(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
(活魚用容器)
本発明に係る活魚用容器は、活魚を無水で収容するのに適した容器である。
図1は、本発明に係る活魚用容器の一実施形態を示し、
図2は、
図1のX−X断面図である。
本実施形態の活魚用容器100は、容器本体10と、容器本体10の開口部を塞ぐ蓋体20と、容器本体10内に設けられ、活魚が載せられるトレイ30と、を備える。
【0013】
図3は、本実施形態の容器本体10を示す。
図3に示すように、容器本体10は、略長方形の底壁12と、底壁12の周縁から立設された側壁14と、を有し、有底四角筒状とされている。側壁14の上端には、容器本体10の開口部を周回する凸条16が形成されている。
容器本体10の側壁14の内面(内周面14a)には、高さ方向に延びる複数の凸条40が設けられている。凸条40は、その延在方向と略直交する方向に、互いに離間して並んでいる。
容器本体10の底壁12の内面(内底面12a)には、2つのスペーサ18が設けられている。スペーサ18は、内底面12aから突出し、任意の側壁14から、これに対向する側壁14に向かって延びる凸条である。
【0014】
容器本体10の材料は、保温性の点から、断熱材が好ましい。該断熱材は、非発泡系断熱材であってもよく、発泡系断熱材であってもよく、なかでも発泡系断熱材がより好ましく、そのなかでも樹脂発泡体が特に好ましい。この樹脂発泡体としては、ポリスチレン系樹脂発泡体、ポリエチレン系樹脂発泡体、ポリプロピレン系樹脂発泡体、ポリウレタン系樹脂発泡体等が挙げられる。
【0015】
蓋体20は、容器本体10の開口部を塞げる平面視四角形とされている。
蓋体20には、任意の角部近傍に蓋貫通孔22が形成され、これの対角側にある角部近傍にも蓋貫通孔24が形成されている。
蓋体20における、容器本体10の開口部を臨む面20aの周縁には、容器本体10の凸条16と嵌合する凹部26が形成されている。
蓋体20の材料は、容器本体10の材料と同様のものが挙げられる。
【0016】
図4は、本実施形態のトレイ30を示す。
トレイ30は、底板33と、底板33の周縁から立設された側板36と、を有し、底板33の上面は載置面34とされている。
底板33は、平面視凸文字の形状とされ、平面視長方形の平板状の胴載置部31と、胴載置部31の長手方向に延設され、胴載置部31に比べて幅狭の尾載置部32と、を有する。胴載置部31の四隅近傍には、それぞれ底板貫通孔39が形成されている。
胴載置部31の幅方向両側の側板36には、底板33に向かう略長方形の切欠き36a
1、36a
2がそれぞれ形成されている。すなわち、胴載置部31の幅方向両側における側板36は部分的に低くされている。同様に、尾載置部32の幅方向両側の側板36には、底板33に向かう略長方形の切欠き36b
1、36b
2がそれぞれ形成されている。すなわち、尾載置部32の幅方向両側における側板36は部分的に低くされている。
さらに、底板33には、胴載置部31の中央から、尾載置部32と反対方向寄りに、段差状の凹み部35が形成されている。凹み部35は、トレイ30と長手方向を共通とする平面視長方形とされ、第1の段差部35aと、第1の段差部35aよりも尾載置部32寄りに形成された第2の段差部35bと、からなる。第2の段差部35bは、第1の段差部35aよりも深く形成され、底板33を貫通している。
トレイ30の大きさは、トレイ30に載せられる活魚の大きさに合わせて適宜設定すればよい。
トレイ30の材料は、容器本体10又は蓋体20の材料と同じであっても異なっていてもよい。容器本体10又は蓋体20の材料と異なる材料としては、例えば非発泡の樹脂材料(ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂など)等が挙げられる。
【0017】
本実施形態の活魚用容器100において、トレイ30は、活魚の載置面34が容器本体10の開口部を臨むように配置される。
図1、2に示すように、活魚用容器100には、4枚のトレイ30が設けられ、これらのトレイ30同士が、尾載置部32を同じ方向に向けて、2段に重ねられ、かつ、トレイ30の幅方向に2列に並べられている。
