特許第6332916号(P6332916)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6332916
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】着色ガラス
(51)【国際特許分類】
   C03C 4/02 20060101AFI20180521BHJP
   C03C 3/17 20060101ALI20180521BHJP
   C03C 17/34 20060101ALI20180521BHJP
   G02B 5/22 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   C03C4/02
   C03C3/17
   C03C17/34 Z
   G02B5/22
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2013-131995(P2013-131995)
(22)【出願日】2013年6月24日
(65)【公開番号】特開2014-12630(P2014-12630A)
(43)【公開日】2014年1月23日
【審査請求日】2016年4月21日
(31)【優先権主張番号】10 2012 210 552.2
(32)【優先日】2012年6月22日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】504299782
【氏名又は名称】ショット アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Schott AG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ビアンカ シュレーダー
(72)【発明者】
【氏名】ウテ ヴェルフェル
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ ビアテュンプフェル
(72)【発明者】
【氏名】シュテファニー ハンゼン
【審査官】 増山 淳子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−263190(JP,A)
【文献】 特開2011−162409(JP,A)
【文献】 特開平06−072739(JP,A)
【文献】 特開昭57−149845(JP,A)
【文献】 特開2006−342045(JP,A)
【文献】 特開平11−209144(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 1/00 − 14/00
INTERGLAD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の組成を有する着色ガラス(酸化物に基づく質量%):
【表1】
であって、ZrO2を含まない、前記ガラス。
【請求項2】
以下の組成を有する着色ガラス(酸化物に基づく質量%):
【表2】
であって、ZrO2を含まない、前記ガラス。
【請求項3】
フッ素を15質量%未満の割合で含有し、および/またはROを少なくとも10質量%の合計の割合で含有する、請求項1または2に記載の着色ガラス。
【請求項4】
フッ素を10質量%未満の割合で含有する、請求項3に記載の着色ガラス。
【請求項5】
20アニオン%未満のF-を含有する、請求項1または2に記載の着色ガラス。
【請求項6】
ZnO、V25、Nb25、Fe23、およびLi2Oからなる群から選択される、1つまたはそれより多くの元素を含まない、請求項1から5までのいずれか1項に記載の着色ガラス。
【請求項7】
最大50%の架橋度を有する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の着色ガラス。
【請求項8】
酸化カルシウムと酸化銅との含有率の合計が、10〜30質量%である、請求項1から7までのいずれか1項に記載の着色ガラス。
【請求項9】
フィルタガラスとして、請求項1から8までのいずれか1項に記載の着色ガラスを含むフィルタ。
【請求項10】
フィルタ表面の少なくとも1つがコーティングを有する、請求項9に記載のフィルタ。
【請求項11】
請求項1から8までのいずれか1項に記載の着色ガラスの製造方法であって、
・ ガラス成分の融液を製造する段階、
・ 該ガラス融液を通じて酸素をバブリングさせる段階
