(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ケース壁の中央で突出している前記主接点部の主接点側固定接触子及び前記補助接点外部端子部の間、または、前記主接点側固定接触子及び前記配線の間に隔壁を有する請求項1乃至10の何れか一項に記載の電磁接触器。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、図面を参照して、本発明に係る第1から第9実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す第1から
図9実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0010】
〔第1実施形態〕
図1から
図12を参照して第1実施形態の電磁接触器1を説明する。なお、
図1、
図2、
図1及び
図12の上側を「上」、下側を「下」、左側を「左」、右側を「右」、前側を「前」、後ろ側を「後」として説明する。また、
図2のIV-IV平面で切断した断面を
図4で示し、
図2のV-V平面で切断した断面を
図5で示し、
図2のVI-VI平面で切断した断面を
図6で示し、
図2のVII-VII平面で切断した断面を
図7で示している。
【0011】
図1に示すように、電磁接触器1は、第1絶縁ケース2及び第2絶縁ケース3を備えている。第1絶縁ケース2の左側及び右側の側面には主接点外部端子部50a,50bが突出した状態で配置され、第1絶縁ケース2の前側に補助接点外部端子部51が配置され、第2絶縁ケース3の左側の側面に、一対の電磁石ユニット外部端子部52A、52Bが配置されている。ここで、補助接点外部端子部51は、後述する一対の第1補助接点外部端子部51A,51Bと、一対の第2補助接点外部端子部51C,51Dとで構成されている。
【0012】
図2に示すものは、第1絶縁ケース2及び第2絶縁ケース3に収納されている接点装置4と、接点装置4を駆動する電磁石ユニット5とが収納されている。
接点装置4は、
図3及び
図4に示すように、主接点機構6と、主接点機構6と連動する第1及び第2補助接点機構7,8と、収納ケース9とを備えている。
収納ケース9は、角筒状の金属製の接合部材10と、接合部材10の上端部に接合されて接合部材7の上側を閉塞するセラミック製の頂板11と、接合部材10の下端部にその上面がシール接合される平板状の磁気ヨーク12と、磁気ヨーク12の下面にシール接合される円筒状の金属製のキャップ13とからなる。
【0013】
収納ケース9の内部には、主接点機構6、第1及び第2補助接点機構7,8、電磁石ユニット5の連結軸14、固定鉄心15及び可動プランジャ16が密封状態で収容されるとともに、アーク消弧用のガスが封入されている。
主接点機構6は、
図4に示すように、頂板11に固定された一対の主接点側固定接触子17、18と、これら一対の主接点側固定接触子17,18に接離可能な主接点側可動接触子19とを備えている。主接点側固定接触子17,18は、導電性金属材料で形成されて収納ケース9の頂板11に左右方向に所定間隔を離して固定される。主接点側固定接触子17,18の下端面には接点17a,18aが形成されている。
【0014】
前述した主接点外部端子部50a,50bは、主接点側固定接触子17,18の上部に形成した雌ねじ17b,18bに、固定ねじ80(
図1参照)を螺合することで第1絶縁ケース2の左側及び右側の側面から突出した状態で配置されている。
主接点側可動接触子19は、導電性金属を材料として左右方向に長く延びる導電板であり、電磁石ユニット5の可動プランジャ16に固定された連結軸14に上下移動可能に支持される。主接点側可動接触子19の左端側の上面には、主接点側固定接触子17の接点17aに接触する接点19aが形成され、主接点側可動接触子19の右端側の上面には、主接点側固定接触子18の接点18aに接触する接点19bが形成されている。
【0015】
連結軸14は、主接点側可動接触子19に固定された第1連結軸14aと、可動プランジャ16に固定された第2連結軸14bと、第1連結軸14a及び第2連結軸14bを同軸に固定する軸結合部材14cとで構成されている。
そして、第1連結軸14aの主接点側可動接触子19よりも下側には、フランジ部14dが外方に突出して形成されており、フランジ部14dと主接点側可動接触子19との間に、主接点側可動接触子19を上方へ付勢する接触スプリング20が設けられている。
主接点機構6は、収納ケース9の内部に設けた主接点機構収容室21に収容されている。主接点機構収容室21内には絶縁体からなる消弧容器22が配置されている。
【0016】
図5及び
図7に示すように、主接点機構6の消弧容器22の下側には、主接点機構6に対して第1及び第2補助接点機構7,8を隔離した状態で収納する補助接点機構収容室23が設けられている。
第1補助接点機構7は、
図5に示すように、補助接点機構収容室23内の左右方向に離間して設けられている第1固定側支持部材24,24と、第1固定側支持部材24,24の間に位置し、連結軸14の軸結合部材14cに連動して上下方向に移動する第1可動側支持部材25と、第1固定側支持部材24,24に固定された一対の第1補助接点側固定接触子26,27と、第1可動側支持部材25に支持され、長手方向の両端部が一対の第1補助接点側固定接触子26,27に対向している第1補助接点側可動接触子28と、を備えている。また、第1補助接点機構7は、第1可動側支持部材25に配置され、第1補助接点側可動接触子28に対して付勢力を付与する付勢スプリング29と、一対の第1補助接点側固定接触子26,27のそれぞれに接続されている棒状の一対の第1補助接点電極30,31と、を備えている。
