(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6333089
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】微粉粒子の沈降装置及び沈降方法
(51)【国際特許分類】
B01D 21/24 20060101AFI20180521BHJP
B01D 21/28 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
B01D21/24 D
B01D21/24 H
B01D21/28 Z
【請求項の数】8
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-134147(P2014-134147)
(22)【出願日】2014年6月30日
(65)【公開番号】特開2016-10782(P2016-10782A)
(43)【公開日】2016年1月21日
【審査請求日】2016年11月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】306022513
【氏名又は名称】新日鉄住金エンジニアリング株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390022873
【氏名又は名称】NSプラント設計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【弁理士】
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(74)【代理人】
【識別番号】100169063
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 洋平
(72)【発明者】
【氏名】安田 和真
(72)【発明者】
【氏名】中村 正治
(72)【発明者】
【氏名】岩隈 一博
【審査官】
高橋 成典
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−183963(JP,A)
【文献】
特開2003−302172(JP,A)
【文献】
特開2012−034638(JP,A)
【文献】
特開2000−192050(JP,A)
【文献】
特開2010−082487(JP,A)
【文献】
特許第4434752(JP,B2)
【文献】
特開昭52−144397(JP,A)
【文献】
特開昭63−205189(JP,A)
【文献】
特開平10−249301(JP,A)
【文献】
特開2003−65529(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 21/00 − 21/34
B09B 3/00、 5/00
C10B 39/00 − 39/18、
53/00 − 53/08
C21B 3/00 − 5/06、
11/00 − 15/04
F27D 7/00 − 15/02
F23J 1/00
A23N 12/00 − 12/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理炉からの微粉粒子を水中に沈降させるための沈降装置であって、
水を収容する水槽と、
処理炉に基端側が接続され且つ先端側が前記水槽内の水の水面よりも下方の位置まで延びる筒状のシュートと、
前記シュートの先端側開口の中央領域に設けられ、前記水槽内の水であって前記シュートの先端側で囲われた領域の水に、水を噴射することによって、前記中央領域を上昇し、その後、前記シュートの内面に沿って下降する水流を生じさせる第一のノズルと、
前記シュートの先端側内部に設けられ、前記水槽内の水であって前記シュートの先端側で囲われた領域の水に、水を噴射することによって旋回流を生じさせる第二のノズルと、
を備える、沈降装置。
【請求項2】
複数の前記第一のノズルを備え、少なくとも一つの前記第一のノズルは前記先端側開口の中央部に設けられ、残りの前記第一のノズルは前記中央部に設けられた前記第一のノズルを囲うように設けられている、請求項1に記載の沈降装置。
【請求項3】
複数の前記第二のノズルを備え、前記複数の第二のノズルは前記シュートの先端側内面に周方向に並ぶように設けられている、請求項1又は2に記載の沈降装置。
【請求項4】
前記水槽に設けられた排水口と、
前記排水口に基端側が接続され且つ途中にポンプ及びクーラーを有する循環ラインと、
を更に備え、
前記循環ラインによって循環される水が前記第一及び第二のノズルから噴射される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の沈降装置。
【請求項5】
処理炉からの微粉粒子を水中に沈降させるための沈降方法であって、
処理炉に基端側が接続され且つ先端側が水槽内の水の水面よりも下方の位置まで延びる筒状のシュートを介して水槽に微粉粒子を導入する工程と、
前記シュートの先端側開口の中央領域に設けられた第一のノズルから水を噴射することによって前記水槽内の水であって前記シュートの先端側で囲われた領域の水に、前記中央領域を上昇し、その後、前記シュートの内面に沿って下降する水流を生じさせる工程と、
