(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6332938
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】充放電検査装置
(51)【国際特許分類】
G01R 31/36 20060101AFI20180521BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20180521BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20180521BHJP
H01M 10/617 20140101ALI20180521BHJP
H01M 10/6563 20140101ALI20180521BHJP
H01M 10/6565 20140101ALI20180521BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
G01R31/36 AZHV
H01M10/48 P
H01M10/48 301
H01M10/44 P
H01M10/617
H01M10/6563
H01M10/6565
H02J7/00 Q
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-221059(P2013-221059)
(22)【出願日】2013年10月24日
(65)【公開番号】特開2015-81887(P2015-81887A)
(43)【公開日】2015年4月27日
【審査請求日】2016年9月15日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503002732
【氏名又は名称】住友重機械搬送システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100116274
【弁理士】
【氏名又は名称】富所 輝観夫
(72)【発明者】
【氏名】川野 勉
【審査官】
名取 乾治
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−226915(JP,A)
【文献】
特開2013−156084(JP,A)
【文献】
特開平11−176484(JP,A)
【文献】
実開平05−008991(JP,U)
【文献】
特開2013−149440(JP,A)
【文献】
実開昭57−144053(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0273180(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/36
H01M 10/44
H01M 10/48
H01M 10/617
H01M 10/6563
H01M 10/6565
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電デバイスの充放電検査装置であって、
複数の充放電ユニットを縦方向にスタックし、および/または横方向に連結することに
より、増設可能に構成される検査ラックを備え、
前記充放電ユニットは、
M個(Mは自然数)のスロットであって、各スロットには、少なくともひとつの蓄電デ
バイスを搭載するトレーが挿入可能である、M個のスロットと、
前記M個のスロットに対応するM個のプローブユニットであって、それぞれが、対応す
るスロットに挿入される前記トレーに搭載される前記蓄電デバイスの電極と電気的に接触
可能な複数のプローブを備える、M個のプローブユニットと、
を備え、
前記充放電ユニットごとに、前記蓄電デバイスのデバイス温度および/または前記蓄電
デバイスの環境温度を安定化させる温調設備が設けられ、かつ空気の循環経路が独立して
おり、
各々の前記充放電ユニットは、前記M個のスロットおよび前記M個のプローブユニット
を収容する、断熱性を有する筐体をさらに備え、
各々の前記温調設備は、
吐き出し口と吸い込み口を有し、前記筐体の外部で前記筐体に固定され、内部にファン
と熱源とを収容するヒータユニットと、
前記ヒータユニットの前記吐き出し口と前記筐体に設けられた吸気口の間を連結する吸
気ダクトと、
前記ヒータユニットの前記吸い込み口と前記筐体に設けられた排気口の間を連結する排
気ダクトと、
を備えることを特徴とする充放電検査装置。
【請求項2】
前記複数の充放電ユニットそれぞれの前記吸気ダクトの長さは実質的に等しく、
前記複数の充放電ユニットそれぞれの前記排気ダクトの長さは実質的に等しいことを特
徴とする請求項1に記載の充放電検査装置。
【請求項3】
蓄電デバイスの充放電検査装置であって、
複数の充放電ユニットを縦方向にスタックし、および/または横方向に連結することに
より、増設可能に構成される検査ラックを備え、
前記充放電ユニットは、
M個(Mは自然数)のスロットであって、各スロットには、少なくともひとつの蓄電デ
バイスを搭載するトレーが挿入可能である、M個のスロットと、
前記M個のスロットに対応するM個のプローブユニットであって、それぞれが、対応す
るスロットに挿入される前記トレーに搭載される前記蓄電デバイスの電極と電気的に接触
可能な複数のプローブを備える、M個のプローブユニットと、
