(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の電極を前記異なる深さのうちの1つに固定するために前記第1の電極が前記第1の開口部内に配置されると、前記複数のリブの少なくとも一部分が前記固定具に係合することになる、請求項5に記載のヘッドセット。
前記複数のリブは、前記シースの第1の終端部から第1の距離に配置される第1のリブと、前記シースの第1の終端部から第2の距離に配置される第2のリブとを含み、前記第2の距離は前記第1の距離よりも大きく、前記キャップを装着しているときのヒトの頭部に対する前記第1の電極の力は、前記第2のリブが前記固定具と係合されているとき、前記第1のリブが前記固定具と係合されているときよりも大きい、請求項6に記載のヘッドセット。
前記第1の電極ホルダは、前記第1の電極が前記第1の電極ホルダ内にあるときに前記第1の電極から外方に延伸するグリップをさらに備える、請求項1に記載のヘッドセット。
【発明を実施するための形態】
【0005】
[0014]特定の例が上記で特定された図面に示されており、かつ/または、下記に詳細に説明されている。これらの特定の例の説明において、同じまたは類似の要素を識別するために同一のまたは同様の参照符号が使用されている。また、本明細書において使用されている場合、2つの構造が直接的に結合されているか、または、(例えば、1つまたは複数の介在する構造および/または層を通じて)間接的に結合されているとき、これら2つの構造は「機能的に結合されている」という。
【0006】
[0015]脳波(EEG)データは、脳内のニューロンの神経活動(例えば、神経脱分極)を示す。神経電気活動は、五感のうちの1つもしくは複数の刺激に起因する場合があり(誘発活動)、および/または、思考過程からのものである場合がある(自発活動)。これらの電気活動の総和(例えば、脳波)は表面(例えば、頭皮)へと伝播し、電極によって検出可能である。EEGデータは、複数の異なる周波数帯域に分類することができる。ヒト脳波周波数は、デルタ周波数範囲(おおよそ約4ヘルツ(Hz)未満)、シータ周波数範囲(おおよそ約3.5Hz〜約7.5Hz)、アルファ周波数範囲(おおよそ約7.5Hz〜約13Hz)、ベータ周波数範囲(おおよそ約14Hz〜約30Hz)およびガンマ周波数範囲(おおよそ約30Hz〜約100Hz)を含む。頭蓋骨および皮層は波、特に約75Hzを上回る波を減衰させる傾向にある。
【0007】
[0016]EEG信号は、ヒトの脳のニューロン内で発生するシナプス後の電流と関連付けられる電気活動からもたらされる電圧変動を測定するためにヒト(例えば、ユーザ、観察者、被験者、パネリスト、参加者または患者)の頭皮上に配置される1つまたは複数の電極を使用して測定することができる。表面EEG電極が脳からの信号を効率的に受信することを可能にするために、電極は、頭皮の近くに配置される。電極は、被験者の頭部の上に手作業で配置され得るか、または、例えば、ヘッドセットのような装着可能装置内に含まれ得る。いくつかの既知のEEGヘッドセットは、ヘッドセットに永続的に固定される電極を利用する。電極によって収集される信号を、近傍のコンピュータまたは処理ステーションに転送するワイヤまたはコードが、電極に接続される。したがって、そのようなヘッドセットにおいて、電極が破損するか、他の様態で動作不能になると、ヘッドセット全体を交換する必要がある場合があり、または、動作不能な電極を交換するために相当の保守管理が必要とされる。
【0008】
[0017]加えて、インピーダンスを低減して信号品質を向上させるために、既知のヘッドセットは、電極と頭皮の組織との間の距離を短くするために、一般的にユーザの頭部に対してしっかりと締結される。しかしながら、圧力が過度に高くなる(例えば、2ニュートン毎平方ミリメートル(N/mm
2))と、ほとんどの被験者にとって不快感(例えば、痛み)がもたらされる。また、いくつかの事例において、ユーザの毛髪が長すぎ、かつ/または、濃すぎると、電極がユーザの毛髪全体を通じて突出して頭皮に接触することができないため、既知のヘッドセットが良好に動作することができない。
【0009】
[0018]他の既知のEEGヘッドセットは、湿式EEG電極を挿入するための孔を有するキャップを利用する。湿式EEG電極によって、オペレータは、キャップの孔に導電性ゲルを付着させ、対応する孔にEEG電極を差し込む。電極は、同じく近傍のコンピュータまたは処理ステーションに接続されるワイヤまたはコードに取り付けられる。しかしながら、これらの導電性ゲルは厄介なものであり、ゲルの付着には時間がかかり、補充する必要がある消耗品を必要とする。加えて、そのような構成においては、電極によって収集される信号が、脳の特定の領域と関連付けられるように適切に指定され得るように、特定の電極が特定の対応する孔に挿入されるべきである。それゆえ、湿式EEG電極をキャップに配置することは時間がかかり、訓練された人員を必要とし、したがって、費用がかかる。
【0010】
[0019]ヒトの脳から神経応答データを受信するための例示的なヘッドセットが本明細書において開示される。本明細書において開示される例示的なヘッドセットは、ヒトの頭部に装着されるべきであるキャップ上に配置される複数の例示的な電極ホルダを備える。いくつかの例において、電極ホルダは、効率的な(例えば、最適な)読み取りのためにキャップ上の特定の箇所に配置される。特定の箇所は、例えば、対象の特定の脳波を放出する脳の特定の部分の上であってもよい。いくつかの例において、電極がユーザの頭皮に係合してEEG信号を受信するために、電極ホルダに電極は挿入される。本明細書において開示される例示的な電極ホルダは、キャップに固定して取り付けられ、キャップ内でワイヤまたはコードに通信可能に接続される。いくつかの事例において、ワイヤまたはコードは、プロセッサ(例えば、キャップに取り付けられているプロセッサまたは近傍のコンピュータもしくは処理ステーション)またはキャップ状のプラグに繋がる。いくつかのそのような例において、例示的な電極は、ワイヤまたはコードに永続的に取り付けられない。代わりに、電極は、電極ホルダの対応するものに取り外し可能に係合してもよい。いくつかの例において、電極は、電極ホルダのいずれかに配置されてもよい。
【0011】
[0020]電極は、電極ホルダに挿入されると、キャップの装着者の頭皮に係合する。電極のうちの1つによって収集される信号は、電極を通じて電極ホルダに、したがって、それぞれの電極ホルダに結合されている対応するワイヤまたはコードに転送される。したがって、本明細書において開示される例示的な電極は、容易に挿入、取り外し、置換および/または交換することができ、ヘッドセットの設定および/または使用に費やされる時間が大きく低減する。結果として、単一の電極が正常に動作していないか、または、他の様態で動作不能である場合、ユーザは、キャップ全体を廃棄することなく、電極を取り外し、当該電極を交換することができる。
【0012】
[0021]本明細書において開示される例示的な電極は、例示的な電極ホルダのうちの対応するものの中に取り外し可能に固定されるような構造にされている。いくつかのそのような例において、電極は、電極ハウジングの外面に沿って複数のリブを含む電極ハウジングの終端部から延びている。いくつかのそのような例の電極ホルダは、リブに係合し、電極ハウジングを適所に固定する固定具(retainer)を含む。いくつかの例において、電極ハウジングは、電極をユーザの頭皮により近くに、またはユーザの頭皮からより遠くに配置させるために、リブと固定具との相互作用によって、電極ホルダ内で上および/または下に可動である。この調整機能によって、電極は、頭皮に対して(例えば、不快感を引き起こすことなく良好な信号を収集するために頭皮に十分近くに)動かされることが可能であり、それによって、信号収集品質と装着性(例えば、快適性)の両方が向上する。
【0013】
[0022]本明細書において開示されるいくつかの例示的な電極ホルダは、複数の異なるサイズの電極に適応することが可能である。例えば、第1の長さの電極を、短い毛髪および/または細い毛髪を有するユーザに使用することができる。ユーザの頭皮に係合するために、電極がユーザの毛髪全体を通じて延伸するように、より長いまたはより濃い毛髪を有するユーザに、相対的により長い電極を使用することができる。結果として、本明細書において開示される例示的なヘッドセットは、様々な頭部形状、毛髪長さおよび/または毛髪濃さを有する種々のヒトに適応するようにカスタマイズ可能である。
【0014】
[0023]いくつかの例において、電極は、ポゴピン(pogo pin)アセンブリとして具現化される。いくつかのそのような例において、ユーザの頭皮に係合するために電極ハウジングの終端部から外向きに電極ピンを付勢するために、電極ハウジング内にばねが配置される。ばねからの張力は、頭部に加わる力に適応し、電極が頭皮に係合するときの不快感をさらに低減する。結果として、ばねは、信号収集品質を損なうことなく、装着性を向上させる。
【0015】