トレイ30と容器本体10の側壁14との間には、凸条40が介在することによって側壁離間部81が形成され、流路が確保されている。
トレイ30と容器本体10の底壁12との間には、スペーサ18が介在することによって底壁離間部82が形成され、流路が確保されている。
2段に重ねられたトレイ30間には、トレイ30の幅方向両側の側板36における切欠き36a
1、36a
2、36b
1、36b
2によって隙間83が形成され、流路が確保されている。
容器本体10には、容器本体10の底壁12及び側壁14と、2段2列に配置された4つのトレイ30と、で囲まれる空間(すなわち、2列に配置されて隣り合うトレイ30の尾載置部32同士の間にある空間)が形成され、この空間は第1の保冷剤収容部51とされている。
また、容器本体10には、底壁12及び側壁14と、2段に配置された2つのトレイ30と、で囲まれる空間(すなわち、第1の保冷剤収容部51と尾載置部32を挟んだ位置にある2つの空間)が形成され、これらの空間はそれぞれ第2の保冷剤収容部52とされている。
【0018】
(活魚用容器の使用方法)
上述した活魚用容器100を使用する方法、すなわち、活魚の収容方法としては、例えば、活魚用容器100に低呼吸状態(エラの運動や心拍数が低下した状態)の活魚を収容し、保冷剤収容部51、52にそれぞれ保冷剤を収容した後、活魚用容器100内に酸素ガスを充填して密閉する方法が挙げられる。
活魚用容器100に収容される活魚の種類には、特に制限はなく、例えばヒラメ科又はカレイ科の活魚が好適である。
【0019】
まず、従来公知の方法により、活魚を低呼吸状態(エラの運動や心拍数が低下した状態)に誘導する。活魚を低呼吸状態(エラの運動や心拍数が低下した状態)に誘導する方法としては、例えば、活魚用容器100とは異なる別の容器内で、活魚が泳いでいる海水(12℃程度に管理されている海水)を、冷却速度0.3〜2.0℃/hrで水温5〜7℃程度まで冷却する方法が挙げられる。
次いで、低呼吸状態(エラの運動や心拍数が低下した状態)の活魚を、4枚のトレイ30にそれぞれ1匹ずつ載せる。
活魚をトレイ30に載せる際、例えば
図5に示すように、底板33に緩衝シート70を設置し、その緩衝シート70上に活魚を載せることが好ましい。
【0020】
図5は、底板上に緩衝シートが設置されたトレイを示す。
緩衝シート70は、胴載置部31及び尾載置部32に合わせた形状とされ、底板33の全体を覆っている。緩衝シート70を介することにより、活魚が活魚用容器100内に収容されている間、活魚に加わる自重の負荷がより低減し、無水輸送における生存率がさらに高まる。加えて、活魚に加わる衝撃が和らぐため、魚体を傷めにくい。
緩衝シート70の厚さは、好ましくは2〜20mmである。
緩衝シート70の材料は、例えば樹脂発泡シート等が挙げられる。この樹脂発泡シートとしては、ポリウレタン系樹脂発泡シート、ポリスチレン系樹脂発泡シート、ポリエチレン系樹脂発泡シート、ポリプロピレン系樹脂発泡シート等が挙げられる。
緩衝シート70として樹脂発泡シートを用いる場合、活魚表面の乾燥防止の点から、該樹脂発泡シートにおける連続気泡中に予め水を含ませておくことが好ましい。なお、該連続気泡中に予め水を含ませておくとともに、又はこれに代えて、活魚の表面を予め水で濡らしておいてもよい。
【0021】
また、活魚をトレイ30に載せる際、トレイ30に載せる活魚の尻尾を、例えば発泡シートを袋状に加工したもので覆うことが好ましい。このようにすることで、活魚用容器100に活魚を収容した際、活魚の尻尾部の損傷がより防止される。
袋状に加工したものの材料は、例えばポリウレタン系樹脂発泡シート、ポリスチレン系樹脂発泡シート、ポリエチレン系樹脂発泡シート、ポリプロピレン系樹脂発泡シート等が挙げられる。
【0022】
次いで、活魚が載せられた4枚のトレイ30を、容器本体10内に、尾載置部32を同じ方向に向けて、2段に重ね、かつ、トレイ30の幅方向に2列に並べる。このときの状態を
図6に示す。
【0023】
図6は、低呼吸状態(エラの運動や心拍数が低下した状態)の活魚が容器本体内に収容された状態を示す。
図6において、容器本体10内には、トレイ30が尾載置部32を同じ方向に向けて2段2列に配置され、尾載置部32の近傍に保冷剤収容部51、52が形成されている。トレイ30と容器本体10の側壁14との間には、高さ方向に設けられた凸条40によって側壁離間部81が形成され(
