特許第6332743号(P6332743)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6332743
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】コンテナ
(51)【国際特許分類】
   B65D 21/04 20060101AFI20180521BHJP
【FI】
   B65D21/04
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-115405(P2014-115405)
(22)【出願日】2014年6月4日
(65)【公開番号】特開2015-229503(P2015-229503A)
(43)【公開日】2015年12月21日
【審査請求日】2017年4月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100188226
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 俊達
(72)【発明者】
【氏名】秋山 憲司
【審査官】 小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−124921(JP,U)
【文献】 実開昭58−094633(JP,U)
【文献】 特開2008−184228(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 21/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面が開放した箱形のコンテナ本体と、
前記コンテナ本体の上端部から側方に張り出した上端フランジと、
前記コンテナ本体の上下方向の中間部より下側で前記コンテナ本体の四隅の外側面から突出した複数の積上支持突部と、
前記コンテナ本体の内側面のうち前記複数の積上支持突部より上方に陥没形成され、上端が前記上端フランジの上面に開口した複数の突部受容溝とを有したコンテナであって、
積み上げる際に、下段側のコンテナに対して上段側のコンテナを180度旋回させて積み上げるか、旋回せずに積み上げるかによって、前記上段側のコンテナの前記積上支持突部が前記下段側のコンテナの前記突部受容溝に受容されたネスティング状態と、前記上段側のコンテナの前記積上支持突部が前記下段側のコンテナの前記上端フランジの上面に当接したスタッキング状態とに変更可能なコンテナにおいて、
前記コンテナ本体の四隅に隣り合った側壁同士の間を連絡するコーナー面取部設けられて前記上端フランジの四隅前記四隅以外の部分に比べて幅広とされ、
四隅の前記コーナー面取部は、幅方向の中間と一端外側とに前記突部受容溝がそれぞれ配置された1対の第1の前記コーナー面取部と、幅方向の両端部に前記突部受容溝がそれぞれ配置された1対の第2の前記コーナー面取部とからなり、
前記スタッキング状態で、前記下段側のコンテナの各前記第1のコーナー面取部の幅方向の両端部に、前記上段側のコンテナの前記積上支持突部がそれぞれ当接すると共に、各前記下段側のコンテナの前記第2のコーナー面取部の幅方向の中間と一端外側とに、前記上段側のコンテナの前記積上支持突部がそれぞれ当接するコンテナ。
【請求項2】
前記スタッキング状態で前記第1のコーナー面取部の幅方向の両端部に当接する2つの前記積上支持突部の突出方向が互いに直交すると共に、それらを前記ネスティング状態で受容する2つの前記突部受容溝の陥没方向も互いに直交し、
前記スタッキング状態で前記第2のコーナー面取部の幅方向の中間と一端外側とに当接する2つの前記積上支持突部の突出方向が互いに直交すると共に、それらを前記ネスティング状態で受容する2つの前記突部受容溝の陥没方向も互いに直交している請求項1に記載のコンテナ。
【請求項3】
前記スタッキング状態で、前記第1のコーナー面取部上の前記突部受容溝の上面開口の一部に、その突部受容溝の陥没方向と直交する方向に突出する前記積上支持突部の基端部が上方から重なると共に、前記第2のコーナー面取部上の前記突部受容溝の上面開口の一部に、その突部受容溝の陥没方向と直交する方向に突出する前記積上支持突部の基端部が上方から重なる請求項2に記載のコンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外側面に複数の積上支持突部を備える一方、内側面に複数の突部受容溝を備えたコンテナであって、積み上げる際のコンテナの向きによって、上側のコンテナの積上支持突部が下側のコンテナの突部受容溝に受容されたネスティング状態と、上側のコンテナの積上支持突部が下側のコンテナの側壁上面に当接したスタッキング状態とに変更可能なコンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のコンテナとして、コンテナ本体の四隅に1対ずつの積上支持突部を備え、それら各対の積上支持突部が、コンテナ本体の角部を挟んだ両側に分けられて配置された構造になっているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3986693号公報(図3
