(下地の色が透ける)、輝度が低い色ほどホワイト(W)の載り量が多くなる。
【0008】
なお、
図7(b)の上段には、濃度(モノクロ)の違いを斜線の数で表している。また、
図7(b)の下段のパッチ部には、白色画像110の濃度を示している(対応する色を括弧内のアルファベットで示している)。カラーチャートと同様に、濃度の違いをハッチングの違いによって表している(最下段の濃度指標を参照)。この場合、イエロー(Y)に対応するホワイト(W)の濃度が低く(載り量が少なく)、下地の色が現われており、ブラック(K)とブルー(B)に対応するホワイト(W)の濃度が高くなっている(載り量が多くなっている)。一方、マゼンタ(M)、グリーン(G)、レッド(R)に対応するホワイト(W)については同じような濃度になり、色の差が再現できなくなる。
【0009】
図8(a)は、元画像(カラー)100をグレースケール変換した画像の濃度を示すチャート図であり、
図8(b)は、グレースケール変換された画像に基づいて1基のホワイト(W)で形成した白色画像の濃度を示すチャート図である。
図7(a)に示す元画像(カラー)100のカラーチャートを、グレースケール変換すると、
図8(a)に示すグレースケールイメージ120が得られる。また、
図8(a)に示すグレースケールイメージ120に基づいて1基のホワイト(W)でホワイト(W)で黒地の被転写媒体上に白色画像を形成すると、
図8(b)に示す白色画像130が得られる。
【0010】
グレースケール変換した場合、
図8(a)に示すように、グレースケールイメージ120においては、上段のシアン(C)とマゼンタ(M)との混合色については、その濃度変化が比較的忠実に再現されている。下段のパッチ部には、元画像(カラー)100のカラーチャートのカラーパッチ部におけるグレースケール変換後の印字率(純黒を100%としたときのグレースケール値)を示している。グレースケール変換後の印字率は、ブラック(K)で95%、ブルー(B)で96%と100%に近い値を示している。
【0011】
図8(a)に示す100%に近い値を示している、パッチ部のブラック(K)や、ブルー(B)については、白紙にブラック(K)でモノクロ印刷してみると、ほぼ純黒に近い黒となって印刷される。しかしながら、黒地に1基のホワイト(W)の画像形成ユニットで印刷すると、
図8(b)に示すように、白色画像130においては、ホワイト(W)に下地の黒が透けてしまい、ブラック部(K)、ブルー部(B)でも十分な白色度は得られない。図では、間隔の粗い斜線で示している。十分な白色度が得られる場合には、「白(斜線なし)」となる(最下段の濃度指標を参照)。
【0012】
このように、1基のカラートナーの画像形成ユニットを1基のホワイト(W)の画像形成ユニットに交換しただけでは、ホワイト(W)の載り量が不十分なため、黒等の濃色の被転写媒体に転写した場合、下地隠蔽性が不足してしまい、白色度や階調再現性が十分に得られない。
【0013】
そこで、例えば、特許文献1には、ホワイト(W)による印刷時の白色度不足を解消するために、ホワイト(W)の画像形成ユニットを2〜4基装着し、4色積層形式のブラックで印刷を行う技術や、2〜3色積層形式のカラーで印刷を行う技術が提案されている。4色積層形式でのブラック印刷ができない画像形成装置に関しては、こげ茶色、藍色などで印刷を行うことが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、上述した特許文献1の従来技術では、印刷時の白色度不足を解消するために、ホワイト(W)の載り量を増やす技術であり、元画像(カラー)の階調再現性に近い白色画像を得ることを目的としていないため、下地隠蔽性を確保することは可能であるが、元画像(カラー)の階調再現性を得ることはできない。
【0016】
そこで、上述した特許文献1の従来技術で提案されているように、全てのカラー(CMY)の画像形成ユニット(3基)を、ホワイト(W)の画像形成ユニット(3基)に換装し、下地隠蔽性を確保しつつ、高い階調再現性を得る方法について考察する。
【0017】
図9は、3基のホワイト(W)の画像形成ユニットを用いてグレースケール変換なしで印刷した白色画像の濃度を示すチャート図である。全てのカラー(CMY)の画像形成ユニットを、それぞれホワイト(W)の画像形成ユニットに換装し、
図7(a)に示すカラーチャートで表される元画像(カラー)100のデータを用いて、そのまま(シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のイメージのまま)3基のホワイト(W)の画像形成ユニットで黒地の被転写媒体上に印刷した場合、
図9に示す白色画像140が得られる。
図9に示すように、極めて高い白色度が得られるが、下段のパッチ部から明らかなように、色の違いがほとんど分からなくなっている。
【0018】
これは、
図7(a)に示すカラーチャートで表される元画像(カラー)100のカラーパッチ部のCMY値をそのままホワイト(W)の濃度で置き換えて重ね打ちしたことになり、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナー量に差が出ず、色味による明るさの差(輝度)を再現できなかったためである。つまり、イエロー(Y)の100%もシアン(C)の100%も同じ濃度のホワイト(W)になるからである。同様に「イエロー(Y)50%+マゼンタ(M)50%」のレッド(R)と「マゼンタ(M)50%+シアン(C)50%」のブルー(B)も同じ濃度のホワイト(W)になってしまうため、色の差が再現できなくなる。
【0019】
