特許第6332972号(P6332972)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6332972
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/01 20060101AFI20180521BHJP
【FI】
   E06B9/01 E
   E06B9/01 B
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-2127(P2014-2127)
(22)【出願日】2014年1月9日
(65)【公開番号】特開2015-129419(P2015-129419A)
(43)【公開日】2015年7月16日
【審査請求日】2017年1月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
(74)【代理人】
【識別番号】100096448
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 嘉明
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 勝宏
【審査官】 渋谷 知子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−221983(JP,A)
【文献】 実開昭56−127293(JP,U)
【文献】 米国特許第04162590(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/01
E06B 5/00
E06B 3/30
E06B 3/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体に装飾体を取り付けた建具であって、
前記枠体を形成する枠材の装飾体取付部に固定部品が取り付けられ、
前記固定部品に装飾体の枠体取付部を固着具で固着し、固定部品の当接部と装飾体の枠体取付部とを面内方向に当接して装飾体を枠体に取り付け、
前記当接部は面内方向に移動調整できるようにしたことを特徴とする建具。
【請求項2】
前記固定部品は固着部と取付部を有し、固着部を枠材の装飾体取付部に固着して取り付け、
前記取付部に、支持具を面内方向に移動調整自在に取り付け、この支持具を当接部とし、
前記装飾体の枠体取付部を、固着具で固定部品の取付部に固着することで、枠体取付部を支持具に当接するようにした請求項1記載の建具。
【請求項3】
前記固定部品は固着部と取付部を有し、固着部を、その面内方向の長穴を挿通したねじにより装飾体取付部に取り付け、
前記装飾体の枠体取付部を、固着具で固定部品の取付部に固着し、枠体取付部を固定部品の取付部に当接することで、取付部を当接部とした請求項1記載の建具。
【請求項4】
前記固定部品は固着部と取付部を有し、固着部を枠材の装飾体取付部にライナーを介在して取り付け、
前記装飾体の枠体取付部を、固着具で固定部品の取付部に固着し、枠体取付部を固定部品の取付部に当接することで、取付部を当接部とした請求項1記載の建具。
【請求項5】
前記枠体の縦枠材の装飾体取付部に固定部品が取り付けられ、
前記枠体の上下の枠材の装飾体取付部と、装飾体の上下の枠体取付部を、枠体に装飾体を上下けんどん式に取り付けできる形状とし、
前記上の枠材の装飾体取付部に、枠体装飾体を取り付けるときに上の枠材取付部で圧縮される弾性部材を取り付け、
枠体に装飾体を取り付けた状態で、装飾体の上の枠体取付部は、前記弾性部材の弾性復元力により上の枠材の装飾体取付部に面外方向に押しつけられ、装飾体の下の枠体取付部は、前記弾性部材の弾性復元力により下の枠材の装飾体取付部に面内方向に押しつけられるようにした請求項1〜4いずれか1項記載の建具。
【請求項6】
前記装飾体の左右の枠体取付部は、固着具の軸が挿通する穴を有し、前記穴は、前記固着具の軸よりも上下方向に長い長穴で、装飾体を枠体に取り付けた状態では、長穴の下部と固着具の軸との間に、装飾体の熱伸び吸収用の隙間を有し、
前記固着具の頭部の大きさは装飾体の熱伸び前後で長穴を覆う寸法である請求項5記載の建具。
【請求項7】
前記枠体を形成する枠材は、枠本体と、枠本体の面内方向の内側に取り付けたアタッチメントを有し、