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来のコンテナでは、例えば、収容した荷物の重さにより側壁が外側に膨らむように変形して、スタッキング状態に積み上げたときに上段側のコンテナの積上支持突部が下段側のコンテナの内側に落ち込んでしまうような事態が生じ得た。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、スタッキング状態の強度が従来より高いコンテナの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係るコンテナは上面が開放した箱形のコンテナ本体と、コンテナ本体の上端部から側方に張り出した上端フランジと、コンテナ本体の上下方向の中間部より下側でコンテナ本体の四隅の外側面から突出した複数の積上支持突部と、コンテナ本体の内側面のうち複数の積上支持突部より上方に陥没形成され、上端が上端フランジの上面に開口した複数の突部受容溝とを有したコンテナであって、積み上げる際に、下段側のコンテナに対して上段側のコンテナを180度旋回させて積み上げるか、旋回せずに積み上げるかによって、上段側のコンテナの積上支持突部が下段側のコンテナの突部受容溝に受容されたネスティング状態と、上段側のコンテナの積上支持突部が下段側のコンテナの上端フランジの上面に当接したスタッキング状態とに変更可能なコンテナにおいて、コンテナ本体の四隅に隣り合った側壁同士の間を連絡するコーナー面取部設けられて上端フランジの四隅四隅以外の部分に比べて幅広とされ、四隅のコーナー面取部は、幅方向の中間と一端外側とに突部受容溝がそれぞれ配置された1対の第1のコーナー面取部と、幅方向の両端部に突部受容溝がそれぞれ配置された1対の第2のコーナー面取部とからなり、スタッキング状態で、下段側のコンテナの各第1のコーナー面取部の幅方向の両端部に、上段側のコンテナの積上支持突部がそれぞれ当接すると共に、各下段側のコンテナの第2のコーナー面取部の幅方向の中間と一端外側とに、上段側のコンテナの積上支持突部がそれぞれ当接するコンテナである。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のコンテナにおいて、前記スタッキング状態で前記第1のコーナー面取部の幅方向の両端部に当接する2つの前記積上支持突部の突出方向が互いに直交すると共に、それらを前記ネスティング状態で受容する2つの前記突部受容溝の陥没方向も互いに直交し、前記スタッキング状態で前記第2のコーナー面取部の幅方向の中間と一端外側とに当接する2つの前記積上支持突部の突出方向が互いに直交すると共に、それらを前記ネスティング状態で受容する2つの前記突部受容溝の陥没方向も互いに直交している請求項1に記載のコンテナである。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載のコンテナにおいて、スタッキング状態で、第1のコーナー面取部上の突部受容溝の上面開口の一部に、その突部受容溝の陥没方向と直交する方向に突出する積上支持突部の基端部が上方から重なると共に、第2のコーナー面取部上の突部受容溝の上面開口の一部に、その突部受容溝の陥没方向と直交する方向に突出する積上支持突部の基端部が上方から重なる請求項2に記載のコンテナである。
【発明の効果】
【0010】
[請求項1の発明]
請求項1の構成によれば、コンテナ本体の四隅に隣り合った側壁同士の間を連絡するコーナー面取部を備えたことにより、上端フランジの四隅を四隅以外の部分に比べて幅広にすることができる。そして、コンテナがスタッキング状態で積み上げられたときに、上段側のコンテナにおける複数の積上支持突部の少なくとも一部が、下段側のコンテナにおける上端フランジの幅広部分に載置され、従来より、積上支持突部と上端フランジとの係合を深くすることができ、係合強度が高くなる。また、コンテナ本体のうちコーナー面取部は、側壁に比べて外側に広がり難いので、この点においても積上支持突部と上端フランジとの係合強度が高くなる。そして、これらより、スタッキング状態で上段側のコンテナが下段側のコンテナの内側に落ち込むことが防がれ、スタッキング状態の強度が従来より高くなる。
【0011】
また、本発明によれば、コンテナ本体の四隅には2つずつの積上支持突部と2つずつの突部受容溝とが設けられている。そして、コンテナ本体の四隅のコーナー面取部を、幅方向の中間に突部受容溝が配置された1対の第1のコーナー面取部と、幅方向の両端部に突部受容溝が配置された1対の第2のコーナー面取部とに分けたことでスタッキング状態の積み上げ可能としながら、コンテナ本体の四隅の全て積上支持突部及び突部受容溝をコーナー面取部に配置することができ、スタッキング状態の強度を従来より高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係るコンテナの斜視図