を備え、
前記充放電ユニットごとに、前記蓄電デバイスのデバイス温度および/または前記蓄電
デバイスの環境温度を安定化させる温調設備が設けられ、かつ空気の循環経路が独立して
おり、
各々の前記充放電ユニットは、前記M個のスロットおよび前記M個のプローブユニット
を収容する、断熱性のある筐体をさらに備え、
各々の前記温調設備は、吐き出し口と吸い込み口を有し、前記筐体の外部で前記筐体に
固定され、内部にファンと熱源とを収容するヒータユニットを備え、
前記ヒータユニットの前記吐き出し口と前記筐体に設けられた吸気口の間は直接接続さ
れ、前記ヒータユニットの前記吸い込み口と前記筐体に設けられた排気口の間は直接接続
されることを特徴とする充放電検査装置。
【請求項4】
前記M個のスロットの挿入口は、前記筐体の正面に設けられ、
前記吸気口および前記排気口は、前記筐体の背面に設けられ、
前記ヒータユニットは、前記筐体の背面に設置されることを特徴とする請求項1または
2に記載の充放電検査装置。
【請求項5】
前記ヒータユニットは、加熱・冷却器および送風機を含むことを特徴とする請求項1か
ら3のいずれかに記載の充放電検査装置。
【請求項6】
前記充放電ユニットは、実質的に左右対称に形成されることを特徴とする請求項1から
4のいずれかに記載の充放電検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池やキャパシタなどの蓄電デバイスを検査する充放電検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池、ニッケル水素電池をはじめとする繰り返し充電可能な二次電池、あるいは電気二重層コンデンサ(以下、蓄電デバイスと総称する)がモバイル機器、電気自動車、ハイブリッド自動車、家庭用蓄電システム、などの幅広い分野で利用されており、その重要性は近年ますます高まっている。
【0003】
蓄電デバイスはその出荷前に、充放電検査装置を用いて正常に機能するかが検査される。
図1は、本発明者が検討した充放電検査装置を示す図である。充放電検査装置100rは、電源ユニット102および検査ラック200を備える。
【0004】
蓄電デバイス1は、トレー2に収容された状態で、搬送され、検査される。ひとつのトレー2には、最大でN個の蓄電デバイス1が収容可能となっている。
【0005】
検査ラック200には、K個(Kは2以上の整数)のスロット202が設けられる。蓄電デバイス1を載せたトレー2は、スロット202に挿入される。検査ラック200の内部には、各スロット202ごとに設けられたプローブが設けられ、このプローブが蓄電デバイス1の電極と電気的に接触する。
【0006】
電源ユニット102は、検査ラック200に収容される蓄電デバイス1それぞれを、充放電することにより、複数の蓄電デバイス1を並列に検査可能に構成される。たとえば電源ユニット102は、スロット202ごとに設けられたコンバータ104を備える。コンバータ104は、対応するスロット202に収容されるN個の蓄電デバイス1に対応するNチャンネルの出力を有する。
【0007】
スタッカクレーン4は、トレー2を搬入し、それを検査ラック200の空きスロットにトレー2を挿入する。また検査が終了したトレー2を、スロット204から引き抜き、搬出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平8−189955号公報
【特許文献2】特開平8−007933号公報
【特許文献3】特開2011−138981号公報
【特許文献4】特開2012−216424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
蓄電デバイス1の検査工程において、その温度管理はきわめて重要であり、高精度な検査のためには、蓄電デバイス1のデバイス温度、あるいは環境温度が所望の値に安定に保たれている必要がある。
【0010】
図1の充放電検査装置100rにおいて、検査ラック200には、最大でK×N個の蓄電デバイス1が収容される。しかしながら、充放電検査装置100rが設置された検査ルーム、あるいは工場内の温度管理を行うだけでは、すべてのスロットの温度、あるいはすべての蓄電デバイス1の温度を均一に保つことは難しい。
【0011】
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、複数の蓄電デバイスの温度を均一に、あるいは個別に制御可能な充放電検査装置の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のある態様は、蓄電デバイスの充放電検査装置に関する。充放電検査装置は、複数の充放電ユニットを縦方向にスタックし、および/または横方向に連結することにより構成される検査ラックを備える。充放電ユニットは、M個(Mは自然数)のスロットと、M個のプローブユニットと、を備える。各スロットには、少なくともひとつの蓄電デバイスを搭載するトレーが挿入可能である。M個のプローブユニットは、M個のスロットに対応して設けられ、それぞれが、対応するスロットに挿入されるトレーに搭載される蓄電デバイスの電極と電気的に接触可能な複数のプローブを備える。充放電ユニットごとに、蓄電デバイスのデバイス温度および/または蓄電デバイスの環境温度を安定化させる温調設備が設けられる。
