(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明について説明する。また、同じ部材は同じ符号で表示する。
【0011】
図1及び
図5を参照すると、本発明の相変化メモリセル10、20は、基板110と、少なくとも一つのカーボンナノチューブ層と、少なくとも一つの相変化層130と、第一電極122と、第二電極124と、第三電極126と、を含む。カーボンナノチューブ層は、少なくとも一本のカーボンナノチューブワイヤ120を含む。カーボンナノチューブワイヤ120は湾曲しており、湾曲部を有する。第三電極126は、カーボンナノチューブワイヤ120の湾曲部と間隔をあけて設置される。相変化層130は、第三電極126とカーボンナノチューブワイヤ120との間に設置され、且つ第三電極126及びカーボンナノチューブワイヤ120とそれぞれ接触する。カーボンナノチューブワイヤ120の両端は、第一電極122及び第二電極124にそれぞれ電気的に接続される。
【0012】
相互に直列接続された第一電極122と、少なくとも一本のカーボンナノチューブワイヤ120と、第二電極124とは書き込み回路を形成し、書き込み回路は、相変化メモリセルにデータを書き込むことができる。相互に直列接続された第三電極126と、相変化層130と、第一電極122或いは第二電極124と、は読み出し回路を形成し、読み出し回路は、相変化メモリセルからデータを読み出すことができる。
【0013】
基板110は、カーボンナノチューブワイヤ120、相変化層130、第一電極122、第二電極124及び第三電極126を支持する。基板110は絶縁基板であり、セラミックス、ガラス、樹脂、石英、サファイアなどからなる。基板110は耐高温性を有するため、相変化メモリセルを作動させた際、基板110の形状は変形しない。また、基板110の寸法及び厚さは、相変化メモリセルにおける必要な作動温度によって選択することができる。基板110は、柔軟な基板からなることが好ましくなり得て、例えば、ポリイミド、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂またはポリアミド樹脂などの樹脂からなる。
【0014】
カーボンナノチューブワイヤ120は連続したカーボンナノチューブワイヤであり、少なくとも一本のカーボンナノチューブを含む。好ましくは、カーボンナノチューブワイヤ120はカーボンナノチューブのみからなる。カーボンナノチューブワイヤ120は一本の湾曲したカーボンナノチューブでもよい。
図2を参照すると、カーボンナノチューブワイヤ120は、湾曲部121と、第一部123と、第二部125と、を含む。第一部123、湾曲部121及び第二部125は順番に接続されて、カーボンナノチューブワイヤ120を形成する。第一部123は、湾曲部121によって第二部125と連接される。前記湾曲したカーボンナノチューブワイヤ120の第一部123及び第二部125は互いに接触せず、間隔をあけて設置される。湾曲部121の形状は弧形或いは直角でもよい。湾曲部121の湾曲角度は0°〜180°(0°は含まず)である。好ましくは、湾曲部121の湾曲角度は30°〜120°である。更に、好ましくは、湾曲部121の湾曲角度は60°〜90°である。更に、カーボンナノチューブワイヤ120は一本のカーボンナノチューブでもよい。
【0015】
カーボンナノチューブワイヤ120を湾曲させることにより、湾曲部121のカーボンナノチューブの構造を張力作用の下で変化させて、一部のカーボンナノチューブに欠陥を生じさせ、湾曲部121のカーボンナノチューブの抵抗を増大させる。湾曲部121の湾曲角度θが小さければ小さいほど、湾曲部121の抵抗は大きくなり、単位時間内に発生する熱量は大きくなる。
【0016】
更に、湾曲部121において、異なる位置におけるカーボンナノチューブワイヤの曲率は異なる。好ましくは、湾曲部121における任意点の曲率Kは1/Rより大きい。ここで、Rは任意点の曲率半径である。これにより、任意点におけるカーボンナノチューブワイヤ120の部分は大きな抵抗を有し、多くの熱を発生させることができる。
【0017】
更に、カーボンナノチューブワイヤ120を湾曲させて形成される湾曲部121は、一つのリング構造体でもよい。ここでリング構造体とは、カーボンナノチューブワイヤ120を巻いて形成する形状のことである。リング構造体の形状は、例えば、矩形、円形、三角形或いは他の幾何学的な形状でもよい。更に、この湾曲部121は、複数のリング構造体が重なったような螺旋状の構造体でも良い。これにより、湾曲部121の放熱効率を向上させることができる。リング形状の湾曲部121の内径は100nm〜10μmとなり得るが、必要に応じて選択できる。
【0018】
第一部123及び第二部125は間隔をあけて設置されるが、この間隔に特に制限はなく、基板110の寸法及び製造条件によって選択できる。第一部123と第二部125との間隔は1μm〜10μmとなり得る。短路を防止するために、第一部123の一端及び第二部125の一端は湾曲部121にそれぞれ連接され、且つ第一部123及び第二部125は相互に絶縁して設置される。第一部123及び第二部125が間隔をあけて設置されることを保証できれば、第一部123及び第二部125は相互に平行して同じ方向に沿って延伸してもよい。或いは第一部123及び第二部125は異なる方向に沿って延伸してもよい。
