(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献2に記載の技術では、腰壁パネルの取り付け及び取り外しに際して、輸送用架台の分解及び組立を必要とするので、作業工程及び作業時間が増えてしまう。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、輸送用架台の分解及び組立をせずとも、腰壁パネル及び外壁パネル等のパネルの取り外し及び取り付けを行えるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための請求項1に係る発明は、例えば
図1〜
図7に示すように、貨物自動車10の荷台13に設置され、パネル40を立てた状態に支持する輸送用架台20において、前記荷台13上に互いに平行に設けられ、水平方向に間隔を空けて配列された複数の第一取付梁25と、前記第一取付梁25と平行となるように前記第一取付梁25の上に設けられ、前記第一取付梁25の間隔と等しい間隔を水平方向に空けて配列された複数の第二取付梁26と、を備え、前記第二取付梁26の間隔P1が、前記パネル40の一方の面40aから突き出るように前記一方の面40aの下部と上部にそれぞれ設けられるとともに前記第一取付梁25と前記第二取付梁26にそれぞれ締結される第一ブラケット41及び第二ブラケット42の突端41c,42cから前記パネル40の他方の面40bまでの距離L1よりも広いことを特徴とする輸送用架台20である。
【0007】
請求項1に係る発明によれば、第二取付梁26の間隔P1がパネル40の一方の面40aに取り付けられた第一ブラケット41及び第二ブラケット42の突端41c,42cからパネル40の他方の面40bまでの距離L1よりも広いので、第一ブラケット41及び第二ブラケット42をパネル40に取り付けた状態でそのパネル40を隣り合う第二取付梁26の間及び隣り合う第一取付梁25の間に入れることができる。そのため、第一ブラケット41と第二ブラケット42をそれぞれ第一取付梁25と第二取付梁26に締結したり、それらの締結を解除したりすれば、輸送用架台20の分解をせずとも、パネル40の取り付け及び取り外しを行うことができる。
第一ブラケット41及び第二ブラケット42をパネル40から取り外さなくても、パネル40の取り付け及び取り外しを行うことができる。そうすると、パネル40を輸送用架台20に取り付けることに第一ブラケット41及び第二ブラケット42を利用することのみならず、パネル40を建物の躯体70に取り付けることにも第一ブラケット41及び第二ブラケット42を利用することができる。
第一ブラケット41と第二ブラケット42をそれぞれ第一取付梁25と第二取付梁26に締結すれば、パネル40を縦置きにすることができる。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の輸送用架台20において、ボルトを通すための複数の第一通し孔が前記第一取付梁25に形成されているとともに、前記第一取付梁25の長手方向に沿って配列され、ボルトを通すための複数の第二通し孔が前記第二取付梁26に形成されているとともに、前記第二取付梁26の長手方向に沿って配列されていることを特徴とする輸送用架台20である。
【0009】
請求項2に係る発明によれば、様々なサイズのパネル40を立てた状態にして輸送用架台20に取り付けることができる。更に、複数のパネル40を立てた状態にして輸送用架台20に取り付けることができる。複数のパネル40を縦置きにすることによって、パネル40の荷崩れを抑えることができる。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の輸送用架台20の使用方法において、前記パネル40を前記第二取付梁26の上に吊り上げる吊り上げ工程と、前記吊り上げ工程後に前記パネル40を前記第一ブラケット41及び前記第二ブラケット42とともに前記第二取付梁26の隣同士の間に通して、前記第一ブラケット41と前記第二ブラケット42をそれぞれ前記第一取付梁25と前記第二取付梁26の高さまで下降させる下降工程と、前記下降工程後に前記第一ブラケット41と前記第二ブラケット42をそれぞれ前記第一取付梁25と前記第二取付梁26に締結する締結工程と、を含むことを特徴とする輸送用架台20の使用方法である。
【0011】