[0024]本明細書において開示される例示的なヘッドセットは、ヒトの頭部に装着されるべきキャップと、キャップによって支持される第1の電極ホルダとを含む。いくつかの例において、第1の電極ホルダは、第1の電極ホルダを貫通する第1の開口部を形成している。いくつかのそのような例の例示的なヘッドセットは、第1の開口部に挿入可能である第1の電極を含む。いくつかのそのような例の第1の電極は、第1の長さを有し、第1の開口部内で、第1の開口部に対して種々の挿入深さを有する第1の複数の不連続な位置へと調整可能である。いくつかのそのような例において、第1の電極は、第1の開口部に十分な深さで挿入されるときに、ヒトの頭部に係合することになる。いくつかの例の例示的なヘッドセットはまた、第1の電極と置換可能であり、第1の電極と同じ第1の開口部に挿入可能である(ここで、第1の電極は取り外される)第2の電極をも含む。いくつかのそのような例の第2の電極は、第1の長さよりも大きい第2の長さを有し、第1の開口部内で、第1の開口部に対して種々の挿入深さを有する第2の複数の不連続の位置へと調整可能である。いくつかの例の第2の電極は、第1の開口部に十分な深さで挿入されるときに、ヒトの頭部に係合する。
【0016】
[0025]いくつかの例において、第1の電極は、電極ハウジングと、電極ハウジングに格納可能であるピンとを含む。いくつかのそのような例において、第1の電極は、ピンを外向きに付勢するために電極ハウジング内に配置されるばねを含む。いくつかの例において、電極ハウジングは、シースの外面から突出している複数のリブを有するシースを含む。いくつかの例において、第1の電極ホルダは、第1の開口部内に配置される固定具を含む。いくつかのそのような例において、第1の電極を複数の異なる深さのうちの1つに固定するために第1の電極が第1の開口部内に配置されると、複数のリブの少なくとも一部分が、固定具に係合することになる。いくつかの例において、複数のリブは、シースの第1の終端部から第1の距離に配置される第1のリブと、シースの第1の終端部から第2の距離に配置される第2のリブとを含む。いくつかの例において、第2の距離は第1の距離よりも大きい。いくつかのそのような例において、キャップを装着しているときのヒトの頭部に対する第1の電極の力は、第2のリブが固定具と係合されているとき、第1のリブが固定具と係合されているときよりも大きい。
【0017】
[0026]いくつかの例において、リブは、第1の電極が第1の開口部内に配置されているとき、第1の電極ホルダに調整可能に結合される。いくつかの例において、リブは、リブをそれぞれの電極ホルダにねじ込むことによって調整可能である。他の例において、リブはらせん状ではなく、ねじ込みでない動作により第1の電極ホルダに調整可能に結合される。いくつかの例において、ねじ込みでない動作は、スライド動作、摩擦嵌合などを含む。いくつかの例において、ねじ込みでない動作は、スナップフィットを含む。
【0018】
[0027]いくつかの例において、リブおよび第1の電極ホルダは、第1の電極が第1の開口部内に配置されているとき、回転可能に結合される。いくつかの例において、第1の開口部は、キャップを通る第1の通路を画定する。いくつかの例において、固定具は、キャップ内に配置されているワイヤに通信可能に接続される。
【0019】
[0028]いくつかの例において、電極ハウジングは、ハンドルを含む。いくつかの例において、ハンドルは第1の材料を含み、シースおよびピンは、第1の材料とは異なる第2の材料から構成される。いくつかのそのような例において、第1の材料は絶縁体である。
【0020】
[0029]いくつかの例において、第1の電極ホルダは、第1の電極が第1の電極ホルダ内にあるときに、第1の電極から外方に延びるグリップを含む。
【0021】
[0030]いくつかの例示的なヘッドセットは、キャップによって支持される第2の電極ホルダを含む。いくつかの例において、第2の電極ホルダは、第2の電極ホルダを貫通する第2の開口部を形成している。いくつかの例は、第2の通路に挿入可能な第3の電極を含む。いくつかの例において、第1の電極は、第3の電極と置換可能であり、第2の開口部に挿入可能である。
【0022】
[0031]本明細書において開示される例示的な方法は、ヒトの頭部上にキャップを配置するステップを含み、キャップは、基部と、基部を貫通して延びる開口部と、開口部内で基部に機能的に結合されている固定具とを備える第1の電極ホルダを有する。いくつかの例示的な方法は、キャップがヒトの頭部上に配置されている間に、基部の開口部に電極を挿入するステップを含む。いくつかの例示的な方法において、電極は、固定具に係合するための複数のリブを有する細長いシースを含む。いくつかの例示的な方法はまた、複数のリブと固定具との間の境界面によって画定される開口部に対する異なる挿入深さを有する複数の不連続の位置のうちの1つの中に電極を取り外し可能に固定することによって、開口部内の電極の深さを調整するステップをも含む。
【0023】
[0032]いくつかの例示的な方法は、電極が開口部内に挿入され固定具と係合されているときを示すステップを含む。いくつかの例示的な方法は、電極がヒトの頭部と接触しているときを示すステップをさらに含む。
【0024】
[0033]いくつかの例示的な方法は、電極によって収集される信号の品質を分析するステップと、閾値品質に対する品質の比較を実施するステップと、比較に基づいて品質が許容可能または許容不可能であることを判定するステップと、品質が許容不可能であるかを示すステップとを含む。いくつかの例示的な方法は、ヒトの頭部上でキャップを調整するステップを含む。
【0025】
[0034]ここで図面を参照すると、
図1Aおよび
図1Bは、人の頭部からEEG信号を収集するための、本開示の教示に従って構成されている例示的なヘッドセット100を示す。
図1Aおよび
図1Bの例示的なヘッドセット100は、例えば、医療環境または家庭環境にある患者から医療情報を収集するため、ゲームもしくは他のエンターテインメントデバイスの諸態様を制御するため、フィットネス計画の一部分としてのデータを提供するため、視聴者測定データを収集するため、リモートデバイスを制御するため、および/または、他の用途のために使用することができる。
図1Aおよび
図1Bの例示的なヘッドセット100は、ヒト、ユーザ、被験者、観察者、参加者および/またはパネリストの頭部に装着されるように意図されている。
【0026】
[0035]
図1Aおよび
図1Bの例示的なヘッドセット100は、ヒトの頭部上に配置(例えば、装着)されることになるキャップ102(例えば、基部、カバー、ヘッドギア)を含む。図示の例において、キャップ102は、例えば、ナイロン、プラスチック、ゴムなどのような可撓性材料および/または伸縮性材料から構成される。いくつかの例において、キャップ102は、キャップ102をユーザの頭部に対して締めるための顎ひも103を含む。他の例において、代替的なおよび/または追加のバックルおよび/またはストラップが、キャップ102をヒトの頭部に対して締結および/または固定するために利用される。
【0027】
[0036]
図1Aおよび
図1Bの図示の例に示すように、ヘッドセット100は、キャップ102に機能的に結合されている複数の電極ホルダ104a〜nを含む。図示の例の電極ホルダ104a〜nは、ユーザの頭皮からEEG信号を収集するための電極106a〜nを受け入れるように構成されている。より具体的には、電極ホルダ104a〜nの各々は、それぞれの電極106a〜nをキャップ102に取り外し可能に固定する。電極ホルダ104a〜nは、良好な(例えば、最適に近い)電極接触および/またはデータ収集のために所望の領域にまたは所望の領域の付近に(例えば、特定の応答に関する特定の信号を放出する、脳の特定の領域の付近に)電極106a〜nを配置するために、キャップ102上の固定位置に配置される。図示の例においては、複数の電極部位がある。いくつかの例において、電極ホルダ104a〜nは、標準化された再現性を保証するための頭皮に対する電極配置の規格である国際10−20法に準拠するように、特定の箇所に配置される。これらの部位は、前頭葉、頭頂葉、後頭葉および側頭葉を含む、脳のすべての葉をカバーすることを可能にする。加えて、これらの部位は、臨床的に有効なEEGについて認められるEEG電極部位である。言い換えれば、ヘッドセット100は、より多いまたはより少ない電極ホルダおよび/または電極を含んでもよい。
【0028】
[0037]図示の例のキャップ102は、キャップ102の上、下、および/または中(例えば、キャップの下、キャップの上、キャップの材料の中、または、キャップを構成する材料の2つの層の間)に配置される複数のワイヤ108a〜nを含む。図示の例のワイヤ108a〜nは、それぞれ電極ホルダ104a〜nに通信可能に接続している(例えば、電極ホルダと回路を形成する、電極ホルダと電気的に接触している)。図示の例において、ワイヤ108a〜nは、キャップを通って延び、キャップ102の後部に配置されている処理ユニット110(