前記アタッチメントは、面外方向の一側に装飾体取付部を有し、面外方向の他側に面材取付部を有し、
前記アタッチメントの面外方向の一側に装飾体を取り付け、アタッチメントの面外方向の他側に面材を取り付けた請求項1〜6いずれか1項記載の建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、戸、障子などの枠体に装飾体を取り付けた建具に関する。
【背景技術】
【0002】
枠体に装飾体を取り付けた建具が特許文献1に開示されている。
この建具は、枠材を方形状に枠組みした枠体と、格子枠に縦格子と横格子を取り付けた格子と、ガラスを備え、枠体の見込み方向一側に格子を取り付け、枠体の見込み方向他側にガラスを取り付けている。
格子枠に取付用ねじを面内方向に向けて螺合し、格子枠を枠体内に挿入した状態で、取付用ねじを締め付けることで、取付用ねじを枠体の枠材に押しつけることで、格子を枠体に取り付け、取付用ねじを弛めることで格子を枠体から取り外しできるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3797230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の建具であれば、取付用ねじを締め付け、弛めることで格子を枠体に取り付け、取り外しできるので、格子の取り付け、取り外しが容易である。
しかも、枠体と格子との間の面内方向の隙間の大きさが異なる場合には、取付用ねじの締め付け量を調整することで格子の枠体に取り付けできる。
しかしながら、格子の格子枠に螺合した取付用ねじの先端部を枠体の枠材に当接して取り付けているので、格子枠の取付用ねじの螺合部位と枠材の取付用ねじの当接部位とが面内方向に離隔している。このために、取付用ねじを締め付けると、格子枠における取付用ねじの螺合部位が変形することがあるので、格子の固定強度を確保できないことがある。
例えば、格子枠の剛性が弱い場合には、取付用ねじを強く締め付けると格子枠が変形するので、格子の固定強度を確保できない。
【0005】
本発明は、前述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、枠体に格子ユニットなどの装飾体を容易に取り付け、取り外しでき、枠体と装飾体との間の面内方向の隙間の大きさが異なる場合でも取り付けでき、しかも、装飾体の固定強度を確保できるようにした建具とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、枠体に装飾体を取り付けた建具であって、
前記枠体を形成する枠材の装飾体取付部に固定部品が取り付けられ、
前記固定部品に装飾体の枠体取付部を固着具で固着し、固定部品の当接部と装飾体の枠体取付部とを面内方向に当接して装飾体を枠体に取り付け、
前記当接部は面内方向に移動調整できるようにしたことを特徴とする建具である。
【0007】
本発明の建具は、前記固定部品は固着部と取付部を有し、固着部を枠材の装飾体取付部に固着して取り付け、
前記取付部に、支持具を面内方向に移動調整自在に取り付け、この支持具を当接部とし、
前記装飾体の枠体取付部を、固着具で固定部品の取付部に固着することで、枠体取付部を支持具に当接するようにすることができる。
このようにすれば、支持具を面内方向に移動調整することで、当接部を面内方向に移動調整できる。
【0008】
本発明の建具は、前記固定部品は固着部と取付部を有し、固着部を、その面内方向の長穴を挿通したねじにより装飾体取付部に取り付け、
前記装飾体の枠体取付部を、固着具で固定部品の取付部に固着し、枠体取付部を固定部品の取付部に当接することで、取付部を当接部とすることができる。
このようにすれば、固定部品を長穴に沿って面内方向に移動することで、当接部を面内方向に移動調整できる。
【0009】
本発明の建具は、前記固定部品は固着部と取付部を有し、固着部を枠材の装飾体取付部にライナーを介在して取り付け、
前記装飾体の枠体取付部を、固着具で固定部品の取付部に固着し、枠体取付部を固定部品の取付部に当接することで、取付部を当接部とすることができる。
このようにすれば、ライナーの厚さや枚数を変えることで、当接部を面内方向に移動調整できる。
【0010】
本発明の建具は、前記枠体の縦枠材の装飾体取付部に固定部品が取り付けられ、