【0017】
第1補助接点側固定接触子26は、
図3にも示すように、第1補助接点側可動接触子28に対向している接点部を設けた接点板26aと、接点板26aに対して平面視で平行に延在する電極接続板26bとを有するU字の部材である。そして、
図6に示すように、第1補助接点側固定接触子26の電極接続板26bに第1補助接点電極30の下端が接続しているとともに、第1補助接点電極30は上方に延在し主接点側固定接触子17、18が固定されている頂板11の前側(
図2参照)を貫通して外部に突出している。
また、第1補助接点側固定接触子27も、第1補助接点側固定接触子26と同一形状であり、第1補助接点側固定接触子27の電極接続板27bに第1補助接点電極31の下端が接続しているとともに、第1補助接点電極31が上方に延在し、頂板11の前側を貫通して第1補助接点電極30に並びながら外部に突出している。
【0018】
第1補助接点機構7の第1補助接点側固定接触子26,27及び第1補助接点側可動接触子28は、b接点(ノーマリークローズタイプの接点)を構成しており、第1補助接点側可動接触子28は、主接点側可動接触子19が釈放状態で、長手方向両端の接点部が、第1補助接点側固定接触子26,27の接点部のそれぞれに、付勢スプリング29から所定の接触力が付与された状態で接触する。また、主接点側可動接触子19が投入状態となると第1補助接点側可動接触子28が上方に移動し、長手方向両端の接点部が第1補助接点側固定接触子26,27の接点部に対して上方に所定間隔を保って離間した状態となる。
【0019】
第2補助接点機構8は、
図7に示すように、補助接点機構収容室23内の左右方向に離間して設けられている第2固定側支持部材32,32と、第2固定側支持部材32,32の間に位置し、連結軸14の軸結合部材14cに連動して上下方向に移動する第2可動側支持部材33と、第2固定側支持部材32,32に固定された一対の第2補助接点側固定接触子34,35と、第2可動側支持部材33に支持され、長手方向の両端部が一対の第2補助接点側固定接触子34,35に対向している第2補助接点側可動接触子36と、第2可動側支持部材33に配置され、第2補助接点側可動接触子36に対して付勢力を付与する付勢スプリング37と、一対の第2補助接点側固定接触子34,35のそれぞれに電気接続部(不図示)を介して接続されている棒状の第2補助接点電極38,39と、を備えている。
【0020】
第2補助接点側固定接触子34,35は、第1補助接点側固定接触子26,27と同様の接点板(不図示)及び電極接続板(不図示)を備えたU字の部材であり、これら第2補助接点側固定接触子34,35の電極接続板に、第2補助接点電極38,49の下端が接続しているとともに、上方に延在して頂板11の後ろ側を貫通して外部に突出している(
図2参照)。
第2補助接点機構8の第2補助接点側固定接触子34,35及び第2補助接点側可動接触子36は、a接点(ノーマリーオープンタイプの接点)を構成しており、第2補助接点側可動接触子36は、主接点側可動接触子19が釈放状態において、長手方向両端の接点部が第2補助接点側固定接触子34,35の接点部に対して上方に所定間隔を保って離間した状態となる。また、主接点側可動接触子19が投入状態となると第2補助接点側可動接触子36が上方に移動し、第2補助接点側固定接触子34,35の接点部のそれぞれに、付勢スプリング37から所定の接触力が付与された状態で接触する。
【0021】
電磁石ユニット5は、
図4に示すように、側面から見てU字形状の下部磁気ヨーク40を備えている。下部磁気ヨーク40の開放端となる上端には、平板状の磁気ヨーク12が固定されている。そして、磁気ヨーク12の中央部に貫通孔12aが形成されている。
磁気ヨーク12の下面の中央部には、貫通孔8aを囲むように有底円筒状のキャップ13がシール接合される。
このキャップ13内には、磁気ヨーク12の貫通孔12aに固定された円柱状の固定鉄心15が配置されるとともに、固定鉄心15の下方に可動プランジャ16が上下方向に移動可能に配置される。
【0022】
固定鉄心15には、その下端面から上方に凹む復帰スプリング収容凹部15aが形成されている。また、可動プランジャ16には、その上端面から下方に凹む復帰スプリング収容凹部16aが形成されている。復帰スプリング収容凹部15a及び復帰スプリング収容凹部16a内に、可動プランジャ16を常時下方に付勢する復帰スプリング41が収容されている。
また、キャップ13の外周にはスプール42が配設され、このスプール42の外周に、可動プランジャ16を駆動する励磁コイル43が巻装されている。
【0023】
励磁コイル43の2本の巻線の端部は、
図1で示した電磁石ユニット外部端子部52A,52Bにそれぞれ接続される。
一方、
図1において第1絶縁ケース2の前側の側面に配置された補助接点外部端子部51は、
図8及び
図9(a)に示すように、配線基板55と、1個の端子台56と、4個の端子57と、4個の座金付きの端子ねじ58と、を備えている。なお、
図9(a)では、端子ねじ58を省略している。
【0024】
配線基板55は、例えばガラス繊維にエポキシ樹脂などを含浸させて形成した略長方形状の基板であり、配線基板55の長手方向に離間した4箇所の位置の表面に配線パターン60〜63が形成されている。
図8の右側で隣接して形成された2つの配線パターン60、61には、配線基板55の裏面まで貫通している電極通過穴60a,61a及び配線基板55の裏面まで貫通している端子通過穴60b,61bが離間して形成されている。他の左側で隣接する2つの配線パターン62、63は、リード線接続穴62a,63a及び端子通過穴62b,63bが離間して形成されている。また、配線基板55には、端子台56を係合するための2箇所の小径貫通穴64と、2箇所の大径貫通穴65とが形成されている。