を有する前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は着色ガラス、特に、フィルタガラスとして使用するために青色に着色された(フルオロ)リン酸塩ガラス、かかる着色ガラスのフィルタガラスとしての使用、および該ガラスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明のガラスは、光学バンドパスフィルタとして、即ち、高透過率の、幾分狭い波長領域(「透過領域」または「パスバンド」)を有し、それが非常に低い透過率を有する2つの「バリア領域」によって囲まれているフィルタとして使用することができる。かかるガラスは、光学ガラスフィルタとして、例えばビデオカメラおよびデジタルカメラ内の色補正フィルタとして使用される。さらなる使用分野は、例えばディスプレイ等において、LEDのNIR光線をブロックするためのフィルタである。350〜650nm領域における高い透過率の他に、隣接するUVにおける「急峻なエッジ」および700nmより上での非常に低い透過率が、本発明のガラスには典型的である。NIRブロッキングフィルタは航空/航海においても使用されるので、高いブロッキングの場合、特定の色位置の正確さが必要とされる(例えば白または緑の色位置)。例えば高エネルギー光線によって繊細な電子素子の配列が損傷されることを回避するためにUV領域を好ましくは完全にブロックすべき一方で、例えばカメラ内で使用される場合、CCD(電荷結合素子)センサによって引き起こされる、写真における赤みを補償するために、700nmより上の領域の入射光線の強度を減衰させるべきである。これは、例えば一定のフィルタ厚で、NIRにおける透過値約10-5から約10-20または10-22までを必要とする。
【0003】
(フルオロ)リン酸塩ガラスは、フィルタガラスとして使用するために、原則的に従来技術から公知である。しかしながら、それらのガラスは耐候性が乏しく、且つ、多くの場合、フッ素含有率が非常に高いことに起因して製造が困難であるという欠点を有し、なぜなら、フッ素そのもの、および多くのガラス成分のフッ化物は、従来の製造工程の条件下で揮発性であるからである。従って、第一に安定性が良好であり且つ第二に経済的な製造工程によって得ることができるガラスを得るという目的で、(フルオロ)リン酸塩ガラスの組成を最適化するための多くの試みがなされている。
【0004】
さらには、非常に薄いフィルタのニーズが高まっており、そのためにはガラスがより強く着色されなければならない。しかしながら、これは、ガラス製造における問題をもたらし、なぜなら、より強く着色されたガラスのためには、より高い含有率の着色成分、例えばCuOを添加しなければならないからである。しかしながら、それらの量がより多いと、それらの着色成分は、着色成分としてだけではなく、ガラス成分としても作用し、ガラスの他の物理的特性、および製造されるガラスの性能に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の課題は、従来技術の問題を解決する着色ガラスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、特許請求の範囲の内容によって解決できる。
【0007】
前記課題は、特に、以下の組成を有する着色ガラスによって解決される(特段記載されない限り、酸化物に基づく質量%):
【表1】
【0008】
「銅が多い実施態様または銅を多く含む実施態様」として言及される本発明の実施態様において、以下の組成を有する着色ガラスが好ましい(酸化物に基づく質量%):
【表2】
【0009】
「銅が少ない実施態様」として言及される本発明のさらなる実施態様において、以下の組成を有する着色ガラスが好ましい(酸化物に基づく質量%):
【表3】
【0010】
図面において:
図1および2は、例示的なガラス17による、本発明によるガラスの透過率曲線を示す。上述の用途のための着色フィルタガラスは、他のガラスとは対照的に、多くの場合、特定の透過率特性、例えばT50およびブロッキングに関して特徴的である。図1に示されるとおり、ブロッキングという用語は、NIR領域における最低の透過率を示すために使用される一方で、図2は、T50値、即ち近赤外(NIR)領域における透過率が正確に50%である波長を示す。
【0011】
図3および4は、特に、基本的に同一の組成を有し、CoOを有する、および有さない、実施例50(Co含有ガラス)および51(Coを含まないガラス)を比較した色度図CIE1976を示す。
【0012】
人間の目には、本発明のガラスは青、青緑、ターコイズ、またはシアンに見え、且つ、例えばIR遮断フィルタとして使用される。色は副次的なものである。むしろ、それは、デジタルカメラのセンサ前方のフィルタとして使用するために重要な着色酸化物CuOを添加することによってもたらされる、約320nmまでの紫外線、および約850nmでの近赤外における吸収によるフィルタの特徴である。UVブロックは、基礎ガラス自体およびCuOによってもたらされ、且つ、随意にCeO2の添加によって強化することができる。
【0013】
リン酸塩ガラスのP5+架橋度は、ガラス内でのリン原子の架橋の程度を表す。ここで、各々のP5+は、最大3つの酸素原子によって架橋でき、前記酸素はさらなる原子価を介して次のリン原子への結合を形成できる、即ち、網目に寄与する。PO4四面体内の第4の酸素は、リンが5価であることに基づき、リン原子に二重結合するので、この酸素は他の相手への結合を形成できず、従って網目には寄与しない。各々のリン原子が酸化状態5+であり且つ他の結合相手への結合を形成できる3つの酸素原子に結合している網目において、架橋度は100%である。当業者には、この状況がわかるであろう。