前記枠体の上下の枠材の装飾体取付部と、装飾体の上下の枠体取付部を、枠体に装飾体を上下けんどん式に取り付けできる形状とし、
前記上の枠材の装飾体取付部に、枠体装飾体を取り付けるときに上の枠材取付部で圧縮される弾性部材を取り付け、
枠体に装飾体を取り付けた状態で、装飾体の上の枠体取付部は、前記弾性部材の弾性復元力により上の枠材の装飾体取付部に面外方向に押しつけられ、装飾体の下の枠体取付部は、前記弾性部材の弾性復元力により下の枠材の装飾体取付部に面内方向に押しつけられるようにできる。
このようにすれば、装飾体の上の枠体取付部を上の枠材の装飾体取付部に押しつけて面外方向に支持でき、装飾体の下の枠体取付部を下の枠材の装飾体取付部に押しつけて面内方向に支持できる。
【0011】
本発明の建具は、前記装飾体の左右の枠体取付部は、固着具の軸が挿通する穴を有し、前記穴は、前記固着具の軸よりも上下方向に長い長穴で、装飾体を枠体に取り付けた状態では、長穴の下部と固着具の軸との間に、装飾体の熱伸び吸収用の隙間を有し、
前記固着具の頭部の大きさは装飾体の熱伸び前後で長穴を覆う寸法とすることができる。
このようにすれば、装飾体の熱伸びを吸収できると共に、熱伸びの前後で長穴を固着具の頭部で覆うことができる。
【0012】
本発明の建具は、前記枠体を形成する枠材は、枠本体と、枠本体の面内方向の内側に取り付けたアタッチメントを有し、
前記アタッチメントは、面外方向の一側に装飾体取付部を有し、面外方向の他側に面材取付部を有し、
前記アタッチメントの面外方向の一側に装飾体を取り付け、アタッチメントの面外方向の他側に面材を取り付けることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、枠体に装飾体を容易に取り付け、取り外しできる。
固定部品の当接部を面内方向に移動調整することで、枠体と装飾体との間の面内方向の隙間の大きさが異なる場合でも枠体に装飾体を取り付けできる。
固定部品の当接部と装飾体の枠体取付部が接触することで固着具の固着力を支持するから、装飾体の固定強度を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1の実施の形態を示す障子の正面図である。
図2図1の縦断面図である。
図3図1の横断面図である。
図4図3の左の縦枠材と左の格子枠材の拡大図である。
図5図1のA部拡大図である。
図6図2の上枠材と上の格子枠材の拡大図である。
図7図2の下枠材と下の格子枠材の拡大図である。
図8図2のB部拡大図である。
図9】本発明の第2の実施の形態を示す障子の正面図である。
図10図9のC−C拡大図である。
図11】本発明の第3の実施の形態を示す障子の正面図である。
図12図11のD−D拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1に示すように、建具1は枠体2と、枠体2に取り付けた装飾体、例えば格子ユニット3を備えている。
枠体2は、面内方向の上下に対向した2つの枠材、つまり上枠材2a、下枠材2bと、面内方向の左右に対向した2つの枠材、つまり左右の縦枠材2c,2dとで方形枠形状である。
各枠材2a,2b,2c,2dは、枠本体20と、枠本体20の面内方向の内側に取り付けたアタッチメント21を有している。
格子ユニット3は、格子枠3aと、格子枠3aに取り付けた縦格子3bを有している。
格子枠3aは、上下、左右の格子枠材30で方形枠形状である。
実施の形態は、図2図3に示すように、枠体2の面外方向の一側に格子ユニット3が取り付けられ、枠体2の面外方向の他側に面材、例えばガラス4が取り付けてある。
【0016】
図4に示すように、左の縦枠材2cの枠本体20は、面内方向内側に面外方向一側の第1鉤片22と、面外方向他側の第2鉤片23とを有し、第1鉤片22と第2鉤片23との間に内向きの開口24を形成している。
アタッチメント21は、面外方向に向かう取付壁25と、取付壁25の面外方向中間の面内方向外側に設けた一対の取付片26と、取付壁25の面外方向一側に面内方向内側に向けて設けた第1内向壁27と、取付壁25の面外方向中間に面内方向内側に向けて設けた第2内向壁28と、取付壁25の面外方向他側に取り付けた押縁29を有している。