【0025】
4個の端子57は、端子ねじ58が螺合するねじ穴57aを形成した四角板状の端子板57bと、端子板57bに対して略直角に折曲されて延在している接続片57cと、を備えている。
端子台56の下部には、長手方向に4つの筒状の大径脚部66が所定間隔をあけて形成されているとともに、2つの小径脚部67が長手方向に離間して形成されている。また、端子台56の上部には、端子57の接続片57cを通過させる接続片圧入穴68が、長手方向に所定間隔をあけて4箇所形成されているとともに、各接続片圧入穴68に対応する4箇所の位置に、端子板57bの下面が面接触で当接する4つの端子板支持面69が形成されている。
【0026】
補助接点外部端子部51を組み立ては、先ず、
図8で示した端子台56の2つの小径脚部67を配線基板55の2箇所の小径貫通穴64に挿入し、端子台56の2つの大径脚部66を配線基板55の2箇所の大径貫通穴65に挿入することで、端子台56を配線基板55に係合する。次いで、4個の端子57の接続片57cを、端子台56の4箇所の接続片圧入穴68に圧入した後に配線基板55の4箇所の端子通過穴60b,61b,62b,63bの内部に挿入し、各接続片57cと端子通過穴60b,61b,62b,63bの開口周縁とを半田付けする(
図9(b)、(c)を参照し、半田付けした箇所を半田部71と称する)。これにより、4個の端子57と、配線基板55に形成した配線パターン60〜63とが電気的に接続される。
【0027】
そして、4個の端子57のねじ穴57aに端子ねじ58を螺合することで、補助接点外部端子部51の組み立てが完了する。
上記構成の補助接点外部端子部51は、
図10に示すように、主接点機構6の主接点側固定接触子17、18が固定されている収納ケース9の頂板11の前側に配置され、頂板11の前側で突出している第1補助接点電極30,31及び頂板11の後ろ側で突出している第2補助接点電極38,39に接続されている。
すなわち、収納ケース9の頂板11の前側で突出している第1補助接点電極30を配線基板55の配線パターン60に形成した電極通過穴60aに下側から挿通し、第1補助接点電極31を配線パターン61に形成した電極通過穴61aに下側から挿通する。そして、
図11に示すように、第1補助接点電極30(31)と電極通過穴60a(61a)の開口周縁とを半田付けする(半田付けした箇所を半田部72と称する)。
【0028】
また、
図12に示すように、頂板11の後ろ側で突出している第2補助接点電極38、39に2本のリード線73,74の一端を接続する。リード線73の他端は、配線基板55の配線パターン62に形成したリード線接続穴62aに挿入して半田付けする。また、リード線74の他端も、配線基板55の配線パターン63に形成したリード線接続穴63aに挿入して半田付けする。
したがって、
図10及び
図12で示すように、補助接点外部端子部51を構成する右側の一対の端子57及び端子ねじ58が、第1補助接点機構7の外部端子となる第1補助接点外部端子部51A,51Bとされ、補助接点外部端子部51の左側の一対の端子57及び端子ねじ58が、第2補助接点機構8の外部端子となる第2補助接点外部端子部51C、51Dとされている。
【0029】
そして、
図12で示した接点装置4及び電磁石ユニット5を第1絶縁ケース2及び第2絶縁ケース3に収納すると、
図1に示すように、収納ケース9の頂板11に固定した一対の第1補助接点外部端子部51A,51B及び一対の第2補助接点外部端子部51C,51Dが、第1絶縁ケース2の前側に設けた端子開口部(不図示)から外部に露出した状態で配置される。
ここで、本発明に係る収納ケースが接点収納ケース9に対応し、本発明に係るケース壁が頂板11に対応し、本発明に係るケース壁から外部に突出している主接点電極が、主接点側固定接触子17,18に対応し、本発明に係る可動軸が連結軸14に対応している。
【0030】
次に、第1実施形態の電磁接触器1の動作を説明する。
主接点機構6の主接点外部端子部50aは、例えば大電流を供給する電力供給源に接続され、主接点外部端子部50bが負荷装置に接続されているものとする。
また、第1絶縁ケース2の前側に配置した一対の第1補助接点外部端子部51A,51Bに第1動作検知装置(不図示)が接続されているとともに、一対の第1補助接点外部端子部51A,51Bに並んで配置された一対の第2補助接点外部端子部51C、51Dに第2動作検知装置(不図示)が接続されているものとする。
さらに、電磁石ユニット外部端子部52には、励磁コイル43に対して通電制御を行う電磁石ユニット制御装置(不図示)が接続されているものとする。
【0031】
図4に示すように、電磁石ユニット5の励磁コイル43が非励磁状態にあって、電磁石ユニット5が、可動プランジャ16を上昇させる励磁力を発生していない釈放状態にあるものとする。
この釈放状態では、可動プランジャ16が復帰スプリング41によって、下方向に付勢される。このため、可動プランジャ16に連結軸14を介して連結されている主接点機構6の主接点側可動接触子19が、一対の主接点側固定接触子17,18に対して下方に所定距離だけ離間している。このため、一対の主接点側固定接触子17,18の間の電流路が遮断状態にあり、主接点機構6が開いた状態となっている。
【0032】