【0014】
本発明の実施態様において、ガラスの架橋度を少なくとも45%、特に少なくとも65%、より特に少なくとも68%、および特定の実施態様によれば少なくとも72%の値に設定できる。好ましくは、架橋度は最大90%、より好ましくは最大88%である。これは、第一に、適した成分を選択することによって、そして第二に、酸素、好ましくは少なくとも99%の純度を有する酸素をガラス融液中に導入し得ることによって実現される。この「バブリング」段階は、ガラス成分の酸化還元比を、より高い原子価の側へと調整することを可能にし、そのことは、とりわけ、フィルタ特性に有利な影響を及ぼす。バブリングの副作用は、ある割合のフッ素がガラスから追い払われることである。第一にフッ素はフィルタ特性(透過率)を設定するために必要であり、且つ、第二に、それはガラスの安定性を高める。本発明のガラスは、特に、酸素をバッチ溶融、例えばるつぼ溶融において、10〜40分、好ましくは10〜30分の時間、融液中にバブリングして入れる方法によって製造できる。連続溶融、例えばタンク溶融の場合、好ましくはバブリングを連続的に、且つ好ましくはタンクの溶融領域において実施する。このバブリングは900℃より高い、好ましくは925℃より高い、およびより好ましくは1000℃より高い温度で実施すべきであり、好ましくは1200℃の温度を超えず、且つ、特に好ましい実施態様においては最高1100℃の温度を超えない。例えば30リットルのるつぼの場合、酸素の流量は好ましくは少なくとも40l/h、より好ましくは少なくとも50l/h、および好ましくは最大80l/h、およびより好ましくは最大70l/hである。これらのパラメータが固守される場合、本発明によるガラスが以下に示される組成範囲で得られる。ここで記載される製造方法は、その方法によって製造され得るガラスと同様に、本発明の一部である。
【0015】
本発明によって達成できることが望ましい、向上されたガラスの耐候性のためには、ガラス中でリンの酸素に対する特定のモル比になっていなければならない。このモル比は、本発明によれば好ましくは少なくとも0.20、より好ましくは少なくとも0.25である。また、このモル比は、好ましくは最大0.40、より好ましくは最大0.35、最も好ましくは0.31である。本発明のフィルタガラスの概念と関連して、前記モル比が適切に設定される場合、本発明による架橋度をガラス内で達成できる。
【0016】
架橋度は、31P−NMR分析によって、特にMAS(マジック角度回転)分析において測定できる。この測定は、当業者に公知である。
【0017】
ガラス形成物として、本発明によるガラス中のリン酸塩の含有率は少なくとも25質量%であり、比較的高い。リン酸塩含有率の上限は、最大75質量%、好ましくは最大65質量%である。好ましい実施態様において、本発明のガラスは、リン酸塩を最大62質量%、より好ましくは最大60質量%含む。特定の実施態様は、少なくとも27質量%のリン酸塩を含む。
【0018】
本発明のガラスの特定の実施態様は、40質量%より多くの量のリン酸塩を含む。それらの実施態様において、アルカリ土類金属酸化物の含有率は、少なくとも10質量%、より好ましくは少なくとも15質量%であるべきである。40質量%未満の量のリン酸塩を有する他の実施態様においては、アルカリ土類金属酸化物の含有率は、少なくとも25質量%、およびより好ましくは少なくとも26質量%であり、且つ、最大40質量%、好ましくは最大38質量%、およびより好ましくは最大37質量%であるべきである。
【0019】
酸化アルミニウムAl23は、本発明のガラス中に0.5〜15質量%の割合で存在する。好ましい実施態様において、ガラスは少なくとも1質量%の酸化アルミニウムを含む。13質量%を上回らない酸化アルミニウム含有率が特に好ましく、より好ましくは最大11質量%、最も好ましくは最大10質量%である。本発明の実施態様は、最大5質量%だけ、より好ましくは最大3質量%の酸化アルミニウムを含有する。
【0020】
本発明のガラスの十分な安定性を確実にするために、ガラス形成物の、即ちリン酸塩および酸化アルミニウムの割合は、好ましくは合わせて35質量%よりも上であるべきである。2つの成分の合計は、好ましくは最大85質量%、より好ましくは最大70質量%、さらにより好ましくは最大65質量%、および最も好ましくは最大55質量%である。
【0021】
ここで、リン酸塩の酸化アルミニウムに対する質量比を少なくとも3、且つ好ましくは最大25の値に設定することが特に有利であることが判明している。さらに好ましい実施態様において、この値は最大21である。
【0022】
