特許第6332593号(P6332593)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6332593
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】充填システム
(51)【国際特許分類】
   B67C 3/00 20060101AFI20180521BHJP
   A61J 3/00 20060101ALI20180521BHJP
   F26B 5/06 20060101ALI20180521BHJP
   F26B 25/00 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   B67C3/00 D
   A61J3/00 310K
   F26B5/06
   F26B25/00 J
   F26B25/00 A
   A61J3/00 300C
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-249529(P2013-249529)
(22)【出願日】2013年12月2日
(65)【公開番号】特開2015-105140(P2015-105140A)
(43)【公開日】2015年6月8日
【審査請求日】2016年11月30日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082108
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(72)【発明者】
【氏名】浦 正樹
【審査官】 小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−164509(JP,A)
【文献】 特開昭62−028394(JP,A)
【文献】 特開2008−207842(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67C 3/00
A61J 3/00
F26B 5/06
F26B 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を該容器が供給される供給位置から該容器内に充填された内容物を凍結乾燥させる凍結乾燥庫に搬送する第1搬送手段と、該第1搬送手段の途中に設けられて容器内に上記内容物を充填する充填手段と、上記凍結乾燥庫によって内容物が凍結乾燥された容器を該凍結乾燥庫から容器の排出位置に搬送する第2搬送手段と、これらの運転を制御する制御手段とを備えた充填システムにおいて、
上記制御手段に、上記充填手段によって内容物が充填された容器を上記第1搬送手段を介して上記凍結乾燥庫へ収容させる第1運転モードと、上記凍結乾燥庫から内容物が凍結乾燥された容器を取り出して該容器を上記第2搬送手段を介して上記排出位置まで搬送する第2運転モードと、上記充填手段によって内容物が充填された容器を上記第1搬送手段および第2搬送手段を介して上記排出位置まで搬送する第3運転モードとを設け、
さらに該制御手段は、上記第1運転モードでの運転により凍結乾燥庫内に容器を供給した後、上記第2運転モードでの運転によって凍結乾燥庫内の容器を排出する前に、凍結乾燥庫内に容器を収容した状態で、上記第3運転モードで運転することが可能となっていることを特徴とする充填システム。
【請求項2】
少なくとも上記第3運転モードで運転する際には、上記第1搬送手段と第2搬送手段との間に、上記充填手段によって内容物が充填された容器を上記凍結乾燥庫をバイパスさせて第1搬送手段から第2搬送手段へ受け渡すバイパス手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の充填システム。
【請求項3】
上記容器をキャリアに挿入するキャリア挿入手段と、上記容器が挿入されたキャリアから容器を抜き取る容器取り出し手段とを設けて、上記容器をキャリアに挿入した状態で上記各搬送手段を搬送可能とするとともに、上記凍結乾燥庫に収容できるように構成し、
