(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明のPWM回路の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0015】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1におけるPWM回路100aの構成を示すブロック図である。PWM回路100aは、キャリア信号を生成するキャリア信号生成部80と、キャリア信号と、PWM信号のデューティ比決定用の閾値とを比較し、その比較結果をPWM信号として出力するコンパレータ部90とを備える。
【0016】
コンパレータ部90には、閾値と、キャリア信号生成部80からのキャリア信号とが入力され、コンパレータ部90は、閾値がキャリア信号よりも大きい場合にはPWM信号をHigh(ON)にし、そうでない場合にはPWM信号をLow(OFF)にして、PWM信号を出力する。
【0017】
キャリア信号生成部80には、キャリア信号の周期(キャリア周期)T
SWの1/N倍(Nは2以上の整数)の周期T
CLKを有するクロック信号CLKが入力され、キャリア信号生成部80は、クロック信号CLKを用いてキャリア信号を生成し、出力する。なお、実施形態1のPWM回路100aでは、キャリア信号として「のこぎり波」が生成される。キャリア信号生成部80は、クロック信号CLKに同期させてカウントを行うカウンタ部10と、0からN−1までの間の整数の乱数を発生する乱数発生部20と、位相変更部40と、を備える。
【0018】
カウンタ部10には、クロック信号CLKが入力され、カウンタ部10は、クロック信号CLKに同期させて、M(Mは0以上の整数)からN−1+Mまでカウントアップを行い、N−1+Mに達した時にはMに戻ってカウントアップを繰り返すことで、キャリア周期を有する基準信号を生成し、出力する。
図3(A)には、1キャリア周期T
SW分の基準信号の変化の例を示してある。カウンタ部10がN回カウントを行うことで、1キャリア周期T
SW分の基準信号ができる。
図3(A)の基準信号の例では、キャリア周期の先頭の値がMになっているが、キャリア周期の先頭の値は、カウンタ部10のカウント値がとりえる値のいずれであっても良い。
【0019】
乱数発生部20には、カウンタ部10からの基準信号が入力され、乱数発生部20は、基準信号が予め定められた値になった時点で乱数(0からN−1までの間の整数)を更新し、それ以外の時点では乱数を保持する。予め定められた値は、基準信号のキャリア周期の先頭の値である。基準信号が予め定められた値(例えば、M)になるのは、1キャリア周期T
SWに1回だけである。乱数発生部20は、キャリア周期の先頭で、1回だけ乱数を更新し、キャリア周期内ではその乱数を保持する。
図3(A)の基準信号の例では、キャリア周期の先頭の値はMであるため、乱数発生部20は、基準信号がMになった時点(キャリア周期の先頭)で、乱数を更新する。
【0020】
位相変更部40には、カウンタ部10からの基準信号と、乱数発生部20からの乱数とが入力され、位相変更部40は、基準信号と乱数とを用いて位相変更信号を生成し、出力する。実施形態1では、位相変更信号がキャリア信号となる。
【0021】
図2は、位相変更部40の構成を示すブロック図である。また、
図3は、位相変更部40における基準信号、基準変動信号および位相変更信号の1キャリア周期T
SW内の変化の例を示すタイミングチャートである。
【0022】
図2に示すように、位相変更部40は、減算部25と、加算部30と、剰余計算部31とを備える。減算部25には、基準信号が入力され、減算部25は、基準信号(MからN−1+Mまでの間の整数)をMだけ減じた基準変動信号(0からN−1までの間の整数)を生成し、出力する。
図3(B)に示すように、基準変動信号は、基準信号から、基準信号に含まれているオフセット(M)分が取り除かれた信号である。なお、Mが0の場合は、基準信号と、基準変動信号とは同じ信号である為、減算部25は省略され、基準信号が基準変動信号となる。