図1B)に接続する。図示の例のワイヤ108a〜nは、電極106a〜nによって収集される信号を処理ユニット110に搬送する。いくつかの例において、トレース、通信リンク、リボン、フレキシブルプリント回路板(FPCB)、および/または他の適切な通信リンクが、ワイヤ108a〜nに加えてまたはワイヤ108a〜nに代えて使用されてもよい。他の例において、電極ホルダ104a〜nは、処理ユニット110および/またはリモートプロセッサに無線で接続される。例えば、電極ホルダ104a〜nのうちの1つまたは複数は、信号(例えば、EEG信号)を処理ユニット110に無線送信するための送信機を含んでもよい。
【0029】
[0038]図示の例において、ワイヤ108a〜nは、キャップ102内の最上材料層と最下材料層との間に配置される。そのような例において、最上材料層は、外部静電場および非静電場がEEG信号と干渉することを防止するためのファラデー箱をもたらす導電性材料(例えば、導電性メッシュ)を含む。ワイヤ108a〜nをキャップ102の材料内に配置することによって、ワイヤ108a〜nが物体に引っかかる可能性、または、捕らえられる可能性も減る。
【0030】
[0039]いくつかの例にいて、例えば、
図1Aおよび
図1Bの例示的なヘッドセット100によってヒトの頭部の他の部分から収集されるEEG信号と比較するための基準信号を発するための電極が利用される。EEG活動、または、筋収縮もしくは血流を示すもののような他のアーティファクトおよび/もしくはノイズが最小限であるヒトの身体上の点、または、まったくないヒトの身体上の点に、基準電極が配置される。
図1Aおよび
図1Bの図示の例において、ヘッドセット100は、装着者の耳(または耳たぶ)に取り付けることができる基準電極109を含む。ワイヤ111が、電極109を処理ユニット110に通信可能に結合する。図示の例の基準電極109は、湿式電極(例えば、ゲルセンサを使用するもの)または乾式電極(例えば、平坦な金属パッド)であってもよく、例えば、接着剤またはクリップのような任意の適切な固定メカニズムを使用して装着者の耳に取り付けられてもよい。電極をヒトの耳たぶに取り付けるためのクリップの一例が、2013年3月14日に提出された「METHODS AND APPARATUS TO GATHER AND ANALYZE ELECTROENCEPHALOGRAPHIC DATA」と題する米国特許出願第13/829,849号明細書に開示されており、当該特許出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0031】
[0040]
図1Aおよび
図1Bの例示的なヘッドセット100においては、単一の基準電極109が実装され、ヘッドセット100を装着しているヒトの耳に取り付けられている。しかしながら、他の例においては、基準電極109は、鼻、首、または、基準信号を提供することが可能なヒトの任意の他の箇所に取り付けられてもよい。加えて、いくつかの例において、2つ以上の基準電極が実装される。
【0032】
[0041]図示の例において、処理ユニット110は、電極106a〜nおよび基準電極109から収集される信号を処理するための電気的構成要素を収容する(下記にさらに詳細に説明する)。いくつかの例において、電気的構成要素は、例えば、EEGデータをアナログデータからデジタルデータに変換し、EEGデータを増幅し、データをフィルタリングし(例えば、データからノイズを除去し)、データを分析し、および/または、データを他のコンピュータまたは他のリモート受信機もしくは処理ユニットに送信するために使用される。いくつかの例において、処理ユニット110は、例えば、増幅器、信号調整回路、半導体ベースのマイクロプロセッサ、および/または、信号をデータセンターもしくはコンピュータに送信するための送信機のようなハードウェアおよびソフトウェアを含む。他の例において、処理のいくつかはヘッドセット100において行われ、いくつかの処理は、ヘッドセット100が、例えば、無線接続などを介して遠隔部にデータまたは半ば処理された結果を送信した後に遠隔して行われる。いくつかの例において、処理ユニット110は、ヘッドセット100に取り外し可能に取り付けられる。いくつかのそのような例において、処理ユニット110は、取り外して、例えば、異なるプログラミング関数および分析ツールを有し得る異なる処理ユニットと置換されてもよい。いくつかの例において、複数の処理ユニットは異なる前もってプログラミングされた分析ツールを含むことができ、処理ユニットは、ヘッドセット100の所望される機能(例えば、ゲームを制御する機能、医療情報を収集する機能、家電製品を制御する機能など)に応じて交換することができる。
【0033】
[0042]いくつかの例において、ヘッドセット100は処理ユニット110を含まず、代わりに、ワイヤ108a〜n、111が、ヘッドセットを別のコンピュータまたは処理ステーションに直にプラグ接続するために使用することができるプラグ(例えば、ピンコネクタ)に繋がる。また他の例において、処理ユニット110は、EEG信号を増幅するために増幅器のみを含む。いくつかのそのような例において、処理ユニット110は、さらなる処理のために別のコンピュータもしくは処理ステーションにプラグ接続されてもよく、ならびに/または、増幅された信号をコンピュータおよび/もしくは処理ステーションに無線送信してもよい。いくつかの例において、信号を可能な限り電極の近くで増幅することが有利である。
【0034】
[0043]
図2Aは、
図1Aおよび
図1Bの複数の電極のうちの1つ106aおよび複数の電極ホルダのうちの1つ104aの例示的な実施態様の分解図である。図示の例において、電極ホルダ104aは、支持部または基部200を含み、支持部または基部200は、支持部または基部200を貫通する通路または開口部202を形成している。図示の例において、開口部202は、基部200の上面204から基部200を通って基部200の底面206まで延びる。基部200はまた、キャップ102が電極ホルダ104aに機能的に結合される環状溝208を有する。図示の例の電極ホルダ104aは、基部200から上向きに突出し、外向きに(例えば、電極106aから外方に)延びる第1の湾曲延伸部210および第2の湾曲延伸部212をさらに含む。いくつかの例において、第1の湾曲延伸部210および第2の湾曲延伸部212は、下にてさらに詳細に説明するように、ユーザが、電極106aを電極ホルダ104aに容易に挿入することを可能にするためのフィンガタブとして使用されるグリップである。湾曲延伸部210、212が図示の例において示されているが、他の適切な形状が付加的におよび/または代替的に使用されてもよい。
【0035】
[0044]
図2Aに示すように、電極106aは、ハンドル214と、ハウジングまたはシース216およびピン218(例えば、ポゴピン)を備える電極本体とを含む。図示の例において、シース216はピン218を受け入れる。図示の例のピン218は、シース216に格納可能であり、ばね(下記にさらに詳細に説明する)によってシース216から外向きに付勢される。具体的には、ピン218は、シース216の下端220に格納可能であり、ハンドル214は、シース216の上端222に結合されている。
図2Aおよび
図2Bに示すように、図示の例のシース216は、複数のリブ224a〜n(例えば、第1の係合部材)を含む。リブ224a〜nは、シース216から外向きに延びる突起である。図示されている例において、シース216は7つのリブを有する。しかしながら、他の例において、シース216は、より多いまたはより少ないリブ(例えば、2つのリブ、20個のリブなど)を有してもよい。
【0036】
[0045]図示の例の電極106aは、電極ホルダ104aに挿入可能である。具体的には、ユーザは、電極ホルダ104aの開口部202の上方(例えば、
図2Aに示す位置)に電極106aを配置して、下向きの力(例えば、キャップを装着しているユーザの頭皮に向かう力)を加えることによって、電極106aを電極ホルダ104a(例えば、
図2Bに示す位置)に挿入することができる。シース216のリブ224a〜nは、電極106aを電極ホルダ104a内の複数の不連続の位置のうちの1つに固定するために、基部200の開口部202の内部の固定リング(例えば、第2の係合部材)に係合する。リブ224a〜nは、開口部202に挿入されると、電極106aが定位置にロックおよび/またはスナップ嵌合することを可能にする。各リブは、電極106aが電極ホルダ104aの開口部202に挿入され得る異なる不連続の位置または深さを規定する。したがって、電極ホルダ104a内の電極106aの深さは調整することができる。
【0037】
[0046]
図2Bは、電極ホルダ104aに挿入されている