第1内向壁27と第2内向壁28との間に、格子ユニット3を取り付ける。つまり、取付壁25と第1内向壁27と第2内向壁28とで装飾体取付部21aを形成している。実施の形態では、装飾体取付部21aは面内方向内側に開口した凹部を有している。
第2内向壁28と押縁29とでガラス4を支持する。つまり、取付壁25と第2内向壁28と押縁29とで面材取付部を形成している。
【0017】
アタッチメント21は、一対の取付片26を枠本体20の開口24に嵌合し、取付壁25を第1鉤片22、第2鉤片23に接することで枠本体20に取り付けてある。
右の縦枠材2d、上枠材2a、下枠材2bの枠本体20は左の縦枠材2cの枠本体20と同様に開口24を有している。
右の縦枠材2d、上枠材2a、下枠材2bのアタッチメント21は、左の縦枠材2cのアタッチメント21と同一である。
なお、各枠材2a,2b,2c,2dは枠本体20とアタッチメント21を一体としたものでも良い。
つまり、枠体2を構成する枠材は、面内方向の内側面に装飾体取付部21aを有する形状であれば良い。
【0018】
図4に示すように、格子枠材30は枠体取付部31を備えている。
枠体取付部31は面内方向に向かう面外方向一側の第1壁33と、面内方向に向かう面内方向他側の第2壁34と、面外方向に向かう面内方向内側の第3壁35と、面外方向に向かう面内方向外側の第4壁36より成る矩形中空形状である。
枠体取付部31は、その第1壁33と連続し、面内方向の外側に向かう板状の枠体支持壁32を有している。
【0019】
図1に示すように、左の縦枠材2cのアタッチメント21の取付壁25の長手方向の中間及び右の縦枠材2dのアタッチメント21の取付壁25の長手方向の中間に固定部品5がねじ5aで面内方向内側に向けてそれぞれ固着してある。
固定部品5は図4図5に示すように、固着片50と取付片51とを連結片52で一体に連結したクランク形状で、固着片50が取付部で、取付片51が取付部である。取付壁25における第1内向壁27と第2内向壁28との間の部分に固着片50をねじ5aで固着して取り付け、取付片51が取付壁25と面内方向に離隔し、取付片51が第1内向壁27よりも面内方向内側に突出し、取付片51は格子枠材30の枠体取付部31の第4壁36と対向している。
【0020】
固定部品5の取付片51には、面内方向に向かう支持具が面内方向に移動調整自在に取り付けてある。例えば、取付片51にねじ53が面内方向に向けて螺合して取り付け、ねじ53の頭部53aを面内方向の内側に向けてある。ねじ53の頭部53aは平坦面形状である。
固定部品5の取付片51にはねじ孔54が面内方向に向けて形成してある。
【0021】
格子枠材30の枠体取付部31が固着具で、取付片51に固着してある。例えば、枠体取付部31を形成する第3壁35と第4壁36に穴35a,36aを形成し、取付用ねじ55を第3壁35の穴35a、第4壁36の穴36aを挿通して取付片51のねじ孔54に螺合して枠体取付部31を固定部品5に固着することで、第4壁36をねじ53の頭部53a(つまり、当接部)に当接して格子枠材30を固定部品5に取り付ける。
【0022】
このように、格子枠材30の枠体取付部31(第4壁36)がねじ53の頭部53aに当接しているので、取付用ねじ55を強く締め付けしても格子枠材30が変形することがなく、格子ユニット3の固定強度を確保することができる。
【0023】
また、取付用ねじ55を締め付け、弛めることで格子ユニット3を枠体2に取り付け、取り外しできるので、格子ユニット3を簡単に取り付け、取り外しできる。
【0024】
実施の形態では、格子ユニット3の左右の格子枠材30における枠体取付部31の面内方向外側端(第4壁36)間の寸法L1は、左右の縦枠材2c,2dに取り付けた左右の固定部品5の取付片51間の寸法L2よりも小さい。左右の格子枠材30における枠体支持壁32の面内方向外側端32a間の寸法L3は、左右の縦枠材2c,2dの第1内向壁27の面内方向内側端27a間の寸法L4よりも大きい。
そして、格子ユニット3の上下の格子枠材30は上枠材2aと下枠材2bとの間に、後述するように上下けんどん式に取り付けられ、格子ユニット3の左右の格子枠材30は左右の縦枠材2c,2d間に次のようにして取り付けられる。
【0025】