請求項3に係る発明によれば、輸送用架台20を分解せずとも、パネル40を立てた状態で輸送用架台20に取り付けることができる。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1又は2に記載の輸送用架台20の使用方法において、前記貨物自動車10の前記荷台13に設置された前記輸送用架台20の前記第一取付梁25の隣同士の間及び前記第二取付梁26の隣同士の間に前記パネル40を配置した状態であって、且つ前記第一ブラケット41と前記第二ブラケット42をそれぞれ前記第一取付梁25と前記第二取付梁26に締結した状態で前記パネル40を前記貨物自動車10によって輸送することを特徴とする輸送用架台20の使用方法である。
【0013】
請求項4に係る発明によれば、パネル40を立てた状態で輸送用架台20に取り付けることができ、パネル40の荷崩れを抑制することができる。
【0014】
請求項5に係る発明は、請求項1又は2に記載の輸送用架台20の使用方法において、前記貨物自動車10の前記荷台13に設置された前記輸送用架台20の前記第一取付梁25の隣同士の間及び前記第二取付梁26の隣同士の間に前記パネル40を配置した状態であって、且つ前記第一ブラケット41と前記第二ブラケット42をそれぞれ前記第一取付梁25と前記第二取付梁26に締結した状態から、前記第一ブラケット41と前記第一取付梁25の締結を解除するとともに、前記第二ブラケット42と前記第二取付梁26の締結を解除する締結解除工程と、前記締結解除工程後に前記パネル40を前記第一ブラケット41及び前記第二ブラケット42とともに前記第二取付梁26の隣同士の間を通じて前記第二取付梁26の上に上昇させる上昇工程と、前記上昇工程後に前記パネル40を建物の躯体70に近づけて、前記第一ブラケット41及び前記第二ブラケット42を前記躯体70に締結する締結工程と、を含むことを特徴とする輸送用架台20の使用方法である。
【0015】
請求項5に係る発明によれば、輸送用架台20を分解せずとも、パネル40を輸送用架台20から取り外すことができる。パネル40を輸送用架台20に取り付けることと、パネル40を建物の躯体70に取り付けることとに第一ブラケット41及び第二ブラケット42を兼用することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、輸送用架台の分解をせずとも、パネルの取り付け及び取り外しを行うことができる。
第一ブラケット及び第二ブラケットをパネルから取り外さなくても、パネルの取り付け及び取り外しを行うことができる。パネルを輸送用架台に取り付けることと、パネルを建物の躯体に取り付けることとに第一ブラケット及び第二ブラケットを兼用することができる。
パネルを立てた状態で輸送用架台に取り付けることができ、パネルの荷崩れを抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されている。そのため、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0019】
図1は輸送装置1の側面図であり、
図2は輸送装置1の上面図であり、
図3は輸送装置1の背面図であり、
図4は
図1に示すIV−IVに沿った面を矢印方向へ向かって見て示した断面図である。
【0020】
この輸送装置1は、外壁パネル等のパネル40を取付現場まで輸送するものである。この輸送装置1は貨物自動車(トラック)10及び輸送用架台20を備える。なお、
図2及び
図4は複数枚のパネル40,40…を輸送装置1に積載した状態を示し、
図1及び
図3はパネル40を輸送装置1に積載していない状態を示す。
【0021】
貨物自動車10のシャシー11の前部の上にキャビン12が設けられ、そのシャシー11の後部の上に荷台13が設けられ、その荷台13がキャビン12の後ろに位置する。荷台13が上方開放の箱形形状であり、荷台13のデッキ14の前後左右の縁に壁15〜18が立設されている。荷台13が三方開タイプのものであり、左右の壁16,17及び後ろの壁18が外側に倒れることによって開く。
【0022】
輸送用架台20は荷台13のデッキ14の上に載置されて、そのデッキ14に固定されている。輸送用架台20は支持枠21,22を有する。支持枠21がデッキ14の後部の上に立てられた状態に設けられ、支持枠22が支持枠21から前に離れた位置においてデッキ14の上に立てられた状態に設けられている。
【0023】