IR遮断フィルタとして使用するために必要なガラスの透過率を達成するために、酸化物を部分的にフッ化物で置き換えることができる。しかしながら、フッ素イオンの添加は常に、製造工程の間に、フッ素が混合物から放出されるというリスクを負う。従って、フッ化物によって置き換えられる酸化物の量は、多すぎてはならない。本発明のガラスは、フッ素を最大20質量%、好ましくは15質量%未満、および特定の実施態様によれば10質量%未満、好ましくは最大7質量%、またはさらに最大5質量%の割合で含有できる。ガラスの好ましい実施態様は、少なくとも1質量%の割合でフッ素を含有する。
【0023】
ガラスのさらなる実施態様によれば、ガラスは少なくとも1アニオン%、および/または20アニオン%未満、好ましくは最大10アニオン%、1つの実施態様によれば最大5アニオン%だけのF-を含有する。好ましくは、ガラスは、80アニオン%より多く、より好ましくは少なくとも90アニオン%、さらにより好ましくは少なくとも95アニオン%、および/または最大99アニオン%のO2-を含有する。
【0024】
意外なことに、本発明のガラス系において、ガラスの安定性を損なうことなく、フッ素アニオンの酸素アニオンに対する非常に様々な割合を設定することができる。従って、本発明のガラスにおけるフッ素の酸素に対するアニオン%での比は、例えば、少なくとも0.005、特に少なくとも0.01、より特定には少なくとも0.03であってよく、最大0.6まで、特に最大0.53、特定の実施態様によれば最大0.25であってよい。
【0025】
45質量%より高い割合でリン酸塩を有するガラスにおいては、好ましくは12質量%までの酸化物イオンがフッ化物イオンによって置き換えられ、より好ましくは10質量%まで、特に好ましくは8質量%である。40質量%未満の量でリン酸塩を有するガラスにおいては、少なくとも9質量%の酸化物イオンがフッ化物によって置き換えられる。
【0026】
上述の関係ゆえに、フッ化物イオンと酸素イオンとがアニオン混合物を代表し、そのアニオン混合物の組成が本発明のガラスの安定性に大きな影響を及ぼす。特に、本発明によれば、この混合物中でのフッ化物のモル割合が37%の値を上回らないことが好ましい。特に好ましい実施態様において、この割合は25%未満、より好ましくは20%未満、および最も好ましくは17%未満である。
【0027】
冒頭部で述べたとおり、本発明のガラスは青色のフィルタガラスである。従って、それは着色成分としての酸化銅(CuO)を1〜20質量%の量で含む。銅の多いガラスの実施態様として示されるガラスの実施態様においては、ガラスは7質量%より多く、好ましくは少なくとも10質量%のCuOを含有する。銅の少ない実施態様として知られる他の実施態様においては、ガラスは1〜7質量%のCuOを含有する。酸化銅が少なすぎる量で使用されると、本発明の目的のためには着色作用が不充分である。高すぎる酸化銅の含有率が選択されると、ガラスの透過率に悪影響する。
【0028】
本発明の1つの実施態様による着色ガラスは、酸化セリウム(CeO2)を少なくとも0.01質量%、好ましくは少なくとも0.02質量%、および1質量%未満、好ましくは最大0.8質量%、より好ましくは最大0.6質量%、最も好ましくは最大0.5質量%の量で含む。ガラスのいくつかの実施態様は、酸化セリウムを含まない。酸化セリウムは、UV領域における吸収によって、UV光線に対するガラスの安定性を高める。
【0029】
色空間におけるガラスの位置を、追加的なドーパントとしてより少量のCoOを、特に少なくとも0.01質量%および/または最大1.5質量%、好ましくは0.5質量%、最も好ましくは最大0.2質量%の割合で添加することによって設定できる。ここで、コバルトの吸収は、追加的に、470nmからのCuOに吸収に重なり合い、従って色位置が「白」または「緑」の方向において細かく調整される。本発明の目的では、色位置は、式(u’−u’12+(v’−v’12≦(r)2 [前記u’およびv’は試験試料の色度座標であり、且つ、前記u’1およびv’1は、色位置の中心点の色度座標であり、且つ、前記rはCIE色度図の許容される円形の領域の半径である]による円形の領域である(MIL STD 3009またはRTCA DO−275参照)。例えばMIL STD 3009によれば、色位置「緑」は、u’=0.088、v’=0.543およびr=0.037によって記載され、且つ、色位置「白」は、u’=0.190、v=0.49およびr=0.04によって記載される。RTCA DO−275によれば、例えば色位置「白」は、u’=0.180、v=0.50およびr=0.055によって記載される。図3および4は、基本的に同一のガラス組成を有するがしかしCoOを有するまたは有さない実施例50(CoOを含まないガラス)および51(CoO含有ガラス)の色度図CIE1976(2°測色標準観測者/Δλ=5nm(380〜780nm))を、白の色位置に関して示す。測定は、黒体を使用して行われた。図3はMIL STD 3009による色度図を示し(試料厚さ0.5mm)、図4はRTCA DO−275による色度図を示す(試料厚さ1.4mm)。両方の図において、CoOをガラスに添加することによって、色位置を白の色位置により近づけてシフトさせ得ることを観察できる。特に、CoO含有ガラスは、黒体を使用して、1800Kの色温度を有し、CoOを含まないガラスについての2200Kと比較して、許容される色位置を既に発している。従って、CoO含有ガラスは例えばより小さな電球を有するランプのために適している。
