(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1側部と前記第2側部とを分離するステップはブラダ部材を膨張させることにより実現され、前記ブラダ部材は前記第1側部と前記第2側部との間に配置されている、請求項18に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施形態は以下の図面および詳細な説明を参照するとより一層理解できる。図の中の構成要素は必ずしも縮尺どおりではなく、むしろ本発明の原理の図示にあたり強調を施している。また、図中、同じ参照番号はさまざまな図面を通して対応する部品を表す。
【0013】
図1は、フレキシブル製造システム100の一実施形態を示す模式図である。
【0014】
いくつかの実施形態では、フレキシブル製造システム100は、履物および/または衣料を含むさまざまな種類の製品とともに使用することが意図されている。特に、フレキシブル製造システム100はグラフィック、またはあらゆる種類のデザインもしくはイメージを履物および/または衣料に施すためのさまざまな種類の手段を含んでいてもよい。さらに、グラフィックを施すプロセスは、製品の製造中および/または製品を製造した後に行ってもよい。いくつかの実施形態では、履物製品をアッパーおよびソール構造を含む三次元形状に製造した後に、グラフィックを履物製品に施してもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、フレキシブル製造システムは、小売店舗で、履物製品および/または衣料製品にユーザが選んだグラフィックを施すために使用することができる。
【0016】
本詳細な説明および特許請求の範囲を通して使用する「画像(graphic)」という用語は、写真、ロゴ、テキスト、イラスト、線、形、パターン、さまざまな種類のイメージ、およびこれらの要素のあらゆる組合せを含むが、これだけに限定されないあらゆる視覚的デザイン要素をいう。
【0017】
また、画像という用語は制限することを意図しておらず、あらゆる数の連続した、または連続していない視覚的特徴を組み込むことができる。例えば、ある実施形態では、画像は履物製品の小さな領域に施されるロゴを備えてもよい。別の実施形態では、画像は、履物製品の、全体を含め、1つ以上の領域に施される色の大きな領域を備えてもよい。
【0018】
明確にするために、以下の詳細な説明は、フレキシブル製造システム100を使用して履物製品102に画像を施す実施形態を述べる。この場合、履物製品102、または単に製品102は、ランニングシューズなど、運動用靴の形態をとっていてもよい。しかし、他の実施形態では、フレキシブル製造システム100は、ハイキングブーツ、サッカーシューズ、フットボールシューズ、スニーカー、ラグビーシューズ、バスケットボールシューズ、野球靴および他の種類の靴を含むが、これだけに限定されないあらゆる他の種類の履物とともに使用してもよい。
図1は1つの製品を示しているが、フレキシブル製造システム100は、1対の履物をなす製品を含め、2つ以上の製品に画像を施すために使用することもできる。
【0019】
いくつかの実施形態では、製品102はアッパー104とソール構造106とを含んでいてもよい。一般に、アッパー102はどの種類のアッパーであってもよい。特に、アッパー104はあらゆるデザイン、形状、サイズおよび/または色を有していてもよい。例えば、製品102がバスケットボールシューズである実施形態では、アッパー104は、足首に高いサポートを提供する形状になされているハイトップアッパーとすることができる。製品102がランニングシューズである実施形態では、アッパー104はロートップアッパーとすることができる。
【0020】
図1に図示するように、アッパー104は大略的に、足の形状に近似した輪郭形状を有する。例えば、アッパー104の外側側面部108は、実質的に平らではなく、大略的に輪郭成形されていてもよい。また、外側側面部108、およびアッパー104の他のあらゆる部分の形状は、実施形態によってあらゆる他の態様で変えることができることは理解されよう。特に、履物製品に画像を施すためにここで説明する原理は、所定の幾何学形状および/または形状の製品に制限されるものではない。
【0021】
いくつかの実施形態では、アッパー104は1つ以上のデザイン要素を設けて構成されていてもよい。例えば、アッパー104は外側側面部108に配置されているデザイン要素110を含んでいてもよい。この実施形態において、デザイン要素110はアッパー104上で卵形状のデザインの形態を取る。しかし、他の実施形態では、デザイン要素110はあらゆる種類の標示、画像または他のデザイン特徴として構成することができる。アッパー104に組み込むことができるさまざまなデザイン要素の実施例は、ロゴ、数字、文字、さまざまな種類の画像、装飾要素、および他の種類のデザイン要素を含むが、これだけに限定されない。さらに、いくつかの実施形態では、デザイン要素は、例えばプリンタを用いて、インクを使用してアッパーに施してもよい。他の実施形態では、デザイン要素はアッパー104のベース層に装着されている個別の材料層を備えることができる。
【0022】
フレキシブル製造システム100は履物製品との使用に制限する必要はなく、本詳細な説明を通して教唆される原理は、追加製品にも同様に適用してもよい。フレキシブル製造システムとともに使用できる製品の実施例は、履物、手袋、シャツ、パンツ、ソックス、スカーフ、帽子、ジャケットおよび他の製品を含むが、これらに限定されない。製品の他の実施例は、すね当て、ひざ当て、ひじ当て、肩当て、ならびにあらゆる他の種類の保護具および/またはスポーツ用具を含むが、これだけに限定されない。さらに、いくつかの実施形態では、製品は、ボール、バッグ、財布、バックパック、および着用しない他の製品を含むが、これだけに限定されない別の種類の製品とすることができる。
【0023】
フレキシブル製造システム100は、製品に直接画像を施すのに有用なさまざまな手段を備えてもよい。いくつかの実施形態では、フレキシブル製造システム100は印刷システム120を含んでいてもよい。印刷システム120は1つ以上の個別のプリンタを備えてもよい。
図1には1台のプリンタしか図示していないが、他の実施形態は互いにネットワーク化してもよい2台以上のプリンタを組み込むことができる。
【0024】
印刷システム120はさまざまな種類の印刷技術を利用してもよい。これらは、トナーベースの印刷、液体インクジェット印刷、ソリッドインク印刷、昇華型印刷、インクレス印刷(感熱印刷およびUV印刷を含む)、MEMSジェット印刷技術ならびにあらゆる他の印刷方法を含むことができるが、これだけに限定されない。いくつかの実施形態では、印刷システム120は2つ以上の異なる印刷技術の組合せを利用してもよい。使用する印刷技術の種類は、対象製品の材料、対象製品のサイズおよび/または幾何学的形状、印刷されるイメージの所望の特性(耐久性、色、インク密度等など)ならびに印刷速度、印刷コスト、および保守の要件を含むが、これだけに限定されない要因に応じて変わってもよい。
【0025】
ある実施形態では、印刷システム120は、形成されたアッパーの内側または外側側面パネルなどの基板に、インク滴を噴霧するインクジェットプリンタを利用してもよい。インクジェットプリンタを使用すると、色およびインク密度の変化を簡単に行える。この構成はプリンタヘッドと対象物とをいくらか引き離しもするので、いくらか湾曲および/または表面性状をもつ物体に直接印刷するのを容易にすることができる。
【0026】
フレキシブル製造システム100は、製品102への印刷画像の位置合わせを容易にするための手段を含むことができる。いくつかの実施形態では、画像が製品の所望の部分(つまり、場所)に印刷されるように、製品を印刷システムに位置合わせする方法をユーザに提供することが有用であるかもしれない。特に、いくつかの実施形態では、フレキシブル製造システム100は、さまざまな種類、形状およびサイズの製品に適応するような方法で、製品をプリンタに予め位置合わせするための手段を含んでいてもよい。
【0027】