【0023】
加算部30には、基準変動信号と、乱数とが入力され、加算部30は、基準変動信号(0からN−1までの間の整数)と、乱数(0からN−1までの間の整数)とを加算して第1の値を生成し、出力する。剰余計算部31には、加算部30からの第1の値が入力され、剰余計算部31は、第1の値を、Nで除算して剰余を求め、その剰余を位相変更信号として出力する。
【0024】
図3(C)には、乱数が0、1、2およびN−1の時の位相変更信号の例を示してある。位相変更信号は、乱数の値に応じて、基準変動信号を以下の(数1)式で求められる量だけ位相をずらした信号である。
【0026】
乱数=0の場合は、位相変更信号と基準変動信号とは同じとなり、位相変更信号と、基準変動信号とに位相のずれはない。一方、乱数の値が0でない場合は、乱数の値に応じて、位相変更信号は、基準変動信号から位相がずれた信号となる。
【0027】
図4の上部には、実施形態1の位相変更信号(キャリア信号)の変化の例と、その位相変更信号(キャリア信号)を用いて生成されたPWM信号が示されている。また、
図4の下部には、各キャリア周期でキャリア信号の位相が変化しない従来技術の「のこぎり波」のキャリア信号(従来)の変化の例と、そのキャリア信号(従来)を用いて生成されたPWM信号(従来)が示されている。
図4では、
図3に比べてNの値をより大きくして、キャリア信号がより直線状に変化する様子が描かれている。
【0028】
前述したように、乱数発生部20は、キャリア周期の先頭で乱数を更新し、キャリア周期内ではその乱数を保持する。
図4では、第1周期の先頭で乱数=0に更新され、第2周期〜第4周期の各周期の先頭で乱数が0でない値に更新された例を示している。また、第2周期〜第4周期の各周期では、互いに異なる値の乱数となった場合の例を示している。したがって、第1周期〜第4周期の各位相変更信号(キャリア信号)は、位相のずれ量が互いに異なっている(各キャリア周期でキャリア信号の位相が異なっている)。
【0029】
閾値は、1キャリア周期T
SW内では一定の信号であり、キャリア周期毎に変化する信号であるが、
図4では、各キャリア周期で同一の閾値が用いられている。閾値は0〜1.00の値であり、閾値が1キャリア周期T
SW内で常にキャリア信号以下となる時の閾値は0であり、閾値が1キャリア周期T
SW内で常にキャリア信号より大きい時の閾値は1.00である。閾値が0〜1.00の値をとることによって、PWM信号のデューティ比、すなわち、1キャリア周期T
SW内のPWM信号のON期間の割合は、0%〜100%まで変化することになる。
図4では、位相変更信号(キャリア信号)と比較される閾値と、キャリア信号(従来)と比較される閾値は、両方とも0.85になっている。よって、
図4では、実施形態1のPWM信号および従来技術のPWM信号(従来)のデューティ比、すなわち、1キャリア周期T
SW内のPWM信号のON期間の割合は、各キャリア周期で85%となっている。
【0030】
図4に示すように、各キャリア周期で閾値の変化がない(デューティ比が変化しない)場合には、従来技術のPWM信号(従来)のように各キャリア周期内のパルスの立ち上がり、および、立ち下がりエッジの位置が変化しないことになり、それによって、PWM信号(従来)にキャリア周期の高調波成分が多く含まれる状態となる。
【0031】
それに対して、実施形態1のPWM回路100aでは、キャリア信号の周期(キャリア周期)に同期させて、キャリア信号の位相が乱数的に変化するので、
図4に示すように、各キャリア周期で閾値の変化がない(デューティ比が変化しない)場合であっても、PWM信号の各キャリア周期内のパルスの立ち上がり、および、立ち下がりエッジの位置が大きく変化する。また、1キャリア周期T
SW内のPWM信号のパルスの数がキャリア周期によって変化(
図4では、第1周期と第4周期のパルスの数は1つ、第2周期と第3周期のパルスの数は2つ)し、各キャリア周期内のパルスの立ち上がり、および、立ち下がりエッジの順序(立ち上がりが最初に来るか、立ち下がりが最初に来るか)が変化し、エッジの数が変化する。したがって、スペクトル拡散効果が十分に得られ、PWM信号に、キャリア周期の高調波成分が含まることを抑制することができる。