さらに、上記容器取り出し手段によって容器が抜き取られて空となった空のキャリアをキャリア挿入手段へ搬送するキャリア搬送手段と、該キャリア搬送手段の途中で空のキャリアをストックするストッカとを設け、該ストッカは、上記第2運転モードで運転された際に凍結乾燥庫から排出されるキャリアの数と、上記第3運転モードにより運転される際に上記各搬送手段が搬送可能なキャリアの数との合計の数のキャリアを収容可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の充填システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は充填システムに関し、より詳しくは、凍結乾燥庫を備えた充填システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、充填システムとして、凍結乾燥庫を備えた充填システムは公知である(特許文献1)。
この充填システムは、容器を該容器が供給される供給位置から該容器内に充填された内容物を凍結乾燥させる凍結乾燥庫に搬送する第1搬送手段と、該第1搬送手段の途中に設けられて容器内に上記内容物を充填する充填手段と、上記凍結乾燥庫によって内容物が凍結乾燥された容器を該凍結乾燥庫から容器の排出位置に搬送する第2搬送手段と、これらの運転を制御する制御手段とを備えている。
上記制御装置は、上記第1搬送手段および充填手段を制御して、供給位置に供給された容器を上記第1搬送手段を介して充填手段に供給するとともに、該充填手段によって容器内に内容物を充填させる。そして充填手段によって内容物が充填された容器を上記第1搬送手段を介して凍結乾燥庫内に供給する。
上記凍結乾燥庫内に全ての容器が供給されたら、該凍結乾燥庫により通常は数日かけて容器内の内容物が凍結乾燥される。
そして数日後、凍結乾燥庫によって容器内の内容物が凍結乾燥されたら、制御装置は上記第2搬送手段を制御して、凍結乾燥庫によって内容物が凍結乾燥された容器を該凍結乾燥庫から容器の排出位置に搬出するようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−164509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、従来の充填システムにおいては容器内に冷凍乾燥が必要な内容物を充填するとともに、全ての容器を凍結乾燥庫に供給して各容器内の内容物を冷凍乾燥させるようになっていた。
その結果、凍結乾燥庫内に容器が供給されてから各容器内の内容物が凍結乾燥されるまでの数日間は新たな容器への充填作業は行われておらず、そのために充填システムの稼働率が低くなっていた。
本発明はそのような事情に鑑み、凍結乾燥庫を備えた充填システムにおいて、稼働率を向上させることができる充填システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち本発明は、容器を該容器が供給される供給位置から該容器内に充填された内容物を凍結乾燥させる凍結乾燥庫に搬送する第1搬送手段と、該第1搬送手段の途中に設けられて容器内に上記内容物を充填する充填手段と、上記凍結乾燥庫によって内容物が凍結乾燥された容器を該凍結乾燥庫から容器の排出位置に搬送する第2搬送手段と、これらの運転を制御する制御手段とを備えた充填システムにおいて、
上記制御手段に、上記充填手段によって内容物が充填された容器を上記第1搬送手段を介して上記凍結乾燥庫へ収容させる第1運転モードと、上記凍結乾燥庫から内容物が凍結乾燥された容器を取り出して該容器を上記第2搬送手段を介して上記排出位置まで搬送する第2運転モードと、上記充填手段によって内容物が充填された容器を上記第1搬送手段および第2搬送手段を介して上記排出位置まで搬送する第3運転モードとを設け、
さらに該制御手段は、上記第1運転モードでの運転により凍結乾燥庫内に容器を供給した後、上記第2運転モードでの運転によって凍結乾燥庫内の容器を排出する前に、凍結乾燥庫内に容器を収容した状態で、上記第3運転モードで運転することが可能となっていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
