特許第6332827号(P6332827)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6332827
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】撮像装置、撮像方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/232 20060101AFI20180521BHJP
   G03B 17/18 20060101ALI20180521BHJP
   G03B 17/02 20060101ALI20180521BHJP
   G03B 15/00 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   H04N5/232 930
   G03B17/18 Z
   G03B17/02
   G03B15/00 G
   G03B15/00 N
【請求項の数】16
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-232996(P2013-232996)
(22)【出願日】2013年11月11日
(65)【公開番号】特開2015-95706(P2015-95706A)
(43)【公開日】2015年5月18日
【審査請求日】2016年9月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096699
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿嶋 英實
(72)【発明者】
【氏名】石原 正規
【審査官】 藤原 敬利
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−044558(JP,A)
【文献】 特開2004−104370(JP,A)
【文献】 特開2011−120060(JP,A)
【文献】 特開2003−298922(JP,A)
【文献】 特開2001−320610(JP,A)
【文献】 特開2008−072261(JP,A)
【文献】 特開2013−150265(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222− 5/257
G03B 15/00 −15/035
G03B 15/06 −15/16
G03B 17/02
G03B 17/18 −17/22
G03B 17/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライブビュー画像を表示する撮像装置であって、
前記ライブビュー画像の表示中における撮影指示に応じて撮像された撮影画像に対して、同じ撮影画像から異なる部分を切り出す画像処理を実行する画像処理手段と、
前記画像処理手段により切り出された複数の処理画像を前記ライブビュー画像を表示させたままの状態で、前記画像処理手段による画像処理が完了した順番で順次表示させる表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記画像処理手段は、前記ライブビュー画像の表示中における撮影指示に応じて撮像及び撮像された撮影画像に対する画像処理を開始すると共に、前記ライブビュー画像を表示させたままの状態で前記画像処理を実行し、
前記表示制御手段は、前記ライブビュー画像を表示させたままの状態で、前記画像処理手段による各画像処理の完了に応じて、各画像処理で得られた処理画像を前記画像処理手段による画像処理が完了した順番で順次表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記画像処理手段による各画像処理で得られた複数の処理画像を所定の順序で前記ライブビュー画像を表示させたままの状態で、前記画像処理手段による画像処理が完了した順番で順次表示させる、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記画像処理手段による各画像処理で得られた複数の処理画像を前記所定の順序に従った表示位置で前記ライブビュー画像の表示画面の一部に並べて並列表示させる、
ことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記画像処理手段による各画像処理で得られた複数の処理画像を前記所定の順序に従った順番で前記ライブビュー画像の表示画面の一部に順次追加表示させる、
ことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記画像処理手段による各画像処理で得られた複数の処理画像を前記所定の順序に従った順番で前記ライブビュー画像の表示画面の一部に順次切り換えながら表示させていく、ことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記画像処理手段による各画像処理で得られた複数の処理画像をその重要度に応じた順序で表示させる、
ことを特徴とする請求項2〜請求項6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記画像処理手段は、前記ライブビュー画像を表示させたままの状態で前記画像処理を順番にさせる、
ことを特徴とする請求項2〜請求項6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記画像処理手段は、前記ライブビュー画像を表示させたままの状態で順次行われる複数回の撮影指示に応じて順次撮像される複数の撮影画像の各々に対して、前記画像処理を順次し、
前記表示制御手段は、複数の撮影画像の各々に対して前記画像処理のいずれかをして得られた複数の処理画像を、前記ライブビュー画像を表示させたままの状態で、前記画像処理手段による画像処理が完了した順番で順次表示させる、
ことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記表示制御手段は、前記ライブビュー画像の縦横比を維持するようにその縦方向及び横方向の一辺部に確保した領域を、前記ライブビュー画像の表示画面の一部とし、この領域内に前記複数の処理画像を順次追加表示させる、
ことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記画像処理手段による画像処理は、同じ撮影画像から各々が異なる被写体部分を検出してその被写体部分を切り出す処理である、
ことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記画像処理手段による画像処理は、前記撮影指示に応じて撮像されたRAW画像を現像する現像処理と、この現像処理により生成された現像画像を加工して加工画像を生成する加工処理を含む、