【0019】
更に、カーボンナノチューブワイヤ120の第一部123及び第二部125の表面に金属層(図示せず)を被覆してもよい。これにより、カーボンナノチューブワイヤ120の導電性を高めることができ、且つ第一部123及び第二部125の抵抗を減少させ、損失を減少できる。
【0020】
カーボンナノチューブワイヤ120は、非ねじれ状カーボンナノチューブワイヤ又はねじれ状カーボンナノチューブワイヤであることができる。非ねじれ状カーボンナノチューブワイヤ及びねじれ状カーボンナノチューブワイヤは自立構造体である。ここで、自立構造とは、支持体材を利用せず、カーボンナノチューブワイヤ120を独立して利用することができる形態のことである。即ち、カーボンナノチューブワイヤ120を対向する両端から支持して、カーボンナノチューブワイヤ120の構造を変化させずに、カーボンナノチューブワイヤ120を懸架させることができることを意味する。カーボンナノチューブワイヤ120におけるカーボンナノチューブは、分子間力で接続されているので、自立構造体を実現する。
【0021】
図3を参照すると、カーボンナノチューブワイヤ120が、非ねじれ状カーボンナノチューブワイヤである場合、非ねじれ状カーボンナノチューブワイヤは、その長手方向に沿って複数のカーボンナノチューブを含む。該複数のカーボンナノチューブはその延伸方向において、分子間力で端と端とが接続されている。具体的には、非ねじれ状カーボンナノチューブワイヤは、分子間力で端と端とが接続された複数のカーボンナノチューブセグメント(図示せず)を含む。さらに、各カーボンナノチューブセグメントには、同じ長さの複数のカーボンナノチューブが平行に配列されている。複数のカーボンナノチューブは、カーボンナノチューブワイヤの中心軸に平行に配列されている。カーボンナノチューブセグメントの長さ、厚さ、均一性及び形状は制限されない。一本の非ねじれ状カーボンナノチューブワイヤの長さは制限されず、その直径は、0.5nm〜100μmである。有機溶剤によって、カーボンナノチューブフィルムを処理して、非ねじれ状カーボンナノチューブワイヤを得る。具体的には、有機溶剤に、カーボンナノチューブフィルムの全ての表面を浸す。好ましくは、カーボンナノチューブフィルムはドローンカーボンナノチューブフィルムである。揮発性の有機溶剤が揮発すると、表面張力の作用によって、カーボンナノチューブフィルムにおける相互に平行な複数のカーボンナノチューブが分子間力によって互いに緊密に結合し、カーボンナノチューブフィルムが収縮する。これにより、非ねじれ状カーボンナノチューブワイヤが得られる。前記有機溶剤はエタノール、メタノール、アセトン、ジクロロエタン或いはクロロホルムである。有機溶剤によって処理されないカーボンナノチューブフィルムと比較して、この有機溶剤によって処理された非ねじれ状カーボンナノチューブワイヤの比表面積は小さく、且つ接着性も弱い。また、カーボンナノチューブワイヤの機械強度及び強靭さを増強させるため、外力によってカーボンナノチューブワイヤが破壊される可能性が低くなる。
【0022】
図4を参照すると、カーボンナノチューブフィルムの長手方向に沿う対向する両端に相反する力を印加することにより、ねじれ状カーボンナノチューブワイヤを形成することができる。具体的には、ねじれ状カーボンナノチューブワイヤは、分子間力で端と端とが接続された複数のカーボンナノチューブセグメント(図示せず)を含む。さらに、各カーボンナノチューブセグメントには、同じ長さの複数のカーボンナノチューブが平行に配列されている。カーボンナノチューブセグメントの長さ、厚さ、均一性及び形状は制限されない。一本のねじれ状カーボンナノチューブワイヤの長さは制限されず、その直径は、0.5nm〜100μmである。更に、有機溶剤によって、ねじれ状カーボンナノチューブワイヤを処理する。有機溶剤によって処理されたねじれ状カーボンナノチューブワイヤは表面張力の作用によって、ねじれ状カーボンナノチューブワイヤにおける相互に平行な複数のカーボンナノチューブが分子間力によって互いに緊密に結合する。これにより、ねじれ状カーボンナノチューブワイヤの比表面積は減少し、接着性が弱くなる一方、カーボンナノチューブワイヤの機械強度及び強靭を増強させる。カーボンナノチューブワイヤの製造方法は、特許文献1及び特許文献2に掲載されている。
【0023】