一方、第1補助接点機構7は、可動プランジャ16が復帰スプリング41によって下方に付勢され、可動プランジャ16に連結された連結軸14も下方に移動しているので、第1補助接点側可動接触子28が第1補助接点側固定接触子26,27に接触し、第1補助接点外部端子部51A,51B間の導通を第1動作検知装置が確認する。これに対して、第2補助接点機構8は、第2補助接点側可動接触子36が第2補助接点側固定接触子34、35から離間しているので、第2補助接点外部端子部51C,51D間の非導通を第2動作検知装置が確認する。
【0033】
この釈放状態から、電磁石ユニット制御装置によって電磁石ユニット5の励磁コイル43を通電すると、電磁石ユニット5で励磁力が発生し、可動プランジャ16を復帰スプリング41の付勢力に抗して上方に押し上げる。
可動プランジャ16が上昇すると、可動プランジャ16に連結軸14を介して連結されている主接点側可動接触子19も上昇し、主接点側可動接触子19の両接点19a,19bが、一対の主接点側固定接触子17,18の両接点17a,18aに対して接触スプリング29の接触圧で接触する。
【0034】
このため、電力供給源の大電流が、一方の主接点側固定接触子17、主接点側可動接触子19、他方の主接点側固定接触子18を通じて負荷装置に供給され、主接点機構6が閉じた状態(閉極状態)となる。
また、主接点機構6が開いた状態から閉じた状態になると、可動プランジャ16に連結した連結軸14も上方に移動しているので、第1補助接点側可動接触子28が第1補助接点側固定接触子26,27から離間した状態となり、第1動作検知装置は、第1補助接点外部端子部51A,51B間の非通電を確認する。また、第2補助接点側可動接触子36が第2補助接点側固定接触子34、35に接触するので、第2動作検知装置は、第2補助接点外部端子部51C,51D間の通電を確認する。
【0035】
そして、主接点機構6の閉極状態から、負荷装置への電流供給を遮断する場合には、電磁石ユニット制御装置による電磁石ユニット5の励磁コイル43への通電を停止する。
励磁コイル43への通電を停止すると、電磁石ユニット5で可動プランジャ16を上方に移動させる励磁力がなくなることにより、可動プランジャ16が復帰スプリング41の付勢力によって下方に移動し、連結軸14も下方に移動する。
ここで、主接点機構6が閉極状態から開極状態となる際に発生するアークによって、主接点側可動接触子19が一対の主接点側固定接触子17,18に溶着する場合がある。この場合には、主接点側可動接触子19が一対の主接点側固定接触子17,18に溶着することで、連結軸14の下方移動が阻止される。
【0036】
このため、第1補助接点機構7では、連結軸14が下方に移動しないことで、第1補助接点側可動接触子28が第1補助接点側固定接触子26,27に対して離間したままとなり、第1補助接点外部端子部51A,51B間が非導通であることを第1動作検知装置が確認し、主接点機構6に溶着が発生したことを確実に検知することができる。
同様に、第2補助接点機構8でも、連結軸14が下方に移動しないことで、第2補助接点側可動接触子36が第1補助接点側固定接触子34,35に接触したままとなり、第2補助接点外部端子部51C,51D間の導通を第2動作検知装置が確認し、主接点機構6に溶着が発生したことを確実に検知することができる。
【0037】
このように、第1実施形態の電磁接触器1によると、主接点機構6の主接点側可動接触子19と、第1補助接点機構7の第1補助接点側可動接触子28及び第2補助接点機構8の第2補助接点側可動接触子36が可動軸となる連結軸14に直接連結されており、第1動作検知装置が第1補助接点機構7の導通状態を確認し、第2動作検知装置が第2補助接点機構8の導通状態を確認することで、主接点機構6が閉極状から開極する際の溶着発生を確実に検知することができる。
また、第1絶縁ケース2の前側に配置されている一対の第1補助接点外部端子部51A,51Bに第1動作検知装置を接続し、第1補助接点外部端子部51A,51Bとともに第1絶縁ケース2の前側に配置されている一対の第2補助接点外部端子部51C,51Dに第2動作検知装置を接続するだけで、第1及び第2補助接点機構7,8の通電状態を確認するための接続作業が完了する。したがって、第1,第2動作検知装置など電流路に設けた他の電機部品と電磁接触器1との接続作業を容易に行うことができる。
【0038】
また、補助接点外部端子部51(一対の第1補助接点外部端子部51A,51B及び一対の第2補助接点外部端子部51C,51D)を構成する配線基板55には、4個の端子57が電気的に接続されている4箇所の配線パターン60〜63が形成され、2箇所の配線パターン60,61には収納ケース9の頂板11の前側で突出している第1補助接点電極30,31が直接に接続され、他の2箇所の配線パターン62,63は、収納ケース9の頂板11の後ろ側で突出している第2補助接点電極38,39がリード線73,74を介して接続されている。
したがって、補助接点外部端子部51を収納ケース9の頂板11に装着する際には、頂板11から突出した第1補助接点電極30,31及び第2補助接点電極38,39と、配線基板55とを接続するだけなので、接続作業を簡便に、且つ効率よく行うことができる。
【0039】
また、第1補助接点電極30,31が配線基板55の配線パターン60,61に直接接続されているので、補助接点外部端子部51を装着する際に使用するリード線の本数を減らしているので(2本のリード線73,74)、接続作業時に使用する部品の減少化を図ることができる。
次に、
図13〜
図19は、電磁接触器1において、収納ケース9の頂板11に装着された補助接点外部端子部51と第2補助接点電極38,39の間で延在しているリード線73,74を保持する第2実施形態〜第6実施形態の構造を示すものである。なお、
図13〜
図17では、補助接点外部端子部51の端子ねじ58を省略している。
