【実施例】
【0040】
本発明の親水化高分子不織布シートの優れた効果を、以下の実施例によって示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中で測定した特性値の評価方法を以下に記載する。
【0041】
(1)極細繊維不織布の繊維径
不織布の繊維径は、不織布を走査型電子顕微鏡(SEM)にて撮影し、撮影された繊維と縮尺情報より算出した。任意の繊維20本について計測し、その平均値を不織布の繊維径(μm)とした。
【0042】
(2)かさ密度
不織布を20×100(cm)に切断し、その重量A(g)を測定した。ついで、不織布の幅方向、長さ方向で広い範囲で、20箇所を選定し、厚み計を用いて厚みB(cm)を測定した。これらの値より、かさ密度は、A/B/(20×100)(g/cm
3)と算出した。
【0043】
(3)ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)含有率
不織布に被覆したヒドロキシプロピルセルロース含有率は、アンスロン試薬による糖の定量により実施した。アンスロン試薬は、アンスロン100mg、硫酸48ml、純水12.5mlを混合して作製した。サンプル20mgを精秤し、氷冷下で純水0.5mlを加え、次いでアンスロン試薬を3ml添加混和する。沸騰水浴中で、10分間加熱し、反応させる。ヒドロキシプロピルセルロースを所定量溶解した標準液を作製し、同様に0.5mlを添加しアンスロンとの反応を行う。冷却後の液をフィルターろ過を行い、620nmの吸光度を測定し、標準液の検量線より、ヒドロキシプロピルセルロースの濃度を求め、サンプルのヒドロキシプロピルセルロース含有率(%)に換算した。
【0044】
(4)NMR測定
ヒドロキシプロピルセルロースの熱変性によるNMR特性を確認するため、次に示す実験を実施した。水にヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達 HPC−L)を濃度1重量%となるように均一溶解させた。これを用いて、所定温度と時間(例えば室温〜75℃、15分〜60分など)の処理を実施した。その後、先のそれぞれの加熱温度を超えないような条件下で乾固させて得たヒドロキシプロピルセルロースを10mg秤り取り、重DMSO(DMSO−d6)1mLに溶解させた。これをNMRチューブに投入して400MHz−プロトンNMR測定を行った。用いた測定装置はVarian社製 400MR、測定条件として、共鳴周波数399.796MHz、ロック溶媒DMSOd6、積算回数32回、待ち時間1秒とした。ケミカルシフトの基準として、DMSO由来のピークを2.51ppmとなるようにした。NMR装置付属の解析ソフトを用いて、スペクトルの解析を行った。得たスペクトルチャートから、3.75ppmに現れるスペクトルピークAの強度を基準として、4.12ppmに現れるスペクトルピークBの強度と比較した。具体的には、解析ソフトを用いてスペクトルチャートのベースラインを揃え、ピークAおよびBの強度値を得た後に、強度割合B/A(%)を算出した。これにより、変性に伴うNMRシグナルの特性を把握し、強い変性発生と見なす閾値としてB/Aが12%以下であると決定した。不織布シートに固定化したヒドロキシプロピルセルロースは、重DMSOにシートを浸漬し、重DMSO中にヒドロキシプロピルセルロースを溶出させたものを上記と同様に測定を実施した。
【0045】
(5)親水性試験(水吸い込み試験)
不織布シート12cm×160cmを二つ折にし、その折り目を内側にして、ロール状に丸め、固定リングを用いて形状固定化する。その不織布ロールを、深さ2mmにためた水槽に垂直に立てる(この時刻を時間の開始時間とする)。外部からの観察により、水がシートに吸い込まれる様子を観察し、ロール外周部において、最も早い位置での水が液面から高さ50mmまで上昇するまでの時間を計測する。なお、親水化処理していないものでは、300秒超の時間を要する。