ことを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記画像処理手段は、前記現像処理が完了したタイミングで前記加工処理を実行し、
前記表示制御手段は、前記現像処理により生成された現像画像と前記加工処理により生成された加工画像を前記ライブビュー画像の表示画面の一部に表示させる、
ことを特徴とする請求項12に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記画像処理手段による前記画像処理が実行中であっても撮影指示を待機する撮影準備状態を維持する撮影制御手段を更に備える、
ことを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項15】
ライブビュー画像の表示中における撮影指示に応じて撮像された撮影画像に対して、同じ撮影画像から異なる部分を切り出す画像処理を実行するステップと、
前記各画像処理で得られた複数の処理画像を前記ライブビュー画像を表示させたままの状態で、前記画像処理が完了した順番で順次表示させるステップと、
を含むことを特徴とする撮像方法。
【請求項16】
コンピュータに対して、
ライブビュー画像の表示中における撮影指示に応じて撮像された撮影画像に対して、同じ撮影画像から異なる部分を切り出す画像処理を実行する機能と、
前記各画像処理で得られた複数の処理画像を前記ライブビュー画像を表示させたままの状態で、前記画像処理が完了した順番で順次表示させる機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライブビュー画像をモニタ表示する撮像装置、撮像方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ユーザは、デジタルカメラ(撮像装置)で撮影の失敗が許されないような重要な撮影を行う場合に、シャッタ操作に応じて撮影されたプレビュー画像をモニタ画面で確認し、その写り具合が悪ければ、露出や画角などの撮影条件を変更してから撮影をやり直すようにしている。このような場合、モニタ画面の表示内容は、ライブビュー画像(スルー画像)からプレビュー画像に切り替えられるが、このモニタ画面上では両者を直接見比べることができないために、撮影条件の変更を間違えてしまうことがある。そこで、例えば、特許文献1及び特許文献2のようにライブビュー画像とプレビュー画像をモニタ画面上に同時に表示させるようにした技術が存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−117163号公報
【特許文献2】特開2004−23165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した各特許文献の技術は、ライブビュー画像の一部にプレビュー画像を縮小表示することによってライブビュー画像とプレビュー画像とを同時に表示するようにしているが、両者を単に同時に表示するだけでは、例えば、その細部までを詳細に見比べるなど、撮影画像を所望の状態で確認したいような場合に、その確認作業に時間がかかり、ユーザに負担をかけるほか、その間に被写体の状態が大きく変化してしまうことがある。
【0005】
本発明の課題は、撮影指示に応じて撮像された撮影画像の写り具合をライブビュー画像と共に目視確認する場合に円滑な確認を期待できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために本発明の撮像装置は、
ライブビュー画像を表示する撮像装置であって、
前記ライブビュー画像の表示中における撮影指示に応じて撮像された撮影画像に対して、同じ撮影画像から異なる部分を切り出す画像処理を実行する画像処理手段と、
前記画像処理手段により切り出された複数の処理画像を前記ライブビュー画像を表示させたままの状態で、前記画像処理手段による画像処理が完了した順番で順次表示させる表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置である。
【0007】
上述した課題を解決するために本発明の撮像方法は、
ライブビュー画像の表示中における撮影指示に応じて撮像された撮影画像に対して、同じ撮影画像から異なる部分を切り出す画像処理を実行するステップと、
前記各画像処理で得られた複数の処理画像を前記ライブビュー画像を表示させたままの状態で、前記画像処理が完了した順番で順次表示させるステップと、
を含むことを特徴とする撮像方法である。
【0008】
上述した課題を解決するために本発明のプログラムは、
コンピュータに対して、
ライブビュー画像の表示中における撮影指示に応じて撮像された撮影画像に対して、同じ撮影画像から異なる部分を切り出す画像処理を実行する機能と、
前記各画像処理で得られた複数の処理画像を前記ライブビュー画像を表示させたままの状態で、前記画像処理が完了した順番で順次表示させる機能と、
を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、撮影指示に応じて撮像された撮影画像の写り具合をライブビュー画像と共に目視確認する場合に円滑な確認を期待することができ、その結果、適切な撮影支援が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】撮像装置として適用したデジタルカメラの基本的な構成要素を示したブロック図。
図2】現像画像を加工する処理として、現像画像を複数に分割して切り出す処理を説明するための図。
図3】現像画像を加工する処理としてその現像画像を複数に分割して切り出す処理(P1)において、他の分割の仕方を説明するための図。
図4】現像画像を加工する処理として、現像画像内から人間の顔を検出して特定人物であるかを認証し、特定人物であればその被写体部分を切り出す処理を説明するための図。
図5】(1)、(2)は、現像画像及び各加工画像のサムネイル画像をモニタ画面の一部に表示させる表示方式を説明するための図。
図6】現像画像及び各加工画像のサムネイル画像をモニタ画面の一部に表示させる他の表示方式を説明するための図。
図7】電源投入に応じて実行開始されるデジタルカメラの動作(本実施形態の特徴的な動作)を説明するためのフローチャート。
図8図7の動作に続くフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図1図8を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、撮像装置として適用したデジタルカメラの基本的な構成要素を示したブロック図である。このデジタルカメラは、基本的な撮像機能、計時機能、撮影画像を現像する現像処理を行う現像機能などを備え、静止画像のほかに動画像の撮影も可能なコンパクトカメラである。制御部1は、電源部(二次電池)2からの電力供給によって動作し、記憶部3内の各種のプログラムに応じてこのデジタルカメラの全体動作を制御するもので、この制御部1には図示しないCPU(中央演算処理装置)やメモリなどが設けられている。