上記構成によれば、第1運転モードの運転により、充填手段によって内容物が充填された容器を第1搬送手段を介して凍結乾燥庫へ収容させることができ、また第2運転モードの運転により、上記凍結乾燥庫から内容物が凍結乾燥された容器を取り出して該容器を上記第2搬送手段を介して上記排出位置まで搬送することができる。つまり上記第1運転モードと第2運転モードとにより、従来の充填システムと同等の作業を行うことができる。
そして本発明においては、上記第1運転モードと第2運転モードとの間において、上記第3運転モードで運転することが可能となっている。つまり、凍結乾燥庫によって容器内の内容物を凍結乾燥している間に、凍結乾燥をする必要のない内容物を上記充填手段によって容器内に充填し、該内容物が充填された容器を上記第1搬送手段および第2搬送手段を介して上記排出位置まで搬送することができる。
このように、凍結乾燥庫によって容器内の内容物を凍結乾燥している間に、上記第3運転モードによって、容器内に凍結乾燥をする必要のない内容物を充填する充填作業を行うことができるので、従来に比較して充填システムの稼働率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1実施例を示す概略構成図。
図2】第1実施例におけるバイパス手段25を示す平面図。
図3】容器2の一例を示す断面図。
図4】本発明の第2実施例における第1運転モードの状態を示す概略構成図。
図5】本発明の第2実施例における第2運転モードの状態を示す概略構成図。
図6】本発明の第2実施例における第3運転モードの状態を示す概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下図示実施例について本発明を説明すると、図1において、充填システム1は、容器2(図3参照)を供給位置Aから該容器内に充填された内容物を凍結乾燥させる凍結乾燥庫3に搬送する第1搬送手段4を備えている。
上記容器2としては、例えば図3に示すようにガラス製のバイアル瓶2Aを用いることができ、ゴム製の栓2Bが打栓されていない空のバイアル瓶2Aは、図1に示す容器供給手段5によって上記第1搬送手段4の供給位置Aに供給されるようになっている。
上記第1搬送手段4の途中には、上流側から下流側にかけて、リンサ・キャリア挿入手段11、滅菌乾燥手段12、充填手段13が順次設けられている。
【0009】
上記リンサ・キャリア挿入手段11は、上記バイアル瓶2Aをキャリア6(図3)に挿入するとともに、該バイアル瓶2Aをキャリア6とともに洗浄することができるようになっている。バイアル瓶2Aはそれ自体を自立させて搬送することが可能であるが、不安定さがあるのでキャリア6内に挿入して搬送することが望ましい。
上記滅菌乾燥手段12は、リンサ・キャリア挿入手段11によって洗浄されたバイアル瓶2Aを滅菌するとともに乾燥することができるようになっており、さらに充填手段13は、滅菌乾燥されたバイアル瓶2A内に所要の内容物を充填することができるようになっている。
上記充填手段13はバイアル瓶2A内に所要の内容物を充填した後に、栓2Bによってバイアル瓶2Aを完全に密封せずに、バイアル瓶2Aの内部を外気に連通させた状態で、栓2Bを半打栓することができるようになっている。
そして栓2Bが半打栓されたバイアル瓶2Aは、第1搬送手段4によって上記凍結乾燥庫3内に搬入され、バイアル瓶2Aの内部が外気に連通された状態のままで凍結乾燥庫3によって通常は数日をかけて内容物が凍結乾燥されるようになる。
【0010】
上記充填システム1は、上記凍結乾燥庫3によって内容物が凍結乾燥された容器2を該凍結乾燥庫3から容器の排出位置Bまで搬送する第2搬送手段17を備えている。
上記第2搬送手段17の途中には、上流側から下流側にかけて、巻締め手段18、ラベラ19、キャリア取出し手段20が順次設けられている。
上記巻締め手段18は、上記充填手段13によって半打栓された栓2Bを完全にバイアル瓶2Aに打栓するとともに、バイアル瓶2Aの口部外周にアルミ製リング状のキャップ2C(図3)を巻締めて、栓2Bがバイアル瓶2Aから離脱することがないようにしている。
上記ラベラ19はバイアル瓶2Aの外周に所要のラベルを貼着することができるようになっており、ラベルが貼着された容器2は第2搬送手段17によってキャリア取出し手段20に搬送され、該キャリア取出し手段20によってキャリア6から分離されて排出位置Bから充填システム1の外部に排出されるようになる。