【0046】
(6)溶出物試験(25℃、70℃)
フラスコに、サンプル2.5gに対して純水50mlを加え浸漬させる。この容器を、25℃または70℃の水浴に入れ、25℃は30分、70℃は120分間の抽出を行う。抽出後の液を測定液として、前述のアンスロン試薬を用いて、ヒドロキシプロピルセルロース濃度を定量し、サンプルからの溶出量(mg(HPC重量)/g(シート重量))を算出した。それぞれの値から、70℃溶出量÷25℃溶出量にて、溶出(70/25)比を算出した。なお、溶出量の検出限界は、0.02mg/gであった。
【0047】
(7)細胞捕捉試験(白血球、血小板の捕捉試験)
サンプルシートを、積層充填した吸着カラムを作製した。内径16mm径の円筒型カラムにシートを同サイズに加工し、重量約0.20gとなるように適当枚数を積層し、外周のショートパスが無いように液密に充填し、上下に処理液の流入口を有するキャップを取り付けたカラムを作製した。上下キャップによる挟み込みの調整により、シート層の厚みを調整し、所望のかさ密度とした。ヘパリン化ブタ新鮮血を用いて、カラムの通液テスト(通液の速度は、0.74ml/minの定速)を実施し、処理前後の血液をサンプリングし、含有する血球成分(白血球、血小板)の濃度測定を行った。前後の濃度比から各成分の捕捉率を算出した。出口液は、15、30、45、60分経過時点から各5分間のサンプリングを実施し、経時的な評価を実施した。これら通液の流速、カラム中の吸着材の量、入口部の面積などの関係は、概ね現在、臨床などで使用される実用サイズの吸着器の処理条件の比率と一致するものであり、30分間の処理時間が、おおよそ通常サイズでは1L程度の処理量に相当すると概算できる。実施例間の比較は、30分での値を用いて比較した。
【0048】
(不織布シートの作製)
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC 日本曹達株式会社製 HPC−L)、2−プロパノール(IPA)、純水を所定量混合し、室温(25℃未満)にて溶解し均一な溶液とした。ヒドロキシプロピルセルロースの被覆処理は、連続的に処理を行える連続処理装置を用いて次の要領で行った。巻き出し用のフリーロールに被覆前のPET製不織布(平均糸径d、かさ密度S)を巻いたロールをセットし、該不織布を巻き出してヒドロキシプロピルセルロース溶液の入った含浸浴に気泡が入らないよう完全に浸漬させた。この間の浸漬時間(Time1)は、シートの走行速度、浸漬する2つの液中ガイド間の長さで制御される。含浸浴から引き上げた後、ニップローラーにて余剰なヒドロキシプロピルセルロース溶液を除去した後、所定の温度(Temp2)に制御した熱水処理(固定化処理)槽へ完全に浸漬させた。浸漬時間(Time2)は、シートの走行速度と浸漬する2つの液中ガイド間の長さで制御する。熱水処理後も再びニップローラーにて余剰水分を除去した。なお長時間の処置を実施する場合は、一旦走行を停止して浸漬のまま所定時間の処理を行った。熱処理に引き続き、洗浄のために、室温の純水をシャワー状に吹き付けた。洗浄時間は、30秒以上の処理を行った。洗浄後に絞り工程を経た後、室温での通風乾燥および低湿度下でのドライボックス放置により完全に乾燥させた。このようにして、ヒドロキシプロピルセルロースが被覆された親水性のPET不織布を作製し、所定の評価に用いた。
【0049】
(実施例1)
PETのメルトブロー不織布、平均繊維径1.8μm、目付け40g/m
2、かさ密度0.13g/cm
3の高分子不織布シートを用いて、HPC溶液として、HPC濃度0.05%、IPA濃度5%の水溶液を用い、Time1=15秒の処理を行い、熱処理としてTime2=20秒、Temp2=47℃の条件にて処理を行い、HPC被覆した不織布シートを作製した。得られた不織布シートのHPC含有率は、0.14%、被覆量は、0.84mg/m