図2】コンテナの下面側の斜視図
図3】積上支持突部の斜視図
図4】コンテナの底面図
図5】コンテナの平面図
図6】ネスティングされたコンテナの斜視図
図7】スタッキングされたコンテナ同士の当接状態を示した斜視図
図8】スタッキングされたコンテナの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を図1図8に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態のコンテナ10は、上面が開放した箱形で、平面形状が例えば正方形のコンテナ本体10Hを有している。このコンテナ10は、主として円形の荷物(例えば、ベアリング、ギヤ、プーリー等)を収容するためのものであって、その荷物を安定させるために、各側壁11における横方向の中央には、それぞれ円弧膨出部12が形成されている。円弧膨出部12は、側壁11の上端部から下端寄り位置に亘る範囲を外側に円弧状に膨出させてなり、全ての円弧膨出部12の内面が共通の円筒面の一部になっている。これにより、例えば、ベアリング等の円形の荷物の一部を円弧膨出部12内に配置してコンテナ10内で荷物がずれることを規制することができる。
【0016】
コンテナ本体10Hの四隅には、隣り合った側壁11,11同士の間を連絡するコーナー面取部13が形成されている。コーナー面取部13は、隣り合った側壁11,11にそれぞれ45度の角度で交差する平板状になっている。また、コーナー面取部13の幅は、対向する側壁11,11同士の間隔に対して10〜30%の大きさになっていて(図5参照)、応力集中を防ぐための、所謂、「C面取り」に比べて極めて大きくなっている。なお、複数の円弧膨出部12の内面が共通して含まれる円筒面と干渉しない範囲であれば、コーナー面取部13を側壁11,11同士の間隔の30%より大きくしてもよい。
【0017】
コンテナ本体10Hの上端部全体には、側壁11の上端部分を外側にクランク状に屈曲させて上端段差部11Dが形成されている。なお、コーナー面取部13には、上端段差部11Dは形成されていない。
【0018】
コンテナ本体10Hの上端部全体には、側壁11及びコーナー面取部13から側方に張り出した上端フランジ14が設けられている。また、コーナー面取部13を設けたことにより、上端フランジ14はコンテナ10の四隅で幅広になっている(図5参照)。なお、上端フランジ14のうち、コンテナ本体10Hの平面形状である正方形の1つの辺に相当する部分には、コンテナ10の向きを識別するための矢印マーク14Mが刻印されている。
【0019】
上端フランジ14の僅か下方には、コンテナ本体10Hの外面から側方に張り出した第1中間フランジ15が設けられ、その第1中間フランジ15の僅か下方位置から第2中間フランジ16が側方に張り出し、さらには、コンテナ本体10Hの上下方向の略中央位置から第3中間フランジ17が側方に張り出している。第1中間フランジ15は、上端フランジ14と同様にコンテナ本体10Hの外面全周に亘って形成されている。これに対し、第2中間フランジ16は、第1水平方向H1(図1参照)で対向する1対の側壁11,11の外面において途中部分が分断されている。それとは逆に、第3中間フランジ17は、第1水平方向H1と平行な1対の側壁11,11の外面において途中部分が分断されている。なお、第1水平方向H1と直交する水平方向を以下、第2水平方向H2という。
【0020】
図2に示すように、第2中間フランジ16のうち第1水平方向H1と平行な1対の側壁11,11の外面に位置する部分の下面には、コンテナ10を持ち上げる際に指を引っ掛けるための指掛部16Tが形成されている。第3中間フランジ17のうち第1水平方向H1で対向する1対の側壁11,11の外面に位置する部分の下面にも同様の指掛部17Tが形成されている。また、第3中間フランジ17のうち指掛部17Tが設けられている部分は、クランク状に上方に屈曲していて、指掛部17Tの下面が、第3中間フランジ17のうち第3中間フランジ17が設けられていない部分の下面と面一になっている。
【0021】
また、コンテナ本体10Hの外面には、周方向の全体に亘る複数位置に、上下方向に延びた複数の連絡リブ18が設けられて、それら連絡リブ18により上端フランジ14及び第1〜第3の中間フランジ15,16,17が相互に連結されている。
【0022】
図1に示すように、コンテナ本体10Hのうち第3中間フランジ17より下方の外側面には、複数の積上支持突部20,22,24,26が突出形成される一方、第3中間フランジ17より上方の内側面には、突部受容溝40,42,44,46が形成されている。そして、これら積上支持突部20,22,24,26及び突部受容溝40,42,44,46を含んだコンテナ10全体の形状が、図4及び図5に示すように、コンテナ本体10Hにおける第2水平方向H2の中心に位置した中心線CL2に対して対称形状をなす一方、第1水平方向H1の中心に位置した中心線CL1に対して非対称形状になっている。
【0023】