また、特許文献1の従来技術においては、4色積層形式のブラックで印刷を行う技術が提案されている。これはモノクロ画像を4色混合のいわゆるプロセスブラックで印刷する技術であると考えられる。
【0020】
図10(a)は、元画像(カラー)100のCMYの3色をグレースケール変換した画像の濃度を示すチャート図であり、
図10(b)は、3基のホワイト(W)の画像形成ユニットを用いてグレースケール変換した画像データに基づいて形成した白色画像の濃度を示すチャート図である。
図7(a)に示すカラーチャートで表される元画像(カラー)100をCMYの3色をそれぞれグレースケール変換すると、
図10(a)に示すように、色味による明るさの差(輝度)を明度に反映したグレースケールイメージ150が生成される(
図8(a)と同じ)。下段のパッチ部の数値は、そのグレーを構成するCMY値である。すなわち、CMYの3色でグレー(黒の階調)を表現するには、CMYを適切な割合で混合して印刷しなくてはならない。このCMYの割合がCMY値である。言い換えると、上記グレースケール変換で得られるグレースケールイメージ150は、CMYの3色で実現するためのCMY値として導出される。図示の例では、例えば、ブラック(K)は、シアン(C)が82、マゼンタ(M)が73、イエロー(Y)が74で構成されている。同様に、例えば、イエロー(Y)は、シアン(C)が10、マゼンタ(M)が6、イエロー(Y)が6で構成されている。
【0021】
図10(a)に示すグレースケールイメージを3基のホワイト(W)の画像形成ユニットで黒地の被転写媒体上に印刷すると、
図10(b)に示すように、輝度差を階調で再現でき、かつ濃色部の白色度が十分な白色画像160が得られる。しかしながら、ここで得られたグレースケールイメージ150の各濃度のグレーを構成するCMY値は、
図10(a)のパッチ部に示すように等量ではない。このCMY値は、色味が偏らないバランスの良いグレーを再現するためにCMY各色の配合量が調整された値であって、シアン(C)がやや多めでマゼンタ(M)、イエロー(Y)が少なめの配合になっている。このCMY値で同色の3基のホワイト(W)を重ね打ちして得られる白色画像160の諧調再現は、
図10(b)に示すように、
図10(a)に示すグレースケールイメージ150の正確な反転イメージにはならない。
【0022】
このように、特許文献1の従来技術、更には特許文献1の技術を拡張しても、元画像がカラーの場合には、ホワイト(W)の単色で白色画像を印刷した場合には、元画像(カラー)100の階調性を再現するのは困難であった。
【0023】
そこで本発明は、ホワイトトナーによる画像形成に際して、高い下地隠蔽性を確保することができるとともに、高い階調再現性を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
この発明に係る画像形成装置は、複数の画像形成ユニットを装着可能な画像形成装置であって、カラー画像データに基づいてグレースケール画像データを生成する生成手段と、前記生成手段により生成されたグレースケール画像データ
に係る印字率を当該画像形成装置の総印字率と白色トナーが充填された画像形成ユニットの装着数に基づいて補正する補正手段と、前記補正手段により補正された
前記印字率に基づいて前記白色トナーからなる画像パターンを形成させる制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0025】
この発明に係る画像形成装置は、
画像形成ユニットを装着可能な画像形成装置であって、印刷対象のカラー画像をグレースケール変換して単色の印字率で表される単色グレースケール画像を生成する第1の変換手段と、前記第1の変換手段によって生成された前記単色グレースケール画像の印字率を当該画像形成装置の総印字率と白色トナーが充填された画像形成ユニットの数とに基づいて補正する補正手段と、前記単色グレースケール画像を、前記補正手段によって補正された印字率で、前記白色トナーが充填された画像形成ユニットを用いて印字することによって白色画像を形成する画像形成制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0026】
この発明に係る白色画像形成方法は、印刷対象のカラー画像をグレースケール変換して単色の印字率で表される単色グレースケール画像を生成するステップと、前記生成された単色グレースケール画像の印字率を画像形成装置の総印字率と白色トナーが充填された画像形成ユニットの数とに基づいて補正するステップと、前記単色グレースケール画像を、前記補正された印字率で、前記白色トナーが充填された画像形成ユニットを用いて印字することによって白色画像を形成するステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
この発明によれば、ホワイトトナーによる画像形成に際して、高い下地隠蔽性を確保することができるとともに、高い階調再現性を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0030】
A.実施形態の構成
図1は、本発明の実施形態による画像形成装置1の内部構成を示す断面図である。図において、本実施形態の画像形成装置1は、用紙(被印刷媒体)に直接トナー像を転写する方式ではなく、一旦、中間転写ベルトにトナー画像を転写し、二次転写部まで鉛直方向に搬送される用紙に中間転写ベルトを介してトナー像を二次転写する方式となっている。しかしながら、本発明は、二次転写する方式に限らず、例えば、用紙に直接トナー像を転写する方式など、他の転写方式にも適用できるものである。
【0031】