2、NMRでのB/A=24%、溶出物(25℃)=0.04mg/g、溶出物(70℃)=0.04mg/g、溶出物比(70℃/25℃)=1.0、吸上げ時間=60秒であった。これらの条件、結果を表1に示す。本サンプルを用いて、かさ密度0.13g/cm
3で充填したデバイスを作製し、ブタ血評価を実施した。被覆処理を行っていないものも併せて実施し比較を行った。この結果を表2に示す。また、30分処理時点の性能を表1に示す。これらの結果より、親水化被覆成分の溶出が低減され、高度な白血球除去性能を維持したまま血小板に対する透過性が発現された親水化処置シートとなっている。
【0050】
(実施例2)
PETのメルトブロー不織布、平均繊維径1.8μm、目付け40g/m
2、かさ密度0.13g/cm
3のシートを用いて、HPC溶液として、HPC濃度0.05%、IPA濃度5%の水溶液を用い、Time1=15秒の処理を行い、熱処理としてTime2=240秒、Temp2=47℃の条件にて処理を行い、HPC被覆した不織布シートを作製した。得られた不織布シートのHPC含有率は、0.15%、被覆量は、0.90mg/m
2、NMRでのB/A=22%、溶出物(25℃)=0.04mg/g、溶出物(70℃)=0.05mg/g、溶出物比(70℃/25℃)=1.3、吸上げ時間=50秒であった。これらの条件、結果を表1に示す。本サンプルを用いて、かさ密度0.13g/cm
3で充填したデバイスを作製し、ブタ血評価を実施した。
【0051】
(実施例3)
PETのメルトブロー不織布、平均繊維径1.8μm、目付け40g/m
2、かさ密度0.13g/cm
3のシートを用いて、HPC溶液として、HPC濃度0.05%、IPA濃度5%の水溶液を用い、Time1=15秒の処理を行い、熱処理としてTime2=20秒、Temp2=70℃の条件にて処理を行い、HPC被覆した不織布シートを作製した。得られた不織布シートのHPC含有率は、0.15%、被覆量は、0.90mg/m
2、NMRでのB/A=22%、溶出物(25℃)=0.05mg/g、溶出(70℃)=0.05mg/g、溶出物比(70℃/25℃)=1.0、吸上げ時間=50秒であった。これらの条件、結果を表1に示す。本サンプルを用いて、かさ密度0.13g/cm
3で充填したデバイスを作製し、ブタ血評価を実施した。
【0052】
(実施例4)
PETのメルトブロー不織布、平均繊維径1.8μm、目付け40g/m
2、かさ密度0.13g/cm
3のシートを用いて、HPC溶液として、HPC濃度0.05%、IPA濃度5%の水溶液を用い、Time1=15秒の処理を行い、熱処理としてTime2=240秒、Temp2=70℃の条件にて処理を行い、HPC被覆した不織布シートを作製した。得られた不織布シートのHPC含有率は、0.17%、被覆量は、1.0mg/m
2、NMRでのB/A=15%、溶出物(25℃)=0.05mg/g、溶出物(70℃)=0.07mg/g、溶出物比(70℃/25℃)=1.4、吸上げ時間=130秒であった。これらの条件、結果を表1に示す。本サンプルを用いて、かさ密度0.13g/cm
3で充填したデバイスを作製し、ブタ血評価を実施した。
【0053】
(実施例5)
PETのメルトブロー不織布、平均繊維径1.8μm、目付け40g/m
2、かさ密度0.13g/cm
3のシートを用いて、HPC溶液として、HPC濃度0.20%、IPA濃度5%の水溶液を用い、Time1=15秒の処理を行い、熱処理としてTime2=240秒、Temp2=47℃の条件にて処理を行い、HPC被覆した不織布シートを作製した。得られた不織布シートのHPC含有率は、0.31%、被覆量は、1.9mg/m
2、NMRでのB/A=21%、溶出物(25℃)=0.09mg/g、溶出物(70℃)=0.08mg/g、溶出物比(70℃/25℃)=0.89、吸上げ時間=50秒であった。これらの条件、結果を表1に示す。本サンプルを用いて、かさ密度0.13g/cm