第一電極122は第一部123と電気的に接続され、第二電極124は第二部125と電気的に接続され、カーボンナノチューブワイヤ120に電圧を印加して、相変化メモリセルにデータを書き込む。カーボンナノチューブワイヤ120の第一部123が第二電極124と交差する場合、カーボンナノチューブワイヤ120の第一部123が第二電極124と絶縁して設置される。第一電極122及び第二電極124は電気伝導材料からなる導電体であり、その材料は導電ペースト、金属、酸化インジウムスズ(ITO)、カーボンナノチューブなどである。導電性ペーストは、金属粉末、低融点のガラス粉末及び接着剤を含む。金属粉末は銀粉で、接着剤はテルピネオール又はエチルセルロースであることが好ましい。導電性ペーストにおいて、金属粉末の重量比は50%〜90%であり、低融点のガラス粉末の重量比は2%〜10%であり、接着剤の重量比は8%〜40%である。第一電極122及び第二電極124の厚さは10nm〜100μmであるが、20nm〜50nmであることが好ましい。第一電極122及び第二電極124は、例えば、スクリーン印刷法、イオンビーム蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法の何れか一種或いは多種によって、基板110の表面に印刷して形成され、且つカーボンナノチューブワイヤ120と電気的に接続される。第一電極122及び第二電極124に電圧を印加した際に、カーボンナノチューブワイヤ120の熱によって相変化層130が相変化温度に達することができるのであれば、第一電極122及び第二電極124の形状、寸法及び位置は制限されない。
【0024】
第三電極126は、且つカーボンナノチューブ層と間隔をあけて設置される。第三電極126は、カーボンナノチューブ層と同じ平面に存在してもよく、カーボンナノチューブ層と積層してもよい。第三電極126の材料は、第一電極122及び第二電極124の材料と同じでもよく、同じでなくてもよい。第三電極126、相変化層130、第一部123、第二部125及び第一電極122/第二電極124は、相互に直列接続される。更に、第三電極126がカーボンナノチューブ層と同じ平面に存在している場合、第三電極126は、カーボンナノチューブワイヤ120の湾曲部121と間隔をあけて設置され、その間隔は100nm〜10μm、100nm〜500nm、或いは1μm〜5μmである。第三電極126及び第一電極122/第二電極124によって、相変化層130で生じる相変化を読み出すことを保証できれば、第三電極126と湾曲部121との間隔は、相変化層130の材料及び必要な電圧によって選択できる。第三電極126がカーボンナノチューブ層と積層している場合、第三電極126を相変化層130によって、湾曲部121と間隔をあけて設置することができる。即ち、第三電極126、相変化層130及び湾曲部121は積層して設置され、この際、相変化層130は、第三電極126と湾曲部121との間に設置される。
【0025】
また、相変化メモリセルが複数のカーボンナノチューブワイヤ120を有する場合、複数のカーボンナノチューブワイヤ120は一つの第三電極126を共用できる。即ち、複数のカーボンナノチューブワイヤ120の湾曲部121は、第三電極126の延伸方向に沿って相互に間隔をあけて並列に設置され、且つ第三電極126と間隔をあけて設置される。生産に便利なように、第三電極126が複数のカーボンナノチューブワイヤ120と同じ平面に存在している場合、複数のカーボンナノチューブワイヤ120の湾曲部121は第三電極126の同じ側に設置してもよい。或いは第三電極126の両側に設置してもよい。
【0026】
相変化層130は、第三電極126と湾曲部121との間に設置され、且つ第三電極126及び湾曲部121とそれぞれ電気的に接続される。具体的には、少なくとも一部の相変化層130は少なくとも一部の湾曲部121を被覆し、且つ第三電極12と電気的に接続される。更に、相変化層130は湾曲部121の全てを被覆することが好ましい。これにより、湾曲部121に生じる熱を十分に利用して、相変化層130を相変化させ、且つ駆動電圧を低下できる。
【0027】
相変化層130の厚さは10nm〜200nmであり、その形状は、三角形、正方形、矩形、円形、楕円形または他の幾何学的形状であることができる。相変化層130の面積は、カーボンナノチューブワイヤ120の湾曲部121の面積に等しいかそれよりも小さく、且つ全てカーボンナノチューブワイヤ120の湾曲部121の表面に設置される。相変化層130は、ゲルマニウム−アンチモン−テルル(GeSbTe)、一テルル化ゲルマニウム(Germanium Telluride,GeTe)、シリコン−アンチモン−テルル、シリコンテルル、カルコゲニド化合物等の相変化材料からなる。カーボンナノチューブワイヤ120を加熱する過程において、相変化層130の材料の温度が変化すると、相変化層130は非晶質状態から結晶状態へ、または、結晶状態から非晶質状態へと変化する。
【0028】
更に、カーボンナノチューブワイヤ120及び相変化層130の間に熱伝導層(図示せず)を設置してもよい。該熱伝導層によって、カーボンナノチューブワイヤ120からの熱を相変化層130に伝導する。熱伝導層は、金、銀、銅又は他の熱伝導材料からなる。
【0029】
相変化メモリセルの作動プロセスは、データを書き込む第一段階と、データを読み出す第二段階と、データをリセットする第三段階と、を含む。相変化層130の初期状態は、高抵抗の非晶質状態である。この場合、相変化層130のデータは“0”である。相変化層130の状態が低抵抗の結晶状態である場合、相変化層130のデータは“1”である。