画像形成装置1は、画像形成部2、両面印刷用搬送ユニット3、給紙部4、及び定着部5で構成されている。画像形成部2は、4個の画像形成ユニット6(6−1、6−2、6−3、6−4)を多段式に並設した構成からなり、画像形成ユニット6毎に不図示のステーション(スロット)に着脱可能となるように構成されている。
【0032】
上記3個の画像形成ユニット6−1、6−2及び6−3は、それぞれ減法混色の三原色であるシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の色トナーによるモノカラー画像を形成する。上記3個の画像形成ユニット6−1、6−2、6−3に続く4番目の画像形成ユニット6−4は、ブラック(K)のトナーによるモノクロ画像を形成する。
【0033】
画像形成ユニット6の下方には、感光体ドラム7の下面に中間転写ベルト14が近接して位置するように配置されている。そして、この中間転写ベルト14を間に挟んで、導電性発泡スポンジから成る一次転写ローラ15が感光体ドラム7の下面を押圧するように配置されている。中間転写ベルト14は、導電性カーボン又はイオン伝導物質を含有した樹脂製の導電性のシート状部材からなり、本体装置のほぼ中央で図の左右のほぼ端から端まで扁平なループ状になって延在する無端状の転写ベルトである。
【0034】
中間転写ベルト14は、駆動ローラ16と従動ローラ17に掛け渡されて、駆動ローラ16により図の反時計回り方向に循環駆動され、図の矢印a、b、cで示す反時計回り方向に循環移動する。画像形成ユニット6によって形成されたトナー像は、感光体ドラム7の回転に伴われて、一次転写ローラ15によって中間転写ベルト14のベルト面に直接転写(一次転写)される。中間転写ベルト14は、ベルト面に直接転写(一次転写)されたトナー像を、更に用紙22に転写(二次転写)すべく用紙22への転写位置まで搬送する。中間転写ベルト14には、表面に当接してベルトクリーナ20が配置されている。ベルトクリーナ20は、二次転写後の中間転写ベルト14上から残留トナーを除去する。
【0035】
ベルト位置制御機構18は、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の3個の画像形成ユニット6−1、6−2及び6−3に対応する3個の一次転写ローラ15を鉤型の支持軸を中心に同一周期で回転移動させる。そして、ベルト位置制御機構18は、ブラック(K)の画像形成ユニット6−4に対応する1個の一次転写ローラ15を上記3個の一次転写ローラ15と異なるタイミングで回転移動させて中間転写ベルト14を感光体ドラム7から離接させる。
【0036】
すなわち、ベルト位置制御機構18は、中間転写ベルト14の位置を、フルカラーモード(4個全部の一次転写ローラ15が中間転写ベルト14に当接)、モノクロモード(画像形成ユニット6−4に対応する一次転写ローラ15のみが中間転写ベルト14に当接)、及び全非転写モード(4個全部の一次転写ローラ15が中間転写ベルト14から離れる)に切換える。
【0037】
給紙部4は、上下2段に配置された2個の給紙カセット21を備えている。給紙部4の給紙カセット21のいずれか一方、あるいは双方には多枚数のカット紙状の用紙22が収容されている。2個の給紙カセット21の給紙口(図の右方)近傍には、それぞれ給紙ローラ23、給送ローラ25、捌きローラ26、待機搬送ローラ対27が配置されている。用紙22は、給紙ローラ23の一回転によって、一枚毎に給紙カセット21から搬出され、給送ローラ25及び捌きローラ26を通って待機搬送ローラ対27に給送される。
【0038】
待機搬送ローラ対27の用紙搬送方向(図の鉛直上方向)には、中間転写ベルト14を介して従動ローラ17に圧接する二次転写ローラ30が配設されている。これら中間転写ベルト14、従動ローラ17及び二次転写ローラ30により、用紙22への二次転写部が形成されている。
【0039】
この二次転写部の下流(図では上方)側には、ベルト式熱定着ユニットからなる定着部5が配置されている。定着部5の更に下流側には、定着後の用紙を定着部5から搬出する搬出ローラ対31、搬出される用紙を装置上面に形成されている排紙トレー32に排紙する排紙ローラ対33が配設されている。
【0040】
両面印刷用搬送ユニット3は、搬出ローラ対31と排紙ローラ対33との中間部の搬送路から図の右横方向に分岐した返送路を備えている。この返送路は、開始返送路34a、下方に曲がる中間返送路34b、左横方向に曲がって最終的に返送用紙を反転させる終端返送路34c、及びこれら返送路の途中に配置された4組の返送ローラ対35a、35b、35c、35dを備えている。上記終端返送路34cの出口は、給紙部4の下方の給紙カセット21に対応する待機搬送ローラ対27への搬送路に連絡している。
【0041】
なお、
図1に示す画像形成装置1は、中間転写ベルト14に一次転写したトナー画像を、当該中間転写ベルト14を介して用紙22に二次転写する方式であったが、これに限らず、用紙22に直接トナー像を転写する方式であってもよい。
【0042】
次に、画像形成ユニット6について説明する。
各画像形成ユニット6−1〜6−4は、トナーカートリッジ19に収容されたトナーの色や種類を除けば同じ構成である。したがって、以下、画像形成ユニット6については、画像形成ユニット6−4を例にしてその構成を説明する。
【0043】
画像形成ユニット6は、前述したように、ステーション(スロット)に着脱可能なドラムセット11と、同様にステーション(スロット)に着脱可能に構成され、対応するドラムセット11に嵌合するトナーカートリッジ19とからなる。ドラムセット11は、最下部に感光体ドラム7を備えている。この感光体ドラム7は、その周面が例えば有機光導電性材料で構成されている。この感光体ドラム7の周面に接して又は近傍を取り巻いて、クリーナ8、帯電ローラ9、光書込ヘッド10、及び現像ローラ12等からなる現像器が配置されている。