具体的には、コンテナ本体10Hのうち第1水平方向H1の一端側(図4の左側)に位置した1対のコーナー部分には、中心線CL2と平行な側壁11とコーナー面取部13とに跨がって一方の積上支持突部22が形成されると共に、中心線CL2と直行する側壁11とコーナー面取部13とに跨がって他方の積上支持突部20が形成されている。即ち、コーナー面取部13の幅方向の両端部に1対の積上支持突部20,22が配置されている。その一方の積上支持突部22は、図3(B)に示すように、中心線CL2と平行な側壁11から垂直側方に張り出した第1縦リブ22Aと、その第1縦リブ22Aと平行になってコーナー面取部13から張り出した第2縦リブ22Dとの間を1対の横リブ22B,22Cで連絡してなる。また、それら第1及び第2の縦リブ22A,22Dは、第3中間フランジ17からコンテナ本体10Hの下面寄り位置まで延び、それら第1及び第2の縦リブ22A,22Dの下端部同士の間が一方の横リブ22Cで連絡されると共に、第1及び第2の縦リブ22A,22Dの中間部同士の間が他方の横リブ22Bによって連絡されている。また、積上支持突部22の先端部のうちコーナー面取部13側の角部は丸みを帯びた形状になっている。
【0024】
積上支持突部22の下面には、そのコンテナ本体10H側を段付き状に下方に突出させて段差突部32が形成されている。その段差突部32は、積上支持突部22の第1及び第2の縦リブ22A,22Dのうちコンテナ本体10H側の基端部から延長した1対の延長突片32A,32Dの下端部間を横リブ32Bで連絡してなる。また、段差突部32のうち積上支持突部22の下面に対する段差面32Mは、コンテナ本体10Hのうち段差突部32が形成されている部分の外側面形状に対応して、中心線CL2と平行な面とコーナー面取部13と平行な面とを合わせた形状になっている。
【0025】
上記した一方の積上支持突部22と対になった他方の積上支持突部20は、中心線CL2と直行する側壁11から突出した第1縦リブ20Aと、その第1縦リブ20Aと平行になってコーナー面取部13から突出した第2縦リブ20Dとの間を1対の横リブ20B,20C(図3(B)には一方の横リブのみが示されている。図1参照)で連絡してなる。また、他方の積上支持突部20の下面にも一方の積上支持突部22の段差突部32と同様に段差突部30が形成され、その段差突部30の段差面30Mもコーナー面取部13と平行な面と側壁11と平行な面とを備えた形状になっている。また、一方の積上支持突部22の幅は他方の積上支持突部20の幅の1.5〜2倍になっている(図4参照)。即ち、一方と他方の積上支持突部20,22は、幅及びコンテナ本体10Hからの突出方向が90度異なるものの、基本構造は同じになっている。
【0026】
図4に示すように、コンテナ本体10Hのうち第1水平方向H1の他端側(図4の右側)に位置する1対のコーナー部分では、一方の積上支持突部26が、コーナー面取部13の幅方向の中間位置から中心線CL2と平行に突出し、他方の積上支持突部24が中心線CL2と平行な側壁11から中心線CL2と直行する方向に突出している。その一方の積上支持突部26は、図3(A)に示すように、コーナー面取部13から中心線CL2と平行に突出した1対の縦リブ26A,26Aの間を前述の積上支持突部22と同様に横リブ26B,26Cで連絡してなり、他方の積上支持突部24は、側壁11から中心線CL2と直行する方向に突出した1対の縦リブ24A,24Aの間を前述の積上支持突部22と同様に横リブ24B,24Cで連絡してなる。また、積上支持突部24,26の下面にも、前述した積上支持突部22の段差突部32と同様に段差突部34,36が形成されており、それら段差突部34,36も、段差突部32と同様に、延長突片34A,34A(36A,36A)同士の間を横リブ34B(36B)で連絡してなる。そして、一方の段差突部36の段差面36Mが、コンテナ本体10Hのうち一方の段差突部36が形成されている部分の外側面形状に対応して、コーナー面取部13と平行になっており、他方の段差突部34の段差面34Mが、コンテナ本体10Hのうち一方の段差突部34が形成されている部分の外側面形状に対応して、中心線CL2と平行になっている。
【0027】
コンテナ本体10Hの内側面に形成されている前述の突部受容溝40,42,44,46は、コンテナ10の上に別のコンテナ10を180度旋回させた状態で積み上げた際に、積上支持突部20,22,24,26を丁度受容可能に形状をなしている。即ち、図4に示すようにコーナー面取部13の幅方向の両端部に1対の積上支持突部20,22を有したコーナー部分では、図5に示すように、コーナー面取部13の幅方向の中間部に一方の突部受容溝46が配置されると共に他方の突部受容溝44が中心線CL2と平行な側壁11に形成され、図4に示すようにコーナー面取部13の幅方向の中間に積上支持突部26を有したコーナー部分では、図5に示すように、コーナー面取部13の幅方向の両端部に1対の突部受容溝40,42が配置されている。
【0028】