図2Aの例示的な電極106aを示す。例示的な動作において、ユーザは、第1の指(例えば、人差し指)を第1の湾曲延伸部210の下に配置し、第2の指(例えば、中指)を第2の湾曲延伸部212の下に配置することができる。このようにして、ユーザは、自身の親指および/または手のひらを使用して、ハンドル214の上部を押して電極106aを電極ホルダ104aに挿入することができる。ユーザは、電極106aを電極ホルダ104aに押し込むことができ、電極106aは、リブ224a〜nにおいて係合するように、解放可能にロックまたはスナップ嵌合する。電極106aは、ピン218がユーザの頭皮に係合するまで下向きに押され得、頭皮に加えられるべき所望の圧力に応じてさらに調整(例えば、引き込みまたは引き抜き)され得る。ピン218がユーザの頭部に係合すると、キャップ102は、上向きに、頭部から外方に押され、したがって、キャップ102内に下向きの張力が生じる。この下向きの張力または付勢力が、ユーザの頭皮に対するピン218およびキャップ102がユーザの頭部上で固定して安定したままにするのを補助する。いくつかの例において、上向きに(例えば、ユーザの頭部から外方に)押されているキャップ102は、電極106aが頭部と係合されているという視覚的指示を提供する。加えて、図示の例のピン218は、ばねの力に対してシース216に格納可能であり(
図3)、これによって、頭皮に対するピン218の力が軽減する。このように二重に調整可能であることによって、キャップ102の装着性が大きく向上し、キャップの装着者に不快感を与えることなく、良好な信号品質のために、ユーザが、頭皮に対して電極106aをより効率的に配置することが可能になる。
【0038】
[0047]
図3は、
図2Bの3−3線に沿っての、例示的な電極ホルダ104aに挿入されている例示的な電極106aの断面図である。図示の例において、電極ホルダ104aの開口部204は、第1の直径を有する第1の隙間300と、第2の直径304を有する環状空洞302と、第3の直径を有する第3の隙間306と、第4の直径を有する第4の隙間308とを含む。第1の隙間300、第2の隙間302、第3の隙間306および第4の隙間308は、開口部204の内部(例えば、基部200およびキャップ102を通る通路)を画定する。他の例において、電極ホルダ104aは、開口部204を画定するためにより多いまたはより少ない隙間を含んでもよい。加えて、いくつかの例において、単一の電極ホルダ104aが、複数の電極に適応するために互いに平行である複数の開口部を含む。
【0039】
[0048]
図3の例に示すように、固定リング310が、電極ホルダ104aの環状空洞302内に配置される。図示の例の固定リング310は、ディスク312と、ディスク312の内縁318に機能的に結合されている第1のばね314および第2のばね316とを含む。図示の例において、第1のばね314および第2のばね316は、U字形ばねである。他の例においては、1つのばねがあってもよい。いくつかのそのような例において、その1つだけのばねは、挿入される電極を包囲する環状リングから形成されてもよい。
【0040】
[0049]図示の例の電極106aが電極ホルダ104aの開口部202に挿入されると、リブ224a〜nがばね314、316に係合し、および/または、ばね314、316を越えて摺動し、ばね314、316が半径方向外向きに屈曲するようにする。複数のリブ224a〜nのうちの1つがばね314、316を越えて摺動されると、ばね314、316は、当該ばねの付勢力に起因して半径方向内向きに屈曲し、シース216の、リブ224a〜nのうちの2つの間にある区画に係合する。この位置において、図示の例のばね314、316は、電極106aを固定し安定させ、電極106aに対する十分に大きい力がばね314、316によって与えられる力を克服するまで、電極106aが電極ホルダ104a内で上または下に動くのを防止する。そのような力が加わると、電極106aは基部206内へとさらに動かされるか、または、基部206から取り外される。製造中、ばね314、316の張力は、電極106aに対して作用する所望の量の力を達成するように選択することができる。例えば、相対的により小さい力が電極106aに対して作用しているとき、電極106aが電極ホルダ104a内で動くのを防止するために、より剛性の高いばねを使用することができる。
【0041】
[0050]図示の例において、リブ224a〜nは、シース216の周囲に形成される個々の環状リングである。リブ224a〜nは、電極106aが電極ホルダ104内で保持され得る不連続の位置を表す。しかしながら、他の例において、リブ224a〜nは、らせん状であってもよく、(例えば、ねじと同様の)ねじ山を形成してもよい。そのような例において、電極106aは、電極ホルダ104aにねじ込む(例えば、回転する)ことができる。ねじ山構成によって、電極106aは、位置決めを相対的により微細に調整して、連続的に調整することができる。ねじ山構成はまた、ディスク312がばね特性を有する必要もなくす。
【0042】
[0051]他の例において、電極106aを固定するために、他のタイプの係合部材が電極ホルダ104aの開口部202の内部で使用されてもよい。いくつかの例において、開口部202の内部は、基部200の上部204から基部の底部206まで実質的に平坦な壁を有し、この壁は、リブ224a〜nを電極106aに対して係合するために、壁から開口部に延伸する突起またはリブを有する。そのような例において、突起は、(例えば、基部200を通って延びるワイヤまたはトレースによって)ワイヤ108aに電気的に接続することができる。
【0043】
[0052]図示の例において、電極106aのピン218は、ユーザの頭部に係合し、頭皮を通じて送信されるEEG信号を受信する。ピン218は、シース216の下端220内の空洞320に格納可能であり、空洞320内に配置されるばね322を介して外向きに付勢される。ピン218の先端324は、ヒトの頭部の頭皮に接触し、EEG信号を検知する。ばね322は、頭皮に対して下向きに加えられる力が強すぎる場合に、ピン218が、シース216に格納されることを可能にし、したがって、ヘッドセット100の快適さおよび装着性を向上させる。より大きなまたはより小さな力を与えるために、第1の電極212とともに異なるサイズのばねを利用することができる。いくつかの例において、ばね322は約2ニュートンの力を与える。加えて、シース216が電極ホルダ104aに挿入される距離も、頭皮に対して加えられる力に影響を与える。例えば、頭皮に対するピン218の力が増大すると、シース216が電極ホルダ104aにさらに挿入される。また、図示の例において、ばね322はコイルばねである。しかしながら、他の例において、ばね322は、例えば、板ばねのような任意の他のタイプのばねによって実装されてもよい。
【0044】
[0053]図示の例において、ピン218、ばね322およびシース216は、例えば、銀、塩化銀、金、白金、チタンなどのような導電性材料から構成される。いくつかの例において、ピン218、ばね322およびシース216は、同じ導電性材料から構成される。一方、他の例において、ピン218、ばね322および/またはシース216は、異なる導電性材料から構成される。図示の例において、ピン218、ばね322およびシース216は導電性であり、互いに接触しているため、ピン218によって収集される信号は、ピン218、ばね322およびシース216を通じて送信される。信号はまた、シース214と、固定リング310のばね314、316との間の電気的接触によりシース216から固定リング310へも送信される。図示の例において、ワイヤ326が電極ホルダ104aの基部200内に配置されており、環状溝208において固定リング310とキャップ102内のワイヤ108aとを通信可能に接続する(例えば、電気的に接続する)。ワイヤ326は、例えば、溶接、接着、摩擦嵌合のような任意の適切な固定機構を使用して固定具に機能的に接続することができる。したがって、電極106aのピン218によって受信される信号が、キャップ102の配線に、いくつかの例においては、処理ユニット110または他の出力コードもしくはヘッドセット100上の他の箇所の部分に転送される。
【0045】
[0054]図示の例において、ハンドル214は絶縁体から構成される。結果として、ヒトは、シース216を通じて送信されているEEG信号と干渉することなく、電極106aのハンドル214に触れることができる。図示の例において、ハンドル214は、グリップを有する円形ノブの形状である。しかしながら、他の例において、他の適切なハンドルおよび/または形状が利用されてもよい(例えば、ターンキー、レバーなど)。
【0046】
[0055]例示的な動作において、図示の例のキャップ102がヒトの頭部に配置され、顎ストラップ103が、頭部に対するキャップ102の張力を変化させるように調整される。配置されると、電極(例えば、電極106a)が電極ホルダ(例えば、電極ホルダ104a)に挿入される。いくつかの例において、ヘッドセット100は、リアルタイム処理および表示のために、コンピュータまたは処理ステーションに通信可能に接続される。コンピュータまたは処理ステーションは、電極が特定の電極ホルダ内に配置されているときを示すことができる。このとき、電極は、電極のピンが所望の圧力レベルでユーザの頭皮に係合するまで、対応する電極ホルダに押し込まれ得る。いくつかの例において、コンピュータまたは処理ステーションはまた、電極がユーザの頭皮に接触しており、電極による信号の受信に成功していることをも示し得る。