【0044】
また、トナーカートリッジ19には、同図ではC、M、Y、Kで示すように、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)のいずれかのトナーが収容されている。そして、トナーカートリッジ19の下部には、トナーカートリッジ19からドラムセット11に向けてトナーを補給するトナー補給機構が設けられている。
【0045】
また、ドラムセット11は、下部の側面開口部に上述した現像ローラ12が配置されているとともに、トナー攪拌部材、現像ローラ12にトナーを供給するトナー供給ローラ13、現像ローラ12上に載ったトナー層を一定の層厚に規制するドクターブレード等を備えている。感光体ドラム7の帯電ローラ9とドラムセット11との間に位置する上面に近接して、本体装置側の光書込ヘッド10が配置されている。
【0046】
感光体ドラム7は、図の時計回り方向に回転する。そして先ず帯電ローラ9からの電荷付与により、感光体ドラム7の周面が一様に帯電して初期化される。次に、印字情報に基づく光書込ヘッド10からの光書き込みにより、感光体ドラム7の周面に静電潜像が形成される。
【0047】
そして、この静電潜像は、現像ローラ12による現像処理によって、トナーカートリッジ19に収容されていたトナーによりトナー像化(現像)される。感光体ドラム7の周面に現像されたトナー像は、感光体ドラム7の回転に伴われて、上述した一次転写ローラ15によって中間転写ベルト14のベルト面に直接転写(一次転写)される。
【0048】
図2は、本実施形態による画像形成装置1に装着するトナーの組み合わせを示す概念図である。本実施形態では、ホワイト(W)の単色で熱転写用の白色画像を形成する場合、
図1に示すシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、それぞれの画像形成ユニット6−1、6−2、6−3をホワイト(W)の画像形成ユニット6−5、6−6、6−7に交換し、ブラック(K)の画像形成ユニット6−4をバインダー(B)の画像形成ユニット6−8に交換する。すなわち、3基の画像形成ユニット6−5、6−6、6−7でホワイト(W)により白色画像を形成する。なお、この場合、バインダー(B)の画像形成ユニット6−8が装着されているが、説明を簡単にするために、バインダー(B)での印刷は行なわないものとする。
【0049】
図3は、本実施形態による画像形成装置1の制御装置を含む回路ブロック図である。
図3に示すように、回路ブロック39は、CPU(central processing unit)40を中心にして、このCPU40に、それぞれデータバスを介してインターフェイスコントローラ(I/F_CONT)41及びプリンタコントローラ(PR_CONT)42が接続されている。PR_CONT42にはプリンタ印字部43が接続されている。
【0050】
また、CPU40には、ROM(read only memory)44、EEPROM(electrically erasable programmable ROM)45、本体操作部の操作パネル46、各部に配置されたセンサからの出力が入力されるセンサ部47が接続されている。
【0051】
ROM44には、システムプログラムが記憶され、CPU40は、このシステムプログラムに従って各部を制御して処理を行う。
【0052】
I/F_CONT41は、例えばパーソナルコンピュータ等のホスト機器から供給される印字データをビットマップデータに変換し、フレームメモリ48に展開する。
【0053】
フレームメモリ48は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)ごとに記憶エリアが設定されており、各色のデータが対応するエリアに展開される。フレームメモリ48に展開されたデータはPR_CONT42に出力され、PR_CONT42からプリンタ印字部43に出力される。なお、ホワイト(W)により画像形成を行う場合には、入れ替えた色に対応する記憶エリアを用いて、ホワイト(W)のデータが展開される。すなわち、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の記憶エリアに展開されたデータに基づいてホワイト(W)による白色画像が印字される。
【0054】
プリンタ印字部43は、PR_CONT42からの制御の下で、
図1に示した感光体ドラム7等を含む不図示の回転駆動系、帯電ローラ9、光書込ヘッド10等の被駆動部を有する画像形成部2、中間転写ベルト14の上下移動を駆動するベルト位置制御機構18を備えている。
【0055】
そして、プリンタ印字部43は、通常のカラー印刷においては、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色の画像データをそれぞれ対応する
図1に示した光書込ヘッド10に供給する。また、プリンタ印字部43は、ホワイト(W)による白色画像の印刷時には、後述する黒単色グレースケール変換された、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)に対応する画像データをそれぞれ対応するホワイト(W)の画像形成ユニット6−5〜6−7の光書込ヘッド10に供給する。また、プリンタ印字部43は、現像部49を介し、光書込ヘッド10による画像データに基づく感光体ドラム7への静電潜像の形成と、形成された静電潜像に対応するカラー(YMC)又はホワイト(W)のトナーでの現像を制御する。
【0056】
