(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6333048
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】多層回路基板
(51)【国際特許分類】
H01P 3/08 20060101AFI20180521BHJP
H05K 3/46 20060101ALI20180521BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20180521BHJP
H01P 5/02 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
H01P3/08
H05K3/46 Z
H05K1/02 P
H05K1/02 J
H01P5/02 603D
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-95244(P2014-95244)
(22)【出願日】2014年5月2日
(65)【公開番号】特開2015-213241(P2015-213241A)
(43)【公開日】2015年11月26日
【審査請求日】2017年1月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000204284
【氏名又は名称】太陽誘電株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001863
【氏名又は名称】特許業務法人アテンダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐治 哲夫
(72)【発明者】
【氏名】中村 浩
【審査官】
佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】
実開平02−032206(JP,U)
【文献】
米国特許第05321375(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 3/08
H01P 5/02
H05K 1/02
H05K 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体層と絶縁体層とを積層してなる多層回路基板であって、
第1導体層には第1信号線及び該第1信号線と間隔をおいて配置された第1グランド導体が形成され、
第1導体層と絶縁体層を介して対向する第2導体層には第2信号線及び該第2信号線と間隔をおいて配置された第2グランド導体が形成され、
前記第1信号線は多層回路基板の厚み方向に投影した際に第2信号線と交差しており、
前記第1グランド導体と第1信号線の間隔は第1及び第2信号線の交差部においては該交差部以外における間隔よりも小さく、且つ、前記第2グランド導体と第2信号線の間隔は前記交差部においては該交差部以外における間隔よりも小さく形成され、
前記第1信号線は、第2信号線との交差部においては該交差部以外よりも線幅が狭く形成され、
前記第2信号線は、第1信号線との交差部から該交差部以外の部分に亘って線幅が同一に形成されている
ことを特徴とする多層回路基板。
【請求項2】
前記第1グランド導体と第1信号線の間隔は、第1信号線の特性インピーダンスに対する影響が、第1及び第2信号線の交差部においては第1グランド導体との距離が第2グランド導体との距離よりも支配的となり、前記交差部以外においては第2グランド導体との距離が第1グランド導体との距離よりも支配的となるように設定されており、
前記第2グランド導体と第2信号線の間隔は、第2信号線の特性インピーダンスに対する影響が、第1及び第2信号線の交差部においては第2グランド導体との距離が第1グランド導体との距離よりも支配的となり、前記交差部以外においては第1グランド導体との距離が第2グランド導体との距離よりも支配的となるように設定されている
ことを特徴とする請求項1記載の多層回路基板。
【請求項3】
前記第1信号線は、第2信号線との交差部においてはコプレーナ線路の一部を形成するとともに前記交差部以外においてはマイクロストリップ線路の一部を形成し、
前記第2信号線は、第1信号線との交差部においてはコプレーナ線路の一部を形成するとともに前記交差部以外においてはマイクロストリップ線路の一部を形成する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の多層回路基板。
【請求項4】
前記第1信号線は、第2信号線との交差部と該交差部以外とで特性インピーダンスが一定となっており、
前記第2信号線は、第1信号線との交差部と該交差部以外とで特性インピーダンスが一定となっている
ことを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の多層回路基板。
【請求項5】
前記多層回路基板は、1つの前記絶縁体層の一方の面に前記第1導体層を形成し、前記絶縁体層の他方の面に前記第2導体層が形成された両面基板である