支持枠21が下梁21a、上梁21b、支柱21c,21d、中間梁21e,21f及びブレース21gを有する。下梁21a、上梁21b及び支柱21c,21dが矩形枠状に組まれており、ブレース21gが支柱21cと支柱21dとの間に斜めに架け渡されている。下梁21aがデッキ14の上に敷設されているとともに、左右に延在する。そして、下梁21aがボルト等の締結具によってデッキ14に固定されている。支柱21c,21dの下端が下梁21aの左端及び右端にそれぞれ連結されている。上梁21bが支柱21cの上端と支柱21dの上端との間を左右に架け渡すように設けられている。中間梁21e,21fが支柱21cと支柱21dとの間を左右に架け渡すように設けられている。下梁21a、上梁21b及び中間梁21e,21fが互いに平行に設けられている。また、下梁21a、上梁21b及び中間梁21e,21fはH形鋼である。なお、下梁21a、上梁21b及び中間梁21e,21fがH形鋼以外の形鋼(例えば、I形鋼、T形鋼、山形鋼(L形鋼)、溝形鋼、Z形鋼、異型形鋼)であってもよい。
【0024】
支持枠22は下梁22a、上梁22b、支柱22c,22d、中間梁22e,22f及びブレース(図示略)を有するとともに、支持枠21と同様に設けられている。
【0025】
輸送用架台20は更に取付梁25,25…、取付梁26,26…、取付梁27,27…及び取付梁28,28…を有する。これら取付梁25,25…、取付梁26,26…、取付梁27,27…及び取付梁28,28…はH形鋼である。なお、取付梁25,25…、取付梁26,26…、取付梁27,27…及び取付梁28,28…がH形鋼以外の形鋼(例えば、I形鋼、T形鋼、山形鋼(L形鋼)、溝形鋼、Z形鋼、異型形鋼)であってもよい。
また、取付梁25,25…、取付梁26,26…、取付梁27,27…及び取付梁28,28…は、パネル40,40…が輸送後に取り付けられる建物の躯体の梁又は柱と同じものである。つまり、取付梁25,25…、取付梁26,26…、取付梁27,27…及び取付梁28,28…の断面形状は、建物の躯体の梁又は柱の断面形状と合同である。
【0026】
取付梁25,25…がデッキ14の上に敷設されているとともに、前後に延在する。そして、取付梁25,25…がボルト等の締結具によってデッキ14に固定されている。これら取付梁25,25…が互い平行に設けられているとともに、等間隔で配列されている。取付梁25,25…の後端が下梁21aに連結され、取付梁25,25…の前端が下梁22aに連結されている。
【0027】
取付梁26,26…の後端が上梁21bに連結され、取付梁26,26…の前端が上梁22bに連結され、取付梁26,26…が上梁21bと上梁22bとの間を前後に架け渡すように設けられている。これら取付梁26,26…が互い平行に設けられているとともに、等間隔で配列されている。
【0028】
取付梁27,27…が中間梁21eと中間梁22eとの間を前後に架け渡すように設けられている。これら取付梁27,27…が互い平行に設けられているとともに、等間隔で配列されている。取付梁27,27…と同様に取付梁28,28…も中間梁21f,22fの間に設けられている。
【0029】
取付梁25,25…の間隔と、取付梁26,26…の間隔と、取付梁27,27…の間隔と、取付梁28,28…の間隔は互いに等しい。また、1本の取付梁25、1本の取付梁26、1本の取付梁27及び1本の取付梁28が前後上下によって規定された同一鉛直面に沿って上下に配列され、取付梁25,26,27,28が一組のセットを構成する。そのようなセットが取付梁25,25…の本数だけある。
【0030】
取付梁26(特に、取付梁26の下側のフランジ)には複数の通し孔26a,26a…が上下に貫通するように形成されている。これら通し孔26a,26a…は取付梁26の長手方向(前後方向)に沿って等間隔で配列されている。通し孔26a,26a…にはナット26b,26b…(
図5参照)が設けられている。
他の取付梁26,26…、取付梁25,25…、取付梁27,27…及び取付梁28,28…についても同様に複数の通し孔が形成されている。但し、取付梁25,25…については、上側のフランジに複数の通し孔が形成されている。
【0031】
図1に示すように、ブレース20aが支柱21cと支柱22cとの間に斜めに架け渡されている。同様に、反対側の側面においても、ブレース(図示略)が支柱21dと支柱22dとの間に斜めに架け渡されている。また、
図2に示すように、上面においても、ブレース20bが最も左の取付梁26と最も右の取付梁26との間に斜めに架け渡されている。前側の支持枠22においても、ブレース(図示略)が支柱22cと支柱22dとの間に斜めに架け渡されている。
【0032】
なお、中間梁21e,21f、中間梁22e,22f、取付梁27,27…及び取付梁28,28…が設けられていなくてもよい。また、上述の説明では取付梁25と取付梁26との間に2本の取付梁27,28が配置されているが、取付梁25と取付梁26との間に配置される取付梁の数は1でもよいし、3以上でもよい。