前記シュートの先端側内部に設けられた第二のノズルから水を噴射することによって前記水槽内の水であって前記シュートの先端側で囲われた領域の水に旋回流を生じさせる工程と、
を備える、沈降方法。
【請求項6】
前記第一のノズルから噴射する水の線速度は1〜12m/秒である、請求項5に記載の沈降方法。
【請求項7】
前記第二のノズルから噴射する水の線速度は1〜6m/秒である、請求項5又は6に記載の沈降方法。
【請求項8】
前記水槽から排出させた水を冷却するとともに冷却した水を前記水槽に循環させる工程を更に備え、
前記冷却した水を前記第一及び第二のノズルから噴射させる、請求項5〜7のいずれか一項に記載の沈降方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理炉から水槽に排出される微粉粒子を水槽の水中に沈降させるための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
処理炉の例として、各種廃棄物(一般廃棄物、産業廃棄物)の焼却炉;乾留炉;石炭、バイオマス等の炭化炉などが挙げられる。これらの炉から排出される微粉粒子はシュートと称される筒を介して水槽に導入される。水槽には水が収容されており、その水面よりも低い位置にまでシュート先端は延びている。これにより、処理炉から水槽に微粉粒子を供給する際、外気が処理炉内に入り込むことを防止するとともに、処理炉内の可燃性ガスが外部に漏れることを防止している。このような用途に使用される水槽は水封槽と称される。
【0003】
処理炉からは高温(例えば400℃超)の微粉粒子が排出されるため、水槽はこれを冷却するための役割がある(特許文献1参照)。また、処理炉に供給される原料又は処理炉の操業条件によっては、水よりも軽い濡れ性の低い微粉粒子が得られる。この性質を利用して水槽において微粉粒子と熱分解残渣に含まれる金属とを分離する装置が知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3471239号公報
【特許文献2】特開2005−74320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献2に記載の発明が対象とする微粉粒子とは反対に、水よりも重い微粉粒子が処理炉から水槽に供給される場合もある。この場合、水槽の水中に沈降した微粉粒子は、例えば水槽の底部から外に延びるフライトコンベアで回収される。しかし、微粉粒子が比較的小さい粒径(例えば平均粒径2mm弱)である場合、水中に微粉粒子を一旦浸せばそのまま沈降するものの、そのような措置を取らないとシュート内の水面付近に浮いた状態で堆積しやすいことを本発明者らは見出した。微粉粒子が水中に速やかに沈降しないと、微粉粒子がシュートを閉塞するなどの操業上の不具合を招来するおそれがある。
【0006】
本発明は、水槽内の水中に微粉粒子を十分速やかに沈降させることが可能な微粉粒子の沈降装置及び沈降方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る沈降装置は、処理炉からの微粉粒子を水中に沈降させるためのものであり、水を収容する水槽と、処理炉に基端側が接続され且つ先端側が水槽内の水の水面よりも下方の位置まで延びる筒状のシュートと、シュートの先端側開口の中央領域に設けられ、水槽内の水であってシュートの先端側で囲われた領域の水(以下、場合により単に「シュート内の水」という。)に上昇流を生じさせる第一のノズルと、シュートの先端側内部に設けられ、シュート内の水に旋回流を生じさせる第二のノズルとを備える。
【0008】
上記沈降装置によれば、シュート内の水、すなわち処理炉からの微粉粒子が落下してくる領域の水に上昇流及び旋回流の両方を生じさせることができる。第一のノズルによる上昇流は、水面の中央領域を盛り上げ、その後、シュートの内面を沿った下降流となると推察される。第一のノズルによる上昇流及びその後の下降流と、第二のノズルによる旋回流とに起因した水流が微粉粒子を水中に速やかに沈降させるのに寄与すると推察される。
【0009】
上記沈降装置は複数の第一のノズルを備えてもよい。この場合、少なくとも一つの第一のノズルは先端側開口の中央部に設けられ、残りの第一のノズルは中央部に設けられた第一のノズルを囲うように設けてもよい。かかる構成を採用することで、より安定した上昇流を生じさせることができる。
【0010】
上記沈降装置は複数の第二のノズルを備えてもよい。この場合、複数の第二のノズルはシュートの先端側内面に周方向に並ぶように設けてもよい。かかる構成を採用することで、より安定した旋回流を生じさせることができる。
【0011】
上記沈降装置は水槽に設けられた排水口と、排水口に基端側が接続され且つ途中にポンプ及びクーラーを有する循環ラインとを更に備えてもよい。この場合、循環ラインによって循環される水を第一及び第二のノズルから噴射される水として使用してもよい。冷却された水を第一及び第二のノズルから噴射させることで、微粉粒子を効率的に冷却でき、これによりシュート内の水の蒸発を抑制できる。なお、シュート内の水が過度に蒸発し、水蒸気が処理炉内に流入すると処理炉内で生成する微粉粒子の質が低下するおそれがある。