更に、プリンタ印字部43は、定着部50を介し、定着部5の熱ローラに内蔵される発熱部への印加電圧、熱ローラを押圧する押圧ローラの加圧力調整等の各種の制御を行う駆動出力を制御する。更に、プリンタ印字部43は、ベルト駆動部51を介し、中間転写ベルト14のベルト位置制御機構18の上下移動や、中間転写ベルト14を循環移動させる駆動ローラ16の回転駆動などを行う駆動出力を制御する。
【0057】
CPU40は、通常のカラー印刷においては、所定のタイミングで、フレームメモリ48に格納されている、3色の画像によるトナー像を転写すべく、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の各色の画像データをPR_CONT42に出力する。PR_CONT42は、当該所定のタイミングで、プリンタ印字部43にシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の各色の画像データを出力する。
【0058】
プリンタ印字部43は、当該所定のタイミングで、画像形成ユニット6−1〜6−3を印字状態に設定し、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の各色の画像データを画像形成ユニット6−1〜6−3の光書込ヘッド10に供給し、用紙22上にシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)によるトナー像を転写させる。更に、プリンタ印字部43は、用紙22に転写された、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)によるトナー像を定着させる。
【0059】
また、CPU40は、ホワイト(W)による白色画像を印刷する場合(すなわち、熱転写シートへのホワイト(W)による画像形成)、所定のタイミングで、フレームメモリ48に格納されている、YMCの3色の画像データを読み込み、黒単色グレースケール変換することによって、元画像(カラー)100の色味による明るさの差(輝度)を明度に反映したグレースケールイメージを生成する。
【0060】
また、CPU40は、上記クレースケールイメージに対して、転写性能、定着性能の制限などから規定されるトナーの重なりの総印字率(本実施形態では最大240%)に基づいてCMYのトナー量の割り合いを補正する。CPU40は、所定のタイミングで、黒単色グレースケール変換され、上記CMYのトナー量の割り合いが補正されたグレースケールイメージのデータをPR_CONT42に出力する。
【0061】
PR_CONT42は、当該所定のタイミングで、プリンタ印字部43に黒単色グレースケール変換され、CMYのトナー量の割り合いが補正されたシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の各色の画像データを出力する。プリンタ印字部43は、当該所定のタイミングで、画像形成ユニット6−1〜6−3を印字状態に設定し、黒単色グレースケール変換され、CMYのトナー量の割り合いが補正されたシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の各色の画像データを画像形成ユニット6−5〜6−7の光書込ヘッド10に供給し、不図示の熱転写シート上にホワイト(W)によるトナー像を転写させる。更に、プリンタ印字部43は、不図示の熱転写シート上に転写された、ホワイト(W)によるトナー像を定着させる。
【0062】
B.実施形態の動作
次に、本発明の実施形態による動作について説明する。
図4(a)、(b)は、本実施形態の画像形成装置1による黒単色グレースケール変換処理を説明するためのチャート図である。本実施形態では、
図7(a)に示すカラーチャートで表される元画像(カラー)100を、黒単色グレースケール変換する。これにより、
図4(a)に示すグレースケールイメージ170が得られる。本実施形態において、黒単色グレースケール変換されたことで得られるグレースケールイメージ170は、単色で実現するための黒印字率として導出される。
【0063】
すなわち、ブラック(K)は95%、イエロー(Y)は13%、マゼンタ(M)は66%、シアン(C)は51%、グリーン(G)は64%、レッド(R)は70%、そして、ブルー(B)は96%である。この黒印字率は、純ブラック(カラーコード#000000)を100%としたときの各グレーの黒印字率である。このグレースケールイメージ170のパッチ部の黒印字率は、図示するように、色の輝度を反映したグレー階調を再現したものになっている。
【0064】
さて、本実施形態では、転写性能、定着性能の制限などから、トナーの重なりの総印字率を最大240%としている。CMY3色でブラックを表現する場合でも、各色100%である必要は無く、CMY合計240%程度でバランスを取ることで、十分なブラック再現を得ることが可能である。このことから、
図4(a)に示す黒印字率に基づいて、最大240%まで総印字量を拡張し、そのトナー量をCMY3色に、すなわち3基のホワイト(W)の画像形成ユニット6−5、6−6、6−7に振り分けるという補正を行う。
【0065】
図4(a)に示すグレースケールイメージ170の印字率を[G1]とする。総印字率(240%)までの拡張後の印字率を[G2]とする。総印字率(240%)に基づいて、CMYに対する3基の画像形成ユニット6−5〜6−7で印字するグレースケールイメージ170におけるトナー量の配分を補正する。補正後の印字率をそれぞれ[Gc][Gm][Gy]とすると、変換式は、以下のように表される。
【0066】
総印字率=240%
G2=240×[G1]/100
Gc=[G2]/3
Gm=[G2]/3
Gy=[G2]/3
【0067】