【0047】
[0056]
図2A、
図2Bおよび
図3の例において、ピン218およびシース216は円筒形であり、円形断面を有する。しかしながら、他の例において、ピン218および/またはシース216は矩形断面、正方形断面または他の形状の断面を有してもよい。図示の例において、第1の電極ピン218の先端324は平坦であり、これによって、点よりも、ユーザの頭皮に接触するためのより大きい表面積がもたらされる。より大きい表面積はまた、とがった電極の場合にそうであるよりも大きい面積にわたって力を分散させることによって、ヘッドセット100の快適レベルをも増大させる。しかしながら、他の例において、ピン218の先端324は丸みを帯びているか、または、他の様態で点形状であってもよい。電極106aのピン218は、毛髪を通じてヒトの頭部に対して突出するようなサイズにされ、ユーザの頭皮に接触し、脳から信号を受信するのに十分な表面積を与える。毛髪の濃さに応じて異なるサイズのピン218が使用されてもよい。
【0048】
[0057]加えて、複数のリブ222a〜nがシース216の大部分をカバーしているものとして
図2A、
図2Bおよび
図3に示されているが、他の例において、リブ222a〜nは、シースの一部分のみをカバーする。そのような例において、シース216の残りの部分は平滑であってもよい。
【0049】
[0058]
図1Aおよび
図1Bのヘッドセット100内に示す他の電極ホルダ104b〜nおよび電極106b〜nは、
図2A、
図2Bおよび
図3に示す例示的な電極ホルダ104aおよび例示的な電極106aと同一であってもよい。結果として、電極106a〜nは、他の電極106a〜nと自由に置換することができる。したがって、図示の例において、特定の電極ホルダ104a〜nは、特定の電極106a〜nを受容するためにのみ充当されるのではない。そうではなく、電極106a〜nのいずれも、電極ホルダ104a〜nのいずれかに挿入することができる。結果として、ある電極が正常に動作していない場合、ヘッドセット100全体を交換する必要なしに、その正常に動作していない電極を容易に取り外し、交換することができる。
【0050】
[0059]例示的な電極ホルダ104aおよび例示的な電極106aは、本明細書においては伸縮性または可撓性のキャップ102に関連して開示されているが、例示的な電極ホルダ104aおよび例示的な電極106aはまた、剛性ヘッドセットに組み込まれることも可能である。付加的にまたは代替的に、例示的な電極ホルダ104aおよび例示的な電極106aは、電極ホルダ104aを組み込むことが可能な任意の他のヘッドセット構造または基部部材に使用されてもよい。例示的な電極ホルダ104aと例示的な電極106aとの間の相互作用は、電極が容易にかつ迅速に挿入、置換、交換などされることを可能にする。加えて、ワイヤ108a〜nは電極ホルダ104a〜nと通信しており(例えば、電気的に接続されており)、電極106a〜nは電極ホルダ104a〜nのいずれにも使用することができるため、ヘッドセットの設定に費やされる時間が、従来のヘッドセットと比較して大きく減じられる。
【0051】
[0060]
図4は、本明細書において開示される例示的なホルダ104a〜nとともに利用することができる2つの異なるサイズの例示的な電極を示す。いくつかの例において、ユーザがより長いかつ/またはより濃い毛髪を有するとき、電極106aは、ユーザの頭部に効果的に係合するために毛髪全体を通じて延伸するのに十分に長くない場合がある。そのような事例において、電極106aは、電極106aと比較して相対的により長いシースおよびピンを有する、例えば、電極400のような、より長い電極と置換することができる。上記で言及したように、電極106aは、ハンドル214、シース216およびピン218を含む。電極106aのシース216はl1の長さを有し、電極106aのピン218はl2の長さを有する。電極400は、電極106aと実質的に同様であり、ハンドル402と、シース404と、ピン406(シース404に格納可能である)とを含む。図示の例において、電極400のシース404はl3の長さを有し、電極400のピン406はl4の長さを有する。いくつかの例において、l3は約1〜2インチである。図示されている例において、l3はl1よりも大きく、l4はl2よりも大きい。他の例において、l4はl2と同じであり、l3はl1よりも大きい。したがって、本明細書において開示される例示的な電極は、種々の毛髪濃さおよび/または頭部サイズに適応するために様々なサイズ(例えば、長さ)で製造することができる。上記で言及したように、ユーザがより濃い毛髪を有し、相対的により短い電極(例えば、電極106a)が毛髪を通じて延伸するのに十分に長くないとき、電極400のようなより長い電極を使用することができる。
【0052】
[0061]
図5は、例示的なヘッドセット100とともに使用するための例示的な処理システム500のブロック図である。
図5の例示的なシステム500は、複数の電極106a〜nを含む。電極106a〜nは、例えば、上記で説明したようにEEGデータを収集するために被験者の頭部に装着されるべきヘッドセット100に結合される。電極106a〜nは電極ホルダ104a〜nに接続され、電極ホルダ104a〜nは、
図1A〜
図1Bに示すヘッドセット100の処理ユニット110に接続される。
【0053】
[0062]
図5に示すシステム500において、電極106a〜nは、例えば、上記(例えば、
図3)で開示した電極106aと電極ホルダ104aとの間に形成される接触のような通信リンク502を介して、電極ホルダ104a〜nに通信可能に接続される。
図2A、
図2Bおよび
図3に示す例において、電極ホルダ104aは、電極ホルダ104a内で電極106aを解放可能に固定し安定させるためにリブ224a〜nをシース216に対して係合(例えば、接触)させる固定リング310を含む。電極ピン218、シース216およびばね322は導電性である。それゆえ、電極ピン218によって収集される信号が、シース216を通じて、電極ホルダ104a内に配置されている固定リング310に転送される。
図3に示す例において、電極ホルダ104aはまた、固定リング310から基部200を通じて基部の外面へと信号を転送するワイヤ326をも含む。
【0054】
[0063]
図5のブロック図に示すように、電極ホルダ104a〜nは、例えば、ワイヤ108a〜nによって形成される通信リンクを介して処理ユニット110に通信可能に接続される。いくつかの例において、ワイヤ108a〜nは、キャップ102の材料の中(例えば、最上材料層と最下材料層との間)に配置される。ワイヤ108a〜nは、電極ホルダ104a〜nの各々(およびそれらのそれぞれの電極106a〜n)を、ヘッドセット100の処理ユニット110に通信可能に接続する。他の例において、キャップ102内のワイヤ108a〜nは、キャップ102上のプラグに接続し、プラグは、キャップ102が別の外部コンピュータまたは処理ステーションにプラグ接続されることを可能にする。
【0055】
[0064]
図5の例示的なシステム500はまた、基準電極109をも含む。基準電極109は、ワイヤ111を介して処理ユニット110に接続される。基準電極109は、例えば、電極106a〜nによって収集されるEEG信号に対して比較するための基準信号を発する。基準電極109は、耳、鼻、首、または、EEG活動が最小限であるかもしくはまったくないヒトの身体上の任意の他の適切な箇所に取り付けることができる。例えば、
図1Aおよび
図1Bの図示の例において、基準電極109は、装着者の耳に結合される。いくつかの例において、システム500は、2つ以上の基準電極を含む。
【0056】
[0065]
図5の例示的な処理ユニット110は、アナログ−デジタル変換器504と、信号調整器506と、データベース508と、分析器510と、送信機512とを含む。
【0057】
[0066]アナログ−デジタル変換器504は、電極106a〜nおよび基準電極109において受信されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。いくつかの例において、アナログ−デジタル変換器504は、ヘッドセットのハウジング内の処理ユニット110内に位置する。他の例において、アナログ−デジタル変換器504は、可能な限りソースに近い信号を変換するために個々の電極または電極セットにサービスするように配置される複数のA−D変換器を含み、これによって干渉をさらに低減することができる。いくつかの例において、A−D変換器は、電極ホルダ104a〜nのハウジング内に配置される。
【0058】