【0030】
前記第一段階において、第一電極122及び第二電極124の間に電気信号を入力すると、カーボンナノチューブワイヤ120の湾曲部121は発熱し、この湾曲部121からの熱によって、湾曲部121と接触する相変化層130が加熱される。相変化層130の温度が相変化温度に達すると、相変化層130の相変化材料は、高抵抗の非晶質状態から低抵抗の結晶状態に相変化する。
【0031】
前記第二段階において、第三電極126及び第一電極122の間に、或いは第三電極126及び第二電極124の間に電気信号を入力すると、相変化層130に電流が流れる。電流が小さい場合相変化層130は相変化しないが、電流を測定すると相変化層130の抵抗値が得られる。相変化層130の測定された抵抗値が、相変化層130の初期の抵抗値より小さい場合、相変化層130のデータは“1”である。相変化層130の測定された抵抗値が、相変化層130の初期の抵抗値であれば、該相変化層130のデータは“0”である。
【0032】
前記第三段階において、カーボンナノチューブワイヤ120に強い電流を供給して、急速に熱を生じさせ、相変化層130を加熱する。これにより、相変化層130の相変化材料は、高抵抗の非晶質状態から低抵抗の結晶状態に相変化する。
【0033】
以下、図面を参照して、本発明の実施例についてより詳細に説明する。
【0034】
(実施例1)
図1及び
図2を参照すると、本発明の実施例1は、相変化メモリセル10を提供する。相変化メモリセル10は、基板110と、複数のカーボンナノチューブワイヤ120と、相変化層130と、第一電極122と、第二電極124と、第三電極126と、を含む。複数のカーボンナノチューブワイヤ120は相互に間隔をあけて設置される。
【0035】
本実施例において、基板110は、ポリイミドからなり、その厚さは20μmである。カーボンナノチューブワイヤ120は非ねじれ状カーボンナノチューブワイヤであり、その直径は0.5μmである。各カーボンナノチューブワイヤ120は、湾曲部121と、相互に間隔をかけて平行に設置された第一部123及び第二部125と、を含む。第一部123と第二部125との距離は5μmである。第一電極122は第一部123と電気的に接続され、第二電極124は第二部125と電気的に接続されて、書き込み回路を形成する。湾曲部121の形状は弧形であり、カーボンナノチューブワイヤ120を湾曲して、半円形の湾曲部121を形成する。
【0036】
第三電極126は自立構造性を有するカーボンナノチューブワイヤであり、その直径は10μmである。第三電極126と複数のカーボンナノチューブワイヤ120との最小距離は5μmである。相変化層130は湾曲部121を被覆し、且つ第三電極126と電気的に接続される。
【0037】
相変化層130は、ゲルマニウム−アンチモン−テルルからなり、その初期状態は、高抵抗の非晶質状態である。相変化層130の、高抵抗の非晶質状態から低抵抗の結晶状態に相変化する温度は200℃〜300℃であり、低抵抗の結晶状態から高抵抗の非晶質状態に相変化する温度は400℃〜500℃である。
【0038】
第一電極122及び第二電極124によって、相変化層130に電流を印加して、加熱を制御し、相変化層130を相変化させる。また、第三電極126及び第一電極122/第二電極124に電流を入力して、相変化層130の抵抗が変化するかどうかを検知し、相変化層130の相変化が生じるかどうかを判断する。
【0039】
(実施例2)
図5及び
図6を参照すると、本発明の実施例2は相変化メモリセル20を提供する。相変化メモリセル20は、基板110と、複数のカーボンナノチューブワイヤ120と、相変化層130と、第一電極122と、第二電極124と、第三電極126と、を含む。複数のカーボンナノチューブワイヤ120は相互に間隔をあけて設置される。
【0040】
実施例2の相変化メモリセル20の構造は、実施例1の相変化メモリセル10の構造と基本的に同じであるが、異なる点は、カーボンナノチューブワイヤ120の湾曲部121が螺旋状の構造体である点である。
【0041】
具体的には、
図6を参照すると、カーボンナノチューブワイヤ120を巻いて重なるように設置して、螺旋状の構造体を形成する。相変化層130はこの螺旋状の構造体を被覆して、且つ第三電極126と電気的に接続される。湾曲部121が螺旋状の構造体であるので、湾曲部121の発熱量が増大し、且つ生じた熱を蓄積でき、動作速度を高めることができる。更には、相変化メモリセルの書き込み速度を高めることができる。本実施例において、湾曲部121は螺旋状の構造体であり、螺旋状の横断面の形状は円形であり、その直径は5μmである。
【0042】
(実施例3)