【0040】
〔第2実施形態〕
図13に示すように、第2実施形態の電磁接触器1は、頂板11の上面に、合成ゴムなどの絶縁性弾性体からなるリード線保持部81が配置されている。
リード線保持部81は、主接点側固定接触子17,18の外形と略同一形状の円形挿通穴82,83が形成されている長方形状の載置板84と、載置板84の長辺及び短辺の縁部に沿って4箇所の上面から突出している凸状部85〜88と、これら凸状部85〜88に直線状に形成された保持溝85a〜88aと、を備えている。
【0041】
第2補助接点電極38と配線基板55の配線パターン62(リード線接続穴62a)との間で接続しているリード線73は、頂板11の上面に配置されたリード線保持部81の凸状部85の保持溝85a、凸状部86の保持溝86aに入り込んで保持された状態で延在している。また、第2補助接点電極39と配線基板55の配線パターン63(リード線接続穴63a)との間で接続しているリード線74も、リード線保持部81の凸状部87の保持溝87aに入り込んで保持された状態で延在している。
この状態で、接点装置4を第1絶縁ケース2の内部に収納すると、リード線保持部81に第1絶縁ケース2の内壁が近接して凸状部85〜88を押圧して弾性変形させるので、保持溝85a,86a,87aに入り込んだリード線73,74が挟持される。
【0042】
このように、第2実施形態では、第2補助接点電極38,39及び補助接点外部端子部51の配線基板55の間で接続されているリード線73,74が、頂板11の上面に配置したリード線保持部81の凸状部85〜88の保持溝85a〜88aの何れかに入り込んで確実に保持されるので、接点装置4及び電磁石ユニット5を第1絶縁ケース2及び第2絶縁ケース3に収納する際に、リード線73,74が第1絶縁ケース2及び第2絶縁ケース3の間に挟まるなどの不具合を解消することができる。
また、接点装置4を第1絶縁ケース2の内部に収納した際には、第1絶縁ケース2の内壁がリード線保持部81の凸状部85〜88を押し潰しているので、保持溝85a,86a,87a内のリード線73,74を確実に固定することができる。
なお、第2実施形態は、載置板84の上面に凸状部85〜88が突出している構造を示したが、収納ケース9の頂板11に当接する載置板84の下面に凸状部を形成し、その凸状部に形成した保持溝に、リード線73,74を入れて保持するようにしてもよい。
【0043】
〔第3実施形態〕
図14に示すように、第3実施形態の電磁接触器1は、頂板11の上面に、合成ゴムなどの絶縁性弾性体からなるリード線保持部90が配置されている。
リード線保持部90は、主接点側固定接触子17,18の外形と略同一形状の円形挿通穴91,92が形成されている第2実施形態の載置板84より厚肉形状で長方形状の載置板93と、載置板93の短辺の側面に形成された保持溝94,95と、を備えている。
第3実施形態では、第2補助接点電極38と配線基板55の配線パターン62(リード線接続穴62a)との間で接続されたリード線73が、リード線保持部90の保持溝94に入り込んで保持された状態で延在している。また、第2補助接点電極39と配線基板55の配線パターン63(リード線接続穴63a)との間で接続されたリード線74は、リード線保持部90の保持溝95に入り込んで保持された状態で延在している。
【0044】
この状態で、接点装置4を第1絶縁ケース2の内部に収納すると、リード線保持部90に第1絶縁ケース2の内壁が近接して載置板93全体を押圧して弾性変形させるので、保持溝94,95に入り込んでいるリード線73,74が挟持される。
このように、第3実施形態では、リード線73,74が、頂板11の上面に配置したリード線保持部90の保持溝94,95に入り込んで確実に保持されるので、接点装置4及び電磁石ユニット5を第1絶縁ケース2及び第2絶縁ケース3に収納する際に、リード線73,74が第1絶縁ケース2及び第2絶縁ケース3の間に挟まるなどの不具合を解消することができる。
また、接点装置4を第1絶縁ケース2の内部に収納した際には、第1絶縁ケース2の内壁がリード線保持部90の載置板93を押し潰しているので、保持溝94,95内のリード線73,74を確実に固定することができる。
【0045】
〔第4実施形態〕
図15に示すように、第4実施形態の電磁接触器1は、頂板11の上面に、合成ゴムなどの絶縁性弾性体からなるリード線保持部96が配置されている。
リード線保持部96は、主接点側固定接触子17,18の外形と略同一形状の円形挿通穴97,98が形成されている長方形状の載置板99と、載置板99の短辺の縁部に沿って上面に形成された保持突起部100,101と、を備えている。
保持突起部100、101は、載置板99の上面からに立ち上がる立ち上がり部100a,101aと、立ち上がり部100a,100aの上端から円形挿通穴97,98側に向かって延在する折曲部100b,101bとを有するL字形状の部位である。
【0046】
第4実施形態では、第2補助接点電極38と配線基板55の配線パターン62(リード線接続穴62a)との間で接続されたリード線73が、リード線保持部96の保持突起部100の立ち上がり部100aの主接点側固定接触子17に対向している内壁に接触した状態で延在している。
また、第2補助接点電極39と配線基板55の配線パターン63(リード線接続穴63a)との間で接続されたリード線74は、リード線保持部96の保持突起部101の立ち上がり部101aの主接点側固定接触子18に対向している内壁に接触した状態で延在している。
【0047】