図1を参照すると、フレキシブル製造システム100のいくつかの実施形態は、製品への画像の位置合わせを容易にするのを助ける手段を含むことができる。画像を製品の所望の部分(または場所)に確実に印刷するために使用してもよい位置合わせシステムの実施例は、特許文献1(本明細書において、「位置合わせ・印刷案件」という)および特許文献2(本明細書において、「遠隔操作を用いたプリンタ位置合わせ案件」という)に開示されており、参照により両出願の全体をこれに組み込む。
【0028】
ある実施形態において、フレキシブル製造システム100はベース部130とプラットフォーム140とを含んでいてもよい。ベース部130は、フレキシブル製造システム100の1つ以上のコンポーネントを取り付けるための実質的に平坦な表面を備えてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、ベース部130は台の天板であってもよい。いくつかの実施形態では、プラットフォーム140はベース部130上に配置されていてもよい。いくつかの実施形態では、プラットフォーム140は印刷システム120に接触可能な表面を備える。特に、プラットフォーム140に載せられる製品は、印刷システム120を使用して印刷されてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、印刷システム120はベース部130の軌道150に取り付けられていてもよい。いくつかの実施形態では、印刷システム120はベース部130に可動に取り付けられて、印刷システム120が軌道150に沿って摺動可能になるようにする。これにより印刷システム120は、印刷システム120がプラットフォーム140から離れて配置されている第1位置(
図1に図示するように)と、印刷システム120がプラットフォーム140の上に配置されている第2位置(
図32を参照)とを移動することができる。
【0030】
この構成により、印刷システム120が第1、またはインアクティブ位置にあるときに、製品上での画像の位置合わせを行ってもよい。画像の位置合わせが完了したら、印刷システム120は第2、またはアクティブ位置に移動してもよい。このアクティブ位置で、印刷システム120はプラットフォーム140の真上に配置してもよく、プラットフォーム140上に配置されている製品に画像を印刷するように構成されていてもよい。
【0031】
この実施形態は、プラットフォーム140が動かないままであるのに対して、印刷システム120がベース部130に対して移動する構成を示しているが、他の実施形態は印刷システム120およびプラットフォーム140を互いに対して移動するための何か他の方法を組み込むことができる。一実施例として、他の実施形態は、プラットフォームを、印刷システム120の下の位置を含めてさまざまな位置に移動することのできる移送システムを利用することができる。このような移送システムの実施例は、前述の位置合わせ・印刷案件に開示されている。
【0032】
いくつかの実施形態では、フレキシブル製造システム100は、以下詳細に述べるように、製品の印刷準備を容易にするための1つ以上の取付アームをさらに含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、フレキシブル製造システム100は、第1取付アーム161、第2取付アーム162、第3取付アーム163および第4取付アーム164を含む複数の取付アーム160を含むことができる。この実施形態はフレキシブル製造システムのさまざまなコンポーネントを装着して支持するための取付アームを4本図示しているが、他の実施形態は他のあらゆる数の取付アームおよび他のあらゆる種類の取付構造を含むことができる。
【0033】
画像を製品の所定の領域に確実に印刷するために製品を位置合わせする手段も含むことができる。透明なLCDスクリーンなどのディスプレイ装置を使用する位置合わせの1つの方法を、以下説明し、
図28〜
図30に示す。画像を所望の領域に受けるために製品を位置合わせする方法の別の実施例は、位置合わせ・印刷案件に開示されている。
【0034】
いくつかの実施形態は、位置合わせおよび製品への画像の印刷を容易にするために、製品を適所に保持するのを助ける手段を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、フレキシブル製造システムは保持アセンブリを含むことができ、該保持アセンブリは製品を所定の位置および/または向きに保持することのできるスタンド、取付具または同様な種類の装置を備えてもよい。ある実施形態では、フレキシブル製造システムは、印刷プロセス中に製品を適所に保持することにより、履物製品の取付具として機能する保持アセンブリを含む。さらに、以下説明するように、保持アセンブリは、履物製品の1つ以上の部分を平らにならす手段など、製品の一部を印刷のために準備する手段も含めてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、フレキシブル製造システム100は保持アセンブリ200を含んでいてもよい。保持アセンブリ200はベース部202と靴型部220とをさらに含んでいてもよい。ベース部202は靴型部220のサポートになってもよいので、靴型部220は製品を所定の位置および/または向きに保持することができる。保持アセンブリ200の細部は以下詳細に述べる。
【0036】
いくつかの実施形態では、フレキシブル製造システム100はコンピューティングシステム101を含んでいてもよい。「コンピューティングシステム」という用語は、単一のコンピュータのコンピューティングリソース、単一のコンピュータのコンピューティングリソースの一部、および/または互いに通信状態にある2台以上のコンピュータをいう。これらのリソースのいずれも1人以上のユーザによって操作することができる。いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム101は、ユーザがコンピューティングシステム101とインタラクトすることを可能にするユーザ入力デバイス105を含むことができる。同様に、コンピューティングシステム101はディスプレイ103を含んでいてもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム101は、データ記憶装置(図示せず)などの追加手段を含むことができる。データ記憶装置は、揮発性メモリおよび不揮発性メモリを含め、磁気、光学、光磁気、ならびに/またはメモリを含むが、これだけに限定されない、さまざまなデータ記憶手段を含むことができる。コンピューティングシステム101のこれらの手段、およびここに図示または説明していない可能性のある他の手段は、コンピューティングシステム101がフレキシブル製造システム100のさまざまなコンポーネントと通信し、および/またはさまざまなコンポーネントを制御することを可能にする。例えば、コンピューティングシステム101は、画像を作成および/または処理し、印刷システム120を制御し、位置合わせシステム(LCDスクリーンなど)のコンポーネントを制御するために、またおそらくは保持アセンブリ200に関連するシステムを制御するために使用してもよい。
【0038】
フレキシブル製造システム100のさまざまなコンポーネント(コンピューティングシステム101、印刷システム120、保持アセンブリ220、および可能性のある他のコンポーネント)間の通信を容易にするために、コンポーネントは何らかの種類のネットワークを使用して接続することができる。ネットワークの実施例には、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ブルートゥースプロトコルを利用するネットワーク、パケット交換網(インターネットなど)、さまざまな種類のワイヤードネットワーク、およびあらゆる他の種類のワイヤレスネットワークを含むが、これだけに限定されない。他の実施形態では、外部ネットワークを利用するのではなく、1つ以上のコンポーネント(つまり、印刷システム120)を、例えば、周辺ハードウェアデバイスとして、コンピューティングシステム101に直接接続することができる。
【0039】
操作時、製品102を保持アセンブリ200の靴型部220に置いてもよい。いくつかの実施形態では、製品102は、例えば、コンピューティングシステム101と通信するLCDスクリーンを使用して、プラットフォーム140の所定の位置に位置合わせしてもよい。最後に、印刷システム120を使用して製品102の一部に画像を印刷してもよい。この操作の細部は以下詳細に述べる。