図7を参照すると、本発明の実施例3は相変化メモリセル10の製造方法を提供する。相変化メモリセル10の製造方法は、基板110を提供するステップS11と、基板110の一つの表面に少なくとも一本のカーボンナノチューブワイヤ120を設置し、この際、該少なくとも一本のカーボンナノチューブワイヤ120の軸方向は基板110の表面に平行であるステップS12と、該少なくとも一本のカーボンナノチューブワイヤ120を湾曲させるステップS13であって、各カーボンナノチューブワイヤ120が一つの湾曲部121を形成し、各カーボンナノチューブワイヤ120は第一部123、湾曲部121及び第二部125を有し、第一部123、湾曲部121及び第二部125が順番に接続され、湾曲したカーボンナノチューブワイヤ120の第一部123及び第二部125は互いに接触されず、間隔をあけて設置されるステップS13と、基板110の表面に、第一電極122、第二電極124及び第三電極126を設置するステップであって、第一電極122を各カーボンナノチューブワイヤ120の第一部123と電気的に接続させ、第二電極124を各カーボンナノチューブワイヤ120の第二部125と電気的に接続させ、第三電極126を各カーボンナノチューブワイヤ120の湾曲部121と間隔をあけて設置するステップS14と、基板110の表面に相変化層130を堆積させて、少なくとも湾曲部121の一部を被覆し、且つ第三電極126と電気的に接続させるステップS15と、を含む。
【0043】
ステップS12において、カーボンナノチューブワイヤ120は対向する第一端部及び第二端部を有する。カーボンナノチューブワイヤ120の第一端部を基板110の表面に固定する。具体的には、カーボンナノチューブワイヤ120を基板110の表面に設置した後、カーボンナノチューブワイヤ120の第一端部の表面で固化できる有機物を被覆し、カーボンナノチューブワイヤ120の第一端部の表面を、基板110の表面に固く固定する。ここで固化できる有機物とは、例えば、PMMA(polymethylmethacrylate)、PDMS(Polydimethyl siloxane)等である。本実施例において、カーボンナノチューブワイヤ120の二分の一を基板110の表面に固定して、カーボンナノチューブワイヤ120の第一部123を形成する。
【0044】
ステップS13において、工具(例えば、ピンセット)によって、カーボンナノチューブワイヤ120の第二端部を基板110の表面に固定させ、且つカーボンナノチューブワイヤ120を湾曲させる。二分の一のカーボンナノチューブワイヤ120は、基板110の表面に既に固定されているので、直接カーボンナノチューブワイヤ120の第二端部を180°湾曲して、湾曲部121を形成する。次いで、この湾曲した二分の一のカーボンナノチューブワイヤ120を基板110の表面に固定して、カーボンナノチューブワイヤ120の第二部125を形成する。この際、カーボンナノチューブワイヤ120の第一部123及び第二部125は間隔をあけて平行に設置されて、略U字型の形状を形成する。カーボンナノチューブワイヤ120を湾曲させる工程において、カーボンナノチューブワイヤ120が強靭性を有するので、第一部123及び第二部125は完全に重なることができず、第一部123及び第二部125の間に間隔ができる。また、カーボンナノチューブワイヤ120を湾曲させる工程において、カーボンナノチューブワイヤ120の強靭性及び強度の作用によって、微視的には、カーボンナノチューブワイヤ120の湾曲部121は複数回湾曲され、第一部123及び第二部125を間隔をあけて平行に設置する。
【0045】
更に、カーボンナノチューブワイヤ120を湾曲させる工程において、第一部123及び第二部125は、基板110の表面と垂直である方向に重なってもよい。この際、有機物によって第一部123及び第二部125は絶縁設置される。短路を防止するために、湾曲したカーボンナノチューブワイヤ120の湾曲部121以外の部分は、相互に絶縁設置される。
【0046】
ステップS14において、第一電極122、第二電極124及び第三電極126は、例えば、スクリーン印刷法、イオンビーム蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法の何れか一種或いは多種によって基板110の表面に形成される。本実施例において、第一電極122、第二電極124及び第三電極126は、スクリーン印刷法によって形成される。具体的には、第一電極122は、カーボンナノチューブワイヤ120の第一部123の端部に設置され、第二電極124はカーボンナノチューブワイヤ120の第二部125の端部に設置され、且つ第一電極122及び第二電極124は相互に間隔をあけて設置される。第三電極126がカーボンナノチューブワイヤである場合、第三電極126を直接に基板110の表面に貼付してもよく、或いは接着剤によって基板110の表面に貼付してもよい。
【0047】