【0030】
リン酸塩、アルカリ金属酸化物、およびCuOの含有率の合計は、好ましくは少なくとも40質量%、より好ましくは少なくとも50質量%、さらにより好ましくは少なくとも60質量%、および最も好ましくは少なくとも70質量%であり、および/または好ましくは最大95質量%、より好ましくは最大80質量%である。
【0031】
酸化銅(CuO)のリン酸塩(P25)に対する質量比を、最大0.50、好ましくは最大0.30の値が達成されるように設定できる。その値は、少なくとも0.09より下になるべきではない。本発明者らは、酸化銅のリン酸塩に対する質量比が、得られる色の品質に重大な影響を及ぼすことを見出した。従って、使用される量は、記載された質量比が達成できるように設定されるべきである。この質量比CuO/P25の下限は、好ましくは少なくとも0.1であるべきである。酸化銅のリン酸塩に対する質量比は、好ましくは0.1〜0.21である。
【0032】
本発明のガラスは、少なくとも1つのアルカリ金属酸化物R2Oを含む。アルカリ金属酸化物は、融液中で融剤としてはたらくことによって、ガラスの加工助剤として機能する、即ち、それらはガラスの粘度を低下させ、且つ、ガラス転移温度を下げる。しかしながら、それらの酸化物があまりに大量であると、ガラスの安定性が損なわれ、且つ、ガラスの膨張係数が高まる。後者が特に高いと、ガラスはもはや引き続き最適に冷間加工され得ない。さらには、耐熱性および冷却炉内でのガラスのアニールがより困難になる。従って、アルカリ金属酸化物の総含有率は、少なくとも0.5質量%、好ましくは少なくとも1質量%の値を下回るべきではない。ガラスの安定性を危険にさらさないために、それらの酸化物の合計は最大20質量%、好ましくは最大18質量%、ガラスの特定の実施態様においては最大15質量%の値を超えるべきではない。本発明によれば、酸化リチウム(Li2O)、酸化カリウム(K2O)、および酸化ナトリウム(Na2O)を使用することが好ましい。本発明によるガラスは、好ましくは、アルカリ金属酸化物である酸化リチウム、酸化カリウムおよび酸化ナトリウムからなる群の少なくとも2つの代表物を含有する。アルカリ金属酸化物である酸化ナトリウムと酸化カリウムとを組み合わせることが有利であることが判明しており、なぜなら、この組み合わせはガラスに混合アルカリ効果という意味で安定化効果をもたらすからである。
【0033】
本発明のガラスは、酸化ナトリウムも、少なくとも0.01質量%、好ましくは少なくとも1質量%、およびより好ましくは少なくとも2質量%の量で含むことができる。この構成によって、失透安定性を改善することができる。使用量が少なすぎると、この効果は達成されない。安定性を考慮して、最大12質量%、好ましくは最大10質量%、より好ましくは最大8質量%、および特に好ましくは最大6質量%の含有率を上回るべきではない。
【0034】
好ましい実施態様において、本発明のガラスは、酸化カリウムを少なくとも0.01質量%、および好ましくは少なくとも1質量%の量で含む。しかしながら、酸化カリウムの含有率は、最大12質量%、好ましくは最大10質量%、より好ましくは最大9質量%の値を上回るべきではない。そうでなければ、ガラスの化学耐性が過度に損なわれることがある。
【0035】
本発明のガラスは、酸化リチウムを少なくとも0.05質量%、より好ましくは1質量%の量で含むことができる。しかしながら、この成分の含有率は、好ましくは最大12質量%より上であってはならず、なぜなら、特に比較的大量のフッ化物と共に使用される場合、蒸発傾向が大き過ぎるからである。従って好ましい実施態様において、酸化リチウムの割合は、最大10質量%、より好ましくは最大7質量%、特に最大5質量%である。ガラスの実施態様は、好ましくは酸化リチウムを含まない。
【0036】
本発明によれば、ガラスは好ましくは少なくとも1つのアルカリ土類金属酸化物ROも含む。アルカリ土類金属酸化物は、粘度を調整するために役立つ。アルカリ金属酸化物と同様に、それらは網目修飾剤としてはたらく。それらの含有率は、最大40質量%の値を上回るべきではない。本発明のアルカリ土類金属酸化物は、好ましくは酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化バリウム(BaO)、および酸化ストロンチウム(SrO)である。生産に都合の良い粘度を設定できるように、アルカリ土類金属酸化物の含有率は、好ましくは少なくとも10質量%を下回るべきではない。好ましい実施態様において、アルカリ土類金属酸化物の含有率は、最大37.5質量%、より好ましくは最大35.5質量%である。最小含有率は、好ましくは少なくとも0.1質量%以上、より好ましくは少なくとも13質量%、さらにより好ましくは少なくとも16質量%であるべきである。
