【文献】
KINGDOM HEARTS Birth by Sleep ULTIMANIA,株式会社スクウェア・エニックス,2010年 3月25日,第1版,pp. 420-425
【文献】
REFLEC BEAT colette Summer,電撃ARCADEゲーム ,株式会社アスキー・メディアワークス,2013年 6月29日,第37巻,p. 127
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記切替実行手段は、直前の切替制御で新たに前記第2の状態に設定されたゲーム要素が、前記第2の状態を維持するように切替制御を実行する請求項1に記載のゲームシステム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の一形態に係るゲームシステムの概略構成を示している。ゲームシステム1は、サーバ装置としてのセンターサーバ2と、そのセンターサーバ2に対してネットワーク4を介して接続可能なクライアント装置としてのゲーム装置3とを含んだサーバ−クライアント型のゲームシステムとして構成されている。センターサーバ2は、複数のサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
【0011】
一方、ゲーム装置3は、ユーザにゲームをプレイさせる機能を備えたネットワーク端末装置の一種である。
図1では、ゲーム装置3の一例として、携帯電話(スマートフォンを含む。)が図示されている。パーソナルコンピュータ(以下、PCと表記する。)、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のネットワーク端末装置がゲーム装置3として利用されてよい。ネットワーク4は、一例として、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成される。典型的には、WANとしてのインターネットとLANとしてのイントラネットとを組み合わせてネットワーク4が構成される。
図1の例において、ゲーム装置3は、ネットワーク4の一部としてのアクセスポイント4aを介してネットワーク4に接続され、センターサーバ2はルータ4bを介してネットワーク4に接続されている。
【0012】
周知のゲームシステムと同様に、センターサーバ2は、ゲーム装置3に対してゲーム用のアプリケーションソフトウエアの配信、ユーザの登録あるいは認証、ゲームで使用するアイテム、背景画像、音楽といったコンテンツの無償又は有償の配信、ユーザ間の情報交換の媒介といった各種のサービスを提供する。この種のゲームシステムでは、ゲームの実行に必要なソフトウエアをクライアント装置上に実装し、ソフトウエアの更新や追加、あるいはオンライン対戦といったサーバの処理が必要な最小限の場合にのみクライアント装置がサーバにアクセスする方式、ゲームの実行時にクライアント装置をサーバに接続させ、ゲームを進行させるための演算処理をサーバ側にて実行し、クライアント装置には、ユーザの操作情報の入力やゲーム画面、楽音の出力とったインターフェース部分のみを担当させる方式等、サーバの利用形態に様々な方式が存在する。以下では、ゲーム用のソフトウエアがゲーム装置3に実装済であり、かつ、プレイする楽曲をユーザの必要に応じてセンターサーバ2から配信し、ゲーム装置3がセンターサーバ2に依存することなく単独で音楽ゲームを実行する場合を例に挙げて説明を続ける。
【0013】
図2は、ゲームシステム1で提供されるゲーム要素調整機能について説明する図である。ゲーム要素調整機能は、ゲーム装置3に配信されるゲーム要素に対して設定される、ユーザによる選択に課される所定の制限を調整する機能である。ここで、ゲーム要素とは、音楽ゲームにおける楽曲や、パズルゲームやアクションゲーム、レースゲーム、シューティングゲーム等におけるステージやモードといった、ダウンロードすることによりゲーム内で単独でプレイできるゲームコンテンツである。ゲーム要素は適宜の設定が可能であり、音楽ゲームを例にとると、複数の楽曲やステージを組み合わせてパッケージとしたものを1つのゲーム要素としてもよいし、1つの楽曲等をゲーム要素としてもよい。このように、ゲーム要素は、ユーザの選択に委ねられるコンテンツを含む概念である。ゲーム要素として適宜の設定が可能である。また、各ゲーム要素には、課金の有無が設定されている。有料のゲーム要素であれば、コンテンツダウンロード(あるいはゲームプレイ)の対価として所定料金を支払う。所定の制限の一例として、所定料金(例えば100円)の支払いが相当する。この場合、制限の解除はゲーム要素が無料になることであり、制限の緩和は所定料金が減額されることである。なお、ゲーム要素のそれぞれに対して設定される、ユーザによる選択に所定の制限が課せられた状態を第1の状態といい、その制限が解除又は緩和された状態を第2の状態という。ゲーム要素の選択の概念には、ダウンロードするゲーム要素の選択や、プレイするゲーム要素の選択等が含まれる。