3で充填したデバイスを作製し、ブタ血評価を実施した。
【0054】
(実施例6)
PETのメルトブロー不織布、平均繊維径3.5μm、目付け50g/m
2、かさ密度0.15g/cm
3のシートを用いて、HPC溶液として、HPC濃度0.05%、IPA濃度5%の水溶液を用い、Time1=15秒の処理を行い、熱処理としてTime2=20秒、Temp2=47℃の条件にて処理を行い、HPC被覆した不織布シートを作製した。得られた不織布シートのHPC含有率は、0.11%、被覆量は、1.3mg/m
2、NMRでのB/A=23%、溶出物(25℃)=0.03mg/g、溶出物(70℃)=0.03mg/g、溶出物比(70℃/25℃)=1.0、吸上げ時間=80秒であった。これらの条件、結果を表1に示す。本サンプルを用いて、かさ密度0.25g/cm
3で充填したデバイスを作製し、ブタ血評価を実施した。
【0055】
(実施例7)
PETのメルトブロー不織布、平均繊維径6.0μm、目付け60g/m
2、かさ密度0.20g/cm
3のシートを用いて、HPC溶液として、HPC濃度0.05%、IPA濃度5%の水溶液を用い、Time1=15秒の処理を行い、熱処理としてTime2=20秒、Temp2=47℃の条件にて処理を行い、HPC被覆した不織布を作製した。得られた不織布のHPC含有率は、0.07%、被覆量は、1.4mg/m
2、NMRでのB/A=23%、溶出物(25℃)=0.02mg/g、溶出物(70℃)=0.02mg/g、溶出物比(70℃/25℃)=1.0、吸上げ時間=120秒であった。これらの条件、結果を表1に示す。本サンプルを用いて、かさ密度0.30g/cm
3で充填したデバイスを作製し、ブタ血評価を実施した。
【0056】
(比較例1)
PETのメルトブロー不織布、平均繊維径1.8μm、目付け40g/m
2、かさ密度0.13g/cm
3のシートを用いて、HPC溶液として、HPC濃度0.05%、IPA濃度5%の水溶液を用い、Time1=15秒の処理を行い、熱処理としてTime2=6秒、Temp2=47℃の条件にて処理を行い、HPC被覆した不織布シートを作製した。得られた不織布シートのHPC含有率は、0.04%、被覆量は、0.24mg/m
2、NMRでのB/A=32%、溶出物(25℃)=0.03mg/g、溶出物(70℃)=0.02mg/g、溶出物比(70℃/25℃)=0.67、吸上げ時間=300秒以上であった。これらの条件、結果を表1に示す。本サンプルを用いて、かさ密度0.13g/cm
3で充填したデバイスを作製し、ブタ血評価を実施した結果を表2に示す。これらの結果より、十分なHPC被覆が出来ておらず、プライミング性が悪く、血小板に対する透過性の低下を起こすシートとなっている。
【0057】
(比較例2)
PETのメルトブロー不織布、平均繊維径1.8μm、目付け40g/m
2、かさ密度0.13g/cm
3のシートを用いて、HPC溶液として、HPC濃度0.05%、IPA濃度5%の水溶液を用い、Time1=15秒の処理を行い、熱処理としてTime2=360秒、Temp2=70℃の条件にて処理を行い、HPC被覆した不織布シートを作製した。得られた不織布シートのHPC含有率は、0.21%、被覆量は、1.3mg/m
2、NMRでのB/A=8%、溶出物(25℃)=0.03mg/g、溶出物(70℃)=0.06mg/g、溶出物比(70℃/25℃)=2.0、吸上げ時間=300秒以上であった。これらの条件、結果を表1に示す。本サンプルを用いて、かさ密度0.13g/cm
3で充填したデバイスを作製し、ブタ血評価を実施した。これらの結果より、HPCの変性が多くなり、プライミング性が悪く、血小板に対する透過性の低下を起こすシートとなっている。
【0058】
(比較例3)
PETのメルトブロー不織布、平均繊維径1.8μm、目付け40g/m