他方、上記キャリア取出し手段20によって容器2から分離された空のキャリア6は、キャリア搬送手段21によってストッカ22に供給されてここにストックされるようになる。そして該ストッカ22でストックされた空のキャリア6は、次の運転時にキャリア搬送手段21によって搬送されて上記リンサ・キャリア挿入手段11に循環供給されるようになる。
そして上述した各手段は、図示しない制御手段によってそれぞれ運転制御されるようになっている。
【0011】
さらに上記充填システム1は、図1図2に示すように、上記第1搬送手段4と第2搬送手段17との間に、上記充填手段13によって内容物が充填された容器2を上記凍結乾燥庫3をバイパスさせて第1搬送手段4から第2搬送手段17へ受け渡すバイパス手段25を備えている。
図示実施例では、図2に示すように、図2の左右に伸びる搬送コンベヤ26の右側先端部に上下に伸びる搬送コンベヤ27をT字形に設けてあり、左右に伸びる搬送コンベヤ26の左側は上記充填手段13に接続してある。また、上下に伸びる搬送コンベヤ27の上側は上記凍結乾燥庫3に接続してあり、他方、下側は巻締め手段18に接続してある。
そして左右に伸びる搬送コンベヤ26はモータなどの駆動手段28によって容器2を図2の左方から右方へ搬送することができるようにしてあり、上下に伸びる搬送コンベヤ27はモータなどの駆動手段29によって容器2を図2の上下方向のいずれにも搬送することができるようにしてある。
つまり、上記左右に伸びる搬送コンベヤ26と上下に伸びる搬送コンベヤ27のうちT字形の接続部の上方部分は上記第1搬送手段4の一部を構成し、また上下に伸びる搬送コンベヤ27は第2搬送手段17の一部を構成している。
【0012】
上記T字形の接続部の上下の角部にはそれぞれロータリーテーブル31、32を設けてあり、各ロータリーテーブル31、32はそれぞれ図示しない負圧源に連通させてある。上方側のロータリーテーブル31を負圧源に連通させた際には、該ロータリーテーブル31によってキャリア6を吸着して、搬送コンベヤ26の右側先端部から上下に伸びる搬送コンベヤ27の上方側に向けて容器2を搬送し、該搬送コンベヤ27を上側に向けて走行させることにより、該搬送コンベヤ27を介して容器2を凍結乾燥庫3に供給することができるようにしてある。
これに対し、下方側のロータリーテーブル32を負圧源に連通させた際には、該ロータリーテーブル32によってキャリア6を吸着して、搬送コンベヤ26の右側先端部からに上下に伸びる搬送コンベヤ27の下方側に向けて容器2を搬送し、該搬送コンベヤ27を下側に向けて走行させることにより、左右に伸びる搬送コンベヤ26によって搬送されてきた容器2を凍結乾燥庫3をバイパスさせて、そのまま排出位置Bまで搬送することができるようにしてある。
つまり下側のロータリーテーブル32は、上記充填手段13によって内容物が充填された容器2を凍結乾燥庫3をバイパスさせて上記排出位置Bまで搬送させる上述したバイパス手段25を構成している。
さらに、両方のロータリーテーブル31、32を負圧源に連通させずに上下に伸びる搬送コンベヤ27を下側に向けて走行させることにより、凍結乾燥庫3によって内容物が凍結乾燥された容器を上記巻締め手段18、ラベラ19およびキャリア取出し手段20を介して排出位置Bまで搬送することができるようにしてある。
【0013】
上述した図示しない制御装置は、上記充填手段13によって内容物が充填された容器2を上記第1搬送手段4を介して上記凍結乾燥庫3へ収容させる第1運転モードと、上記凍結乾燥庫3から内容物が凍結乾燥された容器2を取り出して該容器2を上記第2搬送手段17を介して上記排出位置Bまで搬送する第2運転モードと、上記充填手段13によって内容物が充填された容器2を上記バイパス手段25により凍結乾燥庫3をバイパスさせて、第1搬送手段4および第2搬送手段17を介して上記排出位置Bまで搬送する第3運転モードとの3つの運転モードを備えている。
上記第1運転モードでは、上記制御装置は、上記容器供給手段5、第1搬送手段4、リンサ・キャリア挿入手段11、滅菌乾燥手段12、充填手段13、搬送コンベヤ26、27、上側のロータリーテーブル31、凍結乾燥庫3、キャリア搬送手段21およびストッカ22の運転を制御するようになっている。