【0012】
記憶部3は、例えば、ROM、フラッシュメモリなどを有する構成で、後述する図7及び図8に示した動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションなどが格納されているプログラムメモリ3Aを有している。更に、記憶部3は、撮像された撮影データを一時記憶する複数個のバッファを備えたバッファメモリ3Bと、このカメラが動作するために必要となる各種の情報(例えば、フラグなど)を一時的に記憶するその他のワークメモリ3Cと、撮影画像を記録保存する画像メモリ3Dなどを有している。なお、記憶部3は、例えば、SDカード、ICカードなど、着脱自在な可搬型メモリ(記録メディア)を含む構成であってもよく、図示しないが、通信機能を介してネットワークに接続されている状態においては所定のサーバ装置側の記憶領域を含むものであってもよい。
【0013】
操作部4は、図示省略したが、撮影が可能な動作モード(撮影モード)と、撮影済み画像(保存画像)を再生する動作モード(再生モード)とを切り換えるモード変更ボタンと、撮影開始を指示するレリーズボタンのほかに、露出やシャッタスピードなどの撮影条件の設定操作、再生対象を選択する画像選択操作などを行う押しボタン式の各種のキーを備えたもので、制御部1は、この操作部4からの入力操作信号に応じた処理として、例えば、モード変更処理、撮影処理、撮影条件の設定、画像選択処理などを行う。
【0014】
撮像部5は、図示省略したが、光学レンズからの被写体像が撮像素子(CCDやCMOSなど)に結像されることにより被写体を高精細に撮影可能なカメラ部を構成するもので、撮像素子によって光電変換された画像信号(アナログ値の信号)は、デジタル値のデータに変換されてRAW(Bayerパターン)画像としてバッファメモリ3Bに一時記憶される。なお、撮像部5は、制御部1の制御下で、オートフォーカス処理(AF処理)、露出調整処理(AE処理)、オートホワイトバランス調整処理(AWB)、画像圧縮処理、画像復元処理なども実行可能となっている。
【0015】
現像処理部6は、バッファメモリ3B内に一時記憶された現像待ち画像、つまり、現像待ちのRAW画像に対して、例えば、データ補間(デモザイク)を行ったり、カラー変換したり、ホワイトバランスやシャープネスなどを調整したりする現像処理を行い、1画像毎にその現像処理が完了したか否かを判別し、現像の完了時にはその完了通知を制御部1に与える。この現像完了通知を受けた制御部1は、現像処理部6からその現像済みの撮影画像(現像画像)を取得し、この現像画像を加工して加工画像を生成する加工処理を実行するようにしている。そして、この加工処理によって生成した処理画像(加工画像)を現像画像と共に所定のサイズに縮小し、その縮小画像(サムネイル画像)をライブビュー画像の表示画面の一部に表示させるようにしている。そして、制御部1は、現像画像を圧縮処理した後、記憶部3の画像メモリ(例えば、SDカード)3Dに記録保存させる。
【0016】
ここで、撮影画像(現像画像)を加工する処理とは、(P1):現像画像を複数に分割してその分割画像の個々をそれぞれ切り出す処理と、(P2):現像画像内から人間の顔を検出して特定人物であるかを認証し、特定人物であれば、その被写体部分(人物部分)を中心としてその個々をそれぞれ切り出す処理と、(P3):現像画像内からオブジェクト(花、建物、乗り物など)を検出し、そのオブジェクト部分を中心としてその個々を切り出す処理である。制御部1は、この3種類の加工処理の中から予めユーザ操作によって任意に選択された処理を実行するようにしている。なお、加工処理としては、この3種類に限らず、例えば、現像画像から切り出した被写体部分(人物部分)の画像を予め用意されている背景画像(例えば、風景画像)に合成した画像であってもよい。
【0017】
このような加工処理は、現像処理が完了したタイミングで実行され、その加工処理によって生成された処理画像(加工画像)は、ライブビュー画像の表示画面の一部に表示される。タッチ表示部7は、表示パネル7aにタッチパネル7bを積層配設した構成で、表示パネル7aは、高精細液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイで、撮像されたライブビュー画像を表示するモニタ画面として機能したり、撮影画像を再生する再生画面として機能したりする。
【0018】
図2は、現像画像を加工する処理としてその現像画像を複数に分割して切り出す処理(P1)を説明するための図である。
現像画像Aから切り出される5枚の分割画像B〜Fのうち、分割画像Bは、現像画像Aの中央部から切り出された画像を示し、分割画像C〜Fは、現像画像Aの全体を上下左右に分割(四等分)して切り出された各画像を示している。そして、この現像画像A及び各分割画像B〜Fは、それぞれ同一のサイズとなるように縮小されると共に、その縮小画像(サムネイル画像)a〜fは、ライブビュー画像の表示画面(モニタ画面)の一部に表示される。この場合、複数のサムネイル画像a〜fは、所定の順序(重要度に応じた順序)で表示される。
【0019】
図2(1)は、複数のサムネイル画像a〜fを“a〜f”の順(重要度の高い順)に配列する場合で、先ず、最も重要度が高い画像として全体画像aを配列し、次に重要度が高い画像として中央部分からの切り出し画像bを配列し、最も重要度が低い画像として周辺部分からの切り出し画像c〜fを配列する。図2(2)は、複数のサムネイル画像a〜fを“b、c〜f、a”の順(重要度の高い順)に配列する場合で、先ず、最も重要度が高い画像として中央部分からの切り出し画像bを配列し、次に重要度が高い画像として周辺部分からの切り出し画像c〜fを配列し、最も重要度が低い画像として全体画像aを配列する。
【0020】
図2(3)は、複数のサムネイル画像a〜fを“c〜f、a、b”の順(重要度の低い順)に配列する場合で、先ず、最も重要度が低い画像として周辺部分からの切り出し画像c〜fを配列し、次に重要度が低い画像として全体画像aを配列し、最も重要度が高い画像として中央部分からの切り出し画像bを配列する。なお、本実施形態においては、図2(1)〜(3)に示した各配列順のうち、どの配列順を使用して各サムネイル画像を表示させるかは、予めユーザ操作により任意に選択可能としている。なお、配列順の種類は、これに限らず、任意である。また、なお、周辺部分からの切り出し画像c〜fについても、重要度を同一とするか異なるとするかは任意である。
【0021】
図3は、現像画像を加工する処理としてその現像画像を複数に分割して切り出す処理(P1)において、他の分割の仕方を説明するための図である。