【0032】
また、特許文献1および特許文献2に記載されているような、キャリア周期ごとにPWM信号(従来)のパルス発生位置を時間軸上でずらす方法では、
図4に示すような、PWM信号のデューティ比が大きい場合、すなわち、キャリア周期内でON期間が多くを占める場合には、キャリア周期内においてパルス発生位置をずらせる量が少なくなる。したがって、パルスの立ち上がり、および、立ち下がりエッジの位置を大きく変化させることができず、キャリア周期の高調波成分の発生を抑制することができない。
【0033】
それに対して、実施形態1のPWM回路100aでは、PWM信号のデューティ比が大きい場合であっても、
図4に示すように、キャリア周期内におけるPWM信号のパルスの立ち上がり、および、立ち下がりエッジの位置がキャリア周期ごとに大きく変化するので、スペクトル拡散効果が十分に得られ、PWM信号に、キャリア周期の高調波成分が含まることを抑制することができる。
【0034】
以上説明した実施形態1のPWM回路100aによれば、キャリア信号の周期(キャリア周期)に同期させて、キャリア信号の位相を乱数的に変化させることで、PWM信号のデューティ比の大きさに関わらず、キャリア周期内におけるPWM信号のパルスの立ち上がり、および、立ち下がりエッジの位置がキャリア周期ごとに大きく変化する。したがって、PWM信号のデューティ比が大きい場合であっても、キャリア周期の高調波成分の発生を抑制することができる。
【0035】
また、実施形態1のPWM回路100aによれば、簡易な回路構成で、キャリア周波数(1/キャリア周期T
SW)や1キャリア周期T
SW内のON期間の割合を変えることなく、キャリア周期の高調波成分の発生を抑制することができる。
【0036】
以上説明した実施形態1のPWM回路100aでは、キャリア信号生成部80のカウンタ部10がカウントアップを行うことにより、基準信号を生成した。しかし、カウンタ部10がカウントダウンを行うことにより、基準信号を生成するとしても良い。具体的には、カウンタ部10が、クロック信号CLKに同期させて、N−1+MからMまでカウントダウンを行い、Mに達した時にはN−1+Mに戻ってカウントダウンを繰り返すことで、キャリア周期を有する基準信号を生成し、出力する。この場合、
図3に示された基準信号、基準変動信号および位相変更信号は、キャリア周期T
SWの中心を軸に左右反転させた信号となる。
【0037】
また、以上説明した実施形態1のPWM回路100aでは、位相変更信号をキャリア信号とした。しかし、位相変更信号に任意の演算を施してキャリア信号としても良い。例えば、位相変更信号にオフセットを加えてキャリア信号としても良いし、位相変更信号に予め定められた値を掛けてキャリア信号としても良いし、位相変更信号を予め定められた値で除してキャリア信号としても良い。
【0038】
(実施形態2)
図5は、本発明の実施形態2におけるPWM回路100bの構成を示すブロック図である。
図1の実施形態1のPWM回路100aとの違いは、実施形態2のPWM回路100bには、キャリア信号生成部80に三角波変換部60が追加されている点であり、その他の構成は同じである。よって、三角波変換部60以外の構成については、詳しい説明を省略する。
【0039】
実施形態1のPWM回路100aのキャリア信号は「のこぎり波」であった。それに対し、実施形態2のPWM回路100bのキャリア信号は「三角波」となる。三角波変換部60には、位相変更部40からの位相変更信号が入力され、三角波変換部60は、位相変更信号(のこぎり波)を三角波信号に変換して、その三角波信号をキャリア信号として出力する。
【0040】
図6は、三角波変換部60の構成を示すブロック図である。三角波変換部60は、減算部51と、判定部52と、乗算部53とを備える。減算部51には、位相変更信号が入力され、減算部51は、位相変更信号から(N−1)/2を減じたS21信号を生成し、出力する。なお、三角波変換部60内で用いられるNは、実施形態1で説明したNと同じであり、キャリア周期T