【0040】
図2から
図4は、保持アセンブリ200の実施形態のさまざまな図を示す。具体的には、
図2は保持アセンブリ200の正面等角図を示し、
図3は下から見た等角図を示し、
図4は分解等角図を示す。
【0041】
図2から
図4を参照すると、保持アセンブリ200のベース部202はボディ204と、第1脚部206と、第2脚部208とを含んでいる。本体部204は略直立したほぼ方形の部分を備える。本体部204は第1脚部206および第2脚部208で支持されている。さらに、本体部204は、靴型部220を本体部204に連結する前取付部210を含んでいる。
【0042】
図4でもっとも明確に見られるように、いくつかの実施形態では、本体部204および前取付部は実質的に垂直であってもよい。具体的には、本体部204の第1長手軸217は、前取付部210の第2長手軸219と実質的に垂直であってもよい。他の実施形態では、第1長手軸217および第2長手軸219はあらゆる他の角度を成すことができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、靴型部220は、製品を受け入れて、アッパーの位置、向きおよび幾何学形状を制御するのを助けるさまざまなコンポーネントを備える。いくつかの実施形態では、靴型部220は第1側部222および第2側部224を備えてもよい。さらに、靴型部220は、第1側部222と第2側部224との間に配置してもよいブラダ部材もしくは袋部材(bladder member)226を備えてもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、第1側部222は、外側壁部232および離間部234を含むフレーム部230を含んでいてもよい。ある場合には、離間部234は、フレーム部230の上部凹み236をフレーム部230の下部凹み238(
図21を参照)から分離していてもよい。上部凹み236は可撓膜240を使用して密閉して、内部チャンバ246(
図21を参照)を形成してもよい。いくつかの実施形態では、ガスケット部材242を使用して、可撓膜240を外側壁部232の上縁233に取り付けていてもよい。ガスケット部材242は当業界で周知のあらゆる種類の留め具を使用してフレーム部材230の上縁233にさらに締め付けてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、フレーム部230の離間部234と可撓膜240との間に形成されている内部チャンバ246に、1つ以上の材料を充填してもよい。いくつかの実施形態では、内部チャンバ246に複数のビーズ部材250を充填してもよい。本詳細な説明および特許請求の範囲を通して使用する「ビーズ部材(bead member)」という用語は、ほぼ丸い形を有するあらゆるビーズ状の物体をいう。具体的には、いくつかの実施形態では球形ビーズを含んでいてもよいが、他の実施形態ではビーズ部材は非球形でもよく、例えば、長円の丸い形を有してもよい。
【0046】
可撓膜240および複数のビーズ部材250を合わせて組み立てると、靴型部220の第1側部222に実質的に可撓性および/または成形可能な外面を与える。具体的には、可撓膜240はさまざまな場所に押し下げられ、複数のビーズ部材250が可撓膜240とフレーム部230との間に形成される容量内に再配列されるので、第1側部222の外面は多様な異なる形状を取れる。この構成により、靴型部220に置かれる製品によってかかる力に反応して、外面260は変型することができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、第2側部224はベースプレート270を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、ベースプレート270は中央隆起部272をさらに備えてもよい。また、いくつかの実施形態では、ベースプレート270に輪郭部材274を装着してもよい。具体的には、輪郭部材274は、輪郭部材274が第2側部224に外向きに露出するように、ベースプレート270の外側に装着してもよい。
【0048】
靴型部220に一般に可撓性で変形可能な外面を有する第1側部222に対し、第2側部224は実質的に剛性の外面を有してもよい。いくつかの実施形態では、例えば、輪郭部材274は、靴型部220に置かれる製品によってかかるかもしれない力に反応して、ほとんど撓まないおよび/または変形しない実質的に剛性材料とすることができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、第1側部222と第2側部224との装着は、ブラダ部材226によって部分的に促進してもよい。ある実施形態では、ブラダ部材226は第1側部222のフレーム部230に装着されている第1面280を含む。ある場合には、ブラダ部材226の一部が第1側部222内に配置されるように、第1面280は下部凹み238(
図21を参照)内の離間部234に装着している。さらに、ブラダ部材226はベースプレート270の中央部272に装着されている第2面282を含んでいてもよい。この構成では、ブラダ部材226が膨張すると、これが第1側部222および第2側部224を互いに分離させる。
【0050】
いくつかの実施形態では、第1側部222および第2側部224は、ベース部204の前取付部210に隣接する区域でさらに互いに連結していてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第1側部222は取付部210に対して適所に固定していてもよく、第2側部224は前取付部210を中心として枢動してもよい。具体的には、いくつかの実施形態では、第2側部224は前取付部210にヒンジ状連結で装着していてもよい。しかし、他の実施形態では、第1側部222は前取付部210に対して適所に固定していてもよいが、第2側部224は前取付部210に直接装着していなくてもよい。代わりに、いくつかの実施形態では、第2側部224はブラダ部材226によって第1側部222にのみ装着していてもよい。
【0051】
靴型部220のさまざまなコンポーネントおよび要素に使用される材料は、製造コスト、所望の材料特性および可能性のある他の要因を含め、さまざまな要因に応じて変えてもよい。一実施例として、異なる実施形態では、可撓膜240に使用される材料は変えることができる。使用してもよい可撓性材料の例は、可撓性のある布、天然ゴム、合成ゴム、シリコン、エラストマー、シリコンゴムなどの他のエラストマー、および当業界で周知の他の材料を含むが、これだけに限定されない。別の例として、複数のビーズ部材250に使用される材料は実施形態により変えてもよい。ビーズ部材に使用できる材料の例は、プラスチックビーズ、シリコンビーズ、金属ビーズ(例えば、ボールベアリングを含む)、および当業界で周知の他の種類の材料を含むが、これだけに限定されない。また、靴型部のフレーム部およびさまざまなプレートに使用される材料は変えることができる。フレーム部および/またはプレートに使用することのできる材料の例は、金属またはアルミニウムなどの金属合金、プラスチック、および当業界で周知のあらゆる他の種類の材料を含むが、これだけに限定されない。
【0052】
異なる実施形態では、ブラダ部材226に使用する材料は変えることができる。いくつかの実施形態では、ブラダ部材226は剛性から半剛性の材料から構成してもよい。他の実施形態では、ブラダ部材226は実質的に可撓性材料から構成してもよい。いくつかの実施形態では、ブラダ部材226は、流体の力で変形するように構成されている実質的に可撓性で弾性の材料から作ることができる。ある場合には、ブラダ部材226はプラスチック材料から作ることができる。
【0053】
使用してもよいプラスチック材料の例は高密度ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン、熱可塑性材料、エラストマー材料、およびさまざまな材料の組合せを含むあらゆる他の種類のプラスチック材料を含む。ブラダに熱可塑性材料を使用する実施形態では、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエステルポリウレタン、およびポリエーテルポリウレタンを含め、多様な熱可塑性ポリマー材料をブラダに利用してもよい。