図2参照)、流路とされている。トレイ30には、緩衝シート70を介して、低呼吸状態(エラの運動や心拍数が低下した状態)の活魚60が載せられている。
【0024】
次いで、2段2列にトレイ30を配置することによって容器本体10内の尾載置部32の近傍に形成された保冷剤収容部51、52にそれぞれ保冷剤を収容する。
次いで、容器本体10の開口部を周回する凸条16と、蓋体20の面20aの周縁に形成された凹部26と、を嵌合させて、容器本体10に蓋体20を被せる。この際、蓋貫通孔24が、尾載置部32側となるように蓋体20を被せる。
その後、内臓(心臓など)がある頭部側を過剰に冷却することがないように、酸素ガスを、好ましくは蓋貫通孔24から供給し、容器100内の空気を蓋貫通孔22から排出して、容器100内を酸素ガスで満たし、その後、蓋貫通孔22及び蓋貫通孔24を塞いで密閉する。
【0025】
容器100内の密閉時における温度は、好ましくは10℃以下、より好ましくは4〜6℃とされる。
尚、容器100内の温度は、温度記録機器を容器100内に設置することによって測定される値を示す。
【0026】
容器100内に充填される酸素ガスの初期濃度は、活魚60の生存率がより高まることから、活魚60を低呼吸状態(エラの運動や心拍数が低下した状態)から蘇生させる時点における、容器100内の酸素ガス濃度が40体積%以上となるように設定することが好ましい。例えば、酸素ガスの初期濃度は、好ましくは60体積%以上、より好ましくは80体積%以上に設定される。
尚、容器100内の酸素ガス濃度は、酸素濃度計測機器を用い、その酸素検知部先端を貫通孔24から容器100内に挿入することによって測定される値を示す。
【0027】
<作用効果>
本実施形態の活魚用容器100においては、トレイ30と側壁14との間に側壁離間部81が形成され、及び、トレイ30と底壁12との間に底壁離間部82が形成され、並びに、トレイ30の底板33(胴載置部31の四隅近傍)に底板貫通孔39が形成されている。これにより、保冷剤の冷気又は充填されるガスが、活魚用容器100内の全体に通流しやすい。そのため、活魚用容器100内の温度分布及びガス濃度分布が均一になる。
加えて、トレイ30の尾載置部32の近傍に、保冷剤収容部51、52が形成されている。これにより、活魚は、尻尾側から徐々に冷却されていく。そのため、活魚は、内臓(心臓など)がある頭部側が過剰に冷却されにくい。
したがって、活魚用容器100によれば、活魚の無水輸送における生存率をより高められる。
【0028】
また、活魚用容器100においては、トレイ30の幅方向両側の側板36に、底板33に向かう略長方形の切欠き36a
1、36a
2、36b
1、36b
2が形成され、側板36が部分的に低くされている。これによっても、保冷剤の冷気又は充填されるガスが、活魚用容器100内の全体に通流しやすくなっている。特に複数のトレイ30が高さ方向に重ねられた際、トレイ30の側板36が部分的に低くされていることで、高さ方向に隣り合うトレイ30間を、保冷剤の冷気又は充填されるガスが通流しやすい。
【0029】
また、活魚用容器100は、トレイ30の底板33に、段差状の凹み部35が形成されている。これにより、活魚が載置面34に載せられている間、活魚に加わる自重の負荷が低減され、無水輸送における活魚の生存率がより高まる。
【0030】
また、活魚用容器100においては、1枚のトレイ30に活魚1匹が載せられる。そのため、活魚同士が接触することがない。これにより、魚体表面が損傷することがなく、加えて、低呼吸状態(エラの運動や心拍数が低下した状態)にある魚が前記接触により覚醒して無水の中で死亡するおそれもない。
【0031】
<その他の実施形態>
本発明の活魚用容器は、上述した活魚用容器100に限定されず、活魚用容器への気体の出入り口となる貫通孔が、容器本体に設けられていてもよい。また、活魚用容器への気体の出入り口となる貫通孔が蓋体に設けられている場合でも、本実施形態の蓋体20における貫通孔22及び貫通孔24の位置に限定されない。但し、活魚用容器内に酸素ガスを充填する際、内臓(心臓など)がある頭部側を過剰に冷却することがなく、活魚が尻尾側から徐々に冷却されるような位置に、気体の出入り口となる貫通孔を設けることが好ましい。