【0014】
以下、各ゲーム要素として楽曲A〜Lで説明する。ゲーム要素調整機能は、一例として、ゲーム装置3を用いて行われる所定のイベントで利用される。このイベントはゲーム装置3で音楽ゲームをプレイする全ユーザを対象に同じタイミングで実施される。イベント初日である初期状態では、楽曲A〜Gのそれぞれは、無料でセンターサーバ2からゲーム装置3にダウンロードできるように、つまり、第2の状態として設定されている。第2の状態に設定された楽曲A〜Gは、特別楽曲として区別される。特別楽曲には、最初の楽曲で所定の成績が満たされると次の楽曲が利用可能になるように順番が付されている。例えば、最初にユーザが自由に選択できるのは楽曲Aだけで、楽曲Aをクリアすると楽曲Bが選択可能になる。楽曲をクリアする毎に選択可能な楽曲を表示させるようにしてもよい。また、初期状態では、楽曲H〜Lは未提供曲となっており、ユーザは、選択することができない。この点で、楽曲H〜Lも選択に制限が生じており、第1の状態に含まれる。なお、ゲーム装置3で提供される音楽ゲームには、楽曲A〜Lの他にも無料で提供されている楽曲や、有料で提供されている楽曲が設けられていてもよい。
【0015】
所定の切替条件が満たされると、楽曲A〜Lに対して第1の状態と第2の状態とを切り替える切替制御が実行される。切替条件は、時間と関連付けられた条件で、例えば、指定された日時や、1日毎や1週間毎等の周期的に定められた日付、13時から15時まで等の所定の時間帯等が設定される。設定された時間になると切替条件が満たされ、切替制御が実行される。
図2の例で説明すると、4月2日に日付が変わると2日目の切替条件が満たされ、1日目(4月1日)に第2の状態に設定されていた楽曲A〜Gの集合に含まれる少なくとも一部の楽曲が、4月2日も特別楽曲に含まれるようにして切替制御が実行される。この場合、楽曲A〜Gのうち、楽曲B〜Gが2日目も第2の状態に設定される。また、この切替制御により1日目で最初にプレイされる順番に設定されていた楽曲Aは第2の状態から第1の状態に切り替えられ、有料の楽曲に設定される。さらに、特別楽曲には、新たに楽曲Hが加わる。2日目からゲームを開始するユーザ及び1日目で楽曲Aをクリアしていないユーザは、楽曲Bからゲームを開始できる。また、1日目でクリアした楽曲は、クリア済の楽曲として記録され、2日目以降もクリア済の楽曲として扱われる。従って、1日目に楽曲Gまでクリアしているユーザは、2日目は楽曲Hをすぐにプレイすることができる。楽曲Hは、すなわち切替制御が実行されることにより新たに第2の状態に切り替えられた楽曲は、本実施形態においては特別楽曲の順番の最後に設定される。
【0016】
3日目以降も切替条件が満たされると、同様にして切替制御が実行される。3日目には、新たな楽曲Iを含む楽曲C〜Iが第2の状態として設定され、2日目に最初にプレイされる順番に設定されていた楽曲Bは、第1の状態に設定される。3日目は、楽曲C、D…の順にクリアしていくことで第2の状態に設定される楽曲C〜Iを全てプレイできるように設定される。また、2日目に新たに第2の状態に設定された楽曲Hは、3日目も第2の状態を維持する。このようにして新たに加わる楽曲は、次の切替制御でも第2の状態に設定され、ユーザが長い間プレイを楽しめるように配慮される。また、切替制御の前後で第2の状態から第1の状態に切り換えられる楽曲や第1の状態から第2の状態に切り替えられる楽曲が設けられているので、第2の状態を維持する期間が短い楽曲(楽曲A)やその期間が長い楽曲(楽曲D〜G)等、楽曲の希少度や知名度等の特性に合わせて第2の状態の期間を設定することができる。従って、ゲーム要素の制限を柔軟に調整できる。
【0017】
図3は、ゲームシステム1の主要部の制御系における機能ブロック図である。センターサーバ2には、状態制御部21と、記憶部22とが設けられている。状態制御部21は、センターサーバ2のコンピュータハードウエア(CPU及びその動作に必要な内部記憶装置としてのメモリを含む。)とソフトウエアしてのコンピュータプログラムとの組合せによって実現される論理的装置である。記憶部22は、ハードディスクアレイ等の記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部22は、一の記憶ユニット上に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部22には各種のデータが記憶されるが、