【0037】
1つの実施態様において、本発明のガラス中のアルカリ土類金属酸化物は、酸化バリウムの質量による割合が、酸化ストロンチウムの質量による割合よりも大きくなるように選択される。本発明によれば酸化マグネシウムと酸化カルシウムとの質量による割合の合計が少なくとも10質量%であることが特に好ましい。酸化マグネシウムと酸化カルシウムとの質量による割合が、合わせて、少なくとも1.3、およびより好ましくは少なくとも2.0倍、酸化バリウムと酸化ストロンチウムとの質量による割合の合計よりも大きいことがさらに好ましい。
【0038】
本発明のガラスは、好ましくは、上述のアルカリ土類金属酸化物の少なくとも2つを含む。
【0039】
酸化マグネシウムMgOの含有率は、好ましくは少なくとも1質量%、より好ましくは少なくとも1.5質量%、および/またはさらにより好ましくは最大10質量%、より好ましくは最大9質量%、さらにより好ましくは最大8質量%である。
【0040】
酸化カルシウムCaOの含有率は、好ましくは少なくとも1質量%、より好ましくは少なくとも1.5質量%、および/または好ましくは最大14質量%、より好ましくは10質量%である。
【0041】
銅の多い着色ガラスの場合、酸化カルシウムと酸化銅との含有率の合計が、最大30質量%、好ましくは最大25質量%であることが有利であることが判明した。合計の最小含有率は、好ましくは少なくとも5質量%、1つの実施態様においては少なくとも10質量%である。
【0042】
酸化バリウムの含有率は、好ましくは少なくとも1質量%、より好ましくは少なくとも2質量%である。酸化バリウムの含有率は、好ましくは最大33質量%、より好ましくは最大30質量%、1つの実施態様においては最大20質量%である。本発明のさらなる実施態様は、最大5質量%、より好ましくは最大3質量%のBaOを含有する。
【0043】
酸化ストロンチウムSrOの含有率は、好ましくは少なくとも0.01質量%であってよい。最大15質量%が大いに好ましく、最大14質量%がより好ましい。ガラスの1つの実施態様はSrOを含まない。
【0044】
1つの実施態様において、R2Oの合計(質量%)の、ROの合計(質量%)に対する比、即ち、(合計のR2O(質量%)/合計のRO(質量%))の比は、最大0.95、より好ましくは最大0.7、さらにより好ましくは最大0.65、および/または好ましくは少なくとも0.1、より好ましくは少なくとも0.2である。
【0045】
酸化亜鉛ZnOは、膨張係数を低減するために役立ち、従って、耐熱性、および冷却炉内でアニールされるガラスの能力を高める。本発明のガラスの特定の組成のおかげで、本発明によれば、好ましくは酸化亜鉛を省くことができる。それにもかかわらず、それが使用される場合は、その含有率は少なくとも0.1質量%および/または最大10質量%であるべきであり、特定の実施態様によれば、その含有率は最大5質量%である。さらなる実施態様によれば、ガラスはZnOを含まない。
【0046】
フッ素と同様に、酸化ホウ素B23も蒸発傾向があり、従って酸化ホウ素の含有率は非常に低くなければならない。本発明によれば、酸化ホウ素含有率は、好ましくは最大1質量%である。酸化ホウ素含有率が最大0.5質量%であることが特に好ましい。1つの実施態様において、酸化ホウ素は、本発明によるガラスに、ガラス成分として添加されない。
【0047】
さらには、ガラスは、Y23、Yb23、La23、およびGd23からなる群から選択される少なくとも1つまたはそれより多くの成分を含有して、青色における、およびUV中の透過領域における透過性を改善できる。それらの成分の各個の含有率は、好ましくは少なくとも1質量%、より好ましくは少なくとも2質量%、最も好ましくは少なくとも3質量%である。かかる成分は、本発明のガラス中に、最大10質量%、より好ましくは最大8質量%、最も好ましくは最大7質量%の割合で存在する。しかしながら、好ましい実施態様は、希土類金属酸化物、例えばY23、Yb23、La23、およびGd23を含まない。
【0048】
本発明の実施態様において、本発明のガラスは、好ましくは、少なくとも90質量%、より好ましくは少なくとも95質量%、最も好ましくは少なくとも99質量%の程度まで、上述の成分からなる。
【0049】
1つの実施態様において、ガラスは、90質量%、好ましくは95質量%、より好ましくは98質量%の程度まで、成分P25、Al23、MgO、CaO、BaO、SrO、Na2O、K2O、CuOおよびFからなる。
【0050】
ガラスの特定の実施態様は、以下の組成範囲を有する(カチオンパーセント):
【表4】
【0051】
このガラスの場合、清澄を、好ましくはまず物理的清澄によって行う、即ち、ガラスは、溶融/清澄温度で泡が生じ得る程度に液体である。
【0052】