つまり、格子ユニット3の左右の格子枠材30の枠体取付部31を、左の縦枠材2cの装飾体取付部21aの第1内向壁27と、右の縦枠材2dの装飾体取付部21aの第1内向壁27との間に挿入し、左右の枠体支持壁32を、左右の縦枠材2c,2dの装飾体取付部21aの第1内向壁27の面外方向一側面に接することで、格子ユニット3を面外方向に位置決めする。
この状態で、取付用ねじ55を枠体取付部31の第3壁35の穴35a、第4壁36の穴36aに挿入し、取付用ねじ55を固定部品5の取付片51のねじ孔54に螺合することで、格子ユニット3の左右の格子枠材30を枠体2の左右の縦枠材2c,2dに取り付ける。
【0026】
また、ねじ53を締め付け、弛めることで、ねじ53を面内方向に移動すれば、ねじ53の頭部53a(つまり、当接部)を面内方向に移動調整できるから、固定部品5の取付片51と格子枠材30の枠体取付部31(第4壁36)との間の隙間の大きさが異なる場合でも、ねじ53の頭部53a(つまり、当接部)と格子枠材30の枠体取付部31の第4壁36を接することができるから、格子ユニット3を枠体2に取り付けできる。
【0027】
実施の形態を要約すれば、枠体2を形成する枠材の装飾体取付部21aに固定部品5を取り付け、格子ユニット3の枠体取付部31を固着具(取付用ねじ55)で固定部品5に固着し、固定部品5の当接部を格子ユニット3の装飾体取付部21aに当接して枠材と格子ユニット3を面内方向に動かないように連結することで、装飾体(格子ユニット3)を固定し、この当接部は面内方向に移動自在である。
【0028】
図1に示すように、格子枠3aにおける上の格子枠材30に第1引掛部品6が取り付けてある。
第1引掛部品6は図6に示すように、上の格子枠材30の枠体取付部31の第4壁36に螺合した面内方向に向かうねじ60としてある。ねじ60は第4壁36から面内方向外側(上方)に向けて突出し、上の格子枠材30の枠体支持壁32とねじ60とは面外方向に離隔している。
これにより、上の格子枠材30は上枠材2aに、ねじ60と枠体支持壁32とで第1内向壁27を挟持するように取り付けられる。
つまり、上の格子枠材30の枠体取付部31の形状と、上枠材2aの装飾体取付部21aの形状は、上の格子枠材30を上枠材2aの装飾体取付部21aに下から上に向けて挿入できる形状である。
【0029】
具体的には、ねじ60が上枠材2aのアタッチメント21の第1内向壁27と第2内向壁28との間に挿入し、ねじ60が第1内向壁27の面外方向他側面と対向し、枠体支持壁32が第1内向壁27の面外方向一側面と対向し、ねじ60と枠体支持壁32とで一側内向壁27を挟持する。
枠体取付部31の第2壁34が中間内向壁28の面外方向一側面に接する。
【0030】
図1に示すように、下の格子枠材30に第2引掛部品7が取り付けてある。
第2引掛部品7は図7に示すように、下の格子枠材30の枠体取付部31の第4壁36に螺合したねじ70としてある。
ねじ70は第4壁36から面内方向外側(下方)に向けて突出し、下の格子枠材30の枠体支持壁32とねじ70は面外方向に離隔している。
これにより、下の格子枠材30は下枠材2bに、ねじ70と枠体支持壁32とで第1内向壁27を挟持するように取り付けられる。
【0031】
具体的には、ねじ70が下枠材2bのアタッチメント21の第1向壁27と第2内向壁28との間に挿入し、ねじ70が第1内向壁27の面外方向他側面と対向し、枠体支持壁32が第1内向壁27の面外方向一側面と対向し、ねじ70と枠体支持壁32とで第1内向壁27を挟持する。
枠体取付部31の第2壁34が第2内向壁28の面外方向一側面に接し、枠体取付部31の第3壁35における第2壁34よりも面外方向他側に突出した突部35bが第2内向壁28の面内方向内側端に接する。
第4壁36に支持材71を設け、支持材71を下枠材2bの装飾体取付部21aの第1内向壁27の面内方向内側端に接している。
【0032】
次に、格子ユニット3の取り付けを説明する。
図2に仮想線で示すように、格子ユニット3を垂直に対して上部が下部よりも枠体2寄りとなる斜めの姿勢とする。
格子ユニット3を矢印で示す方向に移動し、上枠材2aのアタッチメント21の第1内向壁27と第2内向壁28との間に第1引掛部品6を挿入し、格子ユニット3の最下部である枠体支持壁32の下端を下枠材2bのアタッチメント21の第1内向壁27よりも上とする。
格子ユニット3を垂直な姿勢とし、下の格子枠材30を下枠材2bの装飾体取付部21aの真上に位置させる。