図3では条件データ41、コンテンツデータ42及びプレイデータ43が示されている。
【0018】
条件データ41は、上述した切替条件が設定されたデータである。コンテンツデータ42は、ゲーム装置3に実装された音楽ゲームでユーザに楽曲をプレイさせるために提供する楽曲データである。コンテンツデータ42には、楽曲毎に楽曲データが設けられている。各楽曲データには、第1の状態又は第2の状態が記述された状態データが紐付けられている。プレイデータ43は、ユーザがゲームを続きからプレイするためにゲームのプレイ内容を保存したデータである。プレイデータ43は、ユーザ毎に作成され、ユーザの識別情報と対応付けて記憶部22に記憶される。
【0019】
状態制御部21は、複数の楽曲のそれぞれに対して設定される第1の状態と第2の状態との間を切り替える切替制御を実行する。状態制御部21には、さらなる論理的装置として条件判別部23と、切替実行部24とが設けられている。条件判別部23は、条件データ41を参照して、切替制御を実行すべき切替条件が満たされたか否かを判別する。切替実行部24は、切替条件が満たされると、その切替条件が満たされる前の段階で第2の状態に設定されていた楽曲の集合に含まれる少なくとも一部の楽曲が、その切替条件が満たされた後に第2の状態に設定されるべき楽曲の集合に含まれるようにして切替制御を実行する。切替実行部24は、条件データ41に基づいて切替制御を実行し、コンテンツデータ42の各楽曲データに設定されている状態データを書き換える。また、切替実行部24は、各ゲーム装置3に対して、楽曲に設定された状態が切り替わったことを通知する。センターサーバ2には、その他にも、ゲーム装置3に様々なゲームや、ゲームに関連するサービス(一例として、ゲームプレイ内容の閲覧サービスやコミュニティサービス等)を提供するゲームサービス管理部等必要に応じて適宜の論理的装置が実現される。
【0020】
ゲーム装置3には、ゲーム制御部31と、記憶部32とが設けられている。ゲーム制御部31は、ゲーム装置3のハードウエア(CPU及びその内部記憶装置としてのメモリを含む。)とソフトウエアとの組合せによって実現される論理的装置である。ゲーム制御部31は、ゲームの進行に必要な各種の演算制御を実行するとともに、センターサーバ2が提供するゲームサービスを享受するために必要な各種の処理を実行する。記憶部32は、ハードディスク、半導体記憶装置といった記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部32には各種のデータが記録されるが、
図3ではセンターサーバ2から提供されたコンテンツデータ42とプレイデータ43とが示されている。さらに、ゲーム装置3には、操作入力装置33、表示装置34及び音声出力装置35といった各種の入出力装置が設けられている。例えば、ゲーム装置3には、操作入力装置33として透明なタッチパネルが表示装置34に重ね合わされている。表示装置34として液晶ディスプレイ装置等の薄型の装置が利用される。
【0021】
図4は、条件データ41の一例を示している。条件データ41には、第1の状態及び第2の状態を切り替える切替条件が記述されている。切替条件として、切り替えるべき日時が設定されている。また、切替条件には、切替条件が満たされた場合に切り替わる楽曲の状態が紐付けられている。楽曲の状態は、切替制御される前に第2の状態にある楽曲のうち少なくとも一部の楽曲が切替制御後も第2の状態を維持するように設定されている。
【0022】
図5は、コンテンツデータ42の一例を示している。コンテンツデータ42には、楽曲データと状態データとが紐付けられて記述されている。状態データは、現在の状態が設定され、切替制御に応じて適宜書き換えられる。第1の状態として、有料設定、ダウンロード不可設定等さらに詳細に設定されていてもよい。第2の状態として、無料設定、料金減額(あるいは割引)設定等さらに詳細に設定されていてもよい。
【0023】
図6は、プレイデータ43の一例を示している。プレイデータ43は、ユーザ毎に作成されるデータであって、対象となるユーザのゲームに必要な各種の情報をそのユーザの識別情報(一例としてユーザID)と対応付けて記録した構造を有している。一例として、プレイデータ43には、ユーザがゲーム装置3でプレイしたゲームのプレイ回数、プレイ成績、プレイ評価、獲得アイテム、ゲーム設定情報といった、ゲームのプレイと関連付けられた情報が記録されている。プレイ回数には、ユーザがプレイした回数の他、プレイ頻度、プレイ日時、時間帯、平均プレイ時間、ユーザの時間的なプレイ傾向等を記録してもよい。プレイ成績には、ユーザのランキング、勝率、過去の勝敗等の情報が記録される。プレイ評価には、ランクや称号等のユーザに付されたステータスが記録される。獲得アイテムは、ユーザがゲームで獲得したアイテムや購入したアイテム等の情報が記録される。ゲーム設定には、ゲームプレイ時の演出や背景画像等、ゲーム環境設定情報が記録される。