【0033】
取付梁27,27…と取付梁28,28…の両方又は片方の取付高さを上下に調整可能としてもよい。例えば、取付梁27,27…の両端がガイド(支柱21c,21d,22c,22dがガイドであってもよい。)によって上下に案内されるとともに、ロック機構等によって所定の高さで固定されるものとする。或いは、取付梁27,27…の両端を支柱21c,21d,22c,22dから取り外し可能であるとともに、別の高さにおいて支柱21c,21d,22c,22dに取り付け可能であるものとする。取付梁27,27…や取付梁28,28…の取付高さの調整が可能であれば、様々な縦方向の長さのパネル40を輸送用架台20に取り付けることができる。
【0034】
輸送装置1の使用方法について説明する。
一又は複数のパネル40を輸送装置1に荷積みして、パネル40を輸送装置1によって取付現場に輸送し、輸送装置1からパネル40を荷下ろしするとともにパネル40を取付現場の建物の躯体に取り付ける。建物の躯体は鉄骨造(例えば鉄骨軸組構造、鉄骨ラーメン構造等)又は木造である。
【0035】
図5及び
図6を参照して、パネル40の荷積みについて説明する。
パネル40は外壁パネルである。パネル40の一方の面40aの下部に複数のブラケット41(
図5及び
図6では、一つのブラケット41を図示)が取り付けられ、これらブラケット41が
図5の紙面に垂直な方向に沿って配列されている。その面40aの上部にも複数のブラケット42(
図5及び
図6では、一つのブラケット42を図示)が取り付けられ、これらブラケット42が
図5及び
図6の紙面に垂直な方向に沿って配列されている。なお、輸送後にパネル40を建物の躯体に取り付ける場合、ブラケット41,42が取り付けられる面40aが建物の内側に向く面となる。
【0036】
ブラケット41がL字型に形作られた金具である。つまり、ブラケット41が水平板部41a及び鉛直板部41bを有し、水平板部41aと鉛直板部41bが一体に成形され、水平板部41aが鉛直板部41bに対して垂直に設けられている。鉛直板部41bがパネル40の一方の面40aに沿って設けられて、その鉛直板部41bが締結具(例えばボルト)41dによってその面40aに締結され、水平板部41aがその面40aから延び出ている。水平板部41aには、通し孔41e(
図6参照)が上下に貫通するように形成されている。
【0037】
ブラケット41と同様にブラケット42もL字型に形作られた金具であり、ブラケット42が水平板部42a及び鉛直板部42bを有し、鉛直板部42bが締結具42dによってパネル40の一方の面40aに締結されている。
【0038】
ここで、取付梁25,25…の間隔P1は、パネル40の他方の面40bからブラケット41,42の水平板部41a,42aの突端41c,42cまでの距離L1よりも広い。
【0039】
パネル40を荷積みするに際しては、複数のブラケット41,42をパネル40の一方の面40aに締結して、ブラケット41,42付きのパネル40を準備する。また、輸送用架台20の上面に取り付けられたブレース20bを取り外す。
【0040】
次に、クレーン等によってパネル40を輸送用架台20の上まで吊り上げる。
次に、パネル40を取付梁25,26,27,28と平行にして、パネル40を隣り合う取付梁26,26の間に下降させる。この際、ブラケット41を取付梁25の高さまでパネル40を下降させ、ブラケット42を取付梁26の高さまでパネル40を下降させる。
【0041】
次に、ブラケット42の水平板部42aを取付梁26に締結する。具体的には、水平板部42aを取付梁26の下面に当接させて、ボルト42fを水平板部42aの通し孔42e及び取付梁26の通し孔26aに通して、ボルト42fをナット26bに締め付ける。そのパネル40に取り付けられた他のブラケット42の水平板部42aも同様に取付梁26に締結する。また、同様に、複数のブラケット41の水平板部41aをボルト41fによって取付梁25に締結する。
【0042】
複数のパネル40を輸送する場合には、同様にして、他のパネル40を輸送用架台20に取り付ける。その後、取り外したブレース20bを最も左の取付梁26と最も右の取付梁26との間に斜めに架け渡す。