図8を参照すると、ステップS15において、相変化層130を堆積法或いはスパッタリング法によって基板110の表面に形成する。この際、相変化層130は、カーボンナノチューブワイヤ120の湾曲部121を被覆し、且つ第三電極126と電気的に接続される。相変化層130がカーボンナノチューブワイヤ120の湾曲部121を被覆し、且つ第三電極126と電気的に接続する具体的な方法は、マスク1110を提供し、該マスク1110は複数の通孔1112を有するステップS151と、マスク1110を基板110の表面に設置し、湾曲部121及び第三電極126を通孔1112から露出させるステップS152と、基板110の表面に相変化層130を沈積させ、通孔1112と対応する湾曲部121及び第三電極126を被覆するステップS153と、マスク1110を除去するステップS154と、含む。
【0048】
更に、別の基板の表面にカーボンナノチューブワイヤ120を湾曲させた後、基板110の表面に該カーボンナノチューブワイヤ120を移してもよい。
【0049】
本実施例の相変化メモリセルの製造方法は、以下の有益な効果を奏する。カーボンナノチューブワイヤを湾曲させることによって、カーボンナノチューブワイヤの湾曲部は大きな抵抗を生じさせることができる。また、カーボンナノチューブは耐湾曲性及び強靭性を有するので、湾曲した後のカーボンナノチューブは破裂しない。これにより、カーボンナノチューブワイヤの湾曲部を抵抗型加熱素子として相変化層を加熱し、データの書き込み及び読み出しを実現することができる。つまり、製造技術が簡単であり、一貫生産に有利である。
【0050】
(実施例4)
図9を参照すると、本発明の実施例4は相変化メモリセル10の製造方法を提供する。相変化メモリセル10の製造方法は、基板110を提供するステップS21と、基板110の表面に間隔をあけて複数の柱112を設置するステップS22と、カーボンナノチューブライン1201を提供し、カーボンナノチューブライン1201の一端を基板110の表面に固定させるステップS23と、一つの柱112に巻いてカーボンナノチューブライン1201を湾曲させて湾曲部121を形成した後、カーボンナノチューブライン1201を切断し、一本のカーボンナノチューブワイヤ120を形成するステップS24であって、カーボンナノチューブワイヤ120は第一部123、湾曲部121及び第二部125を有し、第一部123、湾曲部121及び第二部125が順番に接続され、湾曲したカーボンナノチューブワイヤ120の第一部123及び第二部125は互いに接触されず、間隔をあけて設置されるステップS24と、ステップS23及びステップS24を繰り返して、複数のカーボンナノチューブワイヤ120を形成した後、複数の柱112を除去するステップS25と、基板110の表面に、第一電極122、第二電極124及び第三電極126を設置させるステップであって、第一電極122をカーボンナノチューブワイヤ120の第一部123と電気的に接続させ、第二電極124をカーボンナノチューブワイヤ120の第二部125と電気的に接続させ、第三電極126をカーボンナノチューブワイヤ120の湾曲部121と間隔をあけて設置させるステップS26と、複数の湾曲部121に相変化層130を堆積させて、且つ第三電極126と電気的に接続させるステップS27と、を含む。
【0051】
本実施例の相変化メモリセル10の製造方法は、実施例3の相変化メモリセル10の製造方法と基本的に同じであるが、異なる点は以下の点である。基板110の表面に複数の柱112を設置し、カーボンナノチューブライン1201をこの内一つの柱112に巻くことによって、カーボンナノチューブライン1201を湾曲させて湾曲部121を形成した後、カーボンナノチューブライン1201を切断し、一本のカーボンナノチューブワイヤ120を形成する。その後、前記の工程を繰り返して、複数のカーボンナノチューブワイヤ120を形成した後、複数の柱112を除去する。
【0052】
ステップS22において、柱112を除去する工程において、基板110及びカーボンナノチューブワイヤ120を破壊しないことを保証すれば、柱112の材料及び形状は制限されず、柱112の材料は基板110の材料によって選択できる。柱112の材料は、例えば、シリカ(SiO
2)、アルミナ(Al
2O
3)などである。本実施例において、柱112の材料はシリカであり、柱112の形状は円柱であり、その直径は3μmである。柱112はフッ化水素(HF)によって除去する。
【0053】
複数の柱112の配列方式は相変化メモリセル10の構造によって設定できる。例えば、複数の柱112を同軸線上に配列してもよい。或いは複数の柱112をアレイ状に配列してもよい。本実施例において、複数の柱112は同軸線上に配列される。
【0054】
図10を参照すると、ステップS23において、カーボンナノチューブライン提供装置1202によって、カーボンナノチューブライン1201を連続して提供し、且つカーボンナノチューブライン1201を湾曲させる。ここで、カーボンナノチューブライン1201とは長尺のカーボンナノチューブワイヤのことであり、そのカーボンナノチューブライン1201を湾曲させて且つ所定の長さに切断することによって、カーボンナノチューブワイヤ120が形成される。
【0055】
カーボンナノチューブライン提供装置1202は針管1204を含み、該針管1204は針頭1206を有する。カーボンナノチューブライン1201を針管1204内に設置し、カーボンナノチューブライン1201の一端を針頭1206から露出させる。