【0024】
図7は、センターサーバ2の状態制御部21が実行する状態制御処理ルーチンを示すフローチャートである。状態制御処理ルーチンは、ゲームシステム1でゲーム要素調整機能を提供するための処理である。状態制御部21は、条件データ41を参照して切替条件を満たすか否かを判別する(ステップS1)。例えば、○月2日の午前0時になると切替条件が満たされる。切替条件が満たされると、状態制御部21は、切替実行処理を実行する(ステップS2)。切替実行処理として、状態制御部21は、条件データ41を参照して、楽曲の状態を切り替える。例えば、○月2日午前0時に、楽曲B〜Hを第2の状態に設定するとともに、楽曲Aを第1の状態に設定する。楽曲A〜Gに所定の順番が付されている場合には、順番に基づいて楽曲の状態を設定してもよい。例えば、最初の順番に付されている楽曲Aを第1の状態に変更してもよい。この切替制御の前後で楽曲B〜Gは、第2の状態を維持し、○月1日から○月2日の間はユーザに無料で提供される。そして、状態制御部21は、各ゲーム装置3に楽曲の状態が変更されたことを通知し(ステップS3)、今回の処理を終了する。例えば、ユーザのゲーム装置3にポップアップ通知してもよいし、センターサーバ2へアクセスしたゲーム装置3に対して新着情報を更新することで通知してもよい。一方で、ステップS1で切替条件を満たさない場合、状態制御部21は今回の処理を終了する。
【0025】
上述した状態制御処理では、切替条件が満たされる毎に(ステップS1)切替実行処理が実行され、楽曲の状態が切り替わり(ステップS2)、ユーザに通知される(ステップS3)。切替制御の前後で少なくとも一部の楽曲は第2の状態を維持されつつ、第1の状態や第2の状態に新たに設定される楽曲を設けることができる。従って、楽曲に設定される制限を柔軟に調整することができる。上述した処理において、状態制御部21の条件判別部23が実行するステップS1の処理が条件判別手段として機能し、切替実行部24が実行するステップS2の処理が切替実行手段として機能する。
【0026】
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、本形態では、
図7のステップS2の切替実行処理で条件データ41を参照して楽曲の状態を切り替えたがこれに限られない。例えば、センターサーバ2で切り替える楽曲を決定する処理をしてもよい。
図8は、センターサーバ2の状態制御部21が実行する変形例に係る切替実行処理を示すフローチャートである。変形例において、
図8の処理は
図7のステップS2に代えて実行される。切替条件が満たされると、状態制御部21は、切替実行時に第2の状態を維持する楽曲を決定する(ステップS11)。状態制御部21は、すでに第2の状態に設定されている楽曲の集合に含まれる少なくとも一部の楽曲を第2の状態を維持する楽曲として設定する。
【0027】
そして、状態制御部21は、第2の状態に設定する楽曲を決定する(ステップS12)。第1の状態から第2の状態に設定してもよいし、新たな楽曲を第2の状態に設定してもよい。第2の状態に設定する楽曲をランダムに決定してもよい。適宜の設定変更が可能である。また、状態制御部21は、第1の状態に設定する楽曲を決定する(ステップS13)。ステップS12と同様に決定すればよい。ステップS12、S13の処理において、特別楽曲に所定の順番が付されている場合には、順番に基づいて楽曲の状態を設定してもよい。例えば、最初の順番に付されている楽曲を第1の状態に変更してもよい。状態制御部21は、ステップS11〜S13で決定した状態に楽曲を切り替え(ステップS14)、
図7のステップS3へ進む。これにより、予め設定しなくても状況に応じて楽曲の状態を切替制御できる。また、ユーザ毎に切替制御することで、ユーザ毎に状態の異なる楽曲を提供することもできる。なお、
図7のステップS3の処理は適宜の変更が可能である。例えば、センターサーバ2へアクセスするユーザを対象に楽曲の状態が変更されたことを通知してもよい。ゲームサービスへのログイン時等の適宜のタイミングで通知してもよい。また、ステップS3の処理を省略し、ユーザに通知しなくてもよい。
【0028】