ことを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載の多層回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁体層と導体層とを積層してなる多層回路基板に関し、特に高周波信号の伝送技術に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、高周波回路を実装する多層回路基板においては高周波信号の伝送線路としてストリップ線路・マイクロストリップ線路・コプレーナ線路などの技術が用いられている。このような多層回路基板において2つの伝送線路を交差させる場合には、少なくともその交差部において、各伝送線路の中心導体に相当する信号線をそれぞれ異なる導体層に形成する。特許文献1に記載のものは、2つのマイクロストリップ線路構造を単純に重ね合わせたものであり、第1のマイクロストリップ線路に係る信号線と第2のマイクロストリップ線路に係る信号線の間に、第1のマイクロストリップ線路に係るグランド導体が配置される構造である。また、特許文献2に記載のものは、第1及び第2のマイクロストリップ線路の信号線はそれぞれ多層回路基板の表面に形成され、一方グランド導体は多層回路基板の裏面に形成されている。すなわち、第1及び第2のマイクロストリップ線路で共通のグランド導体を用いている。そして、マイクロストリップ線路の交差部においては、第1のマイクロストリップ線路の信号線を多層回路基板の内層に形成し、その両端部をスルーホールを介して表層の信号線と接続している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−368507号公報
【特許文献2】特開2011−055328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年の電子機器の小型化・薄型化・高機能化の要求に伴い、多層回路基板においても更なる薄型化や配線の狭ピッチ化の要求が高まってきている。一方、高周波信号を多層回路基板中で伝送する場合、伝送線路の特性インピーダンスの不連続が問題になる。これは、不連続部分において高周波信号の反射が起こり、これにより伝送信号の損出が生じたり、波形に歪みやなまりが生じたりするためである。他方、上述のように伝送線路を多層回路基板上で交差させる場合には、伝送線路間での信号の干渉が問題になる。
【0005】
このような問題に関して特許文献1に記載にものでは、第1のマイクロストリップ線路の信号線と第2のマイクロストリップ線路の信号線の間にグランド導体が介在しているので、伝送信号のアイソレーションを確保できるもの、該グランド導体の形成層が常に必要なため薄型化に適さないという問題がある。
【0006】
一方、特許文献2に記載のものでは、伝送線路同士が交差する箇所では、使用周波数で共振する並列共振回路を配置し、共振周波数でのアイソレーションを確保している。このような構造では、伝送線路間にはグランド導体を配置する必要がないので薄型化に貢献する。しかしながら、配線によるインダクタで線路間を接続するため、共振周波数がずれた場合、逆にアイソレーションが悪くなるという問題がある。また、多層回路基板の配線や絶縁層によりインダクタやキャパシタを形成するので、製造する際のばらつきにより共振周波数にもばらつきが発生するおそれがあり、したがって一定のアイソレーションを確保するのは難しいという問題もある。さらにいえば、伝送線路間の信号周波数が異なる場合には当該構造を採用することはできないという問題もある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高周波特性が良好で且つ薄型化を容易に実現できる伝送線路の交差構造を有する多層回路基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本願発明は、導体層と絶縁体層とを積層してなる多層回路基板であって、第1導体層には第1信号線及び該第1信号線と間隔をおいて配置された第1グランド導体が形成され、第1導体層と絶縁体層を介して対向する第2導体層には第2信号線及び該第2信号線と間隔をおいて配置された第2グランド導体が形成され、前記第1信号線は多層回路基板の厚み方向に投影した際に第2信号線と交差しており、前記第1グランド導体と第1信号線の間隔は第1及び第2信号線の交差部においては該交差部以外における間隔よりも小さく、且つ、前記第2グランド導体と第2信号線の間隔は前記交差部においては該交差部以外における間隔よりも小さく形成され、前記第1信号線は、第2信号線との交差部においては該交差部以外よりも線幅が狭く形成され、前記第2信号線は、第1信号線との交差部から該交差部以外の部分に亘って線幅が同一に形成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、第1信号線と第2信号線の交差部以外の部分においては、第1導体層に形成された第1信号線と第2導体層に形成された第2グランド導体によりマイクロストリップ線路を形成し、第2導体層に形成された第2信号線と第1導体層に形成された第1グランド導体によりマイクロストリップ線路を形成することができる。同時に、第1信号線と第2信号線の交差部においては、第1導体層に形成された第1信号線及び第1グランド導体によりコプレーナ線路を形成し、第2導体層に形成された第2信号線及び第2グランド導体によりコプレーナ線路を形成することができる。これにより伝送線路の交差構造を有する多層回路基板の薄型化が可能となる。また、コプレーナ線路は各信号線の近傍且つ同層に各グランド導体が配置されていることから、他層に形成された信号線やグランド導体との影響を受けにくい。これにより第1信号線と第2信号線のアイソレーションを容易に確保することができる。
【0010】