これにより、上記容器供給手段5によって第1搬送手段4の供給位置Aに供給されたバイアル瓶2Aは、リンサ・キャリア挿入手段11によってキャリア6内に挿入されるとともに洗浄され、次に滅菌乾燥手段12によって滅菌乾燥される。
滅菌乾燥手段12によって滅菌乾燥されたバイアル瓶2Aは充填手段13に供給され、該充填手段13によってバイアル瓶2A内に凍結乾燥が必要な内容物が充填される。そして該充填手段13によってバイアル瓶2Aに栓2Bが半打栓されると、栓2Bが半打栓されたバイアル瓶2Aは第1搬送手段4を構成する搬送コンベヤ26からロータリーテーブル31を介して搬送コンベヤ27に受け渡され、該搬送コンベヤ27により上記凍結乾燥庫3内に搬入される。これにより、容器2内の内容物は、数日をかけて凍結乾燥されるようになる。
【0014】
上記第2運転モードでは、上記制御装置は、凍結乾燥庫3、搬送コンベヤ27、第2搬送手段17、巻締め手段18、ラベラ19、キャリア取出し手段20、キャリア搬送手段21およびストッカ22の運転を制御するようになっている。
これにより、数日かけて内容物が凍結乾燥された容器2は、凍結乾燥庫3から搬送コンベヤ27上に排出され、第2搬送手段17を介して巻締め手段18に供給される。この巻締め手段18によってバイアル瓶2Aに半打栓されていた栓2Bは完全にバイアル瓶2Aに打栓されるようになり、引き続き該巻締め手段18によってバイアル瓶2Aの口部外周にキャップ2Cが巻締められる。
この後、容器2はラベラ19に供給されてその外周に所要のラベルが貼着され、次にキャリア取出し手段20に搬送されてキャリア6から分離され、排出位置Bから充填システム1の外部に排出されるようになる。
他方、上記キャリア取出し手段20によって容器2から分離された空のキャリア6はキャリア搬送手段21によってストッカ22に供給されてここでストックされるようになる。
【0015】
上記制御装置は、上記第3運転モードを備えており、該制御手段は、上記第1運転モードで運転した後、上記第2運転モードで運転する前に、第3運転モードで運転することが可能となっている。つまり第1運転モードの運転により凍結乾燥庫3内に容器2を供給した後、該容器2内の内容物が凍結乾燥されて第2運転モードの運転によって凍結乾燥庫3内の容器2を排出する前に、第3運転モードを実行できるようになっている。
これにより充填システム1の稼働率を向上させることができる。
上記第3運転モードでは、上記制御装置は、上記容器供給手段5、第1搬送手段4、リンサ・キャリア挿入手段11、滅菌乾燥手段12、充填手段13、搬送コンベヤ26、バイパス手段25を構成する下側のロータリーテーブル32、搬送コンベヤ27、第2搬送手段17、巻締め手段18、ラベラ19、キャリア取出し手段20、キャリア搬送手段21およびストッカ22の運転を制御するようになっている。
【0016】
これにより、上記容器供給手段5によって第1搬送手段4の供給位置Aに供給されたバイアル瓶2Aは、リンサ・キャリア挿入手段11によってキャリア6内に挿入されるとともに洗浄され、次に滅菌乾燥手段12によって滅菌乾燥される。滅菌乾燥手段12によって滅菌乾燥されたバイアル瓶2Aは充填手段13に供給され、該充填手段13によってバイアル瓶2A内に凍結乾燥が不要な内容物が充填される。
そして該充填手段13によってバイアル瓶2Aに栓2Bが半打栓されると、栓2Bが半打栓されたバイアル瓶2Aは第1搬送手段4を構成する搬送コンベヤ26からバイパス手段25を構成する下側のロータリーテーブル32を介して搬送コンベヤ27に受け渡され、該搬送コンベヤ27から第2搬送手段17を介して巻締め手段18に供給される。つまり、凍結乾燥が不要な内容物が充填された容器2は、凍結乾燥庫3に供給されることなくこれをバイパスして巻締め手段18に供給されるようになる。
上記巻締め手段18は、バイアル瓶2Aに半打栓されていた栓2Bを完全にバイアル瓶2Aに打栓するとともに、バイアル瓶2Aの口部外周にキャップ2Cを巻締める。この後、容器2はラベラ19に供給されてその外周に所要のラベルが貼着され、次にキャリア取出し手段20に搬送されてキャリア6から分離され、排出位置Bから充填システム1の外部に排出されるようになる。
【0017】