上述の形態では、ゲーム要素に設定される制限として楽曲への課金の有無で説明したがこれに限られない。例えば、制限として、対価の支払いに代えてゲームで得られるポイントの消費、所定ステージのクリアや所定のアイテムの獲得等が設定されていてもよい。また、制限が対価の支払いである場合に、制限の緩和として、ゲーム内で無料で得られるポイントの消費や所定ステージのクリア等、ゲームプレイに関する条件が設定されてもよい。上述した形態では、ゲーム装置3で提供されるゲームが音楽ゲームであり、ゲーム要素として楽曲が提供される例で説明したがこれに限られない。パズルゲームやRPGゲーム、アクションゲーム、レースゲーム、シューティングゲーム等適宜のゲームに適用でき、ゲーム要素として、ゲームステージや、ゲームモード、ゲーム環境設定等、ユーザによる選択が可能な要素を適宜設定してよい。また、ゲーム要素はゲーム装置3にダウンロードされる形態で説明したが、これに限られない。例えば、ストリーミングにより提供してもよい。また、上述の形態では、特別楽曲に所定の順番が付されている例で説明したが、これに限られない。例えば、ユーザ毎に異なる順番が付されていてもよいし、順番が付されていなくてもよい。適宜特別楽曲内の条件を設定してよい。
【0029】
上述した形態では、切替条件として時間と関連付けられた条件で説明したがこれに限られない。例えば、切替条件としてユーザのプレイデータ43に関連付けられた条件であってもよい。この場合、ユーザ毎に切替実行処理が実行される。例えば、状態制御部21は、ユーザのプレイデータ43のプレイ回数を参照して、所定のプレイ回数に到達することを切替条件として切替実行処理を実行してもよい。所定の成績を満たすことや、所定のランキング順位内に位置すること、所定のアイテムを獲得したこと等を切替条件として設定することもできる。ゲーム要素の状態をユーザのプレイ状況に応じて変更できるので、ユーザの到達度に応じた設定も可能となる。また、各ユーザのプレイデータ43を参照して、ゲームをプレイする全ユーザを対象に切替条件を設定してもよい。例えば、全ユーザの合計プレイ回数が所定数に達することを切替条件に設定すればよい。
【0030】
第1の状態と第2の状態とを切り替えるスケジュールは適宜設定してよい。例えば、
図9は、変形例に係る条件データ41の一例を示す図である。
図9の場合、切替条件が満たされる毎に、第2の状態に設定されるゲーム要素が増える。第1の状態から第2の状態に切り替えるようにしてもよいし、新たなゲーム要素を第2の状態に設定するようにしてもよい。適宜の設定変更が可能である。上述の形態において、ゲーム要素の集合とは、単集合も含む概念であり、1又は複数のゲーム要素に相当する。
図9の○月1日に第2の状態に設定されている楽曲Aもゲーム要素の集合の概念に含まれる。
【0031】
本発明に係るコンピュータプログラムは、記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。この記憶媒体を用いれば、例えばコンピュータに本発明に係るコンピュータプログラムをインストールして実行することにより、そのコンピュータを利用して本発明のゲームシステムを実現することができる。コンピュータプログラムを記憶した記憶媒体は、CDROM等の非一時的な記憶媒体であってもよい。
【0032】
以上説明したように、本発明のゲームシステムは、ユーザが選択的に利用可能な複数のゲーム要素(A〜L)を含んだゲームを前記ユーザにプレイさせるゲームシステム(1)であって、前記複数のゲーム要素のそれぞれに対して設定される、前記ユーザによる選択に所定の制限が課せられた第1の状態と、前記制限が解除又は緩和された第2の状態と、の間を切り替える切替制御を実行する状態制御手段(21)を具備し、前記状態制御手段は、前記切替制御を実行すべき所定の切替条件が満たされたか否かを判別する条件判別手段(23)と、前記切替条件が満たされると、その切替条件が満たされる前の段階で前記第2の状態に設定されていたゲーム要素の集合に含まれる少なくとも一部のゲーム要素が、その切替条件が満たされた後に前記第2の状態に設定されるべきゲーム要素の集合に含まれるようにして、前記切替制御を実行する切替実行手段(24)と、を備えたものである。
【0033】