格子ユニット3を下方に移動し、図7に示すように第2引掛部品7(ねじ70)を下枠材2bのアタッチメント21の第1内向壁27と第2内向壁28との間に挿入し、枠体取付部31の第3壁35の突部35bを第2内向壁28に接して格子ユニット3の上の格子枠材30と下の格子枠材30を枠体2の上枠材2aの装飾体取付部21aと下枠体2bの装飾体取付部21aとに、上下けんどん式に取り付ける。
【0033】
この後に、左右の格子枠材30を、左右の縦枠材2c,2dに取り付けた固定部品5の取付片51に取付用ねじ55で固着することで、格子ユニット3を枠体2に取り付けする。
【0034】
図6に示すようにアタッチメント21の装飾体取付部21aにおける第1引掛部品6(ねじ60)が挿入する部分に弾性部材61が設けてある。
弾性部材61は発泡樹脂などの柔軟なものが好ましい。
格子ユニット3の上下の格子枠材30を枠体2の上枠材2a、下枠材2bの装飾体取付部21a,21aに上下けんどん式に取り付けるときに、上の格子枠材30の枠体取付部31に取り付けた第1引掛部品6(ねじ60)が、弾性部材61を圧縮変形することで、上の格子枠材30が上枠材2aの装飾体取付部21aに対して上方に移動する。
【0035】
弾性部材61の第1引掛部品6(ねじ60)が接する面61aは水平に対して面外方向他側(第2内向壁28側)が面外方向一側(第1内向壁27側)よりも上となるように傾斜した傾斜面で、第1引掛部品6が弾性部材61の面61aに押しつけられることにより、弾性部材61の弾性復元力で第1引掛部品6は面外方他側方(第2内向壁28に向かう方向)に向けて押されるとともに、面内方向の下方に向けて押される。
【0036】
これにより、上の格子枠材30の枠体取付部31の第2壁34、つまり面外方向他側部が第2内向壁28に接触し、上の格子枠材30が面外方向にガタつくことを抑制し、下の格子枠材30の枠体取付部31の突部35bが下枠材2bの装飾体取付部21aの第2内向壁28に接触し、上下方向にガタつくことを抑制する。
【0037】
格子ユニット3を枠体2に取り付けた状態で、格子ユニット3は上枠材2aに対して上方に移動できるから、日射等による格子ユニット3の熱伸びを吸収できる。
例えば、図6に示すように、第1引掛部品6(ねじ60)とアタッチメント21の取付壁25との間に隙間があると共に、第2内向壁28の面内方向内側端28aと枠体取付部31の第3壁35の突部35bとの間に隙間がある。
この隙間分だけ格子ユニット3は上枠材2aに対して上方に移動できるから、熱伸びを吸収できる。
【0038】
左右の格子枠材30の枠体取付部31の第3・第4壁35,36の穴35a,36aを挿通して固定部品5に取付用ねじ55を螺合しているので、その取付用ねじ55が格子ユニット3の熱伸びの吸収の妨げとなる。
本発明は、図5図8に示すように第3・第4壁35,36の穴35a,36aを取付用ねじ55の軸55aよりも長く、頭部55bよりは短い長穴とする。
格子ユニット3を枠体2に取り付けた状態では、取付用ねじ55の軸部55aと第3・第4壁35,36の穴35a,36aの下内面との間に上下方向の隙間を形成する。
これにより、格子ユニット3の熱伸びを吸収できる。
しかも、格子ユニット3が熱伸びしたときに取付用ねじ55の頭部55bが穴35a,36aを隠ぺいするので、意匠を損なわない。
つまり、取付用ねじ55の頭部55aの大きさは、格子ユニット3の熱伸び前後で穴335a,36aを覆う寸法としてある。
【0039】
第2の実施の形態を説明する。
図9図10に示すように、固定部品5は固着部である固着片50と取付部である取付片51とで鉤形状で、固着片50は面内方向の長穴56を有している。
左の縦枠材2cの装飾体取付部21a(アタッチメント21)の第1内向壁27の面外方向他側面に固定部品5の固着片50を接し、第1内向壁27からねじ57を長穴56に挿通し、ねじ57をナット、例えば裏板58に螺合することで、固定部品5を第1内向壁27に取り付ける。
左の格子枠材30の枠体取付部31の第4壁35の穴35a、第4壁36の穴36aから取付用ねじ55を取付片51のねじ孔54に螺合し、取付片51と第4壁36を当接することで、縦の格子枠材30を固定部品5に取り付ける。つまり、取付片51が当接部である。
【0040】
このようであるから、取付用ねじ55を締め付け、弛めることで、格子ユニット3を枠体2に取り付け、取り外しできる。