SWとクロック信号CLKの周期T
CLKとの比である。判定部52には、減算部51からのS21信号と、位相変更信号とが入力され、判定部52は、S21信号の値が0以上の場合には、(N−1)/2からS21信号の値を減じたS22信号を生成し、S21信号の値が負である場合には、位相変更信号をS22信号として、S22信号を出力する。乗算部53には、判定部52からのS22信号が入力され、乗算部53は、S22信号の値を2倍にした三角波信号を生成し、出力する。
【0041】
図7には、乱数が0、1、2およびN−1の場合の位相変更信号の変化の例と、それらの位相変更信号が三角波変換部60に入力された時に、三角波変換部60から出力される三角波信号を示してある。乱数=0の場合の三角波信号を基準三角波信号とすると、三角波信号は、乱数の値に応じて、基準三角波信号を前述した(数1)式で求められる量だけ位相をずらした信号となる。
【0042】
図8の上部には、実施形態2の三角波信号(キャリア信号)の変化の例と、その三角波信号(キャリア信号)を用いて生成されたPWM信号が示されている。また、
図8の下部には、各キャリア周期でキャリア信号の位相が変化しない従来技術の「三角波」のキャリア信号(従来)の変化の例と、そのキャリア信号(従来)を用いて生成されたPWM信号(従来)が示されている。
図8では、
図7に比べてNの値をより大きくして、キャリア信号がより直線状に変化する様子が描かれている。
【0043】
図8では、第1周期の先頭で乱数=0に更新され、第2周期〜第4周期の各周期の先頭で乱数が0でない値に更新された例を示している。また、第2周期〜第4周期の各周期では、互いに異なる値の乱数となった場合の例を示している。したがって、第1周期〜第4周期の各三角波信号(キャリア信号)は、位相のずれ量が互いに異なっている(各キャリア周期でキャリア信号の位相が異なっている)。
【0044】
また、
図8では、三角波信号(キャリア信号)と比較される閾値と、キャリア信号(従来)と比較される閾値は、両方とも0.85で一定となっている。よって、
図8では、実施形態2のPWM信号および従来技術のPWM信号(従来)のデューティ比、すなわち、1キャリア周期T
SW内のPWM信号のON期間の割合は、各キャリア周期で85%となっている。
【0045】
実施形態1で説明したキャリア信号が「のこぎり波」である場合と同様に、キャリア信号が「三角波」である場合であっても、
図8に示すように、各キャリア周期で閾値の変化がない(デューティ比が変化しない)場合には、従来技術のPWM信号(従来)では各キャリア周期内のパルスの立ち上がり、および、立ち下がりエッジの位置が変化しない。
【0046】
それに対し、実施形態2のPWM信号は、実施形態1のPWM信号と同様に、各キャリア周期内のパルスの立ち上がり、および、立ち下がりエッジの位置が大きく変化する。また、1キャリア周期T
SW内のPWM信号のパルスの数がキャリア周期によって変化(
図8では、第1周期と第2周期のパルスの数は2つ、第3周期と第4周期のパルスの数は1つ)し、各キャリア周期内のパルスの立ち上がり、および、立ち下がりエッジの順序(立ち上がりが最初に来るか、立ち下がりが最初に来るか)が変化し、エッジの数が変化する。したがって、スペクトル拡散効果が十分に得られ、PWM信号に、キャリア周期の高調波成分が含まることを抑制することができる。
【0047】
また、PWM信号のデューティ比が大きい場合、すなわち、キャリア周期内でON期間が多くを占める場合であっても、
図8に示すように、PWM信号の各キャリア周期内のパルスの立ち上がり、および、立ち下がりエッジの位置が大きく変化する点も、実施形態1のPWM信号と同様である。
【0048】
実施形態2のように、キャリア信号を「三角波」とし、キャリア信号(三角波)の周期に同期させて、キャリア信号(三角波)の位相を乱数的に変化させても、実施形態1のキャリア信号を「のこぎり波」とした場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0049】