【0054】
ブラダに適した他の材料は、参照によりこれに組み込むMitchell他に付与された特許文献3および特許文献4に開示されるように、熱可塑性ポリウレタンとエチレンビニルアルコールコポリマーとを交互に重ねた層から形成されるフィルムである。ブラダはまた、参照によりこれに組み込むBonk他に付与された特許文献5および特許文献6に開示されるように、ガスバリア材料とエラストマー材料とを交互に重ねた層を含む可撓性マイクロレイヤー膜から形成してもよい。さらに、ダウ・ケミカル・カンパニーの製品であるPELLETHANE、BASFコーポレーションの製品であるELASTOLLAN、B.F.グッドリッチ・カンパニーの製品であるESTANEなど、複数の熱可塑性ウレタンを利用してもよいが、このすべてがエステルまたはエーテル系である。ポリエステル、ポリエーテル、ポリカプロラクトン、およびポリカーボネートマクロゲルをベースとしたさらに他の熱可塑性ウレタンを採用してもよく、さまざまな窒素遮蔽材料も利用してもよい。他に適した材料は、参照によりこれに組み込むRudyに付与された特許文献7および特許文献8に開示されている。さらに適した材料は、参照によりこれに組み込むRudyに付与された特許文献9および特許文献10に開示されるように、結晶材料を含有する熱可塑性フィルム、ならびにこれも参照によりこれに組み込むBonk他に付与された特許文献11、特許文献12および特許文献13に開示されるように、ポリエステルポリオールを含むポリウレタンを含む。ある実施形態では、ブラダ部材226は熱可塑性ウレタン(TPU)の1つ以上の層を備えてもよい。
【0055】
保持アセンブリ200は、製品を靴型部220に適所に保持するための追加特徴も含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、保持アセンブリ200は調整可能なかかとアセンブリ290を含んでいてもよい。調整可能なかかとアセンブリ290は、多様な異なる履物のサイズに適応するために使用してもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、調整可能なかかとアセンブリ290は本体部292をさらに含んでいてもよい。本体部292はロッド294を介して前取付部210に調整可能に連結していてもよい。具体的には、ロッド294は前取付部210から外向きに延びていてもよく、本体部292により収受されていてもよい。いくつかの実施形態では、本体部292はロッド294に対して永久に適所に固定していてもよい。このような実施形態では、前取付部210に対する本体部292の位置は、ロッド294を前取付部210の受け穴211内のさまざまな位置に摺動させることにより調整してもよい。他の実施形態では、本体部292はロッド294に対して並進するように構成されていてもよい。このような実施形態では、前取付部210に対する本体部292の位置は、本体部292をロッド294の長さに沿って摺動させることにより調整してもよい。
【0057】
調整可能なかかとアセンブリ290は、本体部292から延び出しているかかと係合部296を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、かかと係合部296は、本体部292が前取付部210に対して並進する方向に略垂直な方向に延びていてもよい。いくつかの実施形態では、かかと係合部296の位置および向きは、本体部292に対して実質的に固定されていてもよい。この構成では、かかと係合部296は本体部292とともに並進するように構成されていてもよい。また、以下詳細に述べるように、この構成により、かかと係合部296の位置を靴型部220の後縁部に対して調整することが可能になる。
【0058】
いくつかの実施形態では、かかと係合部296は、足のかかとの形状に略近似する形状を有してもよい。これにより、かかと係合部296を対応するアッパーのかかと領域の幾何学形状に適応できるようにしてもよい。しかし、他の実施形態では、かかと係合部296はあらゆる他の幾何学形状を有することができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、ハンドル298が本体部292を並進させるための梃子の作用を与えてもよい。調整可能なかかとアセンブリ290を所望の位置に調整したとき、ハンドル298を回転して、調整可能なかかとアセンブリ290を適所に固定してもよい。ハンドル298を使用して調整可能なかかとアセンブリ290の位置を所定の位置に固定するさまざまな方法を使用できる。いくつかの実施形態では、例えば、ハンドル298は、ハンドル298を固定位置にしたときに、本体部292がロッド294に対して並進するのを防止する摩擦力を生むカム状の特徴を備えてもよい。しかし、他の実施形態では、本体部292の位置を固定するためのあらゆる他の方法を使用できることは理解されるであろう。調整可能なかかとアセンブリ290の動作に関するさらなる細部は、以下詳細に述べる。
【0060】
いくつかの実施形態では、保持アセンブリ200は、製品を適所に固定し、製品が靴型部220で動き回るのを防止するのを助ける手段を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、保持アセンブリ200は締めひも固定部材275を含んでいてもよい。締めひも固定部材275はベース部204から外向きに延びていてもよい。ある場合には、締めひも固定部材275は、第1キャッチ部277と第2キャッチ部279とを含む。また、いくつかの実施形態では、締めひも固定部材275は靴型部220のつま先領域に関連する保持アセンブリ200の側に配置して、製品の締めひもを製品と締めひも固定部材275との間で容易にピンと引っ張ることができるようにしてもよい。以下詳細に述べるように、締めひも固定部材275は、製品を緊張状態に保持するのを助けるために締めひも固定部材275に巻きつけてもよい製品の締めひもを受けるように構成されていてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態は、保持アセンブリ200のさまざまなコンポーネントに流体を流出入するのを促進する手段を含んでいてもよい。具体的には、いくつかの実施形態はブラダ部材226の圧力を制御する手段を含むことができる。同様に、いくつかの実施形態は内部チャンバ246(これは可撓膜240とフレーム部材230との間に封止されている)内の圧力を制御する手段を含むことができる。当該手段はブラダ部材226の膨張(またおそらくは収縮)を促進するとともに、内部チャンバ246の収縮を(例、内部チャンバ246内を真空引きすることにより)促進してもよい。
【0062】
図5は、保持アセンブリ200の一実施形態の模式的な側面図を示しており、調整可能な圧力システム500のいくつかのコンポーネントは実線で示しているが、保持アセンブリ200の他のコンポーネントは鎖線で示す。明確にするために、保持アセンブリ200のさまざまなコンポーネントは模式的に示す。
【0063】
図5を参照すると、調整可能な圧力システム500はブラダ部材226と、可撓膜240およびフレーム部230によって限定されている内部チャンバ246(内部チャンバ246の場所は、
図5では模式的に示されている)とを含む。さらに、調整可能な圧力システム500はブラダ部材226と第1外部流体ポンプ520との流体連通、および内部チャンバ246と第2外部流体ポンプ522との流体連通を促進する手段を含んでいてもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、第1外部流体ポンプ520は、ブラダ部材226に流体を充填するように構成されているポンプである。すなわち、いくつかの実施形態では、第1外部流体ポンプ520はブラダ部材226内の流体圧を増大するように操作されてもよく、それによりブラダ部材226を膨張させてもよい。いくつかの実施形態では、第1外部流体ポンプ520はブラダ部材226から流体を引き抜くように操作することによって、ブラダ部材226内の内部圧力を低下させるように構成することもできる。この操作モードはブラダ部材226を自動的にしぼませるであろう。