[0067]図示の例の信号調整器506は、データがより使用に適した形態であるように、収集された信号を準備する。例えば、信号調整器506は、信号をより検出可能なレベルへと増幅するための増幅器を含むことができる。加えて、信号調整器506は、信号からノイズを除去するためのフィルタを含むことができる。フィルタはまた、所望の処理および/または分析に応じて1つまたは複数の周波数帯域を通過させ、かつ/または、選択帯域を操作するためのバンドパスフィルタとして使用することもできる。いくつかの例において、電極106a〜nの各々および/または基準電極109は、電極106a〜nまたは基準電極109に、または、その付近に信号調整器を含むことができる。例示的な信号調整器506は、信号調整方法を実行するためのハードウェアおよび/またはソフトウェアを含むことができる。いくつかの例において、信号調整器は、電極の分極に起因する、脳波の活動と無関係の電圧信号のゆるやかな動きがある電極の分極を補償するためのトレンド除去ユニットを含む。
図5の例示的な処理ユニット110はまた、高速フーリエ変換(FFT)計算、コヒーレンス測定および/またはカスタム適応フィルタリングを実行するためのハードウェアおよび/またはソフトウェアを含み得る信号処理も提供する。
【0059】
[0068]図示の例の分析器510は、電極106a〜nおよび基準電極109から収集され、アナログ−デジタル変換器504および信号調整器506によって処理されたデータを、所望の調査に応じて1つまたは複数の分析プロトコルに従って分析する。例えば、いくつかの調査において、分析器510は、データを処理して、被験者の精神状態、生理状態、注意、共鳴または記憶、感情の関わりおよび/または被験者の他の適切な特性のうちの1つまたは複数を判定する。例示的な処理動作および技法の説明は、両方とも参照により全体が本明細書に組み込まれる、「SYSTEMS AND METHODS TO GATHER AND ANALYZE ELECTROENCEPHALOGRAPHIC DATA」と題する、2012年12月27に提出された米国特許出願第13/728,900号明細書、および、「ANALYSIS OF MARKETING AND ENTERTAINMENT EFFECTIVENESS USING CENTRAL NERVOUS SYSTEM, AUTONOMIC NERVOUS SYSTEM, AND EFFECTOR DATA」と題する、2008年3月26日に提出された米国特許出願第12/056,190号(現在は米国特許第8,484,081号)明細書に開示されている。
【0060】
[0069]図示の例の送信機512は、処理の任意の段階におけるデータおよび/または分析器510からの分析の結果を、出力514に通信する。出力514は、手持式デバイス、警告、ヘッドセット上の表示画面、リモートサーバ、リモートコンピュータおよび/または任意の他の適切な出力によって実施されてもよい。いくつかの例において、出力は表示画面であり、電極106a〜nが電極ホルダ104a〜n内にあるとき、および、電極106a〜nが信号を受信しているときを示すために使用することができる。また、いくつかの例において、出力514は、電極が106a〜nであり処理ユニット110によって実施される信号分析に従って、十分に強い信号を収集していないことを示すために使用することもできる。そのような例において、出力514は、信号品質を改善するために電極106a〜nがそれぞれの電極ホルダ104a〜nにさらに挿入されるべきであることを示すことができる。
【0061】
[0070]データ送信は、Bluetooth送信、wi−fi送信、ZiGBee送信および/または送信前の暗号化によって実施されてもよい。図示の例において、データベース508は、収集されたデータを記憶する。ストリームは、ストリーミングのためにバッファリングされるか、または、例えば、定期的なアップロード、または、低活動期間の間の非定期的なアップロードのために基板上に(例えば、ヘッドセットに)記憶され得る。
【0062】
[0071]処理ユニット110の構成要素504〜512は、通信リンク516を介して例示的なシステム500の他の構成要素に通信可能に接続される。通信リンク516は、任意のタイプの有線接続(例えば、データバス、USB接続など)、または、任意の過去の、現在のもしくは将来の通信プロトコル(例えば、Bluetooth、USB 2.0、USB 3.0など)を使用した無線通信機構(例えば、無線周波数、赤外線など)であってもよい。また、例示的なシステム500の構成要素は、1つのデバイスに一体化されてもよく、または、2つ以上のデバイスにわたって分散されてもよい。
【0063】
[0072]システム500を実装する例示的な態様が
図5に示されているが、
図5に示す要素、プロセスおよび/またはデバイスのうちの1つまたは複数は、組み合わせ、分割、再構成、省略、除去および/または任意の他の態様で具現化されてもよい。さらに、例示的な処理ユニット110、例示的な信号調整器506、例示的なA/D変換器504、例示的なデータベース508、例示的な送信機512、例示的な分析器510、例示的な出力514、および/または、より一般的に
図5の例示的なシステム500は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ならびに/または、ハードウェア、ソフトウェアおよび/もしくはファームウェアの任意の組み合わせによって具現化されてもよい。したがって、例えば、例示的な処理ユニット110、例示的な信号調整器506、例示的なA/D変換器504、例示的なデータベース508、例示的な送信機512、例示的な分析器510、例示的な出力514、および/または、より一般的に
図5の例示的なシステム500のいずれかは、1つもしくは複数のアナログもしくはデジタル回路、論理回路、プログラム可能プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム可能論理デバイス(PLD)および/またはフィールドプログラマブル論理デバイス(FPLD)によって具現化されてもよい。 本件特許の装置請求項またはシステム請求項のいずれかを純粋にソフトウェアおよび/またはファームウェアの実施態様をカバーするように読むとき、例示的な処理ユニット110、例示的な信号調整器506、例示的なA/D変換器504、例示的なデータベース508、例示的な送信機512、例示的な分析器510または例示的な出力514のうちの少なくとも1つはこれによって、ソフトウェアおよび/またはファームウェアを記憶する、メモリ、デジタル多用途ディスク(DVD)、コンパクトディスク(CD)、Blu−rayディスクなどのような有形コンピュータ可読記憶デバイスまたは記憶ディスクを含むように定義される。 さらにまた、
図5の例示的なシステム500は、
図5に示すものに加えて、もしくはその代わりに、1つもしくは複数の要素、プロセスおよび/もしくはデバイスを含んでもよく、かつ/または、図示されている要素、プロセスおよびデバイスのいずれかのうちの2つ以上もしくはすべてを含んでもよい。
【0064】
[0073]
図1A〜
図5のヘッドセット100および/またはシステム500を実施するために、少なくともいくつかが機械可読である例示的な命令の流れ図が、
図6および
図7に示されている。この例において、機械可読命令は、
図8に関連して下記に論ずる例示的な処理プラットフォーム800内に示すプロセッサ812のようなプロセッサによって実行するためのプログラムを含む。プログラムは、CD−ROM、フロッピーディスク、ハードドライブ、デジタル多用途ディスク(DVD)、またはプロセッサ812と関連付けられるメモリのような有形コンピュータ可読媒体上に記憶されるソフトウェアにおいて具現化されてもよいが、プログラム全体および/またはプログラムの一部は代替的に、プロセッサ812以外のデバイスによって実行されてもよく、かつ/または、ファームウェアもしくは専用ハードウェアにおいて具現化されてもよい。さらに、例示的なプログラムが
図6および
図7に示す流れ図を参照して説明されるが、例示的なヘッドセット100および/または例示的なシステム500を実施する多くの他の態様が、代替的に使用されてもよい。例えば、ブロックを実行する順序は変更されてもよく、かつ/または、記載されているブロックのいくつかは変更、除去、もしくは組み合わせされてもよい。
【0065】
[0074]上記で言及したように、
図7の例示的なプロセスおよび
図6の例示的なプロセスの少なくとも一部分は、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、読み出し専用メモリ(ROM)、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、キャッシュ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、および/または、情報が任意の継続時間にわたって(例えば、長期間にわたって、永続的に、短い瞬間にわたって、一時的なバッファリングにわたって、および/または、情報のキャッシングにわたって)記憶される任意の他の記憶デバイスまたは記憶ディスクのような有形コンピュータ可読記憶媒体上に記憶されるコード化命令(例えば、コンピュータおよび/または機械可読命令)を使用して実施されてもよい。本明細書において使用される場合、有形コンピュータ可読記憶媒体という用語は、任意のタイプのコンピュータ可読記憶デバイスおよび/または記憶ディスクを含み、伝搬信号を除外し、伝送媒体を除外するように明示的に定義される。本明細書において使用される場合、「有形コンピュータ可読記憶媒体」および「有形機械可読記憶媒体」は、交換可能に使用される。付加的にまたは代替的に、