【0013】
この態様によれば、検査ラックを同一の構成を有する充放電ユニットに分割し、充放電ユニットの組み合わせにより構成し、充放電ユニットごとに温調設備を設けることにより、複数の充放電ユニットの温度を均一化し、あるいはそれらの温度を個別に制御することが可能となる。
【0014】
充放電ユニットは、M個のスロットおよびM個のプローブユニットを収容する筐体をさらに備えてもよい。温調設備は、吐き出し口と吸い込み口を有し、筐体の外部に設けられたヒータユニットと、ヒータユニットの吐き出し口と筐体に設けられた吸気口の間を連結する吸気ダクトと、ヒータユニットの吸い込み口と筐体に設けられた排気口の間を連結する排気ダクトと、を備えてもよい。
【0015】
ある態様において、複数の充放電ユニットそれぞれの吸気ダクトの長さは実質的に等しくてもよい。また複数の充放電ユニットそれぞれの排気ダクトの長さは実質的に等しくてもよい。
この態様によれば、すべての充放電ユニットにおいて、温調設備による冷却効率を均一化することができる。
【0016】
充放電ユニットは、M個のスロットおよび前記M個のプローブユニットを収容する筐体をさらに備えてもよい。温調設備は、吐き出し口と吸い込み口を有し、筐体の外部に設けられたヒータユニットを備えてもよい。
ヒータユニットの吐き出し口と筐体に設けられた吸気口の間は直接接続され、ヒータユニットの吸い込み口と筐体に設けられた排気口の間は直接接続されてもよい。
【0017】
M個のスロットの挿入口は、筐体の正面に設けられ、吸気口および排気口は、筐体の背面に設けられてもよい。ヒータユニットは、筐体の背面に設置されてもよい。
これにより、ヒータユニットを充放電ユニットの直近に設置することが可能となる。
【0018】
ヒータユニットは、加熱・冷却器および送風機を含んでもよい。
【0019】
筐体は断熱性を有してもよい。これにより、隣接する充放電ユニットを互いに熱的に遮断することができ、各充放電ユニットの温度を、対応する温調設備により個別に管理することができる。
【0020】
充放電ユニットは、実質的に左右対称に形成されてもよい。これにより、充放電ユニット内部の熱分布を対称に近づけることができ、蓄電デバイスの環境温度の勾配を小さくできる。
【0021】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0022】
本発明のある態様の充放電検査システムによれば、充放電検査装置を効率良く校正できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明者が検討した充放電検査装置を示す図である。
【
図2】実施の形態に係る充放電検査装置の構成を示す図である。
【
図3】
図2のA−A線の断面図であり、充放電ユニットの構成を示す図である。
【
図6】本発明者が検討した比較技術に係る充放電検査装置を示す図である。
【
図7】
図7(a)、(b)は、第1の変形例に係る充放電検査装置の構成を示す図である。
【
図8】
図8(a)、(b)は、第2の変形例に係る充放電検査装置を示す図である。
【
図9】第3の変形例に係る充放電検査装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0025】
図2は、実施の形態に係る充放電検査装置100の構成を示す図である。充放電検査装置100は、複数の蓄電デバイス1それぞれを充電し、あるいは放電することにより、各蓄電デバイス1の電気的特性が仕様を満たしているかを検査する。蓄電デバイス1は、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、あるいは電気二重層コンデンサ、リチウムイオンキャパシタなどが例示されるが、特に限定されない。
【0026】
充放電検査装置100は、電源ユニット102および検査ラック200を備える。本実施の形態において、検査ラック200は、複数の充放電ユニット300を縦方向(高さ方向)にスタックし、および/または横方向に連結することにより構成される。
図2には、充放電ユニット300が縦方向に3個、横方向に2個連結される様子が示されるが、充放電ユニット300の個数は特に限定されず、検査対象の蓄電デバイス1の個数に応じて、追加、削減することができる。
【0027】
電源ユニット102は、検査ラック200に収容される蓄電デバイス1それぞれを、充放電することにより、複数の蓄電デバイス1を並列に検査可能に構成される。電源ユニット102の機械的構造および電気的構成は特に限定されず、公知の技術を用いればよい。
【0028】
充放電ユニット300はそれぞれ同一の構造を有する。充放電ユニット300はそれぞれ、M個(Mは自然数)のスロット302_1〜302_Mを備える。本実施の形態では、M=1の場合を説明する。
【0029】
各スロット202には、少なくともひとつの蓄電デバイス1を搭載するトレー2が挿入可能である。トレー2は、
図1に示すスタッカクレーン4により搬送される。
【0030】
図3は、
図2のA−A線の断面図であり、充放電ユニット300の構成を示す図である。充放電ユニット300は、ステージ304、プローブユニット310、駆動機構320を備える。