つまり、グレー印字率のレンジを100%から総印字率である240%に拡張し、それを3基の画像形成ユニット6−5〜6−7に均等に配分するということである。この結果、
図4(b)に示すグレースケールイメージ180となる。すなわち、ブラック(K)は76%、イエロー(Y)は10%、マゼンタ(M)は53%、シアン(C)は41%、グリーン(G)は51%、レッド(R)は56%、そして、ブルー(B)は77%となる。例えば、
図4(b)のブラック(K)の場合には、シアン(C)の印字率を76%、マゼンタ(M)の印字率を76%、イエロー(Y)の印字率を76%にするということである。
図4(b)のイエロー(Y)の場合には、シアン(C)の印字率を10%、マゼンタ(M)の印字率を10%、イエロー(Y)の印字率を10%にする。そして、
図4(b)に示すグレースケールイメージ180の補正後の印字率に基づいて、それぞれの画像形成ユニット6−5〜6−7でホワイト(W)によって白色画像の形成を行う。
【0068】
図5は、本実施形態による画像形成装置1において黒単色グレースケール変換され、CMYのトナー量の割り合いが補正されたグレースケールに基づいて形成した白色画像の濃度を示すチャート図である。
図5の上段には、
図4(b)に示す、総印字率(240%)に基づいてトナー量の配分が補正されたCMYに対するグレースケールイメージ180に基づいて、3基のホワイト(W)のトナーの画像形成ユニット6−5〜6−7のそれぞれで黒地の被転写媒体上に印刷された白色画像190、200、210を示している。
【0069】
これらCMYに対するホワイト(W)による白色画像190、200、210を重ねて転写定着することで、
図5の下段に示す白色画像220が形成される。この結果、濃色部のホワイト(W)の載り量を確保することができるとともに、単色イメージとして正確な階調再現性を実現できる。
【0070】
図6は、本実施形態による画像形成装置1の動作(単色画像印刷処理)を説明するためのフローチャートである。画像形成装置1にプリントイメージ入力されると(ステップS10)、CPU40は、ユーザにより操作パネル46からホワイト(W)を用いた白色印刷が指示されたか否かを判断する(ステップS12)。
【0071】
なお、白色印刷が指示されていない場合には、
図1に示すように、画像形成装置1には、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の画像形成ユニット6−1〜6−4が装着されていることを意味し、白色印刷が指示された場合には、
図2に示すように、画像形成装置1には、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の画像形成ユニット6−1〜6−2に代えて、ホワイト(W)の画像形成ユニット6−5〜6−7が装着されていることを意味する。
【0072】
そして、ホワイト(W)を用いた白色印刷が指示されていない場合には(ステップS12のNO)、CPU40は、入力されたプリントイメージをデータ解析し、それがカラーイメージであるかモノクロイメージであるかを判断する(ステップS14)。なお、カラーを混合したプロセスブラックで形成されたイメージはカラーイメージとみなす。
【0073】
そして、カラーイメージである場合には(ステップS14の「カラー」)、CPU40は、通常のグレースケールイメージ変換処理を行う(ステップS16)。ここで言う通常のグレースケールイメージ変換処理とは、グレースケールをシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の3色で出力できるようCMY値を導出する処理である(
図10参照)。この結果、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の3色のCMY値で表されるグレースケールイメージが得られる。その後、ステップS26に進む。
【0074】
一方、モノクロイメージである場合には(ステップS14の「モノクロ」)、CPU40は、グレースケール変換処理を実施せず、ステップS26に進む。
【0075】
次に、CPU40は、4基の画像形成ユニット6−1〜6−4の各々に対して、グレースケールイメージ(CMY値)を出力し、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及びブラック(K)で構成されたプリントイメージ(黒色)を生成する(ステップS26)。
【0076】
次に、CPU40は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及びブラック(K)の画像形成ユニット6−1〜6−4で画像形成されたプリントイメージ(黒色)を出力する(ステップS28)。すなわち、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及びブラック(K)を用いて出力されたトナー像が中間転写ベルト14上で重ねられ、合算された黒色のトナー像が二次転写ローラ30により用紙22上に転写・定着されて出力される。
【0077】
一方、ホワイト(W)を用いた白色印刷が指示された場合には(ステップS12のYES)、CPU40は、入力されたプリントイメージをデータ解析し、それがカラーイメージであるかモノクロイメージであるかを判断する(ステップS18)。なお、カラーを混合したプロセスブラックで形成されたイメージはカラーイメージとみなす。
【0078】
そして、カラーイメージである場合には(ステップS18の「カラー」)、CPU40は、黒単色グレースケールイメージ変換処理を行う(ステップS20)。黒単色グレースケールイメージ変換処理では、
図4(a)に示すように、単色で実現するための黒印字率を導出する。その後、ステップS22に進む。