【0012】
本発明に係る沈降方法は、処理炉からの微粉粒子を水中に沈降させるためのものであり、処理炉に基端側が接続され且つ先端側が水槽内の水の水面よりも下方の位置まで延びる筒状のシュートを介して水槽に微粉粒子を導入する工程と、シュートの先端側開口の中央領域に設けられた第一のノズルから水を噴射することによってシュート内の水に上昇流を生じさせる工程と、シュートの先端側内部に設けられた第二のノズルから水を噴射することによってシュート内の水に旋回流を生じさせる工程とを備える。
【0013】
第一のノズルから噴射する水の線速度は、安定的な上昇流を生じさせる観点から1〜12m/秒とすることができる。第二のノズルから噴射する水の線速度は、安定的な旋回流を生じさせる観点から1〜6m/秒とすることができる。
【0014】
上記沈降方法は、水槽から排出させた水を冷却するとともに冷却した水を水槽に循環させる工程を更に備えてもよい。この場合、冷却した水を第一及び第二のノズルから噴射させる水として使用してもよい。冷却された水を第一及び第二のノズルから噴射させることで、微粉粒子を効率的に冷却でき、これによりシュート内の水の蒸発を抑制できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、水槽内の水中に微粉粒子を十分速やかに沈降させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係る沈降装置の構成を模式的に示す断面図である。
【
図2】
図1に示すII−II線における断面図である。
【
図3】複数の第一のノズルの配置の他の例を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0018】
<沈降装置>
図1に示す沈降装置10は、処理炉(不図示)からの微粉粒子を水中に沈降させるためのものである。処理炉の例としては、ストーカ式、流動床式、ロータリーキルン式などの炉が挙げられ、より具体的には各種廃棄物(一般廃棄物、産業廃棄物)の焼却炉;乾留炉;石炭、バイオマス等の炭化炉などが挙げられる。
【0019】
沈降装置10は、円筒状のシュート5と、水を収容する水槽7と、水槽7内の水を冷却する機能を有する循環ラインL1とを備える。更に、沈降装置10は、水槽7内の水であってシュート5の先端側で囲われた領域の水(以下単に「シュート5内の水」という。)に上昇流を生じさせる複数のノズル(第一のノズル)1と、シュート5内の水に旋回流を生じさせる複数のノズル(第二のノズル)2とを備える。なお、沈降装置10は、沈降した微粉粒子を水槽7から回収するフライトコンベア8とともに微粉粒子の冷却回収設備を構成する。以下、各構成について説明する。
【0020】
シュート5は、処理炉に基端側が接続されており、処理炉で生成した微粉粒子を水槽7に移送するためのものである。シュート5の先端側は水槽7内の水の水面Sよりも下方の位置まで延びている(
図1参照)。これにより、処理炉から水槽7に微粉粒子を供給する際に外気が処理炉内に入り込むことを防止するとともに、処理炉内の可燃性ガスが外部に漏れることを防止している。シュート5の先端5aと水面Sとの距離は20〜40cm程度とすればよい。シュート5の形状は例えば円筒状であり、その内径は0.5〜1.5m程度とすればよい。シュート5の内径は例えば処理炉の規模に応じて設定すればよい。
【0021】
水槽7は、処理炉からの微粉粒子を冷却するためのものである。水槽7に水を入れ、水面Sの高さをシュート5の先端5aよりも高い位置にすることでシュート5内の空間と外部とを水によって隔離できる。水槽7は、水平方向に平たく延びる底面7aと、側面7bとを有する。水槽7は微粉粒子を十分に冷却できる水量を収容可能であることが好ましく、水深は1〜2m程度とすればよい。
【0022】
循環ラインL1は、水槽7内の水を冷却する機能を有する。なお、ここでいう「ライン」は流体を移送するための配管を意味する。循環ラインL1は水槽7に設けられた排水口7cに基端側が接続されている。水槽7は、途中にポンプPとクーラーCとを有する。循環ラインL1の先端側はヘッダー管3を介してノズル1,2に接続されており(
図2参照)、クーラーCによって冷却された水をノズル1,2から噴射できるように構成されている。冷却された水をノズル1,2から噴射させることで、微粉粒子を効率的に冷却でき、これによりシュート5内の水の蒸発を抑制できる。なお、図示しないがヘッダー管3及び循環ラインL1の複数の箇所にはそれぞれのバルブが設けられており、ノズル1,2の噴射量を適宜調節できるように構成されている。
【0023】
フライトコンベア8は、水槽7の水中に沈降した微粉粒子を容器9に回収するための装置(回収装置)であり、沈降装置10とともに冷却回収設備を構成する。フライトコンベア8は、水槽7の底面7aと1つの側面7bとに沿って設けられている。なお、微粉粒子の回収装置としては、フライトコンベア8に限定されず、例えば、底面7a上に堆積した微粉粒子を掻き出す機構を有する装置を採用してもよい。
【0024】