現像画像Aの中央部から切り出されたた画像Bと、この画像Bの周辺部を複数(六つ)に分割して切り出された各画像C〜Hを示している。この現像画像A、分割画像B〜Hは、同一のサイズに縮小され、その縮小画像(サムネイル画像)a〜hは、ライブビュー画像のモニタ画面の一部に表示される。この場合、分割画像B〜Hは、その切り出しの仕方によって縦長画像と横長画像とが混在したものとなる。図示の例では、縦長画像と横長画像が混在したままの状態で表示させる場合を示しているが、縦長画像を横長画像に変換し、又は、横長画像を縦長画像に変換して表示させるようにしてもよい。なお、この複数のサムネイル画像a〜hは、図2の場合と基本的には同様に、所定の順序(重要度に応じた順序)で表示される。
【0022】
図4は、現像画像を加工する処理として、現像画像内から人間の顔を検出して特定人物(例えば、家族)であるかを認証し、特定人物であればその被写体部分を切り出す処理(P2)を説明するための図である。
すなわち、現像画像Aを解析して人物の顔を検出し、予め特定人物(例えば、家族)として登録されている人物の顔情報と比較することによって顔認証を行い、その結果、特定人物であれば、その被写体部分(人物部分)を中心として切り出す処理を示している。これによって切り出された画像(例えば、長男)B及び画像C(例えば、長女)の個々は、人物部分を中心とする加工画像である。この現像画像A及び加工画像B及びCは、それぞれ同一のサイズとなるように縮小され、その縮小画像(サムネイル画像)a、b、cは、ライブビュー画像のモニタ画面の一部に表示される。この場合においても複数のサムネイル画像a、b、cは、図2の場合と基本的には同様に、画像a、b、cの順のように所定の順序(重要度に応じた順序)で表示される。
【0023】
また、加工処理(P3)の場合においても基本的には上述した加工処理(P2)と同様であり、現像画像内からオブジェクト(花、建物、乗り物など)を検出し、そのオブジェクト部分を中心としてその個々を切り出した後に、各オブジェクト画像がそれぞれ同一のサイズとなるように縮小し、その縮小画像(サムネイル画像)をライブビュー画像のモニタ画面の一部に表示させるようにしている。この場合においても複数のサムネイル画像は、所定の順序(重要度に応じた順序)で表示される。
【0024】
なお、上述のように、撮影指示に応じて撮像された撮影画像に対する複数の画像処理として、現像処理と加工処理を実行するようにしたが、加工処理の個々を複数の画像処理としてもよい。例えば、加工処理(P1)の場合には、現像画像を分割する処理と分割画像を切り出す処理を含めて複数の画像処理としてもよい。また、加工処理(P2)の場合には、現像画像内から人間の顔を検出して特定人物であるかを認証する処理と、特定人物であれば、その被写体部分(人物部分)を中心としてその個々をそれぞれ切り出す処理を含めて複数の画像処理としてもよい。また、加工処理(P3)の場合には、現像画像内からオブジェクト(花、建物、乗り物など)を検出する処理と、検出したオブジェクト部分を中心としてその個々を切り出す処理を含めて複数の画像処理としてもよい。
【0025】
上述の加工処理によって得られたサムネイル画像をライブビュー画像のモニタ画面の一部に表示させる場合に本実施形態においては、その表示方式として、(D1):現像画像及び各加工画像のサムネイル画像をモニタ画面の一部(ライブビュー画像の下の領域)に並べて同時に表示させる並列表示方式と、(D2):現像画像及び各加工画像のサムネイル画像をモニタ画面の一部(ライブビュー画像の下の領域)に順次追加表示させる追加表示方式と、(D3):現像画像及び各加工画像のサムネイル画像をモニタ画面の一部(ライブビュー画像の下及び右の領域)に順次追加表示させる特殊追加表示方式がある。制御部1は、この3種類の表示方式の中からユーザ操作によって任意に選択された表示方式にしたがって画像表示を制御するようにしている。
【0026】
図5(1)は、現像画像及び各加工画像のサムネイル画像をモニタ画面の一部(ライブビュー画像の下の領域)に所定の順序に並べて同時に表示させる並列表示方式(D1)を説明するための図である。
図示の例では、ライブビュー画像の下側の領域(サムネイル画像の表示領域)に、現像画像のサムネイル画像a、各加工画像のサムネイル画像b〜eが横一列に並列表示されている状態を示し、このサムネイル画像の表示領域は、サムネイル画像を5枚まで並列に表示可能となっているが、その数はサムネイル画像の大きさに応じて変更可能となる。なお、図示の例は、サムネイル画像を5枚まで並列して表示する場合を示したが、画面サイズや画像サイズを考慮してその数はこれに限らず、また、画面幅を超える枚数の場合には、一定時間後に自動的に次の画像列に切り替えるようにしてもよい。
【0027】
図5(2)は、現像画像及び各加工画像のサムネイル画像をモニタ画面の一部(ライブビュー画像の下の領域)に所定の順序にしたがって順次追加表示させる追加表示方式(D2)を説明するための図である。
図示の例は、ライブビュー画像の下の領域(サムネイル画像の表示領域)に、現像画像のサムネイル画像a及び各加工画像のサムネイル画像b〜eを順次追加表示させる場合である。この場合、制御部1は、先頭の画像aがモニタ画面の左下に表示されている状態で一定時間が経過すると、画像aを右にシフトして次の画像bを画像aの表示位置に追加表示させ、更に一定時間が経過すると、画像a及び画像bを右にシフトして次の画像cを追加表示させる。そして、画像e、d、cが表示されている状態において、一定時間が経過すると、最初の画像aが追加表示される。以下、一定時間が経過する毎に次の画像が追加表示されることによって各画像は、循環的に表示されることになる。
【0028】
図示の例では、ライブビュー画像が表示されているモニタ画面に画像cが追加表示されたときに、その画像c、b、aが並列表示される。また、画像dが追加表示されたときに、画像aがモニタ画面から外れるために画像d、c、bが並列表示され、画像eが追加表示されたときに、画像bがモニタ画面から外れるために画像e、d、cが並列表示される。なお、図中、矢印方向は、このような追加表示によって画像が進行する方向を示し、図示の例は左から進入して右から退出する場合である。
【0029】
図6は、現像画像及び各加工画像のサムネイル画像をモニタ画面の一部(ライブビュー画像の下及び右の領域)に所定の順序にしたがって順次追加表示させる特殊追加表示方式(D3)を説明するための図である。
図示の例は、ライブビュー画像の下及び右の領域(サムネイル画像の表示領域)に、現像画像のサムネイル画像a、各加工画像のサムネイル画像b〜gを順次追加表示させる場合である。すなわち、モニタ画面上のライブビュー画像の縦横比を維持するようにそのライブビュー画像の縦方向及び横方向の一辺部(ライブビュー画像の下及び右の領域)をサムネイル画像の表示領域として確保し、その領域内に各画像a〜gを順次追加表示させる場合である。図示の例では、サムネイル画像の表示領域を、左右を反転したL字型とした場合で、この領域内に画像を追加表示する場合には、先ず、先頭の画像aが画面の右上に追加表示させた後、以下、一定時間が経過する毎に次の画像を順次追加表示させることによって各画像は、循環的に表示される。