【0065】
いくつかの実施形態では、第2外部流体ポンプ522は内部チャンバ246から流体を引き抜くように構成されている真空ポンプである。具体的には、第2外部流体ポンプ522は、内部チャンバ246内の流体圧を大幅に低下させるために使用してもよく、これにより可撓膜240を複数のビーズ250(例えば、
図25に図示されるように)に対してピンと引張ってもよい。これにより第1側部222の外面260に略剛性な構成が作られる。
【0066】
調整可能な圧力システム500は、第1外部流体ポンプ520とブラダ部材226との間、および第2外部流体ポンプ522と内部チャンバ246との間に流体を移送する手段を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、チューブ530が第2外部流体ポンプ520を内部チャンバ246に連結してもよい。具体的には、チューブ530は内部チャンバ246の流体口540に連結してもよい。いくつかの実施形態では、チューブ532は第1外部流体ポンプ520をブラダ部材226の内部チャンバ550に連結していてもよい。具体的には、チューブ532は内部チャンバ550の流体口542に連結していてもよい。
【0067】
例示のために、図面において調整可能な圧力システム500のいくつかのコンポーネントは模式的に示している。異なる実施形態において、流体ポンプ、流体ライン(つまり、チューブまたはホース)、流体口および他の流体移送手段のさまざまな構成を使用してもよい。いくつかの実施形態では、チューブ530およびチューブ532はベース部202の後ろ側に沿って延びていてもよく、前取付部210の下の開口部を通り抜けることができる。他の実施形態では、ベース部202および/または靴型部220の内部でチューブ530および/またはチューブ532のあらゆる他の構成を使用することができるだろう。さらに別の実施形態では、1つ以上の流体弁を使用して、流体ポンプと保持アセンブリ200のコンポーネントとの間の流体の量および/または方向を制御することができる。
【0068】
第1外部流体ポンプ520および第2外部流体ポンプ522の操作は、手動であっても、または自動であってもよい。一実施例として、ある実施形態では、ユーザは第1外部流体ポンプ520および/または第2外部流体ポンプ522を各ポンプの手動制御器を使用して制御してもよい。別の実施例として、いくつかの実施形態では、第1外部流体ポンプ520および/または第2外部流体ポンプ522は、第1外部流体ポンプ520および/または第2外部流体ポンプ522と通信状態にあるコンピューティングシステム101またはあらゆる他の自動化システムを使用して自動的に制御することができる。
【0069】
このように、この構成により、ブラダ部材226の圧力は能動的に増大させてもよく、内部チャンバ246の圧力を能動的に低下させてもよいことが分かる。より具体的には、内部チャンバ246から流体を抜き取るとともに第1側部222の幾何学形状を一時的に固定するために、内部チャンバ246の圧力を低下させる(つまり、真空に引く)と同時に、ブラダ部材226の圧力を増大させて靴型部220を膨張させてもよい。これらの操作のさらなる細部は以下詳細に述べる。
【0070】
例示のために、調整可能な圧力システム500の手段のいくつかは、いくつかの図面では図示していないかもしれない。しかし、以下の実施形態はすべて、ここで説明し、
図5に模式的に示す調整可能な圧力システム500の特徴の1つ以上を含んでいてもよいことは理解されるであろう。
【0071】
図6〜
図7は、ブラダ部材226に流体が充填されているときの靴型部220の操作の模式的な側面図を示す。
図6に図示するブラダ部材226の低圧、またはしぼんだ構成では、第2側部224は第1側部226のすぐ隣に配置されていてもよい。また、この低圧構成では、第2側部224は第1側部222とほぼ平行であってもよい。
【0072】
しかし、
図7に図示するブラダ部材226の加圧、または膨らんだ構成では、第2側部224は第1側部222から離れていてもよい。より具体的には、いくつかの実施形態では、第2側部224はある角度で第1側部222から離れるように傾斜している。いくつかの実施形態では、第2側部224は一般的に前取付部210の最前部209を中心として枢動してもよく、最前部209は靴型部220が連結部210につながる場所である。
【0073】
この構成により、靴型部220の幅はブラダ部材226の圧力に応じて変わることができる。また、製品が靴型部220に置かれたら、膨らむブラダ部材226が靴型部材220を膨張させて製品の内部を満たしてもよく、これが製品を靴型部220に取り付けられた状態にしておくのを助ける。
【0074】
前述したように、第1側部222は、かけられる圧力または力に反応して変形することのできる成形可能なまたは可撓性の外面を備えてもよい。また、第1側部222の剛性は、真空圧の使用により変えてもよい。
【0075】
図8〜
図10は、分離した状態の靴型部220の第1側部222の実施形態の模式的な側面図を示す。
【0076】
図8に図示する構成では、第1側部222は可撓膜240のところで実質的に可撓性の外面を呈する。
図9に図示するように、可撓膜240に力900がかけられると、可撓膜240は凹み902を生じるように変形する。次に
図10を参照すると、第1側部222の内部チャンバ502内を真空引きすることにより、可撓膜240は複数のビーズ250(
図25を参照)に対してピンと引っ張られる。この結果、第1側部222に実質的に剛性な外面930が生じることになる。この構成を使用して、第1側部222の輪郭または幾何学形状は、第1側部222にさまざまな圧力および/または力を受けさせることによって変えることができる。
【0077】
図11から
図34は、履物製品に画像を印刷する方法の一実施形態の模式図を示す。具体的には、
図11から
図18は履物製品を保持アセンブリに留め付けるプロセスを示しており、
図19から
図31は製品の印刷準備をするためのプロセスを示しており、
図32から
図34は製品に印刷するためのプロセスを示している。
【0078】
図11から
図16は、保持アセンブリ200に配置されている製品102の一実施形態の上から見た模式図を示す。具体的には、
図11から
図16は、製品102を靴型部220に留め付けるのを助けるために、調整可能なかかとアセンブリ290の位置を調整するためのプロセスを示す。
【0079】
図11から
図16に見られるように、かかと係合部296は、靴型部220の後縁部291とほぼ平行な方向に大略的に延びていてもよい。したがって、かかと係合部296の位置は履物のさまざまな異なるサイズに適応するように調整してもよい。すなわち、かかと係合部296と靴型部220の前部223との距離は、異なる履物のサイズに適応するように変化してもよい。
【0080】
最初に、
図11および
図12に図示するように、調整可能なかかとアセンブリ290は第1位置1100にあってもよく、ここで調整可能なかかとアセンブリ290は前取付部210に向かって完全に後退している。調整可能なかかとアセンブリ290が第1位置1100にあるとき、靴型部220および調整可能なかかとアセンブリ290はともにアッパー104の開口部1102に容易に挿入できるので、アッパー104は靴型部220に容易に載せられる(または取り外される)。
図12に見られるように、かかと係合部296はアッパー104のかかと部分1110から内方に離間していてもよい。
【0081】
図13および
図14では、調整可能なかかとアセンブリ290は第2位置1300に調整されている。いくつかの実施形態では、これはユーザがハンドル298(調整可能なかかとアセンブリ290の本体部292の下に鎖線で図示される)を引っ張って、調整可能なかかとアセンブリ290を取付部210から離れる方に摺動させることにより達成してもよい。また、第2位置1300では、かかと係合部材296はアッパー104のかかと部分1110に当てて配置されていてもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、調整可能なかかとアセンブリ290を使用してアッパー104を緊張状態で配置することが望ましいことがある。ここで