【0032】
また、本実施形態のトレイ30の底板33に形成されている凹み部35は、第2の段差部35bが底板33を貫通しているが、第2の段差部は底板を貫通していなくてもよい。但し、活魚に加わる自重の負荷がより低くなることから、凹み部における第2の段差部は底板を貫通していることが好ましい。
また、トレイ30の側板36には、切欠き36a
1、36a
2、36b
1、36b
2が形成されていたが、高さ方向に隣り合うトレイ間を、保冷剤の冷気又は充填されるガスが通流しやすい構造であれば、切欠きが形成されていなくてもよい。例えば、トレイの側壁に、保冷剤の冷気又は充填されるガスの流路となり得る貫通孔が形成されていてもよい。
また、トレイ30は側板36を有していたが、トレイは、側壁を有していなくてもよい。但し、トレイを積み重ねる場合には、側壁を有するトレイが好ましい。
また、トレイ30は、底板33が平面視凸文字の形状と(尾載置部に、トレイの幅方向の両側から略長方形の切欠きが形成)されていたが、これに限定されず、トレイの形状は、尾載置部の近傍に保冷剤収容部が形成し得る形状であればよい。例えば、トレイ30の尾載置部32に形成されている略長方形の切欠きの数が1つだけのトレイでもよい。また、トレイ30の尾載置部32に形成される切欠きの形状が、三角形、円形又は扇形などであってもよい。
また、トレイ30の胴載置部31には、活魚の頭部に沿った形状の立設部を適宜設けてもよい。これにより、活魚を活魚用容器に収容して無水輸送している間、活魚は横滑りしにくくなる。そして、活魚の頭部、特に口部分が側板36に衝突しにくくなり、活魚輸送において損傷しやすい口部分の損傷が防止され、納品時の活魚の外観が向上する。
【0033】
本実施形態の活魚用容器100では、容器本体10側に凸条40を設けることで、トレイ30と容器本体10の側壁14との間に側壁離間部81が形成されていたが、これに限定されず、トレイ30側に凸条を設けてもよい。
【0034】
図7は、凸条が設けられているトレイの一実施形態を示す。
図7に示すトレイ30aは、
図4に示すトレイ30と、側板36外面の形状を除いて同一の形態を有する。
トレイ30aは、胴載置部31の幅方向両側の側板36の外面に、高さ方向に延びる複数の凸条37が設けられている。また、トレイ30の長手方向両側の側板36の外面に、高さ方向に延びる複数の凸条38が設けられている。凸条37及び凸条38は、それぞれ、その延在方向と略直交する方向に、互いに離間して並んでいる。凸条37の幅は、凸条38の幅よりも広くされている。
トレイ30aの材料としては、トレイ30の材料と同様のものが挙げられる。
【0035】
また、活魚用容器100では、容器本体10の内底面12aにスペーサ18を設けることで、トレイ30と容器本体10の底壁12との間に底壁離間部82が形成されていたが、これに限定されず、トレイ30側にスペーサを設けてもよい。
【0036】
また、本実施形態の活魚用容器100の形状は、略直方体の箱型形状であるが、トレイの形状等に合わせて変更してもよい。但し、トレイの容器本体に対する収容効率などの点から、略直方体の箱型形状が好ましい。
また、活魚用容器100では、4枚のトレイ30が2段2列に配置されていたが、これに限定されず、トレイ30の数は、1〜3枚、又は5枚以上であってもよく、トレイ30の配置は、1段又は3段以上でもよく、1列又は3列以上でもよい。
【0037】
また、容器本体には、排水口が設けられていてもよい。
図8は、排水口が設けられている容器本体の一実施形態を示す。
図8に示すように、容器本体10aは、
図3に示す容器本体10と、凸条40及び底壁12内面の各形態を除いて同一の形態を有する。
容器本体10aの側壁14の内面(内周面14a)には、容器本体10aの底面から側壁14の約半分の高さまで高さ方向に延びる複数の凸条40aが設けられている。凸条40aは、その延在方向と略直交する方向に、互いに離間して並んでいる。
底壁12には、底壁12の縁を周回する溝部11aが形成されている。容器本体10aの内側の一角には、溝部11a内に貫通孔13(排水口)が形成されている。