他方、上記キャリア取出し手段20によって容器2から分離された空のキャリア6はキャリア搬送手段21によりストッカ22に供給されてここでストックされるようになる。
このとき、ストッカ22は、上記第2運転モードで運転された際に凍結乾燥庫3から排出されるキャリア6の数と、上記第3運転モードにより運転される際に上記各搬送手段4、17が搬送可能なキャリア6の数との合計の数のキャリアを収容可能に構成されている。
これにより、上記第3運転モードの運転が終了して上記ストッカ22に全ての空のキャリア6が収納された後に、上記第2運転モードの運転が行われて凍結乾燥庫3から排出された全てのキャリア6がストッカ22に供給されても、該ストッカ22は第2運転モードによって供給される全てのキャリア6を収納することが可能となる。
【0018】
図4図6は本発明の第2実施例を示したもので、上記第1実施例のバイパス手段25が制御手段によって切換え制御されているのに対し、本実施例のバイパス手段35(図6参照)は運転モードに合わせて人手によってガイド手段36、37、38を順次交換するようにしたものである。
すなわち図4は、容器2を第1搬送手段4を介して凍結乾燥庫3へ収容させる第1運転モードで運転する際に使用される第1ガイド手段36を示したものである。
本実施例においては、第1実施例と同様に図4の左右に伸びる搬送コンベヤ26の右側先端部に上下に伸びる搬送コンベヤ27をT字形に設けてあり、このT字形の接続部の上下の角部にそれぞれ方転テーブル41、42を設けてある。各方転テーブル41、42は、各方転テーブル41、42の上面に載置された容器2をそれぞれの回転によって搬送するもので、上方の方転テーブル41は反時計方向に、下方の方転テーブル42は時計方向にそれぞれ回転駆動されるようになっている。
【0019】
図4に示す第1ガイド手段36は3つのガイド部材36A、36B、36Cを備えており、2つのガイド部材36A、36Bは相互に隣接して配置されて、両者の間で容器2の移動を案内することができるようになっている。そして両ガイド部材36A、36Bによる容器2の案内面は、左右に延びる搬送コンベヤ26から上方の方転テーブル41の上面を介して上下に伸びる搬送コンベヤ27の上方側に向けて容器2を搬送できるように円弧状に形成してある。
残りのガイド部材36Cは円弧状の案内面を構成する内側のガイド部材36Aに連続して設けられ、上下に伸びる搬送コンベヤ27に設けられた固定ガイド27Aとの間で容器2を凍結乾燥庫3に向けて上方に搬送できるようになっている。
【0020】
図5は、上記凍結乾燥庫3から送り出されてきた容器2を排出位置Bまで搬送する第2運転モードで運転する際に使用される第2ガイド手段37を示したものである。
上記第2ガイド手段37は3つのガイド部材37A、37B、37Cを備えており、第1のガイド部材37Aは搬送コンベヤ27に設けられた上記固定ガイド27Aとの間で、凍結乾燥庫3から送り出されてきた容器2を下方に向けて搬送できるようになっている。他の2つのガイド部材37B、37Cは相互に隣接して配置されて、上記ガイド部材37Aと固定ガイド27Aとの間で搬送されてきた容器2を両ガイド部材37B、37Cの間で受け入れることができるようになっている。
そして上記2つのガイド部材37B、37Cは搬送コンベヤ26、27のT字形の接続部分を上下に貫通するように配置されており、それによって容器2を上記T字形の接続部分を超えて、搬送コンベヤ27の下方側に向けて直線状に搬送できるようにしてある。
【0021】
図6は、上記充填手段13によって内容物が充填された容器2を凍結乾燥庫3をバイパスさせて、第1搬送手段4および第2搬送手段17を介して上記排出位置Bまで搬送する第3運転モードで運転する際に使用される第3ガイド手段38を示したものである。
図6に示す第3ガイド手段38は2つのガイド部材38A、38Bを備えており、これら2つのガイド部材38A、38Bは相互に隣接して配置されて、両者の間で容器2の移動を案内することができるようになっている。そして両ガイド部材38A、38Bによる容器2の案内面は、左右に延びる搬送コンベヤ26から下方の方転テーブル42の上面を介して上下に伸びる搬送コンベヤ27の下方側に向けて容器2を搬送できるように円弧状に形成してある。