この状態で、接点装置4を第1絶縁ケース2の内部に収納すると、リード線保持部96に第1絶縁ケース2の内壁が近接して保持突起部100,101を押圧し、立ち上がり部100a,101a及び折曲部100b,101bが載置板99側に倒れていきながら弾性変形するので、リード線73,74は保持突起部100,101に挟持される。
このように、第4実施形態では、リード線73,74が、頂板11の上面に配置したリード線保持部96の保持突起部100,101に確実に保持されるので、接点装置4及び電磁石ユニット5を第1絶縁ケース2及び第2絶縁ケース3に収納する際に、リード線73,74が第1絶縁ケース2及び第2絶縁ケース3の間に挟まるなどの不具合を解消することができる。
【0048】
また、接点装置4を第1絶縁ケース2の内部に収納した際には、第1絶縁ケース2の内壁がリード線保持部96の保持突起部100,101を押し潰してリード線73,74を覆うので、リード線73,74を確実に固定することができる。
なお、第4実施形態は、載置板99の上面に保持突起部100、101が突出している構造を示したが、収納ケース9の頂板11に当接する載置板99の下面に保持突起部100、101を形成してもよい。
【0049】
〔第5実施形態〕
図16に示すように、第5実施形態の電磁接触器1は、頂板11の上面に、合成ゴムなどの絶縁性弾性体からなるリード線保持部102が配置されている。
リード線保持部102は、主接点側固定接触子17,18の外形と略同一形状の円形挿通穴103,104が形成されている長方形状の載置板105と、載置板105の短辺の縁部に沿って上面に形成された保持突起部106,107と、を備えている。
保持突起部106、107には、短辺に沿う方向に貫通し、リード線73、74が挿通可能な貫通穴106a,107aが形成されている。
【0050】
第5実施形態では、頂板11の上面にリード線保持部102の載置板105を載置した後、第2補助接点電極38及び配線基板55に接続していないリード線73を保持突起部106の貫通穴106aに挿通し、第2補助接点電極39及び配線基板55に接続していないリード線74を保持突起部107の貫通穴107aに挿通する。次いで、第2補助接点電極38と配線基板55の配線パターン62(リード線接続穴62a)との間にリード線73を接続し、第2補助接点電極39と配線基板55の配線パターン63(リード線接続穴63a)との間にリード線74を接続する。
【0051】
この状態で、接点装置4を第1絶縁ケース2の内部に収納すると、リード線保持部102に第1絶縁ケース2の内壁が近接して保持突起部106,107が押圧されて弾性変形するので、リード線保持部102の保持突起部106,107に挿通されているリード線73,74が挟持される。
このように、第5実施形態では、リード線73,74が、頂板11の上面に配置したリード線保持部102の保持突起部106,107に確実に保持されるので、接点装置4及び電磁石ユニット5を第1絶縁ケース2及び第2絶縁ケース3に収納する際に、リード線73,74が第1絶縁ケース2及び第2絶縁ケース3の間に挟まるなどの不具合を解消することができる。
【0052】
また、接点装置4を第1絶縁ケース2の内部に収納した際には、第1絶縁ケース2の内壁がリード線保持部102の保持突起部106,107を押し潰しているので、保持突起部106,107内のリード線73,74を確実に固定することができる。
なお、第5実施形態は、載置板105の上面に保持突起部106、107が突出している構造を示したが、収納ケース9の頂板11に当接する載置板105の下面に保持突起部106、107を形成してもよい。
【0053】
〔第6実施形態〕
図17に示すように、第6実施形態の電磁接触器1は、頂板11の上面に、合成ゴムなどの絶縁性弾性体からなるリード線保持部150が配置されている。
リード線保持部150は、
図18(a)、(b)に示すように、主接点側固定接触子17,18の外形と略同一形状の円形貫通穴151,152が形成されている長方形状の載置板153と、載置板153の長辺の縁部に沿って2箇所の上面から突出している上部凸状部154、155と、これら上部凸状部154、155の上面に直線状に形成されている保持溝154a、155aと、載置板153の短辺から外方に突出している側部凸状部156、157と、これら側部凸状部156、157の下面に直線状に形成されている保持溝156a、157aと、載置板153の上面から立ち上がっている一対の第1の絶縁隔壁158,159と、を備えている。
【0054】
第2補助接点電極38と配線基板55の配線パターン62(リード線接続穴62a)との間で接続しているリード線73は、側部凸状部157の保持溝157a、上部凸状部154の保持溝154aに入り込んで保持された状態で延在している。また、第2補助接点電極39と配線基板55の配線パターン63(リード線接続穴63a)との間で接続しているリード線74は、側部凸状部156の保持溝156aに入り込んで保持された状態で延在している。
また、第1の絶縁隔壁158は、配線基板55のリード線73が接続している配線パターン62(リード線接続穴62a)及びリード線74が接続している配線パターン63(リード線接続穴63a)と、主接点側固定接触子18との間を仕切っている。
【0055】
この状態で、接点装置4を第1絶縁ケース2の内部に収納すると、リード線保持部150に第1絶縁ケース2の内壁が近接して上部凸状部154及び側部凸状部156、157を押圧して弾性変形させるので、保持溝156a,157a及び保持溝154aに入り込んだリード線73,74が挟持される。
また、リード線73が接続しているリード線接続穴62a及びリード線74が接続しているリード線接続穴63aと、主接点側固定接触子18との間には第1の絶縁隔壁158が配置されているので、相互間に十分な沿面絶縁距離が確保される。