【0030】
この特殊追加表示方式(D3)においても、上述した図5(2)の表示形式と同様に、一定時間が経過する毎に次の画像を順次追加表示させるが、図5(2)の場合には3枚の画像までの同時表示であるのに対し、図6の表示形式の場合には、7枚の画像までの同時表示が可能となる。なお、同時表示が可能な枚数は、これに限らない。また、図中、矢印方向は、このような追加表示によって画像が進行する方向を示し、図示の例では左から進入して右から退出する場合である。なお、上述した図5(1)、(2)、図6で示したサムネイル画像の表示領域は、ライブビュー画像の外側に設けた専用の領域としてもよいが、サムネイル画像をライブビュー画像に重ね合わせて合成表示することによって設けられた領域としてもよい。
【0031】
このように本実施形態において撮像装置(デジタルカメラ)は、ライブビュー画像の表示中における撮影指示(レリーズボタンの操作)に応じて撮像された撮影画像に対して複数の画像処理(現像処理、加工処理)を実行する画像処理手段(制御部1、プログラムメモリ3A)と、前記画像処理手段による各画像処理で得られた複数の処理画像(現像画像、加工画像)を前記ライブビュー画像を表示させたままの状態で順次又は同時に表示させる表示制御手段(制御部1、プログラムメモリ3A、タッチ表示部7)と、を備える構成となっている。
【0032】
次に、本実施形態における撮像装置(デジタルカメラ)の動作概念を図7及び図8に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、ネットワークなどの伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。すなわち、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用して本実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0033】
図7及び図8は、電源投入に応じて実行開始されるデジタルカメラの動作(本実施形態の特徴的な動作)を説明するためのフローチャートである。
先ず、制御部1は、電源投入操作に応じてメモリなどをクリアする初期化処理を実行した後、動作モード(撮影モード/再生モード)を判別し(図7のステップS1)、再生モードであれば(ステップS1)、再生処理に移り(ステップS2)、再生対象として選択された画像をタッチ表示部7に表示させる。そして、再生モードを解除する操作が行われたかを調べ(ステップS3)、再生モードが解除されるまで再生処理を継続するが、再生モードの解除を指示する操作が行われたときには(ステップS3でYES)、上述のステップS1に戻る。これによって撮影モードに切り替えられると(ステップS1でYES)、以下、撮影モードに応じた処理の実行に移る(ステップS4〜S29)。
【0034】
制御部1は、撮影モードに切り替えられると、ライブビュー画像をモニタ画面に表示させる動作を開始する(ステップS4)。そして、操作部4のレリーズボタンの操作によって撮影が指示されたかを調べ(ステップS5)、撮影が指示されなければ(ステップS5でNO)、レリーズボタン以外の操作に応じてその操作に応じた処理に移る(ステップS6)。例えば、露出補正ボタン、フォーカスリンクなどが操作された場合には、その操作に応じて撮影条件を設定する処理を実行し、また、上述した現像画像を加工する処理(P1)〜(P3)の中から任意の加工処理を選択する操作が行われた場合には、その操作に応じて加工処理を選択する処理を実行し、また、上述した表示方式(D1)〜(D3)の中から任意の表示方式を選択する操作が行われた場合には、その操作に応じて表示方式を選択する処理を実行する。そして、撮影モードを解除する操作が行われたかを調べ(ステップS7)、撮影モードの解除が指示されたときには(ステップS7でYES)、上述のステップS1に戻るが、撮影モードのままであれば(ステップS7でNO)、後述するステップS8に移る。
【0035】
いま、レリーズボタンが操作されて撮影が指示されたときには(ステップS5でYES)、それに応答して撮影された撮影画像(RAW画像)をバッファメモリ3Bに格納し(ステップS9)、現像処理部6にその撮影画像(RAW画像)の現像を依頼する(ステップS10)。この場合、現像処理部6は、制御部1から新たな現像依頼を受け取ると、バッファメモリ3B内の空いているバッファ領域に現像依頼された撮影画像を格納し、また、バッファメモリ3B内の現像待ち画像に対してその1画像分の現像が完了したときには、制御部1に対して現像の完了を通知する。
【0036】
制御部1は、現像処理部6から現像完了の通知を受けたかを調べ(ステップS11)、現像中であれば(ステップS11でNO)、バッファメモリ3B内に空きが有るかを調べ(ステップS12)、空きが無ければ(ステップS12でNO)、上述のステップS11に戻り、現像が完了するまで待機状態となるが、バッファメモリ3B内に空きが有れば(ステップS12でYES)、上述のステップS5に戻る。ここで、撮影が指示されず(ステップS5でNO)、かつ撮影モードのままであれば(ステップS7でNO)、現像処理部6から現像完了の通知を受けたかを調べ(ステップS8)、完了通知を受けなければ(ステップS8でNO)、後述するステップS25に移る。
【0037】
現像完了の通知を受けたときには(ステップS8でYES又はステップS11でYES)、現像処理部6から現像済みの撮影画像(現像画像)を取得して、画像メモリ3Dに圧縮保存する処理(ステップS13)を行った後、図8のフローに移り、予めユーザ操作によって選択された現像画像を加工する処理の種別を判別する(ステップS14)。すなわち、現像画像の分割処理(P1)が選択されているのか、現像画像内から特定人物の被写体部分(人物部分)を切り出す顔検出処理(P2)が選択されているのか、現像画像内からオブジェクト部分を切り出すオブジェクト検出処理(P3)が選択されているのかを調べる。
【0038】
分割処理(P1)が選択されているときには、例えば、図2又は図3に示すように現像画像を複数に分割して各分割画像をそれぞれ切り出す処理を行う(ステップS15)。また、顔検出処理(P2)が選択されているときには、例えば、図4に示すように現像画像内から人間の顔を検出して特定人物であるかを認証し、特定人物であれば、その被写体部分(人物部分)を中心として切り出す処理を行う(ステップSS16)。また、オブジェクト検出処理(P3)が選択されているときには、現像画像内からオブジェクト(花、建物、乗り物など)を検出してそのオブジェクト部分を中心として切り出す処理を行う(ステップS17)。
【0039】