なお、パネル40の上下方向の長さが短ければ、ブラケット42を取付梁26,27,28の何れかに締結し、ブラケット41を取付梁25,27,28の何れか(但し、その取付梁はブラケット42が締結される取付梁よりも下に配置されている。)に締結してもよい。更に、複数のパネル40を上下に配列してもよい(例えば、上下に二枚のパネル40,40を配列する場合、上側のパネル40のブラケット41とブラケット42をそれぞれ取付梁27と取付梁26に締結し、下側のパネル40のブラケット41とブラケット42をそれぞれ取付梁28と取付梁25に締結する。)。また、左右両側に配置された取付梁25,26,27,28にブラケット41,42を締結する場合には、パネル40を輸送用架台20の上まで吊り上げずに、左右のブレース21g(ブレース21gの反対側のブレースは図示略)を取り外した上で、左右両側に配置された取付梁25,26,27,28にまでパネル40を近づければよい。
【0043】
以上のように一又は複数のパネル40を輸送用架台20に取り付けたら、貨物自動車10によってパネル40を取付現場まで輸送する。
【0044】
取付現場では、ブラケット41,42を利用してパネル40を建物の躯体に取り付ける。つまり、ブラケット41,42は、パネル40を輸送用架台20に取り付けるための専用品ではなく、パネル40を建物の躯体に取り付けるのにも兼用する。具体的には、次のようにする(
図7参照)。
【0045】
まず、輸送用架台20の上面に取り付けられたブレース20bを取り外す。
次に、取り外すパネル40をクレーンのフック61に掛けて、そのパネル40をクレーンで支える。
次に、ボルト41f,42fを緩めて、ブラケット41,42を取付梁25,26から外す。
次に、パネル40を隣り合う取付梁26,26の間から輸送用架台20の上へ上昇させる。そして、クレーンでパネル40を建物の躯体70に近づける。
次に、ブラケット41を建物の躯体70の下梁(例えば、床梁)71に締結し、ブラケット42をその躯体の上梁(例えば、天井梁)72に締結する。
【0046】
以上のような輸送装置1を利用すると、次のような効果をもたらす。
(1) 隣り合う取付梁26,26の間隔P1がパネル40の面40bから第一ブラケット41及び第二ブラケット42の突端41c,42cまでの距離L1よりも広い。隣り合う取付梁25,25の間隔、取付梁27,27の間隔、取付梁28,28の間隔も距離L1よりも広い。そのため、第一ブラケット41及び第二ブラケット42をパネル40に取り付けた状態で、輸送用架台20の上からそのパネル40を隣り合う取付梁26、26の間、隣り合う取付梁27,27の間、隣り合う取付梁28,28の間、隣り合う取付梁25,25の間に挿入することができる。よって、輸送用架台20の分解をせずとも、パネル40の取り付け及び取り外しを行うことができる。
【0047】
(2) ブラケット41及びブラケット42をパネル40から取り外さなくても、パネル40の取り付け及び取り外しを行うことができる。そうすると、パネル40を輸送用架台20に取り付けることにブラケット41,42を利用することのみならず、パネル40を建物の躯体70に取り付けることにもブラケット41,42を利用することができる。また、ブラケット41,42が予め工場等においてパネル40に取り付けられているので、建物の施工現場において躯体70にパネル40を取り付ける際に、躯体40やパネル40と図面とを照合しなくても済む。そのため、パネル40の取り付ける際の施工効率が向上する。
【0048】
(3) パネル40を立てた状態で輸送用架台20に取り付けることができ、その輸送用架台20が貨物自動車10の荷台13に設置されているため、仮にパネルを平積みした場合と比較しても、パネル40の荷崩れが起きにくい。
【0049】
(4) 複数の通し孔26a,26a…が取付梁26の長手方向に沿って配列され、取付梁25,27,28についても同様である。よって、様々な横方向の長さのパネル40を輸送用架台20に取り付けることができる。更に、複数のパネル40を取付梁26の長手方向に沿って並べて、それらパネル40を輸送用架台20に取り付けることができる。
【0050】
(5) 取付梁25,26,27,28が上下に配列されている。そのため、様々な縦方向の長さのパネル40を輸送用架台20に取り付けることができる。更に、複数のパネル40を上下に並べて、それらパネル40を輸送用架台20に取り付けることができる。
【0051】
(6) 取付梁25,26,27,28の断面形状が建物の躯体70の梁71,72の断面形状と合同であるので、パネル40,40…が取付現場に輸送されてきた時点で、取付現場の作業者は輸送用架台20に対するパネル40,40…の取付状態に基づいて、躯体70に対するパネル40,40…の取付状態を直感的に理解することができる。よって、パネル40,40…を躯体70に取り付ける作業性が向上する。