【0056】
針管1204の内径の大きさはカーボンナノチューブライン1201の直径の大きさによって選択でき、針管1204の外径の大きさは相変化メモリセル10が基板110の表面に集積される密度によって選択できる。また、カーボンナノチューブライン1201を針頭1206から連続して引き出すことができる。更に、カーボンナノチューブライン提供装置1202は機械の腕、制御コンピューターなどを含むことができる。これにより、自動で連続生産できる。本実施例において、カーボンナノチューブライン提供装置1202は注射器であり、カーボンナノチューブライン1201は強靭性及び自立構造性を有し、カーボンナノチューブライン1201を針頭1206から連続して引き出すことができる。
【0057】
ステップS24において、針頭1206から露出したカーボンナノチューブライン1201の一端を溶接或いは接着等によって、基板110の表面に固定した後、針頭1206を引いてカーボンナノチューブライン1201を引き出して、柱112に巻くことによってカーボンナノチューブライン1201を湾曲させる。次いで、基板110に固定されていない湾曲したカーボンナノチューブライン1201の端部を、柱112から特定の距離まで引っ張った後、基板110の表面に固定する。次いで、カーボンナノチューブライン1201を切断して、湾曲部121を備えたカーボンナノチューブワイヤ120を形成する。カーボンナノチューブライン1201を切断する方法は、機械切断、レーザー走査、電子ビーム走査、レーザーの何れか一種である。
【0058】
ステップS25において、酸性溶液、或いはアルカリ性溶液によって、複数の柱112を除去する。複数の柱112を除去する工程において、基板110及びカーボンナノチューブワイヤ120は基本的に変化しない。
【0059】
更に、複数のカーボンナノチューブライン提供装置1202を利用して、複数のカーボンナノチューブライン1201を複数の柱112に同時にそれぞれ巻いて、複数のカーボンナノチューブライン1201を湾曲させた後、一度に複数のカーボンナノチューブライン1201を切断して、複数のカーボンナノチューブワイヤ120を形成することができる。これにより、相変化メモリセル10の製造効率を向上でき、工業化に有利である。
【0060】
更に、カーボンナノチューブライン1201を柱112に複数回巻いて、柱112の表面に複数の円形を形成して、螺旋状の構造体を形成してもよい。次いで、カーボンナノチューブライン1201を柱112から離れるよう引っ張った後切断して、湾曲部を備えたカーボンナノチューブワイヤ120を形成する。この際湾曲部は、カーボンナノチューブワイヤが形成する複数の円形を有する螺旋状の構造体である。
【0061】
更に、複数の柱112が間隔をあけて、アレイ状に配列されている場合、カーボンナノチューブライン1201を、間隔をあけて2行或いは2列に配列されている柱112の間で湾曲させることができる。これにより、各柱112の所に一つの湾曲部121を形成でき、カーボンナノチューブライン1201を切断して、一度に複数のカーボンナノチューブワイヤ120を得ることができる。
【0062】
(実施例5)
図11を参照すると、本発明の実施例5は相変化メモリデバイス100を提供する。相変化メモリデバイス100は、基板110及び該基板110の表面に設置されている複数の相変化メモリ構造体104を含む。
【0063】
具体的には、相変化メモリデバイス100は、複数の第一行電極リード線144と、複数の第二行電極リード線146と、複数の第一列電極リード線142と、複数の相変化メモリ構造体104と、を含む。複数の第一行電極リード線144は、相互に間隔をあけて、且つ基板110の表面に平行に設置され、複数の第二行電極リード線146は、相互に間隔をあけて、且つ基板110の表面に平行に設置され、複数の第一行電極リード線144及び複数の第二行電極リード線146は、相互に間隔をあけて平行に設置される。更に、複数の第一行電極リード線144及び複数の第二行電極リード線146は、複数の第一列電極リード線142に対して垂直に、且つ交互に設置される。即ち、隣接する二つの第一行電極リード線144の間に一つの第二行電極リード線146が設置され、隣接する二つの第二行電極リード線146の間に一つの第一行電極リード線144が設置される。第一列電極リード線142も、相互に間隔をあけて、且つ基板100の一つの表面に平行に設置される。
【0064】
第一行電極リード線144と第二行電極リード線146との距離は、50nm〜2cmである。第一行電極リード線144及び第二行電極リード線146の幅はそれぞれ30nm〜100μmで、その厚さはそれぞれ10nm〜100nmである。また、第一行電極リード線144及第二行電極リード線146は、金属または酸化インジウムスズなどの導電性材料からなる。本実施例において、第一行電極リード144及び第二行電極リード線146は導電性ペーストからなり、スクリーン印刷法によって形成される。
【0065】