本発明の好適な態様の一例としては、前記第1グランド導体と第1信号線の間隔は、第1信号線の特性インピーダンスに対する影響が、第1及び第2信号線の交差部においては第1グランド導体との距離が第2グランド導体との距離よりも支配的となり、前記交差部以外においては第2グランド導体との距離が第1グランド導体との距離よりも支配的となるように設定されており、前記第2グランド導体と第2信号線の間隔は、第2信号線の特性インピーダンスに対する影響が、第1及び第2信号線の交差部においては第2グランド導体との距離が第1グランド導体との距離よりも支配的となり、前記交差部以外においては第1グランド導体との距離が第2グランド導体との距離よりも支配的となるように設定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように本発明に係る多層回路基板によれば、伝送線路の交差構造を有していながら、高周波特性が良好で且つ薄型化を容易に実現できる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施の形態に係る多層回路基板の交差構造について図面を参照して説明する。
図1は多層回路基板の表面図である。
図1において(a)は多層回路基板の一方の主面側からみた表面図であり、(b)は多層回路基板の他方の主面側からみた表面図である。
【0014】
本実施の形態に係る多層回路基板10は、導体層と絶縁体層を積層してなり、
図1に示すように、1つの絶縁体層の両面にそれぞれ導体層100,200を形成した両面基板である。すなわち、多層回路基板10の一方の主面には第1導体層100が形成され、他方の主面には第2導体層200が形成され、導体層100及び200の間には絶縁体層300が形成されている。第1導体層100には、
図1(a)に示すように、高周波信号を伝送するための第1信号線110と、該第1信号線110と間隔をおいて形成された第1グランド導体150が形成されている。該第1グランド導体150は、所謂「ベタ・グランド」と呼ばれるものであり、多層回路基板10により構成される高周波回路に必要な配線(第1信号線110を含む)・ランド・スルーホール・端子電極などを除く領域に全体的に形成されている。同様に、第2導体層200には、
図1(b)に示すように、高周波信号を伝送するための第2信号線210と、該第2信号線210と間隔をおいて形成された第2グランド導体250が形成されている。該第2グランド導体250は、所謂「ベタ・グランド」と呼ばれるものであり、多層回路基板10により構成される高周波回路に必要な配線(第2信号線210を含む)・ランド・スルーホール・端子電極などを除く領域に全体的に形成されている。第1グランド導体150と第2グランド導体250とは図示しないスルーホールにより電気的に接続している。
【0015】
本発明に係る多層回路基板10では、第1信号線110は、多層回路基板10の厚み方向に第2導体層200に投影した場合に第2信号線210と交差している。そして、本発明の特徴点は、第1信号線110及び第2信号線210との交差部における第1導体層100及び第2導体層200の構造にある。また、本発明の特徴点は、第1信号線110及び第2信号線210との交差部における第1信号線110の構造にある。
【0016】
図1(a)に示すように、第1信号線110は、第2信号線210との交差部以外においては一定の幅W15となっており、第2信号線210との交差部に近づくにつれて徐々に小さくなり、交差部及びその近傍においては前記幅W15よりも小さい幅W10となっている。また、交差部における第1導体層100に形成された第1信号線110と第1グランド導体150の間隔G10は、交差部以外における第1信号線110と第1グランド導体150の間隔G15よりも小さくなっている。具体的には、第1グランド導体150は、第1信号線110と対向する縁が、交差部に近づくにつれ第1信号線110に徐々に近づいていき交差部近傍においては第1信号線110と間隔G15となるよう張り出して形成されている。換言すれば、第1グランド導体150は、交差部近傍においては、第1信号線110方向に台形状に張り出して形成されている。第1グランド導体150の張り出しが開始する位置は、第1信号線110の幅が小さくなり始める位置と、第1信号線110の長さ方向においてほぼ一致している。
【0017】
また、第2信号線210は、第1信号線110と同様に、交差部における第2導体層200に形成された第2信号線210と第2グランド導体250の間隔G20は、交差部以外における第2信号線210と第2グランド導体250の間隔G25よりも小さくなっている。ただし第2信号線210は、第1信号線110とは異なり、少なくとも第1信号線110との交差部から該交差部以外の部分に亘って、換言すれば該交差部から第2信号線210の長さ方向の前後に亘って、線幅が同一(一定)に形成されている。一方、第2グランド導体250は、第1グランド導体150と同様に、第2信号線210と対向する縁が、交差部に近づくにつれ第2信号線210に徐々に近づいていき交差部近傍においては第2信号線210と間隔G25となるよう張り出して形成されている。換言すれば、第2グランド導体250は、交差部近傍においては、第2信号線210方向に台形状に張り出して形成されている。
【0018】
ここで、第1信号線110は、第2信号線210との交差部以外では、第2導体層200に形成された第2グランド導体250との関係で、マイクロストリップ線路の内部導体を構成するようになっている。すなわち、第1信号線110の特性インピーダンスは、交差部以外においては、第2導体層200に形成された第2グランド導体250との距離すなわち絶縁体層300の厚みが、第1導体層100に形成された第1グランド導体150との間隔G10よりも支配的となるように各部の寸法等が規定されている。一方、第1信号線110は、第2信号線210との交差部では、第1導体層100に形成された第1グランド導体150との関係で、コプレーナ線路の内部導体を構成するようになっている。すなわち、第1信号線110の特性インピーダンスは、交差部においては、第1導体層100に形成された第1グランド導体150との間隔G15が、第2導体層200に形成された第2グランド導体250との距離すなわち絶縁体層300の厚みよりも支配的となるように各部の寸法等が規定されている。また、第1信号線110の特性インピーダンスは、第2信号線210との交差部と交差部以外に拘わらず全体に亘って一定となるように、すなわち特性インピーダンスの不連続部が生じないように各部の寸法等が規定されている。以上のような特性インピーダンスに関わる特徴点は第2信号線210についても同様である。