また、左の格子枠枠材30の枠体取付部31(第4壁36)と固定部品5の取付片51が接触しているので、格子枠材30が取付用ねじ55の締め付けで変形することがなく、格子ユニット3の固定強度を確保できる。
また、ねじ57を弛めることで固定部品5を面内方向に移動し、ねじ57を締め付けることにより、固定部品5を面内方向に移動して取付片51(つまり、当接部)を面内方向に移動調整できるから、固定部品5の取付片51と格子枠材30の枠体取付部31(第4壁36)との間の隙間の大きさが異なる場合でも固定部品5の取付片51(つまり、当接部)と格子枠材30の枠体取付部31(第4壁36)を接触できるから、格子ユニット3を枠体2に取り付けできる。
【0041】
固定部品5以外は第1の実施の形態と同一である。
【0042】
第3の実施の形態を説明する。
図11図12に示すように、固定部品5は第1の実施の形態と同一で、固定部品5の固着部である固着片50と左の縦枠材2cの装飾体取付部21a(アタッチメント21)の取付壁25との間にライナー59を設け、このライナー59の厚さ、枚数を変えることで固定部品5を面内方向に移動できるように取り付ける。
固定部品5の取付部である取付片51と左の格子枠材30の格子取付部31(第4壁36)が当接するように、取付用ボルト55で連結し、左の格子枠材30を、左の縦枠材2cに取り付けた固定部品5に固着して取り付ける。つまり、取付片51が当接部である。
ライナー59は一端部に半円形状の凹部を有し、その凹部をねじ5aの軸に挿入するようにして取付壁25と固着片50との間に設ける。
【0043】
このようであるから、取付用ねじ55を締め付け、弛めることで、格子ユニット3を枠体2に取り付け、取り外しできる。
また、左の格子枠枠材30の枠体取付部31(第4壁36)と固定部品5の取付片51が接触しているので、格子枠材30が取付用ねじ55の締め付けで変形することがなく、格子ユニット3の固定強度を確保できる。
また、ライナー59の厚さや枚数を変えることで固定部品5を面内方向に移動して取付片51を面内方向に移動できるから、固定部品5の取付片51と格子枠材30の枠体取付部31(第4壁36)との間の隙間の大きさが異なる場合でも固定部品5の取付片51(当接部)と格子枠材30の枠体取付部31(第4壁36)を接触できるから、格子ユニット3を枠体2に取り付けできる。
【0044】
固定部品5以外は第1の実施の形態と同一である。
【0045】
実施の形態では、格子ユニット3を、格子枠3aに縦格子3bを取り付けた縦格子ユニットとしたが、これに限ることはない。
例えば、格子枠に横格子を取り付けた横格子ユニット、格子枠に縦格子と横格子を取り付けた井桁格子ユニットなどとしても良い。
実施の形態では、建具を片引き戸、片引き窓、引き違い戸、引き違い窓などに用いる障子としたが、これに限ることはない。
例えば、ドアに用いる扉、嵌め殺し窓に用いる障子などとしても良い。
実施の形態では、装飾体を格子ユニットとしたが、これに限ることはない。
例えば、装飾パネル、鋳物パネルなどであっても良い。
実施の形態では、枠体2にガラス4を取り付けしたが、ガラス4は取り付けしないこともある。
【符号の説明】
【0046】
1…建具、2…枠体、2a…上枠材、2b…下枠材、2c…左の縦枠材、2d…右の縦枠材、3…格子ユニット(装飾体)、3a…格子枠、3b…縦格子、4…ガラス、5…固定部品、6…第1引掛部品、7…第2引掛部品、20…枠本体、21…アタッチメント、21a…装飾体取付部、25…取付壁、27…第1内向壁、28…第2内向壁、30…格子枠材、31…枠体取付部、32…枠体支持壁、35…第3壁、35a…穴、36…第4壁、36a…穴、50…固着片(固着部)、51…取付片(取付部)、53…ねじ(支持具)、53a…頭部(当接部)、55…取付用ねじ(固着具)、56…長穴、59…ライナー、60…ねじ、70ねじ。
図1
図2
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図6
図7
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図10
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図12