【0056】
このように、第6実施形態も、リード線73,74が、頂板11の上面に配置したリード線保持部150の上部凸状部154、155と、側部凸状部156、157の何れかに保持されるので、接点装置4及び電磁石ユニット5を第1絶縁ケース2及び第2絶縁ケース3に収納する際に、リード線73,74が第1絶縁ケース2及び第2絶縁ケース3の間に挟まるなどの不具合を解消することができる。
また、リード線73が接続しているリード線接続穴62a及びリード線74が接続しているリード線接続穴63aと、主接点側固定接触子18との間に第1の絶縁隔壁158が位置しているので、相互間に十分な沿面絶縁距離を確保することができる。
なお、リード線保持部150は、載置板153の平面視における中心位置に対して、円形貫通穴151,152、上部凸状部154、155、側部凸状部156、157及び第1の絶縁隔壁158,159が点対称の位置に形成されているので、頂板11の上面へのリード線保持部150の配置を容易に行うことができる。
【0057】
ここで、
図19は、第6実施形態の変形例であり、リード線保持部150の載置板153の上面に、一対の第2の絶縁隔壁160,161が立ち上がっている。
第2の絶縁隔壁160は、側部凸状部157の保持溝157aから出たリード線73と主接点側固定接触子17との間で立ち上がっている。また、第2の絶縁隔壁161は、第2補助接点電極39側のリード線74と主接点側固定接触子18との間に位置している。
したがって、第2の絶縁隔壁160は、側部凸状部157の保持溝157aから出たリード線73と主接点側固定接触子17との間に十分な沿面絶縁距離を確保することができるとともに、第2の絶縁隔壁161は、第2補助接点電極39側のリード線74と主接点側固定接触子18との間に十分な沿面絶縁距離を十分に確保することができる。
【0058】
〔第7実施形態〕
次に、
図20及び
図21は、収納ケース9の頂板11の前側に配置され、頂板11の前側で突出している第1補助接点電極30,31及び頂板11の後ろ側で突出している第2補助接点電極38,39に接続されている第7実施形態の補助接点外部端子110を示すものである。なお、
図1から
図12で示した第1実施形態と同一構成部分には、同一符号を付してその説明は省略する。
補助接点外部端子110は、頂板11の略全域に載置されている配線基板111と、1個の端子台56と、4個の端子57と、4個の座金付きの端子ねじ58と、を備えている。
【0059】
配線基板111は、例えばガラス繊維にエポキシ樹脂などを含浸させて形成した四角形状を有し、頂板11と略同一面積を有した基板である。
配線基板111は、
図21に示すように、主接点側固定接触子17,18が内部に位置する円形貫通穴112,113と、第1補助接点電極30,31が挿通される第1電極用スルーホール114,115と、第2補助接点電極38,39が挿通される第2電極用スルーホール116、117と、を備えている。
配線基板111の第1電極用スルーホール114,115側には、端子台56の大径脚部66が嵌まり込む大径貫通穴118が所定間隔をあけて4箇所形成されているとともに、4箇所の端子用スルーホール119a〜119dが所定間隔をあけて形成されている。
【0060】
そして、配線基板111の裏面(頂板11に対向する面)には、第1電極用スルーホール114と端子用スルーホール119aとを接続する配線パターン120が形成され、第1電極用スルーホール115と端子用スルーホール119bとを接続する配線パターン121が形成されている。
また、配線基板111の裏面に、第2電極用スルーホール116と端子用スルーホール119cとを接続する配線パターン122が形成され、第2電極用スルーホール117と端子用スルーホール119dとを接続する配線パターン123が形成されている。
【0061】
端子台56は、4箇所の大径脚部66を配線基板111の大径貫通穴118に挿入することで配線基板111に係合されている。
4個の端子57の接続片57cは、端子台56の4箇所の接続片圧入穴68に圧入した後に配線基板111の4箇所の端子用スルーホール119a〜119dに挿入され、半田付けすることで接続されている。
また、配線基板111の第1電極用スルーホール114,115にそれぞれ挿通された第1補助接点電極30,31と、第2電極用スルーホール116、117にそれぞれ挿通された第2補助接点電極38,39は、半田付けすることで接続されている。
【0062】
したがって、
図20で示すように、第6実施形態の補助接点外部端子110は、右側の一対の端子57及び端子ねじ58が、第1補助接点機構7の外部端子となる第1補助接点外部端子部110A,110Bとされ、左側の一対の端子57及び端子ねじ58が、第2補助接点機構8の外部端子となる第2補助接点外部端子部110C、110Dとされている。
このように、第7実施形態によると、補助接点外部端子110を構成する配線基板111は、第1補助接点電極30,31が配線パターン120,121により直接接続され、第2補助接点電極38,39が配線パターン122,123により直接接続されてリード線を不要としているので、補助接点外部端子110の接続作業を、さらに効率よく行うことができるとともに、接続作業時に使用する部品の減少化を促進することができる。
【0063】
〔第8実施形態〕
次に、
図22は、頂板11の前側の第1補助接点電極30,31及び頂板11の後ろ側の第2補助接点電極38,39に接続している第8実施形態の補助接点外部端子部130を示すものである。
第8実施形態の補助接点外部端子部130は、頂板11の前側に配置された補助接点外部端子部131と、頂板11の後ろ側に配置された補助接点外部端子部136とを備えている。