図7の例示的なプロセスおよび
図6の例示的なプロセスの少なくとも一部分は、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、読み出し専用メモリ、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、キャッシュ、ランダムアクセスメモリ、および/または、情報が任意の継続時間にわたって(例えば、長期間にわたって、永続的に、短い瞬間にわたって、一時的なバッファリングにわたって、および/または、情報のキャッシングにわたって)記憶される任意の他の記憶デバイスまたは記憶ディスクのような持続性コンピュータおよび/または機械可読媒体上に記憶されるコード化命令(例えば、コンピュータおよび/または機械可読命令)を使用して実施されてもよい。本明細書において使用される場合、持続性コンピュータ可読媒体という用語は、任意のタイプのコンピュータ可読記憶デバイスおよび/または記憶ディスクを含み、伝搬信号を除外し、伝送媒体を除外するように明示的に定義される。本明細書において使用される場合、「少なくとも」という語句が特許請求項の前文において移行語として使用されるとき、この語句は、「備える(comprising)」が非限定であるのと同じように、非限定である。
【0066】
[0075]
図6は、例えば、本明細書において開示されるヘッドセット100を用いて実施することができる、EEGを収集する(ブロック600)例示的なプロセスを示す流れ図である。例示的なプロセスは、例えば、
図1Aおよび
図1Bに示すキャップ102のようなキャップ(例えば、基部)をヒトの頭部上に配置すること(ブロック602)によって開始する。上述したような例示的なキャップ102が、ヒトの頭部上に配置される(例えば、頭部にわたって伸張される)。例示的なキャップ102は、キャップ102に機能的に結合される複数の電極ホルダ104a〜nを含む。電極ホルダ104a〜nは、最適な読み取りのための特定の領域においてキャップ102上に配置される。
【0067】
[0076]例示的なプロセス600は、ヒトの頭部上でキャップを調整すること(ブロック604)を含む。キャップは、キャップをヒトの頭部に固定するための1つまたは複数のバックルおよび/またはストラップを含んでもよい。上記で開示した例示的なヘッドセット100において、キャップ102は、キャップ102をヒトの頭部上に位置付けるように調整することができる顎ひも103を含む。
【0068】
[0077]例示的なプロセス600は、電極を電極ホルダに挿入すること(ブロック606)を含む。いくつかの例において、電極ホルダは、電極を受け入れるための、内部に形成される開口部または通路を含む。上記で開示した例示的なヘッドセット100において、電極ホルダ104a〜nは、電極106a〜nを受け入れるための開口部(例えば、開口部204)を含む。複数の電極のうちの例示的な電極106aが、複数の電極ホルダのうちの例示的な電極ホルダ104aの開口部に挿入され得る。例示的な電極106aは、複数の異なるサイズで提供されてもよい。例えば、より長いおよび/またはより濃い毛髪を有するヒトにはより長い電極を利用することができる。
【0069】
[0078]例示的なプロセス600は、電極が電極ホルダに挿入されていることを示すこと(ブロック608)を含む。上記で言及したように、キャップのワイヤは、コンピュータまたは処理ステーションに機能的に接続することができる。いくつかの例において、グラフィカルユーザインターフェースまたは他のディスプレイが、電極が電極ホルダに挿入されたときを示す。
【0070】
[0079]例示的なプロセス600は、電極ホルダ内で電極を調整すること(ブロック610)を含む。いくつかの例において、電極および電極ホルダは、電極が電極ホルダ内で上または下に、したがって、キャップを装着しているヒトの頭部のより近くにまたは頭部からより遠くに動かされることを可能にする特徴部(例えば、係合部材)を含む。いくつかの例において、この特徴部は、電極を電極ホルダ内の複数の不連続の位置に固定するためのものである。
【0071】
[0080]上記で開示した例示的なヘッドセット100において、電極106aは、複数のリブ224a〜nを含む。電極106aが電極ホルダ104aに挿入されると、リブ224a〜nは、固定リング310の第1のばね314および第2のばね316に係合する。ばね314、316は、半径方向内向きに付勢され、電極106aを電極ホルダ104a内の複数の不連続の位置において固定する。電極106aは、電極106aをヒトの頭部のより近くにまたは頭部からより遠くに配置するために、ばね314、316からの力に打ち勝つ力を電極106aに与えることによって、上または下に動かすことができる。電極106aがヒトの頭部に係合すると、キャップ102は、上向きに、ヒトの頭部から外方に伸張され、これによって、キャップ102内に張力が生成される。この張力が、ヒトの頭部に対して電極106aを保持するのを補助する。加えて、いくつかの例において、電極106aは、ピン218をシース216から外向きに付勢するばね322を含む。ばねは、好適には、装着性を向上させるために頭皮に対して電極106aの圧力のいくらかを低減する。
【0072】
[0081]例示的なプロセス600は、電極が信号を受信していることを示すこと(ブロック612)を含む。いくつかの例において、電極がヒトの頭部と一度接触し、脳からの信号の受信に成功すると、グラフィカルユーザインターフェースまたはディスプレイが(例えば、緑色光によって)示すことができる。
【0073】
[0082]いくつかの例において、例示的なプロセス600は、電極からの信号品質が許容可能であるか否かを判定する(ブロック613)。例えば、例示的な処理ユニット110は、収集された信号を調整し、分析して信号品質を評価することができる。信号の品質の分析において、処理ユニットは、この品質の閾値品質に対する比較、および、比較に基づいて品質が許容可能または許容不可能であることの判定を実施することができる。信号品質が不良である、すなわち、許容不可能である場合、プロセス600は、電極を調整するためのブロック610、または、異なる電極を挿入するためのブロック606において継続する。電極が許容可能な品質の信号を収集していると例示的なプロセス600が判定した場合(ブロック613)、プロセス600は継続する。
【0074】
[0083]例示的なプロセス600は、別の電極が別の電極ホルダに挿入されるべきであるか否かを判定すること(ブロック614)を含む。いくつかの例において、ヘッドセットは、複数の電極ホルダを含む。いくつかの例において、電極は、キャップ上の電極ホルダのすべてに挿入される。しかしながら、他の例において、電極は電極ホルダのサブセットまたはグループのみに挿入され、残りの電極ホルダは空である。他の例においては、1つのみの電極が使用される。上記で開示した例示的なヘッドセット100において、任意の量の例示的な電極ホルダ104a〜nがキャップ102に機能的に結合されてもよく、電極は、電極ホルダ104a〜nのうちの1つまたは複数に挿入されてもよい。
【0075】
[0084]信号を収集するために別の電極が別の電極ホルダに挿入されるべきであると判定される場合、プロセス600は、別の電極を別の電極ホルダに挿入すること(ブロック606)を含む。
【0076】
[0085]例示的なプロセス600は、1つまたは複数の基準電極をヒトに取り付けること(ブロック615)を含む。いくつかの例において、電極は、他のEEG信号に対して比較するための基準信号を提供するために利用される。上記で開示した例示的なヘッドセット100において、基準電極109は、装着者の耳に取り付けられ、ワイヤ111を介して処理ユニット110に通信可能に接続される。
【0077】
[0086]1つまたは複数の電極が1つまたは複数の電極ホルダに挿入された後、例示的なプロセス600は、ヘッドセットの電極からEEG信号を収集すること(ブロック616)を含む。上記で開示した例示的なヘッドセット100において、キャップ102は、それぞれの電極ホルダ104a〜nに通信可能に接続されるワイヤ108a〜nを含む。電極106a〜nは、ヒトの頭部から信号を受信し、信号は、それぞれの電極ホルダ106a〜nを通じてワイヤ108a〜nに送信される。ワイヤ108a〜n(および基準電極109のワイヤ111)は、例えば、処理ユニット110に接続される。他の例において、ワイヤ108a〜n、111は、プラグに機能的に結合され、プラグは、別の配線にプラグ接続され外部コンピュータまたは処理ステーションに接続され得る。また他の例において、ワイヤ108a〜n、111は、増幅器/送信機に機能的に接続され、増幅器/送信機は、信号を増幅し、その後、それらの信号を無線で外部コンピュータまたは処理ステーションに送信する。