図15および
図16を参照すると、調整可能なかかとアセンブリ290は第3位置1500に調整されている。第3位置1500では、アッパー104がかかと係合部296と靴型部220のつま先部1112との間に実質的に張り渡されるように、かかと係合部296はかかと部分1110をさらに外向きに引き伸ばしてもよい。
【0083】
いくつかの実施形態では、調整可能なかかとアセンブリ290の位置は、調整可能なかかとアセンブリ290がアッパー104のかかと部分1110の力で後退するのを防止するように固定することができる。前述したように、いくつかの実施形態では、調整可能なかかとアセンブリ290の位置は、ハンドル298を調整して固定してもよい。
【0084】
図11から
図14に図示するこの実施例でわかるように、ハンドル298は調整可能なかかとアセンブリ290の位置を変更できるようにアンロック位置(これらの図では本体部292の下)に配置されていてもよい。また、所望の位置になったら、ユーザはハンドル298を
図15および
図16に図示する位置に回転させることによって、調整可能なかかとアセンブリ290を適所に固定してもよい。
【0085】
調整可能なかかとアセンブリ290がアッパー102にフィットするように調整されたら、ユーザは締めひも固定部材275を使用して、製品102の締めひもを締めてもよい。
【0086】
図17および
図18は、締めひも固定部材275を使用して締めひも1702に張力をかける前および張力をかけた後の構成の製品102の模式的な等角図を示す。前述したように、締めひも固定部材275は保持アセンブリ200のベース部204から外向きに延びていてもよい。具体的には、中央部276はベース部204から外向きに延びていてもよい。第1キャッチ部277および第2キャッチ部279は、第1キャッチ部277および第2キャッチ部279がベース部204から離間するように、中央部276から延びていてもよい。この構成は、締めひもが第1キャッチ部277および第2キャッチ部279とベース部204との間に配置されるように、締めひもの部分が中央部276に巻きつけられるようにする。
【0087】
図17を参照すると、締めひも1702は、製品102を靴型部220に取り付けた後の緩んだ位置にある。次に
図18を参照すると、ユーザは締めひも1702を第1キャッチ部277および第2キャッチ部279に巻きつけて、アッパー104に張力をかけてもよい。いくつかの実施形態では、締めひも1702は、締めひも固定部材275に巻きつける前に、まずピンと引っ張ってもよい。この構成により、締めひも1702を使用して、アッパー104に保持アセンブリ200の第1側面1802に沿って張力を掛けながら、調整可能なかかとアセンブリ290が保持アセンブリ200の第2側面1804に沿って張力をかけることができる。これらの緊張力はアッパー104を靴型部220に固定しておくのに役立つ。
【0088】
ここで
図19を参照すると、製品102の印刷準備をするために、保持アセンブリ200をプラットフォーム140に載せている。一般に、保持アセンブリ200はプラットフォーム140のどの部分に載せてもよく、どの向きに配向してもよい。いくつかの実施形態では、保持アセンブリ200は、印刷システム120の印刷ヘッドをアッパー104の所望の部分の上に確実に位置付けることができるように位置付け、配向してもよい。いくつかの実施形態では、フレキシブル製造システム100は、保持アセンブリ200を所望の位置および/または所望の向きでプラットフォーム140に留め付ける手段を含んでいてもよい。当該手段は以下に詳細に述べ、
図39〜
図40に図示する。
【0089】
本発明の実施形態は、印刷の質を改善するために、製品の部分を平らにならすのを容易にする手段を含むことができる。いくつかの実施形態では、フレキシブル製造システムは、アッパーの部分が変形して一時的に平らに均されるように、製品を保持アセンブリに押しつけるために使用することのできる押え板を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、フレキシブル製造システムは、押え板が平らにならすべきアッパーの所望の部分に確実に接触することができるためのさらなる手段を含むことができる。
【0090】
図20は、製品102の部分に圧力をかけるために、押え板(flattening plate)2000を利用するフレキシブル製造システム100の一実施形態を示す。いくつかの実施形態では、押え板2000は複数の取付アーム160に取り付けられていてもよい。この構成により、押え板2000は、プラットフォーム140に配置されている保持アセンブリ200および製品102の上に位置付けられる。いくつかの実施形態では、押え板2000は当業界で周知のあらゆる種類の留め具を使用して、複数の取付アーム160のうちの1つ以上に締め付けてもよい。しかし、他の実施形態では、押え板2000はユーザが手で適所に保持してもよい。さらに他の実施形態では、押え板2000の重量は、押え板2000を複数の取付アーム160に載置しておくのに十分なものにしてもよい。
【0091】
いくつかの実施形態では、押え板2000は実質的に剛性な材料を備えてもよい。いくつかの実施形態では、押え板2000は1枚のプレキシガラス材料を備えてもよい。他の実施形態では、押え板2000は、ポリマー材、金属材料、木材、複合材料、ガラス材、または実質的に変形、曲げ、座屈もしくはその他落下せずに、保持アセンブリ200および製品102に押しつけるのに十分な剛性のあらゆる他の種類の材料を含むが、これだけに限定されないあらゆる他の材料から作ることができる。
【0092】
いくつかの実施形態では、押え板2000の厚さは、0.01インチから2インチまでの範囲にすることができる。他の実施形態では、押え板2000の厚さは1インチから5インチまでの範囲にすることができる。さらに他の実施形態では、押え板2000はあらゆる他の厚さを有することができる。
【0093】
図21は、保持アセンブリ200、製品102および押え板2000の一部の断面図を示す。
図21に見られるように、製品102の側部を第1側部222および第2側部224と略平行な方向に向けた状態では、一般的にソール構造106は押え板2000がアッパー102に直接圧力をかける能力を邪魔するかもしれない。代わりに、この初期構成において、押え板2000と製品102との主な接触が、ソール構造106の側壁2102に沿って発生することもある。製品102と押え板2000とのこの接触面域は
図22にも見られ、押え板2000(この実施形態では透明である)越しの製品102の上から見た図を示している。特に、
図22では、接触面域2202が強調表示されている。
【0094】
押え板2000とアッパー104とのよりよい接触を促進するために、保持アセンブリ200は、靴型部220上のアッパー104の位置および/または向きを変更する手段を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、ブラダ部材226が膨張すると、第2側部224がアッパー104に押し当てられて、それにより靴型部220上の製品102の向きを変更してもよい。
図23を参照すると、ブラダ部材226は膨らんで膨張しており、それにより第1側部222および第2側部224を押し離すことになっている。より具体的には、第2側部224は第1側部222から離れる方に回転している。第2側部224が回転すると、靴型部220が膨張して、アッパー104の内部空胴2320を満たす。また、第2側部224はアッパー104の内側側部2332に接触する。第2側部224が内側側部2330に押し当たり続けると、アッパー104は靴型部220上でやや回転することになる。具体的には、アッパー104の外側側部108は保持アセンブリ200のベース部202から遠ざかる方に摺動する。
【0095】
図23に見られるように、ソール構造106の位置は、靴型部220が膨張するときにも調整されてもよい。いくつかの実施形態では、ソール構造106の位置は、押え板2000から下方に、または離れる方に傾斜してもよい。この傾斜した位置では、ソール構造106は押え板2000から離間する。したがって、靴型部220の膨張は、ソール構造106が押え板2000と接触しなくなるように、またアッパー104の外側側部108が押え板2000と直接接触するように、靴型部220上での製品102の再位置決めに役立つ。この構成により、押え板2000は、押え板2000に接触している外側側部108の領域全体に実質的に均一な圧力を与えることができ、それにより所望の領域を平らにならすのを促進する。