複数のノズル1は、シュート5内の水に上昇流を生じさせるためのものであり、シュート5の先端5aの開口(先端側開口)5bの中央領域に設けられている(
図2参照)。循環ラインL1からの水がノズル1から上方に向けて噴射される。本実施形態においては、計5つのノズル1が使用され、
図2に示すとおり、そのうちの1つのノズル1aは開口5bの中央部に設けられ、残りの4つのノズル1bはノズル1aを囲うように設けられている。かかる構成を採用することで、より安定した上昇流を生じさせることができる。なお、ノズル1の本数及び配置は上記態様に限定されない。例えば、
図3に示すように、計8本のノズル1を同心円状に並べてもよい。
【0025】
複数のノズル2は、シュート5内の水に旋回流を生じさせるためのものであり、シュート5の先端5a側の内面(先端側内部)5cに設けられている(
図1,2参照)。本実施形態においては、計4つのノズル2が使用され、
図2に示すとおり、シュート5の内周(周方向)に沿って略等間隔に並ぶように設けられている。ノズル2の噴射方向と、ノズル2が設けられている位置におけるシュート5の円周の接線方向とのなす角(
図2に示す角度α)は、シュート5内の水に安定的な水流を形成する観点から、好ましくは30〜60°であり、より好ましくは30〜45°である。ノズル2の設置高さは、同様の観点から、水面Sから2〜10cm下であることが好ましく、3〜8cm下であることがより好ましい。なお、ノズル2の本数及び配置は上記態様に限定されない。また、ここではノズル2から水を水平方向に噴射させる場合を例示したが、噴射方向を上方又は下方に傾斜させてもよい。
【0026】
沈降装置10によれば、ノズル1,2が生じさせる水流によって水槽7内の水中に微粉粒子を十分速やかに沈降させることができる。また、沈降装置10は、機械的な可動部を必要としないノズル1,2によって水流を生じさせるため、装置の構成がシンプルであり且つメンテナンスが容易であるという利点がある。これに対し、例えばパドルのような機械的な可動部を有する装置を水中で使用した場合には回転軸のシールが必要であったり、高い頻度でメンテナンスをする必要があるという課題が生じやすい。
【0027】
<沈降方法>
次に、沈降装置10を使用して処理炉からの微粉粒子を水槽7内に沈降させる方法について説明する。
【0028】
沈降装置10は、平均粒径0.5〜5mm(より好ましくは0.5〜2mm)程度の微粉粒子であって、一旦水中に浸ればそのまま沈降する比重を有するものを対象とすることができる。このような性質を有する微粉粒子の例としては、一般廃棄物を乾留して生成された炭化物;バイオマス、廃タイヤ又は石炭等を処理して生成する炭化物などが挙げられる。なお、ここでいう平均粒径はJIS Z8815(1994)の「ふるい分け試験方法通則」に規定された方法に準拠した測定値から算出される体積平均径を意味する。
【0029】
本実施形態に係る沈降方法は、シュート5を介して水槽7に微粉粒子を導入する工程と、水槽7の排水口7cから排出させた水を循環ラインL1の途中に設けたクーラーCによって冷却させる工程と、循環ラインL1からの水をノズル1から噴射することによってシュート5内の水に上昇流を生じさせる工程と、循環ラインL1からの水をノズル2から噴射することによってシュート5内の水に旋回流を生じさせる工程とを備える。
【0030】
ノズル1から噴射する水の線速度は好ましくは1〜12m/秒であり、より好ましくは3〜6m/秒である。この線速度が1m/秒以上であれば十分な上昇流を生じさせることができ、他方、12m/秒以下であれば噴射した水が水面Sから上方に噴出することを抑制できる。
【0031】
ノズル2から噴射する水の線速度は好ましくは1〜6m/秒であり、より好ましくは2〜4m/秒である。この線速度が1m/秒以上であれば十分な旋回流を生じさせることができ、他方、6m/秒以下であれば水面Sが乱れたり、水が泡立ったりすることを抑制できる。水面Sが乱れるとシュート5の内部と外部とが導通し、シュート5を通じて外気が処理炉内に入り込んだり、処理炉からの可燃性ガスが外部に漏れたりするおそれがある。
【0032】
排水口7cから排出される水の温度が70〜90℃程度である場合、循環ラインL1におけるクーラーCによって40〜60℃程度まで水を冷却することが好ましい。冷却した水をノズル1,2から噴射することで微粉粒子を効率的に冷却でき、これによりシュート5内の水の蒸発を抑制できる。
【0033】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、クーラーCを有する循環ラインL1によって水を冷却するとともに循環させる態様を例示したが、例えばクーラーCを使用せず、水を自然冷却させたり循環水と冷水とを混合させたりしてもよい。
【符号の説明】
【0034】
1,1a,1b…ノズル(第一のノズル)、2…ノズル(第二のノズル)、3…ヘッダー管、5…シュート、5a…シュートの先端、5b…シュートの開口(先端側開口)、5c…シュートの内面(先端側内部)、7…水槽、7a…底面、7b…側面、7c…排水口、8…フライトコンベア、9…容器、10…沈降装置、C…クーラー、L1…循環ライン、P…ポンプ、S…水面、α…角度。