本実施形態のコンテナ10の構成に関する説明は以上である。次に、このコンテナ10の作用効果について説明する。図6に示すように、コンテナ10の上に別のコンテナ10を180度旋回させた状態で積み上げると、上段側のコンテナ10の積上支持突部20,22,24,26(図4参照)が、下段側のコンテナ10の突部受容溝40,42,44,46(図5参照)に受容されて、下段側のコンテナ10の上端フランジ14上に上段側のコンテナ10の第3中間フランジ17が重なったネスティング状態になる。
【0029】
これに対し、図7に示すように、コンテナ10の上に別のコンテナ10を旋回させずに積み上げると、図8に示すように、上段側のコンテナ10の積上支持突部20,22,24,26(図4参照)の下面が、下段側のコンテナ10の上端フランジ14のうち突部受容溝40,42,44,46からずれた位置に当接すると共に、上段側のコンテナ10の段差突部30,32,34,36がコンテナ本体10Hの内側に受容されて、それら段差突部30,32,34,36の段差面30M,32M,34M,36M(図3(A)及び図3(B)参照)がコンテナ本体10Hの内側面と平行になって対向する。
【0030】
ここで、本実施形態のコンテナ10では、コンテナ本体10Hの四隅に隣り合った側壁11,11同士の間を連絡するコーナー面取部13を備えたことにより、上端フランジ14の四隅を四隅以外の部分に比べて幅広にすることができる。そして、コンテナ10,10がスタッキング状態に積み上げられたときに、上段側のコンテナ10の積上支持突部20,22,26が下段側の上端フランジ14の幅広部分に載置され、従来より、積上支持突部20,22,26と上端フランジ14との係合を深くすることができ、係合強度が高くなる。また、コンテナ本体10Hのうちコーナー面取部13は、側壁11に比べて外側に広がり難いので、この点においても、積上支持突部20,22,26と上端フランジ14との係合強度が高くなる。そして、これらより、スタッキング状態で上段側のコンテナ10が下段側のコンテナ10の内側に落ち込むことが防がれ、スタッキング状態の強度が従来より高くなる。
【0031】
また、本実施形態のコンテナ10では、コンテナ本体10Hの四隅のコーナー面取部13を、幅方向の中間に積上支持突部26及び突部受容溝46が配置された1対のコーナー面取部13(本発明の「第1のコーナー面取部」に相当する)と、幅方向の両端部に積上支持突部20,22及び突部受容溝40,42が配置された1対のコーナー面取部13(本発明の「第2のコーナー面取部」に相当する)とに分けたことでスタッキング状態の積み上げ可能としながら、コンテナ本体10Hの四隅の全て積上支持突部20,22,26及び突部受容溝40,42,46をコーナー面取部13に配置することができ、スタッキング状態の強度を従来より高くすることができる。
【0032】
しかも、積上支持突部20,22は、コーナー面取部13と側壁11とに跨がって形成されている。即ち、積上支持突部20(22)は側壁11から突出した第1縦リブ20A(22A)と、コーナー面取部13から突出した第2縦リブ20D(22D)とを横リブ20B,20C(22B,22C)で連絡した構造になっている。これにより、コーナー面取部13と側壁11とが補強され、強度アップが図られる。
【0033】
また、本実施形態のコンテナ10では、スタッキング状態で上段側のコンテナ10における段差突部30,32,36の段差面30M,32M,36Mが、下段側のコンテナ10におけるコーナー面取部13の内側面に対して平行になって対向する。ここで、コンテナ本体10Hのうちコーナー面取部13は側壁11より変形し難いので、そのようなコーナー面取部13の内側面と段差突部30,32,36の段差面30M,32M,36Mとがスタッキング状態で平行になって対向することで、上下のコンテナ10,10の横ずれ防止の強度も高くなる。
【0034】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0035】
(1)前記実施形態のコンテナ10では、コーナー面取部13が側壁11,11に対して45度の角度で交差する平板状をなしていたが、コーナー面取部は、隣り合った側壁同士を連絡する湾曲板状であってもよい。
【0036】
(2)前記実施形態のコンテナ10では、コーナー面取部13が1つの積上支持突部26を備えたものと、2つの積上支持突部20,22を備えたものとの2種類のコーナー面取部13に分かれていたが、全てのコーナー面取部に1つの積上支持突部を設け、コーナー面取部の幅方向で積上支持突部の配置を異ならてコーナー面取部を2種類に分けてもよい。
【符号の説明】
【0037】
10 コンテナ
10H コンテナ本体
11 側壁
13 コーナー面取部
14 上端フランジ
20,22,24,26 積上支持突部
20A,22A 第1縦リブ
20B,20C,22B,22C 横リブ
20D,22D 第2縦リブ
30,32,34,36 段差突部
30M,32M,34M,36M 段差面
40,42,44,46 突部受容溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8