清澄剤の添加は、融液中での酸素の放出および浮上(uptake)を促進する。さらには、多価の酸化物は、酸化還元挙動を修正でき、従って、Cu(II)Oの形成を促進する。従って、本発明のガラスは、従来の清澄剤を少量含むことができる。添加される清澄剤の合計は、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは最大0.5質量%である。清澄剤として、1つまたはそれより多くの以下の成分が本発明のガラス中に存在できる(質量%):
【表5】
【0053】
無機過酸化物として、例えば過酸化亜鉛、過酸化リチウム、および/またはアルカリ土類金属の過酸化物を使用することが可能である。
【0054】
本発明の実施態様において、ガラスはAs23を含まず、なぜなら、この成分は環境上の理由から問題があるとみなされているからである。
【0055】
本発明のガラスは、好ましくは酸化バナジウム(V25)を含まず、なぜなら、この酸化物はガラスの透過特性に悪影響を及ぼしかねないからである。同じ理由から、該ガラスは好ましくは酸化鉄(Fe23)を含まない; それにもかかわらず酸化鉄を含有する選択的な実施態様の場合、この含有率は最大0.25質量%に制限される。Fe23は、他の成分によってガラス中に不純物として導入されることがある。
【0056】
好ましい実施態様において、本発明のガラスは、いかなるさらなる着色酸化物、例えばCr、Mnおよび/またはNi成分、または光学活性、例えばレーザー活性の成分、例えばPr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Erおよび/またはTm成分も含まない。さらには、好ましくは、ガラスは健康に有害であることが示されている成分、例えばPb、Cd、TlおよびSeの酸化物、および放射性要素を含まない。
【0057】
さらには、本発明のガラスは好ましくは酸化ニオブ(Nb25)および/または酸化ジルコニウム(ZrO2)を含まない。
【0058】
本発明の実施態様において、本発明によるガラスは、好ましくは、特許請求の範囲または明細書内に記載されていない他の成分も含まず、即ち、かかる実施態様によれば、ガラスは本質的に上述の成分からなり、好ましくない、またはあまり好ましくないとして記載された個々の成分は省くことができる。「本質的に〜からなる」という表現は、他の成分が最大でも不純物として存在するが、しかし個々の成分として故意にガラス組成物に添加されるわけではないことを意味する。
【0059】
本願明細書内で、ガラスが、ある成分を含まないかまたは特定の成分を含有しないと述べられる場合、これは、この成分が最大で不純物としてガラス中に存在することがある、即ち、それが著しい量で、またはとりわけガラス成分として添加されるわけではないことを意味する。本発明によれば、著しくない量とは、100ppm未満、好ましくは50ppm未満、および最も好ましくは10ppm未満の量のことである。
【0060】
温度範囲20〜300℃について測定された本発明のガラスの熱膨張係数α20-300は、好ましくは、最大20×10-6/K、より好ましくは最大18×10-6/Kであり、且つ1つの実施態様においては最大17×10-6/Kの範囲である。これは、さらなる加工および連結する技術における熱膨張の問題を回避する。
【0061】
本発明のガラスは、良好な気候耐性または気候安定性または耐候性を有する。特に、該ガラスを、温度85℃および相対大気湿度85%に、少なくとも400時間、好ましくは少なくとも500時間、透過特性が表面の曇りによって損なわれることなく晒すことができる。
【0062】
本発明のガラスは、好ましくはヌープ硬度少なくとも350、より好ましくは少なくとも400を有する。
【0063】
本発明のガラスを含むフィルタは、好ましくは、少なくとも片側に少なくとも1つのコーティングを有する。これは、好ましくは反射防止(AR)および/またはUV/IR遮断コーティングである。それらの層は、反射を低減させ、且つ、透過を高めるか、またはIRブロックを強化し、且つ、約650nmでの吸収端をより急峻にする。それらの層は干渉層である。反射防止層の場合、ガラスは、少なくとも片側上に、それらの層を4層から10層まで有する。UV/IR遮断コーティングの場合、50層から70層ほどが好ましい。好ましくは、それらの層は硬質の金属酸化物、例えば特にSiO2、Ta23、TiO2、またはAl23からなる。好ましくは、それらの層をフィルタガラスの様々な側に施与する。かかるコーティングは、耐候性もさらに向上させる。
【0064】
本発明のさらなる側面は、本発明によるガラスの製造方法である。以下に記載される段階に従えば、好ましい架橋度を有する特許請求されるガラスを得ることができる。
【0065】