【0019】
本実施の形態に係る多層回路基板10によれば、第1信号線110が形成された第1導体層100と第2信号線210が形成された第2導体層200との間には絶縁体層300しか存在しないので薄型化を容易に図ることができる。また、各信号線110,210と各グランド導体150,250との間隔等を調整することで、特性インピーダンスの不連続の発生を容易に防止することができる。特に本実施の形態では、第1信号線110と第2信号線210との交差部において、第1信号線110の線幅が交差部以外よりも狭くなっているので、第1信号線110においては交差部と交差部以外に拘わらず特性インピーダンスを全体に亘って容易に一定とすることができる。
【0020】
また、本実施の形態にかかる多層回路基板10によれば、交差部においては各信号線110,210の近傍且つ同層に各グランド導体150,250が配置されていることから、他層に形成された信号線やグランド導体との影響を受けにくい。これにより第1信号線110と第2信号線210のアイソレーションを容易に確保することができる。特に本実施の形態では、第1信号線110と第2信号線210との交差部において、第1信号線110の線幅が交差部以外よりも狭くなっているので、両信号線間のアイソレーションを更に容易に確保することができる。
【0021】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記各実施の形態においては、1つの絶縁体層の両面に導体層が形成された両面基板について説明したが、表層の導体層を含む3層以上の導体層を有する多層回路基板であっても本発明を適用できる。この場合、1つの絶縁体層を挟んで対向する導体層がそれぞれ本発明の第1導体層及び第2導体層に相当する。また、このような場合には、第1導体層及び第2導体層の何れか一方が多層回路基板の表層として形成されていてもよいし、両層が多層回路基板の内層として形成されていてもよい。
【実施例】
【0022】
本発明の実施例に係る多層回路基板について、通過特性、アイソレーションをシミュレーションで求めた。実施例は上記実施の形態の構造を有するものとする。該実施例では、第1信号線の線路長は5mm、同厚みは13um、交差部以外における第1信号線の幅は85um、交差部における第1信号線の幅は56um、交差部以外における第1信号線とグランド導体の間隔は170um、交差部における第1信号線と第1グランド導体の間隔は25umとした。また該実施例では、第2信号線の線路長は5mm、同幅は一定で85um、同厚みは13um、交差部以外における第2信号線と第2グランド導体の間隔は170um、交差部における第2信号線と第2グランド導体の間隔は38umとした。また該実施例では、絶縁体層の厚みは44umとした。
【0023】
比較例1として第1及び第2の伝送線路をマイクロストリップ線路で構成した例を用意した。比較例1では、第1及び第2の信号線の線路長は5mm、同幅は85um、同厚みは13um、絶縁体層の厚みは44um、各信号線とグランド導体の間隔は170umとした。
【0024】
また比較例2として第1及び第2の伝送線路をコプレーナ線路で構成した例を用意した。比較例2では、第1及び第2の信号線の線路長は5mm、同幅は56um、同厚みは13um、絶縁体層の厚みは44um、各信号線とグランド導体の間隔は25umとした。
【0025】
実施例並びに比較例1及び2において、第1信号線の一方の端部をポート1、他方の端部をポート2、第2信号線の一方の端部をポート3、他方の端部をポート4とする。そして、ポート1・ポート2間に1GHzから6GHzまでの正弦波を印加し、ポート3・ポート4間に所定の負荷(インピーダンス素子)を接続する。このような状況において、通過特性の評価値としてSパラメータの1つであるS21を求め、アイソレーションの評価値として同S41を求める。
図2及び
図3にシミュレーション結果を示す。
【0026】
各図が示すように本願発明によれば、比較例1との対比においては通過特性がやや劣るものの、アイソレーションについては大きく改善できたことが分かった。一方、比較例2との対比においてはアイソレーションについては劣るものの、通過特性については大きな利点があることを確認できた。現実的な高周波回路の設計においては、比較例2のようなコプレーナ線路を用いた場合には、マイクロストリップ線路より信号線の幅が小さくなるため導体損が増加することから通過損失が大きく、且つ、一定した特性インピーダンスのためには高い加工精度が要求されるため、高密度化・狭ピッチ化・薄型化が要求される場面では現実的ではない。したがって本願発明の現実的な比較対象は比較例1となるが、前述のように、通過特性はやや劣るもののアイソレーションについては良好なので、高密度化・狭ピッチ化・薄型化が要求される場面においては非常に有効的であることが検証された。
【符号の説明】
【0027】
10,20…多層回路基板、100…第1導体層、200…第2導体層、110…第1信号線、210…第2信号線、150…第1グランド導体、250…第2グランド導体、300…絶縁体層。