【0096】
製品102と押え板2000との接触面域は
図24でも見られ、押え板2000(この実施形態では透明である)越しに製品102を上から見た図を示している。特に、
図24では、接触面域2402が強調表示されている。
図22と
図24を比較すると、靴型部220上での製品102の向きの調整が、押え板2000とアッパー104の外側側部108との接触面域を実質的に拡大するのに役立つことが分かる。
【0097】
図23に見られるように、第1側部222は、押え板2000がアッパー104の外側側壁108を押し下げると、実質的に平らな表面を形成する可撓性外面2350を備える。製品102の印刷準備のプロセスのこの段階で、押え板2000を取り外した後でも外面2350の平らに均した形状を維持することができるように、第1側部222に真空(vacuum)を導入してもよい。
【0098】
ここで
図25を参照すると、第1側部222の内部チャンバ2505内の流体(例、空気)は、吸引ポンプなどの真空源との流体連通により除去されている。前述したように、これにより可撓膜240は複数のビーズ250に対してピンと引っ張られるので、複数のビーズ250の構成および対応する外面2350の幾何学形状を固定することができる。すなわち、真空を利用して、押え板2000が取り除かれた後でもその形状を保持しやすい実質的に剛性な外面2350を作る。
図26に見られるように、押え板2000が取り除かれた状態で、外面2350は実質的に平坦な形状を維持している。
【0099】
フレキシブル製造システムは、校正の必要を最小限にするように、製品をプラットフォームに位置合わせする手段を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、フレキシブル製造システムは、画像を所望の場所に確実に印刷するために、製品の一部をプリンタに対して正確に位置合わせするために使用することのできる透明なディスプレイ装置を含んでいてもよい。
【0100】
図27および
図28は、印刷のために製品の位置および/または向きを位置合わせするために透明なディスプレイ装置を使用するフレキシブル製造システム100の模式図を示している。
図27および
図28を参照すると、製品102の所望の部分を印刷準備で平らに均した後、押え板2000は複数の取付アーム160から取り外すことができる。この時点で、ディスプレイ装置2720を複数の取付アーム160に取り付けてもよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイ装置2720は、ワイヤードおよび/またはワイヤレス接続を介して、コンピューティングシステム101(
図1を参照)と通信してもよい。
【0101】
ディスプレイ装置2720は、スクリーン部2624を収容する外枠部2622を含んでいてもよい。
図27および
図28に見られるように、いくつかの実施形態では、スクリーン部2624は実質的に透明である。これにより見る人がスクリーン部2624越しに見ることができる。
【0102】
ディスプレイ装置2720は、スクリーン部2624に1つ以上のイメージを表示するようにさらに構成されていてもよい。この実施形態では、例えば、ディスプレイ装置2720はコンピューティングシステム101(
図1を参照)から情報を受信して、画像2830をスクリーン部2624の中央部に表示する。これによりユーザは、製品102をディスプレイ装置2720を通して見たときに、製品102に重ね合わされた画像2830を確認することができる。具体的には、この構成は画像を製品の一部に重ね合わせることができ、そのため、印刷のために製品を位置合わせするために製品の一部の上に位置合わせさせることができる。この方法の細部は以下詳細に述べる。
【0103】
ディスプレイ装置2720は、画像および/またはイメージを表示することが可能なあらゆる種類の装置であってもよい。一般に、ディスプレイ装置2720は、透明または半透明スクリーンにイメージを表示することが可能なあらゆるディスプレイ技術を利用してもよい。いくつかの実施形態はヘッドアップディスプレイ(HUD)技術を利用することができる。この技術は、例えば蛍光スクリーン上のCRTイメージ、光導波路技術、透明スクリーン上にイメージを表示するための走査レーザー、およびLEDなどのソリッドステート技術を使用して、透明スクリーン上にイメージを表示する。ディスプレイ装置2720とともに使用してもよいソリッドステート技術の例は、液晶ディスプレイ(LCD)、液晶オンシリコンディスプレイ(LCoS)、デジタルマイクロミラー(DMD)、有機発光ダイオード(OLED)などのさまざまな種類の発光ダイオードディスプレイ(LED)を含むが、これだけに限定されない。使用されるディスプレイ技術の種類は、ディスプレイのサイズ、重量、コスト、製造上の制約条件(スペース要件など)、透明度および可能性のある他の要因などのさまざまな要因に応じて選択してもよい。
【0104】
いくつかの実施形態は実質的に透明なスクリーンを使用してもよいが、他の実施形態は一部のみ透明なまたは半透明のスクリーンを使用してもよい。要求される透明度は、照明条件、製造コストおよび位置合わせの精度許容差などの製造上の勘案事項に応じて変えてもよい。
【0105】
図29および
図30は、ディスプレイ装置2720を使用して、製品をプリンタと位置合わせするための方法を示す。例示のために、製品102はディスプレイ装置2720の下に別に図示されているが、製品102は一般に保持アセンブリ200によってディスプレイ装置2720の下の位置に保持されることは理解されるであろう。
図29および
図30に図示される実施形態では、ディスプレイ装置2720は、製品102のデザイン要素110と位置合わせすることが意図された画像2830を表示してもよい。前述したように、デザイン要素110は、アッパー104に統合されるロゴまたはあらゆる他の種類のデザイン要素とすることができる。画像2830をデザイン要素110の上に位置合わせすることは、製品102、特にデザイン要素110周囲の領域が印刷システム120と正確に位置合わせされることを確実にする。
【0106】
図29および
図30に見られるように、画像2830はコンピューティングシステム101によって生成してもよい。具体的には、画像2830はコンピューティングシステム101のディスプレイ103に表示される画像2850と実質的に同一であってもよい。
【0107】
図29および
図30は、位置合わせ前および位置合わせ後それぞれの画像2830とデザイン要素110との相対位置を示す。いくつかの実施形態では、画像2830を製品102の所望の場所の上に位置合わせするために、ユーザは保持アセンブリ200および製品102の位置をディスプレイ装置2720の下に移動して、画像2830とデザイン要素110との間の所望の位置合わせを達成してもよい。したがって、例えば、所望の位置合わせを達成するために、ユーザは保持アセンブリ200および製品102を
図30に図示される所望の相対位置に摺動させることができる。
【0108】
さらに他の実施形態では、所望の位置合わせを達成するために、画像2830の位置を調整してもよい。このような実施形態では、ディスプレイ装置2720上の画像2830の位置をユーザが変更してもよい。一般に、画像2830の位置は、例えば、タッチスクリーン技術を含め、あらゆる所望の技術を使用して変更してもよい。すなわち、ある場合には、ユーザはディスプレイ装置2720上の画像2830にタッチして、画像2830をデザイン要素110と位置合わせするための所望の場所に摺動させてもよい。他の実施形態では、ユーザはコンピューティングデバイス101、リモートデバイス、またはディスプレイ上の画像の位置を制御するために知られているあらゆる他の方法を使用して、ディスプレイ装置2720上の画像2830の相対的な場所を調整することができる。
【0109】