【0078】
[0087]例示的なプロセス600は、EEG信号を分析すること(ブロック618)を含む。EEGデータを分析する例示的なプロセスは、
図7において論じられている。分析が完了すると、例示的な方法600は終了する(ブロック620)。
【0079】
[0088]
図7は、例示的なヘッドセット100から収集されるEEGデータ(ブロック700)を分析するために実行することができる例示的な命令を表す流れ図である。例示的なヘッドセット100は、被験者の脳から電気信号を受信するために被験者の頭皮に接触する複数の電極を有する。EEGデータを分析する例示的なプロセス(ブロック700)は、電極からEEG信号を読み取ること(ブロック702)を含む。図示の例において、信号は、アナログ信号からデジタル信号に変換される(ブロック704)。いくつかの例において、アナログ−デジタル変換は、例えば、例示的なシステム500の処理ユニット110のような、処理ユニットにおいて行われる。他の例において、アナログ−デジタル変換は、可能な限りソースに近い信号を変換するためにヘッドセット内の電極に隣接して行われる。
【0080】
[0089]図示の例において、信号の有用性および信号内に含まれるデータのアクセス性を向上させるために、信号が調整される(ブロック706)。例えば、上記で開示したように、調整は、信号を増幅することおよび/または(例えば、バンドパスフィルタを用いて)フィルタリングすることを含んでもよい。
【0081】
[0090]例えば、被験者の精神状態、健康状態、視聴者の一人としてのメディアとの関わり、メディアの有効性、および/または、電気デバイスに対する入力要求を判定するために、信号が分析される(ブロック708)。例えば、EEGデータは、EEGデータの特定の周波数帯域および/または脳の特定の領域における脳活動を評価するために分析されてもよい。EEGデータの周波数帯域および活動の領域の関係および相関の評価および/または計算は、例えば、注意、感情の関わり、記憶または共鳴などの感情または精神状態を判定するのに使用することができる。他の処理動作および技法の説明が、2013年3月14日に提出された「METHODS AND APPARATUS TO GATHER AND ANALYZE ELECTROENCEPHALOGRAPHIC DATA」と題する米国特許出願第13/829,849号明細書に開示されており、当該特許出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0082】
[0091]図示の例において、信号(例えば、分析の結果)が、例えば、例示的なシステム500の出力514のような出力に送信される(ブロック710)。例示的な出力モードは、例えば、警報を鳴らすこと、メッセージおよび/もしくは警告を画面上に表示すること、ローカルおよび/もしくはリモートコンピュータに報告を発行すること、ならびに/または、任意の他の適切な出力を含む。加えて、出力は、本明細書に詳述されている有線または無線通信を含んでもよい。いくつかの例において、出力は、ヒトが注意を払っていること、ヒトが注意を払っていないこと、ヒトがメディア番組に半分没頭している状態にあること、または、ヒトの他の精神状態を反映したデータを含み、番組の識別情報が、例えば、リモートデータファシリティに送信される。未処理データ、処理済みデータ、履歴ログまたは視聴者測定値の指標も、収集のためにリモートデータファシリティに送信されてもよい。リモートデータファシリティは、例えば、マーケティング会社、放送会社、エンターテインメントスタジオ、テレビネットワーク、ならびに/または、人々がいつ放送番組に集中しているかおよび/もしくは集中していないか、および、どの番組に集中しているかを知ることから受益し得るか、または、他の様態で知ることを所望する任意の他の組織であってもよい。この例は、放送会社および/またはマーケティング人員が、いずれの番組を人々が観ているか、人々がいつ番組を観ているか、および/または、放送中に人々がいつ集中しているかを分析することを可能にする。出力(ブロック710)の後、例示的なプロセス700は終了する(ブロック712)。
【0083】
[0092]
図8は、
図1A、
図1B、
図2A、
図2B、
図3、
図4および
図5の装置および/またはシステムの1つまたは複数の部分を実施するために、
図6および
図7の命令の1つまたは複数を実行することが可能な例示的な処理プラットフォーム700のブロック図である。処理プラットフォーム800は、例えば、ヘッドセット内のプロセッサ、サーバ、パーソナルコンピュータ、モバイルデバイス(例えば、携帯電話、スマートフォン、iPad(登録商標)のようなタブレット)、個人情報端末(PDA)、インターネット家電および/または任意の他のタイプのコンピューティングデバイスであってもよい。
【0084】
[0093]図示の例のプロセッサプラットフォーム800は、プロセッサ812を含む。図示の例のプロセッサ1012はハードウェアである。例えば、プロセッサ812は、任意の所望の製造業者群からの1つまたは複数の集積回路、論理回路、マイクロプロセッサまたはコントローラによって実装されてもよい。
【0085】
[0094]図示の例のプロセッサ812は、ローカルメモリ813(例えば、キャッシュ)を含む。図示の例のプロセッサ812は、バス818を介して、揮発性メモリ814および不揮発性メモリ816のようなメインメモリと通信している。揮発性メモリ814は、同期型ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、RAMBUSダイナミックランダムアクセスメモリ(RDRAM)および/または任意の他のタイプのランダムアクセスメモリデバイスによって実装されてもよい。不揮発性メモリ816は、フラッシュメモリおよび/または任意の他の所望のタイプのメモリデバイスによって実装されてもよい。メインメモリ814、816に対するアクセスは、メモリコントローラによって制御される。
【0086】
[0095]図示の例のプロセッサプラットフォーム800はまた、インターフェース回路820をも含む。インターフェース回路820は、Ethernetインターフェース、ユニバーサルシリアルバス(USB)、および/または、PCIエクスプレスインターフェースのような任意のタイプのインターフェース規格によって実施されてもよい。
【0087】
[0096]図示の例において、1つまたは複数の入力デバイス822が、インターフェース回路820に接続される。入力デバイス822は、ヒトが、データおよびコマンドをプロセッサ812に入力することを可能にする。入力デバイスは、例えば、オーディオセンサ、マイクロフォン、カメラ(静止またはビデオ)、キーボード、ボタン、マウス、タッチスクリーン、トラックパッド、トラックボール、isopointおよび/または音声認識システムによって実施されてもよい。
【0088】
[0097]1つまたは複数の出力デバイス824もまた、図示の例のインターフェース回路820に接続される。出力デバイス824は、例えば、表示デバイスによって実施されてもよい(例えば、発光ダイオード(LED))、有機発光ダイオード(OLED)、液晶ディスプレイ、陰極線管ディスプレイ(CRT)、タッチスクリーン、触覚出力デバイスおよび/または発光ダイオード(LED)。したがって、図示の例のインターフェース回路820は一般的に、グラフィックスドライバカード、グラフィックスドライバチップまたはグラフィックスドライバプロセッサを含む。
【0089】
[0098]図示の例のインターフェース回路820はまた、ネットワーク826(例えば、Ethernet接続、デジタル加入者回線(DSL)、電話線、同軸ケーブル、セルラ電話システムなど)を介して外部マシン(例えば、任意の種類のコンピューティングデバイス)とのデータの交換を容易にするための送信機、受信機、送受信機、モデムおよび/またはネットワークインターフェースカードのような通信デバイスをも含む。
【0090】
[0099]図示の例のプロセッサプラットフォーム800はまた、ソフトウェアおよび/またはデータを記憶するための1つまたは複数の大容量記憶デバイス828をも含む。そのような大容量記憶デバイス828の例は、フロッピーディスクドライブ、ハードドライブディスク、コンパクトディスクドライブ、Blu−rayディスクドライブ、RAIDシステム、およびデジタル多用途ディスク(DVD)ドライブを含む。
【0091】
[00100]
図6および
図7のコード化命令832は、大容量記憶デバイス828内、揮発性メモリ814内、不揮発性メモリ816内、および/または、CDもしくはDVDのような取り外し可能有形コンピュータ可読記憶媒体上に記憶され得る。
【0092】
[00101]特定の例示的な装置が本明細書において記載されているが、本件特許が対象とする範囲は、この装置に限定されない。逆に、本件特許は、文字通りまたは均等物の原則に基づいてのいずれかで、適正に添付の特許請求項の範囲内に入るすべての方法、装置、および製造品を対象にする。