そして、制御部1は、上述のようにして得られた現像画像及び各加工画像を同一のサイズに縮小してサムネイル画像を生成すると共に(ステップS18)、この複数のサムネイル画像を所定の順序(画像の重要度に応じた順序)に配列する(ステップS19)。例えば、重要度の高い順又は重要度の低い順に配列するようにしているが、その配列の仕方はユーザ操作により任意に指定された順であってもよい。次に、予めユーザ操作によって選択されたサムネイル画像の表示方式の種別を判別する(ステップS20)。すなわち、並列表示方式(D1)が選択されているのか、追加表示方式(D2)が選択されているのか、特殊追加表示方式(D3)が選択されているのかを調べる。
【0040】
ここで、並列表示方式(D1)が選択されているときには、例えば、図5(1)に示すように、複数のサムネイル画像を所定の順序でモニタ画面の一部(ライブビュー画像の下の領域)に所定の順序(その画像の重要度に応じた順序)に並べて並列表示させる(ステップS21)。また、追加表示方式(D2)が選択されているときには、例えば、図5(2)に示すように、複数のサムネイル画像のうちその先頭の画像をモニタ画面の一部(ライブビュー画像の下の領域)に追加表示させる(ステップS22)。この場合、その先頭画像は画面の左端に追加表示される。また、特殊追加表示方式(D3)が選択されているときには、例えば、図6に示すように、複数のサムネイル画像のうちその先頭の画像をモニタ画面の一部(ライブビュー画像の下及び右の領域)に追加表示させる(ステップS23)。この場合、その先頭画像は、画面の右上に追加表示される。
【0041】
このようにしてサムネイル画像の表示を開始すると、タイマ(図示省略)の計測動作を開始させ(ステップS24)、タイムアウトかを調べる(ステップS25)。このタイマは、サムネイル画像の表示を一定時間に制限するためにサムネイル画像の表示時間を計測するもので、サムネイル表示を開始した時点ではタイムアウト前であるから(ステップS25でNO)、ステップS27に移り、選択されている表示方式は、追加表示方式(D2)又は特殊追加表示方式(D3)であるかを調べる。
【0042】
ここで、並列表示方式(D1)が選択されているときには(ステップS27でNO)、図7のステップS5に戻るが、追加表示方式(D2)又は特殊追加表示方式(D3)が選択されているときには(ステップS27でYES)、次の画像の追加タイミング(例えば、0.5秒間隔)であるかを調べる(ステップS28)。ここで、追加タイミングでなければ(ステップS28でNO)、図7のステップS5に戻るが、追加タイミングであれば(ステップS28でYES)、次の画像を追加表示させる処理(ステップS29)を行った後、図7のステップS5に戻る。このような表示動作を行うことによってサムネイル画像の表示を開始してから一定時間が経過し、そのタイムアウトを検出すると(ステップSでYES)、ライブビュー画像の表示画面(モニタ画面)に表示されているサムネイル画像を全て消去する処理(ステップS26)を行った後、図7のステップS5に戻る。以下、撮影が指示される毎に上述の動作を繰り返す。
【0043】
以上のように、本実施形態において制御部1は、ライブビュー画像の表示中における撮影指示(レリーズボタンの操作)に応じて撮像された撮影画像に対して複数の画像処理を実行し、各画像処理で得られた複数の処理画像をライブビュー画像を表示させたままの状態で順次又は同時にタッチ表示部7に表示させるようにしたので、ライブビュー画像と共に表示される処理画像は多彩なものとなり、撮影指示に応じて撮像された撮影画像の写り具合をライブビュー画像と共に目視確認する場合に円滑な確認を期待することができ、その結果、適切な撮影支援が可能となる。
【0044】
制御部1は、ライブビュー画像の表示中における撮影指示に応じて撮像及び撮像された撮影画像に対する複数の画像処理を開始すると共に、ライブビュー画像を表示させたままの状態で複数の画像処理を実行し、その各画像処理の完了に応じて、各画像処理で得られた処理画像をライブビュー画像を表示させたままの状態で順次又は同時に表示させるようにしたので、ライブビュー画像の表示を中断することなく、複数の画像処理を実行して各処理画像をライブビュー画像と共に確認可能な状態とすることができる。
【0045】
制御部1は、各画像処理で得られた複数の処理画像を所定の順序でライブビュー画像と共に同時に表示させるようにしたので、ユーザは個々の処理画像をその表示順序にしたがって順次確認することができ、更にその確認が円滑なものとなる。
【0046】
制御部1は、各画像処理で得られた複数の処理画像をその重要度に応じた順序で表示させるようにしたので、ユーザは個々の処理画像を重要度の高い順又は重要度の低い順に確認することができ、更にその確認が円滑なものとなる。
【0047】
制御部1は、各画像処理で得られた複数の処理画像をライブビュー画像の表示画面の一部に並べて並列表示させるようにしたので、ライブビュー画像の表示画面上で全ての処理画像を見比べることができる。
【0048】
制御部1は、各画像処理で得られた複数の処理画像をライブビュー画像の表示画面の一部に順次追加表示させるようにしたので、ユーザは追加表示されたタイミングでその追加表示の画像を確認することができるほか、それ以前に追加されて表示されている画像も併せて確認することができる。
【0049】
制御部1は、ライブビュー画像の縦横比を維持するようにその縦方向及び横方向の一辺部に確保した領域内に複数の処理画像を順次追加表示させるようにしたので、複数の処理画像を追加表示させたとしてもライブビュー画像の縦横比を維持することができると共に、追加表示中の画像数を多くすることが可能となる。
【0050】
複数の画像処理は、同じ撮影画像から異なる部分を切り出す処理であるから、例えば、現像画像を複数に分割し個々の分割画像をライブビュー画像と共に表示させることができる。この場合、中心部分の分割画像を確認してからその周囲の分割画像を確認することができるなど、個々の分割画像を時系列的に確認することも可能となる。
【0051】
複数の画像処理は、同じ撮影画像から各々が異なる被写体部分を検出してその被写体部分を切り出す処理であるから、例えば、人物やオブジェクト(花、建物、乗り物など)部分を切り出した個々の被写体部分の画像をライブビュー画像と共に表示させることができる。この場合、個々の画像を時系列的に確認することも可能となる。
【0052】
複数の画像処理の中には、撮影指示に応じて撮像された撮影画像を現像する現像処理と、この現像処理により生成された現像画像を加工して加工画像を生成する加工処理を含むので、現像後の加工画像を得ることができる。
【0053】
制御部1は、現像処理が完了したタイミングで加工処理を実行した際に、この現像画像と加工画像をライブビュー画像の表示画面の一部に表示させるようにしたので、ユーザは現像直後に現像画像と共にその加工画像を確認することができる。
【0054】