【0031】
ステージ304は、挿入されたトレー2を積載し、固定する。プローブユニット310は、スロット202ごとに設けられる。蓄電デバイス1は、正極、負極、サーミスタ用電極など(以下、単に電極6と総称する)を備える。
【0032】
プローブユニット310は、複数のプローブ312を有し、各プローブ312は、対応するトレー2に搭載される蓄電デバイス1の対応する電極6と電気的に接触可能な形状を有する。複数のプローブ312の配置は、蓄電デバイス1の電極の配置に応じて設計される。
【0033】
駆動機構320は、ステージ304に積載されるトレー2とプローブユニット310を、縦方向(鉛直方向)に相対的に移動させ、蓄電デバイス1の電極6とプローブ312を接触させ、また離間せしめる。
【0034】
ステージ304、プローブユニット310、駆動機構320は、筐体306に収容される。
【0035】
温調設備400は、充放電ユニット300ごとに設けられる。充放電ユニット300は、対応する充放電ユニット300の内部に配置される蓄電デバイス1のデバイス温度および/または蓄電デバイス1の環境温度を安定化させる。
【0036】
図4は、温調設備400の構成例を示す図である。
図4には、充放電ユニット300を背面から見た斜視図が示される。
【0037】
筐体306には、吸気口330、排気口332が設けられる。吸気口330には、温調設備400から供給される温調された空気が供給される。吸気口330から筐体306の内部に送り込まれた空気は、排気口332から排気される。
【0038】
筐体306のスロット202の挿入口303が設けられる面を正面S1、その反対の面を背面S2とするとき、吸気口330および排気口332は、筐体306の背面S2に設け、温調設備400も筐体306の背面S2側に設置することが望ましい。これにより温調設備400がスタッカクレーン4に干渉せず、また、充放電ユニット300を連結、スタックする際に、隣接する充放電ユニット300と干渉しない。
【0039】
温調設備400は、ヒータユニット402、吸気ダクト406、排気ダクト408、を備える。ヒータユニット402は、空気の吐き出し口410と吸い込み口412を有し、筐体306の外部に設けられる。
【0040】
吸気ダクト406は、ヒータユニット402の吐き出し口410と吸気口330の間を連結する。排気ダクト408は、ヒータユニット402の吸い込み口412と排気口332の間を連結する。ヒータユニット402は、ボルト413によって充放電ユニット300に対して機械的に固定される。
【0041】
この構成によれば、空気が、充放電ユニット300ごとに独立して充放電ユニット300、排気ダクト408、ヒータユニット402、吸気ダクト406の経路で循環することとなる。
【0042】
また温調設備400は、充放電ユニット300ごとに同様に構成されることが望ましい。言い換えれば、複数の充放電ユニット300それぞれの吸気ダクト406の長さは実質的に等しく、複数の充放電ユニット300それぞれの排気ダクト408の長さは実質的に等しいことが好ましい。
【0043】
図4に示すように、充放電ユニット300および温調設備400は、実質的に横方向に左右対称な構造を有することが望ましい。
【0044】
より好ましくは、筐体306は断熱性を有し、加えて、吸気ダクト406、排気ダクト408も断熱性を有することが望ましい。これにより、充放電ユニット300の温調を、充放電ユニット300(検査ラック200)が設置される空間の温調と独立して行うことができる。
【0045】
図5は、ヒータユニット402の構成例を示す図である。ヒータユニット402は、送風ファン(ブロワー)420、熱源である加熱・冷却器422、コントローラ424を備える。
図4のスロット302の内部には、蓄電デバイス1のデバイス温度あるいは環境温度を測定するための温度センサ、たとえば熱電対やサーミスタが設けられる。
図5のコントローラ424には、温度センサにより測定された温度Tが入力される。コントローラ424は、測定された温度Tが目標値に近づくように、加熱・冷却器422をフィードバック制御する。送風ファン420は、加熱・冷却器422により温度調節された空気を、吐き出し口410からスロット302に向かって送り出す。
【0046】
以上が実施の形態に係る充放電検査装置100の構成である。
【0047】
この充放電検査装置100では、検査ラック200を、同一の構成を有する充放電ユニット300に分割し、充放電ユニット300の組み合わせにより構成することとした。そして充放電ユニット300ごとに温調設備400を設けることにより、複数の充放電ユニット300の温度(ひいてはそのスロット302に挿入される蓄電デバイス1の温度)を均一化し、あるいはそれらの温度を個別に制御することが可能となる。
【0048】
また、ユーザごと、検査施設ごとに、同時測定すべき蓄電デバイス1の個数は異なる。実施の形態に係る充放電検査装置100では、蓄電デバイス1の個数に応じて充放電ユニット300の個数を増減させればよい。この際に、充放電ユニット300ごとに温調設備400を設けているため、充放電ユニット300の個数や、連結、スタックの形態にかかわらず、充放電ユニット300の温度を個別に管理することが可能となる。
【0049】
充放電検査装置100の利点は、たとえば比較技術との対比により明確となる。