ディスプレイ装置上のイメージを製品の部分と位置合わせするための別の方法、ならびにディスプレイ装置および印刷システムを校正する方法は、位置合わせ・印刷案件および遠隔装置を用いたプリンタ位置合わせ案件に開示されている。
【0110】
いくつかの実施形態では、画像2830がデザイン要素110の上に位置合わせされたら、ユーザは印刷システム120を使用して製品に印刷するプロセスを開始してもよい。
図31に見られるように、ユーザは製品102に印刷する所望の画像3102を選択してもよい。この実施例では、画像3102は画像2830に重ねている稲妻である。このように、ユーザは印刷システム120に画像3102をデザイン要素110に直接印刷することを期待してもよい。
【0111】
図32および
図33に見られるように、この構成はアッパー104の外側側部108に実質的に平坦な印刷面3202を呈することにより、正確な印刷を容易にする。具体的には、保持アセンブリ200を使用して実現された外側側部108の平らに均された幾何学形状は、仮想曲線3240で示す外側側部108の初期の湾曲した幾何学形状よりも、所望の平坦な印刷領域によく近似している。したがって、
図32および
図33で明確に見られるように、前述した手段を使用して実現した、外側側部108を平らにならすことにより、一般に二次元で印刷するように構成されているプリンタを三次元の幾何学形状をもつ製品に画像を施すことができる。
【0112】
ここで説明する方法は、
図34に見られるように、製品102の外側側部108に印刷画像3402を制作してもよい。この実施形態は製品102の外側側部108への印刷を示しているが、同様なプロセスを使用して製品102の内側側部に1つ以上の画像を印刷することができる。また、この方法は、製品102のつま先部分、中足部分および/またはかかと部分を含め、製品102のあらゆる部分に画像を印刷するために利用できる。
【0113】
図面でわかるように、靴型部220の第1側部222は実質的に変形可能であってもよいが、第2側部224は実質的に剛性であってもよい。これにより第1側部222の上に配置されている製品の外側側面を平らにならすのを容易にする。いくつかの実施形態は、製品の内側側面を平らにならすのに使用するために構成されている対応する保持アセンブリを含んでいてもよい。
【0114】
図35は、1対の対応する保持アセンブリ3500および対応する製品3510を利用する実施形態を示す。この実施形態では、第1保持アセンブリ3502は製品3510の外側側面3512に印刷するために使用してもよい。同様に、第2保持アセンブリ3504は製品3510の内側側面3514に印刷するために使用してもよい。具体的には、第1保持アセンブリ3502は、製品3510が靴型部3505に載せられたときに、製品3510の外側側面3512が上向きに印刷システムの方を向くように配向されている靴型部3505を含む。同様に、第2保持アセンブリ3504は、製品3510が靴型部3503に載せられたときに、製品3510の内側側面3514が上向きに印刷システムの方を向くように配向されている靴型部3503を含む。
【0115】
ここでの構成は、1対の対応する保持アセンブリを利用することにより、製品の両側への印刷ができる。さらに、2つの保持アセンブリを使用して、左右両足の履物製品の対向する側面に印刷することができることが理解されるであろう。
【0116】
前述したように、保持アセンブリは複数の異なる履物のサイズとともに使用するために構成されていてもよい。具体的には、履物の異なる長さに適応するために調整可能なかかとアセンブリ、および変形可能な外面をもつ靴型部を使用することにより、保持アセンブリは幅広い範囲の異なる履物のサイズにフィットすることができる。
【0117】
図36は、非常に多様な異なる履物のサイズに適応するように構成されている保持アセンブリ3600の模式図を示す。この場合、製品を保持して印刷準備をするために、複数の履物製品のサイズ3610のいずれも保持アセンブリ3600により適応する。この実施例では、10の異なる履物サイズを示しているが、保持アセンブリ3600を使用して追加の履物サイズにも適応させてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、保持アセンブリ3600は、女性用サイズ5から女性用サイズ11までのすべての半サイズ、および男性用サイズ6から男性用サイズ15までのすべての半サイズを含む履物サイズの範囲とともに使用してもよい。さらに他の実施形態では、保持アセンブリは、米国男性用サイズ、米国女性用サイズ、さまざまな異なる国際的な靴サイズ、および子供用サイズを含め、あらゆる他の履物サイズの範囲とともに使用するように構成することができる。ある実施形態では、例えば、第1保持アセンブリは米国男性用および女性用の靴サイズとともに使用するように構成することができ、一方第2保持アセンブリは子供用サイズとともに使用するように構成することができる。
【0118】
いくつかの実施形態は、靴型部上での製品の位置および/または向きを調整するための追加手段を含むことができる。
図37および
図38に図示する別の実施形態では、押え板3700は、製品3722のソール構造3720に接触するように構成されている帯状部材3702を設けて構成されていてもよい。
図38に見られるように、押え板3700が製品3722の上に置かれた状態のとき、帯状部材3702はソール構造3720に接触する。また、帯状部材3702は押え板3700の下面3704の下に延びている。この構成により、帯状部材3702はソール構造3720を押し下げて、下面3704から離すように作用する。これにより押え板3700と製品3702のアッパー3724との接触面域を増大させるのを助ける。ある場合には、接触面域はアッパー3724内の靴型部3730を膨張させることによりさらに増大させてもよい。
【0119】
前述したように、フレキシブル製造システムは、保持アセンブリを印刷準備でプラットフォームに載せた後に、保持アセンブリを適所に固定またはその他一時的に留め付けるための手段を含んでいてもよい。
図39および
図40は、保持アセンブリの位置をプラットフォーム上で適所に固定するためのさまざまな方法の模式図を示す。まず
図39を参照すると、いくつかの実施形態は、保持アセンブリ3900の位置をプラットフォーム3940上で適所に固定するのを助ける磁気手段を含んでいてもよい。例えば、
図39の実施形態では、保持アセンブリ3900は、ベース部3908の下面3906に第1磁気ストリップ3902および第2磁気ストリップ3904を含んでいてもよい。プラットフォーム3940が磁力を受けやすい実施形態では、第1磁気ストリップ3902および第2磁気ストリップ3904は保持アセンブリ3900をプラットフォーム3940上の特定の位置に保持しておくのを助ける。さらに他の実施形態では、保持アセンブリまたは対応するプラットフォームのうちの一方に磁気塗料を用いて構成することができる。
【0120】
図40は、吸引力(つまり、真空)を使用して保持アセンブリ4000を適所に保持するさらに別の実施形態を示す。具体的には、この実施形態では、プラットフォーム4040は真空引きする複数の真空穴4042を設けて構成されている。真空は保持アセンブリ4000をプラットフォーム4040の方に引いて、保持アセンブリ4000のプラットフォーム4040に沿った水平移動を防止するように作用する。
【0121】
さまざまな実施形態を説明してきたが、説明は制限するものではなく例示的なものであり、実施形態の範囲内でさらに多くの実施形態および実施態様が可能であることは当業者には明らかであろう。したがって、実施形態は添付の特許請求の範囲およびその均等物に鑑みる場合を除き制限されるべきはない。また、添付の特許請求の範囲の範囲内でさまざまな改造および変更を行える。
【0122】
関連出願
本出願は、次の同一出願人の同時継続出願に関係する。2013年4月23日に提出され、「製品の保持アセンブリ」と題する米国特許出願公開番号第2014/0304890号(米国特許出願番号第13/860,130号)、および2013年4月23日に提出され、「製品の固定システムを有する保持アセンブリ」と題する米国特許出願公開番号第2014/0310890号(米国特許出願番号第13/868,136号)をすべて参照によりその全体をこれに組み込む。