なお、上述した実施形態においては、複数の画像処理の全てが完了したタイミングで、各々の画像処理で得られた処理画像を表示させるようにしたが、複数の画像処理の各々が完了したタイミングで、各々の画像処理で得られた処理画像を表示させるようにしてもよい。例えば、複数の画像処理の中に現像処理と加工処理を含む場合には、現像処理が完了した直後にその現像画像の表示を開始し、その加工処理が完了した直後にその加工画像を表示するようにしてもよい。これによって処理が完了する毎にその画像を逐次表示させることができ、撮影指示してから時間を空けずに画像を表示することが可能となる。
【0055】
このように画像処理が完了する毎にその画像を逐次表示させる場合に、制御部1は、ライブビュー画像を表示させたままの状態で複数の画像処理を順番に実行し、かつ、ライブビュー画像を表示させたままの状態で、各画像処理が完了した順番で各画像処理により得られた処理画像を表示させるようにしてもよい。このように画像処理が完了する毎にその画像を逐次表示させることにより全ての画像処理が完了した時点でその処理画像を表示するものに比べて処理画像を素早く表示させることができる。
【0056】
上述した実施形態においては、複数の画像処理によって得られた処理画像を並列表示又は追加表示するようにしたが、複数の処理画像を所定の順序に従った順番でライブビュー画像の表示画面の一部に順次切り換えながら表示するようにしはてもよい。これによってライブビュー画像の表示を中断することなく、ライブビュー画像と見比べられる処理画像を順次変更することができる。
【0057】
上述した実施形態においては、一回の撮影指示で一枚の画像を撮影する場合を例示したが、ライブビュー画像を表示させたままの状態で順次行われる複数回の撮影指示に応じて順次撮影される複数の撮影画像(例えば、連写された複数の撮影画像)の各々に対して、複数の画像処理のいずれかを実行して得られた複数の処理画像を、ライブビュー画像を表示させたままの状態で順次又は同時に表示するようにしてもよい。つまり、一つの撮影画像に対しては1つの処理画像だけを表示するが、各々の撮影画像で表示対象となる画像処理の種類が異なる場合には、複数の撮影画像の全体として、撮像された(複数の)撮影画像に対して複数の画像処理を実行して得られた複数の処理画像をライブビュー画像を表示させたままの状態で順次又は同時に表示するようにしてもよい。これによって、ユーザは、複数回の撮影のそれぞれについて、複数の撮影画像に対して複数の画像処理を実行して得られた複数の処理画像を見比べることができる。
【0058】
上述した実施形態においては、複数の処理画像として現像画像及び加工画像を、ライブビュー画像を表示させたままの状態で順次又は同時に表示させるようにしたが、これに限らず、以下のような表示方法であってもよい。例えば、現像画像を表示せずに、ライブビュー画像を表示させたままの状態で加工画像を順次表示又は同時表示するようにしてもよい。又は、現像画像と加工画像を順次表示した後、複数の加工画像を同時に表示するようにしてもよい。又は、現像完了後に現像画像を表示した後、複数の加工処理が完了した場合に、現像画像の表示を削除して複数の加工画像を同時に表示するようにしてもよい。このような表示方法の中から複数の処理画像として現像画像及び加工画像を、どのような方法で表示するかをユーザ操作により任意に選択可能としてもよい。
【0059】
上述した実施形態においては、複数の画像処理の全てが完了し、その画像処理の表示を開始してから撮影指示を受け付け可能としたが、複数の画像処理のいずれかが実行中であっても撮影指示を受け付け可能とする、つまり、撮影指示を待機する撮影準備状態を維持するようにしてもよい。これによってユーザにあっては複数の画像処理の完了を待つことなく、次の撮影を指示することができる。
【0060】
また、複数の画像処理は、同じ撮影画像を並行処理する異なる画像処理であってもよく、又は同じ撮影画像を逐次処理する異なる画像処理であってもよい。
また、例えば、複数の画像処理を並行して実行した場合には各処理画像を同時表示(並列表示)し、複数の画像処理を逐次実行した場合には各処理画像を順次表示するなど、処理の種類や処理時間に応じて表示方法を選択するようにしてもよい。
【0061】
上述した実施形態においては、一回の撮影指示で一枚の画像を撮影する場合を例示したが、例えば、一回の撮影指示で撮影パラメータ(例えば、露出、ホワイトバランスなど)の初期値(基準値)及びその初期値を変更した値に基づいて複数回の高速撮影を連続して行うブラケッテング撮影機能や一回の撮影指示で複数枚の撮影を連続して行う連写機能を備えたデジタルカメラにおいては、そのブラケッテング撮影や連写にも同様に適用可能である。この場合、ブラケッテング撮影や連写された複数の撮影画像の個々に対して複数の画像処理を実行するようにしてもよい。例えば、露出のブラケッテング撮影を行った場合には、“露出=AE、−2EV、+2EVで撮影された各撮影画像の個々に対して複数の画像処理(現像処理、加工処理)を実行するようにしてもよい。この場合においても各画像処理で得られた複数の処理画像をライブビュー画像と共に同時に表示させるようにすれば、ユーザはその処理画像の表示で露出状態を確認し、所望する露出を素早く見つけ出すことが可能となる。
【0062】
また、上述した実施形態においては、撮像装置としてデジタルカメラに適用した場合を示したが、これに限らず、カメラ機能付きスマートフォンなどの携帯電話・タブレット端末・PDA(個人向け携帯型情報通信機器)・電子ゲーム・音楽プレイヤーなどであってもよい。
【0063】
また、上述した実施形態において示した“装置”や“部”とは、機能別に複数の筐体に分離されていてもよく、単一の筐体に限らない。また、上述したフローチャートに記述した各ステップは、時系列的な処理に限らず、複数のステップを並列的に処理したり、別個独立して処理したりするようにしてもよい。
【0064】
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は、これに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下、本願出願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、
ライブビュー画像を表示する撮像装置であって、
前記ライブビュー画像の表示中における撮影指示に応じて撮像された撮影画像に対して複数の画像処理を実行する画像処理手段と、
前記画像処理手段による各画像処理で得られた複数の処理画像を前記ライブビュー画像を表示させたままの状態で順次又は同時に表示させる表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置である。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の撮像装置において、
前記画像処理手段は、前記ライブビュー画像の表示中における撮影指示に応じて撮像及び撮像された撮影画像に対する複数の画像処理を開始すると共に、前記ライブビュー画像を表示させたままの状態で前記複数の画像処理を実行し、