複数の第一列電極リード線142は、基板110に相互に間隔をあけて平行に設置される。第一列電極リード線142は、第一行電極リード線144及び第二行電極リード線146に交差して設置され、また交差する箇所は、絶縁層147によって絶縁設置される。絶縁層147の材料は制限されず、必要に応じて選択できる。絶縁層147の材料は、例えば、SiO
2、Si
3N
4、Ta
2O
5、SiCなどである。絶縁層147の厚さも制限されず、実際の応用に応じて選択することができる。しかし、絶縁層147の厚さは50nm〜200nmであることが好ましい。第一列電極リード線142が第一行電極リード線144及び第二行電極リード線146と相互に交差する角度はそれぞれ0°〜90°であるが、90°であることが好ましい。即ち、第一列電極リード線142は、第一行電極リード線144及び第二行電極リード線146に垂直に交差する。
【0066】
隣接する第一行電極リード線144及び第二行電極リード線146は、隣接する二つの第一列電極リード線142と一つの格子を形成する。各格子は、一つの相変化メモリ構造体104に対応して設置される。
【0067】
各相変化メモリ構造体104は、基板110と、少なくとも一本のカーボンナノチューブワイヤ120と、少なくとも一つの相変化層130と、第三電極126と、を含む。カーボンナノチューブワイヤ120は、湾曲部121と、第一部123と、第二部125と、を含む。第一部分123、湾曲部121及び第二部分125は接続されて、カーボンナノチューブワイヤ120を形成する。第三電極126は、湾曲部121と間隔をあけて設置され、相変化層130は、湾曲部121及び第三電極126とそれぞれ電気的に接続される。カーボンナノチューブワイヤ120は、第一行電極リード線144及び第一列電極リード線142とそれぞれ電気的に接続され、第一回路を形成する。この第一回路は書き込み回路であり、加熱回路を形成して相変化層130を加熱する。これにより、相変化メモリセル130にデータを書き込むことができる。具体的には、カーボンナノチューブワイヤ120の第一部123は、第一電極122によって第一列電極リード線142と電気的に接続され、カーボンナノチューブワイヤ120の第二部125は、第二電極124によって第一行電極リード線144と電気的に接続される。第三電極126は、相変化層130及び第二行電極リード線146とそれぞれ電気的に接続される。第二行電極リード線146、第三電極126、相変化層130、カーボンナノチューブワイヤ120及び第一行電極リード線144/第一列電極リード線142は第二回路を形成する。この第二回路は読み出し回路であり、相変化層130の抵抗を検知して、相変化メモリセル130からデータを読み出すことができる。
【0068】
第一行電極リード線144及び第一列電極リード線142に電圧を印加すると、電流が第一行電極リード線144から、カーボンナノチューブワイヤ120を通じて、第一列電極リード線142へと流れる。第二行電極リード線146及び第一列電極リード線142/第二列電極リード線144に電圧を印加すると、電流が第二行電極リード線146から、カーボンナノチューブ層120及び前記相変化層130を通じて、第一列電極リード線142/第二列電極リード線146へと流れる。
【0069】
各相変化メモリ構造体104は、一つの格子102に対応して設置される。各相変化メモリ構造体104の構造は、実施例1の相変化メモリセル10の構造或いは実施例2の相変化メモリセル20の構造と基本的に同じである。具体的には、各カーボンナノチューブワイヤ120は湾曲部121を含み、湾曲部121は第三電極126と間隔を開けて設置され、相変化層130は湾曲部121を被覆し、且つ第三電極126と電気的に接続される。本実施例において、複数の相変化メモリ構造体104はアレイ構造を形成し、同じ行における複数の相変化メモリ構造体104は同じ第一行電極リード線144及び同じ第二行電極リード線146と電気的に接続され、且つ第一列電極リード線142と電気的に接続される。複数の相変化メモリ構造体104の配列方式及び配列密度は制限されず、必要なデータストレージなどによって選択できる。各相変化メモリ構造体104は、各行電極リード線及び各列電極リード線をそれぞれ制御することによって、データのストレージ及び読み出しを実現でき、また、複数の相変化メモリ構造体104は高い密度配列でき、大容量のデータストレージ及び読み出しに応用できる。
【0070】
本発明の相変化メモリセル及び相変化メモリデバイスは以下の有益な効果を奏する。第一に、カーボンナノチューブワイヤは優れた熱伝導性及び化学的安定性を有するので、相変化メモリセル及び相変化メモリデバイスの使用寿命を延ばすことができる。第二に、カーボンナノチューブワイヤは加熱素子として優れた柔軟性を有するので、柔軟性を有する相変化メモリデバイスを製造できる。第三に、カーボンナノチューブワイヤの湾曲部は加熱素子として相変化層を加熱するので、カーボンナノチューブワイヤの湾曲部に蓄積された熱を十分に利用でき、相変化層の動作速度を向上させることができ、更には、相変化メモリセル及び相変化メモリデバイスの読み書き効率を向上させることができる。