図6は、本発明者が検討した比較技術に係る充放電検査装置100rを示す図である。充放電検査装置100rが設置される検査ルーム106によっては、検査ルーム自体に、温調設備400rが設置される場合がある。温調設備400rにより温調された空気は、ツリー状に分岐した吸気ダクト406を経由して充放電検査装置100rに供給される。充放電検査装置100rから排気された空気は、一旦、検査ルーム106に回収され、温調設備400rに戻される。
【0050】
この比較技術では、枝分かれした吸気ダクト406の長さが、充放電検査装置100rの部分ごとに異なり、したがって部分ごとに、供給される空気の温度あるいは風量が異なってしまう。また、検査ルーム106の内部でも温度勾配が発生する。したがって複数のスロット302の温度を均一化することは困難であり、またスロット302の温度を個別に制御することもできない。
【0051】
実施の形態に係る充放電検査装置100によれば、
図6の充放電検査装置100rにおいて生ずる問題を解決することができる。
【0052】
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
【0053】
(第1の変形例)
温調設備400の構成は、
図4のそれには限定されない。
図7(a)、(b)は、第1の変形例に係る充放電検査装置100aの構成を示す図である。
この変形例100aにおいて、充放電ユニット300aの筐体306の背面S2には、2個の吸気口330a、330bが設けられる。吸気口330a、330bは、スロット302の左右に設けてもよい。排気口332は、たとえばスロット302の下側に設けられる。
吸気ダクト406aは、吸気口330a、330bに対して分岐しており、分岐したダクトの長さが等長となるように、対称な構造を有する。
【0054】
この充放電検査装置100aによれば、ひとつのスロット302に対して、スロット302からずらした位置に複数の吸気口330を設けることにより、スロット302の周囲の空間の温度を均一化することができる。
【0055】
(第2の変形例)
実施の形態では、充放電ユニット300それぞれがM=1個のスロット302を有する場合を説明したが本発明はそれには限定されない。たとえばMは2以上の任意の数でよい。なお、充放電ユニット300および温調設備400を横方向に対称に構成するためには、2、4、…、一般化するとM=2
Lとすることが望ましい。ただしLは自然数である。
【0056】
図8(a)、(b)は、第2の変形例に係る充放電検査装置100bを示す図である。
図8の充放電ユニット300bは、M=2個のスロット302を有する。
図8(b)充放電ユニット300bも、
図7(b)の充放電ユニット300aと同様に、左右対称に構成される。具体的には、吸気口330_1a、330_1bは、スロット302_1を挟み込むように配置される。同様に、吸気口330_2a、330_2bは、スロット302_1を挟み込むように配置される。これにより、各スロットを均一に加熱あるいは冷却できる。排気口332は、スロット302_1と302_2と等距離の位置に配置される。
【0057】
(第3の変形例)
実施の形態では、吸気ダクト406、排気ダクト408を介して、充放電ユニット300とヒータユニット402が接続される場合を説明したが本発明はそれには限定されない。
図9は、第3の変形例に係る充放電検査装置100cを示す図である。この充放電検査装置100cでは、充放電ユニット300cの吸気口330とヒータユニット402cの吐き出し口410が、吸気ダクト406を介さずに直接接続され、同様に、充放電ユニット300cの排気口332とヒータユニット402cの吸い込み口412が、排気ダクト408を介さずに直接接続される。
【0058】
(第4の変形例)
温調設備400と充放電ユニット300bの連結手段は特に限定されない。たとえば充放電ユニット300bの背面S2に、温調設備400を連結するためのヒータベイを設けてもよい。あるいは、充放電ユニット300から離れた箇所に配置してもよい。
【0059】
(第5の変形例)
また実施の形態では、充放電ユニット300ごとに、ひとつの温調設備400を設ける場合を説明したが、充放電ユニット300ごとに複数の温調設備400を設けてもよい。たとえば充放電ユニット300が複数のスロット202を有する場合、スロット202ごとに温調設備400を設けてもよい。
【0060】
(第6の変形例)
また温調設備400は、充放電ユニット300の筐体306の内部に設けられてもよい。
【0061】
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0062】
100…充放電検査装置、102…電源ユニット、104…コンバータ、200…検査ラック、202…スロット、300…充放電ユニット、302…スロット、304…ステージ、306…筐体、310…プローブユニット、312…プローブ、320…駆動機構、330…吸気口、332…排気口、400…温調設備、402…ヒータユニット、406…吸気ダクト、408…排気ダクト、410…吐き出し口、412…吸い込み口、420…送風ファン、422…加熱・冷却器、424…コントローラ、1…蓄電デバイス、2…トレー、4…スタッカクレーン。