【0079】
一方、モノクロイメージである場合には(ステップS18の「モノクロ」)、CPU40は、単色グレースケール変換処理を実施せず、ステップS22に進む。
【0080】
次に、CPU40は、上述したように、総印字率(例えば240%)に基づいて、黒単色グレースケールイメージ変換されたグレースケールイメージ170におけるトナー量の配分(印字率)を補正する(ステップS22)。この結果、
図4(b)に示すグレースケールイメージ180が得られる。
【0081】
次に、CPU40は、補正配分されたグレースケールイメージ180を、CMYの全イメージデータとして設定する(ステップS24)。すなわち、シアン(C)、マゼンタ(M)、及びイエロー(Y)を同一のイメージデータとする。
【0082】
次に、CPU40は、3基の画像形成ユニット6−5〜6−7の各々に対して、補正配分されたグレースケールイメージ180を出力し、
図5の上段に示すようなシアン(C)、マゼンタ(M)、及びイエロー(Y)毎の白色画像190、200、210を生成する(ステップS26)。
【0083】
次に、CPU40は、ホワイト(W)の画像形成ユニット6−5〜6−7で画像形成されたプリントイメージ(白色)を出力する(ステップS28)。すなわち、3基のホワイト(W)を用いて出力されたトナー像が中間転写ベルト14上で重ねられ、合算された白色のトナー像が二次転写ローラ30により不図示の熱転写シート上に転写・定着されて出力される。最終的に、ホワイト(W)のトナーだけからなる、
図5の下段に示す白色画像220が得られる。
【0084】
この結果、ホワイト(W)の画像形成ユニット6−5、6−6、6−7を用いて、黒等の濃色の被転写媒体に転写した場合であっても、十分な載り量によって、高い白色度、高い下地隠蔽性を確保することができる。また、元画像がカラーであっても、高い階調再現性でホワイト(W)のトナーだけからなる白色画像220を印刷することができる。
【0085】
なお、上述した実施形態では、3基のホワイト(W)の画像形成ユニット6−5〜6−7を装着するようにしたが、1基当たりのトナーの載り量が比較的多い場合、すなわち所望するトナー載り量を2基の画像形成ユニットで得られるのであれば、2基の画像形成ユニット6−5、6−6で白色画像を印刷するようにしてもよい。また、3基の画像形成ユニット6−5〜6−7で所望するトナー載り量を得られない場合には、4基の画像形成ユニットで白色画像を印刷するようにしてもよい。
【0086】
また、上述した実施形態では、3基のホワイト(W)の画像形成ユニット6−5〜6−7に対して同じトナー量の配分(印字率)となるように設定したが、画像形成装置1では、トナーカートリッジ19に充填されている残トナー量を把握しているので、3基の画像形成ユニット6−5〜6−7のそれぞれに充填されている残トナー量が異なっている場合には、ホワイト(W)の残トナー量が多い画像形成ユニットとホワイト(W)の残トナー量が少ない画像形成ユニットとでトナー量の配分(印字率)を変えるようにしてもよい。すなわち、ホワイト(W)の残トナー量が多い画像形成ユニットに対しては、多めのトナー量の配分(印字率)とし、残トナー量が少ない画像形成ユニットに対しては、少なめのトナー量の配分(印字率)とすればよい。これにより残トナー量を均一化することができる。
【0087】
上述した実施形態によれば、元画像(カラー)をグレースケール変換して単色の印字率で表されるグレースケール画像170を生成し、該グレースケール画像170の印字率を当該画像形成装置1の総印字率とホワイト(W)が充填された画像形成ユニット6−5〜6−7の数とに基づいて補正し、補正された印字率のグレースケール画像180を、ホワイト(W)が充填された画像形成ユニット6−5〜6−7を用いて印字することによって白色画像220を形成するようにしたので、ホワイトトナーによる画像形成に際して、十分な載り量で高い下地隠蔽性を確保することができるとともに、高い階調再現性を実現することができる。
【0088】
また、上述した実施形態によれば、ホワイト(W)が充填された画像形成ユニット6−5〜6−7は、色トナーが充填された画像形成ユニット6−1〜6−3に代えて装着されており、補正された印字率のグレースケール画像180を、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の印字率として設定するようにしたので、ホワイトトナーによる画像形成に際して、十分な載り量で高い下地隠蔽性を確保することができるとともに、高い階調再現性を実現することができる。
【0089】
また、上述した実施形態によれば、ホワイト(W)が充填された画像形成ユニットは、2基以上としたので、ホワイトトナーによる画像形成に際して、十分な載り量で高い下地隠蔽性を確保することができる。
【0090】
また、上述した実施形態によれば、グレースケール画像の印字率を当該画像形成装置1の総印字率に拡大するようにしたので、ホワイトトナーによる画像形成に際して、画像形成装置の最大能力を生かし、十分な載り量で高い下地隠蔽性を確保することができる。
【0091】
また、上述した実施形態によれば、ホワイト(W)が充填された画像形成ユニット6−5〜6−7の印字率の合計が当該画像形成装置1の総印字率となるように、ホワイト(W)が充填された画像形成ユニット6−5〜6−7に印字率を配分するようにしたので、ホワイトトナーによる画像形成に際して、十分な載り量で高い下地隠蔽性を確保することができる。
【0092】