本発明のゲーム制御方法は、ユーザが選択的に利用可能な複数のゲーム要素(A〜L)を含んだゲームを前記ユーザにプレイさせるゲームシステムのゲーム制御方法であって、前記複数のゲーム要素のそれぞれに対して設定される、前記ユーザによる選択に所定の制限が課せられた第1の状態と、前記制限が解除又は緩和された第2の状態と、の間を切り替える切替制御を実行する状態制御手順(S1〜S3)を具備し、前記状態制御手順は、前記切替制御を実行すべき所定の切替条件が満たされたか否かを判別する条件判別手順(S1)と、前記切替条件が満たされると、その切替条件が満たされる前の段階で前記第2の状態に設定されていたゲーム要素の集合に含まれる少なくとも一部のゲーム要素が、その切替条件が満たされた後に前記第2の状態に設定されるべきゲーム要素の集合に含まれるようにして、前記切替制御を実行する切替実行手順(S2)と、を備えたものである。
【0034】
本発明のコンピュータプログラムは、ユーザが選択的に利用可能な複数のゲーム要素(A〜L)を含んだゲームを前記ユーザにプレイさせるゲームシステムのコンピュータ(21)を、前記複数のゲーム要素のそれぞれに対して設定される、前記ユーザによる選択に所定の制限が課せられた第1の状態と、前記制限が解除又は緩和された第2の状態と、の間を切り替える切替制御を実行する状態制御手段(21)として機能させ、前記状態制御手段は、前記切替制御を実行すべき所定の切替条件が満たされたか否かを判別する条件判別手段(23)、及び前記切替条件が満たされると、その切替条件が満たされる前の段階で前記第2の状態に設定されていたゲーム要素の集合に含まれる少なくとも一部のゲーム要素が、その切替条件が満たされた後に前記第2の状態に設定されるべきゲーム要素の集合に含まれるようにして、前記切替制御を実行する切替実行手段(24)、としてさらに機能させるように構成されたものである。
【0035】
本発明によれば、切替条件が満たされると、切替条件が満たされる前後で少なくとも一部のゲーム要素が第2の状態を維持されるように切替制御が実行される。この少なくとも一部のゲーム要素は第2の状態が長く維持されるので、ユーザにとってプレイしやすくなる。従って、第2の状態を維持させるゲーム要素と維持させないゲーム要素を調節することができ、ゲーム要素の制限を柔軟に調整することができる。なお、ここでいう、ゲーム要素の集合とは、単集合も含む概念であり、1又は複数のゲーム要素に相当する。
【0036】
本発明のゲームシステムの一形態において、前記切替実行手段は、直前の切替制御で新たに前記第2の状態に設定されたゲーム要素が、前記第2の状態を維持するように切替制御を実行してもよい。これによれば、第2の状態に設定されて間もないゲーム要素に対して第2の状態を維持させることでユーザにプレイさせる機会を多く付与することができる。
【0037】
本発明のゲームシステムの一形態において、前記第2の状態に設定されているゲーム要素の集合のそれぞれには、最初のゲーム要素で所定の成績が満たされると次のゲーム要素が利用可能になるように所定の順番が付されていてもよい。この形態において、前記切替実行手段は、前記順番が最初のゲーム要素が優先的に前記第2の状態から前記第1の状態に設定されるようにして、前記切替制御を実行してもよい。また、この形態において、前記切替制御により新たに前記第2の状態に設定されたゲーム要素が、前記順番の最後となってもよい。
【0038】
本発明のゲームシステムの一形態において、前記切替条件が、時間と関連付けられている条件であってもよい。これによれば、所定の期間を設定してユーザに提供するゲーム要素の状態を適宜切り替えることができる。この形態において、前記切替条件として、前記ゲームの全ユーザを対象に特定の日時であることが設定されていてもよい。また、この形態において、前記切替制御が実行される初回の切替条件として、前記ゲームの全ユーザを対象に特定の日時であることが設定されていてもよい。
【0039】
本発明のゲームシステムの一形態において、前記切替条件が、前記ゲームでプレイするユーザのプレイデータに関連付けられている条件であってもよい。これによれば、ユーザのプレイデータに応じてゲーム要素の状態を切り替えることができる。ユーザのプレイ状況を考慮したゲーム要素の状態の調整も可能となる。この形態において、前記切替制御が実行される初回の切替条件として、前記ゲームでプレイするユーザが、所定のゲーム条件を満たしたことが設定されていてもよい。
【0040】
本発明のゲームシステムの一形態において、前記制限が、所定額の支払いであってもよい。これによれば、ゲーム要素を有料で提供したり、無料で提供したりする切替制御をすることができる。また、本発明のゲームシステムの一形態において、前記ゲームが、楽曲に設定された操作タイミングに対するユーザの操作を評価する音楽ゲームであり、前記ゲーム要素として前記楽曲が設定されていてもよい。
【0041】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。