この第2実施例では、上記第3ガイド手段38と下方の方転テーブル42とによってバイパス手段35を構成してある。
その他の構成は、第1実施例と同様に構成してある。
【0022】
上記第2実施例において、充填システム1を第1運転モードで運転する際には、図4に示す第1ガイド手段36が選択使用されるようになり、第1ガイド手段36を構成する3つのガイド部材36A、36B、36Cがそれぞれ図示しないフレームに固定される。
この第1運転モードでは、上記制御装置は、上記容器供給手段5、第1搬送手段4、リンサ・キャリア挿入手段11、滅菌乾燥手段12、充填手段13、搬送コンベヤ26、27、上側の方転テーブル41、凍結乾燥庫3、キャリア搬送手段21およびストッカ22の運転を制御するようになる。
これにより、第1実施例と同様に栓2Bが半打栓されたバイアル瓶2Aは第1搬送手段4を構成する搬送コンベヤ26から2つガイド部材36A、36B、方転テーブル41の上面を介して搬送コンベヤ27に受け渡され、さらにガイド部材36Cと固定ガイド27Aによって案内されて、該搬送コンベヤ27により上記凍結乾燥庫3内に搬入されるようになる。
【0023】
また充填システム1を第2運転モードで運転する際には、図5に示す第2ガイド手段37が選択使用されるようになり、この場合には第2ガイド手段37を構成する3つのガイド部材37A、37B、37Cがそれぞれ図示しないフレームに固定される。
この第2運転モードでは、上記制御装置は、凍結乾燥庫3、搬送コンベヤ27、第2搬送手段17、巻締め手段18、ラベラ19、キャリア取出し手段20、キャリア搬送手段21およびストッカ22の運転を制御するようになる。つまり上下の方転テーブル41、42の運転は共に停止されたままとなる。
この第2運転モードでは、容器2は凍結乾燥庫3から搬送コンベヤ27上に排出され、該搬送コンベヤ27によって第1のガイド部材37Aと固定ガイド27Aとの間から、2つのガイド部材37B、37Cの間に受け渡されて、下方に向けて搬送される。そして第2搬送手段17により上記巻締め手段18、ラベラ19、キャリア取出し手段20を介して排出位置Bまで搬送されるようになる。
【0024】
さらに充填システム1を第3運転モードで運転する際には、図6に示すバイパス手段35が選択使用されるようになり、この場合にはバイパス手段35を構成する第3ガイド部材38の2つのガイド部材38A、38Bがそれぞれ図示しないフレームに固定される。
この第3運転モードでは、上記制御装置は、上記容器供給手段5、第1搬送手段4、リンサ・キャリア挿入手段11、滅菌乾燥手段12、充填手段13、搬送コンベヤ26、上記バイパス手段35を構成する下側の方転テーブル42、搬送コンベヤ27、第2搬送手段17、巻締め手段18、ラベラ19、キャリア取出し手段20、キャリア搬送手段21およびストッカ22の運転を制御するようになる。
これにより、上記第1搬送手段4を構成する搬送コンベヤ26によって搬送されてきた容器2は、バイパス手段35を構成する2つガイド部材38A、38B、下方の方転テーブル42の上面を介して搬送コンベヤ27に受け渡され、該搬送コンベヤ27から第2搬送手段17を介して巻締め手段18に供給される。つまり、凍結乾燥が不要な内容物が充填された容器2は、凍結乾燥庫3に供給されることなくこれをバイパスして巻締め手段18に供給されるようになる。
【0025】
なお、バイパス手段25、35の構成は上述したものに限定されるものではなく、図1の想像線で示すように、充填手段13から巻締め手段18へ容器を直接搬送する搬送手段を設けて、これをバイパス手段25’としてもよい。要するに、凍結乾燥庫3をバイパスさせることができれば如何なる構成であってもよい。
【符号の説明】
【0026】
1 充填システム 2 容器
2A バイアル瓶 2B 栓
3 凍結乾燥庫 4 第1搬送手段
5 容器供給手段 6 キャリア
13 充填手段 17 第2搬送手段
21 キャリア搬送手段 22 ストッカ
25、25’、35 バイパス手段 26、27 搬送コンベヤ
28、29 駆動手段 31、32 ロータリーテーブル
36〜38 ガイド手段 41、42 方転テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6