また、上述した実施形態によれば、元画像(カラー)をホワイト(W)が充填された画像形成ユニット6−5〜6−7を用いて印字するか、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)が充填された画像形成ユニット6−1〜6−3を用いて印字するかを選択可能とし、ホワイト(W)が充填された画像形成ユニット6−5〜6−7を用いて印字することが選択された場合に、単色の印字率で表されるグレースケール画像170を、補正された印字率で、ホワイト(W)が充填された画像形成ユニット6−5〜6−7を用いて印字し、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)が充填された画像形成ユニット6−1〜6−3が選択された場合に、多色の印字比率で表されるグレースケール画像を、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の印字比率で、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)が充填された画像形成ユニット6−1〜6−3を用いて印字することによって黒色画像を形成するようにしたので、ホワイト(W)による白色画像を印刷するか、CMYによる黒色画像を印刷するかを容易に選択することができ、十分な載り量で高い下地隠蔽性を確保することができるとともに、高い階調再現性を実現することができる。
【0093】
以上、この発明のいくつかの実施形態について説明したが、この発明は、これらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願出願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0094】
(付記1)
付記1に記載の発明は、複数の画像形成ユニットを装着可能な画像形成装置であって、カラー画像データに基づいてグレースケール画像データを生成する生成手段と、前記生成手段により生成されたグレースケール画像データを白色トナーが充填された画像形成ユニットの装着数に基づいて補正する補正手段と、前記補正手段により補正されたグレースケール画像データに基づいて前記白色トナーからなる画像パターンを形成させる制御手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【0095】
(付記2)
付記2に記載の発明は、印刷対象のカラー画像をグレースケール変換して単色の印字率で表される単色グレースケール画像を生成する第1の変換手段と、前記第1の変換手段によって生成された前記単色グレースケール画像の印字率を当該画像形成装置の総印字率と白色トナーが充填された画像形成ユニットの数とに基づいて補正する補正手段と、前記単色グレースケール画像を、前記補正手段によって補正された印字率で、前記白色トナーが充填された画像形成ユニットを用いて印字することによって白色画像を形成する画像形成制御手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
【0096】
(付記3)
付記3に記載の発明は、前記白色トナーが充填された画像形成ユニットは、色トナーが充填された画像形成ユニットに代えて装着されており、前記補正手段によって補正された前記単色グレースケール画像の印字率を、前記色トナーが充填された画像形成ユニットによる前記色トナーの印字率として設定する、を備えることを特徴とする付記2に記載の画像形成装置である。
【0097】
(付記4)
付記4に記載の発明は、前記白色トナーが充填された画像形成ユニットは、2基以上である、ことを特徴とする付記3に記載の画像形成装置である。
【0098】
(付記5)
付記5に記載の発明は、前記補正手段は、前記単色グレースケール画像の印字率を所定の比率で拡大する補正を行う、ことを特徴とする付記2乃至4のいずれか一つに記載の画像形成装置である。
【0099】
(付記6)
付記6に記載の発明は、前記補正手段は、前記白色トナーが充填された画像形成ユニットの印字率の合計が前記拡大された印字率となるように、前記白色トナーが充填された画像形成ユニットに印字率を配分する、ことを特徴とする付記5に記載の画像形成装置である。
【0100】
(付記7)
付記7に記載の発明は、前記印刷対象のカラー画像をグレースケール変換して多色の印字比率で表される多色グレースケール画像を生成する第2の変換手段と、前記印刷対象のカラー画像を前記白色トナーが充填された画像形成ユニットを用いて印字するか、前記色トナーが充填された画像形成ユニットを用いて印字するかを選択する選択手段とを更に備え、前記画像形成制御手段は、前記選択手段によって前記白色トナーが充填された画像形成ユニットを用いて印字することが選択された場合に、前記単色グレースケール画像を、前記補正手段によって補正された印字率で、前記白色トナーが充填された画像形成ユニットを用いて印字し、前記選択手段によって前記色トナーが充填された画像形成ユニットを用いて印字することが選択された場合に、前記第2の変換手段によって生成された多色グレースケール画像を、前記多色の印字比率で、前記色トナーが充填された画像形成ユニットを用いて印字することによって黒色画像を形成する、ことを特徴とすることを特徴とする付記3乃至6のいずれか一つに記載の画像形成装置である。
【0101】
(付記8)
付記8に記載の発明は、印刷対象のカラー画像をグレースケール変換して単色の印字率で表される単色グレースケール画像を生成するステップと、前記生成された単色グレースケール画像の印字率を画像形成装置の総印字率と白色トナーが充填された画像形成ユニットの数とに基づいて補正するステップと、前記単色グレースケール画像を、前記補正された印字率で、前記白色トナーが充填された画像形成ユニットを用いて印字することによって白色画像を形成するステップと、を含むことを特徴とする白色画像形成方法である。