本発明のガラスの製造において、好ましくは複合体のリン酸塩が原材料として混合物に添加される。「複合体のリン酸塩」との表現は、リン酸塩が「遊離」P23の形態では混合物に添加されず、その代わりに、他の成分、例えばNa2O、K2O等が酸化物または炭酸塩の形態ではなくリン酸塩、例えばAl(PO33、Ba(H2PO42、Ca(H2PO42、LiH2PO4、KPO3、NaPO3として、混合物に添加されることを意味する。これは、リン酸塩は、塩のアニオン成分として添加され、この塩自体の対応するカチオン成分は、ガラスの構成要素であることを意味する。これは、複合体のリン酸塩の割合が、遊離P25の消費を増加させるという利点を有し、そのことは溶融工程における良好な制御性をもたらすことができ、且つ、蒸発、ダスチング作用を著しく減少させ、より良好な内部品質と関連する。さらには、遊離リン酸塩の割合が増加すると、製造作業における安全技術についての要請が増加し、そのことにより製造コストが増加する。本発明による措置は、ガラス組成物の加工性を著しく改善する: 混合物の蒸発およびダスチング傾向を劇的に低減し、且つ、著しく改善されたガラスの均質性を達成し、そのことは特に、形成されたガラスの光学的データの質および均質性において反映される。しかしながら、例えば泡および/または脈理に関して一般的に改善されたガラスの内部品質は、リン酸塩を多く含有する材料について観察でき、それ以外では、その不足のために非常に脈理の影響を受けやすい。
【0066】
フッ素は好ましくはフッ化物、例えばAlF3、LiF、NaF、KF、MgF2、CaF2、SrF2の形態でガラス中に導入される。
【0067】
アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物は、炭酸塩として導入することもできる。
【0068】
本発明のガラスは、均質な、予めよく混合された、適切な組成の混合物から、バッチ式の溶融装置、例えばPtるつぼ、または連続的な溶融装置、例えばAZS(Al23−ZrO2−SiO2)タンク、Ptタンクまたはフューズドシリカタンク内で、930〜1100℃の温度で溶融され、次に清澄され、そして均質化される。ガラスの溶融の間、るつぼまたはタンク材料中に存在する成分がガラス中に導入されることがあり、即ち、フューズドシリカタンク内での溶融の後、2質量%までのSiO2が、それを明らかに添加していなくても、ガラス中に存在することがある。溶融温度は、選択された組成に依存する。酸素は好ましくは、ガラスを通じてバブリングされ、融液中の酸化還元比を設定する。好ましくはバブリングを10〜40分の間、または、連続的な溶融工程の場合には、連続的に行うべきである。このバブリングは、融液の均質化のためにもはたらく。上述の効果の他に、バブリングは本発明によれば架橋度の形成も補助する。
【0069】
ガラスの清澄を好ましくは950〜1100℃で行う。揮発性成分、例えばフッ素、Li2OおよびP25の蒸発をできるだけ低く保つために、温度を一般に低く保たなければならない。
【0070】
本発明は、本発明によるガラスのフィルタガラス、特にIR遮断ガラスとしての使用、カメラ内でCCDを保護するためのそれらのガラスの使用、および、例えば安全/航空、暗視用途、およびその種のもののための、NVis用途におけるガラスの使用も提供する。
【図面の簡単な説明】
【0071】
図1】例示的なガラス17による、本発明によるガラスの透過率曲線を示す。
図2】例示的なガラス17による、本発明によるガラスの透過率曲線を示す。
図3】特に、基本的に同一の組成を有し、CoOを有する、および有さない、実施例50(Co含有ガラス)および51(Coを含まないガラス)を比較した色度図CIE1976を示す。
図4】特に、基本的に同一の組成を有し、CoOを有する、および有さない、実施例50(Co含有ガラス)および51(Coを含まないガラス)を比較した色度図CIE1976を示す。
【実施例】
【0072】
表1: 計算された100kgのガラスのための融液の例(実施例7による)
【表6】
【0073】
実施例7の組成を有する着色ガラス100kgを製造するために、表1の合成により、ガラス混合物を力強く混合する。この混合物を950℃で、約3時間にわたって溶融し、そして約30分間、融液を通じて酸素をバブリングする。粘度が低いので、清澄を同様に950℃で行う。約15分から30分までの間、放置した後、ガラスを約940℃の温度でキャストする。
【0074】
図1は、本発明によるガラス(実施例17)の透過スペクトルを示し、それらのガラスが優れたフィルタ特性を有することを実証する。これは、厚さ0.1mmの試料に基づく。
【0075】
ガラスは、350〜450のヌープ硬度HKを有し、従って容易に加工可能であり、且つ、同時に、充分に引掻耐性がある。膨張係数は、20〜300℃の温度範囲について測定して、13×10-6/Kから16×10-6までの範囲内である。該ガラスのガラス転位温度Tgは、約350〜450℃である。
【0076】
表2
【表7】
【0077】
表3
【表8】
【0078】
表4
【表9】
【0079】
表5
【表10】
【0080】
表6
【表11】
【0081】
表7
【表12】
【0082】
表8
【表13】
図1
図2
図3
図4