容器本体10aの底壁12内面には、任意の側壁14から、これに対向する側壁14に向かって、複数の凹条15が並んでいる。
また、底壁12には、底壁12内面中央で隣り合う2つの板部15a、15bが凹条15と並んで立設されている。板部15a、15bは、側壁14の約半分の高さを有し、スペーサとしての役割をもつ。2つの板部15a、15b間の底壁12には、溝部11bが形成されている。底壁12内面は、これらの2つの板部15a、15bによって、底壁部12Xと底壁部12Yとに区画されている。
底壁部12Xは、平面視凸文字の形状とされ、平面視長方形の胴載置側底壁部12x
1と、胴載置側底壁部12x
1の長手方向に貫通孔13から離れるように延設され、胴載置側底壁部12x
1に比べて幅狭の尾載置側底壁部12x
2と、を有する。
底壁部12Yは、平面視凸文字の形状とされ、平面視長方形の胴載置側底壁部12y
1と、胴載置側底壁部12y
1の長手方向に貫通孔13から離れるように延設され、胴載置側底壁部12y
1に比べて幅狭の尾載置側底壁部12y
2と、を有する。
容器本体10aは、底壁12及び側壁14と、2つの板部15a、15bと、で囲まれる空間を有する。この空間は、トレイ30aを組み合わせた際に、第1の保冷剤収容部51aの一部を構成する。
また、容器本体10aには、尾載置側底壁部12x
2、12y
2側の両角に、底壁12と、側壁14と、底壁12から立設された仕切壁17と、で囲まれる空間を有する。この空間は、後述のトレイ30aを組み合わせた際に、第2の保冷剤収容部52aの一部を構成する。
容器本体10aの材料としては、容器本体10の材料と同様のものが挙げられる。
容器本体10aに組み合わせるトレイには、
図7に示すトレイ30aを用いることが好ましい。
【0038】
図9は、
図8に示す容器本体10aに、
図7に示すトレイ30aを組み合わせた状態を示す。
図9に示す実施形態において、トレイ30aは、活魚の載置面34が容器本体10aの開口部を臨むように配置される。
図9に示すように、容器本体10aには、2枚のトレイ30aが設けられ、これらのトレイ30a同士が、尾載置部32を同じ方向に向けて、トレイ30aの幅方向に2列に並べられている。
2枚のトレイ30aは、2つの板部15a、15bと凸条40aとによって支持されている。
トレイ30aと容器本体10aの側壁14との間には、凸条37が介在することによって側壁離間部81aが形成され、流路が確保されている。
トレイ30aと容器本体10aの底壁12との間には、板部15a、15b及び凸条40aが介在することによって底壁離間部が形成され、流路が確保されている。
容器本体10aには、容器本体10aの底壁12及び側壁14と、2列に配置された2つのトレイ30aと、2つの板部15a、15bと、で囲まれる空間(すなわち、2列に配置されて隣り合うトレイ30aの尾載置側底壁部12x
2、12y
2同士の間にある空間)が形成され、この空間は第1の保冷剤収容部51aとされている。
また、容器本体10aには、底壁12及び側壁14と、トレイ30aと、仕切壁17と、で囲まれる空間(すなわち、第1の保冷剤収容部51aと尾載置側底壁部12x
2、12y
2を挟んだ位置にある2つの空間)が形成され、これらの空間はそれぞれ第2の保冷剤収容部52aとされている。
【0039】
活魚用容器において、排水口が設けられている容器本体10aを用いることで、従来、別の容器で行っていた、海水中の活魚を低呼吸状態(エラの運動や心拍数が低下した状態)へ誘導する処理を、無水輸送に用いる容器と同一の容器で行うことができる。
活魚を低呼吸状態(エラの運動や心拍数が低下した状態)に誘導する処理は、例えば次のようにして行う。まず、容器本体10aの内側の一角にある貫通孔13を閉じる。次いで、
図9に示したように、容器本体10aにトレイ30aを組み合わせる。次いで、容器本体10a内を海水で満たし、トレイ30aに活魚を載せる。活魚をトレイ30aに載せる際、
図5に示すように、底板33に緩衝シート70を設置し、その緩衝シート70上に活魚を載せることが好ましい。
次いで、海水(12℃程度に管理されている海水)を、冷却速度0.3〜2.0℃/hrで水温5〜7℃程度まで冷却する。これにより、活魚用容器内で、活魚が低呼吸状態(エラの運動や心拍数が低下した状態)に誘導される。