前記表示制御手段は、前記ライブビュー画像を表示させたままの状態で、前記画像処理手段による各画像処理の完了に応じて、各画像処理で得られた処理画像を順次又は同時に表示させる、
ことを特徴とする記載の撮像装置である。
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の撮像装置において、
前記表示制御手段は、前記画像処理手段による各画像処理で得られた複数の処理画像を所定の順序で前記ライブビュー画像を表示させたままの状態で順次又は同時に表示させる、
ことを特徴とする撮像装置である。(請求項4)
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の撮像装置において、
前記表示制御手段は、前記画像処理手段による各画像処理で得られた複数の処理画像を所定の順序に従った表示位置で前記ライブビュー画像の表示画面の一部に並べて並列表示させる、
ことを特徴とする撮像装置である。
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の撮像装置において、
前記表示制御手段は、前記画像処理手段による各画像処理で得られた複数の処理画像を所定の順序に従った順番で前記ライブビュー画像の表示画面の一部に順次追加表示させる、
ことを特徴とする撮像装置である。
(請求項6)
請求項6に記載の発明は、請求項2に記載の撮像装置において、
前記表示制御手段は、前記画像処理手段による各画像処理で得られた複数の処理画像を前記所定の順序に従った順番で前記ライブビュー画像の表示画面の一部に順次切り換えながら表示させていく、
ことを特徴とする撮像装置である。
(請求項7)
請求項7に記載の発明は、請求項2〜請求項6のいずれか1項に記載の撮像装置において、
前記表示制御手段は、前記画像処理手段による各画像処理で得られた複数の処理画像をその重要度に応じた順序で表示させる、
ことを特徴とする撮像装置である。
(請求項8)
請求項8に記載の発明は、請求項2〜請求項6のいずれか1項に記載の撮像装置において、
前記画像処理手段は、前記ライブビュー画像を表示させたままの状態で前記複数の画像処理を順番に実行し、
前記表示制御手段は、前記ライブビュー画像を表示させたままの状態で、前記画像処理手段による各画像処理が完了した順番で各画像処理により得られた処理画像を表示させていく、
ことを特徴とする撮像装置である。
(請求項9)
請求項9に記載の発明は、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の撮像装置において、
前記画像処理手段は、前記ライブビュー画像を表示させたままの状態で順次行われる複数回の撮影指示に応じて順次撮像される複数の撮影画像の各々に対して、前記複数の画像処理を順次実行し、
前記表示制御手段は、複数の撮影画像の各々に対して前記複数の画像処理のいずれかを実行して得られた複数の処理画像を、前記ライブビュー画像を表示させたままの状態で順次又は同時に表示させる、
ことを特徴とする撮像装置である。
(請求項10)
請求項10に記載の発明は、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の撮像装置において、
前記表示制御手段は、前記ライブビュー画像の縦横比を維持するようにその縦方向及び横方向の一辺部に確保した領域を、前記ライブビュー画像の表示画面の一部とし、この領域内に前記複数の処理画像を順次追加表示させる、
ことを特徴とする撮像装置である。
(請求項11)
請求項11に記載の発明は、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の撮像装置において、
前記画像処理手段による複数の画像処理は、同じ撮影画像から異なる部分を切り出す処理である、
ことを特徴とする撮像装置である。
(請求項12)
請求項12に記載の発明は、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の撮像装置において、
前記画像処理手段による複数の画像処理は、同じ撮影画像から各々が異なる被写体部分を検出してその被写体部分を切り出す処理である、
ことを特徴とする撮像装置である。
(請求項13)
請求項13に記載の発明は、請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の撮像装置において、
前記画像処理手段による複数の画像処理の中には、前記撮影指示に応じて撮像されたRAW画像を現像する現像処理と、この現像処理により生成された現像画像を加工して加工画像を生成する加工処理を含む、
ことを特徴とする撮像装置である。
(請求項14)
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の撮像装置において、
前記画像処理手段は、前記現像処理が完了したタイミングで前記加工処理を実行し、
前記表示制御手段は、前記現像処理により生成された現像画像と前記加工処理により生成された加工画像を前記ライブビュー画像の表示画面の一部に表示させる、
ことを特徴とする撮像装置である。
(請求項15)
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の撮像装置において、
前記表示制御手段は、前記複数の画像処理の各々が完了したタイミングで、各々の画像処理で得られた処理画像を表示させる、
ことを特徴とする撮像装置である。
(請求項16)
請求項16に記載の発明は、請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載の撮像装置において、
前記画像処理手段による前記複数の画像処理のいずれかが実行中であっても撮影指示を待機する撮影準備状態を維持する撮影制御手段を更に備える、
ことを特徴とする撮像装置である。
(請求項17)
請求項17に記載の発明は、
ライブビュー画像の表示中における撮影指示に応じて撮像された撮影画像に対して複数の画像処理を実行するステップと、
前記各画像処理で得られた複数の処理画像を前記ライブビュー画像を表示させたままの状態で順次又は同時に表示させるステップと、
を含むことを特徴とする撮像方法である。
(請求項18)
請求項18に記載の発明は、
コンピュータに対して、
ライブビュー画像の表示中における撮影指示に応じて撮像された撮影画像に対して複数の画像処理を実行する機能と、
前記各画像処理で得られた複数の処理画像を前記ライブビュー画像を表示させたままの状態で順次又は同時に表示させる機能と、
を実現させるためのプログラムである。
【符号の説明】
【0065】
1 制御部
3 記憶部
3A プログラムメモリ
3B バッファメモリ
3D 画像メモリ
4 操作部
5 撮像部
6 現像処理部
7 タッチ表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8