【0064】
補助接点外部端子部131は、2箇所の配線パターン132a,132bが形成されている配線基板132と、端子台133に支持されて端子接続片(不図示)が2箇所の配線パターン132a,132bに形成した端子挿通穴(不図示)に挿入された状態で接続されている2個の端子134,135とを備えている。そして、頂板11の前側で突出している第1補助接点電極30,31は、配線パターン132a,132bに形成した電極通過穴(不図示)に挿入された状態で接続されている。
他の補助接点外部端子部136も、2箇所の配線パターン137a,137bが形成されている配線基板137と、端子台138に支持されて端子接続片(不図示)が2箇所の配線パターン137a,137bに形成した端子挿通穴(不図示)に挿入された状態で接続されている2個の端子139,140とを備えている。そして、頂板11の後ろ側で突出している第2補助接点電極38,39が、配線パターン137a,137bに形成した電極通過穴(不図示)に挿入された状態で接続されている。
【0065】
第8実施形態の補助接点外部端子部130は、頂板11の前側に配置された補助接点外部端子部131が、第1補助接点機構7の外部端子となる第1補助接点外部端子部130A,130Bとされ、頂板11の後ろ側に配置された補助接点外部端子部136が、第2補助接点機構8の外部端子となる第2補助接点外部端子部130C,130Dとされる。
したがって、第8実施形態によると、第1補助接点電極30,31が第1補助接点外部端子部130A,130Bの配線パターン132a,132bに直接接続され、第2補助接点電極38,39が、第2補助接点外部端子部130C,130Dの配線パターン137a,137bに直接接続されてリード線を不要としているので、補助接点外部端子部130の接続作業を、さらに効率よく行うことができるとともに、接続作業時に使用する部品の減少化を促進することができる。
【0066】
〔第9実施形態〕
さらに、
図23で示す第9実施形態は、頂板11の後ろ側であって第2補助接点電極38、39の近くに、電磁石ユニット5の励磁コイル43の2本の巻線に接続している一対の電磁石ユニット電極141,142が突出している。
そして、頂板11の前側には補助接点外部端子部131が配置され、頂板11の後ろ側は第2補助接点・電磁石ユニット外部端子部143が配置されている。
補助接点外部端子部131は、第8実施形態の
図21で示したものと同一構成であり、第1補助接点機構7の外部端子となる第1補助接点外部端子部130A,130Bとして構成されるものとして、同一符号を付して説明は省略する。
【0067】
第2補助接点・電磁石ユニット外部端子部143は、4箇所の配線パターン144a〜144dが形成されている配線基板144と、端子台145に支持されて端子接続片(不図示)が4箇所の配線パターン144a〜144dに形成した端子挿通穴(不図示)に挿入された状態で接続されている4個の端子146とを備えている。
この第2補助接点・電磁石ユニット外部端子部143の右側の2箇所の配線パターン144a,144bに形成した電極通過穴には、頂板11の後ろ側で突出している第2補助接点電極38,39が挿入された状態で接続されており、第2補助接点機構8の外部端子となる第2補助接点外部端子部147C,147Dとして構成されている。
【0068】
一方、第2補助接点・電磁石ユニット外部端子部143の左側の2箇所の配線パターン144c,144dに形成した電極通過穴に、一対の電磁石ユニット電極141,142が挿入された状態で接続されている。
したがって、第2補助接点・電磁石ユニット外部端子部143の左側の2個の端子146は、電磁石ユニット外部端子部148A、148Bとされる。
第9実施形態によると、第1補助接点外部端子部130A,130Bと第2補助接点外部端子部147C,147Dとともに、電磁石ユニット外部端子部148A、148Bも頂板11に配置された構成とされているので、電流路に設けた他の電機部品と電磁接触器1との接続作業をさらに容易に行うことができる。
【0069】
なお、第9実施形態に対して異なる構造として、補助接点外部端子部131も頂板11の後ろ側に配置することで、補助接点外部端子部131及び第2補助接点・電磁石ユニット外部端子部143の全てを頂板11の後ろ側の一辺に集約する構造とすると、第9実施形態と同様に、電流路に設けた他の電機部品と電磁接触器1との接続作業をさらに容易に行うことができる。
【0070】
ここで、上述した第1〜第9実施形態において、本発明に係る主接点部が主接点機構6に対応し、本発明に係る補助接点部が第1及び第2補助接点機構7,8、本発明に係る接点収納ケースが収納ケース9に対応している。また、本発明に係る補助接点電極が第1補助接点電極30,31及び第2補助接点電極38,39に対応している。また、本発明に係る配線保持部がリード線保持部81,90,96,102,150に対応している。また、本発明係るL字型の凸状部が保持突起部100,101に対応している。さらに、本発明に係る隔壁が第1の絶縁隔壁158,159及び第2の絶縁隔壁160,161に対応している。
【解決手段】主接点部6と、補助接点部7,8と、主接点部及び補助接点部を収納する接点収納ケース9と、主接点部の可動軸14に連結された可動プランジャ16を可動させる電磁石ユニット5と、接点収納ケースのケース壁11から外部に突出している主接点電極17,18と、補助接点部の一対の固定接点に接続されてケース壁から外部に突出している補助接点電極30,31、38,39と、補助接点電極に接続された状態でケース壁の一部に配置されている補助接点外部端子部51とを備えている。