活魚が低呼吸状態(エラの運動や心拍数が低下した状態)に誘導されたことを確認した後、貫通孔13を開けて海水を排水する。この際、底壁12内面に凹条15が形成されているため、海水が流れやすい。海水を排水後、貫通孔13を閉じ、保冷剤収容部51a、52aにそれぞれ保冷剤を収容する。
次いで、上述したように、容器本体10aに蓋体を被せて酸素ガスを供給し、容器内を酸素ガスで満たし、その後、容器内を密閉する。
【0040】
図7〜9に示す実施形態によれば、海水中の活魚を低呼吸状態(エラの運動や心拍数が低下した状態)へ誘導する処理を、無水輸送に用いる容器と同一の容器で行うことができるため、作業性が向上する。加えて、これまで低呼吸状態(エラの運動や心拍数が低下した状態)の活魚を、別の容器から無水輸送用の容器(活魚用容器)に移す際に活魚が受けていた衝撃等が無くなることで、活魚の低呼吸状態(エラの運動や心拍数が低下した状態)が安定に維持される。
【0041】
図8に示す容器本体10aには底壁12に溝部11aが形成されているが、海水を効率的に排水するため、溝部11aに、貫通孔13(排水口)に向かって低くなるように傾斜を設けてもよい。また、底壁部12X及び底壁部12Yにそれぞれ溝部11aに向かって低くなるように傾斜を設けてもよい。
また、底板33に緩衝シート70を設置した場合、活魚を低呼吸状態(エラの運動や心拍数が低下した状態)へ誘導する処理により、緩衝シート70が海水に濡れる。海水を容器本体10a外へ排水した際、緩衝シート70から海水が効率的に除去されるようにするため、底板33の載置面34の形状を、凹条を設けて凹凸形状としてもよい。
【0042】
また、容器本体10a内を海水で満たした際、トレイ30aが浮いたりしないようにするため、トレイ30aの幅方向又は長手方向の寸法を大き目に設定し、トレイ30a全体を湾曲させながら、容器本体10aと組み合わせて固定してもよく、クリップ等を用いてトレイ30aと容器本体10aとを物理的に固定してもよい。
【実施例】
【0043】
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。
【0044】
(実施例1)
<活魚用容器の作製>
図1に示す活魚用容器100と同様の形態であって、下記サイズの容器本体と蓋体とトレイ4枚とを備えた、発泡ポリスチレン系樹脂の成形体からなる容器を作製した。トレイの底板には、下記の緩衝シートを設置した。
容器本体:幅484mm×長手525mm×高さ16mm、側壁の厚さ18mm、底壁の厚さ20mm。
蓋体:幅484mm×長手525mm×厚さ24mm。
トレイ:底板の厚さ15mm、胴載置部の幅219mm×長手363mm、尾載置部の幅101mm×長手116mm。
緩衝シート:ポリウレタン系樹脂発泡シートを使用。厚さ5mm。
【0045】
<活魚の収容>
活魚としてヒラメを用いた。
低呼吸状態(エラの運動や心拍数が低下した状態)に誘導したヒラメを、緩衝シートを介して、4枚のトレイにそれぞれ1匹ずつ載せた。
次いで、
図6に示すように、ヒラメが載せられた4枚のトレイを、容器本体内に、尾載置部を同じ方向に向けて、2段2列に配置した。これにより、トレイと容器本体の側壁との間、及びトレイと容器本体の底壁との間には、それぞれ離間部が形成され、加えて、尾載置部の近傍に保冷剤収容部が形成された。
次いで、保冷剤収容部に保冷剤を収容し、容器本体に蓋体を被せた。
次いで、容器内に、酸素ガスを、蓋体におけるヒラメの尻尾側に近い貫通孔から供給した。
次いで、蓋体における貫通孔を塞いで容器内を密閉した。
この時点での容器内の温度は5℃、酸素ガス濃度は80体積%であった。
容器内の温度は、エスペックミック株式会社製のデジタル温度記録機「RTW30S」を用いて測定した。容器内の酸素ガス濃度は、泰榮エンジニアリング株式会社製の酸素モニタ「OXYMAN」を用いて測定した。
【0046】
[生存率の評価]
その後、低呼吸状態(エラの運動や心拍数が低下した状態)のヒラメを収容した容器を、7±2℃の雰囲気下、24時間放置した。
かかる24時間放置の後、容器内の温度は6℃、酸素ガス濃度は45体積%であった。そして、ヒラメ4匹の全部が蘇生したこと(生存率100%であること)が確認された。