2、かさ密度0.13g/cm
3のシートを用いて、HPC溶液として、HPC濃度0.05%、IPA濃度5%の水溶液を用い、Time1=15秒の処理を行い、熱処理としてTime2=20秒、Temp2=40℃の条件にて処理を行い、HPC被覆した不織布シートを作製した。得られた不織布シートのHPC含有率は、0.04%、被覆量は、0.24mg/m
2、NMRでのB/A=33%、溶出物(25℃)=0.02以下mg/g、溶出物(70℃)=0.02以下mg/g、溶出物比(70℃/25℃)は算出不能、吸上げ時間=300秒以上であった。これらの条件、結果を表1に示す。本サンプルを用いて、かさ密度0.13g/cm
3で充填したデバイスを作製し、ブタ血評価を実施した。これらの結果より、十分なHPC被覆が出来ておらず、プライミング性が悪く、血小板に対する透過性の低下を起こすシートとなっている。
【0059】
(比較例4)
PETのメルトブロー不織布、平均繊維径1.8μm、目付け40g/m
2、かさ密度0.13g/cm
3のシートを用いて、HPC溶液として、HPC濃度0.05%、IPA濃度5%の水溶液を用い、Time1=15秒の処理を行い、熱処理としてTime2=240秒、Temp2=75℃の条件にて処理を行い、HPC被覆した不織布シートを作製した。得られた不織布シートのHPC含有率は、0.21%、被覆量は、1.3mg/m
2、NMRでのB/A=10%、溶出物(25℃)=0.04mg/g、溶出物(70℃)=0.07mg/g、溶出物比(70℃/25℃)=1.8、吸上げ時間=300秒以上であった。これらの条件、結果を表1に示す。本サンプルを用いて、かさ密度0.13g/cm
3で充填したデバイスを作製し、ブタ血評価を実施した。これらの結果より、HPCの変性が多くなり、プライミング性が悪く、血小板に対する透過性の低下を起こすシートとなっている。
【0060】
(比較例5)
PETのメルトブロー不織布、平均繊維径1.8μm、目付け40g/m
2、かさ密度0.13g/cm
3のシートを用いて、HPC溶液として、HPC濃度0.20%、IPA濃度5%の水溶液を用い、Time1=15秒の処理を行い、熱処理としてTime2=20秒、Temp2=40℃の条件にて処理を行い、HPC被覆した不織布シートを作製した。得られた不織布シートのHPC含有率は、0.42%、被覆量は、2.5mg/m
2、NMRでのB/A=31%、溶出物(25℃)=0.29mg/g、溶出物(70℃)=0.21mg/g、溶出物比(70℃/25℃)=0.72、吸上げ時間=50秒であった。これらの条件、結果を表1に示す。本サンプルを用いて、かさ密度0.13g/cm
3で充填したデバイスを作製し、ブタ血評価を実施した。これらの結果より、被覆量が多く、かつ十分な安定な固定化が出来ておらず、溶出物の非常に高いシートとなっている。
【0061】
(比較例6)
PETのメルトブロー不織布、平均繊維径1.8μm、目付け40g/m
2、かさ密度0.13g/cm
3のシートを用いて、HPC溶液として、HPC濃度0.5%、IPA濃度5%の水溶液を用い、Time1=15秒の処理を行い、熱処理としてTime2=240秒、Temp2=70℃の条件にて処理を行い、HPC被覆した不織布シートを作製した。得られた不織布シートのHPC含有率は、0.70%、被覆量は、4.2mg/m
2、NMRでのB/A=26%、溶出物(25℃)=0.57mg/g、溶出物(70℃)=0.60mg/g、溶出物比(70℃/25℃)=1.1、吸上げ時間=60秒以上であった。これらの条件、結果を表1に示す。本サンプルを用いて、かさ密度0.13g/cm
3で充填したデバイスを作製し、ブタ血評価を実施した。これらの結果より、被覆量が多く、溶出物の非常に高いシートとなっている。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】