以上説明した実施形態2のPWM回路100bでは、三角波変換部60から出力される三角波信号をキャリア信号とした。しかし、三角波信号に任意の演算を施してキャリア信号としても良い。例えば、三角波信号にオフセットを加えてキャリア信号としても良いし、三角波信号に予め定められた値を掛けてキャリア信号としても良いし、三角波信号を予め定められた値で除してキャリア信号としても良い。
【0050】
(実施形態3)
図9は、本発明の実施形態3におけるPWM回路100cの構成を示すブロック図である。
図2の実施形態2のPWM回路100bとの違いは、実施形態2の三角波変換部60が記憶部70に置き換えられている点であり、その他の構成は同じである。よって、記憶部70以外の構成については、詳しい説明を省略する。
【0051】
実施形態3のPWM回路100cのキャリア信号は、実施形態2のPWM回路100bのキャリア信号と同じ「三角波」である。しかし、位相変更信号(のこぎり波)を三角波信号に変換する方法が異なる。
【0052】
記憶部70には、1周期分のキャリア信号(三角波)の時系列データが記憶されている。
図10は、記憶部70に記憶された1周期分のキャリア信号(三角波)の時系列データの例を示す表である。アドレスと、そのアドレスに記憶された値(時系列データ)の対応が示されている。なお、
図10におけるNは、実施形態1で説明したNと同じであり、キャリア周期T
SWとクロック信号CLKの周期T
CLKとの比である。
図10には、キャリア周期T
SWの中心を軸として左右対称な波形を有する三角波の時系列データが、Nが偶数の場合と、Nが奇数の場合とに分けて示してある。実施形態3のPWM回路100cにおいて、Nが、偶数の場合には
図10(A)が用いられ、奇数の場合には
図10(B)が用いられる。
【0053】
記憶部70には位相変更信号が入力され、位相変更信号を読み出しアドレスとして用いて、記憶部70に記憶されている値(時系列データ)を読み出す。これにより、位相変更信号(のこぎり波)が、三角波信号に変換される。そして、読み出された時系列データ(三角波信号)を、キャリア信号として出力する。
図7に示すように、乱数の値に応じて位相変更信号の位相が変化するので、読み出しアドレスが変化し、読み出される時系列データ(三角波信号)の位相も変化する。つまり、乱数の値に応じて位相が変化する実施形態2の三角波信号と同じ信号を得ることができる。
【0054】
よって、実施形態3のPWM回路100cの構成を用いても、キャリア信号を「三角波」とし、キャリア信号(三角波)の周期に同期させて、キャリア信号(三角波)の位相を乱数的に変化させることができるので、実施形態1と実施形態2の場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0055】
以上説明した実施形態3のPWM回路100cでは、記憶部70に、1周期分のキャリア信号の時系列データとして、キャリア周期T
SWの中心を軸として左右対称な波形を有する三角波の時系列データを記憶した。しかし、左右対称な波形を有する三角波ではなく、左右非対称な波形を有する三角波の時系列データを記憶しておいてもよい。左右非対称な波形を有する三角波とは、例えば、キャリア周期の先頭から三角波の頂点(値が最大になる箇所)までの時間Tuと、三角波の頂点からキャリア周期の後尾までの時間Tdとが、異なる三角波である。
【0056】
また、キャリア信号は、以上説明したのこぎり波、三角波に限られず、様々な波形を用いることが考えられる。よって、記憶部70には、キャリア信号として使用する任意の波形の1周期分の時系列データを記憶しておいても良い。これにより、以上説明したのこぎり波、三角波に限られず、任意の波形をキャリア信号として用いる場合であっても、キャリア信号の周期に同期させて、キャリア信号の位相を乱数的に変化させることができるので、実施形態1と実施形態2の場合と同様の作用効果を得ることができる。